JPH07186994A - 車両用電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

車両用電動パワーステアリング装置の制御装置

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JPH07186994A
JPH07186994A JP34785793A JP34785793A JPH07186994A JP H07186994 A JPH07186994 A JP H07186994A JP 34785793 A JP34785793 A JP 34785793A JP 34785793 A JP34785793 A JP 34785793A JP H07186994 A JPH07186994 A JP H07186994A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動パワーステアリング装置において、セル
フアライニング機能により車輪が中立位置方向に戻ろう
とするとき、電動モーターのローターの質量などによ
り、低車速走行時にはハンドルの戻りが悪く、高車速走
行時には勢いがついて逆方向へ転舵し、車両の蛇行を生
じてしまう。このような不都合を無くす。 【構成】 電動モーター回転方向と操舵トルクの方向が
同一方向であれば、通常と同様に操舵トルク及び車速に
応じたアシストトルクを発生する。前記両方向が異なる
方向であれば、セルフアライニング機構により車輪が中
立位置に戻ろうとする力によって回転するハンドルが、
自己の質量により逆方向即ち切り方向に小さな操舵トル
クを発生させているものと判定できる。そこで、低車速
では、戻り方向のアシストトルクを発生させ、ハンドル
の戻りを良くする。また高車速では、逆の切り方向のア
シストトルクを発生させ、高速収れん性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載される電動
パワーステアリング装置に係り、特に、装置により発生
するアシストトルクの向きや大きさを制御する制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置は、運転者
がハンドルを回転させる事によって生じる操舵トルクを
操舵トルク検出手段によって検出し、検出されたトルク
の値に応じた電流を電動モータに印加する。この印加に
より回転駆動される電動モータは、ステアリング装置の
機構に噛み合っているので、必要なアシストトルクを発
生させ、転舵を行う。また、一般にステアリング装置
は、マニュアルステアリング装置、油圧パワーステアリ
ング装置、または電動パワーステアリング装置のいずれ
でも、セルフアライニング機能を有する。即ち、転舵後
に直進状態に戻る過程で、運転者がハンドルを回転させ
る力を0にすれば(いわゆる手放し状態にすれば)、車
輪は自動的に中立位置方向に戻ろうとする。この中立位
置方向に戻ろうとするトルクは、車速が大きいほど大き
い。この時、電動パワーステアリング装置において、ま
ず車輪が例えば右に転舵しているものとすれば、セルフ
アライニング機能により車輪は中立位置方向つまり左方
向に動く。そして、運転者がハンドルを回転させる力は
0なのであるから、操舵トルクも本来は0のはずであ
る。よって、操舵トルク検出手段により検出された値も
0になり、電動モータは通電されず、アシストパワーを
発生せず、ステアリング装置の機構に噛み合ったまま左
方向に回転する。もちろん、ハンドルも左へ回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電動パワーステアリング装置においては、電動モーター
のローターの慣性などにより、低車速走行時に転舵後の
ハンドルの戻りが悪く、また高車速走行時に収れん性が
悪いという問題があった。即ち、低車速で運転者がハン
ドルを回転させ転舵した後に直進状態に戻る過程におい
て、マニュアルステアリング装置や油圧パーワーステア
リング装置(図7(a)a2,(b)b2)に比べ戻り
が悪く(図7(a)a1,(b)b1)、甚だしい場合
