JPH08337172A - 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワ−ステアリング装置の制御装置

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JPH08337172A
JPH08337172A JP16786795A JP16786795A JPH08337172A JP H08337172 A JPH08337172 A JP H08337172A JP 16786795 A JP16786795 A JP 16786795A JP 16786795 A JP16786795 A JP 16786795A JP H08337172 A JPH08337172 A JP H08337172A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Hブリツジ回路を使用した電動パワ−ステア
リング装置のモ−タ制御回路で、ハンドル戻り時の振動
電流の発生を押さえる駆動手段を提供する。 【構成】 FET1 をデユ−テイ比D1 で駆動し、FE
T3 をFET1 のデユ−テイ比D1 よりも大きい(時間
的に長い)デユ−テイ比D2 で駆動して、モ−タ電流が
平衡状態になると、モ−タ電流Iはデユ−テイ比D1 、
D2 を含む式で表わされる。D2 をD1 の一次の関数
D2 =a・D1 +b(a、bは定数)で定義し、駆動条
件に基づいてa、bを決定すると、モ−タ電流Iは以下
の式で表され、モ−タ電流Iに対するデユ−テイ比D1
の関係はモ−タ角速度ωがハンドル戻り時のモ−タ角速
度ωret よりも小さい領域においても不連続部分が無く
なり、振動電流(ノイズ)の発生を押さえることができ
る。 I=Vb / R{1- (KT ωret /γVb)}・D1 +KT
/ R (ωret-ω) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電動パワ−ステアリ
ング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の電動パワ−ステアリング装置に
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに
発生する操舵トルクその他を検出し、その検出信号に基
づいてモ−タの制御目標値である操舵補助指令値を演算
し、電流フイ−ドバツク制御回路において、前記した制
御目標値である操舵補助指令値とモ−タ電流の検出値と
の差を電流制御値として求め、電流制御値によりモ−タ
を駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものがあ
る。
【0003】このような電動式パワ−ステアリング装置
では、図7に示すように、4個の電界効果型トランジス
タFET1 〜FET4 をブリツジに接続して第1及び第
2の2つのア−ムを備えたHブリツジ回路を構成し、そ
の入力端子間に電源Vを、出力端子間に前記モ−タMを
接続したモ−タ制御回路が使用されている。
【0004】そして、前記モ−タ制御回路を構成するH
ブリツジ回路の互いに対向する2つのア−ムを構成する
2個1組のFETのうち、第1のア−ムのFET1 (或
いは第2のア−ムのFET2 )を電流制御値に基づいて
決定されるデユ−テイ比DのPWM信号(パルス幅変調
信号)で駆動することにより、モ−タ電流の大きさが制
御される。
【0005】また、前記電流制御値の符号に基づいて第
2のア−ムのFET3 をON、第1のア−ムのFET4
をOFF(或いは第2のア−ムのFET3 をOFF、第
1のア−ムのFET4 をON)に制御することにより、
モ−タMの回転方向が制御される。
【0006】FET3 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タM、FET3 を経て流れ、モ−タMに
正方向の電流が流れる。また第2のア−ムのFET4 が
導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タM、F
ET4 を経て流れ、モ−タMに負方向の電流が流れる。
