JP2011201451A - ステアリング角度検出装置およびステアリング角度検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】専用のセンサを備えることなしに、既存のセンサなどを利用してステアリングホイールの回転角度を検出する技術を提供する。
【解決手段】ステアリングホイールの回転に連動して回転する下部連結シャフトとトーションバーを介して連結されて前輪の向きを変えるピニオンシャフトに回転補助力を与える電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいてステアリングホイールの回転角度θsを算出し(S908)、ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて下部連結シャフトとピニオンシャフトとの相対回転角度Δθを算出し(S909)、S908にて算出したステアリング角度θsを、S909にて算出した相対回転角度Δθにて補正する(S910)。
【選択図】図9
【解決手段】ステアリングホイールの回転に連動して回転する下部連結シャフトとトーションバーを介して連結されて前輪の向きを変えるピニオンシャフトに回転補助力を与える電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいてステアリングホイールの回転角度θsを算出し(S908)、ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて下部連結シャフトとピニオンシャフトとの相対回転角度Δθを算出し(S909)、S908にて算出したステアリング角度θsを、S909にて算出した相対回転角度Δθにて補正する(S910)。
【選択図】図9
Description
本発明は、ステアリング角度検出装置およびステアリング角度検出方法に関する。
近年、乗り物のステアリング系に電動モータを備え、電動モータの動力にてドライバの操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置が提案されている。この電動パワーステアリング装置においては、検出した操舵トルクに基づいて電動モータに供給する電流を定めることで電動モータの駆動を制御する。
また、乗り物の進路案内を行う装置などに使用するために、乗り物のステアリングホイールの回転角度を検出する装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の回転角度・トルク検出装置は、ステアリングに連動して回転する第一の回転体と、これに連動して回転する第一及び第二の検出体と、これらの検出体の回転を検出信号として検出する第一及び第二の検出手段と、これらの検出手段に接続された制御手段と、から構成される。
また、乗り物の進路案内を行う装置などに使用するために、乗り物のステアリングホイールの回転角度を検出する装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の回転角度・トルク検出装置は、ステアリングに連動して回転する第一の回転体と、これに連動して回転する第一及び第二の検出体と、これらの検出体の回転を検出信号として検出する第一及び第二の検出手段と、これらの検出手段に接続された制御手段と、から構成される。
乗り物のステアリングホイールは、電動パワーステアリング装置に備えられた電動モータの動力にて回転補助されるとともに、その回転角度が検出されて他の装置に利用される。それゆえ、構成の簡略化、コスト低減などの観点からは、ステアリングホイールの回転角度を検出する専用のセンサを備えることなしに、例えば電動パワーステアリング装置の構成部品として既に存在するセンサなどを利用してステアリングホイールの回転角度を検出することが望ましい。
かかる目的のもと、本発明は、電動パワーステアリング装置に備えられたステアリングホイールの回転角度を検出するステアリング角度検出装置であって、前記ステアリングホイールの回転に連動して回転する第1の回転軸とトーションバーを介して連結されて転動輪の向きを変える第2の回転軸に回転補助力を与える前記電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいて当該ステアリングホイールの回転角度を算出するステアリング角度算出手段と、前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出する相対回転角度算出手段と、前記ステアリング角度算出手段が算出した前記ステアリングホイールの回転角度を、前記相対回転角度算出手段が算出した前記相対回転角度にて補正する補正手段と、を備えることを特徴とするステアリング角度検出装置である。
ここで、前記相対回転角度算出手段は、前記電動モータに供給する目標電流を算出する前記電動パワーステアリング装置の目標電流算出手段が当該目標電流を算出するにあたって基礎とする前記操舵トルクに応じたトルク信号を取得し、取得したトルク信号に基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出することが好適である。
また、前記トルク信号は、前記トーションバーの捩れ角度に応じた電気信号に基づくことが好適である。
また、前記トルク信号は、前記トーションバーの捩れ角度に応じた電気信号に基づくことが好適である。
他の観点から捉えると、本発明は、電動パワーステアリング装置に備えられたステアリングホイールの回転角度を検出するステアリング角度検出装置であって、前記ステアリングホイールの回転に連動して回転する第1の回転軸とトーションバーを介して連結されて転動輪の向きを変える第2の回転軸に回転補助力を与える前記電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいて当該第2の回転軸の回転角度を算出する回転軸角度算出手段と、前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出する相対回転角度算出手段と、前記回転軸角度算出手段が算出した前記第2の回転軸の回転角度と、前記相対回転角度算出手段が算出した前記相対回転角度とを加算または減算する加減算手段と、を備えることを特徴とするステアリング角度検出装置である。
