JPH08337172A - 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワ−ステアリング装置の制御装置

Info

Publication number
JPH08337172A
JPH08337172A JP16786795A JP16786795A JPH08337172A JP H08337172 A JPH08337172 A JP H08337172A JP 16786795 A JP16786795 A JP 16786795A JP 16786795 A JP16786795 A JP 16786795A JP H08337172 A JPH08337172 A JP H08337172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
current
duty ratio
steering
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16786795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3562040B2 (ja
Inventor
Shuji Endo
修司 遠藤
Hideyuki Kobayashi
秀行 小林
Hirosuke Itakura
裕輔 板倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP16786795A priority Critical patent/JP3562040B2/ja
Publication of JPH08337172A publication Critical patent/JPH08337172A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3562040B2 publication Critical patent/JP3562040B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Hブリツジ回路を使用した電動パワ−ステア
リング装置のモ−タ制御回路で、ハンドル戻り時の振動
電流の発生を押さえる駆動手段を提供する。 【構成】 FET1 をデユ−テイ比D1 で駆動し、FE
T3 をFET1 のデユ−テイ比D1 よりも大きい(時間
的に長い)デユ−テイ比D2 で駆動して、モ−タ電流が
平衡状態になると、モ−タ電流Iはデユ−テイ比D1 、
D2 を含む式で表わされる。D2 をD1 の一次の関数
D2 =a・D1 +b(a、bは定数)で定義し、駆動条
件に基づいてa、bを決定すると、モ−タ電流Iは以下
の式で表され、モ−タ電流Iに対するデユ−テイ比D1
の関係はモ−タ角速度ωがハンドル戻り時のモ−タ角速
度ωret よりも小さい領域においても不連続部分が無く
なり、振動電流(ノイズ)の発生を押さえることができ
る。 I=Vb / R{1- (KT ωret /γVb)}・D1 +KT
/ R (ωret-ω) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電動パワ−ステアリ
ング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の電動パワ−ステアリング装置に
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに
発生する操舵トルクその他を検出し、その検出信号に基
づいてモ−タの制御目標値である操舵補助指令値を演算
し、電流フイ−ドバツク制御回路において、前記した制
御目標値である操舵補助指令値とモ−タ電流の検出値と
の差を電流制御値として求め、電流制御値によりモ−タ
を駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものがあ
る。
【0003】このような電動式パワ−ステアリング装置
では、図7に示すように、4個の電界効果型トランジス
タFET1 〜FET4 をブリツジに接続して第1及び第
2の2つのア−ムを備えたHブリツジ回路を構成し、そ
の入力端子間に電源Vを、出力端子間に前記モ−タMを
接続したモ−タ制御回路が使用されている。
【0004】そして、前記モ−タ制御回路を構成するH
ブリツジ回路の互いに対向する2つのア−ムを構成する
2個1組のFETのうち、第1のア−ムのFET1 (或
いは第2のア−ムのFET2 )を電流制御値に基づいて
決定されるデユ−テイ比DのPWM信号(パルス幅変調
信号)で駆動することにより、モ−タ電流の大きさが制
御される。
【0005】また、前記電流制御値の符号に基づいて第
2のア−ムのFET3 をON、第1のア−ムのFET4
をOFF(或いは第2のア−ムのFET3 をOFF、第
