JP5174596B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車等に搭載される電動パワーステアリング装置に関するものであり、特に、装置の一部が故障した際に運転者が感じる操舵感を改善した電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来の電動パワーステアリング装置においては、モータ回転角センサに異常が発生した場合に、トルクセンサを構成する他の回転角センサで代用して、モータの電流を制御し、モータトルクによる運転者の操舵のアシストを継続するものである(例えば、特許文献1参照)。このトルクセンサは、トーションバーとその両端に備えられた2つの回転角センサで構成されており、モータ回転角センサの異常時には、トルクセンサを構成する回転角センサのうちモータ側の回転角センサを用いて、モータの制御を継続するものである。
また、他の従来の電動パワーステアリング装置においては、モータ回転角センサに異常が発生した場合に、ステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角センサで代用して、モータの電流を制御し、モータトルクによる運転者の操舵のアシストを継続するものである(例えば、特許文献2参照)。
なお、電圧指令と電流検出値からモータ回転角度を推定する方法、つまり磁束オブザーバまたは適応オブザーバと呼ばれるものを用いる方法がある(例えば、特許文献3参照)。この方法は、モータ回転速度が速い領域で精度良く推定できることが知られている。
特開2007−8299号公報 特開平4−257770号公報 国際公開第02/091558号パンフレット
上述したような従来の電動パワーステアリング装置では、モータ回転角と、トーションバーのモータ側の回転角の間には、ねじれ要素がほとんど無いため、この2つの回転角度ほぼ等しく、この構成は本来等しい回転角度を2つの回転角センサで検出する2重系である。そのため、1つの回転角センサで検出するよりも、構成が複雑になり、また、コストが高くなるという問題点があった。
また、上述したような他の従来の電動パワーステアリング装置では、トルクセンサのトーションバーよりもステアリングホイール側に操舵角センサがあるため、操舵角とモータ回転角の間にトーションバーが存在し、トーションバーのねじれが大きい場合には、他に何も対策をしなければ、図5で示すようにトルクが大きく乱れることがある。このようなトルクでは、運転者の感じる違和感が増大するという問題点がある。図4は正常時の波形であるが、これに比べて、図5は、操舵トルクが振動的でかつ大きくなっている。また、操舵角センサで検出される操舵角度は、一般的に、モータ回転角センサで検出されるモータ回転角度に比べて、サンプリング周期が長いことがある。そのため、信号として遅れが生じるので、この信号を用いてモータの電流を制御すると、電流にも遅れが生じるため、モータトルクが正しく制御できず、運転者の感じる違和感が増大するという問題点があった。
また、上述したような従来の電動パワーステアリング装置のような構成であっても、代用信号として、トルクセンサを構成する回転角センサのうちステアリングホイール側の回転角センサで代用すると、トーションバーのねじれが影響し、図5で示したように運転者の感じる違和感が大きくなるという同様な問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、モータ回転角センサに異常が発生した場合においても、コストを増加することなく、モータ回転角センサの信号を代用する信号を精度よく生成し、モータによるアシストトルクを安定して発生させ、運転者の感じる違和感を軽減することができる電動パワーステアリング装置を得るものである。
この発明は、ステアリングシャフトに操舵を補助するアシストトルクを付加するモータと、前記モータの回転角度を検出するモータ回転角センサと、前記ステアリングシャフトに連結されたステアリングホイールの回転角度である操舵角度を検出する操舵角センサと、前記ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記モータに流れる電流を検出する電流検出回路と、前記トルクセンサにより検出された操舵トルクに前記トルクセンサの所定のゲインを除算した値で、前記操舵角センサにより検出された操舵角度を補正した信号に基づいて第1のモータ回転角推定値を算出する第1のモータ回転角推定手段と、電圧指令及び前記電流検出回路により検出されたモータ電流に基づいて第2のモータ回転角推定値を算出する第2のモータ回転角推定手段と、前記第1又は第2のモータ回転角推定値を微分することにより、モータ回転速度を算出するモータ回転速度算出手段と、前記モータ回転速度算出手段により算出されたモータ回転速度の絶対値が所定の閾値よりも小さい場合は、前記第1のモータ回転角推定手段により算出された