JP2016185786A - 電動パワーステアリング装置および故障検出装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置および故障検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1出力値および第2出力値の何れか一方が一定のレベルに固定される故障が生じたときに、第1の出力手段および第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して検知することができる。【解決手段】トーションバーの捩れ量に応じた値である第1出力値を出力する第1の出力手段と、トーションバーの捩れ量に応じた値であって、第1出力値に対し負の相関関係となる第2出力値を出力する第2の出力手段と、第1出力値と第2出力値との関係が予め定められた範囲内A〜Dとなったときに、第1の出力手段および第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して検出する故障検出手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。【選択図】図11

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置および故障検出装置に関する。
近年、電動モータの動力にてドライバの操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出するトルクセンサを備え、このトルクセンサが検出する操舵トルクに基づいて電動モータによるアシスト力を制御する装置が知られている。
特許文献1には、入力軸と出力軸とを同軸上に連結するトーションバー、入力軸の端部に取り付けられるリング状の磁石、出力軸の端部に取り付けられる一組の磁気ヨーク、及び磁気ヨークに生じる磁束密度を検出する磁気センサ等より構成されるトルクセンサが開示されている。
また、特許文献2には、メイン及びサブ操舵トルクセンサの操舵トルク検出値の異常を検出し、所定時間異常状態を継続したときに制御を終了するが、異常状態となって所定時間が経過するまでの間は、両操舵トルク検出値の方向が一致しているときには絶対値の小さい方を操舵トルク検出値として選定し、方向が不一致であるときには、操舵トルク検出値を操舵に影響を与えない許容範囲例えば“0”に制限しながら制御を継続する電動式パワーステアリングの制御装置が開示されている。
特開2009−255645号公報 特開平10−203392号公報
従来、トルクセンサとして、検出対象となる回転軸の捩れ量に応じた値であって、互いに負の相関関係となる第1出力値および第2出力値を基にしてトルクを検出する場合がある。このとき第1出力値および第2出力値の何れか一方が一定のレベルに固定される故障が生じたときには、電動パワーステアリング装置のアシストが停止してしまう問題がある。また従来は、何れが故障であるかを判断することは困難であった。
本発明は、第1出力値および第2出力値の何れか一方が一定のレベルに固定される故障が生じたときに、第1の出力手段および第2の出力手段の何れが故障であるかを検知することができる電動パワーステアリング装置等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、回転軸の捩れ量に応じた値である第1出力値を出力する第1の出力手段と、回転軸の捩れ量に応じた値であって、第1出力値に対し負の相関関係となる第2出力値を出力する第2の出力手段と、第1出力値と第2出力値との関係が予め定められた所定範囲内となったときに、第1の出力手段および第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して検出する故障検出手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
ここで、故障検出手段は、第1の出力手段または第2の出力手段の何れかが故障していることを検出した場合に、第1の出力手段が故障したときは第2出力値を選択し、第2の出力手段が故障したときは第1出力値を選択する選択手段を備えることができる。
また故障検出手段は、第1の出力手段が故障したときは第2出力値を小さくし、第2の出力手段が故障したときは第1出力値を小さくすることができる。
さらに故障検出手段は、第1の出力手段または第2の出力手段の何れかが故障していることを検出した場合に、第1の出力手段が故障したときは第1出力値を0とし、第2の出力手段が故障したときは第2出力値を0として、第1出力値と第2出力値とを差動増幅する差動増幅手段を備えることができる。
そして範囲は、第1の出力手段および第2の出力手段のそれぞれが正常または故障であるかを表す4種類の範囲を含むようにすることができる。
さらに他の観点から捉えると、本発明は、回転軸の捩れ量に応じた値である第1出力値と回転軸の捩れ量に応じた値であって第1出力値に対し負の相関関係となる第2出力値との関係が予め定められた所定範囲内となったときに、範囲を基に第1出力値を出力する第1の出力手段および第2出力値を出力する第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して判定する故障判定部と、故障と判定された場合に第1出力値と第2出力値を処理して出力する出力部と、を備えることを特徴とする故障検出装置である。
