JP4148542B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵トルクの検出値に基づいて操舵力補助用モータのモータ電流の目標値を決定し、モータ電流が目標値になるように、モータを回転駆動し、操舵力補助を行う電動パワーステアリング装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵軸(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10の検出トルクが、インターフェイス回路11を介してCPU12へ入力される。自動車の車速を検出する車速センサ13の検出出力が、インターフェイス回路14を介してCPU12へ入力される。
CPU12から出力されるリレー制御信号はリレー駆動回路15へ入力され、リレー駆動回路15はリレー制御信号に従ってフェイルセーフリレー15aをオン又はオフさせる。
【0003】
CPU12では、車速及び検出トルクに応じてモータ制御信号が作成され、このモータ制御信号はPWM制御部21へ入力される。PWM制御部21は、このモータ制御信号に従ってPWM信号を作成する。このPWM信号は、ブリッジ接続しているパワートランジスタQ1,Q2,Q3,Q4の内、Q1,Q4の対又はQ2,Q3の対を所要のデューティファクタでスイッチングして、電源Pからフェイルセーフリレー15aを通じてモータMに電流を流し、モータMを所要の回転方向へ回転駆動させる。
【0004】
パワートランジスタQ1,Q2,Q3,Q4からなるブリッジ回路及びフェイルセーフリレー15a間と、ブリッジ回路及び接地端子間とには、それぞれ電流検出用の抵抗R2及び抵抗R1が接続されている。抵抗R2、抵抗R1の両端電圧は、それぞれモータ電流検出回路20、モータ電流検出回路17へ入力され、モータ電流検出回路20,17の検出出力は、それぞれCPU12へ入力される。モータ電流検出回路17の検出出力は、モータMを回転制御するために使用され、モータ電流検出回路20の検出出力は故障検出のために使用される。
【0005】
このような電動パワーステアリング装置では、モータMの端子が地絡するか又はモータ電流検出回路17が故障すると、舵輪を保舵した状態では、モータMに実際に流れる電流に対して、モータ電流検出回路17が検出したモータ電流値は小さくなる。モータMの端子に地絡が生じると、抵抗R1に電流が殆ど流れなくなって、モータ電流検出回路17の検出値が小さくなる。
このとき、モータ電流の目標値に対して、検出したモータ電流値が小さくなっているため、目標値に合わせようとして、モータ駆動電圧を上昇させる(PWM信号のデューティファクタを大きくする)。
【0006】
モータ駆動電圧を増加させると、目標値よりも過大な電流がモータに流れ、過剰アシストとなり、操舵トルクが小さくなる。操舵トルクが小さくなると、モータ電流の目標値が小さくなり、モータ駆動電圧が低下して、モータに流れる電流が減少する。モータに流れる電流が減少すると、アシスト不足となり、操舵トルクが大きくなる。
操舵トルクが大きくなると、モータ電流の目標値は大きくなるが、モータ電流検出回路17が検出するモータ電流値は小さいので、目標値に合わせようとして、モータ駆動電圧を上昇させる‥‥‥‥。以上を繰り返して、舵輪が振動する。
【0007】
そこで、この電動パワーステアリング装置では、故障検出のためのモータ電流検出回路20を設け、モータ電流検出回路20の検出値とモータ電流検出回路17の検出値との差が例えば20Aより大きくなると、モータMの端子が地絡したか又はモータ電流検出回路17が故障したと判断して、フェイルセーフリレー15aをオフにし、舵輪へのアシストを停止していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、故障検出のためのモータ電流検出回路を設けることは、電動パワーステアリング装置の部品コスト及び製造コストを押し上げる要因となっていた。そこで、故障検出のためのモータ電流検出回路を除いて、目標値とモータ電流検出回路17の検出値との差が例えば20Aより大きくなると、故障したと判断するようにすることが考えられる。しかし、目標値に対して検出値が小さくなるのは、急操舵時にも、モータの逆起電力によってモータに電流が流れにくくなって起きることがあるので、それを区別するために判定時間を長く取らなければならない問題があった。