には運転者がハンドルを直進方向へ回転しなおす必要が
あった。また、高車速で転舵した後に直進に戻る過程
(特に手放し状態で戻る過程)において、セルフアライ
ニング機能により車輪が中立位置方向に戻ろうとする勢
いが強すぎ、中立位置を通り過ぎて反対方向に転舵して
しまう(図8(c)a1)。このように反対方向に転舵
されると、再びセルフアライニング機能により中立位置
方向に戻ろうとし、結局は蛇行し(図8(a))、収れ
ん性を悪くしてしまう。 この発明は以上の問題点を解
決するために成されたもので、低車速走行時のハンドル
の戻りを良くし、高車速走行時の収れん性を向上できる
車両用電動パワーステアリング装置の制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明は、車速を検出する手段と、運転者がハン
ドルを回転させる事によって生じる操舵トルクを検出す
る操舵トルク検出手段と、電動モータの回転速度を検出
するモータ速度検出手段と、電動モータの回転加速度を
検出するモータ加速度検出手段と、モータ速度検出手段
からの信号と操舵トルク検出手段からの信号によりモー
タ回転方向と操舵トルクの方向とが同一方向か否かを判
定する判定手段と、判定が同一方向であれば車速と操舵
トルクとに応じたアシストトルクを決定し、判定が異な
る方向であれば車速と電動モータ回転速度または回転加
速度とに応じ低車速ではモータ回転方向と同一方向のア
シストトルクを、高車速ではモータ回転方向と逆方向の
アシストトルクを決定するアシストトルク決定手段と、
決定されたアシストトルクに応じた電流を電動モータに
印加し回転駆動させる駆動手段と、を備えた事を特徴と
する。
【0005】
【作用】低速走行時において転舵後にハンドルの戻りの
悪さが問題となる場合、及び高速走行時において転舵後
の収れん性が問題となる場合は、共に、ステアリング装
置のセルフアライニング機構により車輪が中立方向に戻
ろうとする場合である。この場合において、運転者はハ
ンドルをほとんど手放しである。そして、このため操舵
トルクも本来は0のはずである。しかし、ハンドルの質
量などによりハンドルは元の位置に止まろうとするた
め、ハンドルの戻り方向とは逆の切り方向に小さな操舵
トルクが発生する。このとき電動モーターはステアリン
グ装置の機構に噛み合っているので、戻り方向に回転す
る。よって、操舵トルクの方向とモーター回転方向とが
異なる方向であれば、低車速走行時でハンドルの戻りが
悪い状態か、高車速走行時で転舵後の収れん性が悪い状
態ということになる。そこで、低車速では、モーター回
転方向と同一方向のアシストトルクを発生させることで
ハンドルの戻りを良くできる。また高車速では、モータ
ー回転方向と逆方向のアシストトルクを発生させること
で蛇行が生じてしまうのを防止し収れん性を向上でき
る。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図8にお
いて説明する。図1は、本実施例の車両用電動パワース
テアリング装置において電動モーターを制御する制御装
置の制御ブロック図である。図中の点線内は、従来から
存在していた部分である。図において操舵トルク検出手
段1は、運転者がハンドルを回転させることによって生
じる操舵トルクを検出する。即ち、例えばステアリング
ロッドの途中に捩じれやすいトーションバーを設け、運
転者がハンドルを回転させると、このトーションバーが
捩じれ、トーションバーを挟んだ上下の部分が相対的に
回動する。この回動角度を検出することで操舵トルクが
検出できる。車速検出手段3は、車速を検出する。アシ
ストトルク決定手段51、52、53は、電動モーター
7により発生されるべきアシストトルクを決定する。後
に詳しく述べるが、第一のアシストトルク決定手段51
は、車速と操舵トルクとに応じてアシストトルクを決定
する。第二のアシストトルク決定手段52は、車速とモ
ーター回転速度に応じてアシストトルクを決定する。第
三のアシストトルク決定53は、車速とモーター回転加
速度とに応じてアシストトルクを決定する。