本発明によれば、第1出力値および第2出力値の何れか一方が一定のレベルに固定される故障が生じたときに、第1の出力手段および第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して検出することができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の外観図である。 電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 電動パワーステアリング装置の断面図である。 図3におけるIV部の拡大図である。 実施の形態に係るトルク検出装置の主要部品の概略構成図である。 トルク検出装置の磁石とヨークとを、図3におけるVI方向から見た図である。 センサユニットの回路図である。 第1の回転体と第2の回転体との捩れに基づく第1の電圧増幅部および第2の電圧増幅部からの出力電圧を示す特性図である。 センサユニットの第1の増幅回路が出力する第1の電圧信号および第2の増幅回路が出力する第2の電圧信号と、操舵トルクTとの関係を示す図である。 ステアリング装置のECUの概略構成図である。 故障判定部が第1出力系、第2出力系の故障を判定する方法についてXY座標系における点座標(V1、V2)で示した図である。 故障検出部の動作について説明したフローチャートである。 他の実施形態における制御基板の概略構成を示す図である。 他の実施形態における故障検出部の動作について説明したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)につい
て詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の外観図である。図2は、電動パワーステアリング装置100の概略構成図である。図3は、電動パワーステアリング装置100の断面図である。なお、図2においては、後述するECU10のカバー15を省略して示している。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置(以下、「ステアリング装置」と称す。)100は、コラムアシスト式の装置である。ステアリング装置100は、ステアリングホイール(図示せず)に連結されたステアリングシャフト101と、このステアリングシャフト101の回転半径方向の周囲を覆うステアリングコラム105と、を備えている。
また、ステアリング装置100は、後述するウォームホイール150およびウォームギヤ161を収納するギヤボックス110と、ステアリングコラム105およびギヤボックス110を、乗り物の本体フレームに直接的または間接的に固定するブラケット106と、を備えている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングホイールに加える運転者の操舵力をアシストする力を付与する電動モータ160と、電動モータ160の作動を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」と称する場合もある。)10と、運転者の操舵トルクTを検出するトルク検出装置20と、を備えている。
ステアリングシャフト101は、上端がステアリングホイール(図示せず)に連結される第1の回転体120と、この第1の回転体120と回転軸の一例であるトーションバー140を介して同軸的に連結された第2の回転体130とを有している。第2の回転体130には、例えば圧入などによりウォームホイール150が固定されている。このウォームホイール150は、ギヤボックス110に固定された電動モータ160の出力軸に連結されたウォームギヤ161と噛み合っている。
ギヤボックス110は、第1の回転体120を回転可能に支持する第1部材111と、第2の回転体130を回転可能に支持するとともに第1部材111に例えばボルトなどにより結合される第2部材112と、を有している。第1部材111は、電動モータ160を取り付ける部位であるモータ取付部111aと、ECU10を取り付ける部位であるECU取付部111bと、を有している。
以上のように構成されたステアリング装置100においては、トルク検出装置20が、第1の回転体120と第2の回転体130との相対回転角度に基づいて操舵トルクTを検出し、ECU10が、検出された操舵トルクTに基づいて電動モータ160の駆動を制御し、その回転駆動力をウォームギヤ161、ウォームホイール150を介して第2の回転体130に伝達する。これにより、電動モータ160の発生トルクが、ステアリングホイールに加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、トルク検出装置20について詳述する。
図4は、図3におけるIV部の拡大図である。図5は、実施の形態に係るトルク検出装置20の主要部品の概略構成図である。図6は、トルク検出装置20の後述する磁石21とヨーク30とを、図3におけるVI方向から見た図である。なお、図6においては、後述するヨーク保持部材33は省略している。
トルク検出装置20は、第1の回転体120に取り付けられる磁石21と、磁石21が形成する磁界内に配置され、磁石21とともに磁気回路を形成するヨーク30とを有している。また、トルク検出装置20は、磁石21を保持する磁石保持部材22と、ヨーク30を保持するヨーク保持部材33とを有している。
また、トルク検出装置20は、磁石21およびヨーク30にて形成される磁気回路中の磁束密度を検出する磁気センサ40を有し、この磁気センサ40からの出力値に基づいて第1の回転体120と第2の回転体130との相対回転角度に応じた出力信号を出力するセンサユニット50(図3参照)を有している。
磁石21は、円筒状であり、図5に示すように、第1の回転体120の周方向にN極とS極とが交互に配置されるとともに周方向に着磁されている。この磁石21は、円筒状の磁石保持部材22を介して第1の回転体120に取り付けられている。つまり、磁石21が磁石保持部材22に固定されており、磁石保持部材22が第1の回転体120に固定されている。そして、磁石21は第1の回転体120とともに回転する。
ヨーク30は、第1のヨーク31と、第2のヨーク32と、を有している。
第1のヨーク31は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第1の円環部31aと、この第1の円環部31aから第1の回転体120の軸方向(以下、単に「軸方向」と称する場合もある。)に伸びるように形成された複数の第1の突起部31bとを有している。