ここで、前記相対回転角度算出手段は、前記電動モータに供給する目標電流を算出する前記電動パワーステアリング装置の目標電流算出手段が当該目標電流を算出するにあたって基礎とする前記操舵トルクに応じたトルク信号を取得し、取得したトルク信号に基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出することが好適である。
ここで、前記相対回転角度算出手段は、前記電動モータに供給する目標電流を算出する前記電動パワーステアリング装置の目標電流算出手段が当該目標電流を算出するにあたって基礎とする前記操舵トルクに応じたトルク信号を取得し、取得したトルク信号に基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出することが好適である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、電動パワーステアリング装置に備えられたステアリングホイールの回転角度を検出するステアリング角度検出方法であって、前記ステアリングホイールの回転に連動して回転する第1の回転軸とトーションバーを介して連結されて転動輪の向きを変える第2の回転軸に回転補助力を与える前記電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいて当該ステアリングホイールの回転角度を算出し、算出した当該ステアリングホイールの回転角度を、当該ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて算出した前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を用いて補正することを特徴とするステアリング角度検出方法である。
本発明によれば、電動パワーステアリング装置の構成部品として既に存在するセンサなどを利用してステアリングホイールの回転角度を検出するので、構成の簡略化、コスト低減を図ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
図1は、電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106および下部連結シャフト108の一部を収納するステアリングギアボックス107を有している。
図2は、ステアリングギアボックス107内の概略構成を示す図である。
ステアリングギアボックス107は、例えば自動車などの乗り物の本体フレーム(車体)に固定されるハウジング130と、ハウジング130に固定された電動モータ110とを有している。ハウジング130は、第1ハウジング131と第2ハウジング132とが、例えばボルトなどにより結合されて構成され、電動モータ110は、第2ハウジング132に固定されている。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。
図2は、ステアリングギアボックス107内の概略構成を示す図である。
ステアリングギアボックス107は、例えば自動車などの乗り物の本体フレーム(車体)に固定されるハウジング130と、ハウジング130に固定された電動モータ110とを有している。ハウジング130は、第1ハウジング131と第2ハウジング132とが、例えばボルトなどにより結合されて構成され、電動モータ110は、第2ハウジング132に固定されている。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。
下部連結シャフト108は、軸受113を介して第1ハウジング131に回転可能に支持されている。
ピニオンシャフト106は、トーションバー112を介して下部連結シャフト108に同軸的に結合されているとともに軸受114を介して第2ハウジング132に回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト106には、例えば圧入などによりウォームホイール160が固定されている。このウォームホイール160は、第2ハウジング132に固定された電動モータ110の出力軸に連結されたウォームギヤ111と噛み合っている。
また、ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクTを検出する操舵トルク検出手段の一例としてのトルクセンサ109が設けられている。トルクセンサ109については、後で詳述する。
ピニオンシャフト106は、トーションバー112を介して下部連結シャフト108に同軸的に結合されているとともに軸受114を介して第2ハウジング132に回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト106には、例えば圧入などによりウォームホイール160が固定されている。このウォームホイール160は、第2ハウジング132に固定された電動モータ110の出力軸に連結されたウォームギヤ111と噛み合っている。
また、ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクTを検出する操舵トルク検出手段の一例としてのトルクセンサ109が設けられている。トルクセンサ109については、後で詳述する。
ステアリング装置100は、さらに、電動モータ110の作動を制御する制御装置10(図1参照)を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109の出力値、自動車の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値が入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTをトルクセンサ109にて検出し、その検出トルクに応じて制御装置10が電動モータ110を駆動制御し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、制御装置10について説明する。
