JP5050520B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は電動パワーステアリング装置に関し、特にラックエンド保護機能等の保護機能動作時及び応答性制御機能動作時の操舵フィーリングを向上した電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング装置にモータの回転力で補助力(操舵補助力)を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を、減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助力を付与するようになっている。このような電動パワーステアリング装置の構成を、図13を参照して説明する。操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が、減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット100には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力され、コントロールユニット100には、トルクセンサ10からの操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vが入力され、操舵トルクT及び車速Vに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
このように構成された電動パワーステアリング装置の制御装置について、図14を参照して説明する。
トルクセンサで検出された操舵トルクTと、車速センサで検出された車速Vとが電流指令値決定部110内のアシストマップ111に入力され、アシストマップ111で算出された操舵補助指令値Iref1が加算部112に加算される。また、補償値演算部113で演算される補償値、例えば収れん性演算部113A、慣性演算部113B、SAT(セルフアライニングトルク)推定部113Cでそれぞれ算出された収れん性、慣性、SATの補償値を加算部114及び115で加算し、求められた補償値CMを更に加算部112で操舵補助指令値Iref1に加算してトルク指令値Trefを決定する。トルク指令値Trefは電流指令値演算部116に入力され、電流指令値演算部116はトルク指令値Trefに基づいて電流指令値Iref2を決定し、減算部101に入力する。また、モータ20へ供給されるモータ電流Imは、電流検出部104で検出されて減算部101へ減算入力される。減算部101では、その偏差ΔI(=Iref2−Im)が算出される。
なお、モータ20がブラシレスDCモータの場合には、電流指令値演算部116にはトルク指令値Trefの他に回転子のロータ角度θが入力される。
減算部101で算出された偏差ΔIは、電流制御部120内の比例制御部121(比例ゲインKp)及び積分制御部122(積分ゲインKi)に入力される。比例制御部121及び積分制御部122の出力は加算部123で加算され、加算値が電圧指令値Vrefとして出力される。電圧指令値VrefはPWM制御部102に入力され、生成されたPWM信号をインバータ回路103に入力してモータ20を駆動する。
以上が、電動パワーステアリング装置の制御において、電流制御部120に比例積分制御を用いた場合の説明である。ここで、比例積分に関するゲインGiを式で表すと、数1のように示される。
Figure 0005050520
つまり、偏差ΔIが小さい値であっても、ゲインGiが無限大になるために、ハンドル保舵時や、ゆっくりした操舵時にも電圧指令値Vrefは大きな値として出力され、以下のような問題が発生する。
つまり、最近の電動パワーステアリング装置は大容量化しているが、CPUを中心として構成される制御装置に用いられるAD変換器などは、コストアップにならないようにするために例えば分解能10ビットのままなので、大電流化においてその分解能が相対的に粗くなってきている。そして、この分解能の粗さによって発生するノイズのような演算誤差が、保舵時やゆっくりした操舵時の偏差ΔIが小さい時のゲインが無限大となるフィードバックゲインによって増幅され、ハンドルの振動や騒音となって、運転者に不快な感じを与える問題がある。
ところで、電動パワーステアリング装置の電流制御においては、積分制御(I制御)、比例積分制御(PI制御)や比例積分微分制御(PID制御)が一般的に用いられる。しかし、積分項を含む電流制御は、そのゲインが定常状態において無限大となるために、電動パワーステアリング装置の定常状態である保舵状態や、ゆっくりした操舵した場合に、ハンドルを介して振動や騒音を感じて、ハンドル操舵時に不快感を覚える問題がある。
そこで、特開2000−108916号公報(特許文献1)ではこの問題を解決すべく、フィードバック制御において、電流指令値と実際のモータ電流との偏差を積分項を含む電流制御系に入力する前に調整ゲインを設け、偏差が小さい場合は調整ゲインを小さくし、偏差が大きい場合は調整ゲインを大きくするような工夫を施している。