1のア−ムのFET4 をON)に制御することにより、
モ−タMの回転方向が制御される。
【0006】FET3 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タM、FET3 を経て流れ、モ−タMに
正方向の電流が流れる。また第2のア−ムのFET4 が
導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タM、F
ET4 を経て流れ、モ−タMに負方向の電流が流れる。
【0007】このモ−タ制御回路は、同一ア−ム上のF
ETが同時に駆動されることがないのでア−ムが短絡さ
れる可能性が低く、信頼性が高いため、広く利用されて
いる(一例として特公平5−10270号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図8は、モ−タ電流I
(モ−タに実際に流れる電流であり、検出電流iとは異
なる)とPWM信号のデユ−テイ比Dとの関係を示すも
のである。即ち、操向ハンドルが操作されて操舵トルク
が発生している状態では、モ−タ電流Iとデユ−テイ比
Dとの関係は、図8において線(a)で示すように変化
し、制御回路において操舵トルクの検出信号に基づいて
モ−タの制御目標値である操舵補助指令値Iref が演算
され、操舵補助指令値Iref とフイ−ドバツクされるモ
−タ電流の検出値Iとの差の電流制御値Eがモ−タ駆動
回路に出力されるから、モ−タ駆動回路の半導体素子を
制御するデユ−テイ比Dは或る値をとり、格別の支障は
生じない。
【0009】しかしながら、操向ハンドルを切つた後、
セルフアラインメントトルクにより操向ハンドルが直進
走行位置に戻るとき(以下、ハンドル戻り時という)
は、操舵トルクが発生していない状態にあるから、モ−
タの制御目標値である操舵補助指令値Iref は零となる
が、モ−タに逆起電力が発生するため、モ−タ電流Iと
デユ−テイ比Dとの関係は、図8において線(b)で示
すように、逆起電力に相当するだけ上方に移動変化し、
デユ−テイ比Dの値が零の付近でモ−タ電流Iとデユ−
テイ比Dとの関係に不連続部分が生じる。
【0010】一方、フイ−ドバツク制御回路は電流制御
値Eを演算しようとするが、操舵補助指令値Iref に対
応するデユ−テイ比Dがないため、図8において線
(c)で示すように、モ−タ電流Iの不連続部分にほぼ
対応した振幅の振動電流が電流制御値Eとして出力され
る。
【0011】このような振動電流の発生は、雑音の発生
源となるほかフイ−ドバツク制御の安定性を阻害する原
因ともなるので、その対策が求められていた。この発明
は上記課題を解決することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、少なくともステアリングシヤフトに発生
する操舵トルク信号に基づいて演算された操舵補助指令
値と検出されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に
基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タ
の出力を制御するフイ−ドバツク制御手段を備えた電動
パワ−ステアリング装置の制御装置において、半導体素
子4個をHブリツジに接続して構成したブリツジ回路の
入力端子間に電源を、出力端子間に前記モ−タを接続し
たモ−タ駆動回路と、前記モ−タ駆動回路を構成するH
ブリツジ回路の互いに対向する2つのア−ムを構成する
2個1組の半導体素子のうち、第1のア−ムの半導体素
子を前記電流制御値に基づいて決定される第1のデユ−
テイ比のPWM信号で駆動し、第2のア−ムの半導体素
子を前記第1のデユ−テイ比の関数で決定される第2の
デユ−テイ比のPWM信号で駆動する駆動制御手段とを
備えたことを特徴とするものである。
【0013】そして、前記フイ−ドバツク制御手段にフ
イ−ドバツクされるモ−タ電流の検出値は、前記第2の
デユ−テイ比で補正するとよい。
【0014】
【作用】モ−タ駆動回路を構成するHブリツジ回路の互
いに対向する2つのア−ムを構成する2個1組の半導体
素子のうち、第1のア−ムの半導体素子を前記電流制御
値に基づいて決定される第1のデユ−テイ比のPWM信
号で駆動し、第2のア−ムの半導体素子を前記第1のデ
ユ−テイ比の関数で決定される第2のデユ−テイ比のP
WM信号で駆動する。これにより、ハンドル戻り時など
で操舵トルクが発生していない状態のときも、デユ−テ
イ比Dの値が零の付近でモ−タ電流Iとデユ−テイ比D
との関係に不連続部分が生じることがなく、電流制御値
Eとして振動電流が出力されるおそれがない。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
まず、図1乃至図3により、この発明を実施するに適し
た電動パワ−ステアリング装置の概略を説明する。図1
