JP3405292B2 - 車両の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

車両の電動パワーステアリング装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、操舵ハンドルの回
動操作に対してアシスト力を付与する電動モータを備え
た車両の電動パワーステアリング装置に係り、特に、電
動モータに流れる電流を制限して装置(電動モータ、電
気制御装置)の過熱防止を行う電動パワーステアリング
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の電動パワーステアリング装置
は、例えば特開平9−24845号公報に開示されてい
るように、操舵補助力(アシスト力)を発生する電動モ
ータと、電動モータの電流を制御する電気制御装置を備
えている。この電気制御装置は、操舵ハンドルの操舵状
態に応じた指令電流値を設定する手段と、前記電動モー
タに流れる電流の平均値(平均電流値)に応じて監視信
号を発生する手段とを備え、監視信号が発生したときに
前記指令電流値に対して前記平均電流値に応じた制限を
加え、この制限された指令電流値に応じた電流を前記電
動モータに流すように構成されている。また、運転者が
イグニッションスイッチを一旦オフ状態へと変更し、そ
の直後にオン状態へと変更した場合においても、前記指
令電流値の制限が適切になされるようにするため、前記
監視信号が発生している間はイグニッションスイッチが
オフ状態とされても電気制御装置に電源を供給し続けて
前記平均電流値を求めておき、イグニッションスイッチ
が再びオン状態とされたとき、この平均電流値に基づい
て前記指令電流値の制限を行うように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、イグニッションスイッチがオフ状
態へと変更された後であっても、監視信号が消滅しない
限り車両のバッテリから電気制御装置へ電源の供給が継
続されるため、バッテリの負担が大きいという問題があ
る。 【0004】 【本発明の概要】本発明の特徴は、車両電動パワーステ
アリング装置が、操舵ハンドルの回動操作に対してアシ
スト力を付与する電動モータと、操舵ハンドルの操舵状
態に応じてアシスト電流値ICTRLを決定するアシスト電
流値決定手段と、前記電動モータの通電状態に応じて更
新されていく前記電動モータの過熱状態を表す値SQIMSU
Mがモータ電流制限判定値ITHよりも大きいときは電流制
限値を小さくするように同電流制限値を更新するととも
に、前記アシスト電流値ICTRLを同電流制限値により制
限して最終アシスト電流値IFINALを決定する最終アシス
ト電流値決定手段と、電力供給を受けることなくデータ
を保持する記憶手段と、イグニッションスイッチがオン
状態からオフ状態へと変更されたときに前記電動モータ
の過熱状態を表す値SQIMSUMと前記モータ電流制限判定
値ITHの最大値ITH0の比率を前記電流制限値に関するデ
ータとして前記記憶手段に記憶させるとともに、前記イ
グニッションスイッチがオフ状態からオン状態へと変更
されたときに前記記憶された電流制限値に関するデータ
に応じた値を前記電動モータの過熱状態を表す値SQIMSU
Mの初期値とする初期値設定手段と、前記最終アシスト
電流値に応じた電流を前記電動モータに流すモータ通電
手段とを備えたことにある。 【0005】これによれば、アシスト電流値決定手段が
操舵ハンドルの操舵状態に応じてアシスト電流値ICTRL
を決定し、最終アシスト電流値決定手段は電動モータの
通電状態に応じて更新されていく電動モータの過熱状態
を表す値SQIMSUMがモータ電流制限判定値ITHよりも大き
いときは電流制限値を小さくするように同電流制限値を
更新するとともに、前記アシスト電流値ICTRLを同電流
制限値により制限して最終アシスト電流値IFINALを決定
する。また、初期値設定手段は、イグニッションスイッ
チがオン状態からオフ状態へと変更されたときに前記電
動モータの過熱状態を表す値SQIMSUMと前記モータ電流
制限判定値ITHの最大値ITH0の比率を前記電流制限値に
関するデータとして記憶手段に記憶させるとともに、前
記イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態へと
変更されたときに前記記憶された電流制限値に関するデ
ータに応じた値を前記電動モータの過熱状態を表す値SQ
IMSUMの初期値とする。このように、イグニッションス
イッチがオン状態からオフ状態となったとき、バッテリ
に負担を与えることなく電流制限値に関するデータ(値
SQIMSUMに応じたデータ)を保持することが可能となる
とともに、次にイグニッションスイッチがオン状態とな
ったときに保持しているデータ(記憶値SQIMSUMA)を読
み出して加工し、これを電動モータの通電状態に応じて
更新されていく電動モータの過熱状態を表す値SQIMSUM
の初期値とするので、イグニッションスイッチがオン状
態から一旦オフ状態とされ、その後オンの状態に短時間
内に変更された場合であっても、電流制限値が適切な値
となる。従って、最終アシスト電流値(IFINAL)を最適
な値とすることができ、駆動回路や電動モータの過熱を
防止することができる。また、電動モータの過熱状態を
表す値SQIMSUMAを電力供給を受けることなくデータを保
持する記憶手段に格納して保持させるので、イグニッシ
ョンスイッチがオフ状態にあるときに余分な電力を必要
とせず、バッテリの消耗を防止することができる。更
に、上記構成では、電流制限値のデータの一つである電
動モータの過熱状態を表す値SQIMSUMを記憶値SQIMSUMA
として記憶させる場合の基準となる値をモータ電流制限
判定値の最大値ITH0 としている。これは、通常は値SQI
