JP2012228985A - 電動パワーステアリング装置および制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、電動モータに流れる電流を切り換えるブリッジ回路と、ステアリングホイールの操舵トルクに基づいてブリッジ回路を制御して電動モータの駆動を制御するモータ駆動制御部と、を有する制御装置10と、を備え、制御装置10は、モータ駆動制御部が実装された制御基板12と、制御基板12に対峙して配置される平行基板131と、制御基板12の板面に対して交差する方向に配置され、電動モータに流れる電流を調整するコンデンサ310が実装される垂直基板132とを有する。
【選択図】図12
Description
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、ブリッジ回路を構成する半導体スイッチング素子、コンデンサおよびシャント抵抗器などの大電流部品が搭載された金属基板と、CPU、駆動回路などが搭載された制御基板とが、これら基板の板面に垂直な方向に並べられた制御装置を備えている。
本発明は、基板に実装される部品の大きさを変更することなく小型化を図ることができる装置を提供することを目的とする。
また、前記制御装置の前記交差基板に実装される前記調整部品は、前記電動モータへの電流の通電・遮断を切り替えるリレーであるとよい。
また、前記制御装置の前記第2の基板は、前記交差基板の板面に対して交差する方向に配置される基板であり、前記交差基板は、当該第2の基板に支持されるとよい。
また、前記制御装置の前記第2の基板には、前記ブリッジ回路を構成するスイッチング素子が実装されているとよい。
当該第1の基板に対峙して配置される第2の基板と、当該第1の基板の板面に対して交差する方向に配置され、前記電動モータに流れる電流を調整する調整部品が実装される交差基板と、を有することを特徴とする制御装置である。
また、前記制御装置の前記交差基板に実装される前記調整部品は、前記電動モータへの電流の通電・遮断を切り替えるリレーであるとよい。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の外観図である。図2は、電動パワーステアリング装置100の概略構成図である。図3は、電動パワーステアリング装置100の断面図である。なお、図2においては、後述するECU10のカバー15を省略して示している。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置(以下、「ステアリング装置」と称す。)100は、コラムアシスト式の装置であり、右ハンドル仕様の、例えば自動車などの乗り物に適用される装置である。ステアリング装置100は、ステアリングホイール(図示せず)に連結されたステアリングシャフト101と、このステアリングシャフト101の回転半径方向の周囲を覆うステアリングコラム105と、を備えている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングホイールに加える運転者の操舵力をアシストする力を付与する電動モータ160と、電動モータ160の作動を制御する制御装置の一例としての電子制御ユニット(以下、「ECU」と称する場合もある。)10と、運転者の操舵トルクTを検出するトルク検出装置20と、を備えている。
トルク検出装置20は、第1の回転軸120と第2の回転軸130との相対回転角度を検出する相対角度検出部21と、相対角度検出部21が検出した相対回転角度に基づいて操舵トルクTを検出するトルク検出部50と、を有している。
図4は、図3におけるX部の拡大図である。図5は、実施の形態に係る相対角度検出部21の主要部品の概略構成図である。図6は、相対角度検出部21を、図3におけるY方向から見た図である。なお、図6においては、ブラケット60は省略している。
相対角度検出部21は、第1の回転軸120に取り付けられる磁石22と、磁石22が形成する磁界内に配置されたヨーク30と、ヨーク30に生じる磁束密度を検出する磁気センサ40と、ヨーク30を支持するブラケット60と、を有している。
第1のヨーク31は、磁石22の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第1の円環部31aと、この第1の円環部31aから第1の回転軸120の軸方向に伸びるように形成された複数の第1の突起部31bとを有している。
第2のヨーク32は、磁石22の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第2の円環部32aと、この第2の円環部32aから第1の回転軸120の軸方向に伸びるように形成された複数の第2の突起部32bとを有している。
トルク検出部50は、ステアリングホイールに操舵トルクTが付与されておらず、トーションバー140に捩れが生じていない中立状態のときの磁気センサ40の出力値である基準値を記憶する記憶部51(図8参照)と、この記憶部51に記憶された基準値と磁気センサ40の出力値とに基づいて操舵トルクTに応じた電気信号(本実施の形態においては電圧信号)であるトルク信号を出力する出力部52(図8参照)とを備えている。
出力部52は、磁気センサ40から取得した値と記憶部51に記憶された基準値との差を演算するとともに、演算することにより得た値に応じた値であり、かつ相関関係がある2つの電圧信号である第1のトルク信号T1,第2のトルク信号T2を出力する。
