JP2001001924A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP2001001924A
JP2001001924A JP16900599A JP16900599A JP2001001924A JP 2001001924 A JP2001001924 A JP 2001001924A JP 16900599 A JP16900599 A JP 16900599A JP 16900599 A JP16900599 A JP 16900599A JP 2001001924 A JP2001001924 A JP 2001001924A
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JP
Japan
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motor
steering
power supply
state
drive
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JP16900599A
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English (en)
Inventor
Keita Gunji
敬太 郡司
Tetsuya Fukumoto
哲也 福本
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドル戻り時等に生じる誘起電圧に起因す
る制御不能領域を抑制し、アシストモータへのスパイク
電流の流下を回避して、異音や振動の発生を防止するこ
とができる電動式パワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 アシストモータ6に対して、4個のスイ
ッチング素子をHブリッジ形に接続したHブリッジ回路
と、操舵トルク方向及びモータ回転方向に基づいて、操
舵状態を監視するとともに、制御不能状態を判別する操
舵状態判別部30と、通常の操舵状態では、上側FET
50aのスイッチング素子を第1のデューティ比でPW
M駆動し、制御不能領域が発生する操舵状態が判別され
たときには、下側FET50bのスイッチング素子を、
第1のデューティ比とは異なる第2のデューティ比でP
WM駆動することにより駆動特性の変更制御を行う駆動
特性制御部20と、を有して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動式パワーステ
アリング装置に係わり、詳しくは、ハンドル操作により
ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに応じてア
シストモータ(操舵補助用モータ)に駆動電流を流して
操舵補助力を発生させ、操舵力を補助する電動式パワー
ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両のパワーステアリング装置と
して油圧式に替えて電動モータを用いた電動式のものが
使用されている。ここで、電動モータは、アクチュエー
タとして小型、軽量等の構造上の利点を有しているた
め、車両への電動式パワーステアリング装置の搭載傾向
が増大している。以下に、従来の電動式パワーステアリ
ング装置の構成及び機能について、図面を参照して説明
する。
【0003】図4は、従来の電動式パワーステアリング
装置の機械系の一例を示す概略構成図である。図4にお
いて、操舵ハンドル1の回転力は、ステアリングシャフ
ト1aを介してピニオンギアを含むステアリングギア2
に伝達され、さらに、上記ピニオンギアによりラック軸
3に伝達されて、ナックルアーム等を経て車輪4が転向
される。また、コントロールユニット5により駆動制御
されるアシストモータ(DCモータ)6の回転力は、ピ
ニオンギアを含むステアリングギア7とラック軸3との
噛み合いによりラック軸3に伝達され、上記操舵ハンド
ル1による操舵を補助する。アシストモータ6の回転軸
は、ステアリングギア7及びラック軸3により機械的に
連結されている。
【0004】一方、ハンドル操作に伴う操舵トルクは、
ステアリングギア2に設けられたトルクセンサ8により
検出される。そして、検出された操舵トルクに基づい
て、適切な操舵補助力を発生するように、コントロール
ユニット5によりアシストモータ6を駆動制御する。こ
こで、コントロールユニット5及びアシストモータ6に
は車両に搭載されたバッテリ9から、動作電力が供給さ
れている。
【0005】図5は、コントロールユニット5の概略構
成を示すブロック図である。図5に示すように、コント
ロールユニット5は、操舵トルクに基づいてアシスト電
流目標値(以下、単に電流目標値という)を生成するア
シスト電流指令部10と、電流目標値及びモータ電流値
に基づいて所定の駆動信号を生成、出力する電流制御部
21′から構成されている。具体的には、アシスト電流
指令部10は、トルクセンサ8により検出された操舵ト
ルク(方向成分、大きさ成分)に基づいて、所定の演算
処理を実行し、アシストモータ6が発生すべき操舵補助
力を表す指令値を生成し、さらに、この指令値に基づい
て、アシストモータに供給する電流目標値(方向成分、
大きさ成分)を算出して、後段の電流制御部20に出力
する。
【0006】電流制御部21′は、アシスト電流指令部
10から出力された電流目標値と、実際にアシストモー
タ6に流れるモータ電流値とに基づいて、例えば、後述
するPD制御等の、電流値をデューティ比に変換する処
理を実行し、アシストモータ6に対してHブリッジ形に
接続されたスイッチング素子をパルス幅変調(PulseWid
th Modulation:以下、PWMという)駆動するための
駆動信号を生成する。なお、スイッチング素子により構
成されるHブリッジ回路(モータ駆動手段)について
は、後述する。
【0007】図6は、電流制御部21′により実行され
るPD制御処理を示す概念図である。図6に示すよう
に、アシスト電流指令部10から出力された電流目標値
(方向成分、大きさ成分)は、比例制御部21aにおい
て、その電流の大きさに応じたデューティ情報に変換さ
れる(これをP(比例)制御処理という)。一方、実際
にアシストモータ6に流れるモータ電流値は、アシスト
モータの低電位電源(GND)側に接続されたシャント
抵抗(図示を省略)の両端電位から電流の大きさ成分が
検出され、電流制御部21′にフィードバックされる。
ここで、アシストモータ6に実際に流れるモータ電流値
は、電流の大きさについての情報(大きさ成分)のみを
有し、電流の方向についての情報(方向成分)を有して
いない。
【0008】フィードバックされたモータ電流値(大き
さ成分)は、電流の方向についての情報が付加された
後、電流目標値との差分が演算され、微分制御部21b
において、当該差分に対応したデューティ情報に変換さ
れる(これをD(微分)制御処理という)。上述した電
流値のデューティ変換(PD制御)は、具体的には、例
えば、20Aの電流値をデューティ比40%に変換する
ものである。このようなPD制御等により得られたデュ