しかし、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、電流フィードバックの偏差に応じて変化する調整ゲインを決定する設計が難しく、また、積分項のゲインが無限大であるため、調整ゲインをいくら小さくしても、トータルのゲインは大きくなってしまい、ハンドル保舵時やゆっくりした操舵時に発生する振動や騒音を感じる問題は解決されていない。
また、外部からのノイズが信号などに混入してコントロールユニットに入力されると、ノイズ信号に基づいて電流指令値等が誤って演算され、これによりハンドルに微振動が生じ、操舵フィーリングが悪化する場合がある。この微振動は、特にハンドルを保舵しているときに顕著に現れる。
そこで、保舵状態におけるハンドルの微振動を防止するために、ハンドルが保舵状態であるか操舵状態であるかを判別し、保舵状態である場合には操舵状態時に比べて電流指令値を低く設定することが考えられる。ハンドルが保舵状態であるか操舵状態であるかは、モータの回転速度(角速度)を検出することにより判別できる。即ち、モータの回転速度が所定速度以下であれば保舵状態であり、所定速度よりも大きければ操舵状態であると判別できる。
しかし、モータの回転速度のみに基づいて保舵状態か操舵状態かを判別する場合には、ハンドルを中立位置(車両直進状態)で保舵している状態から一方側に切り込んだ場合などに、モータの回転速度の立ち上がりが遅いため、保舵状態から操舵状態に切り替わったことの検出に遅れが生じ、これにより操舵補助に遅れが生じる恐れがある。
かかる問題を解決する装置として特開2001−253358号公報(特許文献2)に開示されたものがある。即ち、特許文献2の装置は、電動パワーステアリング制御の操舵手段に加えられる操舵トルクの時間変化量であるトルク微分値を検出するトルク微分値検出手段と、トルク微分値検出手段によって検出されるトルク微分値に基づいて、操舵状態が保舵状態であるか操舵状態であるかを判別する状態判別手段と、状態判別手段の判別結果に基づいて、モータの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段とを設けている。
特開2000−108916号公報 特開2001−253358号公報
しかしながら、特許文献2の装置では、モータやコントロールユニット(ECU)の過熱を防ぐために、特にラックエンド付近で電流が大きくなったとき、電流を小さくして過熱しにくくするラックエンド保護機能が作動して出力電流が制限され、同時に応答性制御機能が働いて制御ゲインが低下したときに、ラックエンド付近において振動が発生し、ドライバに違和感を与える問題がある。
本発明は、上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、保舵時のハンドルの振動や騒音を低減できると共に、通常操舵時の操舵性能も確保でき、ラックエンドや過熱保護等の保護機能作動時及び応答性制御時においても違和感のない操舵フィーリングを達成できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値を決定する電流指令値決定部と、前記モータの角速度を検出若しくは推定するモータ角速度検出部と、前記電流指令値に基づいて電流制御を行う電流制御部と、前記電流制御された電流で前記モータを駆動制御する駆動制御部とを備えた電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記操舵トルク、前記電流指令値及び前記モータの回転に基づいてラックエンドを判定するラックエンド判定部と、温度センサの温度及びモータ電流に基づいて前記モータ若しくは制御系全体の過熱を検出する過熱検出部とを有し、前記ラックエンド判定部で前記ラックエンドが判定されたとき又は前記過熱検出部で前記過熱が検出されたときに、前記電流指令値決定部及び前記駆動制御部により電流を制限する保護機能部と、操舵状態を検出する操舵状態検出部を有し、前記操舵状態検出部で保舵が検出されたときに、切替制御部を介して前記電流制御部により電流を制限して電流制御の応答性を下げる応答性制御部とを具備し、前記保護機能部の判定結果に基づいて前記切替制御部を切替えることにより達成される。
本発明の上記目的は、前記保護機能部が少なくとも前記過熱又は前記ラックエンドを検出すると共に、前記操舵状態検出部が前記保舵を検出した時のみ、前記保舵から復帰したときの制御応答性の回復時間を通常より短くしていることにより、或いは前記応答性制御部の操舵判定から保舵判定に遷移した際の応答性の徐変時間と、前記保舵判定から前記操舵判定に遷移した際の応答性の徐変時間を個別に設定してあることにより、或いは前記操舵状態検出部による保舵状態と保舵状態以外の検出において、前記保舵状態が検出されたときの電流制御の応答性を、前記保舵状態以外の検出のときの応答性より下げるように前記切替制御部が設定されていることにより、或いは前記操舵状態検出部において通常操舵状態から前記保舵状態が検出されると同時に、前記応答性制御部は電流制御の応答性を時間T の間漸減し、前記操舵状態検出部において前記保舵状態の解除が検出されると同時に、前記応答性制御部は前記電流制御の応答性を時間T の間漸増し、前記時間T 及びT を個別に設定できるようにしていることにより、或いは前記保護機能部は動作せず、前記操舵状態検出部が前記保舵信号を出力し、前記応答性制御部により前記電流制御の応答性を漸減し、前記操舵状態検出部において前記保舵信号が解除されたときに漸増する時間T と、前記保護機能部が動作し、前記操舵状態検出部が前記保舵信号を出力し、前記応答性制御部において電流制御の応答性が漸減された状態において、前記操舵状態検出部において前記保舵信号が解除されたときに漸増する時間T とが個別に設定されていることにより、より効果的に達成される
