JP2010202062A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車速センサフェール時においても、車速に応じた良好な操舵アシストトルクが得られるようにする。
【解決手段】 操舵角θに対するヨーレートγの大きさを表すヨーゲインGと車速との関係を表すヨーゲインマップを予め記憶しておく。車速センサフェール時においては、ヨーレートγと操舵角θとを検出し、ヨーゲインマップを参照して推定車速Vsを算出する。この推定車速Vsに対して徐変処理を行って、最終的な補正推定車速Vsxを算出する。車速センサにより検出される車速Vに代えて補正推定車速Vsxを用いてアシストトルクマップを参照することにより、目標アシストトルクを設定する。これにより、良好な操舵アシストトルクが得られる。
【選択図】 図5
【解決手段】 操舵角θに対するヨーレートγの大きさを表すヨーゲインGと車速との関係を表すヨーゲインマップを予め記憶しておく。車速センサフェール時においては、ヨーレートγと操舵角θとを検出し、ヨーゲインマップを参照して推定車速Vsを算出する。この推定車速Vsに対して徐変処理を行って、最終的な補正推定車速Vsxを算出する。車速センサにより検出される車速Vに代えて補正推定車速Vsxを用いてアシストトルクマップを参照することにより、目標アシストトルクを設定する。これにより、良好な操舵アシストトルクが得られる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、運転者による操舵ハンドルの操舵操作をアシストするための電動モータを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者の操舵操作に対して操舵アシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置が知られている。電動パワーステアリング装置は、基本的には、操舵ハンドルに働いた操舵トルクと車速とに基づいて、操舵トルクが大きくなるにしたがって増加し、かつ、車速が増加するにしたがって減少する目標アシストトルクを算出し、算出した目標アシストトルクが得られるように、電動モータの通電量をフィードバック制御する。こうした電動モータの駆動制御を操舵アシスト制御と呼ぶ。
車速センサに異常が発生した場合には、適正な目標アシストトルクを算出することができない。そこで、特許文献1に提案された電動パワーステアリング装置においては、異常時用に設定された固定車速に基づいて操舵アシスト制御を行うようにしている。また、特許文献2に提案された電動パワーステアリング装置においては、振動センサにより検出した振動信号に基づいて、車両の走行状態を停車/低速走行/高速走行にわけて推定し、その推定した走行状態に応じた操舵アシスト制御を行う。
しかしながら、特許文献1のものでは、車速センサの異常時に車速が固定されてしまうため、例えば、固定車速を中速(例えば50km/h)に設定した場合には、高速走行時には操舵アシストトルクが大きくなりすぎて、操舵ハンドルが切れすぎる。そこで、固定車速を高速(例えば100km/h)に設定した場合には、低速走行時にハンドル操作が重くなりすぎる。従って、特定の車速域において良好な操舵アシストトルクが得られなくなる。また、特許文献2のものにおいても、車速に応じた適切な操舵アシストトルクが得られない。
本発明の目的は、上記問題に対処するためになされたもので、車速センサに異常が発生した場合においても、車速に応じた良好な操舵アシストトルクが得られるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構と、前記転舵機構に設けられ、前記操舵ハンドルの操舵操作に対して操舵アシストトルクを発生する電動モータと、車速を検出する車速センサと、操舵ハンドルに働く操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、前記検出された車速と操舵トルクとに基づいて、前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵角に対するヨーレートの大きさを表すヨーゲインと車速との対応関係を予め設定した車速ヨーゲイン特性を記憶した特性記憶手段と、前記車速センサの異常を検出する異常検出手段と、前記車速センサの異常が検出されたとき、前記ヨーレート検出手段により検出されたヨーレートと、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記特性記憶手段に記憶されている車速ヨーゲイン特性とに基づいて車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段により推定された推定車速を車速変化度合いが許容範囲内に収まるように補正した補正推定車速を算出する推定車速補正手段とを備え、前記モータ制御手段は、前記車速センサの異常が検出されたときには、前記車速センサにより検出される車速に代えて、前記補正推定車速を使って前記電動モータを駆動制御することにある。
