JPH10147249A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置の制御装置Info
- Publication number
- JPH10147249A JPH10147249A JP30960096A JP30960096A JPH10147249A JP H10147249 A JPH10147249 A JP H10147249A JP 30960096 A JP30960096 A JP 30960096A JP 30960096 A JP30960096 A JP 30960096A JP H10147249 A JPH10147249 A JP H10147249A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- torque
- steering
- motor
- sensor
- saturation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Power Steering Mechanism (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電動パワーステアリング装置の制御装置のト
ルクセンサが計測範囲を越えて飽和出力となった場合に
もパワーステアリングの機能を失わないようにする。 【解決手段】 ハンドルの操舵トルクを検出するトルク
センサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリ
ングシャフトを補助負荷付勢するモータと、前記操舵ト
ルクの大きさに応じて前記モータを駆動するコントロー
ルユニットとを具備した電動パワーステアリング装置の
制御装置であり、前記コントロールユニットが、前記モ
ータの角速度を推定する角速度推定器と、前記角速度推
定器で求められた角速度の低周波成分を通過させるロー
パスフイルタと、前記トルクセンサが飽和出力したこと
を検知するトルク飽和センサと、前記ローパスフイルタ
の出力及び前記トルクセンサからの操舵トルクを入力す
ると共に、前記トルク飽和センサが飽和出力を検知した
ときに前記操舵トルクから前記ローパスフィルタの出力
に切換えて電流制御系に与える切換手段とを設ける。
ルクセンサが計測範囲を越えて飽和出力となった場合に
もパワーステアリングの機能を失わないようにする。 【解決手段】 ハンドルの操舵トルクを検出するトルク
センサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリ
ングシャフトを補助負荷付勢するモータと、前記操舵ト
ルクの大きさに応じて前記モータを駆動するコントロー
ルユニットとを具備した電動パワーステアリング装置の
制御装置であり、前記コントロールユニットが、前記モ
ータの角速度を推定する角速度推定器と、前記角速度推
定器で求められた角速度の低周波成分を通過させるロー
パスフイルタと、前記トルクセンサが飽和出力したこと
を検知するトルク飽和センサと、前記ローパスフイルタ
の出力及び前記トルクセンサからの操舵トルクを入力す
ると共に、前記トルク飽和センサが飽和出力を検知した
ときに前記操舵トルクから前記ローパスフィルタの出力
に切換えて電流制御系に与える切換手段とを設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や車両の操
舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電
動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にトル
クセンサの計測範囲が飽和した場合にもパワーステアリ
ング機能を失わないようにした電動パワーステアリング
装置の制御装置に関する。
舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電
動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にトル
クセンサの計測範囲が飽和した場合にもパワーステアリ
ング機能を失わないようにした電動パワーステアリング
装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や車両のステアリング装置をモー
タの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング
装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベル
ト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラ
ック軸に補助負荷付勢するようになっている。ここで、
一般的な電動パワーステアリング装置の構成を図9に示
して説明する。操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユ
ニバーサルジョイント4a及び4b,ピニオンラック機
構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。
軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトル
クセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵
力を補助するモータ20がクラッチ21、減速ギア3を
介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置
を制御するコントロールユニット30には、バッテリ1
4からイグニションキー11を経て電力が供給され、コ
ントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出さ
れた操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速V
とに基いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行
ない、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータ20
に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロー
ルユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状
態ではON(結合)されている。そして、コントロール
ユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判
断された時、及びイグニションキー11によりバッテリ
14の電源がOFFとなっている時に、クラッチ21は
OFF(切離)される。
タの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング
装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベル
ト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラ
ック軸に補助負荷付勢するようになっている。ここで、
一般的な電動パワーステアリング装置の構成を図9に示