MSUMがモータ電流制限判定値(の最大値ITH0)以上とな
ると、モータ電流値に制限が加わることになるから、同
値SQIMSUMAがモータ電流制限 判定値の最大値ITH0 より
も極めて大きくなることは考えにくく、従って、モータ
電流制限判定値の最大値ITH0を基準としてその比率を記
憶することにより、少ない容量を使用しつつ記憶される
データの精度を向上することができるからである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ説明すると、図1は本発明による電
動パワーステアリング装置の概略をブロック図により示
していて、この電動パワーステアリング装置は、電気制
御回路10と同電気制御回路10と接続された駆動回路
20とを含んで構成される電気制御ユニット(以下「E
CU」と称する。)25と、駆動回路20により通電制
御される直流電動モータ30とを備えている。 【0007】電動モータ30は、操舵ハンドル(ステア
リングホイール)31の回動操作による前輪の操舵に対
してアシスト力を付与するもので、減速機構32を介し
て操舵軸33にトルク伝達可能に取付けられていて、そ
の回転に応じてラックバー34を軸線方向に駆動し、同
ラックバー34にタイロッドを介して連結されている前
輪を操舵する。前記操舵軸33には操舵トルクセンサ3
5が組みつけられていて、同操舵トルクセンサ35は操
舵軸33に作用する操舵トルクTMを検出して同トルクを
表す操舵トルク信号を出力する。 【0008】次に、図1に示した電動パワーステアリン
グ装置の電気系統の詳細について図2を参照しつつ説明
すると、電気制御回路10は、マイクロコンピュータ
(CPU)11と、入力インターフェース12と、出力
インターフェース13と、EEPROM14(Electric
al Erasable PROM)とから構成されていて、CPU11
は、後述するプログラム及びマップ等を記憶したメモリ
11aを内蔵している。 【0009】入力インターフェース12は、バスを介し
てCPU11に接続されるとともに、前述した操舵トル
クセンサ35、車速Vを検出する車速センサ41、エン
ジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサ42、
及び駆動回路20のプリント基板上に配設され同プリン
ト基板の温度TMPBORDを検出する基板温度センサ23と
接続され、CPU11に対し各センサの検出信号を供給
するようになっている。 【0010】出力インターフェース13は、バスを介し
てCPU11に接続されるとともに、駆動回路20、及
び常開(ノーマリー・オープン)型のリレー21に接続
されていて、CPU11からの指令に基づきこれらの導
通状態を変更する信号を送出するようになっている。ま
た、EEPROM14は、車両バッテリ50からの電源
の供給を受けない状態においてもデータを記憶・保持す
る記憶手段であり、バスを介してCPU11と接続され
ていて、電源供給時においてはCPU11から供給され
るデータを記憶(格納)するとともにCPU11の要求
に応じて保持しているデータを同CPU11に供給する
ようになっている。 【0011】駆動回路20は、ゲートが出力インターフ
ェース13にそれぞれ接続されたMOSFETからなる
4個のスイッチング素子Tr1〜Tr4と、2つの抵抗
20a,20bと、前述した基板温度センサ23とを備
えている。抵抗20aの一端は、車両に搭載されたバッ
テリ50の電源ラインLに上流側端子が接続されたリレ
ー21の下流側端子に接続されていて、同抵抗20aの
他端はスイッチング素子Tr1,Tr2の各ソースに接
続されている。スイッチング素子Tr1,Tr2のドレ
インは、スイッチング素子Tr3,Tr4のソースにそ
れぞれ接続され、同スイッチング素子Tr3,Tr4の
ドレインは抵抗20bを介して接地されている。また、
スイッチング素子Tr1とTr3との間は電動モータ3
0の一側に接続され、スイッチング素子Tr2とTr4
との間は電動モータ30の他側に接続されている。な
お、電動モータ30の両端、及び抵抗20bとスイッチ
ング素子Tr3,Tr4との間は入力インターフェース
12に接続されていて、これによりCPU11が電動モ
ータ30のモータ端子間電圧Vtとモータ電流値IMOTR
とを入力し得るようになっている。 【0012】以上の構成により、駆動回路20(即ち、
電動モータ30)はリレー21がオン(閉成)したときに
バッテリ50から電源の供給を受け得る状態となり、ス
イッチング素子Tr1,Tr4が選択的に導通状態(オ
ン状態)とされたとき、電動モータ30に所定の方向の
電流が流れて同モータ30は右回転し、スイッチング素
子Tr2,Tr3が選択的に導通状態とされたとき、電
動モータ30に前記所定の方向と反対方向の電流が流れ
て同モータ30は左回転する。また、リレー21がオフ
(開成)したときには電動モータ30の電源供給経路が
遮断され、同モータ30への通電は停止する。 【0013】前記バッテリ50の電源ラインLには、運
転者によりオン(閉成)状態又はオフ(開成)状態に切
換えられるイグニッションスイッチ(I/Gスイッチ)
22の一端が接続されている。イグニッションスイッチ
22の他端はダイオードD1を介してCPU11、入力
インターフェース12、出力インターフェース13、E
EPROM14、及び操舵トルクセンサ35に接続され
ていて、イグニッションスイッチ22がオン状態とされ
たとき、それぞれに電源が供給されるようになってい
る。また、ダイオードD1の下流は、リレー21の下流
側から前記ダイオードD1の下流側へ向う電流のみを許
容するダイオードD2を介して前記リレー21の下流側
端子と接続されていて、リレー21がオン状態とされた
ときは、イグニッションスイッチ22の状態にかかわら
ず、CPU11、入力インターフェース12、出力イン
ターフェース13、EEPROM14、及び操舵トルク