図7においては、横軸に操舵トルクT、縦軸に第1のトルク信号T1の第1の電圧V1および第2のトルク信号T2の第2の電圧V2を示している。横軸は、操舵トルクTが零の状態、言い換えれば、トーションバー140の捩れ量が零の状態を中点にし、右方向の操舵トルクTをプラス、左方向の操舵トルクTをマイナスとしている。
そして、本実施の形態に係るトルク検出部50の出力部52は、図7に示すように、第1のトルク信号T1が示す第1の電圧V1および第2のトルク信号T2が示す第2の電圧V2が、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化するように出力する。なお、最大電圧VHiは、トルク検出部50が第1のトルク信号T1,第2のトルク信号T2として出力可能な出力上限値よりわずかに低く、最小電圧VLoは、出力可能な出力下限値よりわずかに高く設定される。
さらに、操舵トルクTの変化に対する第1のトルク信号T1の変化の割合と第2のトルク信号T2の変化の割合(絶対値)は等しく、同じ操舵トルクTを示す第1のトルク信号T1の第1の電圧V1と第2のトルク信号T2の第2の電圧V2を合計した合計電圧が常に予め定められた所定電圧(2Vc)となる特性を有する。
図8は、ステアリング装置100のECU10の概略構成図である。
ECU10には、上述したトルク検出装置20からの出力信号、車速センサ(不図示)にて検出された車速Vが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、ECU10は、トルク検出装置20からの出力信号をトルク信号Tdに変換する変換部215と、変換部215から出力されたトルク信号Tdに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ160が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部220と、目標電流算出部220が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部230とを有している。
目標電流算出部220は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部221と、電動モータ160の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部222と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部223とを備えている。また、目標電流算出部220は、ベース電流算出部221、イナーシャ補償電流算出部222、ダンパー補償電流算出部223などからの出力に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部225を備えている。さらに、目標電流算出部220は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部226を備えている。
なお、ECU10には、車速センサ、電動モータ160の回転角度を検出するセンサなどからの信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、目標電流算出部220に取り込んでいる。
制御部230は、電動モータ160の作動を制御するモータ駆動制御部231と、電動モータ160を駆動させるモータ駆動部232と、電動モータ160に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部233とを有している。
モータ駆動制御部231は、目標電流算出部220にて最終的に決定された目標電流と、モータ電流検出部233にて検出された電動モータ160へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部240と、電動モータ160をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部260とを有している。
偏差演算部241は、目標電流算出部220からの出力値である目標電流信号ITとモータ電流検出部233からの出力値であるモータ電流信号Imsとの偏差の値を偏差信号241aとして出力する。モータ電流信号Imsは、モータ電流検出部233にて検出された実電流Imが出力信号に変換された信号である。
PWM信号生成部260は、フィードバック制御部240からの出力値に基づいてPWM信号260aを生成し、生成したPWM信号260aを出力する。
モータ電流検出部233は、モータ駆動部232に接続されたシャント抵抗304(図11参照)の両端に生じる電圧から電動モータ160に流れる実電流Imの値を検出して、検出した実電流Imをモータ電流信号Imsに変換して出力する。
フレーム14は、絶縁性樹脂によりインサート成形され、複数の導電線からなる配線パターンを有し、制御基板12とパワー基板13とを電気的に接続する。このフレーム14には、自動車などの乗り物に搭載されるバッテリ170や、この乗り物に搭載される各種の機器とのネットワーク(CAN)などに接続するための接続コネクタ16が取り付けられている(図1,図2参照)。
図11は、パワー基板13の等価回路図である。
