JP3601967B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にコントロールユニットに温度検出手段を設け、モータとコントロールユニットの過熱保護機能を実現した電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行なっている。フィードバック制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行なっている。
【0003】
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図9に示して説明すると、操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b,ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14からイグニションキー11を経て電力が供給され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行ない、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータ20に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロールユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状態ではON(結合)されている。そして、コントロールユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判断された時、及びイグニションキー11によりバッテリ14の電源(電圧Vb)がOFFとなっている時に、クラッチ21はOFF(切離)される。
【0004】
コントロールユニット30は主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図10のようになる。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとしての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行される位相補償機能を示している。コントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。又、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定し、操舵補助指令値演算器32にはメモリ33が付設されている。メモリ33は車速Vをパラメータとして操舵トルクに対応する操舵補助指令値Iを格納しており、操舵補助指令値演算器32による操舵補助指令値Iの演算に使用される。操舵補助指令値Iは減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力され、その比例出力は加算器30Bに入力されると共にフィードバック系の特性を改善するための積分演算器36に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされる。
【0005】
モータ駆動回路37の構成例を図11に示して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bからの電流制御値Eに基いて、モータ駆動素子としての電界効果トランジスタ(FET)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及びFET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際にモータ20に流れる電流Irの大きさが制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D2も100%に達した以降、PWM信号の符号により決定されるモータ20の回転方向に応じてON/OFFされる。
【0006】
上述のような電動パワーステアリング装置ではモータに大きな電流(30A〜60A、場合によっては100A)が流れるので、車両の安全面からモータの保護対策を講じる必要がある。従来は、特公平6−51474号公報や特許第2528119号公報に述べられているように、モータ電流検出値を基に、その電流値から所定時間における平均値を求めて電流制限をしたり、平均電流が所定値以上の場合に所定時間毎に電流を制限するような処置で、モータを過熱から保護している。
【0007】
図12は従来装置の一例を示しており、モータ電流検出回路38からのモータ電流値iに基づいてモータ温度を推定するモータ温度推定手段40と、モータ温度推定手段40で推定された推定温度値に基づいて操舵補助指令値I(又は電流制御値E)を制限するモータ過熱保護手段41とが設けられている。この様に従来は、時間と電流の概念でモータ電流を制限してモータを過熱から保護しているが、低温において電流を流したときのモータの磁性体減磁に対しては保護が全く行なわれていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法は、モータ電流から発熱量を推定算出してモータ電流を制限しているが、この方法では絶対温度を加味していないため、車両の置かれている外気温によって推定温度が実際の温度とズレてしまい、モータやコントロールユニットのモータ駆動回路の保護が十分に出来ない場合があった。また、高温時を想定して過熱保護の温度(スレッショルド)を設定すると、常温や低温時に早く保護機能が働いてしまい、据え切りなどに大電流が出力できる時間が少なくなってしまっていた。
【0009】
