JP4019760B2 - 電気式操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の操舵装置に関し、特にその制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
出願人らは、特願2000−370704にて、路面から車輪に入力されるセルフアライニングトルク(以下、SATと略す)による外力と、モータのクーロン摩擦と装置内部の粘性摩擦による内部抗力(粘性トルク)の和を外乱トルクTdとして算出し、そこからSATの前輪の横滑り角αfに対する勾配κと、粘性トルクと操舵速度ωpの比として粘性係数ρを随時推定して、推定された粘性係数ρを更新しつつ、それを用いて操舵アシストトルクの発生量を制御する操舵装置の制御装置を出願している。
【0003】
この技術は、それ以前における粘性係数ρを一定値とした操舵アシストトルクの発生量を制御する操舵装置の制御装置では、内部抗力(粘性トルク)が経年変化や車両間のばらつきによる個々の車両に対応できないなどの問題点を解決するためになされたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行出願の発明によると、操舵角が小さく操舵速度が速い操舵を行うと粘性係数ρの推定が正常に行われず、推定値の精度が急激に悪化するという問題が残っていた。そこで本発明は、SATの前輪の横滑り角αfに対する勾配κと、粘性トルクと操舵速度ωpの比として粘性係数ρを随時推定して、推定された粘性係数ρを用いる場合に、操舵角が小さく操舵速度が速い操舵を行った場合でも粘性係数ρの推定値が異常値を取らないことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため請求項1の手段によれば、電気モータによりアシストトルクを付与するようにした電気式操舵制御装置において、操舵系にかかる粘性トルクの操舵角速度に対する比となる粘性係数を推定する粘性係数推定手段と、操舵周期を検出する操舵周期検出手段と、操舵周期検出手段により検出された操舵周期が所定値よりも短い期間においては、前記粘性係数推定手段により粘性係数を推定することなく、当該操舵周期が所定値よりも短い期間に入る前に推定された粘性係数を現時刻での推定値とする補正手段と、粘性係数推定手段及び補正手段により推定された粘性係数に基づいてアシストトルクを制御するアシストトルク制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用及び発明の効果】
操舵角が小さく操舵速度が速い操舵を行った場合には当該操舵周期が小さくなる。そこで、操舵周期が所定値よりも短い期間においては、それ以前に推定された正常な粘性係数を現時刻での推定値とすれば、粘性係数が異常値を示すことはなくなる。これにより、操舵角が小さく操舵速度が速い操舵を行った場合であっても精度の高い粘性係数が推定でき、アシストトルク制御が確実に行われる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0008】
図1は、本発明の一実施例な係る電動パワーステアリング装置100のハードウェア構成図である。以下、本実施例の電動パワーステアリング装置100について説明する。
【0009】
ステアリングシャフト10の一端には、ステアリングホイール11(ハンドル)が取り付けられ、他端にはギヤボックス12に軸承されたピニオン軸13が結合されている。ピニオン軸13は、ギヤボックス12に嵌装されたラック軸14に噛合され、また図示していないが、このラック軸14の両端はボールジョイント等を介して図略の操向車輪に連結されている。また、ステアリングシャフト10には、アシストトルクを付与するブラシレス直流モータM(以下、単に「モータM」という)が、2つの歯車17を介して連結されている。
【0010】
このモータMには、モータ制御装置200の駆動回路213より、電流検出器215を介してU,V,Wの3相に対する各モータ駆動電流iu,iv,iwが供給される。更に、ステアリングシャフト10には、運転者からステアリングホイール(ハンドル)11に加えられたマニュアル操舵力の大きさ及びその方向(操舵トルクT)を検出するためのトルク検出器15が設けられている。
【0011】
また、モータMには、その回転角を検出する同期用の回転角センサE(エンコーダ)が付設されており、回転角センサEが出力するモータMの回転角θmに基づいてピニオン回転角(=ハンドルの操舵角)θpが求められる。
モータ制御装置200は、CPU210、ROM211、RAM212、駆動回路213、入力インターフェイス(IF)214、電流検出器215等から構成されている。駆動回路213は、図略のバッテリー、PWM変換器、PMOS駆動回路等から構成され、チョッパ制御により駆動電流を正弦波にしてモータMに電力を供給する。