第1のモータ回転角推定値を出力し、前記モータ回転速度の絶対値が所定の閾値以上の場合には、前記第2のモータ回転角推定手段により算出された第2のモータ回転角推定値を出力する推定切換え手段と、前記モータ回転角センサの異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により前記モータ回転角センサの異常が検出された場合には、前記推定切換え手段により出力されたモータ回転角推定値を、前記モータ回転角センサにより検出されたモータ回転角度の代わりとして出力する切換え手段と、前記操舵トルクに応じた前記モータのトルクを出力すべく、前記アシストトルクの目標値に相当するアシスト指令、前記電流検出回路により検出されたモータ電流及び切換え手段から供給された第1又は第2のモータ回転角推定値に基づいて前記電圧指令を算出し、前記モータの電流を制御する電流制御手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置等にある。
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、モータ回転角センサに異常が発生した場合に、操舵角センサの検出値で代用するが、このときに、トルクセンサ検出値に基づきトーションバーの捩れ量の分を補正し、また、精度が劣る操舵角センサの場合でも、操舵速度が速い場合には、磁束オブザーバ方式に切り替えることにより、コストを増加させることなく、モータ回転角センサの信号を代用する信号を精度よく生成し、モータによるアシストトルクを安定して発生させ、運転者の感じる違和感を軽減することができるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置について図1から図6までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2と、ラック・ピニオンギヤ3と、車輪4a、4bと、モータ5と、モータ減速ギヤ6と、電源(バッテリ)7と、コントローラユニット10と、モータ回転角センサ31と、操舵角センサ32と、トルクセンサ33と、車速センサ34とが設けられている。
図2は、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のコントローラユニットの構成を示すブロック図である。
図2において、コントローラユニット10は、アシスト指令演算手段11と、電流検出回路12と、異常検出手段13と、切換え手段14と、電流制御手段15と、スイッチング素子駆動回路16と、インバータ17と、モータ回転角推定手段18とが設けられている。なお、コントローラユニット10の構成要素のうち、電流検出回路12、スイッチング素子駆動回路16及びインバータ17を除くほかの構成要素は、通常、マイコンのソフトウェアとして実装されるものである。
つぎに、この実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図1において、図示しない運転者からステアリングホイール1に加えられた操舵トルクは、トルクセンサ33のトーションバー33a、ステアリングシャフト2を通り、ラック・ピニオンギヤ3を介して、ラックに伝達され、車輪4a、4bを転舵させる。
モータ5は、モータ減速ギヤ6を介してステアリングシャフト2と連結している。モータ5から発生するアシストトルク(以下モータトルクとも言う)は、モータ減速ギヤ6を介してステアリングシャフト2に伝達され、操舵時に運転者が加える操舵トルクを軽減する。このモータ5は、ブラシレスモータのような同期モータを使用する。
トルクセンサ33は、運転者がステアリングホイール1を操舵することによりトーションバー33aに加わった操舵トルクを検出する。この操舵トルクによってトーションバー33aには操舵トルクにほぼ比例した捩れが生じるので、この捩れ角を捩れ角検出手段33bによって検出し、操舵トルク信号に換算する。
コントローラユニット10は、トルクセンサ33で検出した操舵トルク信号と、車速センサ34で検出した車速に応じて、モータ5が付与するアシストトルクの方向と大きさを決定し、このアシストトルクをモータ5に発生させるべく、モータ回転角センサ31で検出されたモータ5の回転角度に応じて、電源7からモータ5に流す電流を制御する。
図2において、アシストトルクの目標値に相当するアシスト指令を算出するアシスト指令演算手段11は、トルクセンサ33で検出した操舵トルク信号と、車速センサ34で検出した車速信号に応じたモータトルクの方向と大きさを決定し、アシスト指令を算出する。
電流検出回路12は、モータ5の各相に流れる電流を検出する。異常検出手段13は、モータ回転角センサ31の異常を検出するものであり、ここで、異常が検出されていない場合には、切換え手段14は、モータ回転角センサ31で検出されたモータ回転角度信号を選択し、電流制御手段15に供給する。
