JP2002046640A - 車両の操舵支援装置 - Google Patents
車両の操舵支援装置Info
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Abstract
け感じることのない状態で、適正に操舵支援が行なえる
ような車両の操舵支援装置を提供することである。 【解決手段】上記課題は、運転者の行なうステアリング
操作を支援する車両の操舵支援装置において、車両を車
線内に保持するように操舵制御を行うことによりステア
リング操作を支援する第一の操舵支援制御手段と、ステ
アリング操作部の操作量に基づいて車両の旋回挙動を安
定させるような操舵制御を行うことによりステアリング
操作を支援する第二の操舵支援制御手段と、運転者が積
極的なステアリング操作を行なう意思があるか否かを判
定する操作意思判定手段と、運転者が積極的なステアリ
ング操作を行なう意思がないことを上記操作意思判定手
段が判定したときに、上記第一の操舵支援制御手段を有
効にする一方、運転者が積極的なステアリング操作を行
なう意思があることを上記操作意思判定手段が判定した
ときに、上記第二の操舵支援制御手段を有効にする制御
切換え手段とを有する車両の操舵支援装置にて達成され
る。
Description
置に係り、詳しくは、運転者のステアリング操作の支援
を行なう車両の操舵支援装置に関する。
ンドルに対して、車両が車線内の目標ラインに沿って走
行するように操舵力を与えて運転者の操舵支援を行なう
ようにした車両の操舵支援装置が提案されている(特開
平11−105728)。この車両の操舵支援装置で
は、運転者のステアリング操作により車両が導かれる走
行ラインを車線内で予め設定された複数の目標ラインか
ら選択された1つの目標ラインに近づけるための操舵ト
ルクを発生させている。この操舵トルクにより運転者の
ステアリングハンドルの操作が助勢されて、運転者の操
舵支援がなされる。
車両走行のラインどりについて運転者の意思が比較的反
映されると共に、車線からの車両の逸脱を防止するよう
な運転者に対する操舵支援が可能となる。
アリング操作を積極的に行なって車両を上述したような
予め設定された目標走行ラインと異なる走行ラインにて
走行させようとすると、操舵支援装置により発生される
操舵トルクにより、運転者によってはその操舵支援を煩
わしく感じる場合がある。
さをできるだけ感じることのない状態で、適正に操舵支
援が行なえるような車両の操舵支援装置を提供すること
である。
め、本発明は、請求項1に記載されるように、運転者の
行なうステアリング操作を支援する車両の操舵支援装置
において、車両を車線内に保持するように操舵制御を行
うことによりステアリング操作を支援する第一の操舵支
援制御手段と、ステアリング操作部の操作量に基づいて
車両の旋回挙動を安定させるような操舵制御を行うこと
によりステアリング操作を支援する第二の操舵支援制御
手段と、運転者が積極的なステアリング操作を行なう意
思があるか否かを判定する操作意思判定手段と、運転者
が積極的なステアリング操作を行なう意思がないことを
上記操作意思判定手段が判定したときに、上記第一の操
舵支援制御手段を有効にする一方、運転者が積極的なス
テアリング操作を行なう意思があることを上記操作意思
判定手段が判定したときに、上記第二の操舵支援制御手
段を有効にする制御切換え手段とを有するように構成さ
れる。
者が積極的なステアリング操作を行なう意思がないと判
定された場合に、第一の操舵支援制御手段が有効にさ
れ、車両が車線内に保持されるように操舵制御がなされ
る。この場合、運転者は積極的にステアリング操作を行
なう意思がないので、大きな量のステアリング操作を行
なわず、ステアリング操作に干渉するような操舵制御が
なされたとしても、運転者のステアリング操作に対する
妨げ感は少ない。
を行なう意思があると判定された場合、第二の操舵制御
