JPH10316005A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置

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JPH10316005A
JPH10316005A JP14588297A JP14588297A JPH10316005A JP H10316005 A JPH10316005 A JP H10316005A JP 14588297 A JP14588297 A JP 14588297A JP 14588297 A JP14588297 A JP 14588297A JP H10316005 A JPH10316005 A JP H10316005A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングホイールの切り込み時・戻り時
に、電動モータにフリクション補償トルクを発生させ、
フリクションを打ち消したり、見かけ上はフリクション
と同質のトルクを発生させたりして、操舵フィーリング
を向上させることのできる電動パワーステアリング制御
装置を提供することである。 【解決手段】 切り込み時用あるいは戻り時用フリクシ
ョン補償指令値決定手段13、17が出力するフリクシ
ョン補償指令値に基づいて、電動モータ6にフリクショ
ン補償トルクを発生させて、実際に発生したフリクショ
ンを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質のト
ルクを発生させたりしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フリクションを
補償する構成にした電動パワーステアリング制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、ステアリングホイー
ルWに連係する入力軸1の先端に、ピニオン2を設けて
いる。また、両端に車輪3R、3Lが連係するロッド4
に、ラック5を形成している。そして、上記入力軸1の
ピニオン2を、このロッド4のラック5にかみ合せてい
る。また、電動モータ6を設け、そのモータ出力を、減
速機7を介して上記ロッド4に伝達するようにしてい
る。さらに、入力軸1に作用する操舵トルクを検出する
操舵トルクセンサ8と、車速を検出する車速センサ9と
を設け、コントローラーCに接続している。
【0003】このコントローラーCは、図6に示すよう
に、基本アシスト指令値決定回路10とモータ電流制御
回路11とを備えている。基本アシスト指令値決定回路
10では、操舵トルク及び車速に応じて基本アシスト指
令値を決定している。そして、モータ電流制御回路11
は、その基本アシスト指令値に基づいて、電動モータ6
にモータ電流を流す。したがって、電動モータ6には、
操舵トルク及び車速に応じたアシストトルクが発生し、
アシスト力を付与することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような電動パワ
ーステアリング制御装置では、プレッシャパッドを用い
てピニオンとラックとをかみ合わせたり、電動モータを
減速機を介してロッドに連係させたりするので、フリク
ションが発生する。そして、このフリクションが発生す
ると、ステアリングホイールWの切り込み時に、以下の
ような影響を及ぼすことがある。例えば、ステアリング
ホイールWを切ったとき、そのフリクションをドライバ
ーが抵抗として感じ、ステアリングの軽快感が損なわれ
てしまうことがある。また、このフリクションは、電動
モータ6の回転方向と逆に作用するので、アシストトル
クを減ずることになり、アシスト力不足になったり、応
答性が悪くなったりする。
【0005】一方、ステアリングホイールWの戻り時に
は、以下のような影響を及ぼすことがある。一般的に、
転舵状態では、車輪3R、3Lを中立方向に復帰させよ
うとするセルフアライニングトルクが発生する。したが
って、転舵後にステアリングホイールから手を放せば、
このセルフアライニングトルクによって車輪3R、3L
が中立方向に復帰しようとする。
【0006】ところが、車輪3R、3Lが中立方向に復
帰しようとするとき、フリクションは、車輪3R、3L
が中立方向に復帰する方向と逆に作用することになる。
特に、車両の低速走行時には、セルフアライニングトル
クが小さく、それがフリクションによって打ち消され、
ステアリングホイールWの戻り性が悪くなってしまう。
この発明の目的は、ステアリングホイールの切り込み時
・戻り時に、電動モータにフリクション補償トルクを発