電流制御手段15は、アシスト指令、モータ5の検出電流、モータ回転角度に応じて電圧指令を算出する。その算出方法は、一般的な手法で良く、例えば、dq制御などが挙げられる。この方法は、ブラシレスモータのような同期モータに対して、モータ回転角度に依存した位相の電流を流すことで、モータ5のトルクを制御するものである。
スイッチング素子駆動回路16は、この電圧指令をPWM変調してインバータ17へスイッチング操作を指示する。インバータ17は、スイッチング操作信号を受けてスイッチング素子171a〜173a、171b〜173bのチョッパ制御を実現し、電源7から供給される電力により、モータ5に電流を流す。この電流によって、モータトルクすなわちアシストトルクが発生する。
操舵角センサ32は、ステアリングホイール1の回転角度を検出するものであり、様々な制御に利用される。本実施の形態では示していないが、例えば、横滑り防止装置のようなものに使用される。
モータ回転角センサ31に異常が生じていない場合は、以上のような制御が実施され、運転者の操舵トルクをモータトルクすなわちアシストトルクにより補助し、図4に示すように、違和感のないフィーリングを得ることができる。図4は、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のモータ回転角センサの正常状態の時間応答波形を示す図である。図4において、(a)は全体波形を示し、横軸は時間(sec)、縦軸は操舵角(deg)、操舵トルク(Nm)、アシストトルク(Nm)をそれぞれ示す。また、(b)は拡大波形を示し、横軸は時間(sec)、縦軸は操舵トルク(Nm)、アシストトルク(Nm)、モータ電流(A)、モータ回転角度(deg)、モータ回転角度(360deg表示)をそれぞれ示す。
ここで、モータ回転角推定手段18と異常検出手段13の動作について説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のモータ回転角推定手段の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップ181において、モータ回転角推定手段18は、操舵角センサ32から操舵角度信号θhと、トルクセンサ33から操舵トルク信号Tsを読み込む。
次に、ステップ182において、モータ回転角推定手段18は、トーションバー33aの捩れ角を演算する。前述したように、操舵トルク信号はトーションバー33aの捩れ角にほぼ比例し、その比例ゲインはトーションバー33aの捩れの弾性係数Ktsである。
すなわち、Ts=Kts×θh、という関係式が成り立つ。
これに従い、ステップ182の演算では、操舵トルク信号Tsをトーションバー33aの捩れの弾性係数Ktsで除算した値を、捩れ補正量θcとして算出する。
すなわち、θc=Ts/Kts、という関係式である。
そして、ステップ183において、モータ回転角推定手段18は、モータ回転角推定値θeAを算出する。操舵角度信号θhからトーションバーの捩れ補正量θcを減算した値を、モータ減速ギヤ6のギヤ比Ggで除算することで、トーションバー捩れ分を補正し、モータ回転角度の推定値を得ることができる。
すなわち、θeA=(θh−θc)/Gg、という関係式である。
異常検出手段13は、モータ回転角センサ31で検出されたモータ回転角度信号と、モータ回転角推定手段18で演算されたモータ回転角推定値θeAに基づいて、モータ回転角センサ31の異常を判定する。その方法は、例えば、モータ回転角度信号からモータ回転角推定値を減算した値の絶対値が、あらかじめ定めた値以上に達したときに、モータ回転角センサ31に異常が発生したと判定する方法で実施される。
異常検出手段13で異常が検出されると、切換え手段14は、モータ回転角推定手段18で算出されるモータ回転角推定値θeAを選択し、これをモータ回転角度信号の代用信号として電流制御手段15に供給する。電流制御手段15は、このモータ回転角推定値θeAをモータ回転角度信号として代用し、上述したようなdq制御などの方式で、電圧指令を算出する。
以上のような構成により、モータ回転角センサ31に異常が発生した場合の時間応答波形を図6に示す。また、図5には、モータ回転角推定手段18において、トーションバー捩れ角を補正しない構成の場合、すなわち、モータ回転角推定値として、操舵角信号θhをギヤ比Ggで除算した値を用いた場合の波形を示す。
このときの関係式は、θeA=θh/Ggである。
図5は、従来の電動パワーステアリング装置のモータ回転角センサの異常状態の時間応答波形を示す図である。また、図6は、この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のモータ回転角センサの異常状態の時間応答波形を示す図である。図5及び図6において、(a)は全体波形を示し、横軸は時間(sec)、縦軸は操舵角(deg)、操舵トルク(Nm)、アシストトルク(Nm)をそれぞれ示す。また、(b)は拡大波形を示し、横軸は時間(sec)、縦軸は操舵トルク(Nm)、アシストトルク(Nm)、モータ電流(A)、モータ回転角度(deg)、モータ回転角度(360deg表示)をそれぞれ示す。
