JP2005324796A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
電動パワーステアリング装置の制御装置において、新たに温度センサを取付けることなくモータの巻線温度を推定してモータの温度保護を行なうと共に、モータの通電能力を十分に生かして使用する。
【解決手段】
ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリングシャフトを補助負荷付勢するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モータを駆動するコントロールユニットとを具備した電動パワーステアリング装置の制御装置であり、前記コントロールユニットが、前記モータの巻線温度を推定し、前記温度推定値に基いて前記モータの温度保護制御を行なう。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に温度センサを設けることなくモータの温度保護制御を行なう電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる電動パワーステアリング装置は、据え切り状態でハンドルの端当てロック状態が長時間保持されたり、長時間の車庫入れ動作が繰り返されたりすると、モータに大電流が連続して流れることになり、モータが発熱して発煙したり匂いを出したり、更には焼損するなどして事故を誘発しかねないといった問題がある。
このようなモータの過度の使用等による発熱を防止したり、モータを保護する目的から従来はモータに温度センサを取付けるか、又はモータの駆動素子の放熱器に温度センサを取付け、温度センサの検出温度に基いてモータの巻線温度を推定し、巻線温度に応じてモータの過熱を防止するようにしている。また、温度センサを用いないモータの保護装置として、特許文献1に示されているように、モータ電流の所定時間毎の平均電流の大きさに応じてモータ電流の最大値を制限する方法が知られている。
特開平1−186468号公報 特開平8−67262号公報
上述のモータ又は駆動素子の放熱器に温度センサを取付けてモータを保護する方法では、新たに温度センサを取付ける必要があるためコストアップとなり好ましくない。又、平均電流の大きさに応じてモータ電流の最大値を制限する方法では、モータの通電能力に対して十分に余裕をみた状態でモータを駆動するようになっているため、据え切りなどの時に最大電流制限が早く効き過ぎて、操舵補助力が不足してしまうといった不都合がある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装置に新たに温度センサを設けることなく、モータの巻線温度を推定(検出)してモータの温度保護を行ない、更にモータの通電能力を十分に生かして使用できる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリングシャフトを補助負荷付勢するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モータを駆動するコントロールユニットとを具備した電動パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的は、前記コントロールユニットが、前記モータの巻線温度を推定し、前記温度推定値に基づいて前記モータの温度保護制御を行なうことによって達成される。又、前記巻線温度を、前記モータの電流値及び端子間抵抗値の各検出値より推定して求めるようにしても良い。更には、前記温度推定値に基いて前記モータの電気モデルの数値を補正する。
本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、温度センサを新たに設けることなくモータ巻線温度を推定し、この推定温度値に基いてモータの温度保護制御を行なうことができ、ローコストで実現できるメリットがある。又、モータ巻線温度の推定や温度保護制御はコントロールユニットのソフト的な対応で実現できるため、容易かつ経済的に実現できる。更にはモータ巻線温度を直接的に監視しているので、モータを確実に保護できると共に、モータを熱的な性能限界まで使用することができる。モータ角速度の演算に用いる定数を推定温度値に従って補正することにより、角速度をより正確に検出でき、モータ温度によらない安定した操舵性能を実現できる。
本発明では、電動パワーステアリング装置のモータの回転状態をモータ逆起電力に基いて検出し、非回転状態、つまりモータの停止状態が検出された場合に、モータの端子間電圧及びモータ電流検出値によりモータの巻線温度を推定し、巻線温度に基いてモータの温度保護を行なう。従って、モータ温度検出のための新たな温度センサを必要とせず、しかも電流を制限することもないので、モータの通電能力を十分に生かして使用することが可能である。本発明による温度保護制御は、コントロールユニット内のCPUのプログラムを変更するだけで容易に対応可能である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
先ず、本発明を実施するに適した電動パワーステアリング装置の構成を図1に示して説明する。操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b,ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14からイグニションキー11を経て電力が供給され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行ない、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータ20に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロールユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状態ではON(結合)されている。そして、コントロールユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判断された時、及びイグニションキー11によりバッテリ14の電源がOFFとなっている時に、クラッチ21はOFF(切離)される。