は電動パワ−ステアリング装置の構成の概略を説明する
図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア4、ユニバ−サ
ルジョイント5a、5b、ピニオンラツク機構7を経て
操向車輪のタイロツド8に結合されている。軸2には操
向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が
設けられており、また、操舵力を補助するモ−タ10が
クラツチ9、減速ギア4を介して軸2に結合している。
【0016】パワ−ステアリング装置を制御する電子制
御回路13は、バツテリ14からイグニツシヨンキ−1
1を経て電力が供給される。電子制御回路13は、トル
クセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で
検出された車速に基づいて操舵補助指令値の演算を行
い、演算された操舵補助指令値に基づいてモ−タ10に
供給する電流を制御する。
【0017】クラツチ9は電子制御回路13により制御
される。クラツチ9は通常の動作状態では結合してお
り、電子制御回路13によりパワ−ステアリング装置の
故障と判断された時、及び電源がOFFとなつている時
に切離される。
【0018】図2は、電子制御回路13のブロツク図で
ある。この実施例では電子制御回路13は主としてCP
Uから構成されるが、ここではそのCPU内部において
プログラムで実行される機能を示してある。例えば、位
相補償器21は独立したハ−ドウエアとしての位相補償
器21を示すものではなく、CPUで実行される位相補
償機能を示す。
【0019】以下、電子制御回路13の機能と動作を説
明する。トルクセンサ3から入力された操舵トルク信号
は、位相補償器21で操舵系の安定を高めるために位相
補償され、操舵補助指令値演算器22に入力される。ま
た、車速センサ12で検出された車速も操舵補助指令値
演算器22に入力される。
【0020】操舵補助指令値演算器22は、入力され位
相補償された操舵トルク信号及び車速信号に基づいて所
定の演算式によりモ−タ10に供給する電流の制御目標
値である操舵補助指令値Iref を演算する。
【0021】比較器23、微分補償器24、比例演算器
25、積分演算器26、加算器27から構成される回路
は、モ−タ電流が操舵補助指令値Iref に一致するよう
にフイ−ドバツク制御を行う回路である。
【0022】比較器23では、操舵補助指令値演算器2
2で演算された制御目標値である操舵補助指令値Iref
と後述するモ−タ電流検出回路42で検出されたモ−タ
電流値Iが比較され、その差の信号が出力される。
【0023】比例演算器25では、操舵補助指令値Ire
f とモ−タ電流値Iとの差に比例した比例値が出力され
る。さらに比例演算器25の出力信号はフイ−ドバツク
系の特性を改善するため積分演算器26において積分さ
れ、差の積分値の比例値が出力される。
【0024】微分補償器24では、操舵補助指令値Ire
f に対するモ−タ電流値Iの応答速度を高めるため、操
舵補助指令値Iref の微分値が出力される。
【0025】微分補償器24から出力された操舵補助指
令値Iref の微分値、比例演算器25から出力された操
舵補助指令値Iref とモ−タ電流値Iとの差に比例した
比例値、積分演算器26から出力された積分値は加算器
27において加算演算され、演算結果である電流制御値
Eがモ−タ駆動回路41に出力される。モ−タに流れる
電流はモ−タ電流検出回路42により検出される。
【0026】図3にモ−タ制御回路41の構成の一例を
示す。モ−タ制御回路41は加算器27から入力された
電流制御値Eに基づいてFET1 〜FET4 のゲ−トを
駆動するゲ−ト駆動回路46、FET1 〜FET4 から
なるHブリツジ回路等から構成される。なお、昇圧電源
47はFET1 、FET2 のハイサイド側を駆動する電
源である。
【0027】FET1 とFET2 は前記した電流制御値
Eに基づいて決定されるデユ−テイ比D1のPWM信号
に基づいてゲ−トがON/OFFされ、実際にモ−タに
流れる電流Iの大きさが制御される。
【0028】FET3 とFET4 は、デユ−テイ比D1
の小さい領域では、前記したデユ−テイ比D1 のPWM
信号の1次の関数式で定義されるデユ−テイ比D2 のP
WM信号で駆動され、また、デユ−テイ比D1 の大きい
領域では、従来の制御回路と同じくPWM信号の符号に
より決定されるモ−タの回転方向に応じてON/OFF
駆動される。この点は、この発明の特徴部分であり、後
で詳細に説明する。
【0029】FET3 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タ10、FET3 、抵抗R1 を経て流
れ、モ−タ10に正方向の電流が流れる。また、FET
