JP2013086610A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メインマイコン503とメインマイコン監視回路511とを備える。メインマイコン503は、トルク信号TRQに基づきパワーステアリング指示電流ImtEPSを決定するパワーステアリング制御部503cと、自動駐車制御信号PASigに基づき自動駐車制御電流ImtPAを決定する自動駐車制御部503dと、モータ電流指示値Imt1を切替える切替信号生成処理部503eおよびモータ電流切替部503fと、監視特性を切替える監視回路モード選択部503jおよび監視回路特性切替部503mとを有する。メインマイコン監視回路511は、モータ電流検出信号Imdが制限値を超えた場合に異常状態と判定して制御を停止する。
【選択図】図3
Description
また、特許文献2に記載の技術においては、パワーステアリング制御を行う主演算手段と、主演算手段を監視する副演算手段とを設け、主演算手段が異常動作しても、副演算手段がモータ駆動を制限することにより安全性を確保している。
図1はこの発明の実施の形態1の全体構成を示すブロック図である。
図1において、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置は、ステアリングシャフト2に設けられてハンドル1の操舵力(操舵トルク)を検出するトルクセンサ3と、車速を検出する車速センサ4と、電動パワーステアリング制御装置全体を制御する制御ユニット5と、を備えている。以下、制御ユニット5を、EPSECU5(ECU:Electronic Control Unit)と称する。
図2において、EPSECU5は、トルクセンサ3からの検出信号(操舵トルク)を取り込むインタフェース回路(以下、「I/F回路」という)501と、他の情報を取り込むI/F回路502と、パワーステアリング制御の実行プログラムを有するメインマイコン503と、リレー駆動回路504と、異常時にモータ電流を遮断するリレー505と、モータ6に流れる電流を検出するシャント抵抗506と、電流検出回路507と、AND(論理積)回路508と、FET駆動回路509と、モータ駆動回路510と、メインマイコン監視回路511と、を備えている。
リレー駆動回路504は、メインマイコン503からのリレー制御信号DryMがON信号を示す場合にリレー505をON駆動し、リレー制御信号DryMがOFF信号を示す場合にリレー505をOFFしてモータ電流を遮断させる。
AND回路508は、メインマイコン監視回路511から出力される制御継続フラグDmtSがモータON(論理レベル「1」、すなわち正常)を示す場合には、メインマイコン503からのモータ電流指令DmtMを通過させ、モータ6を駆動させるための信号としてFET駆動回路509に入力する。
モータ駆動回路510は、モータ6の電流を制御するために複数トランジスタのブリッジ構成からなる。
図3において、メインマイコン503は、トルク入力処理部503aと、CAN通信処理部503bと、パワーステアリング制御部503c(第1の指示電流生成部)と、自動駐車制御部503d(第2の指示電流生成部)と、切替信号生成処理部503e(切替信号生成処理部)と、モータ電流切替部503fと、モータ電流制御部503gと、モータ電流入力処理部503hと、車速異常検出処理部503iと、監視回路モード選択部503j(監視モード信号生成部)と、モード選択異常判定部503k(監視モード信号異常判定部)と、監視回路特性切替部503mと、を備えている。
CAN通信処理部503bは、CANバスからのバス情報CANを取り込み、車速情報Vsp1と自動駐車制御信号PASigとを生成する。
自動駐車制御部503dは、自動駐車制御信号PASigに基づき、自動駐車制御電流ImtPAを生成する。
すなわち、切替信号生成処理部503eは、自動駐車制御信号PASigが自動駐車制御ONを示す場合には、F_PA=1とし、自動駐車制御OFFを示す場合には、F_PA=0とする。
すなわち、モータ電流切替部503fは、自動駐車制御OFF(F_PA=0)の場合には、パワーステアリング指示電流ImtEPSを選択してモータ電流指示値Imt1とし、自動駐車制御ON(F_PA=1)の場合には、自動駐車制御電流ImtPAを選択してモータ電流指示値Imt1とし、モータ6に通電する目標電流として出力する。
図4において、モータ電流制御部503gは、一般的なPI制御器からなり、モータ電流検出信号Imd1とモータ電流指示値Imt1との電流偏差ΔImを求める減算器51と、電流偏差ΔImに基づき比例演算制御を行う比例項52と、電流偏差ΔImに基づき積分演算制御を行う積分項53と、比例項52および積分項53の各演算出力値を加算してモータ電流指令DmtMを生成する加算器54と、を備えている。