手段が有効にされ、運転者が操作するステアリング操作
部の操作量に基づいて車両の旋回挙動を安定させるよう
操舵制御がなされる。この場合、ステアリング操作部の
操作量に基づいて車両の旋回挙動を安定されるようにな
される操舵制御によってステアリング操作に対する支援
がなされる。このようにステアリング操作部の操作量に
基づいて操舵制御がなされるので、運転者のステアリン
グ操作に対する操舵制御に起因した妨げ感を低減させる
ことが可能になる共に、車両の安定性を維持することも
可能となる。
アリング操作部が運転者によって操作された量を表すも
のであり、例えば、ステアリング角にて表すことができ
る。
なステアリング操作を行なう意思があると見なし得る状
態及び運転者が積極的なステアリング操作を行なう意思
がないと見なし得る状態を判定できるものであれば、特
に限定されない。例えば、運転者から発生される音声、
運転者が操作する例えばステアリング操作部に設けられ
たスイッチに基づいて判定することも可能であり、ま
た、請求項2に記載されるように、運転者が操作すべき
ステアリング操作部の操作状態に基づいて運転者が積極
的なステアリング操作を行なう意思があると判定するこ
とも可能である。
えば、ステアリング操作部の操作量の大きさや変化量、
ステアリング操作部に作用するトルクの大きさや操作量
等にて表すことができる。
は、請求項3に記載されるように、ステアリング操作部
の操作量に基づいて車両の旋回挙動を安定させるように
定められる制御目標値を設定し、操舵量を上記制御目標
値に近づけるように制御するようにすることができる。
性を表す指標となりうる。従って、例えば、上記第二の
操舵支援制御手段は、ステアリングの操作量に基づいて
車両の旋回挙動を安定させるようなヨーレートを維持し
た状態で操舵量を制御するようにできる。
で、例えば、操舵角(舵角)で表すことができる。
においてステアリング操作部の操作量の急激な変化に対
して車両の安定性が損なわれることを防止するという観
点から、本発明は、請求項4に記載されるように、上記
車両の操舵支援装置において、上記第二の操舵支援制御
手段は、操舵量を上記目標制御値に近づけるに際し、舵
角と上記制御目標値との差が所定値より大きい状況では
制御目標値に対する追従性を上記差が所定値以下となる
状況より鈍らせるように構成することができる。
を行なう意思がない状態からその意思がある状態に変化
して、車両を車線内に保持するように操舵制御を行なう
第一の操舵制御手段が有効な状態からステアリング操作
部の操作量に基づいて車両の旋回挙動を安定させるよう
な操舵制御を行う第二の操舵支援制御手段が有効となる
状態に切換えられる際は、制御目標値が大きく変化しう
る。このように第一の操舵支援制御手段が有効な状態か
ら第二の操舵支援制御手段が有効な状態に切換えられる
際に制御目標値の変化が大きくなっても、実際の操舵量
(舵角)の追従性が鈍くなることにより、車両(挙動)
の状態が急激に変化することを防止することができる。
操舵量の追従性とは、制御量が本来得られるべき制御量
に達するまでの当該制御量の変化の状態を表すものであ
り、その追従性が鈍いとは、当該制御量の変化が遅い状
態をいう。
に対する操舵量の追従性を鈍らせるための具体的手段を
提供するという観点から、本発明は、請求項5に記載さ
れるように、上記車両の操舵支援装置において、上記第
二の操舵支援制御手段は、上記舵角と上記制御目標値と
の差が所定値より大きい状況において現時点の舵角と上
記制御目標値との間の値となる暫定目標値を設定する暫
定目標値設定手段を有し、制御量を上記目標制御値に近
づけるに際し、該暫定目標値設定手段は、制御量がその
暫定目標値に達する毎に暫定目標値を更新するように構
成することができる。
量が暫定目標値に達する毎に新たな暫定目標値が設定さ
れ、更にその暫定目標値に制御量がに近づくようにして
