JP2006297970A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 モータ電流の上流側の上辺と下流側の下辺のそれぞれ2辺ずつの4辺に配置されたスイッチング素子により構成されるブリッジ回路のモータ駆動手段の上辺または下辺のスイッチング素子Q1(Q2)をフィードバックデューティDfbでPWM制御し、通常制御時にオン制御する下辺または上辺のスイッチング素子Q4(Q3)を制動時には制動時デューティDBでPWM制御する電動パワーステアリング装置。
【選択図】 図13
Description
車速を検出する車速センサと、ステアリングの舵角を検出するステアリング舵角検出手段と、前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいて目標操舵トルクを導出する目標操舵トルク演算処理手段と、前記目標操舵トルク演算手段により算出された目標操舵トルクと前記トルクセンサにより検出された操舵トルクとの差に基づいてPWM制御のフィードバックデューティを算出するフィードバックデューティ演算手段と、前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角の変化からアシストモータのモータ回転速度を算出するモータ回転速度演算手段と、前記フィードバック制御量演算手段により算出されたフィードバック制御量の備える制御回転方向に対して前記モータ回転速度演算手段により算出されたモータ回転速度の備える操舵回転方向が逆方向であるモータ制動状態を判定するモータ制動状態判定手段と、前記モータ回転速度演算手段により算出されたモータ回転速度に基づきPWM制御の制動時デューティを算出する制動時デューティ演算手段と、前記フィードバックデューティ演算手段により算出されたフィードバックデューティおよび前記制動時デューティ演算手段により算出された制動時デューティさらに前記モータ制動状態判定手段の判定結果を入力しモータ制御信号を前記モータ駆動手段に出力して前記アシストモータを駆動制御するモータ駆動制御手段とを備え、前記モータ駆動制御手段は、前記モータ駆動手段の上辺または下辺のスイッチング素子を前記フィードバックデューティでPWM制御し、通常制御時にオン制御する前記下辺または上辺のスイッチング素子を制動時には前記制動時デューティでPWM制御する電動パワーステアリング装置とした。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体の概略後面図を図1に示す。
ステアリングギヤボックス4には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸5が軸受を介して回動自在に軸支されており、図2に示すように入力軸5はステアリングギヤボックス4内でトーションバー6を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸7と連結されている。
したがってステアリングホイールの回動操作により入力軸5に伝達された操舵力は、トーションバー6を介して操舵ピニオン軸7を回動して操舵ピニオン軸7のはす歯7aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
アシストモータMの駆動力をこのウオーム減速機構10を介して操舵ピニオン軸7に作用させて操舵を補助する。
トーションバー6の捩れをコア21の軸方向の移動に変換し、コア21の移動をコイル22,23のインダクタンス変化に変えて操舵トルクTを検出している。
なお、トーションバー6の捩れを光学的に検出するトルクセンサでもよい。
操舵トルク制御装置30は、操舵トルクセンサ20により検出された操舵トルクT,車速センサ25により検出された車速vおよびステアリング舵角検出装置28により検出されたステアリング舵角θが入力され、データ処理して、PWM信号(デューティ信号)等のモータ制御信号DMをモータ駆動回路26に出力し、モータ駆動回路26がそのPWM制御信号に従ってアシストモータMを駆動する。
4辺に配置されたスイッチング素子であるFET(電界効果トランジスタ)Q1,Q2,Q3,Q4によりブリッジ回路が構成されている。
モータ電流の上流側(上辺)のFETQ1,Q3のゲート端子にはPWM信号が入力され、下流側(下辺)のFETQ2,Q4のゲート端子にはオン信号が入力される。
そして、同ステアリング角速度ωとステアリング舵角θおよび前記車速センサ25が検出した車速vに基づいて目標操舵トルク演算処理手段40が目標操舵トルクTmを演算する。