また、従来の方法ではコントロールユニットの放熱器の温度だけを測定してモータ電流を制限したり、モータ温度を推定してモータ電流を制限したりしていた。しかし、コントロールユニットの放熱器の熱時定数とモータの熱時定数が異なるため、例えばコントロールユニットの放熱器だけ測定してモータ電流を制限して過熱保護を行なうと、モータの温度が低下しないうちにモータ電流の制限を解除してしまい、モータを破損してしまう可能性が考えられる。
【0010】
さらに、従来の方法では、過熱保護を行なう必要がある部品の測定すべき場所が明確になっていなかったため、どの部分が故障したら対象となる部品が重大故障を引き起こすのかが明確になっていなかった。このため、出力電流によって発熱しているのに、コントロールユニットでは正確に認識できていない状況が発生していた。また、従来は、モータの高温度における保護が行なわれていた。しかし、モータは低温時に大きな電流を流しときに、モータに使用されている磁性体が減磁するような現象がある。このような場合、短時間でも大きな電流をモータに流しても減磁されてしまい、その後は定格電流を流しているにも拘わらず、通常出力が得られない状態が発生する可能性がある。
【0011】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装置のモータとそのコントロールユニットの温度を検出することによって、温度に応じてモータ及びコントロールユニットの過熱保護を図るようにした電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基いてステアリング機構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的は、コントロールユニットのモータ駆動回路に設けられた温度検出手段と、前記温度検出手段で得られた温度に基づいてモータ駆動素子温度を推定して、前記推定温度によって前記電流制御値を制限するコントロールユニット過熱保護手段と、起動時に前記温度検出手段からの温度をモータブラシ温度の基準値とし、前記基準値及びモータブラシ温度推定手段値からの温度推定値を加算して補正し、補正されたモータブラシ温度推定値によって前記電流制御値を制限するモータ過熱保護手段と、起動時に前記温度検出手段からの温度をモータ磁性体温度の基準値とし、前記基準値及びモータ磁性体温度推定手段からの温度推定値を加算して補正し、補正されたモータ磁性体温度推定値によって前記電流制御値を制限するモータ低温減磁保護手段とを備え、前記コントロールユニット過熱保護手段から出力される電流制限値、前記モータ過熱保護手段から出力される電流制限値、前記モータ低温減磁保護手段から出力される電流制限値のいずれか制限の大きい方で前記電流制御値を制限することによって達成される。
【0013】
又、前記コントロールユニット過熱保護手段は、推定したモータ駆動素子温度によって、電流制限を必要としない温度T1と、前記コントロールユニットが連続通電可能な電流値まで制限を必要とする温度T2と、モータ電流を遮断する必要のあるモータ駆動素子の温度T3とによって前記電流制限値を算出して、前記電流制御値を制限するようにしても良い。更に、前記モータ過熱保護手段は、前記モータブラシ温度推定値によって、電流制限を必要としない温度T1と、モータが連続通電可能な電流値まで制限を必要とする温度T2と、モータ電流を遮断する必要のあるモータブラシ温度T3とによって電流制限値を算出して、前記電流制御値を制限するようにし、前記モータ低温減磁保護手段は、前記モータ磁性体温度推定値によって、前記モータの磁性体の減磁が発生しない温度T1以上の場合は電流制限を行なわず、前記モータの磁性体の減磁が発生する温度T1以下の場合、減磁の影響のない電流値となるように電流制限値を算出して前記電流制御値を制限するようにしても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明では、コントロールユニットのモータ駆動回路の熱放射器又はFETが取り付けられている付近のプリント基板上に、例えばサーミスタのような温度検出手段を設けて実際の温度を検出する。ここで検出された温度を、予め求めておいた温度検出手段からFETジャンクションまでの熱抵抗や熱容量で補正して、FETのジャンクション温度を算出する。起動時にコントロールユニットの温度検出手段から得られた温度は、車室内の雰囲気温度とほぼ等価と言えるので、その温度はモータ起動時の温度とも言える。そこで、モータの温度は、この起動時のコントロールユニット内の温度を基準温度として、起動後は、例えばモータ電流などから相対的なモータ温度を推定して、上記基準温度を補正してモータ推定温度とする。このとき、このモータ推定温度は、モータブラシの温度を推定するように補正する。同様に起動時のコントロールユニット内の温度をモータ磁性体の基準温度として、起動後は、例えばモータ電流などから相対的なモータ温度を推定して、起動時のモータ磁性体温度の基準温度とこの基準温度値及びモータ磁性体温度推定手段から得られる温度推定値とを加算して補正し、これを補正されたモータ磁性体温度推定値とする。また、モータの相対的な温度推定は、モータの角速度ω=0の時に、モータ端子間電圧及びモータ電流からモータ抵抗を算出し、そのモータ抵抗からモータのブラシや磁性体の相対的な温度を推定しても良い。
【0015】
本発明では、上記方法で得られたFETのジャンクション推定温度から、コントロールユニット過熱保護手段においてモータ電流制限値を算出し、モータのブラシ推定温度からモータ過熱保護手段においてモータ電流制限値を算出し、モータの磁性体温度からモータ低温減磁保護手段においてモータ電流制限値を算出し、それぞれの電流制限値の中で制限の大きい方で電流制御値を制限するようにする。