段階的に当該舵角がステアリング操作部の操作量に基づ
いて定められた制御目標値に近づくようになるので、制
御量の追従性を鈍らせることができる。
ステアリング操作に対する違和感を緩和するという観点
から、本発明は、請求項6に記載されるように、上記各
車両の操舵支援装置において、第二の操舵支援制御手段
は、制御量の追従性に応じてステアリング操作部の操作
特性を制御する操作特性制御手段を有するように構成す
ることができる。
したように、第一の操舵支援制御手段が有効な状態から
第二の操舵支援制御手段が有効な状態に切換わった場合
など、制御目標値と操舵量の差に応じて制御量の追従性
が変化しても、その追従性に応じてステアリング操舵部
の操作特性が制御されるので、運転者のステアリング操
作に対する違和感を緩和することができる。
テアリング操作部を操作する運転者の操作感に影響を与
えるステアリング操作部の操作に係る特性であれば特に
限定されない。
に、上記車両の操舵支援装置において、上記操作特性制
御手段は、ステアリング操作部の操作に対する操舵輪の
転舵の応答性を制御する操作応答特性制御手段を有する
ように構成することができる。この場合、ステアリング
操作部の操作特性は、ステアリング操作部の操作に対す
る操舵輪の転舵の応答性となる。
に基づいて説明する。
援装置は、例えば、図1に示すように構成される。
ングハンドル20(ステアリング操作部)の回転軸に
は、ステアリングハンドル20の回転を操舵機構に伝達
する可変ステアリングギヤ比機構(VGRS:Variable
Gear Ratio Steering)30が設けられている。この可
変ステアリングギヤ比機構30は、ステアリングギヤの
切換えを行なうアクチュエータVGRSACTを有して
おり、このアクチュエータVGRSACTがステアリン
グギヤの切換えを行なってギヤ比を制御することによ
り、ステアリングハンドル20の回転の操舵機構への伝
達率が制御される。即ち、ステアリングハンドル20の
回転に対する操舵輪の転舵の応答性が制御される。可変
ステアリングギヤ比機構30でのギヤ比が1となる場
合、ステアリングハンドル20の回転がそのまま操舵機
構に伝達される。そして、可変ステアリングギヤ比機構
30でのギヤ比(θ/δに依存、θ:操舵角、δ:ステ
アリング角)が小さくなるに従ってステアリングハンド
ル20の回転の操舵機構への伝達率が低下する。
(EMPS)モータ40を有しており、このEMPSモ
ータ40の動作により操舵輪に転舵力が付加されるよう
になっている。なお、この例では、後述するように、E
MPSモータ40は、操舵輪に転舵力を補助的に付加す
るパワーステアリングのアクチュエータと共に、操舵輪
を積極的に転舵させるための操舵アクチュエータとして
利用される。
流側におけるステアリングハンドル20の回転軸には、
ステアリングハンドル20の回転角を検出するためのス
テアリング角センサ21と、その回転軸に作用するトル
クを検出するためのトルクセンサ22が設けられてい
る。
ートセンサ12、車輪速センサ13、操舵角センサ14
からの各検出信号が供給されると共に、車両前方の車線
を撮影するカメラユニット11からの映像信号が供給さ
れる。制御ユニット10は、上記カメラユニット11か
らの映像信号、ヨーレートセンサ12からのヨーレート
検出信号、車輪速センサ13からの車輪速パルス、操舵
角センサ14からの操舵角検出信号、ステアリング角セ
ンサ21からのステアリングハンドル20の回転角(ス
テアリング角)検出信号及びトルクセンサ22からのト
ルク検出信号に基づいて、可変ステアリングギヤ比機構
30のアクチュエータVGRSACT及びEMPSモー
タ40を制御することにより操舵支援制御を行う。
示す手順に従って操舵支援制御を行う。
内の所定の位置に設けられたシステムスイッチのオン操
作がなされたか否かを監視している(S1)。このシス