【0009】
このような問題に関連する技術として、モータ指令電流値と実際電流値との差が所定値以上のときに異常と判定する、特開昭63−180567号公報に記載されたモータ駆動式パワーステアリング制御装置、モータ指令電流値とPWM指令値とモータ端子電圧とモータ電流値とに基づいてモータのコールド側地絡を判定する、特開平6−298104号公報に記載された電動式パワーステアリング装置等がある。しかし、前者のモータ駆動式パワーステアリング制御装置では、モータの逆起電力の問題が考慮されておらず、後者の電動式パワーステアリング装置では、モータ端子電圧を検出する手段が必要である。
【0010】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、故障検出のためのモータ電流検出回路を設けることなく、短い判定時間で、モータ端子の地絡又はモータ電流検出回路の故障を検出できる安価な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、舵輪の操舵トルクの検出値に基づいて操舵力補助用モータのモータ電流の目標値を決定し、モータ電流が目標値になるように、前記モータを回転駆動し、操舵力補助を行う電動パワーステアリング装置において、操舵速度を検出する操舵速度検出手段と、該操舵速度検出手段の検出値を所定値と比較する操舵速度比較手段と、前記目標値の絶対値と前記モータ電流の絶対値との差を所定値と比較するモータ電流比較手段と、前記操舵速度比較手段の比較結果が前記検出値の方が小さく、かつ、前記モータ電流比較手段の比較結果が前記差の方が大きいときに、異常の発生を検出する異常発生検出手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
この電動パワーステアリング装置では、操舵速度比較手段の比較結果が操舵速度検出手段の検出値の方が小さく、かつ、モータ電流比較手段の比較結果が目標値の絶対値とモータ電流の絶対値との差の方が大きいときに、異常発生検出手段が異常の発生を検出する。
【0013】
モータ端子の地絡及びモータ電流検出回路の故障等の異常の内で、例えば、モータ端子の地絡が発生すると、地絡側にモータ電流が流れ、目標値に対して検出値が小さくなるが、これは、急操舵時にも、モータの逆起電力によってモータに電流が流れにくくなって、同様のことが起きることがあり、区別が付かない。
しかし、モータの逆起電力によってモータに電流が流れにくくなるのは、急操舵時、つまり、モータの回転速度が高いときである。従って、モータの回転速度即ち操舵速度が所定値より小さいという条件を設けることによって、急操舵によるモータの逆起電力が発生した場合とモータ端子の地絡が発生した場合とを区別することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵軸(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10の検出トルクが、インターフェイス回路11を介して、タイマTMを内蔵しているCPU12aへ入力される。CPU12aは、電動パワーステアリング装置の何れかの部分の故障を検出したときに、その故障状態を示すためのフェイルフラグFを内蔵している。自動車の車速を検出する車速センサ13の検出出力が、インターフェイス回路14を介してCPU12aへ入力される。
【0015】
CPU12aから出力されるリレー制御信号はリレー駆動回路15へ入力され、リレー駆動回路15はリレー制御信号に従ってフェイルセーフリレー15aをオン又はオフさせる。
CPU12aでは、車速及び検出トルクに応じてモータ制御信号が作成され、このモータ制御信号はPWM制御部21へ入力される。PWM制御部21はモータ制御信号に従ってPWM信号を作成する。このPWM信号は、ブリッジ接続しているパワートランジスタQ1,Q2,Q3,Q4の内、Q1,Q4の対又はQ2,Q3の対を所要のデューティファクタでスイッチングして、電源Pからフェイルセーフリレー15aを通じてモータMに電流を流し、モータMを所要の回転方向へ回転駆動させる。
【0016】
モータMの回転角度を検出するモータ回転センサ22の検出出力は、インターフェイス回路23を介してCPU12aへ入力され、舵輪の相対舵角が算出される。