して説明する。操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユ
ニバーサルジョイント4a及び4b,ピニオンラック機
構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。
軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトル
クセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵
力を補助するモータ20がクラッチ21、減速ギア3を
介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置
を制御するコントロールユニット30には、バッテリ1
4からイグニションキー11を経て電力が供給され、コ
ントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出さ
れた操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速V
とに基いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行
ない、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータ20
に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロー
ルユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状
態ではON(結合)されている。そして、コントロール
ユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判
断された時、及びイグニションキー11によりバッテリ
14の電源がOFFとなっている時に、クラッチ21は
OFF(切離)される。
【0003】コントロールユニット30は主としてCP
Uで構成されるが、そのCPU内部においてプログラム
で実行される一般的な機能を示すと図10のようにな
る。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとし
ての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行され
る位相補償機能を示している。尚、コントロールユニッ
ト30をCPUで構成せず、各機能要素を独立のハード
ウェアで構成することも可能である。
Uで構成されるが、そのCPU内部においてプログラム
で実行される一般的な機能を示すと図10のようにな
る。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとし
ての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行され
る位相補償機能を示している。尚、コントロールユニッ
ト30をCPUで構成せず、各機能要素を独立のハード
ウェアで構成することも可能である。
【0004】コントロールユニット30の一般的な機能
及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて
入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるた
めに位相補償器31で位相補償され、位相補償された操
舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力され
る。又、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助
指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器
32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いて
モータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助
指令値Iを決定し、操舵補助指令値演算器32にはメモ
リ33が付設されている。メモリ33は車速Vをパラメ
ータとして操舵トルクに対応する操舵補助指令値Iを格
納しており、操舵補助指令値演算器32による操舵補助
指令値Iの演算に使用される。操舵補助指令値Iは減算
器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるための
フィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減
算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力さ
れ、その比例出力は加算器30Bに入力されると共にフ
ィードバック系の特性を改善するための積分演算器36
に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出
力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加
算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモ
ータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電
流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電
流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされ
る。
及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて
入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるた
めに位相補償器31で位相補償され、位相補償された操
舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力され
る。又、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助
指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器
32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いて
モータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助
指令値Iを決定し、操舵補助指令値演算器32にはメモ
リ33が付設されている。メモリ33は車速Vをパラメ
ータとして操舵トルクに対応する操舵補助指令値Iを格
納しており、操舵補助指令値演算器32による操舵補助
指令値Iの演算に使用される。操舵補助指令値Iは減算
器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるための
フィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減
算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力さ
れ、その比例出力は加算器30Bに入力されると共にフ
ィードバック系の特性を改善するための積分演算器36