テムスイッチがオフ状態であれば(S1でNO)、特に
操舵支援制御は行なわれない。即ち、ステアリングハン
ドル20の回転がそのまま操舵機構に伝達されるように
可変ステアリングギヤ比機構30のギア比が1に設定さ
れる。その結果、ステアリングハンドル20の回転によ
り転舵される操舵輪に対してEMPSモータ40による
転舵力が付加され、通常のパワーステアリング動作が行
なわれる。
と(S1でYES)、制御ユニット10は、運転者が積
極的にステアリング操作を行なう意思があるか否かを判
定する(S2)。この判定は、例えば、ステアリング角
21からのステアリング角検出信号に基づいて、ステア
リング角が所定値以上となる条件及びステアリング角の
変化率が所定値以上となる条件の少なくともいずれかが
成立するか否かの判定によってなされる。即ち、ステア
リング角が所定値以上、またはステアリング角の変化率
が所定値以上となる場合に運転者が積極的にステアリン
グ操作を行なう意思があるとが判定される。また、トル
センサ22からのトルク検出信号に基づいて、ステアリ
ングハンドル20に作用するトルクが所定値以上となる
条件及び当該トルクの変化率が所定値以上となる条件の
少なくともいずれかが満足されるか否かを判定すること
によっても、上記判定を行なうことが可能である。
う意思がないと判定されると(S2でNO)、車両を車
線内の目標ライン上に保持するように操舵制御を行うレ
ーンキープモードでの操舵支援制御がなされる(S
3)。一方、運転者が積極的なステアリング操作を行な
う意思があると判定されると(S2でYES)、ステア
リングハンドル20のステアリング角δに基づいて車両
の旋回挙動を安定させるようなヨーレートが得られるよ
うな操舵制御を行うVSC(Vehicle Stability Contro
l)モードでの操舵支援制御がなされる(S4)。
状の道路を走行する場合、運転者が操作するステアリン
グハンドル20のステアリング角δ及びステアリングハ
ンドル20に作用するトルクは、それぞれ図3(b)、
図6(c)のように変化する。このような状況におい
て、そのステアリング角δ及びトルクが小さくかつその
変動の小さい直進路部分では、運転者がステアリング
ハンドル20を積極的に操作する意思がないとみなされ
て、レーンキープモードでの操舵制御が行なわれる。こ
のような直進路部分からカーブ路部分に車両が進入
すると、上記ステアリング角δ及びトルクが大きい状態
及びその変動が大きい状態の少なくともいずれかの状態
になる。このため、運転者がステアリングハンドル20
を積極的に操作する意思があるとみなされて、VSCモ
ードでの操舵制御が行なわれる。更に、車両がこのカー
ブ路部分から直進路部分に侵入すると、再び、上記
ステアリング角δ及びトルクが小さくかつその変動も小
さくなる。その結果、再び、運転者がステアリングハン
ドル20を積極的に操作する意思がないとみなされて、
その制御が、VCSモードからレーンキープモードに切
換えられる。
ド、VCSモードのいずれかに切換えられた行なわれる
際に、各モードでの操舵制御に基づいた操舵角θは、図
3(d)に示すように変動する。即ち、レーンキープモ
ードでは、車両を車線内の目標ライン上に保持するよう
に操舵制御が行なわれる結果、操舵角θの変動は比較的
小さい。また、VSCモードでは、ステアリング角δに
基づいて車両の旋回挙動を安定させるようなヨーレート
が得られるように操舵制御が行なわれる結果、路面の状
態等によって操舵角θは大きく変動し得る。
は、例えば、図4に示すような手順に従って行なわれ
る。
ラユニット11からの映像信号に基づいて車両前方の画
像を生成し(S31)、その車両前方の画像から当該車
両の走行する車線の境界を表す白線が認識できるか否か
を判定する(S32)。この白線が認識できる場合(S
32でYES)、制御ユニット10は、上記のように認
識した車線の境界を表す2つ白線との相対的な位置関係