【0007】このモ−タ制御回路は、同一ア−ム上のF
ETが同時に駆動されることがないのでア−ムが短絡さ
れる可能性が低く、信頼性が高いため、広く利用されて
いる(一例として特公平5−10270号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図8は、モ−タ電流I
(モ−タに実際に流れる電流であり、検出電流iとは異
なる)とPWM信号のデユ−テイ比Dとの関係を示すも
のである。即ち、操向ハンドルが操作されて操舵トルク
が発生している状態では、モ−タ電流Iとデユ−テイ比
Dとの関係は、図8において線(a)で示すように変化
し、制御回路において操舵トルクの検出信号に基づいて
モ−タの制御目標値である操舵補助指令値Iref が演算
され、操舵補助指令値Iref とフイ−ドバツクされるモ
−タ電流の検出値Iとの差の電流制御値Eがモ−タ駆動
回路に出力されるから、モ−タ駆動回路の半導体素子を
制御するデユ−テイ比Dは或る値をとり、格別の支障は
生じない。
【0009】しかしながら、操向ハンドルを切つた後、
セルフアラインメントトルクにより操向ハンドルが直進
走行位置に戻るとき(以下、ハンドル戻り時という)
は、操舵トルクが発生していない状態にあるから、モ−
タの制御目標値である操舵補助指令値Iref は零となる
が、モ−タに逆起電力が発生するため、モ−タ電流Iと
デユ−テイ比Dとの関係は、図8において線(b)で示
すように、逆起電力に相当するだけ上方に移動変化し、
デユ−テイ比Dの値が零の付近でモ−タ電流Iとデユ−
テイ比Dとの関係に不連続部分が生じる。
【0010】一方、フイ−ドバツク制御回路は電流制御
値Eを演算しようとするが、操舵補助指令値Iref に対
応するデユ−テイ比Dがないため、図8において線
(c)で示すように、モ−タ電流Iの不連続部分にほぼ
対応した振幅の振動電流が電流制御値Eとして出力され
る。
【0011】このような振動電流の発生は、雑音の発生
源となるほかフイ−ドバツク制御の安定性を阻害する原
因ともなるので、その対策が求められていた。この発明
は上記課題を解決することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、少なくともステアリングシヤフトに発生
する操舵トルク信号に基づいて演算された操舵補助指令
値と検出されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に
基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タ
の出力を制御するフイ−ドバツク制御手段を備えた電動
パワ−ステアリング装置の制御装置において、半導体素
子4個をHブリツジに接続して構成したブリツジ回路の
入力端子間に電源を、出力端子間に前記モ−タを接続し
たモ−タ駆動回路と、前記モ−タ駆動回路を構成するH
ブリツジ回路の互いに対向する2つのア−ムを構成する
2個1組の半導体素子のうち、第1のア−ムの半導体素
子を前記電流制御値に基づいて決定される第1のデユ−
テイ比のPWM信号で駆動し、第2のア−ムの半導体素
子を前記第1のデユ−テイ比の関数で決定される第2の
デユ−テイ比のPWM信号で駆動する駆動制御手段とを
備えたことを特徴とするものである。
【0013】そして、前記フイ−ドバツク制御手段にフ
イ−ドバツクされるモ−タ電流の検出値は、前記第2の
デユ−テイ比で補正するとよい。
【0014】
【作用】モ−タ駆動回路を構成するHブリツジ回路の互
いに対向する2つのア−ムを構成する2個1組の半導体
素子のうち、第1のア−ムの半導体素子を前記電流制御
値に基づいて決定される第1のデユ−テイ比のPWM信
号で駆動し、第2のア−ムの半導体素子を前記第1のデ
ユ−テイ比の関数で決定される第2のデユ−テイ比のP
WM信号で駆動する。これにより、ハンドル戻り時など
で操舵トルクが発生していない状態のときも、デユ−テ
イ比Dの値が零の付近でモ−タ電流Iとデユ−テイ比D
との関係に不連続部分が生じることがなく、電流制御値
Eとして振動電流が出力されるおそれがない。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