図3は、ステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが変換された電気信号VTと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、制御装置10は、操舵トルクTに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。また、制御装置10は、後述するトルク検出回路250から出力されたアナログ信号の電気信号VTをデジタル信号のトルク信号Tdに変換するとともに、変換したトルク信号Tdを、目標電流算出部20へ向けて出力する変換部15を有している。
図3は、ステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが変換された電気信号VTと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、制御装置10は、操舵トルクTに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。また、制御装置10は、後述するトルク検出回路250から出力されたアナログ信号の電気信号VTをデジタル信号のトルク信号Tdに変換するとともに、変換したトルク信号Tdを、目標電流算出部20へ向けて出力する変換部15を有している。
次に、目標電流算出部20について詳述する。図4は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23などからの出力に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25を備えている。さらに、目標電流算出部20は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部26を備えている。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23などからの出力に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25を備えている。さらに、目標電流算出部20は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部26を備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Tdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsとが入力される。回転速度信号Nmsは、例えば3相ブラシレスモータである電動モータ110に設けられ、この電動モータ110の回転子(ロータ)の回転角度を検出するセンサ(例えば、回転子の回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路)の出力信号が微分されることにより得られるものであることを例示することができる。
なお、制御装置10には、車速センサ170、電動モータ110の回転角度を検出するセンサなどからの信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、目標電流算出部20に取り込んでいる。
なお、制御装置10には、車速センサ170、電動モータ110の回転角度を検出するセンサなどからの信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、目標電流算出部20に取り込んでいる。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流を算出し、このベース電流の情報を含むベース電流信号Imbを出力する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Tsおよび車速信号vとベース電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tsおよび車速信号vを代入することによりベース電流を算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tdと車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Tdおよび車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tdおよび車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Td、車速信号vおよび回転速度信号Nmsと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tdと車速信号vと回転速度信号Nmsとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
目標電流決定部25は、ベース電流算出部21から出力されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部22から出力されたイナーシャ補償電流信号Isおよびダンパー補償電流算出部23から出力されたダンパー補償電流信号Idに基づいて目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号ITを出力する。目標電流決定部25は、例えば、ベース電流に、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、補償電流と目標電流との対応を示すマップに代入することにより目標電流を算出する。このように、目標電流決定部25は、ステアリングホイール101の操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する目標電流を算出する目標電流算出手段の一例として機能する。
次に、制御部30について詳述する。図5は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流と、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流と、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流とモータ電流検出部33にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