ーティ情報は、相互に加算されて、駆動情報(方向成
分、デューティ情報)としてPWM駆動信号生成部2
1′に入力される。ここで、駆動情報の方向成分は、P
WM駆動信号生成部21′に入力されるとともに、前述
したアシストモータ6から検出され、フィードバックさ
れたモータ電流値に、電流の方向についての情報(方向
成分)として付加される。
【0009】そして、PWM駆動信号生成部21′は、
入力された駆動情報に含まれる方向成分に基づいて、H
ブリッジ回路を構成する4個のスイッチング素子(図中
FETと表記)のうち、高電位電源側(図中上側と表
記)及び低電位電源側(図中下側と表記)に各々接続さ
れる一対のスイッチング素子の組み合わせを選択する。
また、駆動情報に含まれるデューティ情報に基づいて、
選択された一対のスイッチング素子の組み合わせをPW
M駆動させるためのPWM駆動信号のデューティ比を決
定して各スイッチング素子に出力する。すなわち、駆動
情報に含まれるデューティ情報は、PWM駆動信号のパ
ルス周波数に対応し、また、方向成分は、駆動するスイ
ッチング素子の組み合わせに対応する。
【0010】図7は、アシストモータ6に接続されるH
ブリッジ回路の構成例を示す回路図である。図7に示す
ように、Hブリッジ回路50は、スイッチング素子SW
1〜SW4として、4個の電界効果トランジスタ(Fiel
d Effect Transistor:FET)が、アシストモータ6
に対して、高電位電源BAT側(上側)及び低電位電源
GND側(下側)に各2個並列に接続されたHブリッジ
形を有し、各スイッチング素子SW1〜SW4をスイッ
チング制御することにより、アシストモータ6に供給さ
れる駆動電流を制御する。また、各スイッチング素子S
W1〜SW4を構成するFETのゲート電極には、上述
した電流制御部21′から駆動信号が印加され、後述す
るPWM駆動制御が行われる。以下、高電位電源BAT
側に接続されるスイッチング素子SW1、SW2を総括
して上側FETと呼称し、また、低電位電源GND側に
接続されるスイッチング素子SW3、SW4を総括して
下側FETと呼称する。
【0011】上述したようなHブリッジ回路50におけ
るPWM駆動制御は、まず、電流制御部21′により生
成される駆動情報に含まれる方向成分に基づいて、PW
M駆動、又は、オン状態に駆動されるスイッチング素子
の組み合わせが決定される。すなわち、アシストモータ
6に接続された4個のスイッチング素子SW1〜SW4
のうち、上側FETの1個と下側FETの1個からなる
一対の組み合わせ、例えば、スイッチング素子SW1
(上側)とSW4(下側)の組み合わせと、スイッチン
グ素子SW2(上側)とSW3(下側)の組み合わせの
2組のうち、PWM駆動、又は、オン駆動される組み合
わせ(例えば、スイッチング素子SW1とSW4)が選
択、決定される。
【0012】そして、非選択となった組み合わせ(例え
ば、スイッチング素子SW2とSW3)には、オフ状態
に制御する信号が印加され、一方、選択された組み合わ
せ(スイッチング素子SW1とSW4)のうち、いずれ
か一方のスイッチング素子(例えば、スイッチング素子
SW1)には、駆動情報に含まれるデューティ情報に基
づいて決定されるデューティ比のPWM駆動信号が印加
され、他方のスイッチング素子(例えば、スイッチング
素子SW4)には、オン状態を保持するための直流(D
C)信号が印加される。このようなPWM駆動制御によ
り、Hブリッジ回路の出力端子TA1、TA2間に接続
されたアシストモータ6には、所定の駆動電流が供給さ
れて、所望の回転方向に、所望の量だけ駆動される。な
お、ここでは、上側FETのスイッチング素子SW1が
PWM駆動し、下側FETのスイッチング素子SW4が
オン駆動する場合について示したが、スイッチング素子
の駆動状態は、上下逆の駆動状態に制御されるものでも
よい。
【0013】上述したように、従来の電動式パワーステ
アリング装置においては、ハンドル操作によりステアリ
ングシャフト1aに発生する操舵トルクをトルクセンサ
11により検出するとともに、アシストモータ6に実際
に流れるモータ電流値をコントロールユニット5にフィ
ードバックすることにより、操舵トルクから算出される
電流目標値と、アシストモータ6のモータ電流値に基づ
いて、PWM駆動されるスイッチング素子の組み合わせ
や、PWM駆動信号のデューティ比が決定され、アシス
トモータ6に供給される駆動電流を制御して、適正な操
舵補助力を発生させる処理を行っていた。ここで、PW
M駆動信号のデューティ比とアシストモータ6に供給さ
れる駆動電流の関係(駆動特性)は、図8(a)に示す
ように、モータ回転数ω=0の状態では、駆動電流は、
デューティ比に依存して単調に増加する比例関係を示
す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電動
式パワーステアリング装置においては、例えば、操舵ハ
ンドルを操作すると、車輪を車両の進行方向(直進方
向)に向けるように、セルフアライニングトルクが働く
ため、操舵ハンドルが進行方向に戻る(以下、ハンドル
戻りという)とき、操舵ハンドルの操作時とは逆方向に
アシストモータが回転する(ω<0)ことになり、アシ
ストモータに誘起電圧Uが発生して、この誘起電圧Uの
分だけデューティ比と駆動電流の関係を示す特性線が、
図8(b)に示すように、デューティ比のマイナス
(負)方向にシフトする現象が生じる。具体的には、ア
シストモータに発生する誘起電圧Uは、次式で表され
る。ここで、kは定数、ωはモータ回転数である。 U=k・ω ・・・・(1)
【0015】したがって、アシストモータ6が逆方向に
回転(ω<0)した場合には、負の誘起電圧Uが発生
し、デューティ比と駆動電流を示す特性線は、デューテ
ィ比のマイナス方向に誘起電圧Uの絶対値分だけシフト
する。このとき、図8(b)における第2象限部分は、
デューティ比による駆動電流の制御が不能となる領域
(以下、制御不能領域という)に該当する。また、ハン
ドル戻り時においても、わずかではあるが、操舵ハンド
ルの操作時と同方向の操舵トルクが発生することが知ら
れている。そのため、上述したようなアシストモータの
駆動制御において、アシスト電流指令部10によって演
算される電流目標値が、上述した制御不能領域に該当す
る場合には、対応する適当なデューティ比が存在せず、
スイッチング素子が発振駆動状態(発振制御状態)を示
すことになるため、アシストモータにスパイク電流が流
れて異音や振動が生じるという問題を有していた。
【0016】また、PWM駆動信号のデューティ比と駆
動電流との関係(駆動特性)は、図8に示したように、
一様に単調な比例関係を示すものの、図9に示すよう
に、アシストモータに駆動電流を供給する高電位電源B
AT及び低電位電源GNDにより規定される電源電圧に
応じて、その傾きが変化する特性を有している。このよ
うな変化特性により、例えば、ハンドル戻り時にアシス
トモータに同等の誘起電圧が発生した場合であっても、
誘起電圧に起因する制御不能領域が、供給される電源電
圧に依存して異なる(変動する)ことになり、制御不能
領域の回避を一層困難なものにしていた。