に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出
力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加
算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモ
ータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電
流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電
流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされ
る。
【0005】モータ駆動回路37の構成例を図11に示
して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bか
らの電流制御値Eに基いて電界効果トランジスタ(FE
T)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲ
ート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリ
ッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動
する昇圧電源372等で構成されている。FET1及び
FET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューテ
ィ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/
OFFされ、実際にモータに流れる電流Irの大きさが
制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D
1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数とし
てD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2
のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい領
域ではPWM信号の符号により決定されるモータの回転
方向に応じてON/OFFされる。例えばFET3が導
通状態にあるときは、電流はFET1、モータ20、F
ET3、抵抗R1を経て流れ、モータ20に正方向の電
流が流れる。又、FET4が導通状態にあるときは、電
流はFET2、モータ20、FET4、抵抗R2を経て
流れ、モータ20に負方向の電流が流れる。従って、加
算器30Bからの電流制御値EもPWM出力となってい
る。又、モータ電流検出回路38は抵抗R1の両端にお
ける電圧降下に基いて正方向電流の大きさを検出すると
共に、抵抗R2の両端における電圧降下に基いて負方向
の電流の大きさを検出する。モータ電流検出回路38で
検出されたモータ電流値iは、減算器30Aに入力され
てフィードバックされる。
して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bか
らの電流制御値Eに基いて電界効果トランジスタ(FE
T)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲ
ート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリ
ッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動
する昇圧電源372等で構成されている。FET1及び
FET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューテ
ィ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/
OFFされ、実際にモータに流れる電流Irの大きさが
制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D
1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数とし
てD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2
のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい領
域ではPWM信号の符号により決定されるモータの回転
方向に応じてON/OFFされる。例えばFET3が導
通状態にあるときは、電流はFET1、モータ20、F
ET3、抵抗R1を経て流れ、モータ20に正方向の電
流が流れる。又、FET4が導通状態にあるときは、電
流はFET2、モータ20、FET4、抵抗R2を経て
流れ、モータ20に負方向の電流が流れる。従って、加
算器30Bからの電流制御値EもPWM出力となってい
る。又、モータ電流検出回路38は抵抗R1の両端にお
ける電圧降下に基いて正方向電流の大きさを検出すると
共に、抵抗R2の両端における電圧降下に基いて負方向
の電流の大きさを検出する。モータ電流検出回路38で
検出されたモータ電流値iは、減算器30Aに入力され
てフィードバックされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の電動パワ
ーステアリング装置で、ベルジアン路上で前輪をスキッ
ドさせるような操舵を行なうと、図12のT0で示すよ
うに、トルクセンサ10の計測範囲を越えた周波数の高
い外乱トルクが、ラック軸側から電動パワーステアリン
グ装置に入力される。このような状態では、操舵を行な
って電動パワーステアリング装置に入力するトルクを図
12の外乱トルクT0からT1にシフト変化させても、
トルクセンサ10で計測されるトルクは図13のTd0
からTd1の変化に止まり、飽和した状態でほとんど変
化しない。このため、トルクセンサ10は操舵トルクを
検出できず、操舵アシストのトルクが発生しないため、
パワーステアリングの機能を失うという問題があった。
ーステアリング装置で、ベルジアン路上で前輪をスキッ
ドさせるような操舵を行なうと、図12のT0で示すよ
うに、トルクセンサ10の計測範囲を越えた周波数の高
い外乱トルクが、ラック軸側から電動パワーステアリン
グ装置に入力される。このような状態では、操舵を行な
って電動パワーステアリング装置に入力するトルクを図
12の外乱トルクT0からT1にシフト変化させても、
トルクセンサ10で計測されるトルクは図13のTd0
からTd1の変化に止まり、飽和した状態でほとんど変
化しない。このため、トルクセンサ10は操舵トルクを
検出できず、操舵アシストのトルクが発生しないため、
パワーステアリングの機能を失うという問題があった。
【0007】本発明は上述のような事情よりなされたも
のであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装
置のトルクセンサが計測範囲を越えて飽和出力となった
場合にパワーステアリングの機能を失わないようにした
電動パワーステアリング装置の制御装置を提供すること
にある。
のであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装
置のトルクセンサが計測範囲を越えて飽和出力となった
場合にパワーステアリングの機能を失わないようにした