車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵角に対するヨーレートの大きさを表すヨーゲインと車速との対応関係を予め設定した車速ヨーゲイン特性を記憶した特性記憶手段と、前記車速センサの異常を検出する異常検出手段と、前記車速センサの異常が検出されたとき、前記ヨーレート検出手段により検出されたヨーレートと、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記特性記憶手段に記憶されている車速ヨーゲイン特性とに基づいて車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段により推定された推定車速を車速変化度合いが許容範囲内に収まるように補正した補正推定車速を算出する推定車速補正手段とを備え、前記モータ制御手段は、前記車速センサの異常が検出されたときには、前記車速センサにより検出される車速に代えて、前記補正推定車速を使って前記電動モータを駆動制御することにある。
本発明においては、車速センサにより検出された車速と操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクとに基づいて、モータ制御手段が電動モータを駆動制御する。例えば、操舵トルクが大きくなるにしたがって増加し、かつ、車速が増加するにしたがって減少する目標アシストトルクを算出し、算出した目標アシストトルクが得られるように、電動モータの通電量を制御する。この場合、車速、操舵トルクに加えて、操舵角や操舵速度などの他のパラメータを使って目標アシストトルクを算出するようにしてもよい。
車速センサに異常が発生したときには、適正に電動モータを駆動制御することができない。そこで、本発明においては、異常検出手段が、車速センサに異常が発生しているか否かを判定する。そして、車速センサの異常が検出されたとき、車速推定手段が、車両のヨーレートと操舵角と車速ヨーゲイン特性とに基づいて車速を推定する。車速ヨーゲイン特性は、操舵角に対するヨーレートの大きさ(ヨーレート/操舵角)を表すヨーゲインと車速との対応関係を予め設定したもので特性記憶手段に記憶されている。従って、ヨーレートと操舵角とがわかれば、車速ヨーゲイン特性から車速を推定することができる。車速ヨーゲイン特性は、実際の車両を使って計測した計測データを使って、あるいは、計算に基づいて作成すれば良く、例えば、低車速領域においては車速の増加にしたがってヨーゲインが増加し、高車速領域においては車速の増加にしたがってヨーゲインが減少する特性を有する。
異常検出手段により車速センサの異常が検出されると、車速推定手段により車速が推定されるが、推定車速は演算異常等により急激に変動するおそれがある。その場合には、操舵フィーリングが急変して運転者に違和感を与えてしまう。そこで、推定車速補正手段は、車速推定手段により推定された推定車速を、車速変化度合い(時間当たりの車速変化量)が許容範囲内に収まるように補正した補正推定車速を算出する。従って、推定車速が急変したとしても、補正推定車速は急変しない。こうして演算された補正推定車速は、モータ制御手段に供給され、車速センサにより検出される車速に代えて使用される。
この結果、本発明においては、車速センサに異常が発生した場合であっても、車速に応じた適正な操舵アシストトルクが得られる。また、操舵フィーリングが急変して運転者に違和感を与えてしまうこともない。尚、車速センサの異常とは、車速センサそのものの異常だけでなく、センサ信号の受信経路における異常等、車速を正常に検出できない異常状態を含めるものである。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置を示す概略図である。
この車両の電動パワーステアリング装置は、操舵ハンドル11の操舵により転舵輪である左右前輪FW1,FWを転舵する転舵機構10と、転舵機構10に設けられ操舵アシストトルクを発生するパワーアシスト部20と、パワーアシスト部20の電動モータ21を駆動制御する電子制御ユニット30とを備えている。
転舵機構10は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、ステアリングシャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には、図示しないタイロッドおよびナックルアームを介して左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。