【0017】そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、
ハンドル戻り時等に生じる誘起電圧に起因する制御不能
領域を抑制し、アシストモータへのスパイク電流の流下
を回避して、異音や振動の発生を防止することができる
電動式パワーステアリング装置を提供することを目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電動式パ
ワーステアリング装置は、操舵系に連結され、操舵補助
トルクを発生するアシストモータと、前記操舵系の操舵
トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記アシスト
モータに対して、高電位電源側及び低電位電源側に、4
個のスイッチング素子をHブリッジ形に接続したモータ
駆動手段と、前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆
動制御して、前記アシストモータの動作状態を制御する
モータ制御手段と、前記操舵トルク検出手段により検出
される操舵トルク方向、及び、前記アシストモータのモ
ータ回転方向に基づいて、前記操舵系の操舵状態を監視
するとともに、前記アシストモータの制御不能状態を判
別する操舵状態判別手段と、を備え、前記モータ制御手
段は、前記操舵状態判別手段により制御不能状態が判別
されていない場合には、前記モータ駆動手段を構成す
る、前記高電位電源側及び低電位電源側に接続された前
記スイッチング素子からなる一対の組み合わせのうち、
前記高電位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前
記スイッチング素子を、前記操舵トルク検出手段により
検出された操舵トルクに基づいて決定される第1のデュ
ーティ比によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の
前記スイッチング素子をオン状態に制御し、前記操舵状
態判別手段により制御不能状態が判別された場合には、
前記他方の前記スイッチング素子を、前記アシストモー
タのモータ回転数に基づいて決定され、前記第1のデュ
ーティ比とは異なる第2のデューティ比によりパルス幅
変調駆動することを特徴とする。
【0019】また、請求項2記載の電動式パワーステア
リング装置は、操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
生するアシストモータと、前記操舵系の操舵トルクを検
出する操舵トルク検出手段と、前記アシストモータに対
して、高電位電源側及び低電位電源側に、4個のスイッ
チング素子をHブリッジ形に接続したモータ駆動手段
と、前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御し
て、前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制
御手段と、前記操舵トルク検出手段により検出される操
舵トルク方向、及び、前記アシストモータのモータ回転
方向に基づいて、前記操舵系の操舵状態を監視するとと
もに、前記アシストモータの制御不能状態を判別する操
舵状態判別手段と、を備え、前記モータ制御手段は、前
記操舵状態判別手段により制御不能状態が判別されてい
ない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記高
電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッチ
ング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電位
電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッチ
ング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出された
操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比に
よりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイッ
チング素子をオン状態に制御し、前記操舵状態判別手段
により制御不能状態が判別された場合には、前記他方の
前記スイッチング素子を、前記アシストモータのモータ
回転数、及び、前記高電位電源及び低電位電源からなる
電源電圧に基づいて決定され、前記第1のデューティ比
とは異なる第2のデューティ比によりパルス幅変調駆動
することを特徴とする。
【0020】また、請求項3記載の電動式パワーステア
リング装置は、操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
生するアシストモータと、前記操舵系の操舵トルクを検
出する操舵トルク検出手段と、前記アシストモータに対
して、高電位電源側及び低電位電源側に、4個のスイッ
チング素子をHブリッジ形に接続したモータ駆動手段
と、前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御し
て、前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制
御手段と、前記アシストモータに流れる駆動電流の方
向、及び、前記アシストモータのモータ回転方向に基づ
いて、前記アシストモータの駆動特性状態を監視すると
ともに、前記アシストモータの制御不能状態を判別する
駆動状態判別手段と、を備え、前記モータ制御手段は、
前記駆動状態判別手段により制御不能状態が判別されて
いない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記
高電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッ
チング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電
位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッ
チング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出され
た操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比
によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイ
ッチング素子をオン状態に制御し、前記駆動状態判別手
段により制御不能状態が判別された場合には、前記他方
の前記スイッチング素子を、前記アシストモータのモー
タ回転数に基づいて決定され、前記第1のデューティ比
とは異なる第2のデューティ比によりパルス幅変調駆動
することを特徴とする。
【0021】また、請求項4記載の電動式パワーステア
リング装置は、操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
生するアシストモータと、前記操舵系の操舵トルクを検
出する操舵トルク検出手段と、前記アシストモータに対
