JP2020137222A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸の回転角の検出精度を向上させたモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置100は、モータMTの回転軸の回転位置を検出する複数の回転位置センサ10と、複数の回転位置センサの性能を所定の評価方法で評価し、その評価に基づき複数の回転位置センサの中からモータ制御に用いる制御用回転位置センサを設定するセンサ設定部22と、を備える。また、センサ設定部は、回転軸が所定の基準位置で停止する複数の駆動モードでモータに通電し、駆動モードごとに取得する、回転位置センサの出力に基づく検出位置と基準位置とを用いて所定の評価方法で前記回転位置センサの性能を評価する。【選択図】図4

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来から、モータを制御するに当たり重要な情報となるモータ回転軸の回転角を検出する技術が知られている。例えば、特許文献1は、部品点数を削減して構成を簡単にするとともに、摩耗による寿命の低下を回避し得る角度センサを開示する。この角度センサは、検出対象と連動して軸中心に回転する検出軸と、該検出軸の回転角を2重で検出する検出手段が配設された基板とを具備する。そして、この角度センサは、検出軸における基板と対向した表面に異なる極(S極及びN極)を有する磁石が形成されるとともに、検出手段を基板の表面及び裏面のそれぞれに設けられた一対の磁気抵抗素子を設け、これら磁気抵抗素子が磁石の磁力線に基づいた出力電圧を生じることにより、検出軸の回転角を検出する。
また、特許文献2は、2系統の回転角センサの一方の故障が検出された場合でも、残りの1系統の回転角センサを適正に監視しつつ、その回転角センサを使って操舵アシストを継続できるようにする車両の電動パワーステアリング装置を開示する。この電動パワーステアリング装置は、2系統目故障検出部は、操舵トルクの大きさが故障判定値以上と判定されている継続時間が設定時間以上となる場合、および、操舵トルクの変動周波数が故障判定周波数範囲に入っている場合に、残り1系統の回転角センサに故障が発生していると判定する。
特開2004−061146号公報 特開2016−113031号公報
しかし、回転軸の回転角度は、回転軸に対する角度センサのわずかな取付位置の違いによっても異なって検出されるため、モータに角度センサを複数取り付ける場合には、検出性能に違いが生じる。
本発明は、かかる事情を鑑みて考案されたものであり、回転軸の回転角の検出精度を向上させたモータ制御装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、モータの回転軸の回転位置を検出する複数の回転位置センサと、複数の回転位置センサの性能を所定の評価方法で評価し、その評価に基づき複数の回転位置センサの中からモータ制御に用いる制御用回転位置センサを設定するセンサ設定部と、を備えるモータ制御装置が提供される。
これによれば、複数の回転位置センサの評価を行い、その評価に基づきモータ制御用の回転位置センサを選択し設定することで、回転位置センサの取付位置の誤差の有無にかかわらず回転軸の回転角の検出精度を向上させたモータ制御装置を提供することができる。
さらに、センサ設定部は、評価に基づき複数の回転位置センサの中から故障診断に用いる診断用回転位置センサをさらに設定することを特徴としてもよい。
これによれば、他の回転位置センサを異常検出用として使用することで、複数の回転位置センサを有効利用し、冗長性を備えることができる。
さらに、センサ設定部は、回転軸が所定の基準位置で停止する複数の駆動モードでモータに通電し、駆動モードごとに取得する、回転位置センサの出力に基づく検出位置と基準位置とを用いて所定の評価方法で回転位置センサの性能を評価することを特徴としてもよい。
これによれば、複数の駆動モードごとの検出位置と基準位置とを用いて回転位置センサの性能を評価することで、回転軸の回転角の検出精度を向上させることができる。
さらに、モータは三相ブラシレスモータであって、センサ設定部は、二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードあるいは三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードの少なくともいずれかの駆動モードを用いることを特徴としてもよい。
これによれば、二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合または三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合には比較的粗目の基準位置と検出位置で性能を評価することで比較的迅速な性能評価が行えることができる。また、二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードおよび三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合には比較的細目の基準位置と検出位置で性能を評価することで性能の良い回転位置センサを見つけ易くなり比較的検出精度の高い性能評価を行えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、回転軸の回転角の検出精度を向上させたモータ制御装置を提供することができる。