すなわち、車速異常検出処理部503iは、車速情報Vsp1が正常の場合には、F_VspNG=0とし、車速情報Vsp1が異常の場合には、F_VspNG=1とする。
すなわち、モード選択異常判定部503kは、監視回路モード選択部503jが正常の場合には、F_CtrlILNG=0とし、監視回路モード選択部503jが異常の場合には、F_CtrlILNG=1とする。
言い換えれば、監視回路特性切替部503mは、監視回路モード選択フラグILMODEの異常の有無に応じてメインマイコン監視回路511の特性を切替える。
一方、F_CtrlILNG=1(ILMODEが異常)の場合には、監視回路特性切替部503mは、図3に示す位置から下側に切替えて、ILCTRL=0とし、メインマイコン監視回路511に入力する。
図5はパワーステアリング制御部503cによる制御特性を示す説明図である。
パワーステアリング制御部503cは、図5の特性にしたがい、運転者がハンドル1を右(+)方向に操舵した場合には、トルク信号TRQ1の大小に応じた右(+)方向のモータ電流指示値Imt1を生成する。
このとき、図5に示すように、車速情報Vsp1(0km/h、10km/h、・・・)に応じて、モータ電流指示値Imt1が可変設定されるので、車速情報Vsp1に応じた最適なパワーステアリング制御を行うことができる。
たとえば、自動駐車制御を行わない場合には、CAN通信処理部503bからの自動駐車制御信号PASigはOFFを示すので、自動駐車制御部503dは、ImtPA=0[A]を生成し、切替信号生成処理部503eは、F_PA=0を生成する。
図6において、監視回路モード選択部503jは、まず、切替信号生成処理部503eからの自動駐車状態信号F_PAをチェックし、F_PA=1(自動駐車中)であるか否かを判定する(ステップS101)。
これにより、メインマイコン監視回路511は、監視回路特性切替部503mを介した監視特性設定信号ILCTRLに応答して、自動駐車制御用特性を選択する。
図7においては、一例として、車速情報Vsp1を含むCANIDのメッセージチェックにより車速異常を判定する場合を示している。
なお、ここでは、通信手段のみを用いて車速異常を判定したが、受信データの内容(たとえば、前回値との比較結果など)を用いて車速異常を判定してもよい。
図8において、まず、モード選択異常判定部503kは、車速情報Vsp1が前述の所定値(たとえば、10km/h)を超えているか否かを判定し(ステップS301)、車速情報Vsp1≦所定値(すなわち、No)と判定されれば、異常判定処理を実行することなく、図8の処理ルーチンを終了する。
図9はメインマイコン監視回路511の制御機能を示すブロック図である。
図9において、メインマイコン監視回路511は、監視判定ロジック部511aと、継続時間判定タイマ511bとを備えている。
図10はパワーステアリング動作中に監視判定ロジック部511aで用いられる第1の電流制限値を示す特性図であり、図11は自動駐車制御中に監視判定ロジック部511aで用いられる第2の電流制限値を示す特性図である。
同様に、図11において、トルクがほぼ0の領域での電流値Ia2、−Ia2は、自動駐車制御中に必要な電流の許容上限値(第2の電流制限値、たとえば50A)である。
まず、パワーステアリング動作を行う場合について説明する。
図1〜図3において、ハンドル1が操舵されると、トルクセンサ3と、EPSECU5内のI/F回路501と、メインマイコン503内のトルク入力処理部503aとを介して、トルク信号TRQ1が生成される。
具体的には、パワーステアリング制御部503cは、図5のように、制御時の車速情報Vsp1とトルク信号TRQ1とにしたがってパワーステアリング指示電流ImtEPSを決定する。
たとえば、自動駐車制御がOFFの場合には、切替信号生成処理部503eからの自動駐車状態信号F_PAが、F_PA=0となるので、モータ電流切替部503fを介したモータ電流指示値Imt1は、Imt1=ImtEPSとなり、モータ電流制御部503gは、パワーステアリング指示電流ImtEPS(EPS目標電流)をモータ6への通電指令値とする。
なお、左(−)方向への操舵の場合には、上記の逆方向になるものの、基本的に同様のアシスト動作となる。
図1〜図3において、PAECU11からCANバス経由で送られてきた指令信号は、I/F回路502と、メインマイコン503内のCAN通信処理部503bとを介して、自動駐車制御信号PASigとしてメインマイコン503内の自動駐車制御部503dおよび切替信号生成処理部503eに取り込まれる。
