JP4627313B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
実施例1につき説明する。図1は本願パワーステアリング装置のシステム構成図である。なお、ラック軸5の軸方向をx軸とし、パワーシリンダ8における第2シリンダ室8b側を正方向とする。
図2はコントロールユニット100の制御ブロック図である。コントロールユニット100は目標アシストトルク演算部110、ポンプ逆回転判定部120、ダンピングトルク演算部130、およびダンピングトルク付与部140を有する。
図3はスイッチング回路30の回路図である。また、図4、図5はそれぞれモータMの力行時および回生時における電流の流れを示す図である。スイッチング回路30は6個のトランジスタから構成され、u,v,wの各相にそれぞれハイ(電源B)側とロー(接地G)側のトランジスタTrが設けられている。電源Bとスイッチング回路30との間には電流検出部31が設けられ、電流の流れがモータMを駆動する方向か、またはモータMによる回生電流が生じている方向かを検出してコントロールユニット100へ出力する。
図4はモータMの力行状態(正転時)、図5は回生状態(逆転時)におけるモータMとスイッチング回路30の電流の流れを示す図である。正転時には電源Bから電流がモータMに流れて力行状態となり、逆転時にはモータMの発電により電流がモータMから電源B側に流れる回生状態となる。電流の方向は電流検出部31によって検出され、コントロールユニット100へ出力される。
図6〜図8は、ポンプ逆回転のメカニズムを示す模式図である。図6は第2油路22加圧時、図7は図6の後の第1油路21加圧時、図8は第1油路21の加圧後にポンプPが逆回転している状態を示す。また、図9〜図11は、ポンプ逆回転時における操舵反力、操舵角、左右圧力(第1、第2シリンダ圧)の変動を示す図である。
(1)(11)転舵輪6a,6bに連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダ8と、パワーシリンダ8の第1、第2シリンダ8a,8b(両圧力室)に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプPと、パワーシリンダ8の第1、第2シリンダ8a,8bと可逆式ポンプPの一対の吐出口とをそれぞれ接続するとともに、少なくとも一部分の配管71,72がエラストマー材(樹脂)で形成された第1油路21および第2油路22と、可逆式ポンプPを駆動するモータMと、転舵輪6a,6bに与える操舵アシスト力に応じて、モータMに駆動信号を出力するコントロールユニット100と、コントロールユニット100からの駆動信号によってモータMを回転させようとする方向と、可逆式ポンプPの実際の回転方向とが不一致のとき、ポンプ逆回転状態と判定するポンプ逆回転判定部120(ポンプ逆回転判定手段)と、ポンプ逆回転判定部120がポンプ逆回転状態と判定するとき、可逆式ポンプPに発生するトルクを減衰させるダンピングトルク付与部140(ダンピングトルク付与手段)とを有することとした。
(実施例1−1)
図15はコントロールユニット100においてダンピングトルクTd出力時に積分制御を行う場合の制御ブロック図、図16はダンピングトルク付与時のタイムチャートである。
(8)(18)ダンピングトルクTd(ダンピング信号)は、モータMの回転数の積分値に基づき算出されることとした。積分値を用いることで、モータ逆回転を安定的に収束させることができる。
図17は、コントロールユニット100においてダンピングトルクTd付与から非付与に遷移する際に、Tdの値を漸減させる場合の制御ブロック図である。実施例1ではポンプPが逆転から正転に遷移した際にダンピングトルクTdを直ちにゼロとしたが、実施例1−2では正転に遷移した際に徐々にダンピングトルクTdを徐々に低減する。
(7)(17)ダンピングトルク付与部140は、モータMの回転を減衰させるようにこのモータMに対しダンピング信号を付与することとした。モータ回転に基づきダンピングを行うことで、的確にモータMの逆回転を収束させることができる。
(2)(12)操舵機構に生じるトルクを検出するトルク検出手段をさらに備え、ポンプ逆回転判定部120は、トルク検出手段によって検出されたトルクの値の符号と、このトルクの変化量の符号が不一致であるとき、ポンプ逆回転状態と判定することとした。これにより、簡単にポンプ逆回転状態を判定することができる。
[実施例2−1]
図21は実施例2−1におけるコントロールユニット100の制御ブロック図である。実施例2−1では、操舵トルクTsの符号とモータM回転方向の不一致に基づきポンプ逆回転を判定する。モータ回転方向判断部124においてモータMの回転方向を判断し、符号判断部123において一致・不一致を判断する。この実施例2−1においても、実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
(5)(15)ポンプ逆回転判定部120は、パワーシリンダ8に発生する油圧と、モータMの回転方向とを比較することにより、ポンプ逆回転状態を判定することとした。
(6)(16)ポンプ逆回転判定部120は、転舵輪6a,6bの転舵方向とパワーシリンダ8に発生する油圧とを比較することにより、ポンプ逆回転状態を判定することとした。転舵方向はステアリングホイールSWを介して運転者に対し操舵感として伝達されるため、上記(5)と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を各実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
4 ピニオン
5 ラック軸
6a,6b 転舵輪
8 パワーシリンダ
8a 第1シリンダ
8b 第2シリンダ
8c ピストン
21,22 油路
30 スイッチング回路
31 電流検出部
71,72 樹脂配管
100 コントロールユニット
110 目標アシストトルク演算部
120 ポンプ逆回転判定部
121 トルク方向判断部
122 トルク変化方向判断部
123 符号判断部
123a 方向判断部
124 モータ回転方向判断部
125 モータ回転方向判断部
126 アシスト方向判断部
127 転舵方向判断部
130 ダンピングトルク演算部
140 ダンピングトルク付与部
150 加算部
160 積分制御部
170 漸減処理部
171 符号算出部
172 乗算部
173 加算部
B 電源
G 接地
M モータ
P ポンプ
SW ステアリングホイール
Tr トランジスタ
TS トルクセンサ
Claims (15)