まず、図1乃至図3により、この発明を実施するに適し
た電動パワ−ステアリング装置の概略を説明する。図1
は電動パワ−ステアリング装置の構成の概略を説明する
図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア4、ユニバ−サ
ルジョイント5a、5b、ピニオンラツク機構7を経て
操向車輪のタイロツド8に結合されている。軸2には操
向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が
設けられており、また、操舵力を補助するモ−タ10が
クラツチ9、減速ギア4を介して軸2に結合している。
【0016】パワ−ステアリング装置を制御する電子制
御回路13は、バツテリ14からイグニツシヨンキ−1
1を経て電力が供給される。電子制御回路13は、トル
クセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で
検出された車速に基づいて操舵補助指令値の演算を行
い、演算された操舵補助指令値に基づいてモ−タ10に
供給する電流を制御する。
【0017】クラツチ9は電子制御回路13により制御
される。クラツチ9は通常の動作状態では結合してお
り、電子制御回路13によりパワ−ステアリング装置の
故障と判断された時、及び電源がOFFとなつている時
に切離される。
【0018】図2は、電子制御回路13のブロツク図で
ある。この実施例では電子制御回路13は主としてCP
Uから構成されるが、ここではそのCPU内部において
プログラムで実行される機能を示してある。例えば、位
相補償器21は独立したハ−ドウエアとしての位相補償
器21を示すものではなく、CPUで実行される位相補
償機能を示す。
【0019】以下、電子制御回路13の機能と動作を説
明する。トルクセンサ3から入力された操舵トルク信号
は、位相補償器21で操舵系の安定を高めるために位相
補償され、操舵補助指令値演算器22に入力される。ま
た、車速センサ12で検出された車速も操舵補助指令値
演算器22に入力される。
【0020】操舵補助指令値演算器22は、入力され位
相補償された操舵トルク信号及び車速信号に基づいて所
定の演算式によりモ−タ10に供給する電流の制御目標
値である操舵補助指令値Iref を演算する。
【0021】比較器23、微分補償器24、比例演算器
25、積分演算器26、加算器27から構成される回路
は、モ−タ電流が操舵補助指令値Iref に一致するよう
にフイ−ドバツク制御を行う回路である。
【0022】比較器23では、操舵補助指令値演算器2
2で演算された制御目標値である操舵補助指令値Iref
と後述するモ−タ電流検出回路42で検出されたモ−タ
電流値Iが比較され、その差の信号が出力される。
【0023】比例演算器25では、操舵補助指令値Ire
f とモ−タ電流値Iとの差に比例した比例値が出力され
る。さらに比例演算器25の出力信号はフイ−ドバツク
系の特性を改善するため積分演算器26において積分さ
れ、差の積分値の比例値が出力される。
【0024】微分補償器24では、操舵補助指令値Ire
f に対するモ−タ電流値Iの応答速度を高めるため、操
舵補助指令値Iref の微分値が出力される。
【0025】微分補償器24から出力された操舵補助指
令値Iref の微分値、比例演算器25から出力された操
舵補助指令値Iref とモ−タ電流値Iとの差に比例した
比例値、積分演算器26から出力された積分値は加算器
27において加算演算され、演算結果である電流制御値
Eがモ−タ駆動回路41に出力される。モ−タに流れる
電流はモ−タ電流検出回路42により検出される。
【0026】図3にモ−タ制御回路41の構成の一例を
示す。モ−タ制御回路41は加算器27から入力された
電流制御値Eに基づいてFET1 〜FET4 のゲ−トを
駆動するゲ−ト駆動回路46、FET1 〜FET4 から
なるHブリツジ回路等から構成される。なお、昇圧電源
47はFET1 、FET2 のハイサイド側を駆動する電
源である。
【0027】FET1 とFET2 は前記した電流制御値
Eに基づいて決定されるデユ−テイ比D1のPWM信号
に基づいてゲ−トがON/OFFされ、実際にモ−タに