また、本発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値を決定する電流指令値決定部と、前記モータの角速度を検出若しくは推定するモータ角速度検出部と、前記電流指令値に基づいて電流制御を行う電流制御部と、前記電流制御された電流で前記モータを駆動制御する駆動制御部とを備えた電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記操舵トルク、前記電流指令値及び前記モータの回転に基づいてラックエンドを判定するラックエンド判定部と、温度センサの温度及びモータ電流に基づいて前記モータ若しくは制御系全体の過熱を検出する過熱検出部とを有し、前記ラックエンド判定部で前記ラックエンドが判定されたとき又は前記過熱検出部で前記過熱が検出されたときに、前記電流指令値決定部及び前記駆動制御部により電流を制限する保護機能部と、操舵状態を検出する操舵状態検出部を有し、前記操舵状態検出部で保舵が検出されたときに、前記電流制御部により電流を制限して電流制御の応答性を下げる応答性制御部とを具備し、前記保護機能部が前記過熱又はラックエンドを判定したときに前記応答性制御部が作動しないようになっていることにより達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、モータ若しくは制御系全体(コントロールユニット、モータ駆動素子としてのFET、ハーネス等を含む)の過熱を防止するための過熱保護機能やラックエンド付近で電流を漸減するラックエンド保護機能を含んだ保護機能部と、保舵判定時に電流制御の応答性を下げる応答性制御部とを設け、保護機能部が作動すると同時に応答性制御部が作動した時のみ、保舵判定から復帰した時の応答性の回復時間を通常より短くするか、又は保護機能部が作動した時に応答性制御部が作動しないようにすることで、保舵時のハンドルの振動や騒音を低減できると共に、通常操舵時の操舵性能も確保でき、応答性制御時においても違和感或いはトルク変動を発生しないようにすることができる。また、保護機能が働いたときにラックエンド付近で、違和感或いはトルク変動を発生しないようにすることができる。
また、本発明によれば、大幅なソフトウェアの変更を必要とせず、既存機能に小変更を加えるだけで振動を補償することが可能であり、問題の事象(振動や異音)だけを改善しているため、他の操舵フィーリングへの影響も小さい。
本発明の電動パワーステアリング装置では、モータ若しくは制御系全体(コントロールユニット、モータ駆動素子としてのFET、ハーネス等を含む)の過熱を防止するための過熱保護機能や、ラックエンド付近で電流を漸減するラックエンド保護機能を含んだ保護機能部と、保舵判定時に電流制御の応答性を下げる応答性制御部とを設け、ラックエンドや過熱保護の保護機能が作動すると同時に応答性制御部が作動した場合のみ、保舵判定から復帰した時の応答性の回復時間を通常より短くするか、或いは保護機能部の保護機能が作動した場合に応答性制御部が作動しないようにしている。これにより、保舵時のハンドルの振動や騒音を低減できると共に、通常操舵時の操舵性能も確保でき、保護機能作動時においても違和感或いはトルク変動を発生しない操舵フィーリングを達成することができる。
なお、応答性制御部は、操舵状態を検出し、保舵状態と検出されたときに保舵信号を出力し、保舵状態以外と検出されたときに保舵信号を出力しないようにする操舵状態検出部と、操舵状態検出部により保舵状態が検出されたときの電流制御の応答性を、保舵状態が検出されていないときと比較して下げるように設定する切替制御部とで構成されている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
先ず、本発明の前提となる応答性制御部を具備した電動パワーステアリング装置の制御系の構成を、図1に示して説明する。