4 が導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タ1
0、FET4 、抵抗R2 を経て流れ、モ−タ10に負方
向の電流が流れる。
【0030】モ−タ電流検出回路42は、抵抗R1 の両
端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検
出し、また、抵抗R2 の両端における電圧降下に基づい
て負方向電流の大きさを検出する。検出されたモ−タ電
流値Iは比較器23にフイ−ドバツクして入力される
(図2参照)。
【0031】次に、この発明の特徴部分である、FET
3 とFET4 を前記したデユ−テイ比D1 の1次の関数
式で定義されるデユ−テイ比D2 のPWM信号で駆動す
る点について説明する。
【0032】先に、発明が解決しようとする課題におい
て説明したように、操向ハンドルを切つた後、セルフア
ラインメントトルクにより操向ハンドルが自動的に直進
走行位置に戻るハンドル戻り時には、モ−タ電流Iとデ
ユ−テイ比Dとの関係は、図8において(b)で示すよ
うに逆起電力に相当するだけ上方に移動変化する。即
ち、デユ−テイ比Dの値が零の付近でモ−タ電流Iとデ
ユ−テイ比Dとの間に不連続部分が生じ、不連続部分に
ほぼ対応した振幅の振動電流が電流制御値Eとして出力
され、雑音の発生源となるほか、フイ−ドバツク制御の
安定性を阻害する原因ともなる。
【0033】この対策として、本発明では、前記したモ
−タ電流Iとデユ−テイ比Dとの間の不連続部分を連続
させるように制御して課題を解決するものである。即
ち、図4に示すように、ハンドル戻り時におけるモ−タ
電流Iとデユ−テイ比Dとの関係を示す線(b)の上
で、デユ−テイ比D=γのときのモ−タ電流Iを示すp
点と原点oと間を連続するように、モ−タ電流Iとデユ
−テイ比Dとの関係を制御して、課題を解決するもので
ある。
【0034】ここで、まず、従来の駆動方法のようにF
ET3 (又はFET4 )を、PWM信号の符号により決
定されるモ−タの回転方向に応じてON(又はOFF)
に維持する制御をせず、FET1 (又はFET2 )と同
時に、且つ異なるデユ−テイ比で駆動した場合を検討す
る。
【0035】図5はFET1 とFET3 を、同時に、且
つ異なるデユ−テイ比で駆動した場合の動作を説明する
図であり、また図6はFETの動作状態とモ−タ端子間
電圧VM 、モ−タ端子間電圧VM からモ−タ逆起電力K
T ωの影響を差し引いた値Ri、及びモ−タ電流Iの関
係を説明する図である。
【0036】今、FET1 をデユ−テイ比D1 で駆動す
ると共に、FET3 をFET1 のデユ−テイ比D1 より
も大きい(即ち、時間的に長い)デユ−テイ比D2 で駆
動し、FET2 とFET4 はOFFに維持するものとす
る。図6の(a)及び(b)はFET1 及びFET3 の
時間に対するON/OFFの状態を示している。
【0037】このとき、モ−タ端子間電圧VM は図6の
(c)のように変化する。即ち、まず、FET1 及びF
ET3 が共にON(この状態をモ−ドAと呼ぶ)のとき
は、モ−タMの端子間にはバツテリ電圧Vb が印加され
る。次に、FET1 がOFFでFET3 がON(この状
態をモ−ドBと呼ぶ)のときはモ−タMの端子間電圧は
零になる。さらにFET1 及びFET3 が共にOFF
(この状態をモ−ドCと呼ぶ)のときは、モ−タMの端
子間には負方向のバツテリ電圧−Vb が印加される。即
ち、モ−ドCでは、FET1 及びFET3 が共にOFF
であるため、モ−タMには図5(b)で示すように、抵
抗RL →FET4 の回生ダイオ−ドDT4→モ−タM→F
ET2 の回生ダイオ−ドDT2→電源に至る電流回路が形
成され、モ−タMの端子間電圧VM は負方向のバツテリ
電圧−Vb となる。
【0038】FET1 とFET3 を同時に、且つ異なる
デユ−テイ比で駆動してモ−タ電流が平衡状態になつた
とき、PWM信号の周期がモ−タの電気的時定数に比較
して十分に短い場合には、モ−タ電流Iは近似的に以下
の式(1)により表すことができる。
【0039】 I={(D1 +D2 −1)・Vb /R}−KT ω/R・・・・(1) 但し、D1 はデユ−テイ比D1 、D2 はデユ−テイ比D
2 、Vb はバツテリ電圧、Rはモ−タ端子間抵抗、KT
はモ−タの逆起電力定数、ωはモ−タ角速度を表す。
【0040】デユ−テイ比D2 をデユ−テイ比D1 の1
次の関数として表すため、以下の式(2)を定義する。
【0041】 D2 =a・D1 +b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 但し、a、bは定数。
【0042】定数a、bを求めるため、まず、以下の条
件を設定する。
【0043】(1) デユ−テイ比D1 =γのとき、デユ−