して、高電位電源側及び低電位電源側に、4個のスイッ
チング素子をHブリッジ形に接続したモータ駆動手段
と、前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御し
て、前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制
御手段と、前記アシストモータに流れる駆動電流の方
向、及び、前記アシストモータのモータ回転方向に基づ
いて、前記アシストモータの駆動特性状態を監視すると
ともに、前記アシストモータの制御不能状態を判別する
駆動状態判別手段と、を備え、前記モータ制御手段は、
前記駆動状態判別手段により制御不能状態が判別されて
いない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記
高電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッ
チング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電
位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッ
チング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出され
た操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比
によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイ
ッチング素子をオン状態に制御し、前記駆動状態判別手
段により制御不能状態が判別された場合には、前記他方
の前記スイッチング素子を、前記アシストモータのモー
タ回転数、及び、前記高電位電源及び低電位電源からな
る電源電圧に基づいて決定され、前記第1のデューティ
比とは異なる第2のデューティ比によりパルス幅変調駆
動することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る電動式パワ
ーステアリング装置の実施の形態について、図面を参照
して詳しく説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明に係る電動式パワー
ステアリング装置に適用されるコントロールユニットの
第1の実施形態を示す制御概念図であり、図2は、本実
施形態におけるデューティ比と駆動電流の関係(駆動特
性)の制御状態を示す特性図である。ここで、上述した
従来技術と同等の構成については、同一の符号を付し
て、その説明を簡略化する。
【0023】図1に示すように、本実施形態に係るコン
トロールユニット100は、アシスト電流指令部10
と、駆動特性制御部(モータ制御手段)20と、操舵状態
判別部(操舵状態判別手段)30とを有して構成されて
いる。なお、本実施例に係るコントロールユニット10
0は、図4に示した電動式パワーステアリング装置に適
用可能なものであり、アシストモータ6を駆動する上側
FET50a及び下側FET50bにより構成されるH
ブリッジ回路(モータ駆動手段)は、図7に示したもの
と同等の構成を有している。アシスト電流指令部10
は、従来技術に示したように、図示を省略したトルクセ
ンサ(操舵トルク検出手段)により検出された操舵トル
ク(方向成分、大きさ成分)に基づいて、電流目標値を
算出し、後段の駆動特性制御部20に出力する。
【0024】駆動特性制御部20は、電流制御部21
と、PWM演算部22と、スイッチ23とを有して構成
され、アシスト電流指令部10から出力される電流目標
値、アシストモータに実際に流れるモータ電流値に基づ
いて、上側FET50aを構成するスイッチング素子に
出力するPWM駆動信号を生成し、また、後述する操舵
状態判別部30からの判別結果信号、モータ回転数、電
源電圧値に基づいて、下側FET50bを構成するスイ
ッチング素子に出力するPWM駆動信号を生成する。
【0025】すなわち、電流制御部21は、図6に示し
た処理と同等に、アシスト電流指令部10から出力され
た電流目標値、及び、アシストモータに実際に流れるモ
ータ電流値に基づいて、PD制御を行い、電流値をデュ
ーティ変換して駆動情報を得る。そして、駆動情報に含
まれる方向成分及びデューティ情報に基づいて、Hブリ
ッジ回路を構成する4個のスイッチング素子のうち、P
WM駆動及びオン駆動される、上側(高電位電源BAT
側)及び下側(低電位電源GND側)に接続された一対
のスイッチング素子の組み合わせを決定するとともに、
その一対のスイッチング素子うち、一方のスイッチング
素子(上側FET)をPWM駆動させるためのデューテ
ィ比(第1のデューティ比)を決定してPWM駆動信号
(以下、第1のPWM駆動信号という)を生成、出力す
る。また、他方のスイッチング素子(下側FET)をオ
ン駆動するための直流信号on(DC)をスイッチ23
の一方の接点P1に出力する。なお、上記PWM駆動及
びオン駆動される一対のスイッチング素子以外の、スイ
ッチング素子には、オフ状態を保持する信号が出力され
る。
【0026】PWM演算部22は、アシストモータ6の
実際のモータ回転状況(モータ回転方向成分、モータ回
転数成分)に含まれるモータ回転数成分に基づいて、又
は、モータ回転数成分及び電源電圧値に基づいて、上記
第1のPWM駆動信号のデューティ比(第1のデューテ
ィ比)とは異なるデューティ比(第2のデューティ比)
を決定してPWM駆動信号(以下、第2のPWM駆動信
号という)を生成し、スイッチ23の他方の接点P2に
出力する。スイッチ23は、後述する操舵状態判別部3
0により判別された操舵状態、すなわち、Hブリッジ回
路の駆動状態に基づいて、接点P1、P2を切り替え、
直流信号(接点P1側)又は第2のPWM駆動信号(接
点P2側)のいずれかを他方のスイッチング素子に出力
することによって、Hブリッジ回路の駆動特性が変更制
御されるように構成されている。
【0027】操舵状態判別部30は、アシストモータ6
の回転状況に含まれるモータ回転方向成分、及び、トル
クセンサにより検出された操舵トルクに含まれる方向成
分に基づいて、操舵状態を監視し、ハンドル戻り状態等
を判別する。すなわち、アシストモータ6に供給される
駆動電流の方向は、操舵トルクの方向により決定される
ため、操舵トルク方向とアシストモータ6の実際の回転
方向を監視することにより、操舵状態に密接に関連する
駆動特性状態が監視される。そして、操舵トルク方向と
アシストモータ6の実際の回転方向を比較することによ
り、例えば、ハンドル操作時とは逆方向にアシストモー
タ6が回転するハンドル戻り状態等の操舵状態が判別さ
れ、駆動特性にスパイク電流の原因となる制御不能領域
が発生したかどうかの判断が行われる。
【0028】このような構成を有するコントロールユニ
ットにおいて、操舵状態判別部30により、操舵トルク
方向とモータ回転方向に基づいて、操舵状態が常に監視
され、操舵トルク方向とモータ回転方向が同一である場
合には、通常のハンドル操作状態にあるものと判別し
て、スイッチ23を接点P1側に切り替え設定する。し