センサ35に同リレー21を介して電源が供給されるよ
うになっている。 【0014】次に、上記のように構成した電動パワース
テアリング装置の作動について、図3〜図13を参照し
て説明する。図3,図4及び図7〜13は、CPU11
が実行するプログラム(ルーチン)をフローチャートに
て示したものであり、図3のルーチンはイグニッション
スイッチ22がオフ状態からオン状態へと変更されたと
きに、図4及び図7〜図12は所定時間の経過毎に、図
13はイグニッションスイッチ22がオン状態からオフ
状態に変更されたときに、それぞれ実行されるものであ
る。 【0015】先ず、運転者が、車両の運転を開始するた
めにイグニッションスイッチ22をオフ状態からオン状
態へと変更すると、CPU11は図3に示したイグニッ
ションスイッチオン時制御のルーチンをステップ300
から開始してステップ305に進み、同ステップ305
にてEEPROM14が記憶・保持しているモータ電流
2乗積算記憶値SQIMSUMAにモータ電流制限判定値の最大
値ITH0 の1/4を乗じた値をモータ電流2乗積算値SQI
MSUMの初期値として設定する。なお、モータ電流制限判
定値の最大値ITH0とモータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMA
については後述する。次いで、CPU11はステップ3
10にてリレー21をオン状態に変更し、ステップ39
5に進んで、本ルーチンを終了する。 【0016】その後、CPU11は所定のタイミングに
て図4に示したメインルーチンの処理をステップ400
から開始し、ステップ410に進んで基本目標電流値TK
IHONの演算を行う。この演算は、操舵トルクセンサ35
のからの操舵トルクTMと、車速センサ41からの車速V
と、メモリ11aに記憶されている図5に示した基本目
標電流マップ(テーブル)とに基づいて、その時点の基
本目標電流値TKIHONを求めるものである。なお、基本目
標電流マップは車速別(この場合、低車速、中車速、高
車速)に区分されていて、CPU11は、実際の車速V
に最も近い車速及び次に近い車速に対応した2つの基本
目標電流マップ(車速Vと基本目標電流TKIHONとの関係
線)から、それぞれ基本目標電流値TKIHONを求め、それ
らを車速Vに関して補間計算して最終的な基本目標電流
値TKIHONを決定する。 【0017】次いで、CPU11は図4のステップ42
0に進み、モータの慣性感等を低減して操舵フィーリン
グを向上するための慣性補償電流値TKANの演算を行う。
具体的には、操舵トルクセンサ35からの操舵トルクTM
の時間微分値を求め、図6(A)に示したマップと同操
舵トルクTMの時間微分値(dTM/dt)とから、同操舵ト
ルクTMの時間微分値dTM/dtが大きいほど大きくなる慣
性補償電流基本値TKANBを求めるとともに、図6(B)
に示したマップと実際の車速Vとからゲインk1を求め、
これらの積(=k1・TKANB)を最終的な慣性補償電流値T
KANとする。 【0018】次いで、CPU11は図4のステップ43
0に進み、操舵ハンドル31の戻り性能(中立点への復
帰性能)を向上するため、及び操舵に伴う機械系の摩擦
を補償するたのハンドル戻し制御電流値TMODの演算を行
う。具体的には、図7に詳細なフローチャートを示した
ように、CPU11はステップ710にて電動モータ3
0の端子間電圧Vt、同電動モータ30の電流値IMOTR
に正負の符号を付した符号付きモータ電流値IMOTRS、及
び電圧方程式(K・ω=Vt−R・IMOTRS、ここでKは
定数,Rは電動モータ30の端子間の抵抗値)とから、
電動モータ30の回転角速度ωを求め、これに所定の定
数を乗じて操舵角速度推定値STRVを求める。なお、符号
付き電動モータ電流値IMOTRSは、既に求められている最
終アシスト電流値IFINAL(後述)の符号と同じ符号をモ
ータ電流値IMOTRに付したものである。 【0019】次に、CPU11はステップ720にて操
舵角速度推定値STRVと同ステップ720中に示したマッ
プからハンドル戻し制御電流基本値TMODBを求め、ステ
ップ730にて操舵角速度推定値STRVと同ステップ73
0中に示したマップから摩擦補償電流基本値TMASABを求
め、続くステップ740にて車速Vと同ステップ740
中に示したマップからゲインk2を求める。 【0020】次いで、CPU11はステップ750にて
フラグFMODの値が「1」か否かを判定する。このフラグ
FMODは、その値「1」にて操舵ハンドル31が戻し状態
にあることを示すものであり、操舵トルクTMが正の値で
あり且つ操舵角速度推定値STRVが負の値である状態が所
定時間以上継続した場合に「1」に設定され、この場合
には操舵角速度推定値STRVが正の値となったときに
「0」に設定される。同様に、フラグFMODは、操舵トル
クTMが負の値であり且つ操舵角速度推定値STRVが正の値
である状態が所定時間以上継続した場合に「1」に設定
され、この場合には操舵角速度推定値STRVが負の値とな
ったときに「0」に設定される。 【0021】そして、CPU11はフラグFMODの値が
「1」の場合には、ステップ760にてハンドル戻し制
御電流基本値TMODBにゲインk2を乗じた値を今回のハン
ドル戻し制御電流値TMODXに設定し、FMODの値が「0」
の場合には、ステップ770にて摩擦補償電流基本値TM
ASABにゲインk2を乗じた値を今回のハンドル戻し制御電
流値TMODXに設定する。次いでCPU11は、ハンドル
戻し制御電流値TMODの急変を防止するために、ステップ
780に示した計算式(ここで、knm1は0〜1の定数)
を用いてハンドル戻し制御電流値TMODをなまし、最終的
なハンドル戻し制御電流値TMODを演算する。 【0022】次いで、CPU11は図4のステップ44
0に進み、高車速でのハンドル操舵の収斂性、及び運転
者が操舵ハンドル31を所定の角度に操舵している状態