電動パワーステアリング装置の制御装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハンドルの操
舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一
体的に設けられたステアリングシャフトを補助負荷付勢
するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モ
ータを駆動するコントロールユニットとを具備した電動
パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本
発明の上記目的は、前記コントロールユニットが、前記
モータの角速度を推定する角速度推定器と、前記角速度
推定器で求められた角速度の低周波成分を通過させるロ
ーパスフイルタと、前記トルクセンサが飽和出力したこ
とを検知するトルク飽和センサと、前記ローパスフイル
タの出力及び前記トルクセンサからの操舵トルクを入力
すると共に、前記トルク飽和センサが飽和出力を検知し
たときに前記操舵トルクから前記ローパスフィルタの出
力に切換えて電流制御系に与える切換手段とを具備した
ことによって達成される。又、前記トルク飽和センサの
飽和出力の検知を、前記トルクセンサで検出された操舵
トルクの値が所定値を越えて所定時間以上継続すると共
に、前記トルクセンサの正負方向に交互に所定回数以上
繰り返されたことで行なう。更には、前記切換手段の出
力を位相補償器及びハンドル戻し制御器に与えて電流制
御値を形成する。
舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一
体的に設けられたステアリングシャフトを補助負荷付勢
するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モ
ータを駆動するコントロールユニットとを具備した電動
パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本
発明の上記目的は、前記コントロールユニットが、前記
モータの角速度を推定する角速度推定器と、前記角速度
推定器で求められた角速度の低周波成分を通過させるロ
ーパスフイルタと、前記トルクセンサが飽和出力したこ
とを検知するトルク飽和センサと、前記ローパスフイル
タの出力及び前記トルクセンサからの操舵トルクを入力
すると共に、前記トルク飽和センサが飽和出力を検知し
たときに前記操舵トルクから前記ローパスフィルタの出
力に切換えて電流制御系に与える切換手段とを具備した
ことによって達成される。又、前記トルク飽和センサの
飽和出力の検知を、前記トルクセンサで検出された操舵
トルクの値が所定値を越えて所定時間以上継続すると共
に、前記トルクセンサの正負方向に交互に所定回数以上
繰り返されたことで行なう。更には、前記切換手段の出
力を位相補償器及びハンドル戻し制御器に与えて電流制
御値を形成する。
【0009】
【発明の実施の形態】図13のTd0のような飽和出力
の操舵トルクがトルクセンサで計測された場合でもハン
ドルを保舵した状態であるから、図2のω0のように大
きなモータ角速度は発生していない。又、図2のω1
は、検出(推定)された角速度ωをローパスフイルタに
通した出力波形を示している。そして、ハンドルを保舵
した状態から操舵すると、モータは回転するのでモータ
角速度は図3のω2のようになり、このモータ角速度検
出値ω2をローパスフイルタに通すとω3のような低周
波成分となる。本発明では、周波数が高くトルクの大き
い外乱がラック軸から入力された状態を、トルクセンサ
からの操舵トルクが所定値を越えた状態が所定時間以上
継続し、その状態がトルクセンサの正負方向に交互に所
定回数以上繰り返されたことによって検出する。この場
合、検出されたモータ角速度をローパスフイルタに入力
し、ローパスフイルタの出力に基いて操舵アシストトル
クを発生させるので、トルクセンサで操舵トルクを検出
できない場合でも、パワーステアリングとして機能させ
ることができる。本発明による制御は、コントロールユ
ニット内のCPUのプログラムを変更するだけで容易に
対応可能である。
の操舵トルクがトルクセンサで計測された場合でもハン
ドルを保舵した状態であるから、図2のω0のように大
きなモータ角速度は発生していない。又、図2のω1
は、検出(推定)された角速度ωをローパスフイルタに
通した出力波形を示している。そして、ハンドルを保舵
した状態から操舵すると、モータは回転するのでモータ
角速度は図3のω2のようになり、このモータ角速度検
出値ω2をローパスフイルタに通すとω3のような低周
波成分となる。本発明では、周波数が高くトルクの大き
い外乱がラック軸から入力された状態を、トルクセンサ
からの操舵トルクが所定値を越えた状態が所定時間以上
継続し、その状態がトルクセンサの正負方向に交互に所
定回数以上繰り返されたことによって検出する。この場
合、検出されたモータ角速度をローパスフイルタに入力
し、ローパスフイルタの出力に基いて操舵アシストトル
クを発生させるので、トルクセンサで操舵トルクを検出
できない場合でも、パワーステアリングとして機能させ
ることができる。本発明による制御は、コントロールユ
ニット内のCPUのプログラムを変更するだけで容易に
対応可能である。
【0010】以下、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。
明する。
【0011】本発明では、常時パワーステアリングの機
能を保持するために図1に示すようなコントロールユニ
ットの構成とする。尚、図1は図10に対応して示して
いる。トルクセンサ10からの操舵トルクTは切換回路
350の各a接点を介して位相補償器31及びハンドル
戻し制御器310に入力され、車速センサ12からの車
速Vはハンドル戻し制御器310及び収れん性制御器3
11に入力されると共に、操舵補助指令値演算器320
に入力され、その出力である操舵補助指令値Iはアシス
ト指令として加減算器321に入力される。加減算器3
21の出力である操舵補助指令値Irefは減算器30
Aに入力され、加算器30Bからの電流制御値E及びバ
ッテリ14の電圧Vbは端子間電圧推定器340に入力
され、端子間電圧推定器340からの端子間電圧推定値
Vmは推定器330内の角速度推定器331に入力され
る。又、モータ電流検出回路38からのモータ電流検出
値iは減算器30Aに入力されると共に推定器330内
の角速度推定器331に入力され、推定器330で推定
された推定値PR1は収れん性制御器311に入力さ
れ、更にはローパスフイルタ(LPF)360に入力さ
れ、推定値PR2はロストルク補償器312に入力さ
れ、推定値PR3は慣性補償器313に入力される。推
定器330内の角速度推定器331で推定された角速度
ωは、直接推定値PR1として出力されるので推定値P
R1はモータ角速度ωを示している。又、角速度ωは符
号器332に入力されてその符号が判定されるので、推
定値PR2はモータ回転方向を示し、モータ角速度ωを
近似微分器333で微分された推定値PR3はモータ角
加速度を示している。ハンドル戻し制御器310から出
力されるハンドル戻し信号HRは加減算器321に加算
入力され、収れん性制御器311から出力される収れん
性信号ASは加減算器321に減算入力され、ロストル
ク補償器312からのロストルク補償信号LT及び慣性
補償器313からの慣性補償信号INはそれぞれ加減算