ステアリングシャフト12には、操舵トルクセンサ41が設けられる。操舵トルクセンサ41は、操舵ハンドル11の回動操作によってステアリングシャフト12に作用する操舵トルクを検出する。以下、操舵トルクセンサ41により検出されるトルクの値を操舵トルクTと呼ぶ。操舵トルクTは、その符号(正負)によりトルクの働く方向(右方向、左方向)を表し、その絶対値によりトルクの大きさを表す。
ラックバー14には、パワーアシスト部20が組み付けられている。パワーアシスト部20は、操舵アシスト用の電動モータ21(例えば、ブラシレスモータ)とボールねじ機構22とからなる。電動モータ21の回転軸は、ボールねじ機構22を介してラックバー14に動力伝達可能に接続されていて、その回転により左右前輪FW1,FW2の転舵をアシストする。ボールねじ機構22は、減速器および回転−直線変換器として機能するもので、電動モータ21の回転を減速するとともに直線運動に変換してラックバー14に伝達する。本実施形態においては、パワーアシスト部20をラックバー14に組み付けるが、これに代えて、電動モータ21の回転を減速器を介してステアリングシャフト12に伝達してステアリングシャフト12を軸線周りに駆動するように構成してもよい。
電動モータ21には、回転角センサ42が組み込まれている。回転角センサ42は、電動モータ21の回転子の回転角を検出する。この回転角は、電動モータ21の通電制御に用いられるが、操舵ハンドル11の操舵角に比例するものであるため、操舵角センサとして兼用して使用される。以下、回転角センサ42により検出される回転角に対応する操舵角を操舵角θと呼ぶ。操舵角θは、操舵ハンドル11の中立位置をゼロとし、その符号(正負)により中立位置から操舵ハンドルが切れている方向を表し、その絶対値により中立位置からの角度の大きさを表す。
電子制御ユニット30は、CPU,ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要部として備えたマイコン部31と、モータ駆動回路32とを備えている。モータ駆動回路32は、例えば、三相インバータ回路にて構成されマイコン部31からのPWM制御信号を入力して、内部のスイッチング素子のデューティ比を制御することにより電動モータ21への通電量を調整する。モータ駆動回路32には、電動モータ21に流れる電流を検出する電流センサ43が設けられる。この電流センサ43により検出される電流値をモータ電流imと呼ぶ。
マイコン部31は、操舵トルクセンサ41、回転角センサ42、電流センサ43、車速センサ44、ヨーレートセンサ45を接続している。車速センサ44は、車速を検出して車速検出信号を出力する。この車速センサ44により検出される車速を車速Vと呼ぶ。またヨーレートセンサ45は、車両の旋回時に発生する重心軸回りのヨーレートを検出してヨーレート検出信号を出力する。このヨーレートセンサ45により検出されるヨーレートをヨーレートγと呼ぶ。ヨーレートγは、その符号(正負)により回転方向を表し、その絶対値により大きさを表す。尚、ヨーレートセンサ45は、車両の旋回方向の挙動安定制御、いわゆるVSC(Vehicle Stability Control)と呼ばれる制御を行う挙動制御装置50にて使用される。そこで、本実施形態においては、CAN通信線を介して挙動制御装置50からヨーレートγを表す情報を取得する。
次に、マイコン部31の実施する操舵アシスト制御について説明する。図3は、操舵アシスト制御ルーチンを表す。操舵アシスト制御ルーチンは、イグニッションスイッチ(図示略)のオンにより起動し、所定の短い周期で繰り返される。操舵アシスト制御ルーチンが起動すると、マイコン部31は、ステップS11において、車速センサフェールが発生しているか否かを判断する。車速センサフェールは、車速センサ44の異常など車速Vを検出できない異常状況を表すもので、後述する車速推定ルーチンにて判定される。従って、このステップS11においては、その判定結果が読み込まれる。
車速センサフェールが発生していないと判定されている場合(S11:No)には、ステップS12において、車速センサ44によって検出された車速Vを読み込む。一方、車速センサフェールが発生していると判定された場合(S11:Yes)には、ステップS13において、後述する車速推定ルーチンにて演算された最終的な推定車速である補正推定車速Vsxを車速Vとして置き換える(V←Vsx)。
続いて、ステップS14において、操舵トルクセンサ41によって検出された操舵トルクTと、電流センサ43によって検出されたモータ電流imを読み込む。
続いて、ステップS15において、図4に示すアシストトルクマップを参照して、車速Vおよび操舵トルクTに応じて設定される目標アシストトルクT*を計算する。アシストトルクマップは、マイコン部31のROM内に記憶されるもので、操舵トルクTが大きくなるにしたがって増加し、かつ、車速Vが増加するにしたがって減少する目標アシストトルクT*を設定する。