第2のヨーク32は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第2の円環部32aと、この第2の円環部32aから軸方向に伸びるように形成された複数の第2の突起部32bとを有している。
第1のヨーク31の第1の突起部31bおよび第2のヨーク32の第2の突起部32bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。つまり、磁石21のN極およびS極がそれぞれ例えば12個である場合には、第1の突起部31bも12個形成されており、第2の突起部32bも12個形成されている。そして、この第1の突起部31bおよび第2の突起部32bは、第1の回転体120の回転半径方向においては、図4,図6に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されている。また、その第1の突起部31bおよび第2の突起部32bの磁石21と対向する面は、第1の回転体120の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。第1の突起部31bと第2の突起部32bとは、第1の回転体120の周方向に交互に配置されている。
そして、本実施の形態に係るトルク検出装置20においては、トーションバー140に操舵トルクTが加わっていない状態、つまりトーションバー140に捩れが生じていない中立状態のときに、図6に示すように、第1の回転体120の周方向において、時計回転方向に見た場合に磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心が一致するように配置されている。
第2のヨーク32の第2の突起部32bは、中立状態のときに、第1の回転体120の周方向において、図6に示すように、時計回転方向に見た場合に磁石21のS極とN極との境界線と第2の突起部32bの周方向の中心が一致するように配置されている。そして、トーションバー140に操舵トルクTが加わってトーションバー140に捩れが生じ、第1の突起部31bが磁石21のN極あるいはS極と対向する場合に、第2の突起部32bは、第1の突起部31bが対向する磁極とは異なる極性の磁極に対向する。
ヨーク保持部材33は、第2の回転体130の軸方向に伸びる薄肉円筒状の軸方向部位34と、軸方向部位34から第2の回転体130の回転半径方向に伸びる円板状の半径方向部位35とを有する。そして、ヨーク保持部材33の軸方向部位34が第2の回転体130に圧入、溶接、カシメあるいはねじ止めされることにより、軸方向部位34が第2の回転体130に固定されている。これにより、ヨーク30は、第2の回転体130に固定される。
図7は、センサユニット50の回路図である。
センサユニット50の磁気センサ40は、第1のヨーク31の第1の円環部31aと第2のヨーク32の第2の円環部32aとの間に配置されて、第1のヨーク31と第2のヨーク32との間の磁束密度を検出し、検出した磁束密度を電圧信号に変換して出力する2つのセンサである第1の磁気センサ41と第2の磁気センサ42とを有している。磁気センサ40としては、ホール素子、磁気抵抗素子であることを例示することができる。第1の磁気センサ41と第2の磁気センサ42とは、同じ値の電圧信号を出力する。
また、センサユニット50は、第1の磁気センサ41からの出力電圧を増幅する第1の電圧増幅部43と、第2の磁気センサ42からの出力電圧を増幅する第2の電圧増幅部44と、第1の電圧増幅部43からの出力電圧を増幅する第1の増幅回路45と、第2の電圧増幅部44からの出力電圧を増幅する第2の増幅回路46とを有している。また、センサユニット50は、第1の増幅回路45と電源電圧を受ける電源端子50cとの間に設けられた第1の抵抗47と、第2の増幅回路46と電源電圧を受ける電源端子50cとの間に設けられた第2の抵抗48とを有している。
また、センサユニット50は、上述した磁気センサ40、第1の電圧増幅部43、第2の電圧増幅部44、第1の増幅回路45、第2の増幅回路46、第1の抵抗47および第2の抵抗48が実装される基板51(図3参照)を有している。この基板51には、センサユニット50とECU10とを接続する4本の信号線52が接続されている。4本の信号線52の他端は、ECU10の後述する制御基板12に接続されている。そして、基板51に設けられた接続端子50aに接続された4本の内の1本の信号線52aを介して、第1の増幅回路45からの出力信号が、基板51に設けられた接続端子50bに接続された4本の内の1本の信号線52bを介して、第2の増幅回路46からの出力信号がECU10に伝達される。また、センサユニット50は、4本の内の1本の信号線52cを介して、電源端子50cに電源電圧が、他の信号線52dを介して、GND端子50dにGND電圧が供給される。
図8は、第1の回転体120と第2の回転体130との捩れに基づく第1の電圧増幅部43および第2の電圧増幅部44からの出力電圧を示す特性図である。
第1の電圧増幅部43および第2の電圧増幅部44は、周知の電圧増幅回路であり、互いに相反する電圧信号を出力する。
第1の増幅回路45および第2の増幅回路46は、それぞれ、互いに逆の動作をする回路を組み合わせて一体とし、出力を得るようにした回路であり、プッシュプル回路であることを例示することができる。
なおここでは、第1の磁気センサ41、第1の電圧増幅部43、第1の増幅回路45および第1の抵抗47は、第1の出力系(第1の出力手段)の一例であり、第2の磁気センサ42、第2の電圧増幅部44、第2の増幅回路46および第2の抵抗48は、第2の出力系(第2の出力手段)の一例であると把握することができる。
図9は、センサユニット50の第1の増幅回路45が出力する第1の電圧信号T1および第2の増幅回路46が出力する第2の電圧信号T2と、操舵トルクTとの関係を示す図である。