本発明に係る第一実施例のモータ制御装置のブロック構成図。 本発明に係る第一実施例のモータの回転軸断面における断面図。 本発明に係る第一実施例のモータの、(A)回転軸と垂直な断面における断面図、(B)電流の向きにより生成される磁極を説明するための同断面図。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置の制御部のブロック構成図。 本発明に係る第一実施例のモータにおける、二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードを示すための説明図。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置における、二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードにおける電流の流れを示す説明図。 本発明に係る第一実施例のモータにおける、二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合の電気角を示すための説明図。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置における、三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードを示すための説明図。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置における、三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードにおける電流の流れを示す説明図。 本発明に係る第一実施例のモータにおける、二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードおよび三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合の電気角を示すための説明図。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置における制御フローを示すフローチャート。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置におけるセンサ設定処理フローを示すフローチャート。 本発明に係る第一実施例のモータ制御装置におけるモータ制御処理フローを示すフローチャート。
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る実施例について説明する。
<第一実施例>
図1乃至図13を参照し、本実施例におけるモータ制御装置100を説明する。モータ制御装置100は、車両に搭載される電動パワーステアリングに使用される三相の電動モータMTを制御するための電動パワーステアリング制御装置である。電動モータMTは、三相ブラシレスモータである。モータ制御装置100は、電動モータMTのロータRTの回転軸SHに設けられたマグネットMGから得られるロータRTの回転位置を取得する回転位置センサ10(磁気センサ群10)と、回転位置センサ10からの検出信号、車両のステアリングのトルク信号と操舵角信号、車両の車速信号を取得し、電動モータMTの回転を制御する制御部20と、制御部20の制御信号からPWM信号を生成するプリドライバ30と、PWM信号により三相の電動モータMTを駆動するブリッジ回路40と、を備える。モータ制御装置100は、電動モータMTと一体化されている。なお、一体化されていなくとも良い。
ブリッジ回路40は、電源ラインLhを経由してバッテリの正極側に接続され、グランドラインLlを経由してバッテリの負極側に接続(接地)される。ブリッジ回路40の各相回路Cu/Cv/Cwは、電源ラインLh側に設けられる高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5と、グランドラインLl側に設けられる低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6と、を直列に有する。本実施例では、これらのスイッチング素子は、MOSFETすなわち金属酸化膜半導体電界効果トランジスタが用いられる。
高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5は、ドレインが電源ラインLhに接続されている。また、高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5のソースは、低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6のドレインに接続されている。低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6のソースは、グランドラインLlに接続されている。高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5および低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6は、プリドライバ30で生成されたPWM信号がゲートに入力され、ソース−ドレイン間がオン/オフされる。高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5と低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6の接続点は、それぞれ、電動モータMTのU相/V相/W相の各コイルに接続されている。
制御部20は、回転位置センサ10が出力したロータRTの回転位置(回転角)を示す信号、他のセンサやECU(Electric Control Unit、図示せず)から得られるステアリングの操舵トルク値や操舵角を示す信号、車両の車速を示す信号を入力として受け取る。制御部20は、その車速の時の運転者がステアリングに与える操舵トルク値や操舵角、回転位置センサ10により検出された電動モータMTの回転位置(回転角)などに基づき、電動モータMTがステアリングに付与すべき補助力に対応した相毎の指令電圧を制御信号として算出し、プリドライバ30に出力する。なお、制御部20は、CPUとメモリを備えるマイクロコンピュータにより構成される。