から更に角度を増大する(切り込む)際の手応え感等の
向上を図るためのダンピング制御電流値TDAMPの演算を
行う。具体的には、図8に詳細なフローチャートを示し
たように、CPU11はステップ810にて操舵トルク
TMの絶対値が所定の閾値THDより小さいか否かを判定
し、小さい場合(「Yes」と判定される場合)にはス
テップ820に進んで操舵角速度推定値STRVと、同ステ
ップ820中に示したマップとからダンピング制御電流
基本値TDAMPBを演算する。 【0023】次に、CPU11はステップ830へと進
み、車速Vと同ステップ830に示したマップとからゲ
インk3を求め、ステップ840にて今回のダンピング制
御電流値TDAMPXにダンピング制御電流基本値TDAMPBとゲ
インk3の積値を設定する。一方、前記ステップ810に
て「No」と判定される場合には、ステップ850に
て、今回のダンピング制御電流値TDAMPXを「0」に設定
する。そして、CPU11はステップ860にてダンピ
ング制御電流値TDAMPの急変を防止するために、ステッ
プ860に示した計算式(ここで、knm2は0〜1の定
数)を用いてダンピング制御電流値TDAMPをなまし、最
終的なダンピング制御電流値TDAMPを演算する。 【0024】なお、上記ステップ810にて操舵トルク
TMの絶対値が所定の閾値THDより大きい場合に、ステッ
プ850にてダンピング制御電流値TDAMPXを「0」に設
定するのは、ダンピング制御値自体は操舵に対して反力
を付与して操舵フィーリングを向上しようとするもので
あるが、真に操舵ハンドル31をすばやく且つ大きく操
舵する必要がある場合には、同ダンピング制御値を小さ
くしてその操舵を優先させるようにする必要があるため
である。 【0025】次いで、CPU11は図4のステップ45
0に進み、ECU25(駆動回路20)内のスイッチン
グ素子Tr1〜Tr4を過熱から保護するためのECU
側電流制限値ILECUを演算する。具体的には、図9に詳
細なフローチャートを示したように、CPU11はステ
ップ910にて電動モータ30の電流値IMOTRを擬似的
に積分した第1電動モータ電流積分値ISUM1を求める。
即ち、電動モータ30の電流値IMOTRと0〜1までの所
定のなまし係数ke1とを用い、同ステップ910に示し
た計算式にしたがって求めた値を第1電動モータ電流積
分値ISUM1とする。 【0026】同様に、続くステップ920にて電動モー
タ30の電流値IMOTRを擬似的に積分した第2電動モー
タ電流積分値ISUM2を、電流値IMOTRと0〜1までの値で
あってなまし係数ke1より大きな係数ke2とを用い、同ス
テップ920に示した計算式にしたがって求める。そし
て、ステップ930にて、第1電動モータ電流積分値IS
UM1と第2電動モータ電流積分値ISUM2の和を求め、その
和を電動モータ電流積分値ISUMとする。なお、なまし係
数ke1はなまし係数ke2より小さいので、第1電動モータ
電流積分値ISUM1は主としてモータ電流値の定常的な変
動を反映した値となり、一方、なまし係数ke2はなまし
係数ke1より大きいので、第2電動モータ電流積分値ISU
M2は主としてモータ電流値の過渡的な変化を反映した値
となる。従って、これらの和である電動モータ電流積分
値ISUMは、実際に電動モータ30に流れるモータ電流値
の積分値によく近似した値となる。 【0027】次いで、CPU11はステップ940へと
進み、所定の係数ke3と、電動モータ電流積分値ISUM
と、基板温度センサ23が検出する基板温度TMPBORDと
を用いて同ステップ940に示した計算式(TMPECU=ke
3・ISUM+TMPBORD)にしたがった演算を行い、スイッチ
ング素子Tr1〜Tr4の推定温度TMPECUを求める。こ
こで、基板温度TMPBORDはECUの雰囲気温度と良く相
関する値であり、また、電動モータ電流積分値ISUMはス
イッチング素子Tr1〜Tr4の発熱による温度上昇分
と良く相関する値である。従って、上記のように基板温
度TMPBORDに電動モータ電流積分値ISUMを定数倍した値
を加えたスイッチング素子推定温度TMPECUは、実際のス
イッチング素子Tr1〜Tr4(MOSジャンクション)
の温度を精度良く表す値となる。 【0028】その後、CPU11は、ステップ950に
て、スイッチング素子推定温度TMPECUと同ステップ95
0に示したマップとから、ECU側電流制限値ILECUを決定
する。これにより、ECU側電流制限値ILECUはスイッチン
グ素子推定温度TMPECUが高いほど小さくなる値となり、
電動モータ30の電流値をより小さい値に制限するもの
となる。 【0029】次いで、CPU11は、図4のステップ4
60に進み、電動モータ30を過熱から保護するための
モータ側電流制限値ILMOTRを演算する。具体的には、図
10に詳細なフローチャートを示したように、CPU1
1はステップ1005にて操舵角速度推定値STRVの絶対
値が所定の操舵角速度(閾値)THSTRVより大きいか否か
を判定する。これは、操舵中であるか保舵中(操舵ハン
ドル31を所定角度だけ回動した状態に保つ状態)であ
るかを区別するためである。 【0030】そして、CPU11はステップ1005に
て「Yes」(操舵中)と判定するとステップ1010
に進んで熱収支バランス電流THSQIMに第1の所定値(4
0A)を設定し、ステップ1005にて「No」(保舵
中)と判定するとステップ1015にて熱収支バランス
電流THSQIMに前記第1の所定値より小さい第2の所定値
(20A)を設定し、ステップ1020にて電動モータ
30のモータ電流値IMOTRから熱収支バランス電流THSQI
Mを減算した値を熱収支バランス化後電流(単に、バラ
ンス化後電流ともいう。)IMBARAとして設定する。上記
熱収支バランス電流THSQIMの大きさは、操舵中と保舵中
のそれぞれの状態において電動モータ30に常時通電し
