JP6177673B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、車両の操舵機構にモータの駆動力を付与することによりステアリングに操舵アシスト力を付与する電動パワーステアリング装置が知られている。
例えば、特許文献1においては、図4に示すように、電動パワーステアリング装置100は、コントローラ110と、モータ120とを備えている。そして、コントローラ110は、マイクロコンピュータ111と、モータ駆動回路112と、モータ電流検出回路115とを備えている。
モータ駆動回路112は、複数のスイッチング素子を有するH型ブリッジ回路である。このモータ駆動回路112には、モータ電流検出回路115が接続されている。このモータ電流検出回路115は、モータ駆動回路112、ひいてはモータ120に流れるモータ電流検出値を検出し、その検出結果をマイクロコンピュータ111に出力する。
マイクロコンピュータ111は、車速センサ130からの車速と、操舵トルクセンサ131からの操舵トルクとに応じて目標電流値を演算し、その目標電流値にモータ電流検出値を追従させるべく、所定のデューティ比のPWM制御信号を、各スイッチング素子に出力する。これにより、モータ120に正方向及び逆方向の電流が流れるため、モータ120が駆動する。このモータ120の駆動によって、ステアリングに操舵アシスト力が付与される。
例えば、モータ電流検出回路115にショート等の異常が発生した場合、モータ電流検出回路115が検出するモータ電流検出値が0(ゼロ)Aに固着することがある。ここで、モータ電流検出回路115の正常時には、操舵トルクの増大に応じてマイクロコンピュータ111によってPWM制御信号のデューティ比が大きく設定され、これに伴いモータ電流検出値も大きくなる。これに対して上記モータ電流検出回路115の異常時には、特許文献2にも記載のようにステアリングが振動する現象が生じる。すなわち、目標電流値に対してモータ電流検出値が0Aとなるため、目標電流値にモータ電流検出値を追従させるべく、マイクロコンピュータ111によってPWM制御信号のデューティ比が100%に近い状態となる。このため、ステアリングの操舵時に、モータ120を通じて過大な操舵アシスト力がステアリングに付与される。例えば、ユーザによって操舵トルクが加えられると、所定のプラスの操舵トルク検出値が検出されるが、モータ120の駆動に伴う操舵アシスト力によって操舵トルク検出値が急激に減少する。このため、操舵トルク検出値がゼロを超えてマイナスとなる。このマイナスの操舵トルク検出値が検出されることによって、そのマイナスの操舵トルク検出値を打ち消すべく、今度は上記操舵アシスト方向と反対方向に操舵アシスト力が付与されることになる。これが連続することにより、ステアリングが振動する現象が生じる。
マイクロコンピュータ111は、操舵トルク検出値の絶対値が所定値以下に低下したときに、デューティ比が設定値以上であると、上記振動現象が生じているとして、モータ電流検出回路115に異常がある旨判断し、電動パワーステアリング装置100におけるアシスト機能を停止する。アシスト機能が停止した場合には、例えば、イグニッションをオフした後に、再度イグニッションをオンしなければ、アシスト機能を復帰させることができない。
特開2006−321411号公報 特開平10−226349号公報
上記特許文献1の構成では、モータ電流検出回路115の異常判定に操舵トルク検出値を利用しているため、トルクセンサが故障した場合には、上記手法でモータ電流検出回路115の異常判定を行うことができない。そこで、トルクセンサが故障した場合には、マイクロコンピュータ111におけるモータ電流検出回路115の異常判定条件を、デューティ比がしきい値以上であること、及びモータ電流検出値がしきい値以下であることにすることが考えられる。この異常判定条件は、モータ電流検出回路115の正常時にみられるPWM制御信号のデューティ比とモータ電流検出値との対応関係が成立しなくなったときに満たされる。