【0012】
モータ制御装置200のCPU210には、上記の回転角θmや、操舵トルクTの検出に利用されるトルクセンサ15、車速Vを与える車速計50等からの出力信号(測定値)が、入力インターフェイス(IF)214を介して入力される。CPU210は、これらの入力値から所定のトルク計算に基づいて、モータMが出力すべきトルク値(指令トルクTm)を決定し、更に、この指令トルクTmに基づいてd軸とq軸の各電流指令値(Id*,Iq*)を決定する。だだし、本実施例においては、「Id*=0」である。
【0013】
図2は、本実施例に係わる、電動パワーステアリング装置100のモータ制御装置200の制御ブロック・ダイヤグラムである。各制御ブロックの入出力の関係は以下の通りである。
トルクセンサ15は操舵トルクを位相補償部21と微分演算部23に出力する。
位相補償部21は位相補償された操舵トルクをアシスト制御部20に出力する。
微分演算部23は操舵トルクの微分を慣性補償部22に出力する。
車速計50は車速をアシスト制御部20、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26に出力する。
モータからは回転角が相対角演算部60に出力され、操舵角の相対角が計算されて微分演算部61に出力される。
微分演算部61は操舵角の角速度をダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26に出力する。
アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26は、上記入力値から設定された計算式に応じてトルクを出力する。尚、アシスト制御部20においては後述する方法により粘性係数ρhを推定しそれを用いてアシストトルクを決定する。アシスト制御部20と慣性制御部22の出力するトルクは操舵速度と同方向、ダンパ制御部24とハンドル戻し制御部26の出力するトルクは操舵速度と逆方向である。
アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26の出力が加算部28にて加算され、モータトルクTmとして電流指令演算部30に出力される。電流指令演算部30からは電流制御部40にq軸の電流指令値(Iq*)が出力され、モータ駆動電流iu,iv,iwとしてモータMに供給される。
【0014】
図3は、本実施例のアシスト制御部20の処理内容を示すブロック図である。EPS全作用力算出部3001では、ピニオン回転角度θpと角速度ωpからEPS全作用力を算出する。ラック推力算出部3002では、ピニオントルクTPとモータトルクTmからラック推力を算出する。外乱トルク算出部3003ではEPS全作用力とラック推力の差から外乱トルクTdを算出する。一方、横滑り角算出部3004ではピニオン回転角度θpと車速uから横滑り角αfが算出される。SAT/内部抗力算出部3005ではピニオン角速度ωpと、横滑り角αfと外乱トルクTdから、勾配κと粘性係数ρとを推定する。SAT/内部抗力算出部3005の推定した勾配κと粘性係数ρとは更新されながら、粘性係数ρはアシストトルク演算部3006での制御のために読み出される。
【0015】
pは運転者の操舵トルク、ωpはピニオン角速度(=dθp/dt)であり、ピニオン回転角θpはθp=θS−Tp/KSで求められる。ここで、θSは操舵角センサで検出した操舵角であり、KSはステアリング・シャフトのトーションバーのねじれ剛性を示すバネ定数である。また、バネ定数KSの値が非常に大きい場合には、θp≒θSと考えても差支えないので、以下、この様な前提条件のもとに、ピニオン角と操舵角とを区別せずに論ずる場合がある。
【0016】
路面反力に起因するトルク(セルフアライニングトルクTS)は、操舵系の運動方程式(次式(1))に基づいて、式(2)の様に表すことができる。
【数1】
e・dωp/dt=Tp+gTm+TS−ρωp≡d …(1)
【数2】
S−ρωp=d−Tp−gTm …(2)
【0017】
ただし、ここで、Jeは操舵系の回転運動に関する全慣性(イナーシャ)、Tmはモータ34の出力トルク(補助トルク)、gは減速機のギヤ比、ρはハンドルの回転に抗する粘性トルクのピニオン角速度ωpに係わる粘性係数、dは操舵系に作用する全トルクである。
【0018】