偏差演算部41は、目標電流算出部20からの出力値である目標電流信号ITとモータ電流検出部33からの出力値であるモータ電流信号Imsとの偏差の値を偏差信号41aとして出力する。モータ電流信号Imsは、モータ電流検出部33にて検出された実電流Imが出力信号に変換された信号である。
偏差演算部41は、目標電流算出部20からの出力値である目標電流信号ITとモータ電流検出部33からの出力値であるモータ電流信号Imsとの偏差の値を偏差信号41aとして出力する。モータ電流信号Imsは、モータ電流検出部33にて検出された実電流Imが出力信号に変換された信号である。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流と実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、入力された偏差信号41aに対して、比例要素で比例処理した信号を出力し、積分要素で積分処理した信号を出力し、加算演算部でこれらの信号を加算してフィードバック処理信号42aを生成・出力する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいてPWM信号60aを生成し、生成したPWM信号60aを出力する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいてPWM信号60aを生成し、生成したPWM信号60aを出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出して、検出した実電流Imをモータ電流信号Imsに変換して出力する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出して、検出した実電流Imをモータ電流信号Imsに変換して出力する。
次に、トルクセンサ109について説明する。
トルクセンサ109は、図2に示すように、2個のコイル121,122を有し、ステアリングホイール101の操作に応じてこれら2個のコイル121,122のインダクタンスL1,L2を変化させる機構と、インダクタンスL1,L2の変化に基づいて操舵トルクに応じた電圧を出力するトルク検出回路250(図6参照)とを有している。
トルクセンサ109は、図2に示すように、2個のコイル121,122を有し、ステアリングホイール101の操作に応じてこれら2個のコイル121,122のインダクタンスL1,L2を変化させる機構と、インダクタンスL1,L2の変化に基づいて操舵トルクに応じた電圧を出力するトルク検出回路250(図6参照)とを有している。
上述したように、下部連結シャフト108は、ベアリング113を介してハウジング130に対して回転可能に軸支され、ピニオンシャフト106は、ベアリング114を介してハウジング130に対して回転可能に軸支されている。そして、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とは、トーションバー112を介して同軸的に連結されている。
そして、ピニオンシャフト106の軸方向における下部連結シャフト108側の端部側の部位の外周面にはセレーション106bが設けられており、このセレーション106bに円筒状のコア115が嵌合されている。コア115は、ピニオンシャフト106の軸方向に移動することが可能になっている。
下部連結シャフト108には、軸方向に直交する方向に外周面から突出する円柱状のスライダピン108aが設けられている。また、ピニオンシャフト106には、下部連結シャフト108側の端部側の部位に、周方向に長尺となる長孔106cが形成され、コア115には、軸方向に対して角度を有する方向に長尺となる長孔115aが形成されている。そして、下部連結シャフト108のスライダピン108aが、ピニオンシャフト106とコア115とを貫通するように長孔106cおよび長孔115aに嵌合されている。
下部連結シャフト108には、軸方向に直交する方向に外周面から突出する円柱状のスライダピン108aが設けられている。また、ピニオンシャフト106には、下部連結シャフト108側の端部側の部位に、周方向に長尺となる長孔106cが形成され、コア115には、軸方向に対して角度を有する方向に長尺となる長孔115aが形成されている。そして、下部連結シャフト108のスライダピン108aが、ピニオンシャフト106とコア115とを貫通するように長孔106cおよび長孔115aに嵌合されている。
ステアリングギアボックス107内におけるコア115の外側には、コア115の外周面と対向するように、軸方向に並んで配置された2個のコイル121,122が、コア115の外周面と間隙を介して設けられている。この2個のコイル121,122は、コア115の軸方向の移動中心に対して互いに反対側に配置されている。
以上のように、構成されたトルクセンサ109は以下のように作用する。すなわち、下部連結シャフト108に捩じり力が作用すると、トーションバー112を介してピニオンシャフト106に回転力が伝達されるが、トーションバー112は弾性変形して下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との間に回転方向の相対的変位が生じる。そして、この回転方向の相対的変位は、下部連結シャフト108のスライダピン108aとコア115の長孔115aとの嵌合を介して、コア115を軸方向に移動させる。コア115が軸方向に移動すると、コイル121,122のそれぞれの外周面を囲む面積が変化し、コイル121,122の内の一方のコイル側の面積が大きくなると他方のコイル側の面積が小さくなる。そして、コイルのコア115の外周面を囲む面積が大きくなると磁気損失が増えコイルのインダクタンスは減り、逆にコイルのコア115を囲む面積が小さくなると、磁気損失が減りコイルのインダクタンスは増す。それゆえ、コア115がコイル121側に移動するトルクが作用したときは、コイル121のインダクタンスL1が減少し、コイル122のインダクタンスL2が増加する。逆に、コア115がコイル122側に移動するトルクが作用したときは、コイル121のインダクタンスL1が増加し、コイル122のインダクタンスL2が減少する。