しかし、この異常判定条件では、モータ電流検出回路115が正常であっても、ステアリングを高速で操舵したときには、モータ120に逆起電圧が生じる。これに伴いモータ電流が減少する。マイクロコンピュータ111は、このモータ電流の減少に応じてPWM制御信号のデューティ比を増大させる。よって、モータ電流検出回路115が正常であるにも関わらず、上記異常判定条件を満たし、アシスト機能が停止されるおそれがあった。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステアリングが高速操舵された場合であっても、アシスト機能が停止されることを抑制した電動パワーステアリング装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する電動パワーステアリング装置は、モータ駆動回路に供給されるモータ電流を検出する電流検出部と、車両状態センサを通じて検出される検出値に基づき目標電流値を算出し、その目標電流値に前記電流検出部を通じて検出された前記モータ電流を追従させるように、前記モータ駆動回路を通じてモータに電圧を印加することでステアリングに操舵アシスト力を付与する制御を行う制御部と、前記モータ駆動回路を通じたモータへの印加電圧が第1のしきい値以上であって、かつ前記電流検出部を通じて検出した前記モータ電流が第2のしきい値以下であるとき、前記印加電圧と前記モータ電流との対応関係が不適当であるとして、前記電流検出部に異常がある旨判断する電流検出部異常判断部と、前記ステアリングの操舵速度を検出する操舵速度検出部と、前記電流検出部異常判断部を通じて前記電流検出部に異常があると判断され、かつ前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が第3のしきい値未満であるときにのみ操舵アシスト機能を停止する機能停止部と、前記車両状態センサの一つである、前記ステアリングに対する操舵トルクを検出するトルクセンサの故障を検出するトルクセンサ故障判定部と、を備え、前記制御部は、前記トルクセンサ故障判定部を通じて前記トルクセンサに故障がない旨判断されると、前記トルクセンサを通じて検出される操舵トルクに基づき前記目標電流値を算出し、前記トルクセンサ故障判定部を通じて前記トルクセンサに故障がある旨判断されると、前記車両状態センサの一つである舵角センサを通じて検出される前記ステアリングの舵角に基づき前記目標電流値を算出し、前記電流検出部異常判断部は、前記トルクセンサ故障判定部を通じて前記トルクセンサに故障がある旨判断されたとき、前記電流検出部に異常があるか否かの判断を行う
この構成によれば、電流検出部異常判断部は、モータへの印加電圧が第1のしきい値以上であって、かつ電流検出部を通じて検出したモータ電流が第2のしきい値以下であるとき、電流検出部に異常があると判断する。機能停止部は、電流検出部異常判断部を通じて電流検出部に異常があると判断され、かつ操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が第3のしきい値未満であるときにのみ操舵アシストを停止する。すなわち、操舵速度が第3のしきい値以上の場合には操舵アシストが停止されない。このため、上記背景技術で説明したように、通常であれば、ステアリングが高速操舵されることで生じるモータの逆起電圧によって、モータ電流が減少し、それに伴い、モータ印加電圧が増大し電流検出部の異常判定条件を満たしうる状況にあっても、上記構成では、操舵アシスト機能が停止されることを抑制できる。また、トルクセンサが故障した場合であっても、電流検出部異常判断部を通じて精度よく電流検出部の異常の有無の判断を行うことができる。
上記電動パワーステアリング装置について、前記制御部は、前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が前記第3のしきい値以上であるときには、前記モータへの印加電圧を、前記第1のしきい値より小さく設定することが好ましい。
この構成によれば、操舵速度が第3のしきい値以上であるとき(高速操舵時)には、モータへの印加電圧を、第1のしきい値より小さく設定する。よって、高速操舵時においては、電流検出部異常判断部における電流検出部に異常がある旨の判断条件の一つを満たさなくなる。これにより、ステアリングが高速操舵された場合に、アシスト機能が停止されることが抑制される。
上記電動パワーステアリング装置について、前記第3のしきい値は、前記ステアリングが操舵されることで生じる前記モータの逆起電圧によって、前記モータ電流が減少し、それに伴い、前記制御部によって前記モータへの印加電圧が増加されることで、前記電流検出部異常判断部を通じて前記電流検出部に異常がある旨判断されない程度の操舵速度に設定されることが好ましい。
この構成によれば、第3のしきい値を上記の観点から設定することで、より確実にステアリングの高速操舵に伴って操舵アシスト機能が停止することが抑制される。