p、ωpは各センサの出力値に基づいて求めることができ、更に、モータEの出力トルクTmは、モータEに通電される電流値に基づいて随時推定することができる。式(1)の全トルクdに関しては、周知のフィードバック制御の制御理論に基づいて、図4の式(a)に示すオブザーバ(状態推定器)を構成することができる。ただし、ここで、Gはオブザーバ・ゲイン(3行×2列の定数行列)であり、dhは全トルクdの推定値、下付きの添字hはその変数が推定値であることを示すものである。また、更に、上記の式(a)を前記のサンプリング周期Δtにて離散化すれば、図4の式(b),(c)に示す様に離散化された状態方程式を得ることができる。ただし、ここで、A,Cは定数行列(3行×3列)、B,Dは定数行列(3行×2列)、xは操舵系の状態を表す状態ベクトル(3行×1列の縦ベクトル)であり、kはサンプリング周期Δtで離散化された時刻パラメータ(配列引数)である。
【0019】
以上のことから、図4の離散化された状態方程式(式(b),(c))に基づいて、操舵系に作用する全トルクdの推定値dhを正確に算出できれば、上記の外乱トルクTS−ρωpは、式(2)より正確に算出できることが判る。
【0020】
上記の粘性係数ρは、温度により変化することが多く、また、パワーステアリング装置の経年、修理、調整、部品交換、或いは仕様変更等により変動する場合もある。そこでオンライン最小二乗法に基づいた所定のアルゴリズムにより粘性係数ρと、セルフアライニングトルクTSを前輪横滑り角αfで除した勾配κを同時に推定する。
【0021】
〔運動方程式により前輪横滑り角αfを推定する方法〕
車両の前輪横滑り角αfは、図4の式(d)、式(e)で表される運動方程式により、近似或いは推定できることが一般に知られている。ここで、下付きの添字fは前輪、下付きの添字rは後輪をそれぞれ表しており、ν[m/s]は横速度、r[rad/s]はヨー角速度、u[m/s]は車速、cf[N/rad]は前輪のコーナリングパワー、Lf[m]は前輪車軸と車両重心間の距離、M[kg]は車両質量、Iz[kg・m2]は車両のz軸回りの慣性モーメント、ghはハンドル角(ピニオン角θp)と実舵角の比である。
【0022】
車速u及びピニオン角θpを入力する際のサンプリング間隔Δtで、この運動方程式(図4の式(d)、式(e))を離散化することにより、次式(3),(4)が得られる。
【数3】
z(k+1)=(I+Qu(k)+R/u(k))z(k)+Sθp(k) …(3)
【数4】
αf=(a/u(k),b/u(k))z(k)−cθp(k) …(4)
【0023】
ただし、ここで、kはサンプリング周期Δtで離散化された第2実施例と同様の時刻パラメータ(配列引数)であり、zは車体の状態を表す状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)、Iは2行×2列の単位行列、Qは2行×2列の定数行列で、Sは定数ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)である。また、式(4)のa,b,cはそれぞれ定数である。以上のことから、図5に例示する前輪横滑り角αfの推定手順(ステップ710〜ステップ780)に従えば、車速u及びピニオン角θpを随時検出することにより、前輪横滑り角αfの推定値がリアルタイムで得られることが判る。
【0024】
〔粘性係数ρの推定方法〕
次に、dh,αfに基づいて粘性係数ρを推定する。dh,αf、ωp、Tp、Tm、gが求められたので、次の式(5)で決定されていないものは勾配κと粘性係数ρである。
【数5】
καf−ρωp=d−Tp−gTm …(5)
【0025】
ここで、式(5)に対してオンライン最小2乗法を適用することにより、以下に示す様に、勾配κと粘性係数ρとを同時に推定することができる。図6は、オンライン最小2乗法に基づいて粘性係数ρの値を推定する推定手順のフローチャートである。本アルゴリズムでは、まず最初に、ステップ810により忘却係数行列Lの各成分と前記の時刻パラメータkを初期化する。λ1,λ2の各値は、粘性係数ρと勾配κの各変動特性を考慮して、例えば「λ1=0.999,λ2=0.95」などの様に設定しておけば良い。
【0026】
次に、ステップ815により、5つの代数y,K,q,P,φの初期化をそれぞれ行う。ただし、ここで、yはスカラー、Kは2行×1列の縦ベクトル(状態ベクトル)、qは2行×1列の縦ベクトル(粘性係数ρ,勾配κから成る推定値ベクトル)、Pは2行×2列の可変行列、φは2行×1列の縦ベクトルで、ρ0、κ0はそれぞれ粘性係数ρ,勾配κの初期値(適当な仮定値)、Iは2行×2列の単位行列、cは適当な定数である。
【0027】
ステップ820では、図示する様に、q(k),y(k),φ(k),K(k)の各値に基づいてq(k+1)の値を算出する。
ステップ830では、図示する様に、L,P(k),φ(k)の各値に基づいてP(k+1)の値を算出する。
ステップ840では、次のステップ850が周期Δt毎に実行される様に、ステップ850の次回の実行時刻を待つ。ステップ850ではkの値を1だけ増加させる。
ステップ860では、αf,dh,θp,Tp,Tmの各値を入力する。ただし、dh、αfについては、同定済みの推定値を充てる。