次に、トルク検出回路250について説明する。
図6は、トルク検出回路250の概略構成図である。トルク検出回路250は、例えば、制御装置10と同一の制御基板上に構成される。
トルク検出回路250には、コイル121の一端とコイル122の一端とがそれぞれ接続されており、各一端はそれぞれ抵抗251,252を介してトランジスタ253のエミッタ端子に接続されている。トランジスタ253は、コレクタ端子に定電圧が掛かり、ベース端子には交流電圧が入力される。
また、コイル121の他端とコイル122の他端とが接続されており、その接続部から信号線が延び、その信号線がトルク検出回路250の接続端子に接続され、トルク検出回路250内で、コイル121の他端とコイル122の他端とは接地されている。
図6は、トルク検出回路250の概略構成図である。トルク検出回路250は、例えば、制御装置10と同一の制御基板上に構成される。
トルク検出回路250には、コイル121の一端とコイル122の一端とがそれぞれ接続されており、各一端はそれぞれ抵抗251,252を介してトランジスタ253のエミッタ端子に接続されている。トランジスタ253は、コレクタ端子に定電圧が掛かり、ベース端子には交流電圧が入力される。
また、コイル121の他端とコイル122の他端とが接続されており、その接続部から信号線が延び、その信号線がトルク検出回路250の接続端子に接続され、トルク検出回路250内で、コイル121の他端とコイル122の他端とは接地されている。
コイル121の一端が接続された端子から延びた信号線256がコンデンサ257を介して平滑回路258に接続され、コイル122の一端が接続された端子から延びた信号線259がコンデンサ260を介して平滑回路261に接続されている。
以上の構成では、コイル121,122、抵抗251,252によりブリッジ回路が構成され、このブリッジ回路に発振電圧が入力され、その出力電圧が平滑回路258,261にて平滑され、平滑回路258から第1電圧V1が、平滑回路261から第2電圧V2がそれぞれ出力される。
以上の構成では、コイル121,122、抵抗251,252によりブリッジ回路が構成され、このブリッジ回路に発振電圧が入力され、その出力電圧が平滑回路258,261にて平滑され、平滑回路258から第1電圧V1が、平滑回路261から第2電圧V2がそれぞれ出力される。
第1電圧V1は抵抗262を介して演算増幅器(差動増幅器)である差動アンプ265の反転入力端子に、第2電圧V2は抵抗263を介して差動アンプ265の非反転入力端子にそれぞれ入力される。差動アンプ265は、抵抗266により負帰還がかけられて差動増幅器として機能する。また、この差動アンプ265の非反転入力端子にバイアス電圧V0(例えば、2.5V)が入力される。かかる構成により、差動アンプ265は、第1電圧V1と第2電圧V2との差を増幅度Aで増幅し、バイアス電圧V0を加えた電圧をトルク検出電圧VT(=(V2−V1)×A+V0)として出力する。そして、トルク検出電圧VTは、制御装置10に入力される。
次に、本実施の形態に係るステアリング角度検出装置1について説明する。
図7は、ステアリング角度検出装置1の概略構成図である。
ステアリング角度検出装置1は、ステアリングホイール101の回転角度(以下、「ステアリング角度」と称する場合もある。)を検出する装置であり、回転角度を算出する際の各種演算を行うCPU11と、CPU11にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM12と、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM13とを有する算術論理演算回路である。ステアリング角度検出装置1は、例えば、制御装置10と同一の制御基板上に構成されてもよいし、別の制御基板上に構成されてもよい。また、制御装置10を構成するCPU、ROM、RAMが、ステアリング角度検出装置1のCPU11、ROM12、RAM13として機能してもよい。
図7は、ステアリング角度検出装置1の概略構成図である。
ステアリング角度検出装置1は、ステアリングホイール101の回転角度(以下、「ステアリング角度」と称する場合もある。)を検出する装置であり、回転角度を算出する際の各種演算を行うCPU11と、CPU11にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM12と、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM13とを有する算術論理演算回路である。ステアリング角度検出装置1は、例えば、制御装置10と同一の制御基板上に構成されてもよいし、別の制御基板上に構成されてもよい。また、制御装置10を構成するCPU、ROM、RAMが、ステアリング角度検出装置1のCPU11、ROM12、RAM13として機能してもよい。
ステアリング角度検出装置1には、上述した変換部15から出力されたトルク信号Tdと、電動モータ110に設けられた、この電動モータ110の回転角度(以下、「モータ回転角度」と称する場合もある。)を検出するセンサ(例えば、レゾルバ、ロータリエンコーダ)にて検出されたモータ回転角度をデジタル信号に変換したモータ回転角度信号θmsが入力される。
図8は、ステアリング角度検出装置1の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、ステアリング角度検出装置1は、モータ回転角度に基づいてステアリング角度を算出するステアリング角度算出手段の一例としてのステアリング角度算出部2と、ステアリングホイール101の操舵トルクTに基づいて第1の回転軸の一例としての下部連結シャフト108と第2の回転軸の一例としてのピニオンシャフト106との相対回転角度を算出する相対回転角度算出手段の一例としての相対回転角度算出部3と、を備えている。また、ステアリング角度検出装置1は、ステアリング角度算出部2が算出したステアリング角度を、相対回転角度算出部3が算出した相対回転角度にて補正する補正手段の一例としての補正部4と、補正部4が補正することにより最終的に算出したステアリング角度の出力を制御する出力制御部5と、を備えている。