図5は、目標操舵トルク演算処理手段40の概略ブロック図であり、同図5に示すように、目標操舵トルク演算処理手段40は、セルフアライニングトルク演算手段41とフリクショントルク演算手段45の2つの演算手段からなる。
セルフアライニングベーストルク抽出手段42は、基準車速における舵角に対するセルフアライニングベーストルクの関係を記憶するセルフアライニングベーストルク(SABT)記憶手段42aから舵角θに基づいてセルフアライニングベーストルクTsbを抽出する。
図6において、横軸の舵角θは、正の値が右舵角(θ>0)、負の値が左舵角(θ<0)を示す。
したがって、例えば右舵角θ(>0)が大きくなれば、実際とは反対方向の右方向のセルフアライニングベーストルクTsb(>0)が大きくなる。
図7において、車速vの増加に従いセルフアライニングトルク乗算係数ksの値は上昇している。
基準車速Voのとき、セルフアライニングトルク乗算係数ks=1.0である。
なお、このセルフアライニングトルクTsは、実際のセルフアライニングトルクの反力としてのセルフアライニングトルクである。
フリクションベーストルク抽出手段46は、停車時における角速度に対するフリクションベーストルクの関係を記憶するフリクションベーストルク(FBT)記憶手段46aから角速度ωに基づいてフリクションベーストルクTfbを抽出する。
図8において、横軸の角速度ωは、正の値が右方向の角速度(ω>0)、負の値が左方向の角速度(ω<0)を示す。
したがって、例えば右方向の角速度ω(>0)が大きくなれば、実際とは反対方向の右方向のフリクションベーストルクTfb(>0)が大きくなり、前記セルフアライニングベーストルクTsbに比べ低いトルクで略一定になる。
図9において、車速v=0(停車時)のとき、フリクショントルク乗算係数kfの値は、1.0を示し、車速vが停車時から高くなるに従いフリクショントルク乗算係数kfの値は減少し、約20km/hを過ぎる辺りから略一定の値(約0.5)となっている。
なお、このフリクショントルクTfは、実際のフリクショントルクの反力としてのフリクショントルクである。
例えば、高速走行時の大きなステアリング角速度に対してはアシストモータMが制動として働くように設定することができる。
また、走行時の路面μの低下等によっても適度な制動により安定したハンドル操舵を維持することもできる。
まず、舵角検出手段28が検出した操舵角θを読込み(ステップ1)、角速度演算手段50により角速度ωを算出し(ステップ2)、車速センサ25により検出した車速vを読込む(ステップ3)。
以上の各ステップの処理が繰り返し実行される。
ステアリング角速度ωをウオーム減速機構10の減速比pで除算してモータ回転速度ωM(=ω/p)が算出される。
なお、モータ回転速度ωMは、ステアリング操舵力により実際にモータが回転している速度であり、その値の正負によって操舵回転方向を伴っている。
モータ制動状態判定手段54は、フィードバックデューティDfbが備える制御回転方向とモータ回転速度ωMが備える操舵回転方向とからモータの制動状態にあるか否かを判定する。
したがって、モータ制動状態判定手段54は、操舵回転方向に対して制御回転方向が逆回転方向であれば、モータは制動(ブレーキ)状態にあると判定する。
このモータ回転速度ωMに対する制動時デューティDBの関係を、図11に示す。
モータ回転速度ωMが、0から大きくなるに従い制動時デューティDBは、100%から徐々に減少した後ある値に減少しながら近づくように変化している。
このモータ駆動制御の制御手順を図12のフローチャートに示し説明する。
すると、前記図4に実線矢印に示したように、フィードバックデューティDfbのPWM制御されたモータ電流Imが流れ、アシストモータMが正転駆動して操舵力を補助する。
すると、前記図4に破線矢印に示すように、フィードバックデューティDfbのPWM制御されたモータ電流Imが流れ、アシストモータMが逆転駆動して操舵力を補助する。
このモータ逆転制動時にも回生電流Icは抑制され、ハンチング現象が抑制されて不快音の発生や操舵フィーリングの低下を防止することができる。
1…電動パワーステアリング装置、2…ラックハウジング、3…ラック軸、4…ステアリングギヤボックス、5…入力軸、6…トーションバー、7…操舵ピニオン軸、8…ラックガイドスプリング、9…ラックガイド、10…ウオーム減速機構、11…ウオームホイール、12…ウオーム、20…操舵トルクセンサ、21…コア、22,23…コイル、25…車速センサ、26…モータ駆動回路、28…ステアリング舵角検出装置、