コントロールユニット30は主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとしての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行される位相補償機能を示している。尚、コントロールユニット30をCPUで構成せず、各機能要素を独立のハードウェアで構成することも可能である。
ここで、コントロールユニット30の一般的な機能及び動作を説明する。トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。又、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定し、操舵補助指令値演算器32にはメモリ33が付設されている。メモリ33は車速Vをパラメータとして操舵トルクに対応する操舵補助指令値Iを格納しており、操舵補助指令値演算器32による操舵補助指令値Iの演算に使用される。操舵補助指令値Iは減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力され、その比例出力は加算器30Bに入力されると共にフィードバック系の特性を改善するための積分演算器36に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされる。
モータ駆動回路37の構成例を図3に示して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bからの電流制御値Eに基いて電界効果トランジスタ(FET)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及びFET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際にモータに流れる電流Irの大きさが制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい領域ではPWM信号の符号により決定されるモータの回転方向に応じてON/OFFされる。例えばFET3が導通状態にあるときは、電流はFET1、モータ20、FET3、抵抗R1を経て流れ、モータ20に正方向の電流が流れる。又、FET4が導通状態にあるときは、電流はFET2、モータ20、FET4、抵抗R2を経て流れ、モータ20に負方向の電流が流れる。従って、加算器30Bからの電流制御値EもPWM出力となっている。又、モータ電流検出回路38は抵抗R1の両端における電圧降下に基いて正方向電流の大きさを検出すると共に、抵抗R2の両端における電圧降下に基いて負方向の電流の大きさを検出する。モータ電流検出回路38で検出されたモータ電流値iは、減算器30Aに入力されてフィードバックされる。
上述のような一般的なコントロールユニット30に対して、本発明ではモータ20の巻線温度を求めるために図4に示すようなコントロールユニットの構成とする。尚、図4は図2に対応して示している。トルクセンサ10からの操舵トルクTは位相補償器31及びハンドル戻し制御器310に入力され、車速センサ12からの車速Vはハンドル戻し制御器310及び収れん性制御器311に入力されると共に、操舵補助指令値演算器320に入力され、その出力である操舵補助指令値Iはアシスト指令として加減算器321に入力される。加減算器321の出力である操舵補助指令値Irefは減算器30Bに入力され、加算器30Aからの電流制御値E及びバッテリ14の電圧Vbは端子間電圧推定器340に入力され、端子間電圧推定器340からの端子間電圧推定値Vmは推定器330内の角速度推定器331に入力される。又、モータ電流検出回路38からのモータ電流検出値iは減算器30Aに入力されると共に推定器330内の角速度推定器331に入力され、推定器330で推定された推定値PR1はハンドル戻し制御器310及び収れん性制御器311に入力され、推定値PR2はロストルク補償器312に入力され、推定値PR3は慣性補償器313に入力される。推定器330内の角速度推定器331で推定された角速度ωは、直接推定値PR1として出力されるので推定値PR1はモータ角速度ωを示している。又、角速度ωは符号器332に入力されてその符号が判定されるので、推定値PR2はモータ回転方向を示し、モータ角速度ωを近似微分器333で微分された推定値PR3はモータ角加速度を示している。ハンドル戻し制御器310から出力されるハンドル戻し信号HRは加減算器321に加算入力され、収れん性制御器311から出力される収れん性信号ASは加減算器321に減算入力され、ロストルク補償器312からのロストルク補償信号LT及び慣性補償器313からの慣性補償信号INはそれぞれ加減算器321に加算入力される。