トルクセンサで検出された操舵トルクTと、車速センサで検出されるか或いはCANから送信される車速Vとが電流指令値決定部210に入力され、電流指令値決定部210で決定された電流指令値Irefが減算部202に入力される。減算部202には、電流検出部205で検出されたモータ電流Imが入力され、減算部202ではその偏差ΔI(=Iref−Im)を算出して電流制御部220内の電流制御器221に入力する。電流制御器221は、例えば進み遅れ関数で構成されている。本例では、進み遅れ関数の一例として(L・s+R)/(T・s+a)を用いている。ここで、Lはモータ200のインダクタンス値、Rはモータ200の抵抗値、Tは電流制御器221の時定数、aは定数である。PWM制御部203は電流制御部220からの電圧指令値Vrefを入力し、インバータ回路204へPWM信号を出力することにより、電圧指令値Vrefに基づいたPWM信号がインバータ回路204へ指示される。インバータ回路204はPWM信号に基づいてモータ200へモータ電流Imを供給する。
ハンドルの操舵状態を検出する操舵状態検出部230が設けられており、操舵状態検出部230が保舵状態を検出したときに保舵信号Hhを出力し、この保舵信号Hhが電流制御器221に入力されている。
ここで、応答性制御部の一構成要素である操舵状態検出部230について説明する。操舵状態検出部230には操舵トルクT、電流指令値Iref、車速V、モータ角度θ、モータ回転速度(角速度)ωの少なくとも1つが入力され、操舵状態検出部230は操舵トルクT、電流指令値Iref、車速V、モータ角度θ、モータ回転速度(角速度)ωの少なくとも1つを用いてハンドルの操舵状態を判別する。ハンドルの保舵状態を検出した場合に保舵信号Hhを出力し、通常操舵状態を検出した場合には保舵信号Hhを出力しないようになっている。なお、モータ角度θ、モータの角速度ωはロータ位置信号は、例えばレゾルバやホールセンサなどのロータ位置検出センサ201によって検出することができる。
電流制御器221は保舵信号Hhの有無と偏差ΔIとに基づいて、電圧指令値Vrefを出力する。具体的には、ハンドルが保舵状態であると判定され、操舵状態検出部230から電流制御器221に保舵信号Hhが入力されると、電流制御器221の時定数Tを大きくして電流制御応答性を保舵状態の電流制御応答性まで下げる。換言すれば、電流制御部220の制御ゲインを通常操舵状態ゲインから保舵状態ゲインまで下げる。これにより、応答性制御を行うことができる。
一方、操舵状態検出部230からの保舵信号Hhがない場合に、つまり、ハンドルが通常操舵状態であると判定された場合に、電流制御器の時定数Tを小さくすることによって、電流制御応答性を通常操舵状態の電流制御応答性に戻す。換言すれば、電流制御手段のゲイン(制御ゲイン)を保舵状態ゲインから通常操舵状態ゲインに上げる。
上記図1の例では、電流制御部220は電流制御器221のみで構成されているが、図2に示されるように、電流制御器221の前段に漸増又は漸減する徐変ゲイン部222を設け、徐変ゲイン部222に保舵信号Hhを入力するようにしても良い。
そして、操舵状態検出部230から保舵信号Hhが徐変ゲイン部222に入力された場合、徐変ゲインを下げることによって電流制御応答性を保舵状態の電流制御応答性まで下げる。換言すれば、電流制御部220の制御ゲインを通常操舵状態ゲインから保舵状態ゲインまで下げる。これによっても、図1と同様な作用効果を達成できる。
また、図3に示されるように、電流制御器221の後段に徐変ゲイン部223を設け、徐変ゲイン部223に保舵信号Hhを入力するようにしても良い。この場合にも、操舵状態検出部230からの保舵信号Hhが徐変ゲイン部223に入力されると、徐変ゲインを下げて電流制御応答性を保舵状態の電流制御応答性まで下げる。換言すれば、電流制御手部220の制御ゲインを通常操舵状態ゲインから保舵状態ゲインまで下げる。これによっても、図1若しくは図2と同様な作用効果を達成できる。
図4は電流制御器221の具体的な構成例を示す回路図であり、この電流制御器221では、電流制御応答性変更の前後で出力が一定となるように、積分の中間変数(Wn−1)を計算すれば、電流制御応答性を急に変えても出力が急変しない。
中間変数(Wn−1)リセットの具体例を数式で表すと、以下のようになる。
Figure 0005050520
Figure 0005050520
よって、上記数3において、yに前回出力yn−1を代入すれば、今回の出力yがyn−1に等しくなる。
図5は電流制御応答性(図3の例)の変更原理を説明するための模式図であり、例えば電流指令値Irefが10Aの時に、図示されるような電流波形があり、また、電流検出値Imは、図示されるような10Aの電流波形があり、よって、電流指令値Irefと電流検出値Imとの偏差ΔIは図示されるような0Aの電流波形がある。偏差ΔIは電流制御器221に入力され、操舵状態検出部230からの保舵信号Hhが徐変ゲイン部223に入力され、徐変ゲイン部223からは電圧指令値Vrefが出力される。保舵状態と判定された時に保舵信号Hhにより電流制御部220の応答性を下げ、これによって振動が小さくなり、保舵音が改善される。
次に、操舵状態検出部230における具体的な保舵状態判定条件について説明する。例えば、下記(A1)〜(A7)といった保舵状態判定条件が挙げられる。
(A1)操舵トルクTの微分値(時間変化量)が所定値以下である。
(A2)操舵トルクTが所定値範囲に属する。つまり、T<T<Tが成立する。
(A3)車速Vが所定値以下である。例えば、V≦8kphの場合である。
