JP2002029442A - 電動式パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
電動式パワーステアリング装置の制御装置Info
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Abstract
フアライニング機能により車輪が中立位置方向に戻ろう
とするとき、電動モーターのローターのフリクションや
車両及びステアリング系のフリクション等により、低車
速走行時にはハンドルの戻りが悪く、高車速走行時には
オンセンタ感の悪化を生じる。これを解消すると共に、
車両のフリクションの左右差や路面の傾斜(カント)の
影響による戻し力の左右差でハンドル戻り特性に左右差
が生じ無いようにする。 【解決手段】 フリクションを補正或いは打ち消す補正
手段を備え、且つ戻し力やフリクションの値の回転或い
は運動方向での差異を学習し、学習結果によりハンドル
の戻り(回転或いは運動)の方向によって異なる戻し力
やフリクションのアンバランスをそれぞれの方向に合わ
せて適正値に調整できるようにして、ハンドル戻り特性
の左右差を自動的に解消する。
Description
電動パワーステアリング装置に係り、特に、電動パワー
ステアリング装置により発生するアシストトルクの向き
や大きさを制御する制御装置に関する。
がハンドルを回転させることによって生じる操舵トルク
を操舵トルク検出器によって検出し、検出されたトルク
の値に応じた電流を電動モータに供給する。この給電に
より回転駆動される電動モータは、ステアリング装置に
接続されており、必要なアシストトルクを発生させ、転
舵を行う。また、一般にステアリング装置は、マニュア
ルステアリング装置、油圧パワーステアリング装置、或
いは電動パワーステアリング装置のいずれでも、セルフ
アライニング機能を有する。即ち、転舵後に直進状態に
戻る過程で、運転者がハンドルを回転させる力を緩める
か零(いわゆる手放し状態)にすれば、車輪は自動的に
中立位置方向に戻ろうとする。この中立位置方向に戻ろ
うとするトルクは、車速が大きい程大きい。この時、電
動パワーステアリング装置において、まず車輪が例えば
右に転舵しているものとすれば、セルフアライニング機
能により車輪は中立位置方向つまり左方向に動く。そし
て、運転者がハンドルを回転させる力は零なので、操舵
トルクも本来は零のはずである。よって、操舵トルク検
出器により検出される操舵トルク値も零になり、電動モ
ータは通電されず、アシストパワーを発生せず、ステア
リング装置に接続されたまま左方向に回転する。勿論、
ハンドルも左へ回転する。
ング装置においては、電動モーターのローターや車両及
びステアリング系のフリクションに相当する摩擦力等に
より、低車速走行時に転舵後のハンドルの戻りが悪く、
また高車速走行時にハンドルの戻り感やフリクション感
等のオンセンタ感が悪いという問題点があった。即ち、
低車速で運転者がハンドルを回転させて転舵した後に直
進状態に戻る過程において、マニュアルステアリング装
置や油圧パーワーステアリング装置に比べ戻りが悪く、
甚だしい場合には、運転者がハンドルを直進方向へ回転
し直す必要があった。また、高車速において車線変更や
方向修正の為に転舵した後に直進に戻る過程(特に手放
し状態で戻る過程)において、セルフアライニング機能
により車輪が中立位置方向に戻ろうとする時にも、真ん
中(中立位置)迄戻りきらず、甚だしい場合には、運転
者がハンドルを直進方向へ回転し直す必要があった。
して、例えば、特開平7−186994号公報には、低
速走行時のハンドル戻りを改善する方法が提案されてい
る。この従来例は、車速を検出する車速検出器と、運転
者がハンドルを回転させることによって生じる操舵トル
クを検出する操舵トルク検出器と、電動モータの回転速
度を検出するモータ速度検出器と、電動モータの回転加
速度を検出するモータ加速度検出器と、モータ速度検出
器からの信号と操舵トルク検出器からの信号によりモー
タ回転方向と操舵トルクの方向とが同一方向か否かを判
定する方向判定器と、この判定が同一方向であれば車速
と操舵トルクとに応じたアシストトルクを決定し、判定
が異なる方向であれば、車速と電動モータの回転速度ま
たは回転加速度とに応じて、低車速では、モータ回転方
向と同一方向のアシストトルクを、高車速ではモータ回
転方向と逆方向のアシストトルクを決定するアシストト
ルク決定器と、決定されたアシストトルクに応じた電流
を電動モータに供給して回転駆動させる駆動器とを備え
ている。
ような構成により、低車速では手放し時にハンドルの戻
りを改善する効果は期待できるが、車両のフリクション
の左右差や路面のカントの影響で、ハンドル戻り特性に
左右差が生じてしまう欠点があった。特に、車両及びス
テアリング系のフリクション等は、フリクションの値が
大きいと、その操舵の回転方向によるステアリング装置
各部や車両の回転或いは運動方向でのフリクションの大
きさの差も大きくなる傾向があり、補正を一定値で実施
すると、補正値を引き算した後の、補正されていない残
りのフリクションの差は益々大きくなり、セルフアライ
ニング機能により車輪が中立位置方向に戻ろうとする力
が同じ場合には、右と左の操舵からの戻りの戻しトルク
感、速度、戻り角の特性に大きなアンバランスが生じる
欠点があった。
グ機能による車輪が中立位置方向に戻ろうとする力その
ものに左右のアンバランスを発生させるので、これによ
っても、右と左の操舵からの戻りの戻しトルク感、速
度、戻り角の特性に大きなアンバランスが生じる欠点が
あった。カントは車線の中央部から路肩へ傾斜している
ため、一般的には、車線の中央部への操舵戻りは良い
(強い)が、反対の路肩への操舵戻りは悪い(弱い)傾
向があった。
めになされたもので、電動モーターのローターや車両及
びステアリング系の操舵時のフリクションを補正或いは
打ち消し、且つ、戻し力やフリクションの値の、回転或
いは運動方向による方向差を学習し、学習結果により、
ハンドルの戻り(回転或いは運動)の方向による戻し力
やフリクションのアンバランスを補正する補正量を、そ
れぞれの方向に合わせて適正値に調整できるようにする
ことで、ハンドル戻り特性の左右差を解消することを目
的とするものである。
めに、本発明に係る電動式パワーステアリング装置の制