上記電動パワーステアリング装置について、前記電流検出部異常判断部は、前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が前記第3のしきい値以上であるとき、前記電流検出部に異常がある旨の判断を行わないように前記電流検出部異常判断部における判断条件を変更することが好ましい。
この構成によれば、ステアリングが高速操舵されることで、電流検出部異常判断部の判断条件を変更することで、高速操舵時に電流検出部異常判断部において電流検出部に異常がある旨、誤って判断されることが抑制される。
本発明によれば、ステアリングが高速操舵された場合であっても、アシスト機能が停止されることを抑制することができる。
本発明の一実施形態における電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図。 本発明の一実施形態における電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図。 本発明の一実施形態におけるECUが実行する処理手順を示したフローチャート。 背景技術における電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図。
図1〜図3を参照して、電動パワーステアリング装置の一実施形態について説明する。
<全体構成>
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、動力伝達機構10と、モータ20と、ECU(Electronic Control Unit)30とを備える。
動力伝達機構10は、ステアリングシャフト11と、ラックピニオン機構12と、ラック軸13とを備える。ステアリングシャフト11の上端にはステアリング2が固定されている。また、ステアリングシャフト11の下端にはラックピニオン機構12を介してラック軸13が機械的に接続されている。また、図中の左右方向に延出するラック軸13の各端にはタイロッドおよびナックルアームを介して転舵輪3が接続されている。
運転者がステアリング2を回転させると、ステアリングシャフト11が回転する。この回転運動は、ラックピニオン機構12によりラック軸13の直線運動に変換される。このラック軸13の直線運動により転舵輪3の向きが変わる。
また、ステアリングシャフト11には、ブラシ付きのDCモータであるモータ20が減速機51を介して機械的に接続されている。モータ20が回転することによって、ステアリングシャフト11に操舵アシスト力が付与される。モータ20は、ECU30によって制御される。
ECU30には、一対のトルクセンサ52a,52bと、車速センサ53と、舵角センサ54とが電気的に接続されている。なお、トルクセンサ52a,52b、舵角センサ54及び車速センサ53は、車両状態センサの一例である。
トルクセンサ52a,52bは、ステアリング2の操作によってステアリングシャフト11に付与される操舵トルクThを電圧として検出し、その検出した操舵トルクTh(電圧)をECU30に出力する。車速センサ53は車速Vを検出し、その検出した車速VをECU30に出力する。舵角センサ54は、ステアリング2の舵角θを検出し、その検出した舵角θをECU30に出力する。
<ECUの構成>
図2に示すように、ECU30は、電流検出部31と、電流指令値演算部35と、PI演算部36と、モータ駆動回路37と、トルクセンサ故障判定部34と、操舵速度検出部33とを備えている。
モータ駆動回路37は、スイッチング素子であるFET37A〜37Dを備えたH型ブリッジ回路である。また、モータ駆動回路37はバッテリBt及びグランドGnd間に接続されている。2つのFET37A,37Cが直列に接続され、2つのFET37B,37Dが直列に接続され、さらに両FET37A,37Cと、両FET37B,37Dとが並列接続されている。
FET37A〜37Dは、PWM信号Spに基づいてOFF状態からON状態に切り替わる。FET37A,37DがON状態、かつ、FET37B,37CがOFF状態になれば、モータ20は一方向に回転する。また、FET37B,37CがON状態、かつ、FET37A,37DがOFF状態になれば、モータ20は反対方向に回転する。このように、ON状態のFET37A〜37Dが切り替わることによりモータ20の回転方向が変化する。また、OFF状態を維持する時間とON状態を維持する時間との比、すなわちPWM信号Spのデューティ比によりモータ20への印加電圧、ひいては回転速度が制御される。本例では、上段のFET37A,37Bに出力されるPWM信号Spのデューティ比をデューティ比D1と規定し、下段のFET37C,37Dに出力されるPWM信号Spのデューティ比をデューティ比D2と規定する。