図9においては、横軸に操舵トルクT、縦軸に第1の電圧信号T1の第1の電圧V1(第1出力値)および第2の電圧信号T2の第2の電圧V2(第2出力値)を示している。横軸は、操舵トルクTが零の状態、言い換えれば、トーションバー140の捩れ量が零の状態を中点にし、右方向の操舵トルクTをプラス、左方向の操舵トルクTをマイナスとしている。
以上のように構成されたセンサユニット50は、図9に示すように、第1の電圧信号T1が示す第1の電圧V1および第2の電圧信号T2が示す第2の電圧V2が、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化するように出力する。
図9の実線で示すように、第1の電圧信号T1は、操舵トルクTの右方向への大きさが増加(トーションバー140の右方向への回転量が増加)するのに伴って電圧が上昇する特性を有する。すなわち、ステアリングホイールが右方向に回転すると第1の電圧信号T1の第1の電圧V1が上昇する。他方、図9の破線で示すように、第2の電圧信号T2の第2の電圧V2は、第1の電圧信号T1と相反する出力特性(逆の出力特性、負の相関関係)を有し、操舵トルクTの右方向への大きさが増加するのに伴って電圧が低下する特性を有する。すなわち、ステアリングホイールが右方向に回転すると第2の電圧信号T2の第2の電圧V2が低下する。
そして、中点では第1の電圧信号T1の第1の電圧V1と第2の電圧信号T2の第2の電圧V2とが等しい電圧(以下、「中点電圧Vc」と称する場合がある)となるように構成されている。
さらに、操舵トルクTの変化に対する第1の電圧信号T1の変化の割合と第2の電圧信号T2の変化の割合(絶対値)は等しい。
次に、ECU10について詳述する。
図10は、ステアリング装置100のECU10の概略構成図である。
ECU10には、上述したトルク検出装置20からの出力信号、車速センサ(不図示)にて検出された車速が出力信号に変換された車速信号v、電動モータ160の回転速度が出力信号に変換された回転速度信号Nmsなどが入力される。
そして、ECU10は、トルク検出装置20からの出力信号をトルク信号Tdに変換する変換部210と、変換部210から出力されたトルク信号Tdに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ160が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部220と、目標電流算出部220が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部230とを有している。
また、ECU10は、トルク検出装置20からの出力信号を基にトルク検出装置20に故障が生じているか否かを検出する故障検出手段もしくは故障検出装置の一例としての故障検出部240を備えている。故障検出部240については後で詳述する。
変換部210は、トルク検出装置20から出力された第1の電圧信号T1および第2の電圧信号T2からトルク検出装置20に異常が生じていない場合には、第1の電圧信号T1を操舵トルクTに応じたデジタル信号であるトルク信号Tdに変換するとともに、変換したトルク信号Tdを、目標電流算出部220へ向けて出力する。
目標電流算出部220は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部(不図示)と、電動モータ160の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部(不図示)と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部(不図示)とを備えている。また、目標電流算出部220は、ベース電流算出部、イナーシャ補償電流算出部、ダンパー補償電流算出部などからの出力に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部(不図示)と、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部(不図示)を備えている。そして、目標電流算出部220は、変換部210から出力されたトルク信号Tdに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ160が供給するのに必要となる目標電流を算出する。
制御部230は、電動モータ160の作動を制御するモータ駆動制御部(不図示)と、電動モータ160を駆動させるモータ駆動部(不図示)と、電動モータ160に実際に流れる実電流Im(不図示)を検出するモータ電流検出部(不図示)とを有している。
モータ駆動制御部は、目標電流算出部220にて最終的に決定された目標電流と、モータ電流検出部にて検出された電動モータ160へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部(不図示)と、電動モータ160をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部(不図示)とを有している。
モータ駆動部は、所謂インバータであり、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)(不図示)を備え、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ160の駆動を制御する。
上述したECU10の変換部210、目標電流算出部220、制御部230および故障検出部240は、電子部品が実装されたECU用基板11(図2、図3参照)にて構成される。ECU用基板11は、変換部210、故障検出部240、目標電流算出部220、モータ駆動制御部、モータ電流検出部などを構成する、マイクロコンピュータやその周辺機器が実装された制御基板12(図2参照)と、モータ駆動部を構成する、電動モータ160を駆動制御するトランジスタなどが実装されたパワー基板13(図2参照)と、を備えている。制御基板12には、トルク検出装置20のセンサユニット50との接続線である上述した信号線52が挿入される挿入孔12a(図2参照)が形成されている。パワー基板13には、電動モータ160に挿入されて電動モータ160の巻き線端子(不図示)に電気的に接続されるモータ端子18(図2参照)が取り付けられている。
また、ECU10は、制御基板12をギヤボックス110の第1部材111に取り付けるためのフレーム14(図2参照)と、制御基板12、パワー基板13およびフレーム14などを覆うカバー15(図1参照)と、を備えている。
フレーム14は、絶縁性樹脂によりインサート成形され、複数の導電線からなる配線パターンを有し、制御基板12とパワー基板13とを電気的に接続する。このフレーム14には、自動車などの乗り物に搭載されるバッテリや、この乗り物に搭載される各種の機器とのネットワーク(CAN)などに接続するための接続コネクタ16が取り付けられている(図1、図2参照)。
次に、故障検出部240について説明する。
制御トルク信号である第1の電圧V1と比較信号である第2の電圧V2との何れかが、異常な値となると、後段のECU10でトルク検出装置20が故障したと判断され、アシストが停止してしまう。この場合、他の制御手段によりECU10を動作させる方法もあるが、トルク信号Tdを使わない場合、操舵のフィーリングが低下しやすくなる。
第1の電圧V1または第2の電圧V2が異常な値となるのは、ほとんどの場合、第1の電圧V1または第2の電圧V2が一定のレベルに固定される故障(以下、「固着故障」と称する場合がある)である。これは第1出力系や第2出力系が故障することにより生ずる。そして従来は、何れが故障しているか判断するのは、難しかった。
そこで本実施の形態では、故障検出部240を以下の構成とし、この問題の解決を図っている。
本実施の形態では、故障検出部240は、第1の電圧V1および第2の電圧V2を基に、第1出力系および第2出力系の何れが故障しているか否かを判定する。そして一方が、異常と判定されたときは正常と判定された他方から出力された電圧を使用する。
図7に示すように故障検出部240は、故障の判定を行う故障判定部241と、第1の電圧V1と第2の電圧V2の何れかを選択する選択部242とを備える。
故障判定部241は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が予め定められた範囲内となったときに、この範囲を基に第1出力系および第2出力系の何れが故障であるかを特定して検出する。
固着故障が生じると、第1の電圧V1や第2の電圧V2が出力上限値や出力下限値に固着する。図9で、この領域を固着故障領域として示している。このうち出力上限値に固着する固着故障が生じたことを検知するには、閾値としてVHiを設定し、第1の電圧V1や第2の電圧V2がVHiより高くなったときに固着故障が生じたと判断する。閾値VHiは、通常操作領域で出力される電圧の上限値より大きい値として設定される。一方、出力下限値に固着する固着故障が生じたことを検知するには、閾値としてVLoを設定し、第1の電圧V1や第2の電圧V2がVLoより低くなったときに固着故障が生じたと判断する。閾値VLoは、通常操作領域で出力される電圧の下限値より小さい値として設定される。
図11は、故障判定部241が第1出力系、第2出力系の故障を判定する方法についてXY座標系における点座標(V1、V2)で示した図である。図11では、横軸が、X軸原点0を基準とする第1の電圧V1を表し、縦軸がY軸原点0を基準とする第2の電圧V2を表す。
このとき図示するように第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係に応じ、範囲A、範囲B、範囲C、範囲Dを定める。この範囲は、以下に説明するように第1出力系および第2出力系のそれぞれが正常または故障であるかを表す4種類を含む。
このうち範囲Aは、正常範囲であり、第1の電圧V1と第2の電圧V2とがともに正常である範囲である。即ち、第1の電圧V1と第2の電圧V2とがともに正常である場合、第1の電圧V1と第2の電圧V2とは、上述したように負の相関関係を有している。そのため第1の電圧V1が上昇すると第2の電圧V2が下降し、第1の電圧V1が下降すると第2の電圧V2が上昇する。さらに第1の電圧V1と第2の電圧V2とは、閾値VHiと閾値VLoの間となる。よって第1の電圧V1と第2の電圧V2とがともに正常である場合は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係は、範囲Aに入る。この場合、故障判定部241は、第1出力系と第2出力系とはともに正常であると判定できる。
また範囲Bは、第1の電圧V1は正常であるが、第2の電圧V2が異常である場合の範囲である。つまり第1の電圧V1は、横軸方向に変動するが、第2の電圧V2は、出力上限値または出力下限値に固着する。よって第2の電圧V2は、閾値VHiより高くなるか、閾値VLoより低くなる。その結果、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係は、範囲Bに入る。この場合、故障判定部241は、第1出力系は正常であるが、第2出力系は故障していると判定できる。
さらに範囲Cは、第2の電圧V2は正常であるが、第1の電圧V1が異常である場合の範囲である。つまり第2の電圧V2は、縦軸方向に変動するが、第1の電圧V1は、出力上限値または出力下限値に固着する。よって第1の電圧V1は、閾値VHiより高くなるか、閾値VLoより低くなる。その結果、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係は、範囲Cに入る。この場合、故障判定部241は、第2出力系は正常であるが、第1出力系は故障していると判定できる。
そして範囲Dは、範囲A、B、C以外の範囲として設定される。第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、範囲Dに入ったときは、、第1の電圧V1と第2の電圧V2の双方が異常である状態である。よってこの場合、故障判定部241は、第1出力系と第2出力系の何れが故障であるかは判定できない。このとき故障判定部241は、例えば、エラー信号Erを制御部230に対して出力し(図10参照)、制御部230では、アシストを停止する。また制御部230は、アシストを停止する代わりに他の制御手段によりECU10を動作させてもよい。
選択部242は、選択手段の一例であり、第1の電圧V1と第2の電圧V2の何れかを選択する機能を有する。また選択部242は、故障と判定された場合に第1の電圧V1と第2の電圧V2を処理して出力する出力部の一例である。
第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Aに入り、その結果、故障判定部241が、第1出力系と第2出力系とはともに正常であると判定したとき、選択部242は、第1の電圧V1を選択し、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する。
また第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Bに入り、その結果、故障判定部241が、第1出力系は正常であるが、第2出力系は故障していると判定したとき、選択部242は、第1の電圧V1を選択し、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する。
さらに第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Cに入り、その結果、故障判定部241が、第2出力系は正常であるが、第1出力系は故障していると判定したとき、選択部242は、第2の電圧V2を選択し、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する。ただし、第2の電圧V2は、第1の電圧V1とは、負の相関関係にあるため、第1の電圧V1と同様のものにするため−1を乗算した後、出力する。
このように本実施形態では、故障検出部240は、第1出力系または第2出力系の何れかが故障していることを検出した場合に、第1出力系が故障したときは第2の電圧V2を選択し、第2出力系が故障したときは第1の電圧V1を選択し、変換部210に出力する。
変換部210では、トルク検出電圧VT1から操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。
トルク検出電圧VT1から操舵トルクTを算出する手法としては以下を例示することができる。すなわち、トルク検出電圧VT1と操舵トルクTとの関係を示すマップをROMに記憶しておき、変換部210は、このマップに、トルク検出電圧VT1を代入することにより操舵トルクTを算出する。あるいは、トルク検出電圧VT1と操舵トルクTとの関係を示す関数を組み込んでおき、変換部210は、この関数にトルク検出電圧VT1を代入して操舵トルクTを算出してもよい。
また故障検出部240は、第1出力系が故障したときは第2の電圧V2を小さくし、第2出力系が故障したときは第1の電圧V1を小さくするようにしてもよい。この割合は、例えば1/2とすることができる。これは、例えば、第1の増幅回路45や、第2の増幅回路46のゲインを1/2にすることで実現できる。これにより変換部210に出力されるトルク検出電圧VT1は、1/2となる。その結果、ステアリング装置100が付与するアシスト力が1/2となる。そしてドライバは、ステアリングホイールの操作が重くなったのを感じることで、トルク検出装置20に故障が生じたことを知ることができる。
また第1の増幅回路45や第2の増幅回路46のゲインは、可変としてもよい。この場合、ゲインを、例えば、車速Vcやステアリングホイールの操舵角に応じて変更できる。
次に故障検出部240の動作について説明を行う。
図12は、故障検出部240の動作について説明したフローチャートである。
まず故障検出部240の故障判定部241が、第1の電圧V1を読み込む(ステップ101)。さらに故障判定部241が、第2の電圧V2を読み込む(ステップ102)。
次に故障判定部241が第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、図11に示した範囲Aに入るか否かを判定する(ステップ103)。
そして範囲Aに入っていた場合(ステップ103でYes)、故障判定部241は、第1出力系と第2出力系とはともに正常であると判定する(ステップ104)。さらに選択部242は、第1の電圧V1を選択し、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する(ステップ105)。
一方、範囲Aに入っていなかった場合(ステップ103でNo)、故障判定部241は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、図11に示した範囲Bに入るか否かを判定する(ステップ106)。
そして範囲Bに入っていた場合(ステップ106でYes)、故障判定部241は、第1出力系は正常であるが、第2出力系は故障していると判定する(ステップ107)。さらに選択部242は、第1の電圧V1を選択し、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する(ステップ108)。
一方、範囲Bに入っていなかった場合(ステップ106でNo)、故障判定部241は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、図11に示した範囲Cに入るか否かを判定する(ステップ109)。
そして範囲Cに入っていた場合(ステップ109でYes)、故障判定部241は、第2出力系は正常であるが、第1出力系は故障していると判定する(ステップ110)。さらに選択部242は、第2の電圧V2を選択する。そして第2の電圧V2に−1を乗算し(ステップ111)、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する(ステップ112)。
一方、範囲Cに入っていなかった場合(ステップ109でNo)、故障判定部241は、第1出力系および第2出力系の何れが故障しているかの判定は行わない(ステップ113)。そして故障判定部241は、エラー信号Erを制御部230に対して出力する(ステップ114)。
次に、他の実施形態について説明を行なう。
図13は、他の実施形態における制御基板12の概略構成を示す図である。
図13に示した制御基板12は、図7に示した制御基板12に対し、故障検出部240の構成が相違し、他の構成は同様である。よって以下、故障検出部240について説明を行い、故障検出部240以外の説明は省略する。
図13に示すように本実施形態における故障検出部240は、故障の判定を行う故障判定部241と、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅する差動増幅部243とを備える。
故障判定部241は、図11に示した範囲A、B、C、Dを定め、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、何れの範囲に入るか否かを判定する。そして第1出力系および第2出力系の何れが故障であるかを特定して検出する。
このとき第1の電圧V1と第2の電圧V2とがともに正常である範囲Aに入った場合、故障判定部241は、第1出力系と第2出力系とはともに正常であると判定する。そして第1の電圧V1と第2の電圧V2とをそのまま次の差動増幅部243に出力する。
また第1の電圧V1は正常であるが、第2の電圧V2が異常である範囲Bに入った場合、故障判定部241は、第1出力系は正常であるが、第2出力系は故障していると判定する。そして第1の電圧V1はそのまま次の差動増幅部243に出力するが、第2の電圧V2を0にして差動増幅部243に出力する。
さらに第2の電圧V2は正常であるが、第1の電圧V1が異常である範囲Cに入った場合、故障判定部241は、第2出力系は正常であるが、第1出力系は故障していると判定する。そして第2の電圧V2はそのまま次の差動増幅部243に出力するが、第1の電圧V1を0にして差動増幅部243に出力する。
また第1の電圧V1と第2の電圧V2の双方が異常である範囲Dに入った場合、故障判定部241は、第1出力系および第2出力系の何れが故障しているかの判定は行わない。そして例えば、エラー信号Erを制御部230に対して出力する。
差動増幅部243は、差動増幅手段の一例であり、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅し、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する。また差動増幅部243は、出力部の一例である。
ここで第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Aに入ったとき、第1の電圧V1および第2の電圧V2がそのまま差動増幅部243に入力する。そして第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅すると、VT1=V1−V2≒2×V1となり、トルク検出電圧VT1は、第1の電圧V1のほぼ2倍となる。
また第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Bに入ったとき、第1の電圧V1はそのまま差動増幅部243に入力するが、第2の電圧V2は0となって差動増幅部243に入力する。その結果、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅した場合、VT1=V1−0=V1となり、トルク検出電圧VT1は、第1の電圧V1と同じとなる。
さらに第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Cに入ったとき、第2の電圧V2はそのまま差動増幅部243に入力するが、第1の電圧V1は0となって差動増幅部243に入力する。その結果、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅した場合、VT1=0−V2≒V1となり、トルク検出電圧VT1は、第2の電圧V2に−1を乗算したものと同じとなる。つまりトルク検出電圧VT1は、第1の電圧V1とほぼ同じとなる。これは、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が範囲Bに入ったときの結果とほぼ同じである
このように本実施形態では、故障検出部240は、第1出力系または第2出力系の何れかが故障していることを検出した場合に、第1出力系が故障したときは第1の電圧V1を0とし、第2出力系が故障したときは第2の電圧V2を0として差動増幅する。これにより第1出力系または第2出力系が故障したときには、変換部210に出力されるトルク検出電圧VT1は、双方が正常な場合に比較して、1/2となる。その結果、ステアリング装置100が付与するアシスト力が正常時の半分となる。そしてドライバは、ステアリングホイールの操作が重くなったのを感じることで、トルク検出装置20に故障が生じたことを知ることができる。
次に故障検出部240の動作について説明を行う。
図14は、他の実施形態における故障検出部240の動作について説明したフローチャートである。
まず故障検出部240の故障判定部241が、第1の電圧V1を読み込む(ステップ201)。さらに故障判定部241が、第2の電圧V2を読み込む(ステップ202)。
次に故障判定部241が第1の電圧V1と第の2電圧V2との関係が、図11に示した範囲Aに入るか否かを判定する(ステップ203)。
そして範囲Aに入っていた場合(ステップ203でYes)、故障判定部241は、第1出力系と第2出力系とはともに正常であると判定する(ステップ204)。そして故障判定部241は、第1の電圧V1および第2の電圧V2をそのまま差動増幅部243に出力し、差動増幅部243は、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅して、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する(ステップ205)。
一方、範囲Aに入っていなかった場合(ステップ203でNo)、故障判定部241は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、図11に示した範囲Bに入るか否かを判定する(ステップ206)。
そして範囲Bに入っていた場合(ステップ206でYes)、故障判定部241は、第1出力系は正常であるが、第2出力系は故障していると判定する(ステップ207)。そして故障判定部241は、第2の電圧V2を0として差動増幅部243に出力する(ステップ208)。差動増幅部243は、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅して、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する(ステップ205)。
一方、範囲Bに入っていなかった場合(ステップ206でNo)、故障判定部241は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との関係が、図11に示した範囲Cに入るか否かを判定する(ステップ209)。
そして範囲Cに入っていた場合(ステップ209でYes)、故障判定部241は、第2出力系は正常であるが、第1出力系は故障していると判定する(ステップ210)。そして故障判定部241は、第1の電圧V1を0として差動増幅部243に出力する(ステップ211)。差動増幅部243は、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを差動増幅して、トルク検出電圧VT1として変換部210に出力する(ステップ205)。
一方、範囲Cに入っていなかった場合(ステップ209でNo)、故障判定部241は、第1出力系および第2出力系の何れが故障しているかの判定は行わない(ステップ212)。そして故障判定部241は、エラー信号Erを制御部230に対して出力する(ステップ213)。
上述した例によれば、第1出力系および第2出力系の一方が故障したときに、何れが故障しているかが特定できる。そして第1の電圧V1および第2の電圧V2のうち故障していない方を使用することで、ECU10の動作を継続することができる。その結果、緊急時のアシストを継続でき、また、ドライバは容易に故障を認知することもできる。
10…ECU、20…トルク検出装置、50…センサユニット、240…故障検出部、241…故障判定部、242…選択部、243…差動増幅部、100…電動パワーステアリング装置

Claims (6)

  1. 回転軸の捩れ量に応じた値である第1出力値を出力する第1の出力手段と、
    前記回転軸の捩れ量に応じた値であって、前記第1出力値に対し負の相関関係となる第2出力値を出力する第2の出力手段と、
    前記第1出力値と前記第2出力値との関係が予め定められた所定範囲内となったときに、前記第1の出力手段および前記第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して検出する故障検出手段と、
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記故障検出手段は、前記第1の出力手段または前記第2の出力手段の何れかが故障していることを検出した場合に、当該第1の出力手段が故障したときは前記第2出力値を選択し、当該第2の出力手段が故障したときは前記第1出力値を選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記故障検出手段は、前記第1の出力手段が故障したときは前記第2出力値を小さくし、前記第2の出力手段が故障したときは前記第1出力値を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記故障検出手段は、前記第1の出力手段または前記第2の出力手段の何れかが故障していることを検出した場合に、当該第1の出力手段が故障したときは前記第1出力値を0とし、当該第2の出力手段が故障したときは前記第2出力値を0として、当該第1出力値と当該第2出力値とを差動増幅する差動増幅手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記範囲は、前記第1の出力手段および前記第2の出力手段のそれぞれが正常または故障であるかを表す4種類の範囲を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 回転軸の捩れ量に応じた値である第1出力値と当該回転軸の捩れ量に応じた値であって当該第1出力値に対し負の相関関係となる第2出力値との関係が予め定められた所定範囲内となったときに、当該範囲を基に当該第1出力値を出力する第1の出力手段および当該第2出力値を出力する第2の出力手段の何れが故障であるかを特定して判定する故障判定部と、
    故障と判定された場合に前記第1出力値と前記第2出力値を処理して出力する出力部と、
    を備えることを特徴とする故障検出装置。
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