御装置は、ハンドルから車輪までの操舵トルク伝達機構
中に介挿され、運転者による操舵トルクを補助するトル
クを発生する電動モータと、前記電動モーターのロータ
ーのフリクションや車両及びステアリング系のフリクシ
ョン、ハンドルの戻しトルクを補正するよう前記電動モ
ータを制御するハンドル戻し補正部と、前記電動モータ
ーのローターのフリクションや車両及びステアリング系
のフリクション、ハンドルの戻しトルクの方向による値
の違いを学習する学習部とを備え、前記ハンドル戻し補
正部の回転或いは運動方向による違いを補正する補正量
を、前記学習部の学習値に基づき最適値に設定するもの
である。また、好ましくは、前記ハンドル戻し補正部
は、タイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する
路面反力トルク検出器を備え、前記路面反力トルク検出
器出力の学習値に基づきハンドル戻し補正量を求めて前
記電動モータを制御するものである。さらに、好ましく
は、前記制御装置は、前記ハンドルの回転角度を検出す
る舵角検出器を備え、前記ハンドル戻し補正部は、前記
舵角検出器から出力されるハンドル角信号の学習値に基
づきハンドル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御
するものである。さらにまた、好ましくは、前記制御装
置は、前記ハンドルの操舵トルクを検出する操舵トルク
検出器と、前記電動モータの電流を検出するモータ電流
検出器とを更に備え、前記ハンドル戻し補正部は、前記
操舵トルク検出器の出力に、前記モータ電流検出器の出
力から演算されるステアリング軸換算のモータトルクを
加算するとともに、ステアリング軸換算のモータ慣性ト
ルクを減算して得られる値にローパス或いは遅延フィル
タを演算して路面反力トルクを推定する路面反力トルク
推定器を備え、前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反
力トルク推定器から出力される路面反力トルク推定信号
の学習値に基づきハンドル戻し補正量を求めて前記電動
モータを制御するものである。また、好ましくは、前記
ハンドル戻し補正部は、前記操舵トルク検出器の出力
に、ローパス或いは遅延フィルタを演算して路面反力ト
ルクを推定する路面反力トルク推定器を備え、前記路面
反力トルク推定器から出力される路面反力トルク推定信
号の学習値に基づきハンドル戻し補正量を求めて前記電
動モータを制御するものである。さらに、好ましくは、
前記ハンドル戻し補正部は、前記モータ電流検出器の出
力から演算されるステアリング軸換算のモータトルクに
ローパス或いは遅延フィルタを演算して路面反力トルク
を推定する路面反力トルク推定器を備え、前記路面反力
トルク推定器から出力される路面反力トルク推定信号の
学習値に基づきハンドル戻し補正量を求めて制御するも
のである。さらにまた、好ましくは、前記ハンドル戻し
補正部は、前記操舵トルク検出器の出力或いは前記モー
タ電流検出器の出力から演算されるステアリング軸換算
のモータトルク或いはステアリング軸換算のモータ慣性
トルク等から得られる値から、ローパス或いは遅延フィ
ルタを演算しないで、路面反力トルクを推定する路面反
力トルク推定器を備え、前記路面反力トルク推定器より
出力される路面反力トルク推定信号の学習値に基づきハ
ンドル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御するも
のである。また、好ましくは、前記学習部は、前記路面
反力トルク検出器の出力信号、前記操舵トルク検出器の
出力信号或いは前記ハンドル角信号の学習値の更新を所
定の車速以上で、且つ、前記路面反力トルク検出器の出
力信号、前記操舵トルク検出器の出力信号或いは前記ハ
ンドル角信号の値が所定の範囲以内の場合にのみ、実施
する学習可否判別器を備えるものである。
て添付図面を参照して説明する。 実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1に係る電
動式パワーステアリング装置の制御装置の構成につい
て、図1に基づいて説明する。尚、本発明は、マイコン
のソフトウエアのみで従来技術の上記問題点を解決可能
であり、ハードウエアについては従来公知の電動式パワ
ーステアリング装置を用いることができるので、その説
明は省略する。
ーステアリング装置の制御装置の構成を示すブロック図
である。この図において、制御装置は、ハンドルに加え
られる操舵トルクを検出する操舵トルク検出器1と、車
両速度を検出する車速検出器14と、操舵トルク検出器
1の出力である操舵トルク信号に基づいて操舵補助トル
ク信号を演算する操舵トルク制御器2と、ハンドルを原
点に復帰させる方向に電動モータ10がトルクを発生す
るようにハンドル戻し補助トルク信号を出力するハンド
ル戻り補正部100と、電動モーター10のローターの
フリクションや車両及びステアリング系のフリクショ
ン、ハンドルの戻しトルクの方向による値の違いを学習
する学習部110と、電動モータ10の回転速度を検出
するモータ速度検出器5と、モータ速度検出器5で検出
したモータ速度信号に基づいてダンピング補償信号を演
算するダンピング補償器3と、モータ速度検出器5の出
力からモータ加速度信号を生成するモータ加速度検出器
6と、モータ加速度検出器6より出力されるモータ加速
度信号と車速検出器14からの車速信号とに基づいて慣
性補償信号を演算する慣性補償器4と、第1の加算器1
2で演算された補助トルク信号、方向によるアンバラン
スを補正されたハンドル戻し補助トルク信号、ダンピン
グ補償信号、慣性補償信号の和である目標トルクから、
目標電流信号を演算するモータ電流決定器7とを備え
る。
のロータのフリクションや車両及びステアリング系のフ
リクションを補正するものである。ハンドル戻り補正部
100は、ハンドルの中立位置からの回転角を舵角とし
て検出する舵角検出器15から出力される舵角信号と車
速検出器14から出力される車速信号とに基づいて路面
反力トルクを演算する路面反力トルク検出器101と、
ズレが零に修正されるように前記路面反力トルクの演算
値を基にして、電動モータ10のロータのフリクショ
ン、車両及びステアリング系のフリクション等を打ち消