生させ、フリクションを打ち消したり、見かけ上はフリ
クションと同質のトルクを発生させたりして、操舵フィ
ーリングを向上させることのできる電動パワーステアリ
ング制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、アシスト力
を発生する電動モータと、操舵トルクを検出する操舵ト
ルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、操舵
トルク及び車速に応じて基本アシスト指令値を決定する
基本アシスト指令値決定手段と、その基本アシスト指令
値に基づいて、電動モータにモータ電流を流すモータ電
流制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置
を前提とする。そして、第1の発明は、ステアリングホ
イールの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り判別
手段と、電動モータの回転方向を検出するモータ回転方
向検出手段と、ステアリングホイールの切り込み時に、
モータ回転方向及び車速に応じてフリクション補償指令
値を決定する切り込み時用のフリクション補償指令値決
定手段と、ステアリングホイールの戻り時に、モータ回
転方向及び車速に応じてフリクション補償指令値を決定
する戻り時用のフリクション補償指令値決定手段とを備
え、これらフリクション補償指令値に基づいて、電動モ
ータにフリクション補償トルクを発生させて、実際に発
生したフリクションを打ち消したり、見かけ上はフリク
ションと同質のトルクを発生させたりする構成にした点
に特徴を有する。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、切り
込み・戻り判別手段は、操舵トルク検出手段で検出した
操舵トルクの方向と、モータ回転方向検出手段で検出し
たモータ回転の方向とが同一であれば、切り込み時と判
別し、逆であれば、戻り時と判別する構成にした点に特
徴を有する。第3の発明は、第1、2の発明において、
切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段は、車
両の低速走行域で、実際に発生したフリクションのほぼ
すべてを打ち消すフリクション補償指令値を出力する構
成にした点に特徴を有する。第4の発明は、第1〜3の
発明において、切り込み時用のフリクション補償指令値
決定手段は、車両の高速走行域で、実際に発生したフリ
クションの一部を打ち消すフリクション補償指令値を出
力する構成にした点に特徴を有する。
【0009】第5の発明は、第1〜4の発明において、
戻り時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の
低速走行域で、実際に発生したフリクションのすべてを
打ち消すだけでなく、見かけ上はフリクションと同質の
トルクを、実際に発生したフリクションの方向と逆に発
生させるフリクション補償指令値を出力する構成にした
点に特徴を有する。第6の発明は、第1〜5の発明にお
いて、戻り時用のフリクション補償指令値決定手段は、
車両の高速走行域で、実際に発生したフリクションを全
く打ち消さず、さらには、見かけ上はフリクションと同
質のトルクを、実際に発生したフリクションの方向に発
生させるフリクション補償指令値を出力する構成にした
点に特徴を有する。第7の発明は、第1〜6の発明にお
いて、モータ角速度を検出するモータ角速度検出手段を
設け、切り込み時用及び戻り時用のフリクション補償指
令値決定手段の両方、あるいは、いずれか一方は、モー
タ角速度がゼロ付近のとき、フリクション補償指令値を
ゼロにして、電動モータにフリクション補償トルクを発
生させない構成にした点に特徴を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜4に、この発明の電動パワ
ーステアリング制御装置の一実施例を示す。ただし、上
記従来例と同一の構成要素については同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。図1に示すように、電
動モータ6のモータ角速度ωを検出するモータ角速度セ
ンサ12を設け、コントローラーCに接続している。こ
こでは、このモータ角速度センサ12によって、モータ
回転方向を検出するようにしている。コントローラーC
には、切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路
13を設けている。そして、このフリクション補償指令
値決定回路13が出力するフリクション補償指令値を、