器321に加算入力される。
能を保持するために図1に示すようなコントロールユニ
ットの構成とする。尚、図1は図10に対応して示して
いる。トルクセンサ10からの操舵トルクTは切換回路
350の各a接点を介して位相補償器31及びハンドル
戻し制御器310に入力され、車速センサ12からの車
速Vはハンドル戻し制御器310及び収れん性制御器3
11に入力されると共に、操舵補助指令値演算器320
に入力され、その出力である操舵補助指令値Iはアシス
ト指令として加減算器321に入力される。加減算器3
21の出力である操舵補助指令値Irefは減算器30
Aに入力され、加算器30Bからの電流制御値E及びバ
ッテリ14の電圧Vbは端子間電圧推定器340に入力
され、端子間電圧推定器340からの端子間電圧推定値
Vmは推定器330内の角速度推定器331に入力され
る。又、モータ電流検出回路38からのモータ電流検出
値iは減算器30Aに入力されると共に推定器330内
の角速度推定器331に入力され、推定器330で推定
された推定値PR1は収れん性制御器311に入力さ
れ、更にはローパスフイルタ(LPF)360に入力さ
れ、推定値PR2はロストルク補償器312に入力さ
れ、推定値PR3は慣性補償器313に入力される。推
定器330内の角速度推定器331で推定された角速度
ωは、直接推定値PR1として出力されるので推定値P
R1はモータ角速度ωを示している。又、角速度ωは符
号器332に入力されてその符号が判定されるので、推
定値PR2はモータ回転方向を示し、モータ角速度ωを
近似微分器333で微分された推定値PR3はモータ角
加速度を示している。ハンドル戻し制御器310から出
力されるハンドル戻し信号HRは加減算器321に加算
入力され、収れん性制御器311から出力される収れん
性信号ASは加減算器321に減算入力され、ロストル
ク補償器312からのロストルク補償信号LT及び慣性
補償器313からの慣性補償信号INはそれぞれ加減算
器321に加算入力される。
【0012】LPF360からの低周波成分である出力
PR1´は切換回路350の各b接点を介して位相補償
器31及びハンドル戻し制御器310に入力される。ト
ルクセンサ10からの操舵トルクTはトルク飽和センサ
370に入力され、所定の条件でトルクセンサ10のト
ルク飽和が検出されたときに切換信号SSを出力し、切
換回路350の接点をaからbに切換え、トルク飽和が
解消されると再び接点をbからaに切換えるようになっ
ている。切換回路350は、通常時はa接点に接続され
ている。
PR1´は切換回路350の各b接点を介して位相補償
器31及びハンドル戻し制御器310に入力される。ト
ルクセンサ10からの操舵トルクTはトルク飽和センサ
370に入力され、所定の条件でトルクセンサ10のト
ルク飽和が検出されたときに切換信号SSを出力し、切
換回路350の接点をaからbに切換え、トルク飽和が
解消されると再び接点をbからaに切換えるようになっ
ている。切換回路350は、通常時はa接点に接続され
ている。
【0013】操舵補助指令値演算器320は、予め多項
式で定義した図4に示すようなアシスト特性を基に、操
舵トルクT及び車速Vよりアシスト指令として操舵補助
指令値Iを算出して出力し、ハンドル戻し制御器310
は、中低速におけるハンドル戻り特性を改善するため
に、ハンドル戻り状態の時にハンドル戻し信号HRを出
力してハンドルが戻る方向にアシストを行なう。収れん
性制御器311は、車両のヨーの収れん性を改善するた
めにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかける
ようになっている。従って、ハンドル戻し制御器310
及び収れん性制御器311には、車速センサ12からの
車速Vが入力されている。ロストルク補償器312は、
モータ20のロストルクの影響をキャンセルするため
に、ロストルク補償信号LTを出力してモータ20のロ
ストルクの発生する方向、つまりモータ20の回転方向
に対してロストルク相当のアシストを行なう。又、慣性
補償器313はモータ20の慣性により発生する力相当
分をアシストするものであり、慣性補償信号INを出力
して慣性感又は制御の応答性の悪化を防ぐようになって
いる。従って、ロストルク補償器312に入力される推
定値PR2はモータ回転方向を示すものであり、慣性補
償器313に入力される推定値PR3はモータ角加速度
を示すものとなっている。
式で定義した図4に示すようなアシスト特性を基に、操
舵トルクT及び車速Vよりアシスト指令として操舵補助
指令値Iを算出して出力し、ハンドル戻し制御器310
は、中低速におけるハンドル戻り特性を改善するため
に、ハンドル戻り状態の時にハンドル戻し信号HRを出
力してハンドルが戻る方向にアシストを行なう。収れん
性制御器311は、車両のヨーの収れん性を改善するた
めにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかける
ようになっている。従って、ハンドル戻し制御器310
及び収れん性制御器311には、車速センサ12からの
車速Vが入力されている。ロストルク補償器312は、
モータ20のロストルクの影響をキャンセルするため
に、ロストルク補償信号LTを出力してモータ20のロ
ストルクの発生する方向、つまりモータ20の回転方向
に対してロストルク相当のアシストを行なう。又、慣性
補償器313はモータ20の慣性により発生する力相当
分をアシストするものであり、慣性補償信号INを出力
して慣性感又は制御の応答性の悪化を防ぐようになって
いる。従って、ロストルク補償器312に入力される推
定値PR2はモータ回転方向を示すものであり、慣性補
償器313に入力される推定値PR3はモータ角加速度
を示すものとなっている。
【0014】ところで、例えば特開平8−67262号
公報に示されているように、モータ角速度ωはモータ逆
起電力の推定値から求めることができる。即ち、モータ
逆起電力の推定値KT・ωはモータ端子間電圧Vm及び
モータ電流検出値iより、モータ端子間抵抗をRとして
下記の数1で求められる。ただし、モータの角速度ωの
周波数成分は、モータの電気的な応答特性に比べ十分に
低いものとする。
公報に示されているように、モータ角速度ωはモータ逆
起電力の推定値から求めることができる。即ち、モータ
逆起電力の推定値KT・ωはモータ端子間電圧Vm及び
モータ電流検出値iより、モータ端子間抵抗をRとして
下記の数1で求められる。ただし、モータの角速度ωの
周波数成分は、モータの電気的な応答特性に比べ十分に
低いものとする。
【0015】
【数1】KT・ω=Vm−R・i KT:逆起電力定数 上記数1よりモータ20の角速度ωを求めることができ
る。実際のモータの電気的特性と数学モデルで定義して
いる電気的特性とに違いがある場合、モータ角速度の推
定値ωはオフセットを有する方向に対して推定誤差eを
生じる。尚、実際のモータではモータインダクタンスL
が影響するが、インダクタンスLを無視した場合の特性
を数学モデルとし、Vm=R・iで表わされる。このオ
フセット誤差eを有すると、推定値を用いて補正信号を
発生する場合、例えば保舵状態にも拘わらずモータ20
が回転していると誤判定するため、誤った補正信号を出
力してしまう。実際にはモータ20の電気的特性は、製
造時のバラツキや温度変動の影響を受けるために、上記
オフセット誤差eの発生は免れられない。かかる問題を
解決するために、図5に示すようにモータ逆起電力の推
定値KT・ωに固定の不感帯DZを設定することが考え