プリドライバ30は、制御部20が出力した各相の指令電圧に基づいてデューティ値を生成する。そして、プリドライバ30は、このデューティ値に基づいて、電動モータMTを回転駆動させるPWM信号を生成し、高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5および低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6に出力する。このPWM信号は、それぞれ、高電位側スイッチング素子Q1/Q3/Q5および低電位側スイッチング素子Q2/Q4/Q6のゲートに入力されて、ブリッジ回路40は、直流電源としてのバッテリの電力をPWM制御によって変換し、電動モータMTへ供給する。
図2および図3に示すように、電動モータMTは、回転軸SHと、回転軸SHに固定され磁性を帯びて1対の磁極を有するロータRTと、ロータRTの周囲に等間隔(120度間隔)で設けられ、多相コイルが巻かれたステータSTと、ステータSTを内壁に備えるケースCSと、回転軸SHの先端に取り付けられた1対の磁極を有するマグネットMGと、回転軸SHの回転位置(回転角度)を検出する回転位置センサ10とを備える。ステータSTに巻かれた多相コイルは、U相に対応するU相コイルと、V相に対応するV相コイルと、W相に対応するW相コイルとを有し、三相を有する。電動モータMTの回転軸SHは、機械角360度に対して電気角も360度を有する。
回転位置センサ10は、電動モータMTのロータRTの回転軸SHに設けられたマグネットMGの磁極方向の変化に基づきロータRTの回転位置(回転角)を取得し、制御部20に出力する。回転位置センサ10は、マグネットMGに対向するように配置されるセンサ用基板PLと、センサ用基板PLのマグネットMGと対面する第1面に実装される第1磁気センサ11および第3磁気センサ13と、第1面の裏側である第2面に実装される第2磁気センサ12とを備える。第1磁気センサ11と第3磁気センサ13は、マグネットMGと等距離にある位置に磁場の影響を受ける好適な距離を隔てて設けられる。また、第2磁気センサ12は、センサ用基板PLを挟んでマグネットMGと対応する位置に設けられる。
マグネットMGは、本実施例ではたとえば円柱形を有し、半円柱の一方がN極、他方がS極となるように着磁されている。第1磁気センサ11、第2磁気センサ12および第3磁気センサ13はセンサ用基板PLに固定され、マグネットMGは回転軸SHの先端に固定されているので、電動モータMTが稼働し回転軸SHが回転すると、マグネットMGの磁場は第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13に対して回転し、磁束の密度や方向において変化を生じさせる。第1磁気センサ11、第2磁気センサ12および第3磁気センサ13は、これらの変化に基づいて、ロータRTの回転位置を検出する。なお、第1磁気センサ11、第2磁気センサ12および第3磁気センサ13は、マグネットMGの磁束方向の変化を検出する磁気抵抗(Magnetic Resistance)センサがホイートストンブリッジで組み合わされて構成されるものが好ましく、Sin波状に変化する信号とCos波状に変化する信号を出力する。
図3(B)は、制御部20がV相とW相の2つの相のコイルのみに通電した例を示す。本例では、制御部20は、V相からW相に電流を流すように制御している。すなわち、制御部20は、相回路Cvの高電位側スイッチング素子Q3をオン、相回路Cwの低電位側スイッチング素子Q6をオン、他のスイッチング素子はオフにし、電流が、V相コイルではバッテリから来てW相コイルに向かい、W相コイルではV相コイルから来てグランドに向かうように流れるように制御する。制御部20がこのように制御している状態では、V相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側はS極、W相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側はN極となる。そのため、ロータRTは、V相コイルとW相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をV相コイル側へ、S極に着磁された側をW相コイル側へ向けた状態で停止する。
モータ制御装置100は、たとえばこの状態の電気角をゼロ度とし、順次各相に所定の電流を流すことによりその時の電気角をそれぞれ回転位置センサ10(複数の磁気センサ)で検出し、これらの検出された電気角と対応する理想の電気角との誤差を評価することにより、磁気センサのそれぞれの取付位置による性能への影響が少ないすなわち理想の電気角に近い電気角を検出する磁気センサを選択して制御用の回転位置センサとして使用するものである。
図4を参照して、制御部20を詳細に説明する。制御部20は、電動モータMTの回転を制御するモータ制御部21と、回転位置センサ10(磁気センサ群10)からロータRTの回転位置についての検出信号を受信し記憶する測定データ記憶部23と、回転位置センサ10の評価を行い制御用の回転位置センサ10を選択し設定するセンサ設定部22とを備える。モータ制御部21は、回転位置センサ10からの検出信号、車両のステアリングのトルク信号と操舵角信号、車両の車速信号を取得し、電動モータMTの回転を制御するためのモータ制御信号をプリドライバ30に出力する。モータ制御部21が出力するモータ制御信号は、電動モータMTがステアリングに付与すべき補助力に対応した相毎の指令電圧である。モータ制御部21は、主に、ステアリングを駆動する際に電動モータMTを制御するものである。