たときに、電動モータ30が過熱状態以下の所定の温度
にて温度的に平衡状態に達する電流値であり、予め実験
的に求められている。 【0031】次いで、CPU11はステップ1025に
進んで熱収支バランス化後電流IMBARAが「0」以上か否
かを判定し、熱収支バランス化後電流IMBARAが「0」以
上の場合にはステップ1030に進み、同ステップ10
30にて熱収支バランス化後電流IMBARAを2乗した値に
所定の正の係数kupを乗じた値をその時点のモータ電流
2乗積算値SQIMSUMに加え、その結果を新たなモータ電
流2乗積算値SQIMSUMとし、ステップ1035にてオー
バーフローガードをかけてステップ1040へと進む。
一方、ステップ1025にて熱収支バランス化後電流IM
BARAが「0」より小さい場合にはステップ1045に進
み、熱収支バランス化後電流IMBARAを2乗した値に所定
の正の係数kdwnを乗じた値をその時点のモータ電流2乗
積算値SQIMSUMから減算し、その結果を新たなモータ電
流2乗積算値SQIMSUMとし、ステップ1050にて
「0」以下とならないようにガードをかける。 【0032】次に、CPU11はステップ1040にて
基板温度 TMPBORDの増大にしたがって低下するモータ電
流制限判定値ITHを、実際の基板温度TMPBORDとステップ
1040に示したマップから決定する。なお、基板温度
TMPBORDが小さいとき、モータ電流制限判定値ITHは最大
値ITH0となる。次いで、CPU11はステップ1055
にてモータ電流2乗積算値SQIMSUMがモータ電流制限判
定値ITH以上か否かを判定し、判定結果が「Yes」で
ある場合にはステップ1060にてその時点のモータ側
電流制限値ILMOTRから正の所定値αを減算した値を新た
なモータ側電流制限値ILMOTRとし、一方ステップ105
5の判定結果が「No」である場合にはステップ106
5にてその時点のモータ側電流制限値ILMOTRに正の所定
値βを加えた値を新たなモータ側電流制限値ILMOTRとす
る。その後、CPU11はステップ1070にてモータ
側電流制限値ILMOTRを所定の上下限値(上限値Imax,下
限値Imin)でガードし、以上によりモータ側電流制限値
ILMOTRが決定される。 【0033】上記図10に示したルーチンのステップ1
005から1015において、保舵中の熱収支バランス
電流THSQIMの値(20A)が操舵中の熱収支バランス電
流THSQIMの値(40A)よりも小さくなるように設定し
ているのは、保舵中にあっては電動モータ30の回転角
度の変化が小さいので、同モータ30のブラシ部等が過
熱しやすいことを考慮したことによる。即ち、保舵中に
おいては、熱収支バランス電流THSQIMの値(20A)を
操舵中のそれ(40A)よりも小さい値とし、これによ
り熱収支バランス化後電流IMBARAを大きくさせてモータ
電流2乗積算値SQIMSUMを増大し易くさせ、以ってモー
タ側電流制限値ILMOTRを小さくし易くして、電動モータ
30の過熱を有効に防止する。 【0034】また、上記熱収支バランス電流THSQIMは、
その大きさの電流を電動モータ30に通電し続けても同
電動モータ30が過熱温度以下の温度(例えば150
℃)で温度的に平衡状態となると考えられる値に選択さ
れているので、ステップ1020にて実際のモータ電流
値IMOTRから熱収支バランス電流THSQIMを減算して求め
られる熱収支バランス化後電流IMBARAは、電動モータ3
0の放熱特性が加味された値となり、電動モータ30自
体の通電による平衡温度からの温度変化分に強い相関を
有する値となる。 【0035】また、ステップ1030,1045にて、
そのときのモータ電流2乗積算値SQIMSUMに熱収支バラ
ンス化後電流IMBARAを2乗した値に係数kupを乗じた値
を加算し、又はそのときのモータ電流2乗積算値SQIMSU
Mから熱収支バランス化後電流IMBARAを2乗した値に係
数kdwn(kupと異なる)係数を乗じた値を減算すること
としている。これは、一つには、バランス化後電流値を
2乗した2乗電流値は、平衡温度からの温度上昇又は温
度下降の程度をよく表した値となるため、これに基づけ
ばモータ電流2乗積算値SQIMSUMを電動モータの過熱状
態を精度良く表す値とすることができるからである。ま
た、係数kupとkdwnとを異なる値とすることにより、モ
ータ電流2乗積算値SQIMSUMを、装置(電動モータ3
0)の温度上昇特性と放温度下降特性により一層適合
(マッチング)した値とすることができるからである。 【0036】また、ステップ1040でモータ電流制限
判定値ITHを基板温度 TMPBORDの増大にしたがって低下
する値とし、モータ電流2乗積算値SQIMSUMがモータ電
流制限判定値ITHよりも大きいときステップ1060に
てモータ側電流制限値ILMOTRを小さくすることとしたの
は、基板温度TMPBORDが高いときはモータの過熱が発生
しやすいことから、モータ側電流制限値ILMOTRを早めに
低下させる必要があるからである。 【0037】また、上記ステップ1070では、モータ
側電流制限値ILMOTRが許容値(下限値)Iminよりも小さ
くならないようにガードをかけるが、この許容値Iminは
保舵時の熱収支バランス電流THSQIM(20A)と同一に
しておくことが好適である。このようにすれば、電動モ
ータ31は過熱することはなく、また、アシスト力を少
しでも発生させることができるからである。 【0038】上記モータ側電流制限値ILMOTRの演算後、
CPU11は図4のステップ470に進み、図11に詳
細に示した電流制限値ILTEMP演算ルーチンを実行する。
具体的には、ステップ1105にてモータ電流2乗積算
値SQIMSUMの増大に伴って負の値から正の値へと増大す
る電流制限加減値ILFGを、モータ電流2乗積算値SQIMSU