(A4)モータ角度θの変化がない時、つまり、モータ角度を検出するセンサの信号に
変化なしの場合である。例えばモータ角度センサとしてホールセンサを用いた
場合に、ホールICパターン継続時間≧0.2秒のときである。
(A5)モータ角度θの微分値が所定値以下である。
(A6)モータ角速度ωが所定値以下である。
(A7)電流指令値Irefが所定値範囲に属する。つまり、Iref<Iref<I
refが成立し、例えば2A<Iref<93Aの場合である。

つまり、上記保舵状態判定条件(A1〜A7)のうち、いくつかの判定条件を組み合わせて論理積(AND)をとり、結果が”TRUE”となると、操舵状態検出部230では、操舵状態が通常操舵状態から保舵状態に遷移した(切り替わった)と判断し、保舵信号を電流制御手段に出力する。
上記保舵状態判定条件(A1〜A7)以外の場合、或いは上記論理積の結果が”FALSE”の場合、操舵状態検出部230は保舵状態から通常操舵状態に戻った(遷移)と判断し、保舵信号Hhを出力しないようにする。
例えば、車速Vが大きい時は走行時の操舵性能を確保するため、電流制御応答性を常に通常操舵状態の電流制御応答性とする。また、電流指令値Irefが小さい時は、ハンドル中立位置付近の操舵性能を確保するため、電流制御応答性を保舵状態の電流制御応答性から通常操舵状態の電流制御応答性に戻す。さらに、電流指令値Irefが大きい時は、例えば図1の電動パワーステアリング装置において、電流制御器221の定数aにいくらかの値が入っているとき、電流制御応答性を下げるとゲインも下がり、電流の大きい領域での出力ダウンが大きいため、電流制御応答性を保舵状態の電流制御応答性から通常操舵状態の電流制御応答性に戻す。

上述のような応答性制御機能に加え、本発明ではラックエンド保護機能や過熱保護機能を含んだ保護機能部を設け、応答性制御と保護機能の効率的な制御を実現している。即ち、モータや制御系全体の過熱を防止するための過熱保護機能、ラックエンド付近で電流を漸減するラックエンド保護機能を含んだ保護機能部と、保舵判定時に電流制御の応答性を下げる応答性制御部とを設け、保護機能が作動すると同時に応答性制御部が作動したときのみ、保舵判定から復帰した時の電流制御の応答性の回復時間を通常より短くするか、或いはラックエンド保護機能が作動したときに応答性制御部が作動しないようにしている。
応答性制御部は上述のように保舵判定に入ると同時に電流制御の応答性をある時間で徐変(漸減)し、所定の応答性まで低下させる。逆に保舵判定から操舵判定に入ると、通常の電流制御の応答性まで所定時間で回復させる設定になっている。本発明は、保護機能が作動して且つ保舵条件に入り、応答性制御機能が動作条件に入った際にのみ電流制御の応答性の回復時間を通常時よりも短く設定し、短時間で制御の応答性を回復させるものである。そして、操舵判定から保舵判定に遷移した際の応答性の徐変時間と、保舵判定から操舵判定に遷移した際の応答性の徐変時間(回復時間)を個別に設定するようにしている。
ここで、ラックエンド保護機能について説明すると、タイヤが縁石等に当たりストッパに当たる前に操舵限界位置となった場合、或いはストッパに当てた場合などに、更に切増しをした場合や保持した場合に、電流が大きいまま保持されるとモータやコントロールユニット(ECU)が過熱してしまう。このような場合、電流を減少させて過熱しないようにする保護制御を実施する要請に答えるものであり、ラックエンド(近傍)は、操舵トルクT、電流指令値Iref及びモータ角度θによって判定することができる。即ち、ラックエンドは、操舵トルクT、電流指令値Irefがいずれも各スレッショルド以上であり、モータ角度θの変動が所定値以内である状態が所定時間継続したか否かにより判定することができる。
また、過熱保護はモータや制御系全体の異常過熱を防ぐことを主目的としており、機能の動作条件としては、モータの温度推定値がスレッショルド以上のときに異常加熱と判断し、ラックエンド保護同様に徐々に電流を制限する。モータ温度の推定としては、モータ相電流からの推定と、コントロールユニットの温度からの推定とがある。
図6は、図1に示す制御系にラックエンド保護機能としてのラッケエンド判定部240を設け、ラックエンド近傍が判定されたときにラックエンド信号Reを出力して電流指令値決定部210及びインバータ回路204に入力し、電流指令値決定部210からの電流指令値Irefを制限すると共に、モータ200への供給電流(Im)を制限する。また、操舵状態検出部230からの保舵信号Hhを入力して、ラックエンド信号Reによってパラメータや復帰時間等を制御する切替制御部241が設けられている。
このような構成において、その動作例を図7のフローチャートを参照して説明する。