【0007】電動モーター電流値決定手段9は前記決定
されたアシストトルクに基づいて電動モーター7に印加
されるべき電流値を決定する。電流モーター駆動手段1
1は、前記決定された電流値を実際に電動モーターに印
加する。電動モーター電流検出手段13は、電動モータ
ーに実際に印加されている電流値を検出し、前記決定さ
れた電動モーター電流値とが一致するように、電動モー
ター駆動手段11への指令信号を増減する。モーター速
度検出手段15は、電動モーター7の回転速度を検出す
る。モーター加速度検出手段17は、前記モーター速度
検出手段からの検出信号を微分回路によって処理し回転
加速度を検出する。これら回転速度や回転加速度は、単
に値の大きさだけでなく方向も検出される。判定手段1
9は、前記モーター速度検出手段15からの信号で得ら
れるモーター回転方向と、前記操舵トルク検出手段1か
らの信号で与えられる操舵トルクの方向とが、同一方向
か否かを判定する。この判定結果により、アシストトル
ク決定手段51、52、53のいずれを作動させるかを
選ぶ。
【0008】第一のアシストトルク決定手段51は、図
4のグラフに基づいてアシストトルクT1を決定する。
この図4で決定されるトルクT1は、従来の電動パワー
ステアリング装置において用いられたものとほぼ同様で
ある。即ち、操舵トルクが、0から徐々に大きくなるに
つれてアシストトルクT1は急に立ち上がって大きくな
り、操舵トルクがある値を越えるとアシストトルクも一
定となる。このアシストトルクT1は車速が大きくなる
に従い小さくなる。第二のアシストトルク決定手段52
は、図5のグラフによりアシストトルクT2を決定す
る。この図5は、決定されるアシストトルクT2がモー
ター回転速度が大きくなれば値が大きくなることを示し
ている。また40キロ付近を境にして車速を低速域と高
速域に分け、低速域では+のトルクを決定し、高速域で
は−のトルクを決定する。+の意味は、モーター回転方
向と同一方向のトルクであることを意味する。−はモー
ター回転方向と逆方向のトルクであることを意味する。
第三のアシストトルク決定手段53は、図6に基づいて
アシストトルクT3を決定する。図6は、モーター回転
加速度が大きい程決定されるアシストトルクT3が大き
くなることを意味している。そして前記図5と同様に車
速を低速域と高速域に分け、低速域では車速に関係なく
一定の値のトルクとなる。高速域では車速が大きくなる
につれ比例してトルクの値が大きくなる。
【0009】図2は図1の制御を示す制御フロー図であ
る。即ち、判定手段19(図1)によりモーター回転方
向と操舵トルクの方向とが同一であると判定されれば
(S1)、目標アシストトルクTasは、従来と同様のア
シストトルクT1のみとなる(S2)。異なる方向である
と判定されれば(S1)、目標アシストトルクTasはア
シストトルクT1、T2、T3を加算したものとなる(S
3)。図3において、低速走行時のハンドルの戻りに伴
う電動モーターの回転について説明する。前述したよう
に電動パワーステアリング装置も他のマニュアルステア
リング装置や油圧パワーステアリング装置と同様にセル
フアライニング機能を有し、例えば右方向へ転舵後に、
運転者のハンドルを回転させる力を0にすれば、車輪は
自動的に中立位置方向即ち左方向に戻ろうとする(図3
(a))。このとき、電動モーター7はステアリング装
置の機構に噛み合ったままであるから、同様に右方向に
回転する(図3(b))。このときの回転速度は、初め
の転舵状態においては0であり、中立位置方向へ戻り始
めると急に大きくなり、中立位置に戻ると再び0にな
る。このときの回転加速度は、回転の前半で+(加速)
であり後半では−(減速)である(同図(c))。そし
て、この(c)のグラフは、なだらかに変化するので、
方向が異なる2つの丸い山の形状となる。
【0010】図7において低車速走行時のハンドルの戻
り性の向上について説明する。図7(a)が実際の車の
走行軌跡を示す。図7(b)は図7(a)に対応するハ
ンドルの舵角を示す。マニュアルステアリング装置や油
圧パワーステアリング装置のハンドルの戻り(図7
(b)のb2)に比べ従来の電動パワーステアリング装