に基づいて車両が当該車線内の目標ラインに沿って走行
するように、目標操舵角θLを演算すると共に、その目
標ラインと車両の走行位置との偏差に基づいて付加トル
クTを設定する(S34)。その設定される付加トルク
Tは、例えば、図5に示すように、ボール・イン・トラ
ック(ball in track)の形式で表すことができる。こ
の形式では、V字のラインが操舵トルク(付加トルク)
の特性を表し、V字の頂点が目標ラインに相当する。V
字の勾配が急になればなるほど、ボールに見たてた車両
を目標ライン(V字の頂点)に近づけるための付加トル
クが大きくなる。
が設定されると、制御ユニット10は、可変ステアリン
グギヤ比機構30の状態(ギヤ比=1)を維持させつ
つ、EMPSモータ40に設定された上記付加トルクT
に対応した電流を供給して操舵角センサ14にて検出さ
れる操舵角θが上記設定された目標操舵角θLに達する
まで当該EMPSモータ40の駆動制御を行う(S3
4、S35)。車両が直進路を走行する場合のように、
運転者がステアリングハンドル20の操作を殆ど行なわ
ない状況では、上述したレーンキープモードでの操舵支
援制御(S31からS35)が繰返し実行され、車両が
車線内の目標ラインに沿って走行するように、運転者の
ステアリングハンドル20の操作に対する支援が行なわ
れる(図5参照)。この場合、運転者は、ステアリング
ハンドル20を積極的に操作しようとしていないため、
上記のように車両を目標ラインに沿って走行させるよう
に操舵支援を行なっても、運転者は特に違和感や煩わし
さを感ずることはない。
界を表す白線が認識できない場合には(S32でN
O)、後述するようなVSCモードでの操舵支援制御に
移行する。
制御がなされている過程で、車両が例えば、カーブ路を
走行する際に運転者が上記付加トルクTに抗してステア
リングハンドル20の操作を行ない、上述したように運
転者が積極的なステアリング操作を行なう意思があると
判定されると(図2におけるS2でYES)、VSCモ
ードでの操舵支援制御(図2におけるS4)が開始され
る。このVSCモードでの操舵支援制御は、例えば図6
に示すような手順に従って行なわれる。
輪速パルスに基づいて車速vが検出されると共に、ステ
アリング角センサ21及びヨーレートセンサ12からの
各検出信号に基づいてステアリング角δ及びヨーレート
γが検出される(S41)。この検出された車速vとス
テアリング角δに基づいて車両の旋回挙動が安定するよ
うな目標ヨーレートγTが所定のアルゴリズムに従って
演算される(S42)。そして、上記のように検出され
たヨーレートγがこの目標ヨーレートγTとなるような
目標操舵角θVが演算される(S43)。
れると、その目標操舵角θVと操舵角センサ14にて検
出される操舵角θの差(θV−θ)が所定の閾値Δθ
THより大きいか否かが判定される(S44)。この操
舵角差(θV−θ)が上記所定の閾値ΔθTHより大き
い状態である場合(S44でYES)、即ち、比較的大
きな目標操舵角θVが得られた直後の状態では、暫定目
標操舵角θV1が、θV1=θ+(θV−θ)/2に従
って演算される(S45)。これにより、検出される現
時点の操舵角θと目標操舵角θVとの間の中央値が暫定
目標操舵角θV1として設定される。次いで、検出され
たステアリング角δに基づいて付加トルクTが設定され
ると共に、そのステアリング角δと操舵角θとの関係に
基づいて可変ステアリングギヤ比機構30のステアリン
グギヤ比が設定される(S46)。
付加トルクT及びステアリングギヤ比が設定されると、
ステアリングハンドル20に上記のように設定された付
加トルクが作用するように供給電流が制御されつつ、操
舵角センサ14にて検出される操舵角θが上記暫定目標
操舵角θV1になるようにEMPSモータ40の駆動制
御がなされる。そして、更に、上記のように設定された