【0016】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0017】
先ず本発明の構成例を、図12に対応させて図1に示す。本発明では、コントロールユニット30A内のモータ駆動回路37にモータ駆動回路温度検出手段60を設け、その検出温度TをFETジャンクション温度推定手段50、モータブラシ温度推定手段52及びモータ磁性体温度推定手段54に入力する。各推定手段50、52、54で推定された温度信号をそれぞれコントロールユニット(ECU)過熱保護手段51、モータ過熱保護手段53、モータ低温減磁保護手段55に入力し、各保護手段51、53、55からの各電流制限値は切換手段61を介して操舵補助指令値演算器32に入力される。また、FETジャンクション温度推定手段50、モータブラシ温度推定手段52及びモータ磁性体温度推定手段54には、モータ電流検出回路38からのモータ電流値iが入力されており、切換手段61の各接点は順次切換えられるようになっている。
【0018】
コントロールユニット過熱保護手段51は、FETのジャンクション温度推定値によって図2に示すように3つの状態に分けて考える。即ち、最大電流出力が可能で電流を制限しない温度T1以下の範囲と、コントロールユニット30Aが連続通電可能な電流値まで徐々に制限する温度T1〜T2の範囲と、FETの最高ジャンクション温度でモータ電流を遮断する必要のある温度T2〜T3の範囲と考える。温度T1は最大電流出力が可能なジャンクション温度であり、温度T2は連続定格出力が可能なジャンクション温度であり、温度T3はFETジャンクションの最高温度である。また、モータ過熱保護手段53は、モータブラシ温度推定値によって図3に示すように3つの状態に分けて考える。即ち、最大電流出力可能で電流制限を必要としない温度T1以下の範囲と、モータが連続通電可能な電流値まで制限を必要とする温度T1〜T2の範囲と、モータ電流を遮断する必要のあるモータブラシ温度T2〜T3の範囲と考える。温度T1は最大電流出力が可能なブラシ温度であり、温度T2は連続定格出力が可能なブラシ温度であり、温度T3はモータ耐熱限界温度である。更に、モータ低温減磁保護手段55は、モータ磁性体温度推定値によって図4に示すように、モータの磁性体の減磁が発生しない温度T1以上の場合は電流制限を行なわず、モータの磁性体の減磁が発生する温度T1以下の場合は減磁の影響のない電流値となるように電流制限値を算出し、電流制御値を制限する。
【0019】
以上の、コントロールユニット過熱保護手段51、モータ過熱保護手段53及びモータ低温減磁保護手段55の3つの保護手段から算出されたモータ電流制限値の内で電流制限の大きい値を採用して、電流制御値を制限する。
【0020】
図5は本発明の動作例を示しており、先ず予め定められたコントロールユニット過熱保護電流制限値Lecuを読込み(ステップS1)、順次モータ過熱保護電流制限値Lmot(ステップS2)及びモータ低温減磁保護電流制限値Lmagを読込み(ステップS3)、コントロールユニット過熱保護電流制限値Lecuとモータ過熱保護電流制限値Lmotの大小を判定する(ステップS4)。ステップS4において、Lecu>Lmotであれば、更にコントロールユニット過熱保護電流制限値Lecuとモータ低温減磁保護電流制限値Lmagの大小を判定し(ステップS5)、ステップS5においてLecu>Lmagであればコントロールユニット過熱保護による電流制限値Lecuで電流制御値を制限する(ステップS10)。上記ステップS4においてLecu≦Lmotであれば、モータ低温減磁保護電流制限値Lmagとモータ過熱保護電流制限値Lmotの大小を判定し(ステップS6)、Lmag>Lmotの場合及び上記ステップS5でLecu≦Lmagであればモータ低温減磁保護による電流制限値Lmagで電流制御値を制限し(ステップS20)、Lmag≦Lmotであればモータ過熱保護による電流制限値Lmotで電流制御値を制限する(ステップS30)。
【0021】
図6は、図5のステップS10おけるコントロールユニット過熱保護の動作例を示しており、先ずFETのジャンクション温度推定値Tfetを読込み(ステップS11)、所定温度T1(図2参照)との大小を判定し(ステップS12A)、Tfet<T1であれば電流制限値を“0”として最大電流を出力する(ステップS13)。上記ステップS12AでTfet≦T1であれば更に所定温度T2との大小を判定し(ステップS12B)、Tfet<T2であればFETのジャンクション温度Tfetから電流制限値Lecuを算出し(ステップS14)、電流制限値をLecuとする(ステップS15)。また、上記ステップS12BでTfet≧T2であれば更に別の所定温度T3との大小を判定し(ステップS12C)、Tfet<T3であればモータの連続定格電流まで制限するような電流制限値Lecu−maxを決定し(ステップS16)、電流制限値をLecu−maxとする(ステップS17)。そして、上記ステップS12Cにおいて、Tfet≧T3であればモータ電流をOFFするような電流制限値Lecu−offを決定し(ステップS18)、電流制限値をLecu−offとする(ステップS19)。
【0022】
また、図5のステップS20の詳細は図7のようになっており、先ずモータ磁性体温度推定値Tfelを読込み(ステップS21)、所定温度T1(図4参照)との大小を判定し(ステップS22)、Tfel>T1であれば電流制限値を“0”として最大電流出力とする(ステップS23)。上記ステップS22でTfel≦Tであればモータ磁性体温度Tfelから電流制限値Lfelを算出し(ステップS24)、電流制限値をLfelとする(ステップS25)。
【0023】