たがって、通常のハンドル操作状態においては、従来技
術に示した処理と同様に、操舵トルク情報(方向成分、
大きさ成分)に基づいて、アシスト電流指令部10によ
り電流目標値(方向成分、大きさ成分)が算出され、さ
らに、電流目標値、及び、アシストモータ6に実際に流
れるモータ電流値に基づいて、電流制御部21によりP
D制御、PWM駆動信号生成処理が行われて、Hブリッ
ジ回路を構成する4個のスイッチング素子のうち、PW
M駆動及びオン駆動される、上側FET50a及び下側
FET50bからなる一対のスイッチング素子の組み合
わせを決定する。
【0029】また、PWM駆動及びオン駆動される一対
のスイッチング素子うち、上側FET50aのスイッチ
ング素子に、目標電流値及びモータ電流値に基づいて決
定された第1のデューティ比を有する第1のPWM駆動
信号が出力されるとともに、下側FET50bのスイッ
チング素子に、スイッチ23を介して、直流信号が出力
される。そのため、Hブロック回路は、従来技術に示し
たものと同等の駆動特性(以下、第1の駆動特性とい
う)でPWM駆動することになるため、図8(a)に示
したデューティ比と駆動電流の関係(特性線)に基づい
てアシストモータ6の駆動制御が行われる。
【0030】一方、操舵トルク方向とモータ回転方向が
異なる(逆方向となる)場合には、ハンドル戻り状態等
にあって、アシストモータ6に誘起電圧が発生して、H
ブロック回路の駆動特性状態に制御不能領域が発生した
ものと判別して、スイッチ23を接点P2側に切り替え
設定する。したがって、制御不能領域が発生するハンド
ル操作状態においては、PWM演算部22によりモータ
回転回転数、又は、モータ回転数及び電源電圧値に基づ
いて決定された第2のデューティ比を有する第2のPW
M駆動信号が、スイッチ23を介して出力される。その
ため、Hブロック回路は、上述した第1のPWM駆動信
号が上側FET50aのスイッチング素子出力されると
ともに、第2のPWM駆動信号が下側FET50bのス
イッチング素子に出力されることになり、第1の駆動特
性が変更制御されて、第2の駆動特性(デューティ比と
駆動電流の関係)に基いてアシストモータ6の駆動制御
が行われる。
【0031】以下に、駆動特性の変更制御について、図
2、図8(b)を参照して詳しく説明する。第1の駆動
特性でHブリッジ回路(アシストモータ)の駆動制御が
行われている場合に、操舵ハンドルの操作時とは逆方向
にアシストモータが回転(ω<0)するハンドル戻り状
態等が発生した場合には、図8(b)に示すように、ア
シストモータに(1)式で表される誘起電圧Uが発生し
て、デューティ比と駆動電流の関係を示す特性線が、デ
ューティ比のマイナス方向にシフトして、制御不能領域
が生じる。本実施形態においては、上述したように、操
舵状態判別部30によりモータ電流方向及びモータ回転
方向に基づいて、操舵状態を常時監視しているため、制
御不能領域を生じる操舵状態が判別されると、スイッチ
23の接点が切り替えられ、第1の駆動特性とは異なる
第2の駆動特性により駆動制御が行われる。
【0032】すなわち、(1)式に示すように、アシス
トモータ6に発生する誘起電圧Uは、モータ回転数
(ω)に依存するため、PWM演算部22において、モ
ータ回転状況に含まれるモータ回転数成分に基づいて、
上側FET50aのスイッチング素子に出力されるPW
M駆動信号とは異なるデューティ比を有するPWM駆動
信号を生成して、下側FET50bのスイッチング素子
に出力することにより、図2に示すように、(マイナス
方向にシフトした)特性線をプラス方向にシフトさせ、
発生した誘起電圧U、あるいは、制御不能領域を補正
(相殺)する第2の駆動特性で駆動制御を行うことがで
き、アシストモータ6へのスパイク電流の流下を抑制し
て、ハンドル戻り状態等における異音や振動の発生を防
止することができる。
【0033】また、デューティ比と駆動電流の関係(特
性線)の傾きの変動原因となる電源電圧に対する依存性
に対しても、PWM演算部22において、モータ回転状
況に含まれるモータ回転数成分、及び、電源電圧値に基
づいて、上側FET50aのスイッチング素子に出力さ
れるPWM駆動信号とは異なるデューティ比を有するP
WM駆動信号を生成することにより、図9に示したよう
な、特性線の傾きに対応して駆動特性を制御することが
できるため、適切なデューティ比と駆動電流の関係でア
シストモータを駆動制御することができる。
【0034】(第2の実施形態)図3は、本実施形態に
係る電動式パワーステアリング装置に適用されるコント
ロールユニットの制御概念図である。ここで、上述した
第1の実施形態と同等の構成については、同一の符号を
付して、その説明を簡略化する。図3に示すように、本
実施形態に適用されるコントロールユニット100は、
大別して、アシスト電流指令部10、駆動特性制御部
(モータ制御手段)20、駆動状態判別部(駆動状態判別
手段)40とを有して構成されている。なお、本実施例
に係るコントロールユニット100は、図4に示した電
動式パワーステアリング装置に適用可能なものであり、
アシストモータ6を駆動する上側FET50a及び下側
FET50bにより構成されるHブリッジ回路(モータ
駆動手段)は、図7に示したものと同等の構成を有して
いる。また、アシスト電流指令部10及び駆動特性制御
部20は、上述した実施形態と同等の構成を有してい
る。
【0035】すなわち、アシスト電流指令部10は、操
舵トルクに基づいて、電流目標値を算出し、後段の駆動
特性制御部20に出力する。また、駆動特性制御部20
は、電流制御部21と、PWM演算部22と、スイッチ
23とを有して構成され、アシスト電流指令部10から
出力される電流目標値、アシストモータに実際に流れる
モータ電流値に基づいて、上側FET50aを構成する
スイッチング素子に出力する第1のPWM駆動信号を生
成するとともに、後述する駆動状態判別部40からの判
別結果信号、モータ回転数、電源電圧値に基づいて、下
側FET50bを構成するスイッチング素子に出力する
第2のPWM駆動信号を生成する。具体的な構成は、上
述した実施形態と同等であるので、詳細な説明を省略す
る。なお、スイッチ23は、後述する駆動状態判別部4
0により判別されたHブリッジ回路の駆動状態に基づい
て、接点P1、P2を切り替え、直流信号(接点P1
側)又は第2のPWM駆動信号(接点P2側)のいずれ
かを下側FET50bのスイッチング素子に出力するこ
とによって、Hブリッジ回路の駆動特性を変更制御する
ように構成されている。
【0036】駆動状態判別部40は、アシストモータ6
の回転状況に含まれるモータ回転方向成分、及び、PW
M駆動されているスイッチング素子の組み合わせにより
規定される駆動電流方向に基づいて、Hブロック回路の
駆動状態を監視する。上述したように、アシストモータ
6に供給される駆動電流の方向は、操舵トルクの方向に
より規定されるものであるが、例外的に駆動電流方向と
操舵トルク方向が逆になった場合、駆動電流方向を直接
検出、監視することにより、駆動状態が適切に把握され
る。そして、駆動電流方向とアシストモータ6の実際の
回転方向を比較することにより、スパイク電流の原因と
なる制御不能領域が駆動特性に発生したかどうかの判断