以下、ステアリング角度検出装置1がステアリング角度を算出する方法について説明する。
図2を用いて説明したように、ステアリング装置100においては、電動モータ110の出力軸に連結されたウォームギヤ111と、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール160とは噛み合っている。また、ピニオンシャフト106に形成されたピニオン106aと、ラック軸105に形成されたラック歯105aとは噛み合っている。それゆえ、電動モータ110の回転角度(モータ回転角度)と前輪150との向き、つまりはステアリングホイール101の回転角度との間には相関関係がある。そこで、ステアリング角度算出部2は、取得したモータ回転角度信号θmsに基づいてステアリング角度を算出する。
図2を用いて説明したように、ステアリング装置100においては、電動モータ110の出力軸に連結されたウォームギヤ111と、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール160とは噛み合っている。また、ピニオンシャフト106に形成されたピニオン106aと、ラック軸105に形成されたラック歯105aとは噛み合っている。それゆえ、電動モータ110の回転角度(モータ回転角度)と前輪150との向き、つまりはステアリングホイール101の回転角度との間には相関関係がある。そこで、ステアリング角度算出部2は、取得したモータ回転角度信号θmsに基づいてステアリング角度を算出する。
ただし、ステアリングホイール101の回転角度とピニオンシャフト106の回転角度とは、トーションバー112に捩れが生じている場合には、トーションバー112に捩れが生じていない場合と比べて、捩れの分相対的にずれる。そこで、相対回転角度算出部3は、取得したトルク信号Tdに基づいてトーションバー112の捩れ量を算出し、算出した捩れ量からステアリング角度(下部連結シャフト108の回転角度)とピニオンシャフト106との相対回転角度を算出する。そして、補正部4は、この相対回転角度を用いて、取得したモータ回転角度信号θmsに基づいてステアリング角度算出部2が算出したステアリング角度を補正する。
出力制御部5は、補正部4が補正することにより最終的に算出したステアリング角度を、乗り物の進路案内を行う装置、中立への戻りを安定させる装置、ステアリングの角度に応じてサスペンションの硬さを変える装置、ヘッドライトの向きを変える装置等の各種の制御装置に出力する。
出力制御部5は、補正部4が補正することにより最終的に算出したステアリング角度を、乗り物の進路案内を行う装置、中立への戻りを安定させる装置、ステアリングの角度に応じてサスペンションの硬さを変える装置、ヘッドライトの向きを変える装置等の各種の制御装置に出力する。
次に、フローチャートを用いて、ステアリング角度検出装置1が行うステアリング角度算出処理について説明する。
図9は、ステアリング角度算出処理の手順を示すフローチャートである。ステアリング角度検出装置1は、定期的に、例えば0.25ms毎にこのステアリング角度算出処理を実行する。なお、このステアリング角度算出処理を実行する間隔は、その間の電動モータ110の回転量(回転した角度)が180度を超えないように定めてある。
図9は、ステアリング角度算出処理の手順を示すフローチャートである。ステアリング角度検出装置1は、定期的に、例えば0.25ms毎にこのステアリング角度算出処理を実行する。なお、このステアリング角度算出処理を実行する間隔は、その間の電動モータ110の回転量(回転した角度)が180度を超えないように定めてある。
ステアリング角度検出装置1は、先ず、モータ回転角度信号θmsおよびトルク信号Tdを取得する(ステップ901)。その後、今回のフローのステップ901にて取得したモータ回転角度信号θmsから把握した今回のフローにおけるモータ回転角度(以下、「現モータ回転角度」と称する場合もある。)と、前回のフローにおけるモータ回転角度(以下、「前モータ回転角度」と称する場合もある。)とが等しいか否かを判別する(ステップ902)。なお、モータ回転角度は、このステアリング角度検出装置1が起動開始した時点の角度(以下、「基準角度」と称する場合もある。)を零度とする。
そして、現モータ回転角度と前モータ回転角度とが等しくない場合(ステップ902でNo)、前回のフローから今回のフローの間にモータ回転角度が360度を超えたか否かを判別する(ステップ903)。これは、電動モータ110の一方の方向の回転を正転、他方の方向の回転を逆転とした場合に、正転して上述した基準角度を超えたか否かを判別する処理である。つまりは、このステアリング角度算出処理の実行間隔間の電動モータ110の回転量が180度を超えないように定めてあるので、ここでは、前モータ回転角度が180度より大きく、正転して現モータ回転角度が180度より小さくなったか否かを判別する処理である。そして、モータ回転角度が360度を超えた場合(ステップ903でYes)、モータの回転回数nを1増加させる(n←n+1)(ステップ904)。
他方、モータ回転角度が360度を超えていない場合(ステップ903でNo)、前回のフローから今回のフローの間にモータ回転角度が零度を超えたか否かを判別する(ステップ905)。これは、電動モータ110が逆転して上述した基準角度を超えたか否かを判別する処理である。つまりは、前モータ回転角度が180度より小さく、逆転して現モータ回転角度が180度より大きくなったか否かを判別する処理である。そして、モータ回転角度が零度を超えた場合(ステップ905でYes)、モータの回転回数nを1減少させる(n←n−1)(ステップ906)。なお、モータ回転角度が360度を超えていない場合(ステップ903でNo)、およびモータ回転角度が零度を超えていない場合(ステップ905でNo)は、モータの回転回数nを変更しない。