すように電動モータ10がトルクを発生するようにハン
ドル戻し補助トルク信号を出力する戻しトルク補償器1
03と、路面反力トルク検出器101の出力からハンド
ル戻しの回転方向を判別する回転方向判別器105と、
回転方向判別器105の出力に基づき左右の回転方向に
より異なる電動モータ10のロータのフリクション、車
両及びステアリング系のフリクション等の方向差を補正
する方向係数補償器107とを備える。ハンドル戻り補
正部100の制御量は、路面反力トルク検出器101の
出力に基づき制御される。
算値の零点(左右中点)のズレを学習し、ズレが零に修
正されるように前記路面反力トルクの演算値を補正する
左右ずれ学習器111と、その左右ずれ学習器111の
学習の可否を判別する学習可否判別器113とを備え
る。学習可否判別器113は、本実施の形態1では、車
速検出器14の出力Aと操舵トルク検出器1の出力Bと
を入力されて、操舵トルクが所定値以下で、車速が所定
値以上の状態が、所定時間継続した場合に、左右ずれ学
習器111による学習を許可し、それ以外の場合には学
習を禁止するものである。
られた、目標電流信号とモータ電流検出器11で検出さ
れたモータ電流信号との誤差(偏差)に基づいて印加電
圧を決定するとともに、電動モータ10に電圧を印加す
る。電動モータ10では、印加された電圧に応じてモー
タ電流値が応答し、モータ電流値に略比例関係でアシス
トトルクを発生してステアリング機構を駆動する。車速
検出器14は、車速を検出して、操舵トルク制御器2、
ダンピング補償器3、慣性補償器4、路面反力トルク検
出器101及び戻しトルク補償器103へ車速信号を出
力する。
2のフローチャートに基づいて説明する。従来技術と異
なる点は、図1のブロック図中の一点鎖線で囲まれた、
目標電流を演算するまでのアルゴリズムであり、電流制
御に関しては、PID式の電流フィードバック(F/
B)制御、或いは、目標電流とモータ速度信号に基づく
オープンループ制御等、一般的に行われる制御を、ディ
ジタル制御、アナログ制御いずれの方式に基づいて実施
しても良い。従って、以下では、目標電流を演算するま
でのアルゴリズムに限定して説明を行う。
で、操舵トルク検出器1で検出された操舵トルク信号を
読み込みメモリに記憶する。次にステップS102で、
モータ速度検出器5にて検出されたモータ速度信号を読
み込みメモリに記憶する。ステップS103はモータ加
速度検出器6での動作を示し、モータ速度信号を微分演
算してモータ加速度信号を得てメモリに記憶する。
制御器2における動作を示し、まずステップS104で
操舵トルク信号の周波数特性を改善するために操舵トル
ク信号を位相補償器に通すとともに、ステップS105
で位相補償器に通した操舵トルク信号に対してマップ演
算で、操舵補助トルク信号を求めメモリに記憶する。
ンドル戻し補正部100の動作を説明するものである。
ステップS106は、路面反力トルク検出器101の動
作を説明するもので、本実施の形態1では、舵角検出器
15により舵角(ハンドル回転角)そのものを測定して
車速等を基に、例えば舵角×車速をベースにマップ演算
で、路面反力トルク信号を求めてメモリに記憶する。ス
テップS107は、読み込んだ操舵トルク値Bと車速信
号Aとから、路面反力の中点の学習を実施するか、しな
いかを判断し、例えば、操舵トルク値が所定の値(例え
ば左右1Nm)以下で、車速が所定値(例えば30Km
/h)以上の状態が、所定時間(例えば15秒)継続し
た場合に、ステップS108に進み、所定時間(例えば
15秒)継続毎に、その間の路面反力トルク信号或いは
ハンドル戻し補助トルク信号の平均値の中点からのズレ
を補正する方向にオフセットの補正演算を行う。路面反
力の中点の学習をしない場合は、そのままステップS1
09に進む。ステップS109は戻しトルク補償器10
3での動作を示し、路面反力トルク信号に対してマップ
演算で、ハンドル戻し補助トルク信号を求めてメモリに
記憶する。ここで、ハンドル戻し補助トルク信号は、路
面反力トルクがステアリング機構内の摩擦トルクより小
さい時に、ハンドルが自動的に原点に復帰しない現象を
避けるためのものであり、図5のように、ハンドル戻し
補助トルク信号は、ステアリング機構内の概ね摩擦トル
ク程度の値を上限としてリミッタで制限し、リミッタの
範囲内では路面反力トルク信号に比例ゲインを乗じて定
める。更に、ステアリング機構内の、例えばラック&ピ
ニオンや車両のステアリングに連動して運動する機構部
の摩擦トルクの値は、ハンドルの操舵方向によって異な
り、フリクションの値が大きいと、その操舵の回転方向
による各々の回転方向でのフリクションの大きさの差も
大きくなる傾向があり、回転或いは運動方向に応じてそ
れぞれの異なるフリクションを、適切に補償する必要が
ある。ステップS110は回転方向判別器105の動作
を説明したもので、路面反力トルク信号からどちらの回
転或いは運動方向のフリクションを補正するかの方向判
定を行ってメモリに記憶する。
の動作を説明したもので、補正すべきフリクションの方
向に応じたハンドル戻し補助トルク信号の補正係数を掛
けた方向補正後のハンドル戻し補助トルク信号を演算し
てメモリに記憶する。例えば、ハンドル軸で右操舵回転
時のフリクションの方が左操舵回転時より20%大きけ
れば、右回転で戻す場合のハンドル戻し補助トルク信号
を20%大きくなるように補正係数を設定する。ハンド
ル戻し補助トルク信号の補正係数の例を図6に示す。
償器3での動作を示し、モータ速度信号に比例ゲインを
乗じてダンピング補償信号を求めてメモリに記憶する。
ステップS113は慣性補償器4での動作を示し、モー
タ加速度信号に比例ゲインを乗じて慣性補償信号を求め
てメモリに記憶する。ステップS114は、第1の加算
器12での動作を示し、操舵補助トルク信号、ハンドル
戻し補助トルク信号、ダンピング補償信号、慣性補償信
号の和を求めて目標トルクとしてメモリに記憶する。次
いで、ステップS115は、モータ電流決定器7での動
作を示し、ステップS114で求められた目標トルクに
ゲインを乗じて目標電流を求めてメモリに記憶する。こ
の時のゲインは、電動モータ10のハンドル軸換算での
トルク定数の逆数とする。
器101、戻しトルク補償器103、ダンピング補償器
3、慣性補償器4の各制御パラメータは、車速信号に応