電流検出部31は、電流センサ32と、抵抗Rとを備える。抵抗Rは、モータ駆動回路37とグランドGndとの間に電気的に接続されている。また、電流センサ32は、抵抗Rの両端に電気的に接続されている。そして、電流センサ32は、抵抗Rに流れる電流を通じて、モータ駆動回路37、ひいてはモータ20に流れる電流(以下、モータ電流Imという)の大きさを検出し、その検出したモータ電流ImをPI演算部36に出力する。
トルクセンサ故障判定部34は、一対のトルクセンサ52a,52bのうち何れか一方の電圧が正常範囲外となったとき、一対のトルクセンサ52a,52bの電圧の対応関係が不適当になったとき、又はトルクセンサ52a,52bの電源電圧が正常範囲外となったときに、トルクセンサ52a,52bが故障している旨判断し、故障がある旨の故障信号Saを電流指令値演算部35及びPI演算部36に出力する。
電流指令値演算部35は、故障信号Saを受けていない状態では、トルクセンサ52a,52bを通じて検出された操舵トルクThと、車速センサ53を通じて検出された車速Vとに基づき目標電流値Ibを演算し、その演算した目標電流値IbをPI演算部36に出力する。
また、電流指令値演算部35は、故障信号Saを受けている状態では、舵角センサ54を通じて検出された舵角θと、車速センサ53を通じて検出された車速Vとに基づき目標電流値Ibを演算し、その演算した目標電流値IbをPI演算部36に出力する。
PI演算部36は、モータ電流Imを目標電流値Ibに追従させるフィードバック制御を通じて電流指令値を生成し、その生成した電流指令値に応じたデューティ比D1,D2のPWM信号Spを生成し、その生成したPWM信号Spを、上述のようにモータ駆動回路37の各FET37A〜37Dに出力する。
操舵速度検出部33は、舵角θを微分することにより操舵速度θsを検出し、その検出した操舵速度θsをPI演算部36に出力する。
ここで、上記背景技術でも説明したように、電流検出部31における抵抗Rの両端が異物によってショートすること等によって、実際のモータ電流の値に関わらず、電流検出部31が検出するモータ電流Imが0(ゼロ)Aに固着する故障(異常)が生じうる。本実施形態では、2つの手法にてこの異常を判定可能である。以下、説明する。
<操舵トルクに基づく電流検出部の異常判定>
PI演算部36は、検出された操舵トルクThが第1の設定値以下であって、かつデューティ比D1,D2が第2の設定値以上であるとき、電流検出部31に異常がある旨判断し、電動パワーステアリング装置1におけるアシスト機能を停止する。すなわち、上記両設定値は、操舵トルクThとデューティ比D1,D2との対応関係が不適当と判断可能な値に設定されている。この電流検出部31の故障判定は、トルクセンサ52a,52bを通じて検出された操舵トルクThを利用していることからトルクセンサ52a,52bの故障時には実行することができない。
なお、上記アシスト機能の停止とは、ECU30の電源がオフ状態とされるとともに、スイッチ素子(図示略)を通じてECU30及びモータ20間の電気的接続が遮断された状態をいう。上記アシスト機能が停止した場合には、例えば、一度車両のイグニッションをオフした後に、再度イグニッションをオンにしなければ、アシスト機能を復帰させることができない。
<トルクセンサ故障中の電流検出部の異常判定>
PI演算部36は、トルクセンサ52a,52bの故障中においては、以下の2つの条件を満たしたとき、電流検出部31に異常があると判断する。
第1の条件 モータ電流Im≦しきい値Ith
第2の条件 デューティ比D1+デューティ比D2≧200%
一般的には、デューティ比D1,D2が大きいほどモータ電流Imが大きくなる関係がある。電流検出部31が上記異常となると、この対応関係が成立せず、上記両条件が満たされることになる。本実施形態では、200%が第1のしきい値の一例であって、しきい値Ithが第2のしきい値の一例である。しきい値Ithは例えば1Aである。PI演算部36は、上記両条件を満たすと電流検出部31に異常がある旨判断する。また、PI演算部36は、上記2の条件のうち少なくとも1つを満たさない旨判断すると、電流検出部31に異常がないと判断する。PI演算部36は、検出された操舵速度θsがしきい値Sthより低速であって、かつ電流検出部31に異常がある旨判断すると、電動パワーステアリング装置1におけるアシスト機能を停止する。