図6では、アシストトルクすなわちモータトルクは、振動的になるものの、平均的には操舵トルクと同じ方向に発生しハンドル操作を補助するようなトルクとして働いており、操舵トルクの大きさは図4に示す正常時と同等にできている。
図5では、約1.9秒以前の領域では、比較的良好なアシストを得られているが、約1.9秒以降においてモータトルクが大きく乱れている。この方法では、違和感が小さくできる操舵状態もあるが、違和感を増大させてしまう操舵状態もあるということである。これは、図5のモータ回転角推定方式では、トーションバーの捩れを考慮していないため、図5(b)の拡大波形に示すように、実際のモータ回転角度すなわち真値と推定値の差が大きくなることがあり、モータ電流の制御時に誤った方向に電流を流してしまうからである。その結果、図5は、モータトルクが大きく乱れ、操舵トルクが大きな値になっており運転者の感じる違和感が大きい。
図6は、操舵トルクが小さく、また、操舵トルクの振動振幅も小さいため、運転者の感じる違和感が小さい。なお、アシストトルクとは、モータトルクにギヤ比Ggを乗じた値であり、モータトルクと基本的に等価である。
このように、本実施の形態1に示した構成であれば、モータ回転角センサ31を2重に備えるなどして、コストを増加することもなく、モータ回転角センサ31に異常が生じた場合でも、モータ回転角度を精度良く推定することができるため、モータ制御が安定し、運転者の感じる違和感を小さくすることができる。
なお、[発明が解決しようとする課題]の段落で既に簡単に触れたが、各センサの検出信号のサンプリング周期が異なることに起因して生じる問題を説明しておく。
各センサで検出される信号は、その用途に応じて、信号ごとにサンプリング周期が異なる。電流やモータ回転角度などは、速い応答が必要なモータ制御に用いるため、サンプリング周期は最も短く、高速のサンプリングを実施している。一方、横滑り防止装置など応答の遅い車両運動の制御に用いる操舵角などの信号は、サンプリング周期が長い場合も多く、電流やモータ回転角度に比べて100倍ほどの長さとなっていることがある。サンプリング周期が長いということは、信号として遅れが生じる。
また、遅い応答だけしか必要ないので、操舵角センサそのものも高周波応答を低下させた応答の遅い安価なもので構成されていることがある。モータの電流を制御する際に、このような性質の操舵角信号を用いると、モータの回転速度が速い場合、すなわち、モータ回転角度の単位時間当たりの変化率が大きい場合には、遅れの大きな操舵角信号に基づく推定値と、実際のモータ回転角度の誤差が大きくなる。推定誤差が大きくなると、モータ電流の制御時に誤った方向に電流を流してしまう場合があり、モータトルクが乱れて、運転者の感じる違和感が大きくなることがある。
この後の実施の形態2では、操舵角度信号のサンプリング周期がモータ回転角度信号のそれに比べて長い場合など、操舵角信号に遅れがある場合に生じる問題にも対応する実施の形態について説明している。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置について図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置のコントローラユニットの構成を示すブロック図である。なお、電動パワーステアリング装置の構成は、上記の実施の形態1と同様である。
図7において、コントローラユニット10Aは、アシスト指令演算手段11と、電流検出回路12と、異常検出手段13と、切換え手段14と、電流制御手段15と、スイッチング素子駆動回路16と、インバータ17と、モータ回転角推定手段(第1のモータ回転角推定手段)18と、モータ回転角推定手段(第2のモータ回転角推定手段)21と、推定切換え手段22と、モータ回転速度算出手段23とが設けられている。
図2の実施の形態1との相違点は、モータ回転角推定手段21と、推定切換え手段22と、モータ回転速度算出手段23とをさらに設け、これらによる処理を追加したことである。
つぎに、この実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の動作について図面を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の推定切換え手段の動作を示すフローチャートである。
モータ回転角推定手段21は、電流制御手段15により算出された電圧指令と、電流検出回路12により検出されたモータ5の各相に流れる電流値からモータ回転角度を推定する方式であり、公知の手法でよい(例えば、特許文献3参照)。このような方法により、モータ回転角推定値θeBを算出する。