じて変更する。この時、ステアリング機構自身のダンピ
ングが強い車両や、ハンドル軸換算の慣性モーメントが
小さなモータを装着した車両については、ダンピング補
償器3、慣性補償器4の各ゲインを零としてもよく、こ
の場合には、モータ速度検出器5、モータ加速度検出器
6、ダンピング制御器3、慣性補償器4は不要となる。
5は、例えばタコジェネレータ等のモータ速度センサを
用いてもよいし、ロータリエンコーダのパルス出力を差
分して求めてもよいし、或いは、モータに印加する電圧
から、モータに通電される電流値とコイル抵抗値の積を
減じる等して得られる逆起電圧からモータ速度を検出し
ても良い。
S106、S107をマップ演算、ステップS111、
S112、S113をゲインを乗じる構成としたが、各
ステップとも何れもゲインを乗じる構成としても、或い
は、マップ演算とする構成としてもよい。また、ステッ
プS109とS111とをまとめて、補正係数を掛けた
方向補正後のハンドル戻し補助トルク信号を合成した1
つのマップとしても良い。
手を放して路面反力トルクによる自己復元力によりハン
ドルを中心に戻す場合が多く、これにより操舵の労力を
低減している。また、電動式パワーステアリング装置
は、電動モータ10及びギアの摩擦トルクによりハンド
ルの戻り性が悪い。操舵トルク信号のみを検出して目標
トルクを定める場合には、ハンドルを切った後に手を放
すと、操舵トルク信号が零となってしまうので、ハンド
ル戻しトルクを発生させることができない。さらに、操
舵トルク信号に加えて、モータ回転信号に基づいて目標
トルクを定める場合にも、電動モータ10の回転が止ま
ってしまった場合には、電動モータ10はハンドルを戻
す方向のトルクを発生させることが難しい。
力トルク検出器101は、ハンドル手放しを行っても、
ハンドルの角度に略比例した路面反力トルクを検出でき
るので、この路面反力トルク信号に応じてハンドル戻し
補助トルク信号を演算する構成としたことにより、手放
しを行った後にも、電動モータ10がハンドル戻し方向
にトルクを出力することが可能となり、確実にハンドル
を中心に且つ左右差を改善して戻すことができる。
保持して操舵している場合には、操舵をアシストする操
舵補助トルク信号を操舵トルク信号に基づいて発生させ
るとともに、運転者がハンドルを戻そうとした場合に
は、ハンドルを原点(中立位置)に復帰させるのを妨げ
るフリクションを打ち消すハンドル戻し補助トルク信号
をハンドルの左右別々の回転方向に対応したフリクショ
ンを打ち消すのに必要な最適値として発生させることが
できるので、運転者がハンドルを保持している場合には
従来の制御アルゴリズムをそのまま流用し、手放し時に
はハンドルを原点に復帰させる制御アルゴリズムを新た
に付け加えるだけで、手放しを行った後にも、モータが
ハンドル戻し方向にトルクを出力することが可能とな
り、確実にハンドルを中心に、左右差無く戻すことがで
きるようになる。
クションの値の、回転或いは運動方向での差異を学習
し、学習結果により、ハンドルの戻り(回転或いは運
動)の方向によって異なる戻し力やフリクションのアン
バランスを、それぞれの方向に合わせて適正値に調整で
きるようにすることで、ハンドル戻り特性の左右差を自
動的に解消する効果が得られる。
路面反力トルク検出器101を、例えば前輪の操舵の舵
角により発生するトルク、即ち、ハンドルを原点に復帰
させようとする車両のキングピン回りのトルク(タイヤ
と路面との間に生ずる力)を、例えば、図示しないが、
非接触の磁歪式トルクセンサのような歪測定器により直
接測定するように構成したものであり、これ以外の構成
は図1の実施の形態1と同様である。
プS107において、歪測定器等よりなる路面反力トル
ク検出器101により前輪の操舵の舵角により発生する
トルクを直接測定して路面反力トルク信号としてメモリ
に記憶する点を除けば、図2のフローチャートと同様で
ある。
形態3の構成を示すブロック図である。本実施の形態3
では、ハンドル戻し補正部100aが、上記実施の形態
1に示す路面反力トルク検出器101の代わりに、操舵
トルク検出器1の出力である操舵トルク信号、モータ加
速度検出器6の出力であるモータ加速度信号、及びモー
タ電流検出器11の出力であるモータ電流値から、前輪
の舵角を原点に復帰させようとする路面反力トルクを検
出する路面反力トルク推定器101aを備えるものであ
り、それ以外の部分については、上記実施の形態1の構
成と同様である。ここでは、図4のフローチャートに基
づき本実施の形態3の動作の説明のみ行う。
は、目標電流を演算するまでのアルゴリズムであり、電
流制御に関しては、PID式の電流フィードバック(F
/B)制御、或いは、目標電流とモータ速度信号に基づ
くオープンループ制御等、一般的に行われる制御を、デ
ィジタル制御、アナログ制御いずれの方式に基づいて実
施しても良い。従って、以下では、目標電流を演算する
までのアルゴリズムに限定して説明を行う。
出器1で検出された操舵トルク信号を読み込みメモリに
記憶し、ステップS202で、モータ速度検出器5にて
検出されたモータ速度信号を読み込みメモリに記憶す
る。次に、ステップS203はモータ加速度検出器6で
の動作を示し、モータ加速度検出器6は、モータ速度検
出器5で検出されたモータ速度信号を微分演算してモー
タ加速度信号を得てメモリに記憶し、ステップS204
でモータ電流信号を読み込みメモリに記憶する。
路面反力トルク推定器101aでの動作を示している。
まず、ステップS205で操舵トルク信号の絶対値が閾
値以上かどうか判断する。この時の閾値は、直進時のハ
ンドル保持に必要なトルクと操舵トルク検出器1の測定
オフセットの和付近になるように予め設定し、ROMに
記憶させておく。次に、ステップS206〜S207で
以下の演算を行い路面反力トルク信号を得る。ステップ
S205で操舵トルク信号の絶対値が閾値以上であると
判断されると、そのままステップS207に進み、閾値
未満であると判断されると、ステップS206に進み、
路面反力トルク推定器101aでの演算に用いる操舵ト
ルク信号Tsensを零に置き換えた上で、ステップS20
7に進む。次に、ステップS207で、操舵トルク信号
Tsens、モータ加速度信号dω(ハンドル軸回転加速
度)、モータ電流信号Imtrから、次式(1)により定常