パワートランジスタQ1,Q2,Q3,Q4からなるブリッジ回路及び接地端子間には、電流検出用の抵抗R1が接続されている。抵抗R1の両端電圧は、モータ電流検出回路17へ入力され、モータ電流検出回路17の検出出力は、CPU12aへ入力される。
【0017】
以下に、このような構成の電動パワーステアリング装置の動作を、それを示す図2のフローチャートに基づき説明する。
CPU12aは、トルクセンサ10が検出した操舵トルクに基づき、モータ電流目標値を算出し、これをレジスタに読み込んで記憶する(S10)。
次に、CPU12aは、モータ電流検出回路17が検出したモータ電流検出値をレジスタに読み込んで記憶する(S12)。
【0018】
次に、CPU12aは、読み込んで記憶した(S10)モータ電流目標値と読み込んで記憶した(S12)モータ電流検出値とで、|モータ電流目標値|−|モータ電流検出値|を演算し、この演算値が例えば20Aより大きいか否かを比較する(S14)。
演算値が20Aより大きい場合(S14)、故障タイマとしてタイマTMのカウンタを1インクリメントする(S16)。
次に、故障タイマの計時が開始された直後で、カウンタのカウント値が1であるとき(S18)、CPU12aは、そのときのモータ回転センサ22の検出出力から算出した舵輪の相対舵角(初期相対舵角)をレジスタに記憶し(S20)リターンする。
【0019】
故障タイマの計時が開始された直後でなく、カウンタのカウント値が1でないとき(S18)に、カウンタのカウント値が故障タイマの5msに相当しないときは(S24)リターンする。
カウンタのカウント値が故障タイマの5msに相当するとき(S24)、CPU12aは、そのときのモータ回転センサ22の検出出力から算出した舵輪の相対舵角(今回相対舵角)をレジスタに記憶する(S26)。
次に、CPU12aは、記憶した(S20)初期相対舵角と記憶した(S26)今回相対舵角とで、舵輪の操舵回転速度Δθ=|初期相対舵角−今回相対舵角|を演算する(S28)。
【0020】
次に、CPU12aは、演算した(S28)舵輪の操舵回転速度Δθと例えば0.5°/5ms(=100°/s)とを比較し(S30)、舵輪の操舵回転速度Δθが0.5°/5ms以下のときは(S30)、異常、つまり、モータ端子の地絡又はモータ電流検出回路の故障が発生したとして、フェイルフラグFをセットし(S32)リターンする。
CPU12aは、フェイルフラグFをセットする(S32)と、リレー制御信号をリレー駆動回路15へ出力し、リレー駆動回路15は、このリレー制御信号によりフェイルセーフリレー15aをオフにする。
【0021】
舵輪の操舵回転速度Δθが0.5°/5msより大きいときは(S30)、急操舵時のモータの逆起電力により、演算値が20Aより大きくなった(S14)のであり、異常が発生したのではないとして、故障タイマをクリアし(S22)リターンする。
CPU12aは、|モータ電流目標値|−|モータ電流検出値|の演算値が20A以下の場合(S14)、故障タイマをクリアし(S22)リターンする。
尚、上記実施の形態では、モータ回転センサ22の検出出力から操舵速度を求めたが、ステアリングシャフトに設けたロータリエンコーダを用いたり、ラック軸等操舵軸の軸方向移動量を検出するセンサを用いて、操舵速度を検出してもよい。
【0022】
図4は、今回開示される電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。
操舵トルクの検出値に基づいて操舵力補助用モータのモータ電流の目標値を決定し、モータ電流が目標値になるように、モータを回転駆動し、操舵力補助を行う電動パワーステアリング装置では、ハンドル(舵輪)の戻し時には、操舵力補助用モータにハンドル戻し電流を流して、ハンドルの戻し制御をおこなっており、ハンドルが、車両が直進する中立位置(舵角中点)近く迄戻ると、ハンドル戻し電流を0にしている。
【0023】
また、ハンドルは、中立位置に戻っても、慣性力のために直ちには停止せず、中立位置を行きつ戻りつ時間を掛けて停止するので、速やかにハンドルを中立位置に収斂させるべくハンドルの収斂制御も行っている。
このハンドルの戻し制御及び収斂制御には、舵角中点、絶対舵角及び舵角速度が利用されるが、これらは、モータ回転センサが検出する操舵力補助用モータの回転角度及び回転方向から求めている。この電動パワーステアリング装置は、このモータ回転センサの故障検出機能を備えることを特徴とする。
【0024】