ここで、上記背景技術の構成では、ステアリング2が高速操舵されることで、モータ20に逆起電圧が生じることによって、モータ電流Imが減少し、それに伴い、PI演算部36が設定するデューティ比D1,D2が増大する。このため、ステアリング2の高速操舵時には、電流検出部31が正常にも関わらず、上記第1及び第2の条件を満たすおそれがある。上記しきい値Sthより低速では上記高速操舵に伴って上記第1及び第2の条件が成立しない程度に、しきい値Sthが設定されている。このしきい値Sthは第3のしきい値の一例である。
なお、PI演算部36は、制御部、電流検出部異常判断部及び機能停止部の一例である。
<フローチャート>
以下、図3を参照しつつトルクセンサ52a,52bの故障時におけるPI演算部36の処理手順について説明する。PI演算部36は、このフローチャートに係る処理をトルクセンサ52a,52bの故障中に繰り返し実行する。また、このフローチャートの開始時には、PI演算部36は通常通り、電流指令値に応じたPWM信号のデューティ比D1,D2を設定している。
まず、PI演算部36は、操舵速度θsがしきい値Sthより低速であるか否かを判断する(S101)。PI演算部36は、操舵速度θsがしきい値Sthより低速でない、すなわち高速操舵されている旨判断すると(S101でNO)、PWM信号Spのデューティ比D1,D2をゼロに設定する(S102)。このとき、デューティ比D1,D2がゼロとされるため、モータ20に電力が供給されることはなく、操舵アシスト力はゼロとなる。しかし、このときには操舵アシスト機能は停止されておらず、所定期間に亘って操舵アシスト力がゼロとされているにすぎない。
一方、PI演算部36は、操舵速度θsがしきい値Sthより低速である旨判断すると(S101でYES)、通常通り、電流指令値に応じたPWM信号Spのデューティ比D1,D2を設定する。そして、PI演算部36は、電流検出部31に異常があるか否かを上記第1及び第2の条件に基づき判断する(S103)。PI演算部36は、上記第1及び第2の条件の両方を満たしたとき電流検出部31に異常がある旨判断し(S103でYES)、電動パワーステアリング装置1におけるアシスト機能を停止する(S104)。以上で本フローチャートに係る処理を終了する。
PI演算部36は、上記第1及び第2の条件のうち少なくとも何れか1つを満たさないとき電流検出部31に故障がない旨判断する(S103でNO)。ここで、PI演算部36が上記ステップS102のデューティ比D1,D2をゼロとする処理を行っていた場合には、上記第2の条件「デューティ比D1+デューティ比D2≧200%」を満たさず、必ず電流検出部31に異常がない旨判断される。PI演算部36は、電流検出部31に故障がない旨判断すると(S103でNO)、電動パワーステアリング装置1におけるアシスト機能を停止することなく、本フローチャートに係る処理を終了する。このように、高速操舵時(操舵速度θs≧しきい値Sth)には、アシスト機能が停止されることはない。また、高速操舵から低速操舵(操舵速度θs<しきい値Sth)に戻ったときには、PI演算部36は、通常通り、電流指令値に応じてPWM信号Spのデューティ比D1,D2を設定する。よって、電動パワーステアリング装置1は、低速操舵時には操舵アシストを再開する。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)PI演算部36は、デューティ比D1,D2の和が200%以上であって、かつ電流検出部31を通じて検出したモータ電流Imがしきい値Ith以下であるとき、電流検出部31に異常があると判断する。
PI演算部36は、電流検出部31に異常があると判断し、かつ操舵速度検出部33を通じて検出された操舵速度θsがしきい値Sth未満であるときに操舵アシストを停止する。すなわち、操舵速度θsがしきい値Sthを超える場合には操舵アシストが停止されない。このため、上記背景技術で説明したように、通常であれば、ステアリング2が高速操舵されることで生じるモータ20の逆起電圧によって、モータ電流Imが減少し、それに伴い、デューティ比D1,D2が増大し電流検出部31の異常判定条件(第1及び第2の条件)を満たしうる状況にあっても、上記実施形態ではデューティ比D1,D2がゼロに設定されることで上記第2の条件(D1+D2≧200%)を満たさず、アシスト機能が停止されることを抑制できる。