【0028】
ステップ870では、入力したαf,dh,θp,Tp,Tmの各値に基づいて、図示する様に代数φ,yの値をそれぞれ更新する。ただし、代数y(k)の更新は、式(5)に基づいて、d=dhを仮定した上で実行するものとする。
ステップ880では、P(k),φ(k)の各値に基づいて図示する様に代数K(k)の値を更新する。
ステップ890では、粘性係数ρの推定値を上記のステップ820で算出した推定値ベクトルq(k)から求める。
以上の処理手順に従えば、粘性係数ρと勾配κの推定値を算出することができる。この推定された粘性係数をρhとおく。
【0029】
さて、操舵角が小さく、操舵速度が大きい場合には粘性係数の推定値が異常値となるため、そのような場合に粘性係数を異常値に置き替えないことが本実施例である。これは図3のAT/内部抗力算出部3005にこの機能をもたせる。
【0030】
〔操舵半周期が350ms以下の場合、粘性係数を置き替えないためのフローチャート〕
本実施例装置は図7に示すフローチャートに従って動作する。図6のオンライン最小二乗法により求められた粘性係数の推定値ρhで、前回値を書き換えないよう、操舵半周期フラグを条件によりNGとするためのものである。図7のフローチャートでは前回操舵角を記憶させておくことで、ハンドル中立位置を通過しない操舵であっても、符号の変化を検出することが可能となる。
【0031】
まずステップ101で、ハンドル角についてハイパスフィルタ処理が行われる。カットオフ周波数は例えば2Hzとする。
次にステップ102で、ハイパスフィルタ後のハンドル角の符号が判定される。ハイパスフィルタ後のハンドル角の符号が正又は0であればステップ103に、ハイパスフィルタ後のハンドル角の符号が負であればステップ203に進む。
【0032】
ステップ103では、ハイパスフィルタ後のハンドル角の前回値の符号が判定される。ハイパスフィルタ後のハンドル角の前回値の符号が負であればステップ104に、ハイパスフィルタ後のハンドル角の前回値の符号が正又は0であればステップ107に進む。
【0033】
ステップ104では、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期を下回っているかどうかが判定される。操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期を下回っていればステップ105に、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期を下回っていなければステップ106に進む。
【0034】
ステップ105では、操舵半周期フラグをNGにセットしてステップ106に進む。ステップ106では、操舵半周期カウンタをクリアしてステップ110に進む。
【0035】
ステップ107では、操舵半周期カウンタをインクリメントしてステップ108に進む。
ステップ108では、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期以上であるかどうかが判定される。操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期以上であればステップ109に、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期未満であればステップ110に進む。ステップ109では、操舵半周期フラグをOKにセットしてステップ110に進む。
【0036】
ステップ203では、ハイパスフィルタ後のハンドル角の前回値の符号が判定される。ハイパスフィルタ後のハンドル角の前回値の符号が正又は0であればステップ204に、ハイパスフィルタ後のハンドル角の前回値の符号が負であればステップ207に進む。
【0037】
ステップ204では、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期を下回っているかどうかが判定される。操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期を下回っていればステップ205に、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期を下回っていなければステップ206に進む。
【0038】
ステップ205では、操舵半周期フラグをNGにセットしてステップ206に進む。ステップ206では、操舵半周期カウンタをクリアしてステップ110に進む。
【0039】
ステップ207では、操舵半周期カウンタをインクリメントしてステップ208に進む。