スイッチ14を介して基本アシスト指令値に加算し、モ
ータ電流制御回路11に出力するようにしている。
【0011】この切り込み時用のフリクション補償指令
値決定回路13は、フリクション補償値選択部15と車
速テーブル部16とからなる。このうち、フリクション
補償値選択部15では、次のようにしてフリクション補
償値を選択している。フリクションは、予め車両実験に
より測定できるので、そのフリクションをすべて打ち消
すだけのモータ出力を電動モータ6に発生させるよう
に、フリクション補償値を決めればよい。そして、フリ
クションを補償するモータ出力の方向を決めるため、こ
こでは、モータ角速度センサからモータ回転方向を検出
している。
【0012】フリクションは、モータ回転方向に抗して
作用するので、このフリクションを打ち消すには、モー
タ回転方向と同方向にモータ出力を発生させればよい。
したがって、モータ角速度センサからモータ回転方向を
検出し、それと同方向にモータ出力を発生させるよう、
フリクション補償値の極性を選択するようにしている。
なお、ここでは左右方向のフリクションの大きさを同じ
とみなして、その極性だけを選択するようにしている。
ただし、左右でフリクションに差があるような場合に
は、電動モータの右回転時のフリクションと左回転時の
フリクションとを別々に測定し、それぞれのフリクショ
ン補償値を決めておいてもよい。そして、同様に、モー
タ角速度センサからモータ回転方向を検出し、それに応
じて、いずれかのフリクション補償値を選択するように
しておけばよい。
【0013】また、車速テーブル部16には、車速に応
じて変化させるフリクション補償指令値のゲインを、テ
ーブル値としてメモリしている。そして、そのゲインを
上記選択されたフリクション補償値に乗算して、フリク
ション補償指令値を決定するようにしている。例えば、
図2に示すように、低車速域において、ゲインを1程度
とし、上記フリクション補償値をそのままフリクション
補償指令値として出力するようにしている。したがっ
て、このフリクション補償指令値がモータ電流制御回路
6に伝えられると、電動モータ6には、フリクションを
すべて打ち消すだけのフリクション補償トルクが発生す
ることになる。ただし、高車速域においては、そのゲイ
ンを小さくし、上記フリクション補償値よりも小さくし
たフリクション補償指令値を出力するようにしている。
したがって、電動モータ6には、フリクションの一部だ
けを打ち消すフリクション補償トルクが発生することに
なる。
【0014】また、コントローラーCには、戻り時用の
フリクション補償指令値決定回路17を設けている。そ
して、そのフリクション補償指令値を、スイッチ18を
介して基本アシスト指令値に加算し、モータ電流制御回
路11に出力するようにしている。この戻り時用のフリ
クション補償指令値決定回路17も、フリクション補償
値演算部19と車速テーブル部20からなる。以下で
は、上記切り込み時用のフリクション補償指令値決定回
路13との相違点のみについて説明する。フリクション
補償値演算部19では、上記と同様にフリクション補償
値を選択している。車速テーブル部20では、図3に示
すように、低車速域において、ゲインを1程度とし、電
動モータ6に、フリクションをすべて打ち消すだけのフ
リクション補償トルクが発生するようにしている。
【0015】そして、高車速になるにつれて、そのゲイ
ンを小さくしたフリクション補償指令値を出力するよう
にしている。したがって、フリクション補償トルクが小
さくなり、フリクションの一部だけを打ち消していくこ
とになる。さらに高車速になると、そのゲインがゼロを
超えて、マイナス領域に達する。したがって、電動モー
タ6には逆方向にフリクション補償トルクが発生し、実
際に発生したフリクションを全く打ち消さず、さらに、
見かけ上はフリクションと同質のトルクを、そのフリク
ションの方向に発生させることになる。
【0016】上記スイッチ14、18は、ステアリング
ホイールWの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り
判別回路21によって制御されている。この切り込み・
戻り判別回路21には、操舵トルクセンサ8とモータ角
速度センサ12とを接続している。そして、これらセン
サ8、12で検出した操舵トルクの極性とモータ角速度
の極性とが同極性であれば、つまり、その方向が同一で
あれば、切り込み時であると判別する。このように判別
できるのは、ステアリングホイールWを切り込んだとき
は、必ず操舵トルクが発生し、電動モータ6にはそれと
同極のアシストトルクが発生するからである。このよう