先ず操舵状態検出部230において保舵状態か否かを判定し(ステップS10)、保舵状態でない通常操舵の場合には電流制御の応答性の回復時間を通常設定する(ステップS13)。なお、ラックエンド判定部240は、操舵トルクT、電流指令値Iref及びモータ角度θに基づいてラックエンド若しくはその近傍か否かを判定し、ラックエンド若しくはその近傍を判定したときにラックエンド信号Reを出力する。即ち、ラックエンド判定部240は、操舵トルクT、電流指令値Irefがいずれも各スレッショルド以上であり、モータ角度θの変動が所定値以内である状態が所定時間継続したときにラックエンド(付近)と判定し、ラックエンド信号Reを出力する。ラックエンド信号Reは切替制御部241に入力されると共に、電流指令値決定部210及びインバータ回路204に入力される。このとき、例えば電流指令値決定部210では、経過時間に応じて出力制限する。例えば通常時では100%ゲインを50%程度まで下げるゲイン部を電流指令値決定部210内に具備している。
上記ステップS10において保舵状態と判定された場合には、操舵状態検出部230は保舵信号Hhを出力し、切替制御部241は保護機能の動作条件か否かを判定する(ステップS11)。つまり、切替制御部241はラックエンド判定部240からラックエンド信号Reが入力されているか否かを判定する。保護機能の動作条件になっている場合、つまりラックエンド信号Reが入力されている場合には電流制御の応答性の回復時間を短く設定し(ステップS12)、リターンとなる。
なお、上記ステップS11において保護機能の動作条件でない場合、つまりラックエンド信号Reが入力されていない場合には、電流制御の応答性の回復時間を通常に設定してリターンする(ステップS13)。
このように本発明(実施例1)では、ラックエンド保護機能が作動すると同時に応答性制御部が作動したときのみ、保舵判定から復帰した時の電流制御の応答性の回復時間を通常より短くし、ラックエンド保護機能が作動していない場合には電流制御の応答性の回復時間を通常とする。
図8はその様子を示しており、通常操舵から保舵判定になると時間Tの間徐変(漸減)し、保舵判定時に保護機能動作条件にある場合には実線のように短い時間Tの間徐変して操舵判定とするが、保舵判定時に保護機能動作条件にない場合には破線のように通常時の長い操舵判定時間Tとなる。本実施例では、保舵判定に入って電流制御の応答性が下がり、同時に保護機能(ラックエンド保護)が作動している場合にのみ、通常の電流制御の応答性までの回復時間を短くしている。
また、図9は本発明の他の構成例(実施例2)を示しており、ラックエンド保護機能としてのラックエンド判定部240を設け、ラックエンド近傍が判定されたときにラックエンド信号Reを出力して操舵状態検出部230に入力し、電流指令値決定部210からの電流指令値Irefを制限すると共に、モータ200への供給電流(Im)を制限する。また、ラックエンド信号Reを操舵状態検出部230に入力し、ラックエンド信号Reが入力されたときには応答性制御機能をオフし、操舵状態検出部230から保舵信号Hhを出力しないようにしている。
このような構成において、その動作例を図10のフローチャートを参照して説明する。
先ず操舵状態検出部230において保舵状態か否かを判定し(ステップS20)、保舵状態でない通常操舵の場合には応答性制御機能を作動させてリターンする(ステップS23)。なお、ラックエンド判定部240は、操舵トルクT、電流指令値Iref及びモータ角度θに基づいてラックエンド(付近)か否かを判定し、ラックエンド若しくはその近傍を判定したときにラックエンド信号Reを出力する。上記ステップS20において保舵状態と判定された場合には、保護機能の動作条件か否かを判定し(ステップS21)、保護機能の動作条件になっている場合、つまりラックエンド判定部240からラックエンド信号Reが入力されている場合には、応答性制御機能をオフして保舵信号Hhを出力しないようにし(ステップS22)、リターンとなる。つまり、ラックエンド信号Reが入力されている場合には、保舵状態であっても保舵信号Hhによる応答性制御を行わない。
なお、上記ステップS21において保護機能の動作条件でない場合には、つまりラックエンド判定部240からラックエンド信号Reが入力されていない場合には、応答性制御機能をオンして応答性制御を可能にし、リターンする(ステップS23)。
このように本実施例では保舵判定に入り、同時にラックエンド保護機能が働いた場合には、応答性制御能が動作しないようにしている。
なお、本発明の実施例1及び2では、応答性制御機能を具備した図1の制御系に保護機能部を設けた例を示しているが、図2及び図3の制御系にラックエンド保護機能を設けても同様な制御が可能である。
次に、上述の例では保護機能部としてラックエンド保護機能を挙げて説明したが、過熱保護機能単独、或いはラックエンド保護機能及び過熱保護機能の並列的制御も可能である。
図11の実施例3は、過熱保護と応答性制御を行う場合の構成例を図6(実施例1)に対応させて示しており、モータ電流Imや温度センサ251に基づいて過熱を検出する過熱検出部250が設けられている。過熱検出部250がモータや制御系全体の過熱を検出した場合には過熱信号Hdを出力し、過熱信号Hdをラックエンド信号Reと同様に電流指令値決定部210及びインバータ回路204に入力して電流制限すると共に、切替制御部241に入力する。このとき、例えば電流指令値決定部210では、過熱の程度に応じて出力制限する。例えば通常時では100%ゲインを50%程度まで下げるゲイン部を電流指令値決定部210内に具備している。切替制御部241はラックエンドの場合と同様に、先ず保護機能の動作条件か否か、つまり過熱検出部250から過熱信号Hdが出力されているか否かを判定し、過熱信号Hdが出力されている場合には電流制御の応答性の回復時間を短く設定し、過熱信号Hdが出力されていない場合には電流制御の応答性の回復時間を通常に設定する。これにより、ラックエンドの場合と同様な応答性制御を行うことができる。