モータ電流切替部503fは、自動駐車状態信号F_PA=1に応答して、図3に示した切替状態を選択し、モータ電流指示値Imt1を、Imt1=ImtPAとする。
これにより、モータ電流制御部503gは、モータ電流指示値Imt1=ImtPAをモータ6への通電指令値とする。
一方、自動駐車動作中においては、ハンドル1が手放し状態なので、トルク信号TRQ1がほぼゼロとなり、指示電流(Imt1=ImtPA)の特性は、軌跡32を描く。
図10の特性においては、図12内のパワーステアリング動作中の軌跡31に適合した異常判定領域(斜線領域)が設定されている。
したがって、メインマイコン監視回路511がモータ電流を制限することはないので、意図通りのパワーステアリング制御が可能となる。
このとき、仮に図10の特性(第1の電流制限値)を適用すると、斜線で示す第2の領域22(異常判定領域)内に入り、異常状態と判定して制御を中止することになってしまう。
これにより、メインマイコン監視回路511は、図11の特性(第2の電流制限値)でメインマイコン503を監視する。
すなわち、メインマイコン503は、図12内の軌跡31で動作するが、正常状態の軌跡32は、図11内の第3の領域23にあるので、メインマイコン監視回路511は、メインマイコン503およびPAECU11が正常状態であると判定する。
したがって、メインマイコン監視回路511がモータ電流を制限することはないので、意図通りの自動駐車制御が可能となる。
まず、パワーステアリング動作中(操舵中)に操舵方向に異常電流(過大電流)が流れた場合には、軌跡31は、図10内の第3の領域23に位置し、運転者の操舵力が軽くなるのみであり特に問題が生じないので、パワーステアリング制御が継続される。
ただし、操舵力が小さくても、逆方向に大きい電流が流れた場合には、図10内の第2の領域22(斜線領域:異常判定領域)に位置するので、メインマイコン監視回路511は、異常状態と判定してモータ電流を制限(OFF)する。
自動駐車制御中において、メインマイコン監視回路511は、図11の特性に基づきメインマイコン503を監視している。
自動駐車制御は、極低車速(たとえば、10km/h以下)で行われており、図11の特性から、ほとんど操舵していない状態では、自動駐車制御中に必要な最大の電流値Ia2(たとえば、50A)まで通電することができる。
さらに、車速情報Vsp1に異常が生じた場合も、メインマイコン監視回路511は、強制的に図10の特性を選択するので、モータ電流は電流値Ia1までしか流れず、問題は生じない。
メインマイコン監視回路511(監視部)は、モータ電流が第1または第2の電流制限値を超えた場合に、異常状態を示す制御継続フラグDmtS(出力信号)を生成する。
メインマイコン監視回路511(監視部)は、モータ電流と第1または第2の電流制限値との比較結果に応じて、モータ6の駆動方向に対する駆動許可または駆動非許可を示す制御継続フラグDmtS(出力信号)を生成する。
なお、図10、図11において、制限時の電流値Ia1、Ia2を一定値としたが、操舵トルクに応じて変化する特性を有するように設定してもよい。
メインマイコン監視回路511は、監視特性設定信号ILCTRLに応じて第1または第2の電流制限値を選択する。
すなわち、正常動作時のモータ電流制御を制限することなく、且つ異常時にはモータ電流制御を制限することにより、走行信頼性を安価に確保することができる。
さらに、第1の電流制限値と第2の電流制限値とを切替えるためのモード選択部の異常を検出して、モード選択異常発生時には強制的に第1の電流制限値を選択させることにより、モード選択異常時の制御安定性を確保することができる。
なお、上記実施の形態1(図2)では、PAECU11からの指令信号に基づく自動駐車状態信号F_PAを、CANバスおよびメインマイコン503(CPU)を介して、監視特性設定信号ILCTRLとしてメインマイコン監視回路511に送信したが、図13のように、PAECU11から生成される自動駐車状態信号F_PA1(指令信号)を、EPSECU5A内のメインマイコン監視回路511Aに直接送信してもよい。
図13において、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。また、図13に示されない構成は、図1に示した通りである。
この場合、PAECU11からの自動駐車状態信号F_PA1は、EPSECU5A内のメインマイコン監視回路511Aに直接入力される。
図14において、メインマイコン監視回路511Aは、前述の構成に加えて、判定ロジック部511cを備えており、判定ロジック部511cは、メインマイコン503と監視判定ロジック部511aとの間に挿入されている。