にして切り込み時であると判別したときは、スイッチ1
4をオンにする。したがって、切り込み時用のフリクシ
ョン補償指令値決定回路13から出力されたフリクショ
ン補償指令値が、基本アシスト指令値に加算され、モー
タ電流制御回路11に伝えられる。
【0017】それに対して、操舵トルクの極性とモータ
角速度の極性とが異極性であれば、つまり、その方向が
逆であれば、戻り時であると判別する。このように判別
できるのは、転舵後にステアリングホイールWから手を
放したような場合、セルフアライニングトルクにより電
動モータ6も回転させられるが、入力軸1にはステアリ
ングホイールW自体の質量により慣性が働き、操舵トル
クセンサ8が、その慣性トルクを異極の操舵トルクとし
て検出するからである。このようにして戻り時であると
判別したときは、スイッチ18をオンにする。したがっ
て、戻り時用のフリクション補償指令値決定回路17か
ら出力されたフリクション補償指令値が、基本アシスト
指令値に加算され、モータ電流制御回路11に伝えられ
る。
【0018】次に、この実施例の電動パワーステアリン
グ制御装置の作用を説明する。ステアリングホイールW
の切り込み時には、基本アシスト指令値決定回路10か
ら、操舵トルク及び車速に応じた基本アシスト指令値が
出力される。同時に、切り込み・戻り判別回路21は、
ステアリングホイールの切り込み時であると判別し、ス
イッチ14をオンにする。したがって、切り込み時用の
フリクション補償指令値決定回路13から出力されたフ
リクション補償指令値が、基本アシスト指令値に加算さ
れて、モータ電流制御回路11に伝えられる。
【0019】いま、車両が低速走行していれば、前述の
ようにゲインが1程度であり、電動モータ6には、フリ
クションをすべて打ち消すだけのフリクション補償トル
クが発生する。したがって、ドライバーが抵抗を感じる
ことがなく、ステアリングの軽快感を確保することがで
きる。しかも、フリクションを打ち消せば、電動モータ
6には、基本アシスト指令値に基づくアシストトルクが
そのまま発生するので、アシスト力不足になったり、応
答性が悪くなったりすることがない。それに対して、車
両が高速走行しているときは、そのゲインが小さくなる
ので、電動モータ6に、フリクションの一部だけを打ち
消すフリクション補償トルクが発生することになる。つ
まり、フリクションの一部は残った状態となり、そのフ
リクションが反力として作用するので、ステアリングホ
イールWの剛性感を残して、安定した高速走行が可能と
なる。
【0020】一方、ステアリングホイールWの戻り時に
は、切り込み・戻り判別回路21が戻り時であると判別
し、スイッチ18をオンにする。したがって、戻り時用
のフリクション補償指令値決定回路17から出力された
フリクション補償指令値が、基本アシスト指令値に加算
されて、モータ電流制御回路11に伝えられる。いま、
車両が低速走行していれば、前述のように、電動モータ
6には、フリクションをすべて打ち消すだけのフリクシ
ョン補償トルクが発生するので、ステアリングホイール
Wの戻り性を向上させることができる。
【0021】それに対して、車両が高速走行していると
きは、そのゲインがゼロを超えて、マイナス領域に達す
るので、実際に発生したフリクションが全く打ち消され
ず、さらに、見かけ上はフリクションと同質のトルク
が、そのフリクションの方向に発生することになる。以
下では、高速走行時に、フリクションの方向に、積極的
にトルクを発生させる理由を説明する。
【0022】セルフアライニングトルクは、高車速にな
るほど大きくなる特性を有するので、高速走行域におけ
るステアリングホイールWの戻り時には、低速走行域と
異なり、車輪が中立方向に復帰する勢いが強くなる。そ
のため、中立位置を超えて転舵してしまうこともあり、
ステアリングホイールWの収れん性が悪くなってしま
う。そこで、フリクションの方向、つまり、セルフアラ
イニングトルクに抗する方向に、積極的にトルクを発生
させるようにしている。こうすれば、実際に発生したフ
リクションに加え、そのトルクがダンパ機能を発揮する
ことになり、ステアリングホイールWの収れん性を向上
させることができる。
【0023】なお、図2、3に示す特性はほんの一例に
すぎず、車速テーブル部のテーブル値を変更すれば、ス
テアリングホイールWの切り込み時・戻り時に、フリク
ションを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質
のトルクを発生させたりすることができる。例えば、低
速走行域における戻り時に、図3に示すようにゲインを
1程度としているが、1よりも大きくしておいてもよ