テイ比D2 =1(100 %)、但し、γは任意の設定値 (2) デユ−テイ比D1 =0、且つω=ωret のとき、I
=0 但し、ωはモ−タ角速度、ωret はハンドル戻り時のモ
−タ角速度とする。
【0044】上記条件(1) は図4においてデユ−テイ比
D1 =γのときの線(b)上の点pの位置を決定する条
件であり、条件(2) は図4において線(b)が原点oを
通ることを決定する条件である。したがつて、上記条件
を満たす定数a、bを求めることにより、点pと原点o
を結ぶ1次の関数を決定することができる。
【0045】なお、デユ−テイ比D1 がγよりも大きい
領域では、従来の駆動方法、即ちFET3 (又はFET
4 )が電流方向によりON又はOFFに制御される制御
方法と変わらない。
【0046】前記条件を満たす定数a、bは、以下の式
(3)(4)で表される。
【0047】 a=−KT ωret /γVb ・・・・・・・・・・・・・・・・(3) b=1+KT ωret /Vb ・・・・・・・・・・・・・・・・(4) このときのモ−タ電流Iは、式(1)のD2 に式(2)
を代入し、これに式(3)(4)で決定される定数a、
bを代入して整理した以下の式(5)で表すことができ
る。
【0048】 I=Vb /R{1−(KT ωret /γVb )}・D1 +KT /R(ωret −ω)・・・・・・・・・・・・・・(5) 式(5)によれば、モ−タ電流Iとデユ−テイ比Dとの
間の関係は、モ−タ角速度ωがハンドル戻り時のモ−タ
角速度ωret よりも小さい領域においても不連続部分が
無くなる。
【0049】即ち、FET1 をデユ−テイ比D1 で駆動
し、これと同時にFET3 をデユ−テイ比D1 とは異な
るデユ−テイ比D2 で駆動することにより、モ−タ角速
度ωがハンドル戻り時のモ−タ角速度ωret よりも小さ
い領域においても、モ−タ電流Iに対してデユ−テイ比
D1 を連続して変化させることができ、本発明の課題を
解決することができる。
【0050】次に、上記したFETの駆動方法を採用し
た場合のモ−タ電流の検出について図5に示す回路図を
参照して説明する。まず、モ−ドAでは、FET1 及び
FET3 が共にONであるためモ−タMの端子間電圧V
M はバツテリ電圧Vb となる。モ−タ電流は図5(a)
で実線で示すように、FET1 →モ−タM→FET3→
抵抗RR の順に流れ、抵抗RR の両端の電圧降下を電流
検出回路42のオペアンプOPR で検出することにより
モ−タ電流i(A) が検出される。
【0051】モ−ドBでは、FET1 がOFF、FET
3 がONであるため、モ−タMの端子間電圧VM は零と
なる。このため、モ−タMに蓄えられていた磁気エネル
ギが電気エネルギに変換され、電流は図5(a)で鎖線
で示すように、モ−タM→FET3 →抵抗RR →抵抗R
L →FET4 の回生ダイオ−ドDT4→モ−タMの順に電
流が流れる。抵抗RR の両端の電圧降下を電流検出回路
42のオペアンプOPR で検出することによりモ−タ電
流i(B) が検出される。このとき、抵抗RL の両端の電
圧降下を検出するオペアンプOPL はユニポ−ラ電源
(片電源)で、逆方向に流れる電流は検出することがで
きないため、オペアンプOPL の検出電流値は零とな
る。
【0052】モ−ドCでは、FET1 及びFET3 が共
にOFFであるため、図5(b)で示すように、抵抗R
L →FET4 の回生ダイオ−ドDT4→モ−タM→FET
2 の回生ダイオ−ドDT2→電源に至る電流回路が形成さ
れ、モ−タMの端子間電圧VM は負方向のバツテリ電圧
−Vb となる。このとき、モ−タMに蓄えられていた磁
気エネルギは電気エネルギに変換されるから、その電流
はモ−タMの端子間電圧−Vb に逆らう方向に電流i
(C) が流れるが、抵抗RL の両端の電圧降下を検出する
電流検出回路42のオペアンプOPL はユニポ−ラ電源
(片電源)で、逆方向に流れる電流は検出することがで
きず、オペアンプOPL の検出電流値は零となる。
【0053】このため、PWM信号の1サイクル中にお
いて、モ−ドA、モ−ドB、モ−ドCの各段階を通して
モ−タMに実際に流れるモ−タ電流Iは、以下の式
(6)で表すことができる。
【0054】 I=i(A) +i(B) +i(C) ・・・・・・・・・・・・・・・(6) 一方、電流検出回路42で検出される検出電流i(dct)
の総和は、電流i(C)が検出されないため、以下の式
(7)のようになる。
【0055】 i(dct) =i(A) +i(B) ・・・・・・・・・・・・・・・・(7) PWM信号の1サイクル中に検出電流i(dct) が検出さ
れる期間は、PWM信号の1サイクル中のモ−ドAとモ
−ドBの期間で、これはデユ−テイ比D2 に相当する
(図6参照)。よつて、検出電流i(dct) は以下の式
(8)で表すことができる。