上記実施形態では、特にトルクセンサ52a,52bが故障した場合にも、PI演算部36を通じて精度よく電流検出部31の異常の有無の判断を行うことができる。
(2)PI演算部36は、操舵速度θsがしきい値Sth以上であるときには、デューティ比D1,D2がゼロとする。このため、電動パワーステアリング装置1による操舵アシスト力もゼロとなるが、その後に操舵速度θsがしきい値Sth未満となれば、再び操舵アシスト力の付与が開始される。したがって、アシスト機能の停止を回避することができる。
(3)上記背景技術の構成では、ステアリング2が高速操舵されることで、モータ20に逆起電圧が生じることによって、モータ電流Imが減少し、それに伴い、PI演算部36が設定するデューティ比D1,D2が増大する。このため、ステアリング2の高速操舵時には、電流検出部31が正常にも関わらず、上記第1及び第2の条件を満たすおそれがあった。上記実施形態では、しきい値Sthより低速では上記高速操舵に伴って上記第1及び第2の条件が成立しない程度に、しきい値Sthが設定されている。この観点から、しきい値Sthが設定されることで、より確実にステアリングの高速操舵に伴ってアシスト機能が停止することが抑制される。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、トルクセンサ52a,52b故障中の高速操舵時にPI演算部36がデューティ比D1,D2をゼロに設定していたが、電流検出部31の異常判定条件を満たさなければデューティ比D1,D2をゼロ以外の値に設定してもよい。
・上記実施形態においては、トルクセンサ52a,52bの故障中の高速操舵時にPI演算部36がデューティ比D1,D2をゼロに設定することで、電流検出部31の異常判定条件を満たさないようにしていた。しかし、PI演算部36は、高速操舵時(操舵速度θs≧しきい値Sth)に、電流検出部31の異常判定条件を変更してもよい。例えば、PI演算部36は、高速操舵時に上記第1及び第2の条件を排除して、無条件で電流検出部31に異常がないと判断してもよい。また、高速操舵時に確実に満たさない異常判定条件を新たに追加してもよい。上記実施形態に加えて、この異常判定条件の変更を行ってもよい。
・上記実施形態においてトルクセンサ52a,52bの故障中にPI演算部36が行っていた電流検出部31の異常判定を、トルクセンサ52a,52bの故障中でない期間に行ってもよい。この場合、PI演算部36が2つの手法で同時に電流検出部31の異常判断を行うことで、よりその判断精度が向上する。
・上記実施形態においては、PI演算部36はデューティ比D1,D2の変更を通じてモータ20への印加電圧を制御していたが、その他の方法でモータ20への印加電圧を制御してもよい。
・上記実施形態においては、操舵速度検出部33は、舵角θを微分することにより操舵速度θsを検出していたが、操舵速度検出部33に代えて操舵速度推定部を設け、その操舵速度推定部が推定操舵速度を推定してもよい。
例えば、操舵速度推定部は、以下の式(1)を利用して操舵速度を推定することができる。
推定操舵速度=[(モータ端子間電圧―モータ抵抗×電流)/逆起定数)]/減速比・・・(1)
上記式(1)におけるモータ抵抗及び電流は、固定値であって、モータ20に電流を流したときのモータ20に流れる電流値に基づき設定される。減速比は、減速機51を介したモータ20とステアリングシャフト11との間の減速比である。さらに、逆起定数は、モータ20の仕様により定まる定数であって、大きいほどステアリング2の操舵時にモータ20に生じる逆起電圧が大きくなる。推定操舵速度は、図3のステップS101の操舵速度θsに代えて利用される。また、PI演算部36は、推定操舵速度及び操舵速度θsの両方を利用して、高速操舵の有無を判断してもよい。例えば、PI演算部36は、推定操舵速度を操舵速度θsの検出が不能になったときのバックアップ用として利用してもよい。また、推定操舵速度の推定方法は、上記式(1)を利用したものに限定されない。
さらに、操舵速度検出部33はモータ回転角を微分することにより操舵速度を推定してもよい。
・上記実施形態における、電流検出部31に異常があるか否かの判断条件に、図3のステップS101の判断を付加してもよい。すなわち、PI演算部36は、操舵速度θsがしきい値Sthより低速でない、すなわち高速操舵されている旨判断すると、電流検出部31に故障がない旨判断してもよい(S103でNO)。これにより、ステアリング2の高速操舵時にアシスト機能が停止されることを抑制できる。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想を記載する。