モータ回転速度算出手段23は、推定切換え手段22が出力するモータ回転角推定値を微分することで、モータ回転速度信号ωeを算出する。
まず、ステップ221において、推定切換え手段22は、モータ回転速度信号ωeの絶対値をあらかじめ定めた閾値αと比較し、小さいかどうかを判別する。モータ回転速度信号ωeの絶対値が閾値αよりも小さい場合(YES)は、ステップ222へ進み、モータ回転速度信号ωeの絶対値が閾値αよりも等しいか大きい場合(NO)には、ステップ223へ進む。
次に、ステップ222において、推定切換え手段22は、モータ回転角推定手段18が出力するモータ回転角推定値θeAをモータ回転角推定値として算出する。
一方、ステップ223において、推定切換え手段22は、モータ回転角推定手段21が出力するモータ回転角推定値θeBをモータ回転角推定値θeとして算出する。
なお、推定切換え手段22で用いるモータ回転速度信号ωeは、代数ループを回避するためには、1サンプル遅れのものを用いる。
異常検出手段13で異常が検出されていないときには、切換え手段14は、モータ回転角センサ31で検出されたモータ回転角度信号を選択し、電流制御手段15に供給する。一方、異常検出手段13で異常が検出されると、切換え手段14は、推定切換え手段22が出力するモータ回転角推定値θeを選択し、これをモータ回転角度信号の代用信号として電流制御手段15に供給する。
電流制御手段15は、このモータ回転角推定値をモータ回転角度信号として代用し、上述したようなdq制御などの方式で、電圧指令を算出する。
このようにして、モータの回転速度が遅い場合は、回転速度が遅いときに精度の良い操舵角度信号を用いたモータ回転角推定手段18を用い、モータの回転速度が速い場合は、回転速度が速いときに精度の良いモータ回転角推定手段21を用いることで、あらゆるときに精度良くモータ回転角度を推定することが可能となる。
このように、この実施の形態2で示すような構成であれば、操舵角信号のサンプリング周期がモータ回転角度信号に比べて100倍ほどの長さとなっているような場合や、操舵角センサ32の応答が遅い安価なものの場合であっても、サンプリング周期を短くしたり、操舵角センサ32の応答を速くしたり、モータ回転角センサ31を2重に備えるなど、ハードウェアの追加や変更をしてコストを増加することもなく、モータ回転角センサ31に異常が生じたときにも、モータ回転角度を精度良く推定することができるため、モータ制御が安定し、運転者の感じる違和感を小さくすることができる。
なお、上記の実施の形態1で説明した、トーションバー捩れ角を補正しない構成の場合、すなわち、モータ回転角推定手段18が操舵角信号θhをギヤ比Ggで除算した値を、モータ回転角推定値として算出する場合にも、この実施の形態2を適用することができる。操舵角信号のサンプリングが遅いときなど遅れがあるときでも、ハードウェアを追加変更してコストを増加することもなく、モータ回転角センサ31の異常時に、高速回転時でもモータ回転角度を精度良く推定することができるため、モータ制御が安定し、運転者の感じる違和感を小さくすることができる。
この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のコントローラユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のモータ回転角推定手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のモータ回転角センサの正常状態の時間応答波形を示す図である。 従来の電動パワーステアリング装置のモータ回転角センサの異常状態の時間応答波形を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のモータ回転角センサの異常状態の時間応答波形を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置のコントローラユニットの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の推定切換え手段の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール、2 ステアリングシャフト、3 ラック・ピニオンギヤ、4a、4b 車輪、5 モータ、6 モータ減速ギヤ、7 電源、10 コントローラユニット、10A コントローラユニット、11 アシスト指令演算手段、12 電流検出回路、13 異常検出手段、14 切換え手段、15 電流制御手段、16 スイッチング素子駆動回路、17 インバータ、18 モータ回転角推定手段、21 モータ回転角推定手段、22 推定切換え手段、23 モータ回転速度算出手段、31 モータ回転角センサ、32 操舵角センサ、33 トルクセンサ、33a トーションバー、33b 捩れ角検出手段、34 車速センサ。