すなわち、判定ロジック部511cは、自動駐車状態信号F_PA1に応じて、監視判定ロジック部511aに入力される別の監視特性設定信号ILCTRL1を切替える。
Claims (5)
- 車両のハンドルに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記ハンドルに対する操舵補助力を発生するモータと、
前記車両の車速を検出する車速センサと、
前記モータを駆動制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記モータを駆動制御するための演算処理を行う主制御部と、
前記モータの駆動制御状態を監視する監視部と、
前記モータに電流を供給するモータ駆動部と、
前記モータに流れるモータ電流を検出するモータ電流検出部と、
を有する電動パワーステアリング制御装置であって、
前記主制御部は、
前記操舵トルクおよび前記車速に基づいて前記モータに対する第1の指示電流を決定する第1の指示電流生成部と、
他の車載制御装置からの指令信号に応じて第2の指示電流を決定する第2の指示電流生成部と、
前記第1または第2の指示電流を切替選択してモータ電流指示値を生成するモータ電流切替部と、
前記指令信号に応じて、前記モータ電流指示値を前記第1の指示電流から前記第2の指示電流に切替えるための切替信号を生成する切替信号生成処理部と、
前記モータ電流指示値と一致するように前記モータ電流を制御するモータ電流制御部と、
前記車速の異常状態を検出して車速異常信号を生成する車速異常検出処理部と、
前記切替信号、前記車速および前記車速異常信号に基づいて、前記監視部のモードを切替えるための監視モード信号を生成する監視モード信号生成部と、を含み、
前記監視部は、前記操舵トルクの大きさに応じた前記モータ電流の監視領域を、前記切替信号の有無に応じて異なる複数の領域に分割する領域区分手段を含み、
前記領域区分手段は、
前記第1の指示電流による制御時においては、前記複数の領域ごとに前記モータ電流に対する第1の電流制限値を設定し、
前記第2の指示電流による制御時においては、前記複数の領域ごとに前記モータ電流に対する第2の電流制限値を設定し、
前記監視部は、前記モータ電流が前記第1または第2の電流制限値を超えた場合に、異常状態を示す出力信号を生成することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 前記第2の電流制限値は、前記複数の領域のうちの前記操舵トルクがほぼ0に対応する領域において、前記第1の電流制限値よりも大きい値に設定され、
前記監視部は、
前記モータ電流と前記第1または第2の電流制限値との比較結果に応じて、前記モータの駆動方向に対する駆動許可または駆動非許可を示す出力信号を生成し、
前記出力信号により、前記主制御部とは独立に、前記モータ駆動部の駆動を許可または停止させることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記監視モード信号生成部は、
前記車速が所定値以下で、且つ前記モータ電流指示値として前記第2の指示電流が選択され、且つ前記車速異常信号が生成されていない場合には、前記監視部に対して、前記第2の電流制限値を選択させるための監視モード信号を生成し、
他の場合には、前記監視部に対して、前記第1の電流制限値を選択させるための監視モード信号を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記主制御部は、
前記監視モード信号の異常状態を判定してモード選択異常判定フラグを生成する監視モード信号異常判定部と、
前記監視モード信号および前記モード選択異常判定フラグに基づき前記監視部に対する監視特性設定信号を切替える監視回路特性切替部と、を含み、
前記監視モード信号異常判定部は、前記車速が所定値以上で、且つ前記監視モード信号が前記第2の電流制限値の選択を示している場合に、前記監視モード信号が異常状態であると判定して前記モード選択異常判定フラグを生成し、
前記監視部は、前記監視特性設定信号に応じて前記第1または第2の電流制限値を選択することを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記監視部は、
前記他の車載制御装置からの指令信号と、前記監視回路特性切替部からの監視特性設定信号とに基づいて、別の監視特性設定信号を生成する判定ロジック部を含み、
前記別の監視特性設定信号に応じて、前記第1の電流制限値または前記第2の電流制限値を選択することを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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