られるが、逆にモータ角速度ωの小さい領域でモータ逆
起電力の推定を行ない得ないという問題がある。
る。実際のモータの電気的特性と数学モデルで定義して
いる電気的特性とに違いがある場合、モータ角速度の推
定値ωはオフセットを有する方向に対して推定誤差eを
生じる。尚、実際のモータではモータインダクタンスL
が影響するが、インダクタンスLを無視した場合の特性
を数学モデルとし、Vm=R・iで表わされる。このオ
フセット誤差eを有すると、推定値を用いて補正信号を
発生する場合、例えば保舵状態にも拘わらずモータ20
が回転していると誤判定するため、誤った補正信号を出
力してしまう。実際にはモータ20の電気的特性は、製
造時のバラツキや温度変動の影響を受けるために、上記
オフセット誤差eの発生は免れられない。かかる問題を
解決するために、図5に示すようにモータ逆起電力の推
定値KT・ωに固定の不感帯DZを設定することが考え
られるが、逆にモータ角速度ωの小さい領域でモータ逆
起電力の推定を行ない得ないという問題がある。
【0016】上述のようにモータ角速度ωの推定誤差e
の要因は、実際のモータの電気的特性KT・ωと数学モ
デルで定義している電気的特性KT・ω´との差であ
る。即ち、モータ端子間抵抗Rに対して下記数2が成立
つ。
の要因は、実際のモータの電気的特性KT・ωと数学モ
デルで定義している電気的特性KT・ω´との差であ
る。即ち、モータ端子間抵抗Rに対して下記数2が成立
つ。
【0017】
【数2】R=Rm+△Rt+△Rp Rm:モデルの抵抗値、△Rt:温度による抵抗値変
動、△Rp:製造バラツキによる抵抗値変動 よって、実際のモータ端子間電圧Vmは前記数1に数3
を代入して
動、△Rp:製造バラツキによる抵抗値変動 よって、実際のモータ端子間電圧Vmは前記数1に数3
を代入して
【数3】 Vm=(Rm+△Rt+△Rp)・i+KT・ω で求められ、これに対し製造時のバラツキや温度変化を
考慮していない数学モデルでは、次の数4となる。
考慮していない数学モデルでは、次の数4となる。
【0018】
【数4】Vm=Rm・i+KT・ω´ 従って、逆起電力の推定誤差eは上記数3及び数4より
【数5】 e=KT・ω´−KT・ω =Vm−Rm・i−{Vm−(Rm+△Rt+△Rp)・i} =(△Rt+△Rp)・i となり、電流iに比例したオフセット誤差eを発生す
る。従って、例えば図6に示すような関係で電流iに比
例した不感帯処理を行なうことにより、電流iが小さい
ときはオフセット値も小さく、それに応じて不感帯幅D
Z=K・iも小さくなるため、モータ角速度ωが小さい
領域でもモータ逆起電力の推定が可能である。
る。従って、例えば図6に示すような関係で電流iに比
例した不感帯処理を行なうことにより、電流iが小さい
ときはオフセット値も小さく、それに応じて不感帯幅D
Z=K・iも小さくなるため、モータ角速度ωが小さい
領域でもモータ逆起電力の推定が可能である。
【0019】ところで、PWM出力である電流制御値E
とモータ電流値iより角速度ωを推定する場合、不感帯
幅DZはモータ電流値iに比例するとする。即ち、Kを
定数としてDZ=K・iが成立つ。この場合、数5にお
けるモータ端子間電圧Vmの変動の最大値以上の値Kを
比例係数として設定する。従って、角速度推定値が常に
オフセット誤差eを有することはない。そして、実際の
モータ角速度の小さい領域においても、角速度推定器3
31でモータ角速度ωの推定を行なうことができる。更
にモータの角速度ωと電流iの方向が一致しない場合、
つまりハンドルが戻される状態の場合、下記数7のよう
にオフセット誤差は生じない。従って、ハンドル戻し状
態が検出された場合は、不感帯補正を行なわないことが
望ましい。
とモータ電流値iより角速度ωを推定する場合、不感帯
幅DZはモータ電流値iに比例するとする。即ち、Kを
定数としてDZ=K・iが成立つ。この場合、数5にお
けるモータ端子間電圧Vmの変動の最大値以上の値Kを
比例係数として設定する。従って、角速度推定値が常に
オフセット誤差eを有することはない。そして、実際の
モータ角速度の小さい領域においても、角速度推定器3
31でモータ角速度ωの推定を行なうことができる。更
にモータの角速度ωと電流iの方向が一致しない場合、
つまりハンドルが戻される状態の場合、下記数7のよう
にオフセット誤差は生じない。従って、ハンドル戻し状
態が検出された場合は、不感帯補正を行なわないことが
望ましい。
【0020】
【数6】 KT・ω´=KT・ω−(△Rt+△Rp)・|i| である。そして、|i|≒0であれば、
【数7】KT・ω´=KT・ω となる。
【0021】図7は、推定器330でモータ20の角速
度ω、回転方向及び停止状態を検出する動作例を示して
おり、先ずモータ電流検出回路38でモータ電流値iを
検出し(ステップS1)、バッテリ14の電圧Vb及び
電流制御値Eに基いて端子間電圧推定器340で端子間
電圧VmをVm=Vb・Eに従って算出する(ステップ
S2)。そして、角速度推定器331で角速度ωを求め
ると共に、前記数1を実行し(ステップS3)、角速度
ω及びモータ電流値iに基いてハンドル戻し状態か否か
を判断し(ステップS4)、ハンドル戻し状態であれば
終了となり、ハンドル戻し状態でなければモータ逆起電
力KT・ωの絶対値が不感帯幅DZ=K・i以上となっ
ているか否かを判断するため、
度ω、回転方向及び停止状態を検出する動作例を示して
おり、先ずモータ電流検出回路38でモータ電流値iを
検出し(ステップS1)、バッテリ14の電圧Vb及び
電流制御値Eに基いて端子間電圧推定器340で端子間
電圧VmをVm=Vb・Eに従って算出する(ステップ
S2)。そして、角速度推定器331で角速度ωを求め
ると共に、前記数1を実行し(ステップS3)、角速度
ω及びモータ電流値iに基いてハンドル戻し状態か否か
を判断し(ステップS4)、ハンドル戻し状態であれば
終了となり、ハンドル戻し状態でなければモータ逆起電
力KT・ωの絶対値が不感帯幅DZ=K・i以上となっ
ているか否かを判断するため、
【数8】|KT・ω|−|K・i|≧0 を演算する(ステップS10)。そして、モータ逆起電
力が不感帯幅以上となっている場合には、
力が不感帯幅以上となっている場合には、
【数9】ω=sign(KT・ω)・(|KT・ω|−
|K・i|) の演算を実行し(ステップS12)、そうでない場合に
は角速度の推定値ω=0とする(ステップS11)。
尚、上記数9において、逆起電力KT・ωが正の場合に
はsign(KT・ω)は+1であり、逆起電力KT・
ωが負の場合にはsign(KT・ω)は−1である。
その後、モータ角速度ωが0であるか否かを判断し(ス
テップS13)、0であればモータ停止状態を検出する
(ステップS17)。ω=0でなければωが正か否かを
判断し(ステップS14)、例えば正であれば右方向回
転と判断し(ステップS16)、負であれば左方向回転
と判断する(ステップS15)。
|K・i|) の演算を実行し(ステップS12)、そうでない場合に
は角速度の推定値ω=0とする(ステップS11)。
尚、上記数9において、逆起電力KT・ωが正の場合に
はsign(KT・ω)は+1であり、逆起電力KT・
ωが負の場合にはsign(KT・ω)は−1である。
その後、モータ角速度ωが0であるか否かを判断し(ス
テップS13)、0であればモータ停止状態を検出する
(ステップS17)。ω=0でなければωが正か否かを
判断し(ステップS14)、例えば正であれば右方向回