その後、ステアリング角度検出装置1は、電動モータ110の累積回転角度θmを算出する(θm=n×360+現モータ回転角度)(ステップ907)。そして、ステップ907にて算出した電動モータ110の累積回転角度θmからステアリング角度を算出する(θs(ステアリング角度)=θm×係数α)(ステップ908)。ここで、係数αは、電動モータ110の累積回転角度θmをステアリング角度に変換する係数であり、ウォームギヤ111の歯数およびウォームホイール160の歯数に依存する値である。そして、係数αは、予めROM12に記憶されている。以上のようにして、ステアリング角度算出部2は、モータ回転角度信号θmsに基づいてステアリング角度を算出する。
その後、相対回転角度算出部3は、ステアリングホイール101(下部連結シャフト108)の回転角度とピニオンシャフト106の回転角度との相対回転角度を算出する(ステップ909)。これは、今回のフローのステップ901にて取得したトルク信号Tdから把握した今回のフローにおける操舵トルクからトーションバー112の捩れ角度(捩れ量)を算出する処理である。ここで、ステアリングホイール101に操舵トルクTが加えられた場合、その操舵トルクTに比例してトーションバー112が捩れ、その捩れ角度を角度θt(rad)とすると、角度θtと操舵トルクT(kg・cm)とは以下に示す式(1)の関係となる。ステップ909では、式(1)を用いて相対回転角度Δθ(度)を算出する。
T=((π×G)/32)×((D4)/L)×θt・・・(1)
なお、Gは、トーションバー112のせん断係数(kg/cm2)、Lは、トーションバー112と下部連結シャフト108との連結部と、トーションバー112とピニオンシャフト106との連結部との間の距離(cm)、Dは、トーションバー112における捩れ部位の軸径(cm)である。
なお、トーションバー112の捩れ角度の負号は、ステップ901にて取得したトルク信号Tdがステアリング装置100の制御装置10に入力された場合に電動モータ110が逆転させられるときに付与するなど、予め定義しておけばよい。例えば、ステアリングホイール101が左に回転された場合に操舵トルクTに負号を設けるようにするとよい。
T=((π×G)/32)×((D4)/L)×θt・・・(1)
なお、Gは、トーションバー112のせん断係数(kg/cm2)、Lは、トーションバー112と下部連結シャフト108との連結部と、トーションバー112とピニオンシャフト106との連結部との間の距離(cm)、Dは、トーションバー112における捩れ部位の軸径(cm)である。
なお、トーションバー112の捩れ角度の負号は、ステップ901にて取得したトルク信号Tdがステアリング装置100の制御装置10に入力された場合に電動モータ110が逆転させられるときに付与するなど、予め定義しておけばよい。例えば、ステアリングホイール101が左に回転された場合に操舵トルクTに負号を設けるようにするとよい。
そして、補正部4は、ステップ908にて算出したステアリング角度を、ステップ909にて算出した相対回転角度を用いて補正する(ステップ910)。これは、ステップ908にて算出したステアリング角度に、ステップ909にて算出した相対回転角度を加算する処理である。
以上のようにして、ステアリング角度検出装置1は、モータ回転角度信号θmsおよびトルク信号Tdに基づいてステアリング角度を算出する。そして、ステアリング角度検出装置1の出力制御部5は、算出したステアリング角度を出力する(ステップ911)。
以上のようにして、ステアリング角度検出装置1は、モータ回転角度信号θmsおよびトルク信号Tdに基づいてステアリング角度を算出する。そして、ステアリング角度検出装置1の出力制御部5は、算出したステアリング角度を出力する(ステップ911)。
以上のように構成された本実施の形態に係るステアリング角度検出装置1においては、モータ回転角度を用いてステアリング角度を算出しているので、ステアリング角度を検出する専用のセンサを備える場合に比べて、構成部品を少なくすることができ、構成の簡略化、装置の小型化、低廉化を実現できる。また、トーションバー112の捩れ角度を考慮するので、より精度高くステアリング角度を検出することができる。さらに、このトーションバー112の捩れ角度を把握するにあたっては、ステアリング装置100に用いられるトルク信号Tdを用いるので、新たにセンサなどを設けることを抑制することができ、構成が複雑化すること、コストが上昇することを抑制することができる。
また、ステアリング角度検出装置1を、ステアリング装置100の制御装置10の制御基板上、あるいはその近傍に配置した制御基板上に構成することで、例えば、ステアリングホイール101の下に配置されるステアリングコラムに設けるよりも、各部のガタを抑制することができ、より精度高くステアリング角度を検出することが可能となる。さらに、トルク信号Tdおよびモータ回転角度信号θmsを取得するための信号線を短くすることができ、ノイズを抑制できるので、より精度高くステアリング角度を検出することが可能となる。
また、ステアリング角度検出装置1を、ステアリング装置100の制御装置10の制御基板上、あるいはその近傍に配置した制御基板上に構成することで、例えば、ステアリングホイール101の下に配置されるステアリングコラムに設けるよりも、各部のガタを抑制することができ、より精度高くステアリング角度を検出することが可能となる。さらに、トルク信号Tdおよびモータ回転角度信号θmsを取得するための信号線を短くすることができ、ノイズを抑制できるので、より精度高くステアリング角度を検出することが可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、ステアリング角度検出装置1は、モータ回転角度に基づいて算出したステアリング角度を、トーションバー112の捩れ角度を用いて補正することにより、最終的なステアリング角度を算出しているが、特にかかる態様に限定されない。