流れる電流Iの大きさが制御される。
【0028】FET3 とFET4 は、デユ−テイ比D1
の小さい領域では、前記したデユ−テイ比D1 のPWM
信号の1次の関数式で定義されるデユ−テイ比D2 のP
WM信号で駆動され、また、デユ−テイ比D1 の大きい
領域では、従来の制御回路と同じくPWM信号の符号に
より決定されるモ−タの回転方向に応じてON/OFF
駆動される。この点は、この発明の特徴部分であり、後
で詳細に説明する。
【0029】FET3 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タ10、FET3 、抵抗R1 を経て流
れ、モ−タ10に正方向の電流が流れる。また、FET
4 が導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タ1
0、FET4 、抵抗R2 を経て流れ、モ−タ10に負方
向の電流が流れる。
【0030】モ−タ電流検出回路42は、抵抗R1 の両
端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検
出し、また、抵抗R2 の両端における電圧降下に基づい
て負方向電流の大きさを検出する。検出されたモ−タ電
流値Iは比較器23にフイ−ドバツクして入力される
(図2参照)。
【0031】次に、この発明の特徴部分である、FET
3 とFET4 を前記したデユ−テイ比D1 の1次の関数
式で定義されるデユ−テイ比D2 のPWM信号で駆動す
る点について説明する。
【0032】先に、発明が解決しようとする課題におい
て説明したように、操向ハンドルを切つた後、セルフア
ラインメントトルクにより操向ハンドルが自動的に直進
走行位置に戻るハンドル戻り時には、モ−タ電流Iとデ
ユ−テイ比Dとの関係は、図8において(b)で示すよ
うに逆起電力に相当するだけ上方に移動変化する。即
ち、デユ−テイ比Dの値が零の付近でモ−タ電流Iとデ
ユ−テイ比Dとの間に不連続部分が生じ、不連続部分に
ほぼ対応した振幅の振動電流が電流制御値Eとして出力
され、雑音の発生源となるほか、フイ−ドバツク制御の
安定性を阻害する原因ともなる。
【0033】この対策として、本発明では、前記したモ
−タ電流Iとデユ−テイ比Dとの間の不連続部分を連続
させるように制御して課題を解決するものである。即
ち、図4に示すように、ハンドル戻り時におけるモ−タ
電流Iとデユ−テイ比Dとの関係を示す線(b)の上
で、デユ−テイ比D=γのときのモ−タ電流Iを示すp
点と原点oと間を連続するように、モ−タ電流Iとデユ
−テイ比Dとの関係を制御して、課題を解決するもので
ある。
【0034】ここで、まず、従来の駆動方法のようにF
ET3 (又はFET4 )を、PWM信号の符号により決
定されるモ−タの回転方向に応じてON(又はOFF)
に維持する制御をせず、FET1 (又はFET2 )と同
時に、且つ異なるデユ−テイ比で駆動した場合を検討す
る。
【0035】図5はFET1 とFET3 を、同時に、且
つ異なるデユ−テイ比で駆動した場合の動作を説明する
図であり、また図6はFETの動作状態とモ−タ端子間
電圧VM 、モ−タ端子間電圧VM からモ−タ逆起電力K
T ωの影響を差し引いた値Ri、及びモ−タ電流Iの関
係を説明する図である。
【0036】今、FET1 をデユ−テイ比D1 で駆動す
ると共に、FET3 をFET1 のデユ−テイ比D1 より
も大きい(即ち、時間的に長い)デユ−テイ比D2 で駆
動し、FET2 とFET4 はOFFに維持するものとす
る。図6の(a)及び(b)はFET1 及びFET3 の
時間に対するON/OFFの状態を示している。
【0037】このとき、モ−タ端子間電圧VM は図6の
(c)のように変化する。即ち、まず、FET1 及びF
ET3 が共にON(この状態をモ−ドAと呼ぶ)のとき
は、モ−タMの端子間にはバツテリ電圧Vb が印加され
る。次に、FET1 がOFFでFET3 がON(この状
態をモ−ドBと呼ぶ)のときはモ−タMの端子間電圧は
零になる。さらにFET1 及びFET3 が共にOFF
(この状態をモ−ドCと呼ぶ)のときは、モ−タMの端
子間には負方向のバツテリ電圧−Vb が印加される。即