転と判断し(ステップS16)、負であれば左方向回転
と判断する(ステップS15)。
【0022】本例では、モータ20の角速度ωの検出
は、上述した角速度推定器331で行なっているが、セ
ンサを設けて検出しても良い。モータの角速度の推定値
は上述のようにオフセットタイプの推定誤差eを生じ、
保舵しているにも拘らずモータの回転を検出してしまう
欠点があるが、電流iに比例した不感帯DZ=K・iを
設け、オフセット補正を行なった後はモータの停止状態
及び回転方向について正確に検出することができる。
は、上述した角速度推定器331で行なっているが、セ
ンサを設けて検出しても良い。モータの角速度の推定値
は上述のようにオフセットタイプの推定誤差eを生じ、
保舵しているにも拘らずモータの回転を検出してしまう
欠点があるが、電流iに比例した不感帯DZ=K・iを
設け、オフセット補正を行なった後はモータの停止状態
及び回転方向について正確に検出することができる。
【0023】上述のようにして角速度推定器331で求
められた角速度ω(PR1)はLPF360に入力さ
れ、図2又は図3のω1又はω3の如く低周波成分とな
った角速度PR1´は切換回路350のb接点に入力さ
れている。切換回路350の接点a,bはトルク飽和セ
ンサ370からの切換信号SSによって切換えられる
が、トルク飽和センサ370は図8に示すように、検出
されたトルクセンサ10からの操舵トルクTの絶対値が
所定値A又は−Aを越えた状態が所定時間B以上継続
し、かつそのような状態がトルクセンサ10の正負方向
に交互に所定回数以上繰り返されたことによってトルク
飽和、つまりトルクセンサ10の計測範囲以上に操舵ト
ルクTが出力されていることを検出する。トルク飽和セ
ンサ370が上述のようにしてトルク飽和を検出すると
切換信号SSを出力し、切換回路350の接点をaから
bに切換える。これによりLPF360からの角速度P
R1´が位相補償器31及びハンドル戻し制御器310
に入力される。
められた角速度ω(PR1)はLPF360に入力さ
れ、図2又は図3のω1又はω3の如く低周波成分とな
った角速度PR1´は切換回路350のb接点に入力さ
れている。切換回路350の接点a,bはトルク飽和セ
ンサ370からの切換信号SSによって切換えられる
が、トルク飽和センサ370は図8に示すように、検出
されたトルクセンサ10からの操舵トルクTの絶対値が
所定値A又は−Aを越えた状態が所定時間B以上継続
し、かつそのような状態がトルクセンサ10の正負方向
に交互に所定回数以上繰り返されたことによってトルク
飽和、つまりトルクセンサ10の計測範囲以上に操舵ト
ルクTが出力されていることを検出する。トルク飽和セ
ンサ370が上述のようにしてトルク飽和を検出すると
切換信号SSを出力し、切換回路350の接点をaから
bに切換える。これによりLPF360からの角速度P
R1´が位相補償器31及びハンドル戻し制御器310
に入力される。
【0024】ベルジアン路上のような走行状態において
は、角速度ωの周波数が高く、トルクセンサ10の検出
範囲を越える外乱がラック軸から入力され、電動パワー
ステアリング装置は振動する。このとき、モータ角速度
は図2のω0のようになるが、ハンドルを保舵している
場合は、同図のω1のようにモータ角速度をLPF36
0に通した出力波形は殆ど0である。操舵を行なってモ
ータ20が回転すれば、モータ角速度は図3のω2のよ
うになり、モータ角速度をLPF360に通した波形は
同図のω3のようになる。このように、モータ角速度を
ローパスフイルタに通した波形で操舵アシストトルクを
発生させれば、例えトルクセンサ10で操舵トルクTを
検出できなくても、パワーステアリングの機能を失うこ
とはない。
は、角速度ωの周波数が高く、トルクセンサ10の検出
範囲を越える外乱がラック軸から入力され、電動パワー
ステアリング装置は振動する。このとき、モータ角速度
は図2のω0のようになるが、ハンドルを保舵している
場合は、同図のω1のようにモータ角速度をLPF36
0に通した出力波形は殆ど0である。操舵を行なってモ
ータ20が回転すれば、モータ角速度は図3のω2のよ
うになり、モータ角速度をLPF360に通した波形は
同図のω3のようになる。このように、モータ角速度を
ローパスフイルタに通した波形で操舵アシストトルクを
発生させれば、例えトルクセンサ10で操舵トルクTを
検出できなくても、パワーステアリングの機能を失うこ
とはない。
【0025】
【発明の効果】ベルジアン路上でスキッドさせたときに
発生する、周波数が高くトルクの大きな外乱がラック軸
から入力された場合、従来の電動パワーステアリング装
置では操舵トルクを検出できず、操舵アシストトルクが
発生しない問題があった。しかし、本発明の電動パワー
ステアリング装置の制御装置によれば、前記のような外
乱があった場合でもその状態を検出し、検出されたモー
タ角速度の低周波成分に基いて操舵アシストトルクを発
生させる。これにより、操舵トルクがトルクセンサで検
出できない場合でも、操舵アシストトルクを発生できる
ようになる。
発生する、周波数が高くトルクの大きな外乱がラック軸
から入力された場合、従来の電動パワーステアリング装
置では操舵トルクを検出できず、操舵アシストトルクが
発生しない問題があった。しかし、本発明の電動パワー
ステアリング装置の制御装置によれば、前記のような外
乱があった場合でもその状態を検出し、検出されたモー
タ角速度の低周波成分に基いて操舵アシストトルクを発
生させる。これにより、操舵トルクがトルクセンサで検
出できない場合でも、操舵アシストトルクを発生できる
ようになる。
【図1】本発明によるコントロールユニットの構成例を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図2】モータ角速度の波形を説明するための図であ
る。
る。
【図3】モータ角速度の波形を説明するための図であ
る。
る。
【図4】車速をパラメータとして操舵トルク及び操舵補
助指令値の関係例を示す特性図である。
助指令値の関係例を示す特性図である。
【図5】モータ逆起電力とモータ角速度の関係を示す図
である。
である。
【図6】モータ電流値と不感帯幅の関係例を示す図であ
る。
る。
【図7】モータの停止状態を検出する動作例を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図8】本発明によるトルクセンサの飽和検知を説明す
るための図である。
るための図である。
【図9】電動パワーステアリング装置の一例を示すブロ
ック構成図である。
ック構成図である。
【図10】コントロールユニットの一般的な内部構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図11】モータ駆動回路の一例を示す結線図である。
【図12】トルクセンサの計測範囲と実際のトルク値を
示す図である。
示す図である。
【図13】トルクセンサの出力を示す図である。
1 操向ハンドル 5 ピニオンラック機構 10 トルクセンサ 12 車速センサ 20 モータ 30 コントロールユニット 31 位相補償器 37 モータ駆動回路 38 モータ電流検出回路 330 推定器 340 端子間電圧推定器 350 切換回路 360 ローパスフイルタ(LPF) 370 トルク飽和センサ
Claims (3)
- 【請求項1】 ハンドルの操舵トルクを検出するトルク
センサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリ
ングシャフトを補助負荷付勢するモータと、前記操舵ト
ルクの大きさに応じて前記モータを駆動するコントロー
ルユニットとを具備した電動パワーステアリング装置の
制御装置において、前記コントロールユニットが、前記
モータの角速度を推定する角速度推定器と、前記角速度
推定器で求められた角速度の低周波成分を通過させるロ
ーパスフイルタと、前記トルクセンサが飽和出力したこ
とを検知するトルク飽和センサと、前記ローパスフイル
タの出力及び前記トルクセンサからの操舵トルクを入力
すると共に、前記トルク飽和センサが飽和出力を検知し
たときに前記操舵トルクから前記ローパスフィルタの出
力に切換えて電流制御系に与える切換手段とを具備した
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装
置。 - 【請求項2】 前記トルク飽和センサの飽和出力の検知
を、前記トルクセンサで検出された操舵トルクの値が所
定値を越えて所定時間以上継続すると共に、前記トルク
センサの正負方向に交互に所定回数以上繰り返されたこ
とで行うようになっている請求項1に記載の電動パワー
ステアリング装置の制御装置。 - 【請求項3】 前記切換手段の出力を位相補償器及びハ
ンドル戻し制御器に与えて電流制御値を形成するように
なっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装
置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30960096A JPH10147249A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30960096A JPH10147249A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10147249A true JPH10147249A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17994989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30960096A Pending JPH10147249A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10147249A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000185660A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
KR100695402B1 (ko) * | 2002-05-08 | 2007-03-15 | 주식회사 만도 | 전동식 파워스티어링 장치의 고장안전장치 |
US8368343B2 (en) | 2008-03-31 | 2013-02-05 | Jtekt Corporation | Motor control device |
-
1996
- 1996-11-20 JP JP30960096A patent/JPH10147249A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000185660A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
KR100695402B1 (ko) * | 2002-05-08 | 2007-03-15 | 주식회사 만도 | 전동식 파워스티어링 장치의 고장안전장치 |
US8368343B2 (en) | 2008-03-31 | 2013-02-05 | Jtekt Corporation | Motor control device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100338965B1 (ko) | 전기 파워 스티어링 시스템의 제어 장치 | |
JP3991416B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3951337B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3479730B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2001114121A (ja) | 車両の電動パワーステアリング装置 | |
JP3767035B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JPH08310417A (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JP2005324796A (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3826582B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3692660B2 (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JPH10147249A (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP2000095132A (ja) | 電動パワ―ステアリング装置の制御装置 | |
JP4797294B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP2000053013A (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP4715302B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3525681B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3550827B2 (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JPH10157646A (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3637764B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP3562040B2 (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JP3385763B2 (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JP3637714B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JPH0867262A (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JP3533782B2 (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 | |
JPH0939809A (ja) | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 |