ステップ208では、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期以上であるかどうかが判定される。操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期以上であればステップ209に、操舵半周期カウンタが粘性係数推定可能最低周期未満であればステップ110に進む。ステップ209では、操舵半周期フラグをOKにセットしてステップ110に進む。
【0040】
ステップ110では、ローパスフィルタ後のハンドル角でローパスフィルタ後のハンドル角前回値を書き換え、ハイパスフィルタ後のハンドル角でハイパスフィルタ後のハンドル角前回値を書き換えて、ステップ101に戻る。
【0041】
図8に、入力データを変化させたときの粘性係数推定データを示す。図8(a)は、車速を20km/h又は40km/h、操舵速度を2rad/s又は4rad/s、操舵角を22.5度付近、45度付近、90度付近、180度付近としたものである。操舵速度が4rad/sで操舵角を22.5度付近とした場合、車速が20km/hであるか40km/hであるかに関わらず粘性係数として異常値(負の値)が推定された。また、図8(b)は、車速を20km/h又は40km/h、操舵角を±45度又は±90度とし、操舵速度を0.5rad/s付近、1rad/s付近、2rad/s付近、4rad/s付近、8rad/s付近としたものである。操舵速度が8rad/sで操舵角を±45度とした場合、車速が20km/hであるか40km/hであるかに関わらず粘性係数として異常値(0又は負の値)が推定された。本発明ではこれらの異常値により粘性係数が置き替えられいので精度良く粘性係数を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例な係る電動パワーステアリング装置100のハードウェア構成図。
【図2】電動パワーステアリング装置100のモータ制御装置200の制御ブロック・ダイヤグラム。
【図3】アシスト制御部20の構成を示すブロック図。
【図4】アシスト制御部20の作用原理に係わる物理公式の公式表。
【図5】前輪横滑り角αfの推定手順を示したフローチャート。
【図6】オンライン最小2乗法に基づいて粘性係数ρの値を推定する推定手順のフローチャート。
【図7】操舵半周期が350ms以下の場合、粘性係数を置き替えないためのフローチャート。
【図8】(a)は、横滑り角推定のための運転状況である車速と操舵角の時間変化を示すグラフ図、(b)は、(a)の状態で推定された横滑り角の時間変化を示すグラフ図。
【符号の説明】
θp … ピニオン角
ωp … ピニオン角速度
p … 運転者の操舵トルク
s … セルフアライニングトルク(SAT)
d … 外乱トルク(粘性トルクとSATの和)
m … モータの出力トルク(補助トルク)
g … ギヤ比
u … 車速
e … 操舵系の回転運動に関する全慣性(イナーシャ)
d … 操舵系に作用する全トルク
h … 全トルクdの推定値
h … 下付きの添字(その変数が推定値であることを示す)
ρ … 粘性トルクのピニオン角速度ωpに係わる粘性係数
αf … 前輪横滑り角
κ … 前輪横滑り角αfに対するセルフアライニングトルクの勾配
A … 定数行列(3行×3列)
B … 定数行列(3行×2列)
C … 定数行列(3行×3列)
D … 定数行列(3行×2列)
G … オブザーバ・ゲイン(3行×2列の定数行列)
x … 状態ベクトル(3行×1列の縦ベクトル)
z … 状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)
k … 時刻tに対応し、離散化された時刻パラメータ(配列引数)
q(k) … ρ,κから成る推定値ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)
K(k) … 状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)
P(k) … 可変行列(2行×2列)

Claims (1)

  1. 電気モータによりアシストトルクを付与するようにした電気式操舵制御装置において、
    操舵系にかかる粘性トルクの操舵角速度に対する比となる粘性係数を推定する粘性係数推定手段と、
    操舵周期を検出する操舵周期検出手段と、
    前記操舵周期検出手段により検出された操舵周期が所定値よりも短い期間においては、
    前記粘性係数推定手段により粘性係数を推定することなく、当該操舵周期が所定値よりも短い期間に入る前に推定された粘性係数を現時刻での推定値とする補正手段と、
    前記粘性係数推定手段及び前記補正手段により推定された前記粘性係数に基づいて前記アシストトルクを制御するアシストトルク制御手段と
    を有することを特徴とする電気式操舵制御装置。
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