Mと同ステップ1105に示したマップから求め、ステ
ップ1110にて基板温度センサ23が異常か否かを判
定する。例えば、基板温度センサ23が示す基板温度TM
PBORDが予定している温度範囲の最低値以下(例えば−
20℃以下)又は最大値以上(例えば200℃以上)で
ある場合、或いはモータ電流積算値ISUMが所定値以上変
化したにもかかわらず基板温度TMPBORDが所定時間に亘
り変化しない場合等が検出されたとき、基板温度センサ
23が異常であると判定する。 【0039】ステップ1110にて基板温度センサ23
が異常であると判定されるとき、CPU11はステップ
1115に進み、電流制限値ILTEMPから電流制限加減値
ILFGを減算した値を新たな電流制限値ILTEMPとして、ス
テップ1135へと進む。上記ステップ1105〜11
15は、基板温度センサ23が異常となった場合であっ
ても、適切な電流制限値ILTEMPを得るために設けたステ
ップである。 【0040】一方、ステップ1110にて基板温度セン
サ23が異常でないと判定されるとき、CPU11はス
テップ1120に進んでECU側電流制限値ILECUとモータ
側電流制限値ILMOTRとを比較し、ECU側電流制限値ILECU
がモータ側電流制限値ILMOTRより小さいときステップ1
125にて電流制限値ILTEMPにECU側電流制限値ILECUを
設定し、ECU側電流制限値ILECUがモータ側電流制限値IL
MOTRより大きいときステップ1130にて電流制限値IL
TEMPにモータ側電流制限値ILMOTRを設定して、ステップ
1135へと進む。以上のステップ1120〜1130
は、ECU側電流制限値ILECUとモータ側電流制限値ILMOTR
のうち、小さい方を最終的な電流制限値ILTEMPとするた
めのステップである。そして、CPU11はステップ1
135に進み、同ステップ1135にて電流制限値ILTE
MPを0〜50Aでガードして電動モータ30の通電状態
に応じた最終的な電流制限値ILTEMPを決定する。 【0041】次いで、CPU11は、図4のステップ4
80に進み、図12に詳細に示した最終アシスト電流値
IFINALの演算ルーチンを実行する。具体的には、CPU
11はステップ1205にて、慣性補償電流値TKANとハ
ンドル戻し制御電流値TMODの和を慣性・戻し電流値TKM
とし、ステップ1210〜ステップ1225の実行によ
り慣性・戻し電流値TKMの絶対値がガード値KGを超えな
いようにガードし、ステップ1230に進む。 【0042】次いで、CPU11はステップ1230に
て基本目標電流値TKIHON、慣性・戻し電流値TKM、及び
ダンピング制御電流値TDAMPの和を求め、この和をアシ
スト電流値ICTRLとし、ステップ1235にて同アシス
ト電流値ICTRLの絶対値と電流制限値ILTEMPとを比較す
る。そして、アシスト電流値ICTRLの絶対値が電流制限
値ILTEMPよりも大きいときはステップ1240にて同ア
シスト電流値ICTRLの正負を判定し、正であるときには
ステップ1245にて最終アシスト電流値IFINALを電流
制限値ILTEMPとし、負であるときにはステップ1250
にて最終アシスト電流値IFINALを電流制限値ILTEMPの符
号を逆転した値(‐ILTEMP)とした後、ステップ129
5に進んで本ルーチンを一旦終了する。一方、ステップ
1235にてアシスト電流値ICTRLの絶対値が電流制限
値ILTEMPよりも小さいと判定されるときは、CPU11
はステップ1255にてアシスト電流値ICTRLを最終ア
シスト電流値IFINALとし、ステップ1295に進んで本
ルーチンを一旦終了する。以上により電流制限値ILTEMP
による制限がなされたアシスト電流値(最終アシスト電
流値)IFINALが決定される。 【0043】なお、上記ステップ1210〜ステップ1
225の実行により慣性・戻し電流値TKMの絶対値がガ
ード値KGを超えないようにガードするのは次の理由によ
る。即ち、本電動パワーステアリング装置は、図示しな
いサブのCPUにてメインCPU11を監視している
が、サブのCPUには操舵トルクTMしか入力されていな
いため、メインのCPU11が計算したアシスト電流値
ICTRLが異常に大きい値であるか否かを判定する判定値
を、操舵トルクTMと図5に示した基本目標電流値TKIHON
マップから求めた値に所定の電流値(例えば5A)を加
えたものとしている。従って、操舵トルクTMとは独立し
て得られる慣性補償電流値TKANとハンドル戻し制御電流
値TMODの和である慣性・戻し電流値TKMを所定の電流値
(5A)よりも小さくガードしておかない場合には、計
算値は正常であるにもかかわらず、異常であると判定さ
れることがあるからである。 【0044】次いで、CPU11は、図4のステップ4
90にて上記最終アシスト電流値IFINALに基づき、周知
のPID制御、及びPWM制御を実施してスイッチング
素子Tr1〜Tr4の各々の通電時間を決定し、これに
応じて駆動回路20に制御信号を発生する。その結果、
電動モータ30には最終アシスト電流値IFINALに応じた
電流が流れ、同電流に応じたアシスト力が操舵軸33に
付与される。そして、CPU11はステップ495にて
本ルーチンを一旦終了し、所定時間後に再び同ルーチン
をステップ400から開始する。 【0045】次に、この状態においてイグニッションス
イッチ22がオン状態からオフ状態へと変更された場合
について説明すると、CPU11はイグニッションスイ
ッチ22のオン状態からオフ状態への変更をトリガとし
て図13に示したルーチンをステップ1300から開始
し、ステップ1305に進む。CPU11は、同ステッ
プ1305にてモータ電流2乗積算値SQIMSUMがモータ
電流制限判定値の最大値ITH0 の1/4より小さいか否
かを判定し、モータ電流2乗積算値SQIMSUMがモータ電
流制限判定値の最大値ITH0 の1/4より小さい場合に