(イ)前記電流検出部異常判断部とは別に、前記トルクセンサを通じて検出される操舵トルクと前記モータへの印加電圧とに基づき前記電流検出部の異常の有無を判断するトルクセンサの正常時の異常判断部を備えた電動パワーステアリング装置。
(ロ)前記制御部は、前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が前記第3のしきい値以上であるときには、前記モータへの印加電圧をゼロに設定する電動パワーステアリング装置。
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング、3…転舵輪、10…動力伝達機構、11…ステアリングシャフト、12…ラックピニオン機構、13…ラック軸、20…モータ、30…ECU、31…電流検出部、33…操舵速度検出部、34…トルクセンサ故障判定部、35…電流指令値演算部、36…PI演算部、37…モータ駆動回路、37A〜37D…FET、51…減速機、52a,52b…トルクセンサ、53…車速センサ、54…舵角センサ。

Claims (4)

  1. モータ駆動回路に供給されるモータ電流を検出する電流検出部と、
    車両状態センサを通じて検出される検出値に基づき目標電流値を算出し、その目標電流値に前記電流検出部を通じて検出された前記モータ電流を追従させるように、前記モータ駆動回路を通じてモータに電圧を印加することでステアリングに操舵アシスト力を付与する制御を行う制御部と、
    前記モータ駆動回路を通じたモータへの印加電圧が第1のしきい値以上であって、かつ前記電流検出部を通じて検出した前記モータ電流が第2のしきい値以下であるとき、前記印加電圧と前記モータ電流との対応関係が不適当であるとして、前記電流検出部に異常がある旨判断する電流検出部異常判断部と、
    前記ステアリングの操舵速度を検出する操舵速度検出部と、
    前記電流検出部異常判断部を通じて前記電流検出部に異常があると判断され、かつ前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が第3のしきい値未満であるときにのみ操舵アシスト機能を停止する機能停止部と、
    前記車両状態センサの一つである、前記ステアリングに対する操舵トルクを検出するトルクセンサの故障を検出するトルクセンサ故障判定部と、を備え
    前記制御部は、前記トルクセンサ故障判定部を通じて前記トルクセンサに故障がない旨判断されると、前記トルクセンサを通じて検出される操舵トルクに基づき前記目標電流値を算出し、前記トルクセンサ故障判定部を通じて前記トルクセンサに故障がある旨判断されると、前記車両状態センサの一つである舵角センサを通じて検出される前記ステアリングの舵角に基づき前記目標電流値を算出し、
    前記電流検出部異常判断部は、前記トルクセンサ故障判定部を通じて前記トルクセンサに故障がある旨判断されたとき、前記電流検出部に異常があるか否かの判断を行う
    電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御部は、前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が前記第3のしきい値以上であるときには、前記モータへの印加電圧を、前記第1のしきい値より小さく設定する電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第3のしきい値は、前記ステアリングが操舵されることで生じる前記モータの逆起電圧によって、前記モータ電流が減少し、それに伴い、前記制御部によって前記モータへの印加電圧が増加されることで、前記電流検出部異常判断部を通じて前記電流検出部に異常がある旨判断されない程度の操舵速度に設定される電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記電流検出部異常判断部は、前記操舵速度検出部を通じて検出された操舵速度が前記第3のしきい値以上であるとき、前記電流検出部に異常がある旨の判断を行わないように前記電流検出部異常判断部における判断条件を変更する電動パワーステアリング装置。
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