この電動パワーステアリング装置は、操舵軸(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10の検出トルクが、インターフェイス回路11を介して、タイマTMを内蔵しているCPU12bへ入力される。CPU12bは、電動パワーステアリング装置の何れかの部分の故障を検出したときに、その故障状態を示すためのフェイルフラグFを内蔵している。自動車の車速を検出する車速センサ13の検出出力が、インターフェイス回路14を介してCPU12bへ入力される。
CPU12bから出力されるリレー制御信号はリレー駆動回路15へ入力され、リレー駆動回路15はリレー制御信号に従ってフェイルセーフリレー15aをオン又はオフさせる。フェイルセーフリレー15aは、電動パワーステアリング装置の何れかの部分に故障が発見された場合にオフされる。
【0025】
CPU12bでは、車速及び検出トルクに応じてモータ制御信号が作成され、このモータ制御信号はPWM制御部21へ入力される。PWM制御部21はモータ制御信号に従ってPWM信号を作成する。このPWM信号は、ブリッジ接続しているパワートランジスタQ1,Q2,Q3,Q4の内、Q1,Q4の対又はQ2,Q3の対を所要のデューティファクタでスイッチングして、電源Pからフェイルセーフリレー15aを通じてモータMに電流を流し、モータMを所要の回転方向へ回転駆動させる。
モータMの回転角度を検出するモータ回転センサ22の検出出力は、インターフェイス回路23を介してCPU12bへ入力され、舵輪の相対舵角が算出される。
【0026】
パワートランジスタQ1,Q2,Q3,Q4からなるブリッジ回路及び接地端子間には、電流検出用の抵抗R1が接続されている。抵抗R1の両端電圧は、モータ電流検出回路17へ入力され、モータ電流検出回路17の検出出力は、CPU12bへ入力される。
CPU12bから出力されるクラッチ制御信号はクラッチ駆動回路18へ入力され、その出力により、モータMの駆動力を操舵機構に伝達または分離する電磁クラッチ19が駆動されるようになっている。また、電源Pからフェイルセーフリレー15aを流れた電流は、電磁クラッチ19へも分岐され、クラッチ駆動回路18を通じて流れるようになっている。
【0027】
図5は、モータ回転センサ22のインターフェイス回路23の構成を示したブロック図である。このインターフェイス回路23は、モータMの回転によってモータ回転センサ22に生じるA相、B相の矩形パルス列を、それぞれ、インターフェース23a,23bを介して、カウンタ23cに入力する。
A相、B相の矩形パルス列は、図6(a),(b)に示すように、1/4周期ずれており、カウンタ23cは、A相、B相の何れが1/4周期先に入力されるかで回転方向を検出している。例えば、図6では、A相が先に入力され、左回転であることを示す。カウンタ23cは、A相、B相の何れか先に入力されたパルスの立ち上がりを0として、以後、A相、B相の両方の立ち上がり及び立ち下がりをカウントし、8ビットの並列信号にして、CPU12bへ与える。
【0028】
カウンタ23cのカウント値及びそれに対応する相対舵角の正負は、モータMの左右の回転方向に対応させる。
CPU12bでは、車速センサ13が検出した車速が所定値以上あり、トルクセンサ10が検出した操舵トルクが所定値以下で、モータ回転センサ22の出力に基づいて算出した舵角速度が所定値以下のとき、車両が直進していると判断して、そのときのカウンタ23cのカウンタ値に対応する舵角を舵角中点(中立位置)としている。
【0029】
以下に、このような電動パワーステアリング装置の、モータ回転センサ22の故障検出動作を、図7〜11に示すフローチャートに基づき説明する。
1.初期診断時のモータ回転センサの故障検出。
この電動パワーステアリング装置は、車両が走行を開始するときに行う初期診断時に、クラッチ19をオフにして、20Aの電流によりモータMを回転させ、モータMがロックされていないかを点検するロックチェックを行う。
【0030】
この場合、CPU12bは、モータ回転センサ22の診断(故障検出)が終わっていないとき(図7、S40)、カウンタ23cのカウンタ初期値とこのときの今回カウンタ値との差の絶対値Δθを演算する(S42)。次に、この演算した(S42)Δθが例えば8以上であるとき(S44)、CPU12bは、モータ回転センサ22が正常に作動して、カウンタ23cがモータ回転センサ22の出力パルスを正常にカウントしているとして、診断終了フラグ(CPU12bが内蔵)をセットし(S46)、タイマTMをクリア(リセット)して(S47)リターンする。