が行われる。
【0037】このような構成を有するコントロールユニ
ットにおいて、駆動状態判別部40により、駆動電流方
向とモータ回転方向に基づいて、Hブリッジ回路を構成
するスイッチング素子の駆動状態が常に監視され、駆動
電流方向とモータ回転方向が同一である場合には、駆動
特性に制御不能領域が発生していない通常の駆動状態に
あるものと判別して、スイッチ23を接点P1側に切り
替え設定する。したがって、通常の駆動状態が保持され
ている場合には、従来技術に示した処理と同様に、操舵
トルク情報に基づいて、アシスト電流指令部10により
電流目標値が算出され、さらに、電流目標値、及び、ア
シストモータ6に実際に流れるモータ電流値に基づい
て、PWM駆動及びオン駆動される一対のスイッチング
素子の組み合わせを決定する。また、PWM駆動及びオ
ン駆動される一対のスイッチング素子うち、上側FET
50aのスイッチング素子に、第1のPWM駆動信号が
出力されるとともに、下側FET50bのスイッチング
素子に、スイッチ23を介して、直流信号が出力され、
図8(a)に示したように、第1の駆動特性で駆動制御
が行われる。
【0038】一方、駆動電流方向とモータ回転方向が異
なる(逆方向となる)場合には、駆動特性に制御不能領
域が発生する駆動状態(例えば、ハンドル戻り状態)に
あるものと判別して、スイッチ23を接点P2側に切り
替え設定する。したがって、制御不能領域が発生する駆
動状態においては、PWM演算部22によりモータ回転
回転数、又は、モータ回転数及び電源電圧値に基づいて
生成された第2のPWM駆動信号が、スイッチ23を介
して出力される。そのため、Hブロック回路は、上述し
た第1のPWM駆動信号が上側FET50aのスイッチ
ング素子出力されるとともに、第2のPWM駆動信号が
下側FET50bのスイッチング素子に出力されること
になり、第1の駆動特性が変更制御されて、第2の駆動
特性に基いてアシストモータ6の駆動制御が行われる。
【0039】具体的な駆動特性の変更制御は、上述した
実施形態と同様に、第1の駆動特性でHブリッジ回路
(アシストモータ)の駆動制御が行われている場合に、
駆動電流方向とモータ回転方向が逆方向となる駆動状態
(ハンドル戻り状態等)が発生した場合には、図8
(b)に示すように、アシストモータに(1)式で表さ
れる誘起電圧Uが発生して、デューティ比と駆動電流の
関係を示す特性線が、デューティ比のマイナス方向にシ
フトして、制御不能領域が生じる。本実施形態において
は、上述したように、駆動状態判別部40により駆動電
流方向及びモータ回転方向に基づいて、駆動状態を常時
監視しているため、制御不能領域を生じる駆動状態が判
別されると、スイッチ23の接点が切り替えられ、第1
の駆動特性とは異なる第2の駆動特性により駆動制御が
行われる。
【0040】そのため、PWM演算部22において、モ
ータ回転数成分に基づいて、上側FET50aのスイッ
チング素子に出力される第1のPWM駆動信号とは異な
るデューティ比を有する第2のPWM駆動信号を生成し
て、下側FET50bのスイッチング素子をPWM駆動
することにより、第2の駆動特性で駆動制御を行うこと
ができるため、図2に示すように、(マイナス方向にシ
フトした)特性線をプラス方向にシフトさせ、発生した
誘起電圧U、あるいは、制御不能領域を補正(相殺)し
て、アシストモータ6へのスパイク電流の流下を抑制す
ることができ、ハンドル戻り状態等における異音や振動
の発生を防止することができる。また、PWM演算部2
2において、モータ回転数成分、及び、電源電圧値に基
づいて、下側FET50bのスイッチング素子をPWM
駆動する第2のPWM駆動信号を生成することにより、
電源電圧に依存するデューティ比と駆動電流の関係(特
性線の傾き)に対応して駆動特性を制御することができ
るため、適切なデューティ比と駆動電流の関係でアシス
トモータを駆動制御することができる。
【0041】なお、上述した各実施形態においては、通
常の操舵状態又は駆動状態では、上側FET50aのス
イッチング素子を第1のデューティ比でPWM駆動し、
制御不能領域が発生する操舵状態又は駆動状態が判別さ
れたときには、下側FET50bのスイッチング素子を
第2のデューティ比でPWM駆動することにより駆動特
性の変更制御行う場合について説明したが、本発明は、
これに限定されるものではなく、通常の操舵状態又は駆
動状態では、下側FET50bのスイッチング素子をP
WM駆動し、制御不能領域が発生する操舵状態又は駆動
状態が判別されたときには、上側FET50aのスイッ
チング素子をPWM駆動することにより駆動特性の変更
制御行うものであってもよいことはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、アシスト
モータの駆動電流の方向は、操舵トルクの方向で決定さ
れるため、操舵トルク方向、及び、モータ回転方向に基
づいて、操舵系の操舵状態(すなわち、モータ駆動手段
の駆動状態)を監視することができる。そして、アシス
トモータにスパイク電流が流れる原因となる制御不能領
域の発生を判別した場合には、Hブリッジ回路(モータ
駆動手段)の高電位電源側及び低電位電源側に接続さ
れ、PWM駆動及びオン駆動されていた一対のスイッチ
ング素子のうち、オン駆動されていた側のスイッチング
素子を、モータ回転数及び電源電圧に応じたデューティ
比によりPWM駆動することにより、モータ回転数によ
り規定される誘起電圧を抑制するようにモータ駆動手段
の駆動特性を変更制御することができるため、制御不能
領域の発生を抑制することができ、アシストモータへの
スパイク電流の流下を回避して、異音や振動の発生を防
止することができる。
【0043】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明と同様に、アシストモータの駆動電流の
方向は、操舵トルクの方向で決定されるため、操舵トル
ク方向、及び、モータ回転方向に基づいて、操舵系の操
舵状態(すなわち、モータ駆動手段の駆動状態)を監視
することができる。そして、アシストモータにスパイク
電流が流れる原因となる制御不能領域の発生を判別した
場合には、Hブリッジ回路(モータ駆動手段)の高電位
電源側及び低電位電源側に接続され、PWM駆動及びオ
ン駆動されていた一対のスイッチング素子のうち、オン
駆動されていた側のスイッチング素子を、モータ回転数
及び電源電圧に応じたデューティ比によりPWM駆動す
ることにより、モータ回転数により規定される誘起電圧
を抑制するようにモータ駆動手段の駆動特性を変更制御
し、さらに、電源電圧値に依存して変化する駆動特性に
対応させることができるため、制御不能領域の発生を一
層抑制することができ、アシストモータへのスパイク電
流の流下を回避して、異音や振動の発生を防止すること
ができる。
【0044】さらに、請求項3記載の発明によれば、ア
シストモータに供給される駆動電流の方向、及び、モー
タ回転方向に基づいて、モータ駆動手段の駆動状態が監
視される。すなわち、アシストモータに供給される駆動
電流の方向は、操舵トルクの方向により規定されるが、
例外的に駆動電流方向と操舵トルク方向が逆になった場