はステップ1310にてEEPROM14内に格納され
るモータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAに値「0」を設定
する。即ち、モータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAの値を
「0」としてEEPROM14に記憶させる。 【0046】ステップ1305にて「No」と判定され
る場合には、CPU11はステップ1315にてモータ
電流2乗積算値SQIMSUMがモータ電流制限判定値の最大
値ITH0 の1/4以上〜1/2の範囲にあるか否かを判
定し、その判定結果が「Yes」である場合にはステッ
プ1320にてモータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAに値
「1」を格納してステップ1340に進む。また、ステ
ップ1315にて「No」と判定される場合には、CP
U11はステップ1325にてモータ電流2乗積算値SQ
IMSUMがモータ電流制限判定値の最大値ITH0 の1/2以
上〜3/4の範囲にあるか否かを判定し、その判定結果
が「Yes」である場合にはステップ1330にてモー
タ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAに値「2」を格納してス
テップ1340に進む。そして、ステップ1325にて
「No」と判定される場合には、ステップ1335にて
モータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAに値「3」を格納
し、ステップ1340に進み、同ステップ1340にて
リレー21をオフ状態に変更する。 【0047】以上により、イグニッションスイッチ22
がオン状態からオフ状態へと変更された時点にて、電流
制限値ILTEMPに関するデータの一つであるモータ電流2
乗積算値SQIMSUMがモータ電流制限判定値の最大値ITH0
に対する比率に応じた値に変換され、その変換後の値が
EEPROM14内にモータ電流2乗積算記憶値SQIMSU
MAとして記憶される。これにより、運転者が再びイグニ
ッションスイッチ22をオフ状態からオン状態へと変更
したとき、図3に示したルーチンにより、この記憶され
たモータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAにモータ電流制限
判定値の最大値ITH0 の1/4を乗じた値が求められ、
その値が以降に電動モータ30の通電状態に応じて更新
されるモータ電流2乗積算値SQIMSUMの初期値とされる
(図3のステップ305、及び図10のステップ103
0,1045参照)。 【0048】以上に説明したように、本発明による実施
形態の電動パワーステアリング装置は、各々がバッテリ
50からの電力供給を受けて機能する手段であって、操
舵ハンドル31の操舵状態に応じたアシスト電流値(IC
TRL)を決定するアシスト電流値決定手段(ステップ4
10〜440)と、電動モータ30の通電状態に応じて
電流制限値を更新するとともに前記アシスト電流値を同
電流制限値により制限して最終アシスト電流値(IFINA
L)を決定する最終アシスト電流値決定手段(ステップ
450〜480)と、最終アシスト電流値(IFINAL)に応
じた電流を電動モータ30に流すモータ通電手段(ステ
ップ490,駆動回路20、リレー21等)とを備えた
車両の電動パワーステアリング装置において、電力供給
を受けることなくデータを保持する記憶手段(EEPR
OM14)と、イグニッションスイッチ22がオン状態
からオフ状態へと変更されたときに前記電流制限値に関
するデータ(SQIMSUMに応じたデータ)を前記記憶手段
に記憶させるとともに(ステップ1305〜133
5)、前記イグニッションスイッチがオフ状態からオン
状態へと変更されたときに前記記憶されたデータに応じ
た値を前記電流制限値の初期値とする初期値設定手段
(ステップ305)とを備えている。 【0049】従って、イグニッションスイッチ22がオ
ン状態からオフ状態となったとき、バッテリ50に負担
を与えることなく電流制限値に関するデータ(モータ電
流2乗積算値SQIMSUMに応じたデータ)を保持すること
が可能となるとともに、次にイグニッションスイッチ2
2がオン状態となったときに保持しているデータ(モー
タ電流2乗積算記憶値SQIMSUMA)を読み出して加工し、
これを電動モータ30の通電状態に応じて更新されてい
くモータ電流2乗積算値SQIMSUMの初期値とするので、
イグニッションスイッチ22がオン状態から一旦オフ状
態とされ、その後オンの状態に短時間内に変更された場
合であっても、電流制限値ILTEMPが適切な値となる。従
って、最終アシスト電流値(IFINAL)を最適な値とする
ことができ、駆動回路20や電動モータ30の過熱を防
止することができる。また、モータ電流2乗積算記憶値
SQIMSUMAをEEPROM14内に格納して保持させるの
で、イグニッションスイッチ22がオフ状態にあるとき
に余分な電力を必要とせず、バッテリ50の消耗を防止
することができる。 【0050】なお、上記実施形態においては、電流制限
値のデータの一つであるモータ電流2乗積算値SQIMSUM
をモータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAとして記憶させる
場合の基準となる値をモータ電流制限判定値の最大値IT
H0 としている。これは、通常はモータ電流2乗積算値S
QIMSUMがモータ電流制限判定値(の最大値ITH0)以上と
なると、モータ電流値IMOTRに制限が加わることから、
モータ電流2乗積算値SQIMSUMがモータ電流制限判定値
の最大値ITH0 よりも極めて大きくなることは考えにく
く、従って、同モータ電流制限判定値の最大値ITH0を