反力信号T'rea_estを得る。 T'rea_est=Tsens + Kt×Imtr - J×dω (1) ここで、Ktはモータのトルク定数(ハンドル軸換算)、
Jはステアリング機構の慣性モーメントである。次に、
ステップS208で、次式(2)により1次フィルタ演
算を行い路面反力トルク信号Trea_estを得てメモリに
記憶する。 dTrea_est/dt=−Trea_est/T1 + T'rea_est/T1 (2) ここで、T1は1次フィルタの時定数であり、折点周波
数fc=1/(2π×T1)がおよそ0.05〜1.0
Hzの間になるように定めておく。
舵トルク制御器2での動作を示している。まず、ステッ
プS209で操舵トルク信号の周波数特性を改善するた
めに位相補償器に通して位相補償を行い、ステップS2
10で位相補償器に通した操舵トルク信号に対してマッ
プ演算で、操舵補助トルク信号を求めてメモリに記憶す
る。
ドル戻し補正部100aの動作を説明するものである。
S211は路面反力トルク推定器101aの動作を示す
もので、演算された路面反力トルク信号Trea_estの大
きさと方向をメモリに記憶する。このようにして演算さ
れた路面反力トルク信号Trea_estは、図5と同様の値
になる。ステップS212は、読み込んだ操舵トルク値
Bと車速信号Aとから、路面反力の中点の学習を実施す
るか、しないかを判断し、例えば、操舵トルク値が所定
の値(例えば左右1Nm)以下で、車速が所定値(例え
ば30Km/h)以上の状態が、所定の時間(例えば1
5秒)継続した場合に、ステップS213に進み、15
秒継続毎に、その間の路面反力トルク信号或いはハンド
ル戻し補助トルク信号の平均値の中点からのズレを補正
する方向にオフセットの補正演算を行う。一方、ステッ
プS212で路面反力の中点の学習をしない場合は、そ
のままステップS214に進む。ステップS214は戻
しトルク補償器103での動作を示し、路面反力トルク
信号Trea_estに対して、マップ演算で、ハンドル戻し
補助トルク信号を求めてメモリに記憶する。
値は、ハンドルの操舵方向によって異なり、フリクショ
ンの値が大きいと、その操舵の回転方向による各々の回
転方向でのフリクションの大きさの差も大きくなる傾向
があり、操舵方向に応じてそれぞれのフリクションを、
適切に補償するハンドル戻し補助トルク信号を求める必
要がある。ステップS215は回転方向判別器105の
動作を説明するもので、路面反力トルク信号Trea_est
の大きさと方向からどちらの回転或いは運動方向のフリ
クションを補正するかの方向判定を行ってメモリに記憶
する。ステップS216は方向係数補償器107の動作
を説明するもので、補正すべきフリクションの方向に応
じたハンドル戻し補助トルク信号の補正係数を掛けた方
向補正後のハンドル戻し補助トルク信号を演算してメモ
リに記憶する。
償器3での動作を示し、モータ速度信号に比例ゲインを
乗じてダンピング補償信号を求めてメモリに記憶する。
ステップS218は、慣性補償器4での動作を示し、モ
ータ加速度信号に比例ゲインを乗じて慣性補償信号を求
めてメモリに記憶する。ステップS219は、第1の加
算器12での動作を示し、操舵補助トルク信号、ハンド
ル戻し補助トルク信号、ダンピング補償信号、慣性補償
信号の和を求め目標トルクとしてメモリに記憶する。ス
テップS220は、モータ電流決定器7での動作を示
し、ステップS219で求められた目標トルクにゲイン
を乗じて目標電流を求めてメモリに記憶する。この時の
ゲインは、電動モータ10のハンドル軸換算でのトルク
定数の逆数とする。以上のステップS201からS22
0までの動作を繰り返す。
05で操舵トルク信号の絶対値が閾値以上であると判断
されると、そのままステップS207に進み、閾値未満
であると判断されると、ステップS206に進み、路面
反力トルク推定器101a内での演算に用いる操舵トル
ク信号Tsensを零に置き換えた上で、ステップS207
に進むように設定した。この場合、路面反力トルク推定
器101aへの入力となる操舵トルク信号と、路面反力
トルク推定器101aでの演算に用いる操舵トルク信号
の関係から演算されるハンドル戻しトルクは、図7のよ
うになり、不連続が発生するが、図5に示すように不連
続点の無いように設定しても良い。この場合、ステップ
S205で操舵トルク信号の絶対値が閾値以上であると
判断されると、閾値の値を減算した上でステップS20
7に進む動作を行う。
施の形態1、2と同様に、トルク制御器2、戻しトルク
補償器103、ダンピング補償器3、慣性補償器4の各
制御パラメータは、車速検出器14の出力に応じて変更
する。この時、ステアリング機構自身のダンピングが強
い車両や、ハンドル軸換算の慣性モーメントが小さなモ
ータを装着した車両については、ダンピング補償器3、
慣性補償器4の各ゲインを零としてもよく、この場合
は、モータ速度検出器5、モータ加速度検出器6、ダン
ピング制御器3、慣性補償器4は不要となる。上記式
(1)の演算においても、ステアリング機構の慣性モー
メントJが小さい車両においては、Jの値を零としても
良い。また、上記式(1)の演算において、ハンドルを
戻そうとする路面反力トルクは操舵トルク信号Tsens、
モータ加速度信号dω(ハンドル軸回転加速度)、モー
タ電流信号Imtrのうちの操舵トルク信号Tsensだけで演
算しても効果が期待できるので、このようにすると演算
を簡略化でき、能力の低いマイクロコンピュータのS/
Wでも実現できる効果がある。さらに、上記式(1)の
演算において、ハンドルを戻そうとする路面反力トルク
は操舵トルク信号Tsens、モータ加速度信号dω(ハンド
ル軸回転加速度)、モータ電流信号Imtrのうちのモータ
電流信号Imtrだけで演算しても、例えば油圧式パワース
テアリングの油圧反力機構のメカの機能と同じになり効
果が期待できるので、演算を簡略化でき能力の低いマイ
クロコンピュータのS/Wでも実現できる効果がある。
の1次フィルタ演算を行い路面反力トルク信号Trea_es
tを得てメモリに記憶するようにしたが、これは完全に
ハンドルから手を放した場合に、ハンドル戻しトルクを
所定の時間持続させて、より確実にハンドルを戻す為の
ものである。しかし、ステップS208をスキップし、
上記式(2)の1次フィルタ演算を実施しなくても、ハ