診断終了フラグがセットされると(S46)、CPU12bは、モータMのロックチェックを終了する。
【0031】
CPU12bは、演算した(S42)Δθが8未満であり(S44)、タイマTMの計時時間が100msを経過していないときは(S48)、タイマTMのカウンタをインクリメントして(S50)リターンする。
CPU12bは、演算した(S42)Δθが8未満であり(S44)、タイマTMの計時時間が100msを経過しているときは(S48)、フェイルフラグFをセットする(S52)。つまり、モータ回転センサ22の診断が開始されて100msが経過するまでに、Δθが8以上にならない場合は故障していると判断する。
CPU12bは、診断終了フラグがセットされて(S46)、モータ回転センサ22の診断が終わっているとき(S40)、再度のモータ回転センサ22の診断は行わない。
【0032】
2.舵角中点の監視によるモータ回転センサの故障検出。
CPU12bは、車両が走行中、舵角中点が演算され決定されると(S54)、その舵角中点演算値を読込む(図8、S56)。その場合、舵角中点初期値が記憶されていないときは(S58)、その読込んだ(S56)舵角中点演算値を舵角中点初期値として記憶する(S66)。
次に、CPU12bは、舵角中点初期値と今回の舵角中点演算値との差の絶対値Δθを演算する(S60)。
【0033】
CPU12bは、この演算した(S60)Δθが50°未満のとき(S62)、モータ回転センサ22は正常と判断し、タイマTMをクリアして(S64)リターンする。
CPU12bは、演算した(S60)Δθが50°以上であり(S62)、タイマTMの計時時間が100msを経過していないときは(S68)、タイマTMのカウンタをインクリメントして(S70)リターンする。
【0034】
CPU12bは、演算した(S60)Δθが50°以上であり(S62)、タイマTMの計時時間が100msを経過しているときは(S68)、フェイルフラグFをセットする(S72)。つまり、Δθが50°以上の状態が100ms継続すると、モータ回転センサ22は故障していると判断する。
CPU12bは、フェイルフラグFがセットされると(S72)、アラームランプ(図示せず)を点灯させる。
CPU12bは、舵角中点が決定されないとき(S54)は、モータ回転センサ22の診断は行わない。
【0035】
3.絶対舵角の監視によるモータ回転センサの故障検出。
CPU12bは、周期的に、舵角中点からの舵角である絶対舵角を読込み(図9、S74)、その絶対値が700°未満のとき(S76)、モータ回転センサ22は正常と判断し、タイマTMをクリアして(S78)リターンする。
CPU12bは、読込んだ(S74)絶対舵角の絶対値が700°以上であり(S76)、タイマTMの計時時間が100msを経過していないときは(S80)、タイマTMのカウンタをインクリメントして(S82)リターンする。
【0036】
CPU12bは、読込んだ(S74)絶対舵角の絶対値が700°以上であり(S76)、タイマTMの計時時間が100msを経過しているときは(S80)、フェイルフラグFをセットする(S84)。つまり、絶対舵角の絶対値が700°以上の状態が100ms継続すると、モータ回転センサ22は故障していると判断する。
CPU12bは、フェイルフラグFがセットされると(S84)、アラームランプ(図示せず)を点灯させる。
【0037】
4.カウンタ値の監視によるモータ回転センサの故障検出。
CPU12bは、周期的に、車速センサ13が検出した車両の車速を読込み(図10、S86)、その車速が10km/h以上のときは(S88)、カウンタ23cのカウンタ値を読込む(S90)。次に、前回読込んだカウンタ値とこの今回読込んだカウンタ値との差の絶対値Δθを演算する(S92)。
CPU12bは、演算した(S92)Δθが例えば2以上のときは(S94)、モータ回転センサ22は正常と判断し、前回読込んだカウンタ前回値を今回読込んだ(S90)カウンタ今回値で置き代え(S96)、タイマTMをクリアして(S98)リターンする。
【0038】
CPU12bは、演算した(S92)Δθが2未満であり(S94)、タイマTMの計時時間が10sを経過していないときは(S100)、タイマTMのカウンタをインクリメントして(S102)リターンする。