ち、モ−ドCでは、FET1 及びFET3 が共にOFF
であるため、モ−タMには図5(b)で示すように、抵
抗RL →FET4 の回生ダイオ−ドDT4→モ−タM→F
ET2 の回生ダイオ−ドDT2→電源に至る電流回路が形
成され、モ−タMの端子間電圧VM は負方向のバツテリ
電圧−Vb となる。
【0038】FET1 とFET3 を同時に、且つ異なる
デユ−テイ比で駆動してモ−タ電流が平衡状態になつた
とき、PWM信号の周期がモ−タの電気的時定数に比較
して十分に短い場合には、モ−タ電流Iは近似的に以下
の式(1)により表すことができる。
【0039】 I={(D1 +D2 −1)・Vb /R}−KT ω/R・・・・(1) 但し、D1 はデユ−テイ比D1 、D2 はデユ−テイ比D
2 、Vb はバツテリ電圧、Rはモ−タ端子間抵抗、KT
はモ−タの逆起電力定数、ωはモ−タ角速度を表す。
【0040】デユ−テイ比D2 をデユ−テイ比D1 の1
次の関数として表すため、以下の式(2)を定義する。
【0041】 D2 =a・D1 +b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 但し、a、bは定数。
【0042】定数a、bを求めるため、まず、以下の条
件を設定する。
【0043】(1) デユ−テイ比D1 =γのとき、デユ−
テイ比D2 =1(100 %)、但し、γは任意の設定値 (2) デユ−テイ比D1 =0、且つω=ωret のとき、I
=0 但し、ωはモ−タ角速度、ωret はハンドル戻り時のモ
−タ角速度とする。
【0044】上記条件(1) は図4においてデユ−テイ比
D1 =γのときの線(b)上の点pの位置を決定する条
件であり、条件(2) は図4において線(b)が原点oを
通ることを決定する条件である。したがつて、上記条件
を満たす定数a、bを求めることにより、点pと原点o
を結ぶ1次の関数を決定することができる。
【0045】なお、デユ−テイ比D1 がγよりも大きい
領域では、従来の駆動方法、即ちFET3 (又はFET
4 )が電流方向によりON又はOFFに制御される制御
方法と変わらない。
【0046】前記条件を満たす定数a、bは、以下の式
(3)(4)で表される。
【0047】 a=−KT ωret /γVb ・・・・・・・・・・・・・・・・(3) b=1+KT ωret /Vb ・・・・・・・・・・・・・・・・(4) このときのモ−タ電流Iは、式(1)のD2 に式(2)
を代入し、これに式(3)(4)で決定される定数a、
bを代入して整理した以下の式(5)で表すことができ
る。
【0048】 I=Vb /R{1−(KT ωret /γVb )}・D1 +KT /R(ωret −ω)・・・・・・・・・・・・・・(5) 式(5)によれば、モ−タ電流Iとデユ−テイ比Dとの
間の関係は、モ−タ角速度ωがハンドル戻り時のモ−タ
角速度ωret よりも小さい領域においても不連続部分が
無くなる。
【0049】即ち、FET1 をデユ−テイ比D1 で駆動
し、これと同時にFET3 をデユ−テイ比D1 とは異な
るデユ−テイ比D2 で駆動することにより、モ−タ角速
度ωがハンドル戻り時のモ−タ角速度ωret よりも小さ
い領域においても、モ−タ電流Iに対してデユ−テイ比
D1 を連続して変化させることができ、本発明の課題を
解決することができる。
【0050】次に、上記したFETの駆動方法を採用し
た場合のモ−タ電流の検出について図5に示す回路図を
参照して説明する。まず、モ−ドAでは、FET1 及び
FET3 が共にONであるためモ−タMの端子間電圧V
M はバツテリ電圧Vb となる。モ−タ電流は図5(a)
で実線で示すように、FET1 →モ−タM→FET3→
抵抗RR の順に流れ、抵抗RR の両端の電圧降下を電流
検出回路42のオペアンプOPR で検出することにより
モ−タ電流i(A) が検出される。
【0051】モ−ドBでは、FET1 がOFF、FET
3 がONであるため、モ−タMの端子間電圧VM は零と
なる。このため、モ−タMに蓄えられていた磁気エネル
ギが電気エネルギに変換され、電流は図5(a)で鎖線
で示すように、モ−タM→FET3 →抵抗RR →抵抗R
L →FET4 の回生ダイオ−ドDT4→モ−タMの順に電