合、駆動電流方向を直接検出、監視することにより、モ
ータ駆動手段の駆動状態を適切に監視することができ
る。そして、アシストモータにスパイク電流が流れる原
因となる制御不能領域の発生を判別した場合には、Hブ
リッジ回路(モータ駆動手段)の高電位電源側及び低電
位電源側に接続され、PWM駆動及びオン駆動されてい
た一対のスイッチング素子のうち、オン駆動されていた
側のスイッチング素子を、モータ回転数及び電源電圧に
応じたデューティ比によりPWM駆動することにより、
モータ回転数により規定される誘起電圧を抑制するよう
にモータ駆動手段の駆動特性を変更制御することができ
るため、制御不能領域の発生を抑制することができ、ア
シストモータへのスパイク電流の流下を回避して、異音
や振動の発生を防止することができる。
【0045】そして、請求項4記載の発明によれば、請
求項3記載の発明と同様に、アシストモータに供給され
る駆動電流の方向、及び、モータ回転方向に基づいて、
モータ駆動手段の駆動状態が監視される。すなわち、ア
シストモータに供給される駆動電流の方向は、操舵トル
クの方向により規定されるが、例外的に駆動電流方向と
操舵トルク方向が逆になった場合、駆動電流方向を直接
検出、監視することにより、モータ駆動手段の駆動状態
を適切に監視することができる。そして、アシストモー
タにスパイク電流が流れる原因となる制御不能領域の発
生を判別した場合には、Hブリッジ回路(モータ駆動手
段)の高電位電源側及び低電位電源側に接続され、PW
M駆動及びオン駆動されていた一対のスイッチング素子
のうち、オン駆動されていた側のスイッチング素子を、
モータ回転数及び電源電圧に応じたデューティ比により
PWM駆動することにより、モータ回転数により規定さ
れる誘起電圧を抑制するようにモータ駆動手段の駆動特
性を変更制御し、さらに、電源電圧値に依存して変化す
る駆動特性に対応させることができるため、制御不能領
域の発生を一層抑制することができ、アシストモータへ
のスパイク電流の流下を回避して、異音や振動の発生を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る電動式パワーステアリン
グ装置に適用されるコントロールユニットの制御概念図
である。
【図2】本実施形態におけるデューティ比と駆動電流の
関係(駆動特性)の制御状態を示す特性図である。
【図3】第2の実施形態に係る電動式パワーステアリン
グ装置に適用されるコントロールユニットの制御概念図
である。
【図4】従来の電動式パワーステアリング装置の機械系
の一例を示す概略構成図である。
【図5】コントロールユニット5の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図6】電流制御部21′により実行されるPD制御処
理を示す概念図である。
【図7】アシストモータ6に接続されるHブリッジ回路
の構成例を示す回路図である。
【図8】PWM駆動信号のデューティ比とアシストモー
タ6に供給される駆動電流の関係(駆動特性)を示す特
性図である。
【図9】デューティ比と駆動電流との関係(駆動特性)
の電源電圧依存性を示す特性図である。
【符号の説明】
6 アシストモータ 10 アシスト電流指令部 20 駆動特性制御部(モータ制御手段) 21、21′ 電流制御部 22 PWM演算部 23 スイッチ 30 操舵状態判別部(操舵状態判別手段) 40 駆動状態判別部(駆動状態判別手段) 50 Hブロック回路(モータ駆動手段) 50a 上側FET(スイッチング素子) 50b 下側FET(スイッチング素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC08 DA15 DA63 DA65 DC01 DC03 DC28 DD02 DD10 EA01 EB11 EC23 EC25 GG01 3D033 CA03 CA16 CA21 CA31 CA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するアシストモータと、 前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段
    と、 前記アシストモータに対して、高電位電源側及び低電位
    電源側に、4個のスイッチング素子をHブリッジ形に接
    続したモータ駆動手段と、 前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御して、
    前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制御手
    段と、 前記操舵トルク検出手段により検出される操舵トルク方
    向、及び、前記アシストモータのモータ回転方向に基づ
    いて、前記操舵系の操舵状態を監視するとともに、前記
    アシストモータの制御不能状態を判別する操舵状態判別
    手段と、を備え、 前記モータ制御手段は、 前記操舵状態判別手段により制御不能状態が判別されて
    いない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記
    高電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッ
    チング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電
    位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッ
    チング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出され
    た操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比
    によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイ
    ッチング素子をオン状態に制御し、 前記操舵状態判別手段により制御不能状態が判別された
    場合には、前記他方の前記スイッチング素子を、前記ア
    シストモータのモータ回転数に基づいて決定され、前記
    第1のデューティ比とは異なる第2のデューティ比によ
    りパルス幅変調駆動することを特徴とする電動式パワー
    ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するアシストモータと、 前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段
    と、 前記アシストモータに対して、高電位電源側及び低電位
    電源側に、4個のスイッチング素子をHブリッジ形に接
    続したモータ駆動手段と、 前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御して、
    前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制御手
    段と、 前記操舵トルク検出手段により検出される操舵トルク方