操舵補助指令値演算器320は、予め多項式で定義した図5に示すようなアシスト特性を基に、操舵トルクT及び車速Vよりアシスト指令として操舵補助指令値Iを算出して出力し、ハンドル戻し制御器310は、中低速におけるハンドル戻り特性を改善するために、ハンドル戻り状態の時にハンドル戻し信号HRを出力してハンドルが戻る方向にアシストを行なう。収れん性制御器311は、車両のヨーの収れん性を改善するためにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっている。従って、ハンドル戻し制御器310及び収れん性制御器311には、車速センサ12からの車速Vが入力されている。ロストルク補償器312は、モータ20のロストルクの影響をキャンセルするために、ロストルク補償信号LTを出力してモータ20のロストルクの発生する方向、つまりモータ20の回転方向に対してロストルク相当のアシストを行なう。又、慣性補償器313はモータ20の慣性により発生する力相当分をアシストするものであり、慣性補償信号INを出力して慣性感又は制御の応答性の悪化を防ぐようになっている。従って、ロストルク補償器312に入力される推定値PR2はモータ回転方向を示すものであり、慣性補償器313に入力される推定値PR3はモータ角加速度を示すものとなっている。
ところで、例えば特許文献2に示されているように、モータ角速度ωはモータ逆起電力の推定値から求めることができる。即ち、モータ逆起電力の推定値K・ωはモータ端子間電圧Vm及びモータ電流検出値iより、モータ端子間抵抗をRとして下記の数1で求められる。ただし、モータの角速度ωの周波数成分は、モータの電気的な応答特性に比べ十分に低いものとする。
(数1)
・ω=Vm−R・i
:逆起電力定数
上記数1よりモータ20の角速度ωを求めることができるが、モータ端子間抵抗Rや逆起電力定数Kは温度tの影響を受けて変動する。そして、実際のモータの電気的特性と数学モデルで定義している電気的特性とに違いがある場合、モータ角速度の推定値ωはオフセットを有する方向に対して推定誤差eを生じる。尚、実際のモータではモータインダクタンスLが影響するが、インダクタンスLを無視した場合の特性を数学モデルとし、Vm=R・iで表わされる。このオフセット誤差eを有すると、推定値を用いて補正信号を発生する場合、例えば保舵状態にも拘わらずモータ20が回転していると誤判定するため、誤った補正信号を出力してしまう。実際にはモータ20の電気的特性は、製造時のバラツキや温度変動の影響を受けるために、上記オフセット誤差eの発生は免れられない。かかる問題を解決するために、図6に示すようにモータ逆起電力の推定値K・ωに固定の不感帯DZを設定することが考えられるが、逆にモータ角速度ωの小さい領域でモータ逆起電力の推定を行ない得ないという問題がある。
上述のようにモータ角速度ωの推定誤差eの要因は、実際のモータの電気的特性K・ωと数学モデルで定義している電気的特性K・ω´との差である。即ち、モータ端子間抵抗Rに対して下記数2が成立つ。
(数2)
R=Rm+△Rt+△Rp
Rm:モデルの抵抗値、△Rt:温度による抵抗値変動、
△Rp:製造バラツキによる抵抗値変動
よって、実際のモータ端子間電圧Vmは前記数1に数3を代入して
(数3)
Vm=(Rm+△Rt+△Rp)・i+K・ω
で求められ、これに対し製造時のバラツキや温度変化を考慮していない数学モデルでは、次の数4となる。
(数4)
Vm=Rm・i+K・ω´
従って、逆起電力の推定誤差eは上記数3及び数4より
(数5)
e=K・ω´−K・ω
=Vm−Rm・i−{Vm−(Rm+△Rt+△Rp)・i}
=(△Rt+△Rp)・i
となり、電流iに比例したオフセット誤差eを発生する。従って、例えば図7に示すような関係で電流iに比例した不感帯処理を行なうことにより、電流iが小さいときはオフセット値も小さく、それに応じて不感帯幅DZ=K・iも小さくなるため、モータ角速度ωが小さい領域でもモータ逆起電力の推定が可能である。
ところで、PWM出力である電流制御値Eとモータ電流値iより角速度ωを推定する場合、不感帯幅DZはモータ電流値iに比例するとする。即ち、Kを定数としてDZ=K・iが成立つ。この場合、数5におけるモータ端子間電圧Vmの変動の最大値以上の値Kを比例係数として設定する。従って、角速度推定値が常にオフセット誤差eを有することはない。そして、実際のモータ角速度の小さい領域においても、角速度推定器331でモータ角速度ωの推定を行なうことができる。更にモータの角速度ωと電流iの方向が一致しない場合、つまりハンドルが戻される状態の場合、下記数7のようにオフセット誤差は生じない。従って、ハンドル戻し状態が検出された場合は、不感帯補正を行なわないことが望ましい。
(数6)
・ω´=K・ω−(△Rt+△Rp)・|i|
である。そして、|i|≒0であれば、
(数7)
・ω´=K・ω
となる。
図8は、推定器330でモータ20の角速度ω、回転方向及び停止状態を検出する動作例を示しており、先ずモータ電流検出回路38でモータ電流値iを検出し(ステップS1)、バッテリ14の電圧Vb及び電流制御値Eに基いて端子間電圧推定器340で端子間電圧VmをVm=Vb・Eに従って算出する(ステップS2)。そして、角速度推定器331で角速度ωを求めると共に、前記数1を実行し(ステップS3)、角速度ω及びモータ電流値iに基いてハンドル戻し状態か否かを判断し(ステップS4)、ハンドル戻し状態であれば終了となり、ハンドル戻し状態でなければモータ逆起電力K・ωの絶対値が不感帯幅DZ=K・i以上となっているか否かを判断するため、
(数8)
|K・ω|−|K・i|≧0
を演算する(ステップS10)。そして、モータ逆起電力が不感帯幅以上となっている場合には、
(数9)
ω=sign(K・ω)・(|K・ω|−|K・i|)
の演算を実行し(ステップS12)、そうでない場合には角速度の推定値ω=0とする(ステップS11)。尚、上記数9において、逆起電力K・ωが正の場合にはsign(K・ω)は+1であり、逆起電力K・ωが負の場合にはsign(K・ω)は−1である。その後、モータ角速度ωが0であるか否かを判断し(ステップS13)、0であればモータ停止状態を検出する(ステップS17)。ω=0でなければωが正か否かを判断し(ステップS14)、例えば正であれば右方向回転と判断し(ステップS16)、負であれば左方向回転と判断する(ステップS15)。