30…操舵トルク制御装置、
40…目標操舵トルク演算処理手段、41…セルフアライニングトルク演算手段、42…セルフアライニングベーストルク抽出手段、42a…セルフアライニングベーストルク記憶手段、43…セルフアライニングトルク乗算係数抽出手段、43a…セルフアライニングトルク乗算係数記憶手段、44…乗算手段、45…フリクショントルク演算手段、46…フリクションベーストルク抽出手段、46a…フリクションベーストルク記憶手段、47…フリクショントルク乗算係数抽出手段、47a…フリクショントルク乗算係数記憶手段、48…乗算手段、49…加算手段、
50…ステアリング角速度演算手段、51……減算手段、52…フィードバックデューティ演算手段、53…モータ回転速度演算手段、54…モータ制動状態判定手段、55…制動時デューティ演算手段、56…モータ駆動制御手段。
Claims (3)
- モータ電流の上流側の上辺と下流側の下辺のそれぞれ2辺ずつの4辺に配置されたスイッチング素子により構成されるブリッジ回路の一方の対辺のスイッチング素子を同時にオフし、他方の対辺のスイッチング素子を同時にオンすることでアシストモータをPWM制御のデューティで正転または逆転駆動させるモータ駆動回路を備えて前記アシストモータの駆動力がステアリング操舵力を補助する電動パワーステアリング装置において、
操舵トルクを検出するトルクセンサと、
車速を検出する車速センサと、
ステアリングの舵角を検出するステアリング舵角検出手段と、
前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいて目標操舵トルクを導出する目標操舵トルク演算処理手段と、
前記目標操舵トルク演算手段により算出された目標操舵トルクと前記トルクセンサにより検出された操舵トルクとの差に基づいてPWM制御のフィードバックデューティを算出するフィードバックデューティ演算手段と、
前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角の変化からアシストモータのモータ回転速度を算出するモータ回転速度演算手段と、
前記フィードバック制御量演算手段により算出されたフィードバック制御量の備える制御回転方向に対して前記モータ回転速度演算手段により算出されたモータ回転速度の備える操舵回転方向が逆方向であるモータ制動状態を判定するモータ制動状態判定手段と、
前記モータ回転速度演算手段により算出されたモータ回転速度に基づきPWM制御の制動時デューティを算出する制動時デューティ演算手段と、
前記フィードバックデューティ演算手段により算出されたフィードバックデューティおよび前記制動時デューティ演算手段により算出された制動時デューティさらに前記モータ制動状態判定手段の判定結果を入力しモータ制御信号を前記モータ駆動手段に出力して前記アシストモータを駆動制御するモータ駆動制御手段とを備え、
前記モータ駆動制御手段は、前記モータ駆動手段の上辺または下辺のスイッチング素子を前記フィードバックデューティでPWM制御し、通常制御時にオン制御する前記下辺または上辺のスイッチング素子を制動時には前記制動時デューティでPWM制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記制動時デューティ演算手段は、
前記モータ回転速度演算手段により算出されたモータ回転速度に基づき制動時デューティを予め定めておいた関係から導出することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記目標操舵トルク演算処理手段は、
前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいてセルフアライニングトルクを算出するセルフアライニングトルク演算手段と、
前記ステアリング角速度演算手段により検出された角速度と前記車速センサにより検出された車速に基づいてステアリングのフリクショントルクを算出するフリクショントルク演算手段とを備え、
前記セルフアライニングトルク演算手段により算出されたセルフアライニングトルクに前記フリクショントルク演算手段により算出されたフリクショントルクを加算して目標操舵トルクを算出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
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