【0056】 i(dct) =D2 ・I・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) したがつて、モ−タMに実際に流れるモ−タ電流Iは、
式(8)を変形して、以下の式(9)で表すことができ
る。
【0057】 I=i(dct) /D2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) 図6の(e)はモ−ドA、モ−ドB、モ−ドCの各段階
におけるモ−タ電流Iの変化の状態を示す例であり、時
間の経過とともに次第に平衡状態に近付く。
【0058】次に、上記したFETの駆動方法を採用し
た場合のモ−タ角速度の推定について説明する。モ−タ
端子間電圧VM 、実際にモ−タに流れる電流I、及びモ
−タ角速度ωとの間には V=(Ls +R)I+KT ω 但し、L=モ−タのインダクタンス、R=モ−タの端子
間抵抗 s =ラプラス演算子、KT =モ−タの逆起電力定数 の関係があり、モ−タ端子間電圧VM とモ−タ電流Iを
知れば、モ−タ角速度ωを求めることができる。
【0059】従来の技術では、モ−タ角速度の推定に必
要なモ−タ端子間電圧VM は、VM=D1 ・Vb (但
し、Vb =バツテリ電圧)から求めていた。これに対
し、この発明では、図6の(c)に示すように、モ−タ
端子間電圧は、デユ−テイ比D1で駆動されるモ−ドA
の駆動時間t(A) 間に印加されるバツテリ電圧Vb と、
デユ−テイ比D2 で駆動されるモ−ドCの駆動時間t
(C) に印加される負方向のバツテリ電圧(−Vb )との
和になる。
【0060】図6から明らかなように、PWM信号の1
サイクル中におけるモ−ドAの比率はD1 であり、モ−
ドCの比率は(1−D2 )で表すことができるから、モ
−タ端子間電圧VM は以下の式(10)で表すことがで
きる。
【0061】 VM =D1 ・Vb +(1−D2 )・(−Vb ) =(D1 +D2 −1)Vb ・・・・・・・・・・・・・(10) 式(10)を用いることにより、バツテリ電圧Vb とデ
ユ−テイ比D1 、D2から容易にモ−タ端子間電圧VM
を求めることができ、モ−タ印加電圧を検出する手段を
必要としない。
【0062】以上説明したとおり、この発明では、第2
のア−ムの半導体素子を第1のデユ−テイ比の関数で定
義される第2のデユ−テイ比のPWM信号で駆動するも
のであり、実施例ではデユ−テイ比D2 をデユ−テイ比
D1 の1次の関数として定義している。しかし、これに
限られず、デユ−テイ比の値が零の付近の境界領域にお
いて、モ−タ電流とデユ−テイ比の関係を連続的に変化
させることができる適当な関数を定義してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の電動パ
ワ−ステアリング装置の制御装置は、モ−タ駆動回路を
構成するHブリツジ回路の互いに対向する2つのア−ム
を構成する2個1組の半導体素子のうち、第1のア−ム
の半導体素子を前記電流制御値に基づいて決定される第
1のデユ−テイ比のPWM信号で駆動し、第2のア−ム
の半導体素子を前記第1のデユ−テイ比の関数で決定さ
れる第2のデユ−テイ比のPWM信号で駆動するもので
ある。
【0064】これにより、ハンドル戻り時などで操舵ト
ルクが発生していない状態のときも、デユ−テイ比の値
が零の付近でモ−タ電流とデユ−テイ比との間に不連続
部分がなくなるので、振動電流が発生せず、雑音の発生
や、フイ−ドバツク制御の安定性を阻害することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワ−ステアリング装置の構成の概略を
説明する図。
【図2】電動式パワ−ステアリング装置の電子制御回路
のブロツク図。
【図3】モ−タ駆動回路の構成を示す回路ブロツク図。
【図4】この発明によるモ−タ制御回路におけるモ−タ
電流とPWM信号のデユ−テイ比との関係を説明する
図。
【図5】FET1 とFET3 を、同時に、且つ異なるデ
ユ−テイ比で駆動した場合の動作を説明する図。
【図6】FETの動作状態、モ−タ端子間電圧VM 、モ
−タ電流Iなどの関係を説明する図。
【図7】従来のFET1 で構成したHブリツジ回路から
なるモ−タ駆動回路図。
【図8】従来のモ−タ制御回路におけるモ−タ電流とP
WM信号のデユ−テイ比との関係を説明する図。
【符号の説明】
3 トルクセンサ 10 モ−タ 11 イグニツシヨンキ− 12 車速センサ 13 電子制御回路 14 バツテリ 21 位相補償器 22 操舵補助指令値演算器 23 比較器 24 微分補償器 25 比例演算器 26 積分演算器 27 加算器 41 モ−タ制御回路 42 モ−タ電流検出回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともステアリングシヤフトに発生
    する操舵トルク信号に基づいて演算された操舵補助指令