置では、ハンドルの戻りが更に悪い(図7(b)のb
1)。例えば図7(a)に示すように、直進走行(図7
(a)a4)後に、ハンドルを右方向に転舵し(図7
(a)a5)車両の向きが90度変わった時点で、運転
者がハンドルを回転させる力を0にし手放し状態にする
と、仮にハンドルが理想的な迅速さで戻るとすれば図中
点線のように、初めの軌跡に対し90度の方向に車両の
軌跡が得られる。しかし従来のマニュアルステアリング
装置や油圧パワーステアリング装置ではハンドルの戻り
が悪いために、この戻りに必要な距離l2が大きくな
り、90度よりもさらに深い状態に曲がる(図7(a)
のa2)。また、ハンドルの戻りが更に悪くしかも十分
に戻り切らない場合には車両は曲がり続け理想的な軌跡
から大きくそれてしまう(図7(a)のa1)。
【0011】このように従来の電動パワーステアリング
装置で低車速走行時のハンドルの戻りが悪かった理由は
次の(1)(2)(3)が考えられる。 (1)即ち、電動パワーステアリング装置は、駆動源で
ある電動モーター7のローターが、数10対1のギア比
でステアリング装置の機構に噛み合っており、セルフア
ライニング機能により中立位置方向に戻ろうとしても迅
速に戻る事ができない。 (2)更に、ステアリング装置の機構に用いられるギア
等のフィクションにより戻りが悪くなる。 (3)また、セルフアライニング機構により車輪などと
共にハンドルも戻り方向に回転しようとするが、ハンド
ル自体の質量により元の位置に止まろうとする慣性が働
き、従ってこれにより戻り方向とは逆の切り方向への小
さな操舵トルクが残ってしまう。この操舵トルクを操舵
トルク検出手段が検出してしまい、電動モーターを切り
方向に回転させる電流を印加するので、ハンドルは更に
戻りが悪くなる(図7(a)a1,(b)b1)。従っ
て、これに対する従来のマニュアルステアリング装置や
油圧パワーステアリング装置のハンドルの戻りはやや良
好である(図7(a)a2,(b)b2)。
【0012】しかしながら本実施例によれば、前記した
ように、モーター回転方向即ち戻り方向と同一方向のア
シストトルクを発生させる。つまり、低速域において
は、図5及び図6の+のトルク、即ちモーター回転方向
と同一方向のトルクがアシストトルクT2及びT3として
決定される。よって、図4に示すように操舵トルクによ
り決定されるモーター回転方向と逆方向のトルクを十分
に打ち消す。即ち、ハンドル自体の質量による慣性が原
因となって生じる切り方向へ発生する操舵トルクは一般
に小さいので、この操舵トルクに基づいて発生するアシ
ストトルクT1も小さい。これに対し、図5及び図6の
低速域におけるアシストトルクT2及びT3を十分に大き
なものとしておくことで、モーター回転方向と同一方向
のアシストトルクTasを決定し、発生させることができ
る。従って、車輪の舵角は迅速に中立位置に戻り(図7
(b)b3)、戻りに必要な距離l3も小さくなり、車
両の軌跡は理想的な点線の軌跡に近付く(同図(a)a
3)。また、低車速走行時において、図6に示すように
車速の低速域でアシストトルクT3が車速によらず一定
となっていることで、電動モーター7の回転の立ち上が
り時の作動遅れを保証している。
【0013】次に、図8において高車速走行時の転舵後
の収れん性の向上について説明する。従来の電動パワー
ステアリング装置電動モーターのローターは、数10対
1のギア比でステアリング装置の機構に噛み合っている
ので、非常に大きな慣性を有する。高車速走行時のハン
ドル転舵後に運転者がハンドルを回転する力を0にする
と、セルフアライニング機能により中立位置に戻ろうと
する速さは高車速ゆえに大きなものになる。従って前記
大きな慣性とあいまって、中立方向に向かう勢いは大き
くなる。このため、中立位置付近に近付いてセルフアラ
イニング機能による車輪が中立位置に戻ろうとする力が
小さくなっても、大きな慣性を有するローターは回転を
続け、中立位置を過ぎてしまい、ハンドルを逆方向へ回
転してしまう。この回転により、逆方向の操舵トルクが
生じ、電動モーターはこの逆方向へ転舵しようとする。