    向、及び、前記アシストモータのモータ回転方向に基づ
    いて、前記操舵系の操舵状態を監視するとともに、前記
    アシストモータの制御不能状態を判別する操舵状態判別
    手段と、を備え、 前記モータ制御手段は、 前記操舵状態判別手段により制御不能状態が判別されて
    いない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記
    高電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッ
    チング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電
    位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッ
    チング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出され
    た操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比
    によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイ
    ッチング素子をオン状態に制御し、 前記操舵状態判別手段により制御不能状態が判別された
    場合には、前記他方の前記スイッチング素子を、前記ア
    シストモータのモータ回転数、及び、前記高電位電源及
    び低電位電源からなる電源電圧に基づいて決定され、前
    記第1のデューティ比とは異なる第2のデューティ比に
    よりパルス幅変調駆動することを特徴とする電動式パワ
    ーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するアシストモータと、 前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段
    と、 前記アシストモータに対して、高電位電源側及び低電位
    電源側に、4個のスイッチング素子をHブリッジ形に接
    続したモータ駆動手段と、 前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御して、
    前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制御手
    段と、 前記アシストモータに流れる駆動電流の方向、及び、前
    記アシストモータのモータ回転方向に基づいて、前記ア
    シストモータの駆動特性状態を監視するとともに、前記
    アシストモータの制御不能状態を判別する駆動状態判別
    手段と、を備え、 前記モータ制御手段は、 前記駆動状態判別手段により制御不能状態が判別されて
    いない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記
    高電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッ
    チング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電
    位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッ
    チング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出され
    た操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比
    によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイ
    ッチング素子をオン状態に制御し、 前記駆動状態判別手段により制御不能状態が判別された
    場合には、前記他方の前記スイッチング素子を、前記ア
    シストモータのモータ回転数に基づいて決定され、前記
    第1のデューティ比とは異なる第2のデューティ比によ
    りパルス幅変調駆動することを特徴とする電動式パワー
    ステアリング装置。
  4. 【請求項4】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するアシストモータと、 前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段
    と、 前記アシストモータに対して、高電位電源側及び低電位
    電源側に、4個のスイッチング素子をHブリッジ形に接
    続したモータ駆動手段と、 前記モータ駆動手段をパルス変調方式で駆動制御して、
    前記アシストモータの動作状態を制御するモータ制御手
    段と、 前記アシストモータに流れる駆動電流の方向、及び、前
    記アシストモータのモータ回転方向に基づいて、前記ア
    シストモータの駆動特性状態を監視するとともに、前記
    アシストモータの制御不能状態を判別する駆動状態判別
    手段と、を備え、 前記モータ制御手段は、 前記駆動状態判別手段により制御不能状態が判別されて
    いない場合には、前記モータ駆動手段を構成する、前記
    高電位電源側及び低電位電源側に接続された前記スイッ
    チング素子からなる一対の組み合わせのうち、前記高電
    位電源側及び低電位電源側のいずれか一方の前記スイッ
    チング素子を、前記操舵トルク検出手段により検出され
    た操舵トルクに基づいて決定される第1のデューティ比
    によりパルス幅変調駆動するとともに、他方の前記スイ
    ッチング素子をオン状態に制御し、 前記駆動状態判別手段により制御不能状態が判別された
    場合には、前記他方の前記スイッチング素子を、前記ア
    シストモータのモータ回転数、及び、前記高電位電源及
    び低電位電源からなる電源電圧に基づいて決定され、前
    記第1のデューティ比とは異なる第2のデューティ比に
    よりパルス幅変調駆動することを特徴とする電動式パワ
    ーステアリング装置。
JP16900599A 1999-06-15 1999-06-15 電動式パワーステアリング装置 Pending JP2001001924A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297970A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
CN109923027A (zh) * 2016-11-11 2019-06-21 日本精工株式会社 电动助力转向装置

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JP2006297970A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
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