続いて、ステップS16において、目標アシストトルクT*をトルク定数で除算することにより目標アシストトルクT*を発生させるために必要な目標電流im*を計算する。続いて、ステップS17において、目標電流im*と実電流imとの偏差Δimを算出し、この偏差Δimに基づいてPI制御(比例積分制御)式等を使って目標指令電圧vm*を計算する。
続いて、ステップS18において、目標指令電圧vm*に応じたPWM制御信号をモータ駆動回路32に出力する。この場合、目標指令電圧vm*に応じたデューティ比のパルス列信号がPWM制御信号として出力される。こうして、電動モータ21には、電流フィードバック制御により運転者の操舵方向と同じ方向に回転する向きの目標電流im*が流れる。この結果、電動モータ21は、目標アシストトルクT*に等しいトルクを出力し、運転者の操舵操作をアシストする。
ステップS18の処理が行われると、操舵アシスト制御ルーチンは一旦終了する。操舵アシスト制御ルーチンは、イグニッションスイッチがオフするまでのあいだ短い周期で繰り返される。
マイコン部31は、車速センサフェール時に備えて、車速を推定できる構成を備えている。車速は、ヨーレートγを操舵角θで除算したヨーゲインG(=γ/θ)と対応関係を有する。マイコン部31は、図2に示すようなヨーゲインマップをROM等のメモリに記憶している。ヨーゲインマップは、低車速域においては、車速の増加にしたがってヨーゲインGが増加し、高車速領域においては車速の増加にしたがってヨーゲインGが減少する特性を有する。従って、入力パラメータとしてヨーレートγと操舵角θとを取得してヨーゲインGを求めることにより推定車速Vsを導き出すことができる。このヨーゲインマップは、実際の車両を走行させて計測した計測データを使って、あるいは、計算に基づいて作成されマイコン部31に記憶されている。
そして車速センサフェール時においては、車速Vに代えて補正推定車速Vsxを使って上述した操舵アシスト制御を行う。以下、車速推定処理について説明する。図5は、マイコン部31の実施する車速推定ルーチンを表す。車速推定ルーチンは、上述した操舵アシスト制御ルーチンと並行して、所定の短い周期で繰り返される。イグニッションスイッチのオンにより車速推定ルーチンが起動すると、マイコン部31は、まず、ステップS21において車速センサフェールが発生しているか否かを判断する。車速センサフェールは、車速センサ44から出力される検出信号に基づいて判定することができる。例えば、検出信号が正常時に取り得る範囲から外れている場合、あるいは、短い周期で検出した前回検出値と今回検出値との差が基準範囲を超えている場合等に車速センサフェールが発生していると判定する。
車速センサフェールが発生していない場合は、本ルーチンを一旦終了する。車速センサフェールが発生している場合(S21:Yes)は、続くステップS22において、挙動制御装置50を介してヨーレートγを読み込むとともに、回転角センサ42から操舵角θを読み込む。読み込んだヨーレートγおよび操舵角θには、図6に示すように、振動成分が含まれているため、続くステップS23において、ローパスフィルタ処理により振動成分を除去する。こうして、ヨーレートγおよび操舵角θは、図7に示すように振動成分が除去される。
続いて、ステップS24において、図2に示すヨーゲインマップを参照し、ヨーレートγと操舵角θとに基づいて推定車速Vsを算出する。ヨーゲインマップは、推定車速Vsの増加にしたがってヨーゲインG(=γ/θ)が増加する領域と減少する領域とが存在する特性を有する。このため、図8に示すように、1つのヨーゲインGに対して2つの解(VsL、VsH)が存在する場合がある。そこで、ステップS25において、2つの解が存在しているか否かを判定し、2つの解が存在している場合には、ステップS26において、車両安定性の観点から高い方の推定車速Vs(図8の例ではVsH)を選択する。2つの解が存在していない場合には、ステップS26の処理をスキップする。
続いて、ステップS27において、推定車速Vsを決定する。つまり、ヨーゲインGに対して解(推定車速Vs)が1つしかない場合には、そのヨーゲインGから導かれる推定車速Vsを推定車速Vsと決定し、ヨーゲインGに対して解(推定車速Vs)が2つある場合には、高い方の推定車速Vsを推定車速Vsとして決定する。
続いて、ステップS28において、推定車速Vsに対して車速徐変処理を行って、最終的な推定車速である補正推定車速Vsxを算出する。推定車速Vsは演算により算出されたものであるため演算異常等により急激に変動するおそれがある。その場合には、操舵フィーリングが急変して運転者に違和感を与えてしまう。そこで、車速変化度合い(単位時間あたりの車速変化量)が許容範囲に収まるように推定車速Vsを補正した補正推定車速Vsxを算出し、この補正推定車速Vsxを最終的な推定車速とする。