本発明では、モータ20の回転状態の検出は、上述した角速度推定器331でのモータの角速度推定値ωを用いて行なう。モータの角速度の推定値は上述のようにオフセットタイプの推定誤差eを生じ、保舵しているにも拘らずモータの回転を検出してしまう欠点があるが、電流iに比例した不感帯DZ=K・iを設け、オフセット補正を行なった後はモータの停止状態及び回転方向について正確に検出することができる。
ところで、前記数1より
(数10)
R=(Vm−K・ω)/i
が成り立ち、モータの逆起電力K・ωが0もしくは十分に小さければ、モータ20の端子間抵抗(巻線抵抗)Rを算出できる。
(数11)
R=Vm/i
そこで、上述のモータ回転状態検出信号を用いてモータ停止状態を検出した時、モータ20の巻線温度tを推定する。更にモータ角速度ωの推定に際し、モータの端子間抵抗Rが温度変動を受けると推定誤差を生じるため、モータの端子間抵抗の温度推定値を用いてモータ角速度推定に用いるモータの電気的なモデルの数値を補正すると良い。即ち、モータの温度保護制御は端子間抵抗Rや逆起電力係数Kの温度補正や、モータ定格温度tmax以下の監視等である。このようにしてモータの温度推定値tを用いて温度保護制御を行なうが、モータの温度推定は例えば下記数12による。数12は基準温度を20℃にした例であるが、任意の温度を基準温度として求めることができる。
(数12)
t=(R−R20)/α+20(℃)
20:20℃におけるモータ端子間抵抗値
α:モータ巻線の温度係数
図9は本発明によるモータ温度保護の動作例を示しており、先ず前述した検出動作に従ってモ−タ回転状態を判断し(ステップS20)、モータ停止が判断されたときに端子間電圧推定器340で下記数13に従って端子間電圧Vmを求める(ステップS21)。
(数13)
Vm=E・Vb
そして、推定器330でモータ電流値iと、上記数13で求められた端子間電圧Vmから前記数11に従ってモータ端子間抵抗Rを求める(ステップS22)。このようにして求められたモータ端子間抵抗Rを数学モデルの修正値Rmとし(ステップS23)、巻線温度tを数12に従って算出し(ステップS24)、制限温度値tmax以下であるか否かを判断する(ステップS25)。巻線温度tが制限温度値tmaxよりも大きい場合にはモータ保護制御を行なう(ステップS26)。モータ保護制御は、モータ20の自己発熱によりモータが破損するのを防止することであり、破損としてはブラシホルダーやコミュテータの熱塑性変形、巻線の絶縁体破壊によるモータショート等がある。
図10は角速度ωを求める場合の動作例を示しており、端子間抵抗Rを数学モデルの修正値Rmとし(ステップS30)、上述のようにして求められた温度推定値tを下記数14に代入して逆起電力定数Kを補正する(ステップS31)。
(数14)
T1={1+0.002(t−20)/β}・KT20
ただし、β:逆起電力定数の温度係数、
T20:20℃における逆起電力定数
そして、温度補正された逆起電力定数KT1で数1に従って角速度ωを求める(ステップS32)。このように温度補正された定数を用いて角速度ωを求めるようにしているので、より精度の高い角速度ωを求めることができる。
電動パワーステアリング装置の一例を示すブロック構成図である。 コントロールユニットの一般的な内部構成を示すブロック図である。 モータ駆動回路の一例を示す結線図である。 本発明によるコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 車速をパラメータとして操舵トルク及び操舵補助指令値の関係例を示す特性図である。 モータ逆起電力とモータ角速度の関係を示す図である。 モータ電流値と不感帯幅の関係例を示す図である。 モータの停止状態を検出する動作例を示すフローチャートである。 モータ保護の動作例を示すフローチャートである。 逆起電力定数の温度補正の動作例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 操向ハンドル
5 ピニオンラック機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
30 コントロールユニット
31 位相補償器
37 モータ駆動回路
38 モータ電流検出回路
330 推定器
340 端子間電圧推定器

Claims (3)

  1. ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリングシャフトを補助負荷付勢するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モータを駆動するコントロールユニットとを具備した電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記コントロールユニットが、前記モータの巻線温度を推定し、前記温度推定値に基いて前記モータの温度保護制御を行なうようになっていることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記巻線温度を、前記モータの電流値及び端子間抵抗値の各検出値より推定して求める請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記温度推定値に基いて前記モータの数学モデルの数値を補正する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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