- 転舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダと、
前記パワーシリンダの両圧力室に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプと、
前記パワーシリンダの両圧力室と前記可逆式ポンプの一対の吐出口とをそれぞれ接続するとともに、少なくとも一部分がエラストマー材で形成された第1油路および第2油路と、
前記可逆式ポンプを駆動する電動機と、
前記操舵機構に生じる操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
前記トルク検出手段によって検出された操舵トルクに基づき、前記電動機に駆動信号を出力する電動機制御手段と、
前記電動機制御手段からの駆動信号によって前記電動機を回転させようとする方向と、前記可逆式ポンプの実際の回転方向とが不一致のとき、ポンプ逆回転状態と判定するポンプ逆回転判定手段と、
前記ポンプ逆回転判定手段がポンプ逆回転状態と判定するとき、前記操舵トルクの方向と同じ方向にトルクが増大するように前記駆動信号を増大補正し、ポンプ逆回転を抑制するダンピングトルク付与手段と
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記ポンプ逆回転判定手段は、前記トルク検出手段によって検出された操舵トルクの値の符号と、この操舵トルクの変化量の符号が不一致であるとき、前記ポンプ逆回転状態と判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記トルク検出手段は、前記操舵機構に生じる操舵トルクを検出するトルクセンサであること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記電動機は、この電動機の回転を制御するスイッチング回路によって制御され、
前記ポンプ逆回転判定手段は、電源と前記スイッチング回路との間に流れる電流の方向により、前記可逆式ポンプの回転方向を判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記ポンプ逆回転判定手段は、前記パワーシリンダに発生する油圧と、前記電動機の回転方向とを比較することにより、ポンプ逆回転状態を判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記ポンプ逆回転判定手段は、前記転舵輪の転舵方向と前記パワーシリンダに発生する油圧とを比較することにより、ポンプ逆回転状態を判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記駆動信号の増大補正量は、前記電動機の回転数の積分値に基づき算出されること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記駆動信号の増大補正量は、前記電動機の回転数と同じ回転数が逆方向に生じる大きさであること
を特徴とするパワーステアリング装置。 - パワーステアリング装置の制御方法において、
前記パワーステアリング装置は、
転舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダと、
前記パワーシリンダの両圧力室に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプと、
前記パワーシリンダの両圧力室と前記可逆式ポンプの一対の吐出口とをそれぞれ接続するとともに、少なくとも一部分がエラストマー材で形成された第1油路および第2油路と、
前記可逆式ポンプを駆動する電動機と
前記操舵機構に生じる操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
から構成され、
前記トルク検出手段によって検出された操舵トルクに基づき、電動機制御手段が前記電動機に対し駆動信号を出力するステップと、
前記電動機制御手段からの駆動信号によって前記電動機を回転させようとする方向に対し、前記可逆式ポンプの実際の回転方向が逆方向であるポンプ逆回転状態を判定するステップと、
ポンプ逆回転状態と判定されたとき、前記操舵トルクの方向と同じ方向にトルクが増大するように前記駆動信号を増大補正し、ポンプ逆回転を抑制するステップと
から構成されることを特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。 - 請求項9に記載のパワーステアリング装置の制御方法において、
前記トルク検出手段によって検出された操舵トルクの値の符号と、この操舵トルクの変化量の符号が不一致であるとき、前記ポンプ逆回転状態であると判断すること
を特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。 - 請求項9に記載のパワーステアリング装置の制御方法において、
前記トルク検出手段は、前記操舵機構に生じる操舵トルクを検出するトルクセンサであること
を特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。 - 請求項9に記載のパワーステアリング装置の制御方法において、
前記電動機は、この電動機の回転を制御するスイッチング回路によって制御され、
電源と前記スイッチング回路との間に流れる電流の方向により、前記可逆式ポンプの回転方向を判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。 - 請求項9に記載のパワーステアリング装置の制御方法において、
前記パワーシリンダに発生する油圧と前記電動機の回転方向とを比較することにより、ポンプ逆回転状態を判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。 - 請求項9に記載のパワーステアリング装置の制御方法において、
前記転舵輪の転舵方向と前記パワーシリンダに発生する油圧とを比較することにより、ポンプ逆回転状態を判定すること
を特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。 - 請求項9に記載のパワーステアリング装置の制御方法において、
前記駆動信号の増大補正量は、前記電動機の回転数と同じ回転数が逆方向に生じる大きさであること
を特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。
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