CPU12bは、演算した(S92)Δθが2未満であり(S94)、タイマTMの計時時間が10sを経過しているときは(S100)、フェイルフラグFをセットする(S104)。つまり、車両が10km/h以上で走行中に、10s間モータ回転センサ22の出力値が所定値以上変化しないとき、モータ回転センサ22は故障していると判断する。
【0039】
CPU12bは、フェイルフラグFがセットされると(S104)、アラームランプ(図示せず)を点灯させる。
CPU12bは、車速センサ13が検出した車両の車速が10km/h未満のときは(S88)、タイマTMをクリアして(S106)リターンし、モータ回転センサ22の診断は行わない。
【0040】
5.舵角速度の監視によるモータ回転センサの故障検出。
CPU12bは、周期的に例えば100ms毎に、舵角値を読込み(図11、S106)、その舵角値と前回読込んだ舵角値との差の絶対値Δθを演算する(S108)。
CPU12bは、演算した(S108)Δθが例えば2000°/s未満のときは(S110)、モータ回転センサ22は正常と判断し、前回読込んだ舵角前回値を今回読込んだ(S106)舵角今回値で置き代えて(S112)リターンする。
【0041】
CPU12bは、演算した(S108)Δθが2000°/s以上であるときは(S110)、フェイルフラグFをセットする(S114)。つまり、モータ回転センサ22の出力値から、通常は考えられないハンドルの舵角速度が演算されたとき、モータ回転センサ22は故障していると判断する。
以上のように、この開示された電動パワーステアリング装置は、モータ回転センサ22の異常を検出することができ、ハンドル戻し制御及びハンドル収斂制御が作動しない状態で、車両が運転されることを防止できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、故障検出のためのモータ電流検出回路を設けることなく、短い判定時間で、モータ端子の地絡又はモータ電流検出回路の故障を判断できる安価な電動パワーステアリング装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】従来の電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。
【図4】開示された電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】モータ回転センサのインターフェイス回路の構成を示したブロック図である。
【図6】モータ回転センサが出力する矩形パルス列を示す波形図である。
【図7】図4に示す電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】図4に示す電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】図4に示す電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】図4に示す電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】図4に示す電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 トルクセンサ
12a CPU
17 モータ電流検出回路
22 モータ回転センサ
M モータ
P 電源
Claims (1)
- 舵輪の操舵トルクの検出値に基づいて操舵力補助用モータのモータ電流の目標値を決定し、モータ電流が目標値になるように、前記モータを回転駆動し、操舵力補助を行う電動パワーステアリング装置において、
操舵速度を検出する操舵速度検出手段と、該操舵速度検出手段の検出値を所定値と比較する操舵速度比較手段と、前記目標値の絶対値と前記モータ電流の絶対値との差を所定値と比較するモータ電流比較手段と、前記操舵速度比較手段の比較結果が前記検出値の方が小さく、かつ、前記モータ電流比較手段の比較結果が前記差の方が大きいときに、異常の発生を検出する異常発生検出手段とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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