ンドルから手を緩めてから完全にハンドルから手を放す
迄に既に作用しているハンドル戻しトルクだけでも効果
が期待できるので、演算を簡略化でき、能力の低いマイ
クロコンピュータのS/Wでも実現できる効果がある。
りの左右差の学習を、路面反力トルク検出信号のオフセ
ットを直接学習することで実施したが、路面反力トルク
を演算する基になっている、操舵トルク信号や、ハンド
ル角信号の平均値の中点からのズレを学習することによ
り実施しても、同様の効果が期待できる。上記各実施の
形態においては、ハンドル戻りの左右差の学習の可否
(更新)を、所定の車速以上で、操舵トルク信号が所定
値以内で実施するようにしたが、操舵角信号の値が所定
の範囲以内で実施するようにしても、同様の効果が期待
できる。
態1と同様に、本実施の形態3に用いるモータ速度検出
器5は、例えばタコジェネレータ等のモータ速度センサ
を用いてもよいし、ロータリエンコーダのパルス出力を
差分して求めてもよいし、或いは、モータに印加する電
圧から、モータに通電される電流値とコイル抵抗値の積
を減じる等して得られる逆起電圧からモータ速度を推定
しても良い。
S211をマップ演算、ステップS214とS216を
ゲインを乗じる構成としたが、各ステップとも、いずれ
もゲインを乗じる構成としても、或いは、マップ演算と
する構成としてもよい。
に、道路の中心付近が高く路肩付近が低くなるカントが
設けられている。このため、道路を直進しようとする場
合、ハンドルを僅かなトルクで保持する必要がある。ま
た、操舵トルクを検出する操舵トルク検出器1は、電圧
のドリフト等で僅かにオフセットする場合が多い。従っ
て、操舵トルク検出信号をそのまま使うと、路面反力ト
ルク推定器101aは、直進時も路面反力トルク検出値
が零とならないので、この路面反力トルク検出値に基づ
いてハンドル戻し補助トルク信号を演算すると、直進時
も不必要なトルクを運転者が感じてしまう場合がある。
本発明による学習によって、これらのオフセットは、効
果的に低減されるが、学習の途中では、完全にオフセッ
トが零ではない。このため適切なハンドル戻し補助トル
ク信号の制御の不感帯を設けることが有効である。
号の絶対値が閾値未満であると判断されると、路面反力
トルク推定器101aでの演算に用いる操舵トルク信号
Tsensを零に置き換えた上で、上式(1)の定常反力信
号T'rea_estを演算する構成とするとともに、この時の
閾値を、直進時のハンドル保持に必要なトルクと操舵ト
ルク検出器1の測定オフセットの和付近に設定したこと
により、上述のような不惑帯を適切に設けることができ
る。
号の絶対値が閾値未満であることを利用して制御の不感
帯を設けたが、操舵トルク信号に不感帯を設けて演算す
る代わりに、演算された定常反力信号T'rea_estや演算
された路面反力トルク信号Trea_estに不感帯を設ける
ことにより、適切なハンドル戻し補助トルク信号の制御
の不感帯を設けることも可能であることは言うまでもな
い。
ーステアリング装置の制御装置によれば、ハンドルから
車輪までの操舵トルク伝達機構中に介挿され、運転者に
よる操舵トルクを補助するトルクを発生する電動モータ
と、前記電動モーターのローターのフリクションや車両
及びステアリング系のフリクション、ハンドルの戻しト
ルクを補正するよう前記電動モータを制御するハンドル
戻し補正部と、前記電動モーターのローターのフリクシ
ョンや車両及びステアリング系のフリクション、ハンド
ルの戻しトルクの方向による値の違いを学習する学習部
とを備え、前記ハンドル戻し補正部の回転或いは運動方
向による違いを補正する補正量を、前記学習部の学習値
に基づき最適値に設定することにより、ハンドル戻り特
性の左右差を解消することができ、従って、運転者がハ
ンドルを切った後、ハンドルを原点へ復帰させる際に手
放しを行っても、電動モータがハンドル戻し方向にトル
クを出力し、しかも、補正すべきフリクションの回転或
いは運動の方向の違いによるアンバランスを適正に補正
することが可能となり、方向の違いによる戻り特性のア
ンバランス無く、確実にハンドルを中心に戻すことがで
きる。更に、戻し力やフリクションの値の、回転或いは
運動方向での差異を学習し、学習結果により、ハンドル
の戻り(回転或いは運動)の方向によって異なる戻し力
やフリクションのアンバランスを、それぞれの方向に合
わせて適正値に調整することにより、ハンドル戻り特性
の左右差を自動的に解消する効果が得られる。
が路面から受ける路面反力トルクを検出する路面反力ト
ルク検出器を備え、前記路面反力トルク検出器出力の学
習値に基づきハンドル戻し補正量を求めて前記電動モー
タを制御することにより、ハンドルの戻り(回転)の方
向によるフリクションのアンバランスを調整することが
でき、ハンドル戻り特性の左右差を解消することができ
る。従って、手放しを行った後にも、モータがハンドル
戻し方向にトルクを出力することが可能となり、確実に
方向の違いによる戻り特性のアンバランス無くハンドル
を中心に戻すことができる。更に、戻し力やフリクショ
ンの値の、回転或いは運動方向での差異を学習し、学習
結果により、ハンドルの戻り(回転或いは運動)の方向
によって異なる戻し力やフリクションのアンバランス
を、それぞれの方向に合わせて適正値に調整できるの
で、ハンドル戻り特性の左右差を自動的に解消する効果
が得られる。
回転角度を検出する舵角検出器を備え、前記舵角検出器
から出力されるハンドル角信号の学習値に基づきハンド
ル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御することに
より、ハンドルの戻り(回転)の方向によるフリクショ
ンのアンバランスを調整することができ、ハンドル戻り
特性の左右差を解消することができる。従って、手放し
を行った後にも、モータがハンドル戻し方向にトルクを
出力することが可能となり、確実に方向の違いによる戻
り特性のアンバランス無くハンドルを中心に戻すことが
できるようになる。更に、ハンドル戻し補正部は、戻し
力やフリクションの値の、回転或いは運動方向での差異
を学習し、学習結果により、ハンドルの戻り(回転或い
は運動)の方向によって異なる戻し力やフリクションの
アンバランスを、それぞれの方向に合わせて適正値に調
整できるので、ハンドル戻り特性の左右差を自動的に解