また、図8は図5のステップS30におけるモータ過熱保護の動作例を示しており、先ずモータブラシ温度推定値Tbrshを読込み(ステップS31)、所定温度T1(図3参照)との大小を判定し(ステップS32A)、Tbrsh<T1であれば電流制限値を“0”として最大電流を出力する(ステップS33)。上記ステップS32AでTbrsh≧T1であれば更に所定温度T2との大小を判定し(ステップS32B)、Tbrsh<T2であればモータブラシ温度Tbrshから電流制限値Lbrshを算出し(ステップS34)、電流制限値をLbrshとする(ステップS35)。
【0024】
また、上記ステップS32BでTbrsh≧T2であれば更に別の所定温度T3との大小を判定し(ステップS32C)、Tbrsh<T3であればモータの連続定格電流まで制限するような電流制限値Lbrsh−maxを決定し(ステップS36)電流制限値をLbrsh−maxとする(ステップS37)。そして、上記ステップS32Cにおいて、Tbrsh≧T3であればモータ電流をOFFするような電流制限地Lbrsh−offを決定し(ステップS38)、電流制限値をLbrsh−offとする(ステップS39)。
【0025】
【発明の効果】
本発明では、モータ駆動回路もしくはコントロールユニットに温度検出手段を設けると共に、コントロールユニットの制限電流、モータ過熱保護の制限電流及びモータ低温減磁保護の制限電流を定め、各温度に応じた制限電流を指示するようにしているので、効率的で経済的なモータ保護を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるコントロールユニットの過熱保護を説明するための図である。
【図3】本発明によるモータ過熱保護を説明するための図である。
【図4】本発明によるモータ低温減磁保護を説明するための図である。
【図5】本発明による電流制限値の選択動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明によるコントロールユニットの過熱保護の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本発明によるモータ低温減磁保護の動作例をしめすフローチャートである。
【図8】本発明によるモータ過熱保護の動作例を示すフローチャートである。
【図9】電動パワーステアリング装置の一例を示すブロック構成図である
【図10】コントロールユニットの一般的な内部構成を示すブロック図である。
【図11】モータ駆動回路の一例を示す結線図である。
【図12】従来のモータ保護装置の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 操向ハンドル
5 ピニオンラック機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
30,30A コントロールユニット
50 FETジャンクション温度推定手段
52 モータブラシ温度推定手段
54 モータ磁性体温度推定手段
60 モータ駆動回路温度検出手段

Claims (4)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基いてステアリング機構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、コントロールユニットのモータ駆動回路に設けられた温度検出手段と、前記温度検出手段で得られた温度に基づいてモータ駆動素子温度を推定して、前記推定温度によって前記電流制御値を制限するコントロールユニット過熱保護手段と、起動時に前記温度検出手段からの温度をモータブラシ温度の基準値とし、前記基準値及びモータブラシ温度推定手段からの温度推定値を加算して補正し、補正されたモータブラシ温度推定値によって前記電流制御値を制限するモータ過熱保護手段と、起動時に前記温度検出手段からの温度をモータ磁性体温度の基準値とし、前記基準値及びモータ磁性体温度推定手段からの温度推定値を加算して補正し、補正されたモータ磁性体温度推定値によって前記電流制御値を制限するモータ低温減磁保護手段とを備え、前記コントロールユニット過熱保護手段から出力される電流制限値、前記モータ過熱保護手段から出力される電流制限値、前記モータ低温減磁保護手段から出力される電流制限値のいずれか制限の大きい方で前記電流制御値を制限するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記コントロールユニット過熱保護手段は、推定したモータ駆動素子温度によって、電流制限を必要としない温度T1と、前記コントロールユニットが連続通電可能な電流値まで制限を必要とする温度T2と、モータ電流を遮断する必要のあるモータ駆動素子の温度T3とによって前記電流制限値を算出して前記電流制御値を制限するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記モータ過熱保護手段は、前記モータブラシ温度推定値によって、電流制限を必要としない温度T1と、モータが連続通電可能な電流値まで制限を必要とする温度T2と、モータ電流を遮断する必要のあるモータブラシ温度T3とによって電流制限値を算出して前記電流制御値を制限するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記モータ低温減磁保護手段は、前記モータ磁性体温度推定値によって、前記モータの磁性体の減磁が発生しない温度T1以上の場合は電流制限を行なわず、前記モータの磁性体の減磁が発生する温度T1以下の場合、減磁の影響のない電流値となるように電流制限値を算出して前記電流制御値を制限するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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