また、モータ制御部21は、ステアリングを駆動するために電動モータMTを制御する以外に、以下も行う。モータ制御部21は、モータ制御装置100の外部から初期設定信号を受信すると、回転位置センサ10すなわち第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13の中から制御用の磁気センサを選択し設定を行うため、センサ設定部22に対して制御を行う。初期設定信号は、制御用磁気センサの設定を行うための専用の信号以外に、モータ制御部21に電源が印加されたことをトリガーとした信号であってもよい。モータ制御部21は、制御用の磁気センサの設定が済みでなければ、センサ設定の処理を開始し、センサ設定部22に対して設定部制御信号を出力し以下の制御を開始させる。
センサ設定部22は、複数の回転位置センサ10の性能を所定の評価方法で評価し、その評価に基づき複数の回転位置センサ10の中からステアリングを駆動する際のモータ制御に用いる制御用回転位置センサを設定する。図5乃至図10を参照し、センサ設定部22の評価・選択方法について説明する。センサ設定部22は、以下に述べるモード駆動信号をプリドライバ30に送信し、電動モータMTを制御する。
図5乃至図7は、二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードを示す。センサ設定部22は、この場合、相回路Cu/Cv/Cwの内いずれかの相回路の高電位側スイッチング素子をオン、他のいずれかの相回路の低電位側スイッチング素子をオンにする矩形波のモード駆動信号を出力する。この矩形波がオンの間、電動モータMTのU相コイル/V相コイル/W相コイルのいずれか2つの相コイルに電流が流れ、形成される磁場により磁性を帯びたロータRTの回転角が一定に維持される。
図6は、この場合のブロック内を流れる電流を説明するための図である。本図は、センサ設定部22が相回路Cwの高電位側スイッチング素子Q5と相回路Cvの低電位側スイッチング素子Q4をオンする矩形波を出力した例である。電流(点線矢印で示される)は、バッテリの正極から、高電位側の電源ラインLhを通って相回路Cwの高電位側スイッチング素子Q5、電動モータMTのW相コイル、電動モータMTのV相コイル、相回路Cvの低電位側スイッチング素子Q4、グランドラインLlを通ってグランドへと流れる。
図7(a)は、この状態を示すものとする。この状態は、V相コイルのロータRT側にS極、W相コイルのロータRT側にN極が形成されるので、ロータRTのN極はV相コイル側(図示右側)に、ロータRTのS極はW相コイル側(図示左側)に向くように維持された状態である。このようにロータRTの両極の中心線が概ね図示垂直となるように維持された状態を、電気角ゼロ度(または360度)であるとする。
測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、回転位置センサ10である第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13のそれぞれから検出した回転角(θ1a、θ2a、θ3a)を示す信号を取得し記憶する。測定データ記憶部23は、マイクロコンピュータである制御部20内に設けられたメモリ領域であってもよいし、独立したメモリであってもよい。
センサ設定部22は、電気角ゼロ度における各磁気センサが検出したロータRTの回転角が測定データ記憶部23に格納されると、図7(b)に示すように、V相コイルの通電を維持しつつW相コイルへの通電を停止し、U相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がN極となるように矩形波を出力する。そのため、ロータRTは、V相コイルとU相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をV相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(a)に示した状態から時計回りに60度回転した状態であり、電気角60度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13のそれぞれから検出した回転角(θ1b、θ2b、θ3b)を示す信号を取得し記憶する。
続いて、センサ設定部22は、同様に、図7(c)に示すように、U相コイルの通電を維持しつつV相コイルへの通電を停止し、W相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がS極となるように矩形波を出力する。これにより、ロータRTは、本図に示すように、N極に着磁された側をW相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(b)に示した状態から時計回りに60度回転した状態であり、電気角120度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、各磁気センサから検出した回転角(θ1c、θ2c、θ3c)を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、図7(d)に示すように、W相コイルの通電を維持しつつU相コイルへの通電を停止し、V相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がN極となるように矩形波を出力する。これにより、ロータRTは、本図に示すように、N極に着磁された側をW相コイル側へ、S極に着磁された側をV相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(c)に示した状態から時計回りに60度回転した状態であり、電気角180度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、各磁気センサから検出した回転角(θ1d、θ2d、θ3d)を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、図7(e)に示すように、V相コイルの通電を維持しつつW相コイルへの通電を停止し、U相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がS極となるように矩形波を出力する。