ステアリングギヤ比となるように可変ステアリングギヤ
比機構30の駆動制御がなされる(S47、S48)。
θVに達したか否かが判定される(S49)。その操舵
角θが目標操舵角θVに達していない状態では(S49
でNO)、上述した処理(S41〜S49)が繰返し実
行される。
ステアリングハンドル20の操作を行なった後に、操舵
角θと目標操舵角θVの中央値となる暫定目標操舵角θ
V1が設定され、操舵角θがその暫定目標操舵角θV1
に達する毎にに新たな暫定目標操舵角θV1が設定され
る。その結果、操舵角θが目標操舵角θVに段階的に近
づいて行く。このような処理を行なうことから、運転者
が急にステアリングハンドル20を操作しても、実際の
操舵角θはそのステアリングハンドル20の操作に対し
て遅れぎみに目標操舵角θVに段階的に近づいて行く。
標操舵角θVに徐々に近づいて行く過程で、目標操舵角
θVと検出される操舵角θとの差(θV−θ)が上記閾
値ΔθTH以下になると(S44でNO)、目標操舵角
θV自身が暫定目標操舵角θ V1として設定され(S5
0)、上記と同様の処理(S46〜S48)が行なわれ
る。その結果、操舵角θが目標操舵角θVに達する。
すると(S49でYES)、システムスイッチのオン状
態の確認(図2におけるS1)及び運転者のステアリン
グ操作の意思の確認(図2におけるS2)が行なわれ、
運転者のステアリング操作の意思があると判定された場
合には(S2でYES)、上記VSCモードでの操舵支
援制御が行なわれる。
ように、運転者がステアリングハンドル20の操作を積
極的に行なう状況では、上述したVSCモードでの操舵
支援制御(S411からS50)が繰返し実行され、車
速vとステアリング角δに基づいて車両の旋回挙動が安
定するようなヨーレートδTが得られるように操舵制御
が行なわれる。
御によれば、実際の操舵角θと目標操舵角θVとの差が
大きい状況では、操舵輪が遅れ気味に転舵される(操舵
角θが段階的に目標操作角θVに近づく)。そのため、
制御による舵角θの急激な変化により車両の安定性が損
なわれることが防止され、特に、ステアリング角δの変
動が大きくなるレーンキープモードからVSCモードへ
の切替え時(図3参照)における車両の挙動変化をスム
ーズにすることができる。
の操作を比較的緩やかに行なった場合(ステアリング角
δの変動が小さい)には、ステアリング角δに依存して
決定される目標操舵角θVと実際の操舵角θとの差(θ
V−θ)は比較的小さい状況になる(略θV−θ≦Δθ
THとなる状況)。そのため、暫定目標操舵角θ
V1は、当初から目標操舵角θVに設定され、あるい
は、当初は目標操舵角θVと実際の操作角θとの中間値
にに設定されても、直ちに目標操舵角θVに設定される
ようになる。これにより、車両の旋回挙動を安定させる
ためのヨーレートγTが得られるようなVSCモード本
来の操舵特性にて車両の操舵支援を行なうことができる
ようになる。
グギヤ比機構30のステアリングギヤ比がそのステアリ
ング角δと実際の操舵角θとの関係に基づいて設定され
るため、運転者のステアリングハンドル20の操作と操
舵角θの制御が干渉することを防止することができる。
また、付加トルクTについても、ステアリング角δに応
じて設定されるので、運転者に対してスムーズな操作感
を与えることが可能となる。
キープモード)での処理(具体的には図4に示す手順で
の処理)が第一の操舵支援制御手段に対応し、図2に示
すS4(VSCモード)での処理(具体的には、図6に示
す手順での処理)が第二の操舵支援制御手段に対応す
る。また、図2に示すS2での処理が操作意思判定手段
に対応する。
特性制御手段、更に、操作応答特性制御手段に対応す
る。
記載の本願発明によれば、運転者が積極的にステアリン
グ操作を行なう意思がないとみなせる場合には、車両が
車線内に保持されるように操舵制御がなされる。この場