例えば、車速推定ルーチンが所定の短い周期で繰り返されることから、前回算出した補正推定車速Vsxと今回算出した推定車速Vsとの差の絶対値が許容値ΔVを越える場合には、前回算出した補正推定車速Vsxに許容値ΔVを加算(増加する場合)あるいは減算(減少する場合)した値を、今回の補正推定車速Vsxとする。また、前回算出した補正推定車速Vsxと今回算出した推定車速Vsとの差の絶対値が許容値ΔV内に収まる場合には、今回算出した推定車速Vsをそのまま補正推定車速Vsxとする。これにより、最終的な補正推定車速Vsxは、図9に示すように、推定車速Vsが急変した場合でも、その変化が抑制されて徐々に推定車速Vsに近づくように推移する。
こうして推定車速Vsxが算出されると、本車速推定ルーチンはいったん終了する。そして、所定のインターバルを経て繰り返し実行される。ステップS28において算出された推定車速Vsxは、操舵アシスト制御ルーチンのステップS13において車速Vとして使用される。従って、図4に示すアシストトルクマップを参照して目標アシストトルクT*を設定することができる。
以上説明した本実施形態の電動パワーステアリング装置によれば、車速センサフェール時に、ヨーレートγと操舵角θとヨーゲインマップとに基づいて推定車速Vsを算出し、さらに、推定車速Vsから車速変化を抑制した補正推定車速Vsxを算出する。そして、補正推定車速Vsxを車速Vとして操舵アシスト制御に使用するため、各車速に適した操舵アシストトルクを得ることができる。また、推定車速Vsに対して徐変処理を行うため、仮に、推定車速Vsの演算異常が生じたとしても、操舵フィーリングが急変しないため、運転者に違和感を与えない。また、ヨーゲインマップを参照して2つの解(推定車速)が存在する場合には、高い方の推定車速を選択するため(S26)、安全性を維持することができる。
以上、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
10…転舵機構、11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、20…パワーアシスト部、21…電動モータ、22…ボールねじ機構、30…電子制御ユニット、31…マイコン部、32…モータ駆動回路、41…操舵トルクセンサ、42…回転角センサ、43…電流センサ、44…車速センサ、45…ヨーレートセンサ、50…挙動制御装置。
Claims (1)
- 操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構と、
前記転舵機構に設けられ、前記操舵ハンドルの操舵操作に対して操舵アシストトルクを発生する電動モータと、
車速を検出する車速センサと、
操舵ハンドルに働く操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、
前記検出された車速と操舵トルクとに基づいて、前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と
を備えた電動パワーステアリング装置において、
車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、
操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記操舵角に対するヨーレートの大きさを表すヨーゲインと車速との対応関係を予め設定した車速ヨーゲイン特性を記憶した特性記憶手段と、
前記車速センサの異常を検出する異常検出手段と、
前記車速センサの異常が検出されたとき、前記ヨーレート検出手段により検出されたヨーレートと、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記特性記憶手段に記憶されている車速ヨーゲイン特性とに基づいて車速を推定する車速推定手段と、
前記車速推定手段により推定された推定車速を車速変化度合いが許容範囲内に収まるように補正した補正推定車速を算出する推定車速補正手段と
を備え、
前記モータ制御手段は、前記車速センサの異常が検出されたときには、前記車速センサにより検出される車速に代えて、前記補正推定車速を使って前記電動モータを駆動制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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2009
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