例えば、モータ回転角度に基づいて下部連結シャフト108の回転角度を算出し、算出した下部連結シャフト108の回転角度と、トーションバー112の捩れ角度とを、加算または減算することによりステアリング角度を算出してもよい。つまり、ステアリング角度検出装置は、モータ回転角度に基づいてピニオンシャフト106の回転角度を算出する回転軸角度算出手段の一例としての回転軸角度算出部と、ステアリングホイール101の操舵トルクに基づいて下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度を算出する相対回転角度算出部3と、回転軸角度算出部が算出したピニオンシャフト106の回転角度と、相対回転角度算出部3が算出した相対回転角度とを加算または減算する加減算手段の一例としての加減算部と、を備えることが好適である。これにより、上述したステアリング角度検出装置1と同様の効果を有することが可能となる。
例えば、モータ回転角度に基づいて下部連結シャフト108の回転角度を算出し、算出した下部連結シャフト108の回転角度と、トーションバー112の捩れ角度とを、加算または減算することによりステアリング角度を算出してもよい。つまり、ステアリング角度検出装置は、モータ回転角度に基づいてピニオンシャフト106の回転角度を算出する回転軸角度算出手段の一例としての回転軸角度算出部と、ステアリングホイール101の操舵トルクに基づいて下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度を算出する相対回転角度算出部3と、回転軸角度算出部が算出したピニオンシャフト106の回転角度と、相対回転角度算出部3が算出した相対回転角度とを加算または減算する加減算手段の一例としての加減算部と、を備えることが好適である。これにより、上述したステアリング角度検出装置1と同様の効果を有することが可能となる。
1…ステアリング角度検出装置、10…制御装置、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、106…ピニオンシャフト、108…下部連結シャフト、109…トルクセンサ、110…電動モータ、112…トーションバー
Claims (6)
- 電動パワーステアリング装置に備えられたステアリングホイールの回転角度を検出するステアリング角度検出装置であって、
前記ステアリングホイールの回転に連動して回転する第1の回転軸とトーションバーを介して連結されて転動輪の向きを変える第2の回転軸に回転補助力を与える前記電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいて当該ステアリングホイールの回転角度を算出するステアリング角度算出手段と、
前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出する相対回転角度算出手段と、
前記ステアリング角度算出手段が算出した前記ステアリングホイールの回転角度を、前記相対回転角度算出手段が算出した前記相対回転角度にて補正する補正手段と、
を備えることを特徴とするステアリング角度検出装置。 - 前記相対回転角度算出手段は、前記電動モータに供給する目標電流を算出する前記電動パワーステアリング装置の目標電流算出手段が当該目標電流を算出するにあたって基礎とする前記操舵トルクに応じたトルク信号を取得し、取得したトルク信号に基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出することを特徴とする請求項1に記載のステアリング角度検出装置。
- 前記トルク信号は、前記トーションバーの捩れ角度に応じた電気信号に基づくことを特徴とする請求項2に記載のステアリング角度検出装置。
- 電動パワーステアリング装置に備えられたステアリングホイールの回転角度を検出するステアリング角度検出装置であって、
前記ステアリングホイールの回転に連動して回転する第1の回転軸とトーションバーを介して連結されて転動輪の向きを変える第2の回転軸に回転補助力を与える前記電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいて当該第2の回転軸の回転角度を算出する回転軸角度算出手段と、
前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出する相対回転角度算出手段と、
前記回転軸角度算出手段が算出した前記第2の回転軸の回転角度と、前記相対回転角度算出手段が算出した前記相対回転角度とを加算または減算する加減算手段と、
を備えることを特徴とするステアリング角度検出装置。 - 前記相対回転角度算出手段は、前記電動モータに供給する目標電流を算出する前記電動パワーステアリング装置の目標電流算出手段が当該目標電流を算出するにあたって基礎とする前記操舵トルクに応じたトルク信号を取得し、取得したトルク信号に基づいて前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を算出することを特徴とする請求項4に記載のステアリング角度検出装置。
- 電動パワーステアリング装置に備えられたステアリングホイールの回転角度を検出するステアリング角度検出方法であって、
前記ステアリングホイールの回転に連動して回転する第1の回転軸とトーションバーを介して連結されて転動輪の向きを変える第2の回転軸に回転補助力を与える前記電動パワーステアリング装置の電動モータの回転角度に基づいて当該ステアリングホイールの回転角度を算出し、算出した当該ステアリングホイールの回転角度を、当該ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて算出した前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との相対回転角度を用いて補正することを特徴とするステアリング角度検出方法。
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JP2003285752A (ja) * | 2002-03-27 | 2003-10-07 | Toyoda Mach Works Ltd | 電気式操舵制御装置 |
JP2006151360A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-06-15 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用操舵装置 |
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