い。このようにしておけば、フリクションをすべて打ち
消すだけでなく、見かけ上はフリクションと同質のトル
クが、モータ回転方向に作用することになる。したがっ
て、そのトルクが車輪を中立方向に復帰する補助力とし
て作用することとなり、ステアリングホイールWの戻り
性をさらに向上させることができる。このように、車種
に応じて、あるいは、ユーザーからの要望に応じて、操
舵フィーリングをきめこまやかにチューニングすること
ができる。
【0024】また、車速テーブル部16、20の他に、
モータ角速度テーブル部を設けたりしてもよい。例え
ば、図4に示すように、モータ角速度ωのゼロ付近で、
フリクション補償指令値のゲインをゼロとするようにし
ておけば、電動モータ6が発振するのを防止することが
できる。例えば、停止状態から、ギヤのバックラッシ等
の機械的なガタぶんだけ電動モータ6が動いたような場
合でも、モータ回転方向が検出され、コントローラーC
に伝えられる。そして、コントローラーCは、電動モー
タ6にフリクション補償トルクを発生させることにな
る。しかし、そのフリクション補償トルクによっても、
電動モータ6に回転が発生してしまい、さらに、そのモ
ータ回転方向が、コントローラーCに伝えられることに
なる。このように、ループ系の制御をしている場合、電
動モータ6が発振することがある。そこで、モータ角速
度ωのゼロ付近で、フリクション補償指令値のゲインを
ゼロとするようにしておけば、電動モータ6にフリクシ
ョン補償トルクが発生せず、その発振を防止することが
できる。
【0025】
【発明の効果】第1の発明によれば、ステアリングホイ
ールの切り込み時・戻り時に、電動モータにフリクショ
ン補償トルクを発生させて、フリクションを打ち消した
り、見かけ上はフリクションと同質のトルクを発生させ
たりでき、操舵フィーリングを向上させることができ
る。しかも、切り込み時用あるいは戻り時用のフリクシ
ョン補償指令値決定手段の特性をそれぞれ変更してやれ
ば、車種に応じて、あるいは、ユーザーからの要望に応
じて、操舵フィーリングをきめこまやかにチューニング
することができる。第2の発明によれば、第1の発明に
おいて、なんら新たな要素を付加することなく、切り込
み・戻り判別手段を構成することができ、コストダウン
が可能となる。
【0026】第3の発明によれば、第1、2の発明にお
いて、フリクションをすべて打ち消すので、ドライバー
が抵抗を感じることがなく、ステアリングの軽快感を確
保することができる。しかも、電動モータには、基本ア
シスト指令値に基づくアシストトルクがそのまま発生す
るので、アシスト力不足になったり、応答性が悪くなっ
たりすることがない。第4の発明によれば、第1〜3の
発明において、フリクションの一部は残った状態とな
り、それが反力として作用するので、ステアリングホイ
ールの剛性感を残して、安定した高速走行が可能とな
る。
【0027】第5の発明によれば、第1〜4の発明にお
いて、実際に発生したフリクションをすべて打ち消すだ
けでなく、見かけ上はフリクションと同質のトルクが、
実際に発生したフリクションの方向と逆に発生する。し
たがって、その見かけ上はフリクションと同質のトルク
が、車輪を中立方向に復帰する補助力として作用するこ
とになり、ステアリングホイールの戻り性を向上させる
ことができる。第6の発明によれば、第1〜5の発明に
おいて、実際に発生したフリクションに加え、見かけ上
はフリクションと同質のトルクが、実際に発生したフリ
クションの方向に発生する。したがって、これらトルク
がダンパ機能を発揮することになり、ステアリングホイ
ールの収れん性を向上させることができる。第7の発明
によれば、第1〜6の発明において、電動モータが発振
するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の電動パワーステアリング
制御装置を示すブロック図である。
【図2】切り込み時における車速とゲインとの関係を示
す一例である。
【図3】戻り時における車速とゲインとの関係を示す一
例である。
【図4】モータ角速度とゲインとの関係を示す一例であ
る。
【図5】電動パワーステアリング制御装置を示す図であ
る。
【図6】従来例の電動パワーステアリング制御装置を示
すブロック図である。
【符号の説明】
6 電動モータ 8 操舵トルクセンサ 9 車速センサ 10 基本アシスト指令値決定回路 11 モータ電流制御回路 12 モータ角速度センサ 13 切り込み時用のフリクション補償指令値決定回
路 17 戻り時用のフリクション補償指令値決定回路 21 切り込み・戻り判別回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アシスト力を発生する電動モータと、操
    舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出
    する車速検出手段と、操舵トルク及び車速に応じて基本
    アシスト指令値を決定する基本アシスト指令値決定手段
    と、その基本アシスト指令値に基づいて、電動モータに
    モータ電流を流すモータ電流制御手段とを備えた電動パ
    ワーステアリング制御装置において、ステアリングホイ
    ールの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り判別手
    段と、電動モータの回転方向を検出するモータ回転方向
    検出手段と、ステアリングホイールの切り込み時に、モ
    ータ回転方向及び車速に応じてフリクション補償指令値
    を決定する切り込み時用のフリクション補償指令値決定
    手段と、ステアリングホイールの戻り時に、モータ回転
    方向及び車速に応じてフリクション補償指令値を決定す
    る戻り時用のフリクション補償指令値決定手段とを備
    え、これらフリクション補償指令値に基づいて、電動モ
    ータにフリクション補償トルクを発生させて、実際に発
    生したフリクションを打ち消したり、見かけ上はフリク
    ションと同質のトルクを発生させたりする構成にしたこ
    とを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 【請求項2】 切り込み・戻り判別手段は、操舵トルク
    検出手段で検出した操舵トルクの方向と、モータ回転方
    向検出手段で検出したモータ回転の方向とが同一であれ
    ば、切り込み時と判別し、逆であれば、戻り時と判別す
    る構成にしたことを特徴とする請求項1記載の電動パワ
    ーステアリング制御装置。
  3. 【請求項3】 切り込み時用のフリクション補償指令値
    決定手段は、車両の低速走行域で、実際に発生したフリ
    クションのほぼすべてを打ち消すフリクション補償指令
    値を出力する構成にしたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 【請求項4】 切り込み時用のフリクション補償指令値
    決定手段は、車両の高速走行域で、実際に発生したフリ
    クションの一部を打ち消すフリクション補償指令値を出
    力する構成にしたことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 【請求項5】 戻り時用のフリクション補償指令値決定
    手段は、車両の低速走行域で、実際に発生したフリクシ
    ョンのすべてを打ち消すだけでなく、見かけ上はフリク
    ションと同質のトルクを、実際に発生したフリクション
    の方向と逆に発生させるフリクション補償指令値を出力
    する構成にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 【請求項6】 戻り時用のフリクション補償指令値決定
    手段は、車両の高速走行域で、実際に発生したフリクシ
    ョンを全く打ち消さず、さらには、見かけ上はフリクシ
    ョンと同質のトルクを、実際に発生したフリクションの
    方向に発生させるフリクション補償指令値を出力する構
    成にしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に
    記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 【請求項7】 モータ角速度を検出するモータ角速度検
    出手段を設け、切り込み時用及び戻り時用のフリクショ
    ン補償指令値決定手段の両方、あるいは、いずれか一方
    は、モータ角速度がゼロ付近のとき、フリクション補償
    指令値をゼロにして、電動モータにフリクション補償ト
    ルクを発生させない構成にしたことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか一に記載の電動パワーステアリング制
    御装置。
JP14588297A 1997-05-20 1997-05-20 電動パワーステアリング制御装置 Expired - Fee Related JP3840310B2 (ja)

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