消する効果が得られる。
ルの操舵トルクを検出する操舵トルク検出器と、前記電
動モータの電流を検出するモータ電流検出器とを更に備
え、前記ハンドル戻し補正部は、前記操舵トルク検出器
の出力に、前記モータ電流検出器の出力から演算される
ステアリング軸換算のモータトルクを加算するととも
に、ステアリング軸換算のモータ慣性トルクを減算して
得られる値にローパス或いは遅延フィルタを演算して路
面反力トルクを推定する路面反力トルク推定器を備え、
前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反力トルク推定器
から出力される路面反力トルク推定信号の学習値に基づ
きハンドル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御す
るように構成したので、路面反力検出器及びそれに付随
する配線が不要となり、電動式パワーステアリング制御
装置のコストを低減することが可能となる。また、運転
者がハンドルを保持して操舵している場合には、操舵を
アシストする操舵補助トルク信号を操舵トルク信号に基
づいて発生させるとともに、運転者がハンドルを放した
場合には、ハンドルを原点に復帰させるハンドル戻し補
助トルク信号を発生させ、また、運転者がハンドルを保
持している場合には従来の制御アルゴリズムをそのまま
流用し、新たに手放し時にハンドルを原点に復帰させる
制御アルゴリズムとして、前記モータ制御電流に、ハン
ドル或いは前記モータの回転方向に、補正電流として加
算し、且つ、補正量は、ハンドルの戻り(回転)の方向
によるフリクションのアンバランスを調整できるように
することを付け加えるだけで、手放しを行った後にも、
モータがハンドル戻し方向にトルクを出力することが可
能となり、方向の違いによる戻り特性のアンバランス無
く確実にハンドルを中心に戻すことができる。更に、戻
し力やフリクションの値の、回転或いは運動方向での差
異を学習し、学習結果により、ハンドルの戻り(回転或
いは運動)の方向によって異なる戻し力やフリクション
のアンバランスを、それぞれの方向に合わせて適正値に
調整できるので、ハンドル戻り特性の左右差を自動的に
解消する効果が得られる。
舵トルク検出器の出力に、ローパス或いは遅延フィルタ
を演算して路面反力トルクを推定する路面反力トルク推
定器を備え、前記路面反力トルク推定器から出力される
路面反力トルク推定信号の学習値に基づきハンドル戻し
補正量を求めて前記電動モータを制御することにより、
ハンドル及びステアリング系の回転或いは運動の方向に
よるフリクションのアンバランスを調整することがで
き、従って演算を簡略化でき、能力の低いマイクロコン
ピュータのS/Wでも実現できる効果がある。更に、戻
し力やフリクションの値の、回転或いは運動方向での差
異を学習し、学習結果により、ハンドルの戻り(回転或
いは運動)の方向によって異なる戻し力やフリクション
のアンバランスを、それぞれの方向に合わせて適正値に
調整できるので、ハンドル戻り特性の左右差を自動的に
解消する効果が得られる。
モータ電流検出器の出力から演算されるステアリング軸
換算のモータトルクにローパス或いは遅延フィルタを演
算して路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定器
を備え、前記路面反力トルク推定器から出力される路面
反力トルク推定信号の学習値に基づきハンドル戻し補正
量を求めて制御することにより、ハンドル及びステアリ
ング系の回転或いは運動の方向によるフリクションのア
ンバランスを調整することができ、従って演算を簡略化
でき、能力の低いマイクロコンピュータのS/Wでも実
現できる効果がある。更に、ハンドル戻し補正部は、戻
し力やフリクションの値の、回転或いは運動方向での差
異を学習し、学習結果により、ハンドルの戻り(回転或
いは運動)の方向によって異なる戻し力やフリクション
のアンバランスを、それぞれの方向に合わせて適正値に
調整できるので、ハンドル戻り特性の左右差を自動的に
解消する効果が得られる。
は、前記モータ電流検出器の出力から演算されるステア
リング軸換算のモータトルクにローパス或いは遅延フィ
ルタを演算して路面反力トルクを推定する路面反力トル
ク推定器を備え、前記路面反力トルク推定器から出力さ
れる路面反力トルク推定信号の学習値に基づきハンドル
戻し補正量を求めて制御することにより、ハンドル及び
ステアリング系の回転或いは運動の方向によるフリクシ
ョンのアンバランスを調整することができ、従って演算
を簡略化でき、能力の低いマイクロコンピュータのS/
Wでも実現できる効果がある。更に、ハンドル戻し力や
フリクションの値の、回転或いは運動方向での差異を学
習し、学習結果により、ハンドルの戻り(回転或いは運
動)の方向によって異なる戻し力やフリクションのアン
バランスを、それぞれの方向に合わせて適正値に調整で
きるので、ハンドル戻り特性の左右差を自動的に解消す
る効果が得られる。
検出器の出力信号、前記操舵トルク検出器の出力信号或
いは前記ハンドル角信号の学習値の更新を、所定の車速
以上で、且つ、前記路面反力トルク検出器の出力信号、
前記操舵トルク検出器の出力信号或いは前記ハンドル角
信号の値が所定の範囲以内の場合にのみ、実施する学習
可否判別器を更に備えるので、学習に不適切な条件下で
の学習を回避することができ、学習値の誤りや信頼性の
低下を防止することができる。
図である。
ャートである。
図である。
フローチャートである。
特性図である。
特性図である。
ンピング補償器、4慣性補償器、5 モータ速度検出
器、6 モータ加速度検出器、7 モータ電流決定器、
8 判定器、9 モータ駆動器、10 モータ、11
モータ電流検出器、12 第1の加算器、13 第2の
加算器、14 車速検出器、15 舵角検出器、100
ハンドル戻し補正部、100a ハンドル戻し補正
部、101路面反力トルク検出器、101a 路面反力
トルク推定器、110 学習部、111 左右ずれ学習
部、113 学習可否判別器。
Claims (8)
- 【請求項1】 ハンドルから車輪までの操舵トルク伝達
機構中に介挿され、運転者による操舵トルクを補助する
トルクを発生する電動モータと、 前記電動モーターのローターのフリクションや車両及び
ステアリング系のフリクション、ハンドルの戻しトルク