よって逆方向へ転舵される。このようにして逆方向へ転
舵が行われた後、再びセルフアライニング機能により中
立方向へ戻ろうとする。このため図8(c)a1に示す
ように車輪の舵角は左右交互になり、車両は蛇行する
(図8(a))。このようにして高車速走行時のハンド
ルの収れん性が悪くなり、車両の特性や車速によって
は、いつまでも収れんすることなく、最悪の場合発散し
非常な危険な状態になる可能性を有する。
【0014】しかしながら本実施例によれば、前記した
ように、図5に示すように車速の高速域ではモーター回
転速度及び車速に応じて大きくなるアシストトルクT2
を決定することにより、高車速では−のトルク即ちモー
ター回転方向と逆方向のアシストトルクT2を発生させ
る。このとき図5のモーター回転速度は図3(b)のも
のが使用される。同様に、図6の高速域ではモーター回
転加速度に比例した+のトルクを決定するようになって
いるが、図3(c)に示すように舵角が中立位置に近付
くとモーター回転加速度は−になるので、決定されるト
ルクは−となり、モーター回転方向と逆方向のアシスト
トルクT3を発生させる。このようにして、大きな慣性
を伴い高速で戻り方向へ回転する電動モーターのロータ
ーを+のアシストトルクT2およびT3で押し止め(図8
(c)a3)、車両の蛇行を防止する(図8(b))。
即ち、図3(a)において、実線で示す従来の舵角軌跡
に比べ、図3(b)のモーター回転速度を利用したアシ
ストトルクT2 (図5)を用いることで図3(a)真ん
中の点線のような舵角軌跡を得ることができる。また図
3(c)のモーター回転加速度を利用したアシストトル
クT3(図6)により,図3(a)下側の点線のような
舵角の軌跡を得ることができる。更に、このように電動
モーターの回転加速度に応じたアシストトルクT3を決
定することで、電動モーターのローターの慣性の影響を
小さくできる。このようにして、大きな慣性を有するロ
ーターが勢いにのって中立位置を過ぎてしまいハンドル
を逆方向へ回転してしまうということを防止でき(図8
(c)a3)、したがって収れん性を向上でき、車両の
蛇行を防止できる(図8(b))。なお、図6におい
て、高速域ではアシストトルクT3は車速に応じて大き
なトルクとなっている。これにより、車速が大きくなる
ほどセルフアライニング機能によって中立へ近づく過程
でのハンドル回転速度が遅くなるので、このハンドル回
転速度が遅くなりすぎないようにハンドルを戻すことが
できる。
【0015】本実施例の制御を図2をもとに説明する。
モーター速度検出手段15(図1)からの信号と操舵ト
ルク検出手段1からの信号により、電動モーター7の回
転方向と操舵トルクの方向とが同一か否かが常に判定手
段19により監視される(S1)。同一であると監視さ
れている間は、従来と同様の制御が行われ、操舵トルク
に応じたアシストトルクT1が目標アシストトルクTa
sとして決められる(S2)。逆に、両方向が異なると
判定されれば、前記アシストトルクT1に加え、アシス
トトルクT2及びアシストトルクT3が加算される(S
3)。即ち、前記方向が異なると判定される場合は、セ
ルフアライニング機能により車輪が中立位置方向へ戻ろ
うとする場合に、手放し状態となったハンドルの質量に
よる慣性が原因となって切り方向への操舵トルクが検出
されたものである。つまり、低車速走行時で転舵後にハ
ンドルが手放し状態となりハンドルの戻りが悪くなる可
能性があるか、あるいは高車速走行時で転舵後に戻りの
勢いが大き過ぎて収れん性が悪化し車両が蛇行する可能
性がある場合と考えられる。そこで、前述したように図
4によりT1を決定し、図5によりT2を決定し、図6に
よりT3を決定する。これにより、前述した目標アシス
トトルクTasを決定し、本実施例の効果が得られる。
【0016】また、この実施例のように低車速走行時あ
るいは高車速走行時で転舵後に運転者がハンドルを手放
し状態にした状態で、電動モーターのローターの慣性に
よる悪影響をなくすため戻りの加速度に応じてアシスト
トルクを決定する場合に、電動モータの回転加速度を検
出して戻りの加速度とすることにより、応答性を高める