流が流れる。抵抗RR の両端の電圧降下を電流検出回路
42のオペアンプOPR で検出することによりモ−タ電
流i(B) が検出される。このとき、抵抗RL の両端の電
圧降下を検出するオペアンプOPL はユニポ−ラ電源
(片電源)で、逆方向に流れる電流は検出することがで
きないため、オペアンプOPL の検出電流値は零とな
る。
【0052】モ−ドCでは、FET1 及びFET3 が共
にOFFであるため、図5(b)で示すように、抵抗R
L →FET4 の回生ダイオ−ドDT4→モ−タM→FET
2 の回生ダイオ−ドDT2→電源に至る電流回路が形成さ
れ、モ−タMの端子間電圧VM は負方向のバツテリ電圧
−Vb となる。このとき、モ−タMに蓄えられていた磁
気エネルギは電気エネルギに変換されるから、その電流
はモ−タMの端子間電圧−Vb に逆らう方向に電流i
(C) が流れるが、抵抗RL の両端の電圧降下を検出する
電流検出回路42のオペアンプOPL はユニポ−ラ電源
(片電源)で、逆方向に流れる電流は検出することがで
きず、オペアンプOPL の検出電流値は零となる。
【0053】このため、PWM信号の1サイクル中にお
いて、モ−ドA、モ−ドB、モ−ドCの各段階を通して
モ−タMに実際に流れるモ−タ電流Iは、以下の式
(6)で表すことができる。
【0054】 I=i(A) +i(B) +i(C) ・・・・・・・・・・・・・・・(6) 一方、電流検出回路42で検出される検出電流i(dct)
の総和は、電流i(C)が検出されないため、以下の式
(7)のようになる。
【0055】 i(dct) =i(A) +i(B) ・・・・・・・・・・・・・・・・(7) PWM信号の1サイクル中に検出電流i(dct) が検出さ
れる期間は、PWM信号の1サイクル中のモ−ドAとモ
−ドBの期間で、これはデユ−テイ比D2 に相当する
(図6参照)。よつて、検出電流i(dct) は以下の式
(8)で表すことができる。
【0056】 i(dct) =D2 ・I・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) したがつて、モ−タMに実際に流れるモ−タ電流Iは、
式(8)を変形して、以下の式(9)で表すことができ
る。
【0057】 I=i(dct) /D2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) 図6の(e)はモ−ドA、モ−ドB、モ−ドCの各段階
におけるモ−タ電流Iの変化の状態を示す例であり、時
間の経過とともに次第に平衡状態に近付く。
【0058】次に、上記したFETの駆動方法を採用し
た場合のモ−タ角速度の推定について説明する。モ−タ
端子間電圧VM 、実際にモ−タに流れる電流I、及びモ
−タ角速度ωとの間には V=(Ls +R)I+KT ω 但し、L=モ−タのインダクタンス、R=モ−タの端子
間抵抗 s =ラプラス演算子、KT =モ−タの逆起電力定数 の関係があり、モ−タ端子間電圧VM とモ−タ電流Iを
知れば、モ−タ角速度ωを求めることができる。
【0059】従来の技術では、モ−タ角速度の推定に必
要なモ−タ端子間電圧VM は、VM=D1 ・Vb (但
し、Vb =バツテリ電圧)から求めていた。これに対
し、この発明では、図6の(c)に示すように、モ−タ
端子間電圧は、デユ−テイ比D1で駆動されるモ−ドA
の駆動時間t(A) 間に印加されるバツテリ電圧Vb と、
デユ−テイ比D2 で駆動されるモ−ドCの駆動時間t
(C) に印加される負方向のバツテリ電圧(−Vb )との
和になる。
【0060】図6から明らかなように、PWM信号の1
サイクル中におけるモ−ドAの比率はD1 であり、モ−
ドCの比率は(1−D2 )で表すことができるから、モ
−タ端子間電圧VM は以下の式(10)で表すことがで
きる。
【0061】 VM =D1 ・Vb +(1−D2 )・(−Vb ) =(D1 +D2 −1)Vb ・・・・・・・・・・・・・(10) 式(10)を用いることにより、バツテリ電圧Vb とデ
ユ−テイ比D1 、D2から容易にモ−タ端子間電圧VM
を求めることができ、モ−タ印加電圧を検出する手段を
必要としない。
【0062】以上説明したとおり、この発明では、第2