なお、上述ではモータ電流Im、温度センサ251によって過熱を検出しているが、操舵トルクT、車速V、モータ角度θ、モータ電流Im、電流指令値Iref、バッテリ電圧の少なくとも1つを用いてモータ状態を検出し、モータ状態から検出することも可能である。
また、過熱保護機能単独においても、図9(実施例2)の場合と同様に過熱信号Hdを操舵状態検出部230に入力し、過熱を判定した場合、つまり過熱検出部250から過熱信号Hdが出力されている場合には応答性制御機能をオフし、過熱信号Hdが出力されていない場合には応答性制御機能をオンする。
更に図12に示す実施例4は、ラックエンド保護機能及び過熱保護機能を並列的に制御する構成例を図6及び図11に対応させて示しており、ラックエンド判定部240及び過熱検出部250が設けられており、ラックエンド信号Re及び過熱信号HdはそれぞれOR回路252及び253に入力されている。OR回路252からの制御信号CSは切替制御部241に入力され、OR回路253からの保護信号PRは電流指令値決定部210及びインバータ回路204に入力される。
本実施例の場合、ラックエンド判定部240からラックエンド信号Reが出力されるか、又は過熱検出部250から過熱信号Hdが出力されると、OR回路252から制御信号CSが出力されて切替制御部241に入力されると共に、OR回路253から保護信号PRが出力されて電流指令値決定部210及びインバータ回路204に入力される。切替制御部241は、先ず保護機能の動作条件か否か、つまり過熱検出部250から過熱信号Hdが出力されているか又はラックエンド判定部240からラックエンド信号Reが出力されているか、つまりOR回路252から制御信号CSが入力されているか否かを判定し、制御信号CSが入力されている場合には電流制御の応答性の回復時間を短く設定する。この場合、OR回路253から保護信号PRが出力され、電流指令値決定部210及びインバータ回路204に入力されることにより電流制限も行われる。
また、切替制御部241にOR回路252から制御信号CSが入力されていない場合には電流制御の応答性の回復時間を通常に設定する。この場合には、OR回路253から保護信号PRも出力されないので、電流指令値決定部210及びインバータ回路204による電流制限は行われない。
なお、このようなラックエンド保護機能及び過熱保護機能の並列的制御においても、図9(実施例2)の場合と同様に保護信号PRを操舵状態検出部230に入力し、過熱若しくはラックエンド付近を判定した場合には応答性制御機能をオフし、過熱若しくはラックエンド付近を判定せず保護信号PRが出力されていない場合には応答性制御機能をオンするようにしても良い。
なお、本発明の実施例3及び4では、応答性制御機能を具備した図1の制御系に保護機能部を設けた例を示しているが、図2及び図3の制御系にラックエンド保護機能、過熱保護機能を設けても同様な制御が可能である。
また、図8に示す回復時間Tは、保護の程度に応じて一点鎖線で示すように調整されても良い。つまり、保護機能が動作したことで制御ゲインが低下し、応答性に振動などが発生するのであるから、保護の程度(出力低減割合)に応じて適切な回復時間を設定することで、保舵時の微振動を抑制しながら前述した課題を解決することができる。
本発明の前提となる制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の前提となる制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の前提となる制御装置の構成例を示すブロック図である。 電流制御器の具体的な構成例を示す回路図である。 電流制御応答性の変更を説明するための模式図である。 本発明に係る制御装置の構成例(実施例1)を示すブロック図である。 本発明の動作例(実施例1)を示すフローチャートである。 本発明の動作例を説明するための図である。 本発明に係る制御装置の構成例(実施例2)を示すブロック図である。 本発明の動作例(実施例2)を示すフローチャートである。 本発明に係る制御装置の構成例(実施例3)を示すブロック図である。 本発明に係る制御装置の構成例(実施例4)を示すブロック図である。 従来の電動パワーステアリング装置の一般的な構成図である。 従来の電動パワーステアリング装置の制御装置の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
3 減速ギア
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 バッテリ
20、200 モータ