ことができる。即ち、この戻りの加速度をステアリング
装置の上流部分即ちハンドルの付近で検出することも可
能であるが、本実施例のように下流部分即ち電動モータ
ーで検出することにより、応答性を向上できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用電
動パワーステアリング装置の制御装置によれば、低車速
走行時にハンドルの戻りが悪くなりそうな場合には、ハ
ンドルの戻り方向即ちモーター回転方向と同一方向にア
シストトルクを発生させ、ハンドルの戻りを良くする。
また、高速走行時に転舵後の収れん性が問題となりそう
な場合には、ハンドルの戻り方向即ちモーター回転方向
と逆方向のアシストトルクを発生させることで、セルフ
アライニング機能により車輪が戻ろうとする勢いが強す
ぎて中立位置を過ぎてしまうのを防止し、車両が蛇行す
るのを防ぎ、高速収れん性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる制御ブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例にかかる制御フローチャート
図である。
【図3】電動パワーステアリング装置における低速走行
時のハンドルの戻りに伴う電動モーターの回転をあらわ
すもので、(a)は舵角の時間的変化を示す図、(b)
は電動モーターの回転速度の時間的変化を示す図、
(c)は電動モーターの回転加速度の時間的変化を示す
図である。
【図4】図1または図2のアシストトルクT1を決める
グラフ図である。
【図5】図1または図2のアシストトルクT2を決める
グラフ図である。
【図6】図1または図2のアシストトルクT3を決める
グラフ図である。
【図7】本実施例にかかる低速走行時のハンドルの戻り
の向上を説明するもので、(a)実際の車の走行軌跡を
示す図、(b)ハンドルの舵角の戻りを示す図である。
【図8】本実施例にかかる高速走行時の転舵後の収れん
性の向上を説明するもので、(a)従来の車の走行軌跡
を示す図、(b)本実施例にかかる車の走行軌跡を示す
図、(c)転舵後の収れん性を表すためのハンドルの舵
角の戻りを示す図である。
【符号の説明】
1 操舵トルク検出手段 3 車速検出手段 7 電動モータ 9 電動モーター電流値決定手段 11 電動モーター駆動手段 13 電動モーター電流検出手段 15 モーター速度検出手段 17 モーター加速度検出手段 19 判定手段 51 第一のアシストトルク検出手段 52 第二のアシストトルク検出手段 53 第三のアシストトルク検出手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車速を検出する手段と、運転者がハンドル
    を回転させる事によって生じる操舵トルクを検出する操
    舵トルク検出手段と、電動モータの回転速度を検出する
    モータ速度検出手段と、電動モータの回転加速度を検出
    するモータ加速度検出手段と、モータ速度検出手段から
    の信号と操舵トルク検出手段からの信号によりモータ回
    転方向と操舵トルクの方向とが同一方向か否かを判定す
    る判定手段と、判定が同一方向であれば車速と操舵トル
    クとに応じたアシストトルクを決定し、判定が異なる方
    向であれば車速と電動モータ回転速度または回転加速度
    とに応じ低車速ではモータ回転方向と同一方向のアシス
    トトルクを、高車速ではモータ回転方向と逆方向のアシ
    ストトルクを決定するアシストトルク決定手段と、決定
    されたアシストトルクに応じた電流を電動モータに印加
    し回転駆動させる駆動手段と、を備えた車両用電動パワ
    ーステアリング装置の制御装置。
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Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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