これにより、ロータRTは、本図に示すように、N極に着磁された側をU相コイル側へ、S極に着磁された側をV相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(d)に示した状態から時計回りに60度回転した状態であり、電気角240度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、各磁気センサから検出した回転角(θ1e、θ2e、θ3e)を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、図7(f)に示すように、U相コイルの通電を維持しつつV相コイルへの通電を停止し、W相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がN極となるように矩形波を出力する。これにより、ロータRTは、本図に示すように、N極に着磁された側をU相コイル側へ、S極に着磁された側をW相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(e)に示した状態から時計回りに60度回転した状態であり、電気角300度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、各磁気センサから検出した回転角(θ1f、θ2f、θ3f)を示す信号を取得し記憶する。
図7(a)〜(f)で示したように電気角を1回転させて各磁気センサがロータRTの回転角を検出すると、測定データ記憶部23には、表1に示すような測定データ(第1磁気センサの検出角、第2磁気センサの検出角、第3磁気センサの検出角)が記憶される。すなわち、測定データ記憶部23は、各駆動モードにおける各磁気センサが検出した回転角を記憶する。測定データ記憶部23が記憶するこれらの測定値は、各磁気センサが出力したSin値とCos値すなわち生データ、またはこれらから算出されるArctan値すなわち検出角度であってもよい。
このように、センサ設定部22は、回転軸SHが所定の基準位置いわゆる理想の電気角で停止する複数の駆動モードで電動モータMTに通電し、駆動モードごとに検出した回転軸SHの回転角を取得する。そして、センサ設定部22は、回転位置センサ10の出力に基づく検出位置と基準位置とを用いて後述する評価方法で回転位置センサ10の性能を評価する。これにより、磁気センサのそれぞれの取付位置の影響が小さい磁気センサを選択できるため、回転軸SHの回転角の検出精度を向上させることができる。
また、センサ設定部22は、図8乃至図10に示すように、三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードで、または、二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードに併せて三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードで各磁気センサに回転角を検出させてもよい。センサ設定部22は、三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードの場合、図8に示すように、相回路Cu/Cv/Cwの内いずれかの相回路の高電位側スイッチング素子をオン、他の2つの相回路の低電位側スイッチング素子をオンにする矩形波のモード駆動信号を出力する。この矩形波がオンの間、電動モータMTのU相コイル/V相コイル/W相コイルのそれぞれに電流が流れ、形成される磁場により磁性を帯びたロータRTの回転角が一定に維持される。
図9は、この場合のブロック内を流れる電流を説明するための図である。本図は、センサ設定部22が相回路Cwの高電位側スイッチング素子Q5と相回路Cu/Cvの低電位側スイッチング素子Q2/Q4をオンする矩形波を出力した例である。電流(点線矢印で示される)は、バッテリの正極から、高電位側の電源ラインLhを通って相回路Cwの高電位側スイッチング素子Q5、電動モータMTのW相コイル、電動モータMTのU相コイルおよびV相コイル、相回路Cuの低電位側スイッチング素子Q2および相回路Cvの低電位側スイッチング素子Q4、グランドラインLlを通ってグランドへと流れる。
図10は、センサ設定部22が二相のコイルのみに矩形波で電圧を印加する駆動モードと三相のコイルに矩形波で電圧を印加する駆動モードを両方使用する例を示す。図10(a)は、V相コイルのロータRT側にS極、W相コイルのロータRT側にN極が形成され、ロータRTのN極はV相コイル側(図示右側)に、ロータRTのS極はW相コイル側(図示左側)に向くように維持された状態(電気角ゼロ度または360度)である。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13のそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。