100 コントロールユニット
110、210 電流指令値決定部
120、220 電流制御部
201 位置検出センサ
203 PWM制御部
204 インバータ回路
230 操舵状態検出部
240 ラックエンド判定部
241 切替制御部
250 過熱検出部
251 温度センサ
252、253 OR回路

Claims (7)

  1. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値を決定する電流指令値決定部と、前記モータの角速度を検出若しくは推定するモータ角速度検出部と、前記電流指令値に基づいて電流制御を行う電流制御部と、前記電流制御された電流で前記モータを駆動制御する駆動制御部とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルク、前記電流指令値及び前記モータの回転に基づいてラックエンドを判定するラックエンド判定部と、温度センサの温度及びモータ電流に基づいて前記モータ若しくは制御系全体の過熱を検出する過熱検出部とを有し、前記ラックエンド判定部で前記ラックエンドが判定されたとき又は前記過熱検出部で前記過熱が検出されたときに、前記電流指令値決定部及び前記駆動制御部により電流を制限する保護機能部と、
    操舵状態を検出する操舵状態検出部を有し、前記操舵状態検出部で保舵が検出されたときに、切替制御部を介して前記電流制御部により電流を制限して電流制御の応答性を下げる応答性制御部と、
    を具備し、前記保護機能部の判定結果に基づいて前記切替制御部を切替えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記保護機能部が少なくとも前記過熱又は前記ラックエンドを検出すると共に、前記操舵状態検出部が前記保舵を検出した時のみ、前記保舵から復帰したときの制御応答性の回復時間を通常より短くしている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記応答性制御部の操舵判定から保舵判定に遷移した際の応答性の徐変時間と、前記保舵判定から前記操舵判定に遷移した際の応答性の徐変時間を個別に設定してある請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記操舵状態検出部による保舵状態と保舵状態以外の検出において、前記保舵状態が検出されたときの電流制御の応答性を、前記保舵状態以外の検出のときの応答性より下げるように前記切替制御部が設定されている請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記操舵状態検出部において通常操舵状態から前記保舵状態が検出されると同時に、前記応答性制御部は電流制御の応答性を時間T の間漸減し、前記操舵状態検出部において前記保舵状態の解除が検出されると同時に、前記応答性制御部は前記電流制御の応答性を時間T の間漸増し、前記時間T 及びT を個別に設定できるようにしている請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記保護機能部は動作せず、前記操舵状態検出部が前記保舵信号を出力し、前記応答性制御部により前記電流制御の応答性を漸減し、前記操舵状態検出部において前記保舵信号が解除されたときに漸増する時間T と、前記保護機能部が動作し、前記操舵状態検出部が前記保舵信号を出力し、前記応答性制御部において電流制御の応答性が漸減された状態において、前記操舵状態検出部において前記保舵信号が解除されたときに漸増する時間T とが個別に設定されている請求項4又は5に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値を決定する電流指令値決定部と、前記モータの角速度を検出若しくは推定するモータ角速度検出部と、前記電流指令値に基づいて電流制御を行う電流制御部と、前記電流制御された電流で前記モータを駆動制御する駆動制御部とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルク、前記電流指令値及び前記モータの回転に基づいてラックエンドを判定するラックエンド判定部と、温度センサの温度及びモータ電流に基づいて前記モータ若しくは制御系全体の過熱を検出する過熱検出部とを有し、前記ラックエンド判定部で前記ラックエンドが判定されたとき又は前記過熱検出部で前記過熱が検出されたときに、前記電流指令値決定部及び前記駆動制御部により電流を制限する保護機能部と、
    操舵状態を検出する操舵状態検出部を有し、前記操舵状態検出部で保舵が検出されたときに、前記電流制御部により電流を制限して電流制御の応答性を下げる応答性制御部と、
    を具備し、前記保護機能部が前記過熱又はラックエンドを判定したときに前記応答性制御部が作動しないようになっていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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