Claims (3)

  1. ステアリングシャフトに操舵を補助するアシストトルクを付加するモータと、
    前記モータの回転角度を検出するモータ回転角センサと、
    前記ステアリングシャフトに連結されたステアリングホイールの回転角度である操舵角度を検出する操舵角センサと、
    前記ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記モータに流れる電流を検出する電流検出回路と、
    前記トルクセンサにより検出された操舵トルクに前記トルクセンサの所定のゲインを除算した値で、前記操舵角センサにより検出された操舵角度を補正した信号に基づいて第1のモータ回転角推定値を算出する第1のモータ回転角推定手段と、
    電圧指令及び前記電流検出回路により検出されたモータ電流に基づいて第2のモータ回転角推定値を算出する第2のモータ回転角推定手段と、
    前記第1又は第2のモータ回転角推定値を微分することにより、モータ回転速度を算出するモータ回転速度算出手段と、
    前記モータ回転速度算出手段により算出されたモータ回転速度の絶対値が所定の閾値よりも小さい場合は、前記第1のモータ回転角推定手段により算出された第1のモータ回転角推定値を出力し、前記モータ回転速度の絶対値が所定の閾値以上の場合には、前記第2のモータ回転角推定手段により算出された第2のモータ回転角推定値を出力する推定切換え手段と、
    前記モータ回転角センサの異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により前記モータ回転角センサの異常が検出された場合には、前記推定切換え手段により出力されたモータ回転角推定値を、前記モータ回転角センサにより検出されたモータ回転角度の代わりとして出力する切換え手段と、
    前記操舵トルクに応じた前記モータのトルクを出力すべく、前記アシストトルクの目標値に相当するアシスト指令、前記電流検出回路により検出されたモータ電流及び切換え手段から供給された第1又は第2のモータ回転角推定値に基づいて前記電圧指令を算出し、前記モータの電流を制御する電流制御手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. ステアリングシャフトに操舵を補助するアシストトルクを付加するモータと、
    前記モータの回転角度を検出するモータ回転角センサと、
    前記ステアリングシャフトに連結されたステアリングホイールの回転角度である操舵角度を検出する操舵角センサと、
    前記ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記モータに流れる電流を検出する電流検出回路と、
    前記操舵角センサにより検出された操舵角度に基づいて第1のモータ回転角推定値を算出する第1のモータ回転角推定手段と、
    電圧指令及び前記電流検出回路により検出されたモータ電流に基づいて第2のモータ回転角推定値を算出する第2のモータ回転角推定手段と、
    前記第1又は第2のモータ回転角推定値を微分することにより、モータ回転速度を算出するモータ回転速度算出手段と、
    前記モータ回転速度算出手段により算出されたモータ回転速度の絶対値が所定の閾値よりも小さい場合は、前記第1のモータ回転角推定手段により算出された第1のモータ回転角推定値を出力し、前記モータ回転速度の絶対値が所定の閾値以上の場合には、前記第2のモータ回転角推定手段により算出された第2のモータ回転角推定値を出力する推定切換え手段と、
    前記モータ回転角センサの異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により前記モータ回転角センサの異常が検出された場合には、前記推定切換え手段により出力されたモータ回転角推定値を、前記モータ回転角センサにより検出されたモータ回転角度の代わりとして出力する切換え手段と、
    前記操舵トルクに応じた前記モータのトルクを出力すべく、前記アシストトルクの目標値に相当するアシスト指令、前記電流検出回路により検出されたモータ電流及び切換え手段から供給された第1又は第2のモータ回転角推定値に基づいて前記電圧指令を算出し、前記モータの電流を制御する電流制御手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記異常検出手段は、前記モータ回転角センサにより検出されたモータ回転角度及び前記第1又は第2のモータ回転角推定手段により算出された第1又は第2のモータ回転角推定値の差分に基づいて、前記モータ回転角センサの異常を検出する
    ことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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