のア−ムの半導体素子を第1のデユ−テイ比の関数で定
義される第2のデユ−テイ比のPWM信号で駆動するも
のであり、実施例ではデユ−テイ比D2 をデユ−テイ比
D1 の1次の関数として定義している。しかし、これに
限られず、デユ−テイ比の値が零の付近の境界領域にお
いて、モ−タ電流とデユ−テイ比の関係を連続的に変化
させることができる適当な関数を定義してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の電動パ
ワ−ステアリング装置の制御装置は、モ−タ駆動回路を
構成するHブリツジ回路の互いに対向する2つのア−ム
を構成する2個1組の半導体素子のうち、第1のア−ム
の半導体素子を前記電流制御値に基づいて決定される第
1のデユ−テイ比のPWM信号で駆動し、第2のア−ム
の半導体素子を前記第1のデユ−テイ比の関数で決定さ
れる第2のデユ−テイ比のPWM信号で駆動するもので
ある。
【0064】これにより、ハンドル戻り時などで操舵ト
ルクが発生していない状態のときも、デユ−テイ比の値
が零の付近でモ−タ電流とデユ−テイ比との間に不連続
部分がなくなるので、振動電流が発生せず、雑音の発生
や、フイ−ドバツク制御の安定性を阻害することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワ−ステアリング装置の構成の概略を
説明する図。
【図2】電動式パワ−ステアリング装置の電子制御回路
のブロツク図。
【図3】モ−タ駆動回路の構成を示す回路ブロツク図。
【図4】この発明によるモ−タ制御回路におけるモ−タ
電流とPWM信号のデユ−テイ比との関係を説明する
図。
【図5】FET1 とFET3 を、同時に、且つ異なるデ
ユ−テイ比で駆動した場合の動作を説明する図。
【図6】FETの動作状態、モ−タ端子間電圧VM 、モ
−タ電流Iなどの関係を説明する図。
【図7】従来のFET1 で構成したHブリツジ回路から
なるモ−タ駆動回路図。
【図8】従来のモ−タ制御回路におけるモ−タ電流とP
WM信号のデユ−テイ比との関係を説明する図。
【符号の説明】
3 トルクセンサ 10 モ−タ 11 イグニツシヨンキ− 12 車速センサ 13 電子制御回路 14 バツテリ 21 位相補償器 22 操舵補助指令値演算器 23 比較器 24 微分補償器 25 比例演算器 26 積分演算器 27 加算器 41 モ−タ制御回路 42 モ−タ電流検出回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともステアリングシヤフトに発生
    する操舵トルク信号に基づいて演算された操舵補助指令
    値と検出されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に
    基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タ
    の出力を制御するフイ−ドバツク制御手段を備えた電動
    パワ−ステアリング装置の制御装置において、 半導体素子4個をHブリツジに接続して構成したブリツ
    ジ回路の入力端子間に電源を、出力端子間に前記モ−タ
    を接続したモ−タ駆動回路と、 前記モ−タ駆動回路を構成するHブリツジ回路の互いに
    対向する2つのア−ムを構成する2個1組の半導体素子
    のうち、第1のア−ムの半導体素子を前記電流制御値に
    基づいて決定される第1のデユ−テイ比のPWM信号で
    駆動し、第2のア−ムの半導体素子を前記第1のデユ−
    テイ比の関数で定義される第2のデユ−テイ比のPWM
    信号で駆動する駆動制御手段とを備えたことを特徴とす
    る電動パワ−ステアリング装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記フイ−ドバツク制御手段にフイ−ド
    バツクされるモ−タ電流の検出値は、前記第2のデユ−
    テイ比で補正されることを特徴とする請求項1記載の電
    動パワ−ステアリング装置の制御装置。
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