センサ設定部22は、電気角ゼロ度における各磁気センサが検出したロータRTの回転角が測定データ記憶部23に格納されると、図10(b)に示すように、V相コイル/W相コイルの通電を維持したまま、U相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がN極となるように矩形波を出力する。そのため、ロータRTは、U相コイル/V相コイル/W相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をV相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル/W相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(a)に示した状態から時計回りに30度回転した状態であり、電気角30度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、磁気センサのそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、電気角30度における各磁気センサが検出したロータRTの回転角が測定データ記憶部23に格納されると、図10(c)に示すように、V相コイル/U相コイルの通電を維持したまま、W相コイルの通電をしないように矩形波を出力する。そのため、ロータRTは、U相コイルとV相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をV相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(b)に示した状態から時計回りに30度回転した状態であり、電気角60度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、磁気センサのそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、図10(d)に示すように、V相コイル/U相コイルの通電を維持したまま、W相コイルが巻かれたステータSTのロータRT側がS極となるように矩形波を出力する。そのため、ロータRTは、U相コイル/V相コイル/W相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をV相コイル/W相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(c)に示した状態から時計回りに30度回転した状態であり、電気角90度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、磁気センサのそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、図10(e)に示すように、U相コイル/W相コイルの通電を維持したまま、V相コイルの通電をしないように矩形波を出力する。そのため、ロータRTは、U相コイルとW相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をW相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(d)に示した状態から時計回りに30度回転した状態であり、電気角120度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、磁気センサのそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。
同様に、センサ設定部22は、図10(f)に示すように、U相コイル/W相コイルの通電を維持したまま、V相コイル巻かれたステータSTのロータRT側がN極となるように矩形波を出力する。そのため、ロータRTは、U相コイル/V相コイル/W相コイルが形成する磁場によって、本図に示すように、N極に着磁された側をW相コイル側へ、S極に着磁された側をU相コイル/V相コイル側へ向けた状態で停止する。この状態は、ロータRTが本図(e)に示した状態から時計回りに30度回転した状態であり、電気角150度であるとする。測定データ記憶部23は、矩形波がオンである間に、磁気センサのそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。
この後、センサ設定部22は、電気角が330度になるまで同様の制御を繰り返し、測定データ記憶部23は、磁気センサのそれぞれから検出した回転角を示す信号を取得し記憶する。このように、センサ設定部22は、二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードあるいは三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードの少なくともいずれかの駆動モードを用いることが好ましい。二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合または三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合には比較的粗目(60度毎)の基準位置と検出位置で性能を評価することで比較的迅速な性能評価が行えることができる。また、二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードと三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードを用いる場合には比較的細目(30度毎)の基準位置と検出位置で性能を評価することで理想の電気角に近い磁気センサを見つけ易くなり比較的検出精度の高い性能評価を行えることができる。
センサ設定部22は、測定データ記憶部23に記憶された各磁気センサが検出した回転角に基づき、それぞれの磁気センサの性能を評価する。センサ設定部22の評価方法を表1のデータを例に説明する。センサ設定部22は、測定データ記憶部23から、第1磁気センサ11、第2磁気センサ12および第3磁気センサ13が各駆動モードで検出した測定データを読み出す。すなわち、センサ設定部22は、第1磁気センサ11が各駆動モードで検出した回転角θ1a〜θ1f、第2磁気センサ12が各駆動モードで検出した回転角θ2a〜θ2f、第3磁気センサ13が各駆動モードで検出した回転角θ3a〜θ3fを読み出す。
これらの検出回転角は、それぞれが120度ずつ間隔を空けて配置された磁気センサが1周(360度)を6分割して検出しているのは、理想的には、駆動モードaを電気角ゼロ度とすると、(1)式のようになるはずである。
(θ1a、θ1b、θ1c、θ1d、θ1e、θ1f)=
(0、60、120、180、240、300) ・・・(1)式
しかし、実際の検出した回転角には、各磁気センサの取付位置の誤差、センサ固有の検出精度誤差や測定誤差により、理想的な電気角とはある程度の誤差が生じてしまう。それぞれの検出回転角と理想的な電気角との誤差Δは、次のように表すことができる。
Δθ1a=θ1a−0 Δθ2a=θ2a−0 Δθ3a=θ3a−0
Δθ1b=θ1b−60 Δθ2b=θ2b−60 Δθ3b=θ3b−60
Δθ1c=θ1c−120 Δθ2c=θ2c−120 Δθ3c=θ3c−120
Δθ1d=θ1d−180 Δθ2d=θ2d−180 Δθ3d=θ3d−180
Δθ1e=θ1e−240 Δθ2e=θ2e−240 Δθ3e=θ3e−240
Δθ1f=θ1f−300 Δθ2f=θ2f−300 Δθ3f=θ3f−300
センサ設定部22は、たとえば、これらの各磁気センサにおける誤差の最大値が磁気センサ間において最小となる磁気センサを最も性能の良い磁気センサとして評価する。すなわち、最も良い性能を有する磁気センサは、(2)式に基づいて評価され、選定される。
Min(Max(|Δθ1a|〜|Δθ1f|)、Max(|Δθ2a|〜|Δθ2f|)、Max(|Δθ3a|〜|Δθ3f|)) ・・・(2)式
なお、センサ設定部22は、それぞれの磁気センサが各駆動モードで検出した回転角を補正する情報を生成してもよい。たとえば、センサ設定部22は、理想的な電気角をすべての検出回転角に対して一定の補正値を適用することで全体の誤差が小さくなる場合には、かかる補正情報を生成する。
また、センサ設定部22は、たとえば、各磁気センサにおける誤差の変動が少ないものを最も性能の良い磁気センサとして評価してもよい。すなわち、最も良い性能を有する磁気センサは、(3)式に基づいて評価され、選定される。
Min(Max(|Δθ1a|〜|Δθ1f|)−Min(|Δθ1a|〜|Δθ1f|)、
Max(|Δθ2a|〜|Δθ2f|)−Min(|Δθ2a|〜|Δθ2f|)、
Max(|Δθ3a|〜|Δθ3f|)−Min(|Δθ3a|〜|Δθ3f|))
・・・(3)式
センサ設定部22は、上述した方法で複数の磁気センサの性能を評価し、その評価に基づき複数の磁気センサの中から最も性能の良い磁気センサを選択し、モータ制御に用いる制御用回転位置センサとして用いるために設定する。このように、複数の回転位置センサの評価を行い、その評価に基づきモータ制御用の回転位置センサを選択し設定することで、回転位置センサの取付位置の誤差の有無にかかわらず最も性能の良い磁気センサを使用して回転軸SHの回転角を検出することができるため、その回転角の検出精度を向上させたモータ制御装置100を提供することができる。
また、センサ設定部22は、選択された制御用の磁気センサ以外の磁気センサを故障診断に用いる診断用回転位置センサとして使用するために設定してもよい。たとえば、センサ設定部22が第1磁気センサ11を制御用回転位置センサとして選択した場合、残った第2磁気センサ12と第3磁気センサ13を冗長化された磁気センサとして故障診断に用いてもよい。このように、複数の磁気センサから制御用として選択された磁気センサ以外の他の磁気センサを異常検出用として使用することで、複数の回転位置センサを有効利用し、冗長性を備えることができる。
センサ設定部22は、上述した評価方法で評価し、複数の回転位置センサ10(第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13)の中からステアリングを駆動する際の電動モータMTの制御に用いる制御用磁気センサを設定する。モータ制御部21は、センサ設定部22から設定された制御用磁気センサの評価結果についての情報を取得し、その情報に基づいて電動モータMTを制御する。たとえば、モータ制御部21は、初期設定信号を受信しセンサ設定部22に対して設定部制御信号を出力した後、たとえば第3磁気センサ13が制御用磁気センサと設定されたとの評価結果を受けた場合、第3磁気センサ13が検出した電動モータMTの回転角の情報に基づき、電動モータMTの制御を行う。
図11乃至図13を参照し、モータ制御装置100の制御フローを説明する。なお、図におけるSはステップを意味する。制御部20のモータ制御部21は、S100において、初期設定信号を受信したか否かを検査する。初期設定信号を受信した場合、制御部20は、S200において、センサ設定処理を行う。初期設定信号を受信しなかった場合、制御部20は、S300において、モータ制御処理を行う。
モータ制御部21は、初期設定信号を受信した場合、S201において、センサ設定部22に対して設定部制御信号を出力する。センサ設定部22は、設定部制御信号を受信すると、S202において、電動モータMTの各相のコイルにたとえば図7(a)に示すような電流が流れるような矩形波のモード駆動信号を出力する。測定データ記憶部23は、S204において、そのモード駆動信号を出力している間に第1磁気センサ11、第2磁気センサ12、第3磁気センサ13が検出した回転角を示す信号を記憶する。
続いて、センサ設定部22は、S206において、電動モータMTの各相のコイルに図7(b)に示すような電流が流れるような矩形波のモード駆動信号を出力する。測定データ記憶部23は、S208において、そのモード駆動信号を出力している間に各磁気センサが検出した回転角を示す信号を記憶する。また、センサ設定部22は、S210において、電動モータMTの各相のコイルに図7(c)に示すような電流が流れるような矩形波のモード駆動信号を出力する。測定データ記憶部23は、S212において、そのモード駆動信号を出力している間に各磁気センサが検出した回転角を示す信号を記憶する。
また、センサ設定部22は、S214において、電動モータMTの各相のコイルに図7(d)に示すような電流が流れるような矩形波のモード駆動信号を出力する。測定データ記憶部23は、S216において、そのモード駆動信号を出力している間に各磁気センサが検出した回転角を示す信号を記憶する。また、センサ設定部22は、S218において、電動モータMTの各相のコイルに図7(e)に示すような電流が流れるような矩形波のモード駆動信号を出力する。測定データ記憶部23は、S220において、そのモード駆動信号を出力している間に各磁気センサが検出した回転角を示す信号を記憶する。また、センサ設定部22は、S222において、電動モータMTの各相のコイルに図7(f)に示すような電流が流れるような矩形波のモード駆動信号を出力する。測定データ記憶部23は、S224において、そのモード駆動信号を出力している間に各磁気センサが検出した回転角を示す信号を記憶する。
センサ設定部22は、S226において、360度に亘って60度毎にそれぞれの磁気センサが検出した電動モータMTの回転角を測定データ記憶部23から取得し、評価する。センサ設定部22は、S228において、その評価結果に基づき、どの磁気センサを制御用の磁気センサとして使用するのかを決定する。たとえば、センサ設定部22は、第3磁気センサ13の性能が最も良かった場合第3磁気センサ13を制御用磁気センサとして使用することを決定する。また、センサ設定部22は、S230において、制御用磁気センサに決定されなかった磁気センサを故障診断用の磁気センサとして使用することを決定する。たとえば、制御用磁気センサが第3磁気センサ13であった場合、センサ設定部22は、第1磁気センサ11と第2磁気センサ12を故障診断用磁気センサとして使用することを決定する。センサ設定部22は、S232において、制御用磁気センサとして使用することを決定した磁気センサを制御用磁気センサとして設定する。また、センサ設定部22は、S234において、故障診断用磁気センサとして使用することを決定した磁気センサを故障診断用磁気センサとして設定する。
モータ制御部21は、S300において、センサ設定部22が設定した制御用磁気センサの評価結果についての情報を取得し、制御用磁気センサとして設定された磁気センサが検出する電動モータMTの回転角の情報に基づいて電動モータMTを制御する。具体的には、モータ制御部21は、S302において、制御用磁気センサとして設定された磁気センサが検出した電動モータMTの回転角の情報、他のセンサやECUから得られるステアリングの操舵トルク値や操舵角を示す情報、車両の車速を示す情報を取得する。モータ制御部21は、S304において、これらの情報に基づいて、電動モータMTがステアリングに付与すべき補助力に対応した相毎の指令電圧をモータ制御信号として算出し、プリドライバ30に出力する。プリドライバ30は、S306において、各相の指令電圧に基づいてデューティ値を算出し、このデューティ値に基づいてPWM信号を生成し、ブリッジ回路40に出力する。ブリッジ回路40は、S308において、このPWM信号により三相の電動モータMTを駆動する。
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
たとえば、上記実施例では、回転軸の基準位置をいわゆる理想の電気角としたが、これに限定されず、基準位置は、回転軸の機械角を検出するエンコーダを有する外部回転装置により測定されたものでもよい。この場合、センサ設定部は、この機械角と回転位置センサが検出した回転角との誤差を算出する。モータ制御装置は、外部回転装置により測定された機械角を初期設定信号と共に受信し、基準位置として記憶し、そのタイミングで回転位置センサの検出角信号に基づく回転角と対応させて記憶する。そして、モータ制御装置は、上述したように回転角を順次変化させて、そのたびに初期設定信号と共に受信する。センサ設定部は、すべての基準位置に関して受信が完了した時に所定の評価方法で評価する。
100 モータ制御装置(電動パワーステアリング制御装置)
10 回転位置センサ
11 第1磁気センサ
12 第2磁気センサ
13 第3磁気センサ
20 制御部
21 モータ制御部
22 センサ設定部
23 測定データ記憶部
30 プリドライバ
40 ブリッジ回路
MT 電動モータ(三相ブラシレスモータ)
SH 回転軸
RT ロータ
ST ステータ
MG マグネット
PL 基板
Lh 電源ライン
Ll グランドライン

Claims (4)

  1. モータの回転軸の回転位置を検出する複数の回転位置センサと、
    複数の前記回転位置センサの性能を所定の評価方法で評価し、前記評価に基づき複数の前記回転位置センサの中からモータ制御に用いる制御用回転位置センサを設定するセンサ設定部と、
    を備えるモータ制御装置。
  2. 前記センサ設定部は、前記評価に基づき複数の前記回転位置センサの中から故障診断に用いる診断用回転位置センサをさらに設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記センサ設定部は、前記回転軸が所定の基準位置で停止する複数の駆動モードで前記モータに通電し、前記駆動モードごとに取得する、前記回転位置センサの出力に基づく検出位置と前記基準位置とを用いて前記所定の評価方法で前記回転位置センサの性能を評価することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータは三相ブラシレスモータであって、
    前記センサ設定部は、二相のコイルのみを矩形波で電圧を印加する駆動モードあるいは三相のコイルを矩形波で電圧を印加する駆動モードの少なくともいずれかの駆動モードを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ制御装置。
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