    値と検出されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に
    基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タ
    の出力を制御するフイ−ドバツク制御手段を備えた電動
    パワ−ステアリング装置の制御装置において、 半導体素子4個をHブリツジに接続して構成したブリツ
    ジ回路の入力端子間に電源を、出力端子間に前記モ−タ
    を接続したモ−タ駆動回路と、 前記モ−タ駆動回路を構成するHブリツジ回路の互いに
    対向する2つのア−ムを構成する2個1組の半導体素子
    のうち、第1のア−ムの半導体素子を前記電流制御値に
    基づいて決定される第1のデユ−テイ比のPWM信号で
    駆動し、第2のア−ムの半導体素子を前記第1のデユ−
    テイ比の関数で定義される第2のデユ−テイ比のPWM
    信号で駆動する駆動制御手段とを備えたことを特徴とす
    る電動パワ−ステアリング装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記フイ−ドバツク制御手段にフイ−ド
    バツクされるモ−タ電流の検出値は、前記第2のデユ−
    テイ比で補正されることを特徴とする請求項1記載の電
    動パワ−ステアリング装置の制御装置。
JP16786795A 1995-06-12 1995-06-12 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 Expired - Fee Related JP3562040B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16786795A JP3562040B2 (ja) 1995-06-12 1995-06-12 電動パワ−ステアリング装置の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16786795A JP3562040B2 (ja) 1995-06-12 1995-06-12 電動パワ−ステアリング装置の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08337172A true JPH08337172A (ja) 1996-12-24
JP3562040B2 JP3562040B2 (ja) 2004-09-08

Family

ID=15857558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16786795A Expired - Fee Related JP3562040B2 (ja) 1995-06-12 1995-06-12 電動パワ−ステアリング装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3562040B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005058672A1 (ja) * 2003-12-16 2005-06-30 Nsk Ltd. 電動パワーステアリング装置
EP1757511A2 (en) 2005-08-23 2007-02-28 NSK Ltd., Electric power steering device
EP1798132A1 (en) * 2005-12-15 2007-06-20 NSK Ltd., Electric power steering system

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102768554A (zh) * 2012-07-23 2012-11-07 中国兵器工业集团第二一四研究所苏州研发中心 应用于陀螺仪表头力矩器的恒流源电路

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005058672A1 (ja) * 2003-12-16 2005-06-30 Nsk Ltd. 電動パワーステアリング装置
EP1712448A1 (en) * 2003-12-16 2006-10-18 NSK Ltd., Electric power steering device
EP1712448A4 (en) * 2003-12-16 2007-09-12 Nsk Ltd ELECTRIC POWER STEERING DEVICE
US7586277B2 (en) 2003-12-16 2009-09-08 Nsk Ltd. Electric power steering device
EP1757511A2 (en) 2005-08-23 2007-02-28 NSK Ltd., Electric power steering device
US7402970B2 (en) 2005-08-23 2008-07-22 Nsk Ltd. Electric power steering device
EP1798132A1 (en) * 2005-12-15 2007-06-20 NSK Ltd., Electric power steering system

Also Published As

Publication number Publication date
JP3562040B2 (ja) 2004-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3484968B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
KR100248382B1 (ko) 전동파워스티어링장치의 제어장치
US5878360A (en) Electric power steering control apparatus
JP4779499B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH10167086A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2007290429A (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP4016976B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4247232B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH08337172A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP3550978B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JPH11263240A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3598707B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2003300473A (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH10109655A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP3550827B2 (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP2000053013A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3525681B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3562053B2 (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP3385763B2 (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JPH08142884A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JPH0867262A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP3533782B2 (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JPH08150946A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP2002321631A (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH10147249A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040524

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110611

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120611

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140611

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees