JP4075432B2 - 電気式操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の操舵制御装置に関し、特に、操舵系の粘性変動による操舵フィーリングの影響を排除した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気式操舵制御装置、いわゆる電動パワーステアリング装置は、モータのクーロン摩擦と装置内部の粘性摩擦による内部抗力(粘性トルク)や路面からの反力トルク(SAT)に対抗してなされる操舵力に応じて操舵アシストトルクを発生させるものであり、当該アシストトルクの量を制御する操舵制御装置を備えるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、粘性トルクは操舵速度ωpと一定値である粘性係数ρの積として捉えられており、当該ρωpに比例するアシストトルクを発生させていた。しかしこのような操舵装置の制御装置では、内部抗力(粘性トルク)が経年変化や車両間のばらつきによる個々の車両に対応できないなどの問題点があった。特に低温下でのプリロードが増加することによりハンドル戻り等の操舵感が悪化する。即ち低温下では実際の粘性係数が基準値ρ0よりも大きいため、ハンドル戻りが悪くなり、また、操舵も重く感じられるものである。そこで本発明は低温下での操舵感の悪化を改善する目的でなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため請求項1の手段によれば、電気モータによりアシストトルクを付与するようにした電気式操舵制御装置において、操舵系の粘性トルクの、操舵角速度に対する比となる粘性係数を推定する粘性係数推定手段と、推定された粘性係数の、制御特性を設計する際の基準値に対する増加量と現時刻における操舵角速度とに応じて、現時刻におけるアシストトルクを増量補正するアシストトルク補正手段とを有し、アシストトルク補正手段は、粘性係数に対して連続な単調増加関数である第1のゲインと、粘性係数と、操舵角速度の積に基づいてアシストトルクの増量補正をするものであり、第1のゲインは、粘性係数が基準値を超えない場合は0、粘性係数が基準値より大きな所定値を超えた場合は一定の値であることを特徴とする。
【0005】
また、請求項2の手段によれば、アシストトルク補正手段は、操舵角速度に対して連続な単調増加関数である第2のゲインと、粘性係数と、操舵角速度の積に基づいてアシストトルクの増量補正をするものであり、第2のゲインは、操舵角速度がある範囲の下限値に達しない場合は0、操舵角速度が当該範囲の上限値を超える場合は一定の値であることを特徴とする。
【0006】
【作用及び発明の効果】
粘性係数を推定して基準値を越える場合はその増加量と操舵角速度に応じてアシストトルクを増量補正することで、粘性上昇分の操舵力を補償することができる。これにより、低温下でのプリロードの増加によるハンドル戻り等の操舵感の悪化がなくなる。また、基本的には粘性係数及び操舵角速度に比例するアシストトルク増量補正としながら、粘性係数及び操舵角速度の一方又は両方にしきい値を設け、しきい値を超えない場合はアシストトルク増量補正を0とする補正により、よりきめ細かなアシストトルクの増量補正をすることが可能となる(請求項1、2)。特に請求項2の場合はハンドル収斂性の悪化を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0008】
図1は、本発明の一実施例な係る電動パワーステアリング装置100のハードウェア構成図である。以下、本実施例の電動パワーステアリング装置100について説明する。
【0009】
ステアリングシャフト10の一端には、ステアリングホイール11(ハンドル)が取り付けられ、他端にはギヤボックス12に軸承されたピニオン軸13が結合されている。ピニオン軸13は、ギヤボックス12に嵌装されたラック軸14に噛合され、また図示していないが、このラック軸14の両端はボールジョイント等を介して図略の操向車輪に連結されている。また、ステアリングシャフト10には、アシストトルクを付与するブラシレス直流モータM(以下、単に「モータM」という)が、2つの歯車17を介して連結されている。
【0010】
このモータMには、モータ制御装置200の駆動回路213より、電流検出器215を介してU,V,Wの3相に対する各モータ駆動電流iu,iv,iwが供給される。更に、ステアリングシャフト10には、運転者からステアリングホイール(ハンドル)11に加えられたマニュアル操舵力の大きさ及びその方向(操舵トルクT)を検出するためのトルク検出器15が設けられている。
【0011】
また、モータMには、その回転角を検出する同期用の回転角センサE(エンコーダ)が付設されており、回転角センサEが出力するモータMの回転角θmに基づいてピニオン回転角(=ハンドルの操舵角)θpが求められる。
モータ制御装置200は、CPU210、ROM211、RAM212、駆動回路213、入力インターフェイス(IF)214、電流検出器215等から構成されている。駆動回路213は、図略のバッテリー、PWM変換器、PMOS駆動回路等から構成され、チョッパ制御により駆動電流を正弦波にしてモータMに電力を供給する。
【0012】
モータ制御装置200のCPU210には、上記の回転角θmや、操舵トルクTの検出に利用されるトルクセンサ15、車速Vを与える車速計50等からの出力信号(測定値)が、入力インターフェイス(IF)214を介して入力される。CPU210は、これらの入力値から所定のトルク計算に基づいて、モータMが出力すべきトルク値(指令トルクTm)を決定し、更に、この指令トルクTmに基づいてd軸とq軸の各電流指令値(Id*,Iq*)を決定する。だだし、本実施例においては、「Id*=0」である。
【0013】
図2は、本実施例に係わる、電動パワーステアリング装置100のモータ制御装置200の制御ブロック・ダイヤグラムである。各制御ブロックの入出力の関係は以下の通りである。
トルクセンサ15は操舵トルクを位相補償部21と微分演算部23に出力する。
位相補償部21は位相補償された操舵トルクをアシスト制御部20に出力する。
微分演算部23は操舵トルクの微分を慣性補償部22に出力する。
車速計50は車速をアシスト制御部20、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26に出力する。
モータからは回転角が相対角演算部60に出力され、操舵角の相対角が計算されて微分演算部61に出力される。
微分演算部61は操舵角の角速度をダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26に出力する。
アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26は、上記入力値から設定された特性に基づいてトルクを出力する。尚、アシスト制御部20においては、制御特性は粘性係数に関して基準値ρ0に基づいて設計されている。アシスト制御部20と慣性制御部22の出力するトルクは
操舵速度と同方向、ダンパ制御部24とハンドル戻し制御部26の出力するトルクは操舵速度と逆方向である。
アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26の出力が加算部28にて加算され、モータトルクTmとして電流指令演算部30に出力される。電流指令演算部30からは電流制御部40にq軸の電流指令値(Iq*)が出力され、モータ駆動電流iu,iv,iwとしてモータMに供給される。
【0014】
上記の従来構成に、本願発明の要部である粘性係数推定演算部300と粘性補償制御部301が加わる。粘性係数推定演算部300には、トルクセンサ15からは操舵トルク(ピニオントルクTP)、車速計50からは車速u、相対角演算部60からはピニオン回転角度θp、微分演算部61からはピニオン角速度ωp、加算部28からはモータトルクTmが入力される。粘性補償制御部301には、推定された粘性係数ρhが出力される。粘性補償制御部301からは粘性補償トルクが加算部28に出力され、アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26の出力とともに加算される。
【0015】
図3は、本実施例の粘性係数推定演算部300の処理内容を示すブロック図である。EPS全作用力算出部3001では、ピニオン回転角度θpと角速度ωpからEPS全作用力を算出する。ラック推力算出部3002では、ピニオントルクTPとモータトルクTmからラック推力を算出する。外乱トルク算出部3003ではEPS全作用力とラック推力の差から外乱トルクTdを算出する。一方、横滑り角算出部3004ではピニオン回転角度θpと車速uから横滑り角αfが算出される。SAT/内部抗力算出部3005ではピニオン角速度ωpと、横滑り角αfと外乱トルクTdから、勾配κと粘性係数ρとを推定する。SAT/内部抗力算出部3005の推定した勾配κと粘性係数ρとは更新されながら、粘性係数ρは粘性補償制御部301での制御のために読み出される。
【0016】
pは運転者の操舵トルク、ωpはピニオン角速度(=dθp/dt)であり、ピニオン回転角θpはθp=θS−Tp/KSで求められる。ここで、θSは操舵角センサで検出した操舵角であり、KSはステアリング・シャフトのトーションバーのねじれ剛性を示すバネ定数である。また、バネ定数KSの値が非常に大きい場合には、θp≒θSと考えても差支えないので、以下、この様な前提条件のもとに、ピニオン角と操舵角とを区別せずに論ずる場合がある。
【0017】
路面反力に起因するトルク(セルフアライニングトルクTS)は、操舵系の運動方程式(次式(1))に基づいて、式(2)の様に表すことができる。
【数1】
e・dωp/dt=Tp+gTm+TS−ρωp≡d …(1)
【数2】
S−ρωp=d−Tp−gTm …(2)
【0018】
ただし、ここで、Jeは操舵系の回転運動に関する全慣性(イナーシャ)、Tmはモータ34の出力トルク(補助トルク)、gは減速機のギヤ比、ρはハンドルの回転に抗する粘性トルクのピニオン角速度ωpに係わる粘性係数、dは操舵系に作用する全トルクである。
【0019】
p、ωpは各センサの出力値に基づいて求めることができ、更に、モータEの出力トルクTmは、モータEに通電される電流値に基づいて随時推定することができる。式(1)の全トルクdに関しては、周知のフィードバック制御の制御理論に基づいて、図4の式(a)に示すオブザーバ(状態推定器)を構成することができる。ただし、ここで、Gはオブザーバ・ゲイン(3行×2列の定数行列)であり、dhは全トルクdの推定値、下付きの添字hはその変数が推定値であることを示すものである。また、更に、上記の式(a)を前記のサンプリング周期Δtにて離散化すれば、図4の式(b),(c)に示す様に離散化された状態方程式を得ることができる。ただし、ここで、A,Cは定数行列(3行×3列)、B,Dは定数行列(3行×2列)、xは操舵系の状態を表す状態ベクトル(3行×1列の縦ベクトル)であり、kはサンプリング周期Δtで離散化された時刻パラメータ(配列引数)である。
【0020】
以上のことから、図4の離散化された状態方程式(式(b),(c))に基づいて、操舵系に作用する全トルクdの推定値dhを正確に算出できれば、上記の外乱トルクTS−ρωpは、式(2)より正確に算出できることが判る。
【0021】
上記の粘性係数ρは、温度により変化することが多く、また、パワーステアリング装置の経年、修理、調整、部品交換、或いは仕様変更等により変動する場合もある。そこでオンライン最小二乗法に基づいた所定のアルゴリズムにより粘性係数ρと、セルフアライニングトルクTSを前輪横滑り角αfで除した勾配κを同時に推定する。
【0022】
まず、前輪横滑り角αfを推定する。車両の前輪横滑り角αfは、図4の式(d)、式(e)で表される運動方程式により、近似或いは推定できることが一般に知られている。ここで、下付きの添字fは前輪、下付きの添字rは後輪をそれぞれ表しており、ν[m/s]は横速度、r[rad/s]はヨー角速度、u[m/s]は車速、cf[N/rad]は前輪のコーナリングパワー、Lf[m]は前輪車軸と車両重心間の距離、M[kg]は車両質量、Iz[kg・m2]は車両のz軸回りの慣性モーメント、ghはハンドル角(ピニオン角θp)と実舵角の比である。
【0023】
車速u及びピニオン角θpを入力する際のサンプリング間隔Δtで、この運動方程式(図4の式(d)、式(e))を離散化することにより、次式(3),(4)が得られる。
【数3】
z(k+1)=(I+Qu(k)+R/u(k))z(k)+Sθp(k) …(3)
【数4】
αf=(a/u(k),b/u(k))z(k)−cθp(k) …(4)
【0024】
ただし、ここで、kはサンプリング周期Δtで離散化された第2実施例と同様の時刻パラメータ(配列引数)であり、zは車体の状態を表す状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)、Iは2行×2列の単位行列、Qは2行×2列の定数行列で、Sは定数ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)である。また、式(4)のa,b,cはそれぞれ定数である。以上のことから、図5に例示する前輪横滑り角αfの推定手順(ステップ710〜ステップ780)に従えば、車速u及びピニオン角θpを随時検出することにより、前輪横滑り角αfの推定値がリアルタイムで得られることが判る。
【0025】
次に、dh,αfに基づいて粘性係数ρを推定する。dh,αf、ωp、Tp、Tm、gが求められたので、次の式(5)で決定されていないものは勾配κと粘性係数ρである。
【数5】
καf−ρωp=d−Tp−gTm …(5)
【0026】
ここで、式(5)に対してオンライン最小2乗法を適用することにより、以下に示す様に、勾配κと粘性係数ρとを同時に推定することができる。図6は、オンライン最小2乗法に基づいて粘性係数ρの値を推定する推定手順のフローチャートである。本アルゴリズムでは、まず最初に、ステップ810により忘却係数行列Lの各成分と前記の時刻パラメータkを初期化する。λ1,λ2の各値は、粘性係数ρと勾配κの各変動特性を考慮して、例えば「λ1=0.999,λ2=0.95」などの様に設定しておけば良い。
【0027】
次に、ステップ815により、5つの代数y,K,q,P,φの初期化をそれぞれ行う。ただし、ここで、yはスカラー、Kは2行×1列の縦ベクトル(状態ベクトル)、qは2行×1列の縦ベクトル(粘性係数ρ,勾配κから成る推定値ベクトル)、Pは2行×2列の可変行列、φは2行×1列の縦ベクトルで、ρ0、κ0はそれぞれ粘性係数ρ,勾配κの初期値(適当な仮定値)、Iは2行×2列の単位行列、cは適当な定数である。
【0028】
ステップ820では、図示する様に、q(k),y(k),φ(k),K(k)の各値に基づいてq(k+1)の値を算出する。
ステップ830では、図示する様に、L,P(k),φ(k)の各値に基づいてP(k+1)の値を算出する。
ステップ840では、次のステップ850が周期Δt毎に実行される様に、ステップ850の次回の実行時刻を待つ。ステップ850ではkの値を1だけ増加させる。
ステップ860では、αf,dh,θp,Tp,Tmの各値を入力する。ただし、dh、αfについては、同定済みの推定値を充てる。
【0029】
ステップ870では、入力したαf,dh,θp,Tp,Tmの各値に基づいて、図示する様に代数φ,yの値をそれぞれ更新する。ただし、代数y(k)の更新は、式(5)に基づいて、d=dhを仮定した上で実行するものとする。
ステップ880では、P(k),φ(k)の各値に基づいて図示する様に代数K(k)の値を更新する。
ステップ890では、粘性係数ρの推定値を上記のステップ820で算出した推定値ベクトルq(k)から求める。
以上の処理手順に従えば、粘性係数ρと勾配κの推定値を算出することができる。この推定された粘性係数をρhとおく。
【0030】
図7に粘性補償制御部301の作用をブロック図で示す。図7に示す粘性係数推定値ρhに対するゲインk(ρh)が演算される。粘性係数推定値ρhに対するゲインk(ρh)は、粘性係数推定値ρhがρ0以下では0、ρ1以上では一定値であって、ρ0からρ1の間で単調増加するものである。また、操舵速度ωpについてもゲインk(ω)をもたせるが、その値は1で一定として良い。こうして、粘性係数推定値ρh、それに対するゲインk(ρh)、操舵速度ωp、それに対するゲインk(ω)を全て乗じて、ハンドル粘性に対する粘性補償トルクを算出し、加算部28に出力する。
【0031】
図8に、本発明の粘性補償制御を加えた場合と、従来例である加えない場合のMA−MT特性の実測結果を示す。条件は車速を40km/hとして、ハンドルを1周期操舵したときの操舵トルク性である。粘性係数が大きいと菱形の上辺と下辺の幅が広くなり、グラフも長方形に近づく。図8(a)が本発明であり、粘性感は0.4Nms/radと、(b)に示す従来例における粘性感0.54Nms/radから大きく改善された。
【0032】
図9に、本発明の粘性補償制御を加えた場合と、従来例である加えない場合のハンドルの戻り特性の実測結果を示す。条件は、車速10km/hでハンドルを360deg切った状態から手を離したものであり、最終的にハンドルが停止した角度を残留角とした。粘性係数が大きいとハンドル角速度は小さくなり、残留角は大きくなる。図9(a)が本発明であり、残留角は60deg、最大角速度は3rad/sと、(b)に示す従来例における残留角230deg、最大角速度1rad/sから大きく改善された。
【0033】
本実施例では図7に示したように操舵速度ωpについてのゲインk(ω)を1で一定としたが、図10のように操舵速度ωpが小さい場合にゲインk(ω)を0として、操舵速度ωpが小さい場合に粘性補償制御による粘性補償トルクを0としてハンドル収斂性を向上させても良い。
【0034】
尚、粘性係数関連値推定手段として、粘性係数を推定したが、粘性係数によって一意的に決定される他の物理量を推定しても良い。さらに、推定手段としては系を状態方程式で表したオブザーバを用いたが、他の方法を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例な係る電動パワーステアリング装置100のハードウェア構成図。
【図2】電動パワーステアリング装置100のモータ制御装置200の制御ブロック・ダイヤグラム。
【図3】粘性係数推定演算部300の構成を示すブロック図。
【図4】粘性係数推定演算部300の作用原理に係わる物理公式の公式表。
【図5】前輪横滑り角αfの推定手順を示したフローチャート。
【図6】オンライン最小2乗法に基づいて粘性係数ρの値を推定する推定手順のフローチャート。
【図7】粘性補償制御部301の構成を示すブロック図。
【図8】(a)は、本発明の粘性補償制御を加えた場合のMA−MT特性の実測結果を示すグラフ図、(b)は、粘性補償制御を加えない従来例のMA−MT特性の実測結果を示すグラフ図。
【図9】(a)は、本発明の粘性補償制御を加えた場合のハンドルの戻り特性の実測結果を示すグラフ図、(b)は、粘性補償制御を加えない従来例のハンドルの戻り特性の実測結果を示すグラフ図。
【図10】粘性補償制御部301の他の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
θp … ピニオン角
ωp … ピニオン角速度
p … 運転者の操舵トルク
s … セルフアライニングトルク(SAT)
d … 外乱トルク(粘性トルクとSATの和)
m … モータの出力トルク(補助トルク)
g … ギヤ比
u … 車速
e … 操舵系の回転運動に関する全慣性(イナーシャ)
d … 操舵系に作用する全トルク
h … 全トルクdの推定値
h … 下付きの添字(その変数が推定値であることを示す)
ρ … 粘性トルクのピニオン角速度ωpに係わる粘性係数
αf … 前輪横滑り角
κ … 前輪横滑り角αfに対するセルフアライニングトルクの勾配
A … 定数行列(3行×3列)
B … 定数行列(3行×2列)
C … 定数行列(3行×3列)
D … 定数行列(3行×2列)
G … オブザーバ・ゲイン(3行×2列の定数行列)
x … 状態ベクトル(3行×1列の縦ベクトル)
z … 状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)
k … 時刻tに対応し、離散化された時刻パラメータ(配列引数)
q(k) … ρ,κから成る推定値ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)
K(k) … 状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル)
P(k) … 可変行列(2行×2列)

Claims (2)

  1. 電気モータによりアシストトルクを付与するようにした電気式操舵制御装置において、
    操舵系の粘性トルクの、操舵角速度に対する比となる粘性係数を推定する粘性係数推定手段と、
    推定された前記粘性係数の、制御特性を設計する際の基準値に対する増加量と現時刻における操舵角速度とに応じて、現時刻における前記アシストトルクを増量補正するアシストトルク補正手段と
    を有し、
    前記アシストトルク補正手段は、前記粘性係数に対して連続な単調増加関数である第1のゲインと、前記粘性係数と、前記操舵角速度の積に基づいて前記アシストトルクの増量補正をするものであり、
    前記第1のゲインは、前記粘性係数が前記基準値を超えない場合は0、前記粘性係数が前記基準値より大きな所定値を超えた場合は一定の値であることを特徴とする電気式操舵制御装置。
  2. 前記アシストトルク補正手段は、前記操舵角速度に対して連続な単調増加関数である第2のゲインと、前記粘性係数と、前記操舵角速度の積に基づいて前記アシストトルクの増量補正をするものであり、
    前記第2のゲインは、前記操舵角速度がある範囲の下限値に達しない場合は0、前記操舵角速度が当該範囲の上限値を超える場合は一定の値であることを特徴とする請求項1に記載の電気式操舵制御装置。
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