準としてその比率を記憶することにより、少ない容量を
使用しつつ記憶されるデータの精度を向上する(LSBを
小さくする)ことができるからである。 【0051】以上、本発明の一実施形態について説明し
てきたが、本発明の範囲内において種々の変形が可能で
ある。例えば、上記実施形態においては、モータ電流2
乗積算値SQIMSUMを4段階に区別して、その区別した結
果をモータ電流2乗積算記憶値SQIMSUMAとして記憶させ
ているが、モータ電流2乗積算値SQIMSUMがモータ電流
制限判定値の最大値ITH0に対して何%であるかを計算
し、その計算結果を例えばLSBを1%として記憶するよ
うにしてもよい。 【0052】また、上記実施形態においては、イグニッ
ションスイッチ22がオン状態からオフ状態に変更され
たときに、モータ電流2乗積算値SQIMSUM(の比率)を
EEPROM14に記憶させているが、CPU11に電
源が供給されているとき(リレー21又はイグニッショ
ンスイッチ22がオン状態にあるとき)には、所定のタ
イミング毎に記憶させるように構成することもできる。
なお、この場合であっても、通常はリレー21はイグニ
ッションスイッチ22のオフ後の短時間内にオフされる
ので、EEPROM14に記憶される値はイグニッショ
ンスイッチ22がオン状態からオフ状態へと変化したと
きの値と実質的に等しい値となる。 【0053】また、上記実施形態においては、アシスト
電流値ICTRLは、基本目標電流値TKIHON、慣性補償電流
値TKAN、ハンドル戻し制御電流値TMOD及びダンピング制
御電流値TDAMPから求めているが、これに限定されるこ
とはなく、例えば基本目標電流値TKIHONとハンドル戻し
制御電流値TMODとから求めてもよい。 【0054】また、上記実施形態においては、モータ電
流2乗積算値SQIMSUMに基づいて、モータ側電流制限値I
LMOTRを求めているが、電動モータ30の平均電流値を
求め、同平均電流が大きいほど小さくなる係数を求め、
その係数をアシスト電流値ICTRLに乗じることにより、
最終アシスト電流値IFINALを決定するような構成とする
こともできる。なお、この場合には、イグニッションス
イッチ22がオン状態からオフ状態となったときにEE
PROM14に記憶させる電流制限値に関するデータと
しては、当該平均電流値となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリ
ング装置の概略ブロック図である。 【図2】 図1に示した電動パワーステアリング装置の
電気回路図である。 【図3】 図2に示したCPUが実行するプログラムを
示すフローチャートである。 【図4】 図2に示したCPUが実行するプログラムを
示すフローチャートである。 【図5】 基本目標電流値を示すマップ(テーブル)で
ある。 【図6】 (A)は慣性補償電流基本値を示すマップ、
(B)はゲインを示すマップである。 【図7】 図2に示したCPUが実行するプログラムを
示すフローチャートである。 【図8】 図2に示したCPUが実行するプログラムを
示すフローチャートである。 【図9】 図2に示したCPUが実行するプログラムを
示すフローチャートである。 【図10】 図2に示したCPUが実行するプログラム
を示すフローチャートである。 【図11】 図2に示したCPUが実行するプログラム
を示すフローチャートである。 【図12】 図2に示したCPUが実行するプログラム
を示すフローチャートである。 【図13】 図2に示したCPUが実行するプログラム
を示すフローチャートである。 【符号の説明】 10…電気制御回路、11a…メモリ、20…駆動回
路、21…リレー、22…イグニッションスイッチ、2
3…基板温度センサ、25…電気制御ユニット、30…
直流電動モータ、31…操舵ハンドル、32…減速機
構、33…操舵軸、35…操舵トルクセンサ、50…バ
ッテリ、Tr1〜Tr4…スイッチング素子。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−99833(JP,A) 特開 平11−153614(JP,A) 実開 平6−42534(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】操舵ハンドルの回動操作に対してアシスト
    力を付与する電動モータと、 操舵ハンドルの操舵状態に応じてアシスト電流値ICTRL
    を決定するアシスト電流値決定手段と、 前記電動モータの通電状態に応じて更新されていく前記
    電動モータの過熱状態を表す値SQIMSUMがモータ電流制
    限判定値ITHよりも大きいときは電流制限値を小さくす
    るように同電流制限値を更新するとともに、前記アシス
    ト電流値ICTRLを同電流制限値により制限して最終アシ
    スト電流値IFINALを決定する最終アシスト電流値決定手
    段と、 電力供給を受けることなくデータを保持する記憶手段
    と、 イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態へと変
    更されたときに前記電動モータの過熱状態を表す値SQIM
    SUMと前記モータ電流制限判定値ITHの最大値ITH0の比率
    を前記電流制限値に関するデータとして前記記憶手段に
    記憶させるとともに、前記イグニッションスイッチがオ
    フ状態からオン状態へと変更されたときに前記記憶され
    た電流制限値に関するデータに応じた値を前記電動モー
    タの過熱状態を表す値SQIMSUMの初期値とする初期値設
    定手段と、 前記最終アシスト電流値に応じた電流を前記電動モータ
    に流すモータ通電手段と、 を備えた車両の電動パワーステアリング装置。
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