合、ステアリング操作に干渉するような操舵制御がなさ
れたとしても、もともと積極的な操作の意思のない運転
者のステアリング操作に対する妨げ感は少ない。また、
運転者が積極的なステアリング操作を行なう意思がある
場合には、運転者が操作するステアリング操作部の操作
量に基づいて車両の旋回挙動を安定させるよう操作制御
がなされる。この場合、運転者のステアリング操作部の
操作量に基づいて操舵制御がなされるので、運転者の操
舵支援がなされると共に、運転者のステアリング操作に
対する操舵制御に起因した妨げ感を低減させることが可
能となる。
感じることのない状態で、適正に操舵支援が行なえるよ
うになる。
置の構成例を示す図である。
する処理手順の一例を示すフローチャートである。
運転者がステアリングハンドルに与えるトルク、及び制
御される操舵角との関係を示す図である。
処理手順の一例を示すフローチャートである。
を、ボール・イン・トラックの形式で表した図である。
順の一例を示すフローチャートである。
タ)
Claims (7)
- 【請求項1】運転者の行なうステアリング操作を支援す
る車両の操舵支援装置において、 車両を車線内に保持するように操舵制御を行うことによ
りステアリング操作を支援する第一の操舵支援制御手段
と、 ステアリング操作部の操作量に基づいて車両の旋回挙動
を安定させるような操舵制御を行うことによりステアリ
ング操作を支援する第二の操舵支援制御手段と、 運転者が積極的なステアリング操作を行なう意思がある
か否かを判定する操作意思判定手段と、 運転者が積極的なステアリング操作を行なう意思がない
ことを上記操作意思判定手段が判定したときに、上記第
一の操舵支援制御手段を有効にする一方、運転者が積極
的なステアリング操作を行なう意思があることを上記操
作意思判定手段が判定したときに、上記第二の操舵支援
制御手段を有効にする制御切換え手段とを有する車両の
操舵支援装置。 - 【請求項2】請求項1記載の車両の操舵支援装置におい
て、 上記操作意思判定手段は、運転者が操作すべきステアリ
ング操作部の操作状態に基づいて運転者が積極的なステ
アリング操作を行なう意思があるか否かを判定するよう
にした車両の操舵支援装置。 - 【請求項3】請求項1または2記載の車両の操舵支援装
置において、 上記第二の操舵支援制御手段は、ステアリング操作部の
操作量に基づいて車両の旋回挙動を安定させるように定
められる制御目標値を設定し、操舵量を上記制御目標値
に近づけるように制御するようにした車両の操舵支援装
置。 - 【請求項4】請求項3記載の車両の操舵支援装置におい
て、 上記第二の操舵支援制御手段は、操舵量を上記目標制御
値に近づけるに際し、舵角と上記制御目標値との差が所
定値より大きい状況では制御目標値に対する追従性を上
記差が所定値以下となる状況より鈍らせるようにした車
両の操舵支援装置。 - 【請求項5】請求項4記載の車両の操舵支援装置におい
て、 上記第二の操舵支援制御手段は、上記舵角と上記制御目
標値との差が所定値より大きい状況において現時点の舵
角と上記制御目標値との間の値となる暫定目標値を設定
する暫定目標値設定手段を有し、 制御量を上記目標制御値に近づけるに際し、該暫定目標
値設定手段は、制御量がその暫定目標値に達する毎に暫
定目標値を更新するようにした車両の操舵支援装置。 - 【請求項6】請求項4または5記載の車両の操舵支援装
置において、 第二の操舵支援制御手段は、制御量の追従性に応じてス
テアリング操作部の操作特性を制御する操作特性制御手
段を有する車両の操舵支援装置。 - 【請求項7】請求項6記載の車両の操舵支援装置におい
て、 上記操作特性制御手段は、ステアリング操作部の操作に
対する操舵輪の転舵の応答性を制御する操作応答特性制
御手段を有する車両の操舵支援装置。
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