を補正するよう前記電動モータを制御するハンドル戻し
補正部と、 前記電動モーターのローターのフリクションや車両及び
ステアリング系のフリクション、ハンドルの戻しトルク
の方向による値の違いを学習する学習部と、 を備え、 前記ハンドル戻し補正部の回転或いは運動方向による違
いを補正する補正量を、前記学習部の学習値に基づき最
適値に設定することを特徴とした電動式パワーステアリ
ング装置の制御装置。 - 【請求項2】 前記ハンドル戻し補正部は、タイヤが路
面から受ける路面反力トルクを検出する路面反力トルク
検出器を備え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反力トルク検出器
出力の学習値に基づきハンドル戻し補正量を求めて前記
電動モータを制御することを特徴とする請求項1に記載
の電動式パワーステアリング装置の制御装置。 - 【請求項3】 前記ハンドルの回転角度を検出する舵角
検出器を更に備え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記舵角検出器から出力さ
れるハンドル角信号の学習値に基づきハンドル戻し補正
量を求めて前記電動モータを制御することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の電動式パワーステアリ
ング装置の制御装置。 - 【請求項4】 前記ハンドルの操舵トルクを検出する操
舵トルク検出器と、 前記電動モータの電流を検出するモータ電流検出器と、 を更に備え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記操舵トルク検出器の出
力に、前記モータ電流検出器の出力から演算されるステ
アリング軸換算のモータトルクを加算するとともに、ス
テアリング軸換算のモータ慣性トルクを減算して得られ
る値にローパス或いは遅延フィルタを演算して路面反力
トルクを推定する路面反力トルク推定器を備え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反力トルク推定器
から出力される路面反力トルク推定信号の学習値に基づ
きハンドル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御す
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電
動式パワーステアリング装置の制御装置。 - 【請求項5】 前記ハンドル戻し補正部は、前記操舵ト
ルク検出器の出力に、ローパス或いは遅延フィルタを演
算して路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定器
を備え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反力トルク推定器
から出力される路面反力トルク推定信号の学習値に基づ
きハンドル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御す
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動
式パワーステアリング装置の制御装置。 - 【請求項6】 前記ハンドル戻し補正部は、前記モータ
電流検出器の出力から演算されるステアリング軸換算の
モータトルクにローパス或いは遅延フィルタを演算して
路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定器を備
え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反力トルク推定器
から出力される路面反力トルク推定信号の学習値に基づ
きハンドル戻し補正量を求めて制御することを特徴とす
る請求項1または請求項2に記載の電動式パワーステア
リング装置の制御装置。 - 【請求項7】 前記ハンドル戻し補正部は、前記操舵ト
ルク検出器の出力或いは前記モータ電流検出器の出力か
ら演算されるステアリング軸換算のモータトルク或いは
ステアリング軸換算のモータ慣性トルク等から得られる
値から、ローパス或いは遅延フィルタを演算しないで、
路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定器を備
え、 前記ハンドル戻し補正部は、前記路面反力トルク推定器
より出力される路面反力トルク推定信号の学習値に基づ
きハンドル戻し補正量を求めて前記電動モータを制御す
ることを特徴とする請求項1または2に記載の電動式パ
ワーステアリング装置の制御装置。 - 【請求項8】 前記学習部は、前記路面反力トルク検出
器の出力信号、前記操舵トルク検出器の出力信号或いは
前記ハンドル角信号の学習値の更新を所定の車速以上
で、且つ、前記路面反力トルク検出器の出力信号、前記
操舵トルク検出器の出力信号或いは前記ハンドル角信号
の値が所定の範囲以内の場合にのみ、実施する学習可否
判別器を備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れ
かに記載の電動式パワーステアリング装置の制御装置。
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JP2000218664A JP3600510B2 (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 電動式パワーステアリング装置の制御装置 |
DE2001119967 DE10119967B4 (de) | 2000-07-19 | 2001-04-24 | Steuereinrichtung für elektrisches Servolenkgerät |
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JP2000218664A JP3600510B2 (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 電動式パワーステアリング装置の制御装置 |
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