パワー基板13には、電動モータ160のトルクの大きさ及び方向に応じて電動モータ160に流れる電流を切り替えるスイッチング素子としての複数(本実施の形態においては6個)のトランジスタ(FET)301が実装されている。これら複数のトランジスタ301にて3相のブリッジ回路302を構成している。また、パワー基板13には、ブリッジ回路302のスイッチング動作時に発生する電磁ノイズを外部へ流出するのを防止するコイル303と、電動モータ160に流れる実電流を検出するためのシャント抵抗304とが実装されている。また、パワー基板13には、電動モータ160に流れる電流のリップル成分を吸収するための大容量の複数(本実施の形態においては3個)のコンデンサ310と、電流を通電したり遮断したりする各種のリレー320とが実装されている。このリレー320としては、ブリッジ回路302への電流を通電・遮断するパワーリレー320aと、3つの経路が並列に配置されたモータ端子18の内の2つの経路に各々直列に接続されて、ブリッジ回路302から電動モータ160に供給される電流を通電・遮断するモータリレー320bとが設けられている。
本実施の形態に係るパワー基板13は、板面が制御基板12の板面に平行に配置される第2の基板の一例としての平行基板131と、板面が制御基板12の板面に対して交差する方向(本実施の形態においては垂直方向)に配置される交差基板の一例としての垂直基板132とを有している。これら平行基板131および垂直基板132は、アルミニウムなどの金属にて成形された金属基板、あるいは金属板の全体が樹脂によりモールド封止された基板であり、その表面(板面)に配線パターンが形成されている。これら平行基板131および垂直基板132の厚さは、約2.1mmであり、配線パターンは、大電流に対応できるように充分な断面積を有し、電動モータ160に流れる大電流に対応する回路部品を実装できるように形成されている。そして、平行基板131と垂直基板132とは、例えばネジ133によるネジ止めなどの固定方法で結合されるとともに電気的にも接続されている。
コンデンサ310は、Z方向が柱方向となる円柱状の円柱状部311と、XY平面が略正方形でZ方向が柱方向となる四角柱状の四角柱部312と、四角柱部312からZ方向に伸びる複数の端子313とから構成されている。そして、コンデンサ310は、図12に示すように、Z方向が制御基板12の板面と平行となるようにパワー基板13の垂直基板132に端子313が挿入固定され実装されている。
リレー320は、X方向の辺が、Y方向およびZ方向の辺よりも小さな略直方体状のリレー本体321と、リレー本体321からZ方向に伸びる複数の端子322とから構成されている。そして、リレー320は、図12に示すように、リレー本体321のYZ平面が制御基板12の板面と対向し、Z方向が制御基板12の板面と平行となるようにパワー基板13の垂直基板132に端子322が挿入固定され実装されている。
図14(a)、図14(b)は、それぞれ本実施の形態に係るECU10における、コンデンサ310の実装部の拡大図、リレー320の実装部の拡大図である。
図14(c)は、コンデンサ310およびリレー320を平行基板131に実装した場合の構成を示す図である。本実施の形態に係るECU10のECU用基板11のパワー基板13のように垂直基板132を設けずに平行基板131のみにて構成し、この平行基板131にコンデンサ310およびリレー320を実装した構成を図14(c)に示している。
さらに、リレー320を垂直基板132に実装する場合には、図14で見た場合のリレー320の下方に平行基板131を配置しなくてもよい。かかる場合には、最大、平行基板131の厚さ分、図14(c)に示す構成と比べて、制御基板12の板面に垂直な方向の大きさを小さくすることが可能となる。
上述した実施の形態に係るステアリング装置100は、コラムアシスト式のステアリング装置100であり、右ハンドルの自動車などの乗り物に適用される装置である。左ハンドルの乗り物に適用されるステアリング装置100の構成としては、ギヤボックス110、電動モータ160およびECU10などの配置をステアリングシャフト101の軸心を通る垂直面に対して面対称とすることが考えられる。つまり、運転者から見た場合にステアリングシャフト101の軸心よりも右側に電動モータ160を、電動モータ160よりも左側にECU10を配置することが考えられる。かかる場合、ECU10の制御基板12の板面に垂直な方向に見ると、図15に示すように、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様とで、ECU10の接続コネクタ16およびモータ端子18を線対称とする必要がある。
また、複数のコンデンサ310およびリレー320の一部を垂直基板132に実装し、残りを平行基板131に実装してもよい。かかる構成においては、これら全てを平行基板131に実装する場合と比べて、制御基板12の板面に垂直な方向の大きさを小さくすることが可能となる。
Claims (8)
- ステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、
前記電動モータに流れる電流を切り換えるブリッジ回路と、前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて当該ブリッジ回路を制御して当該電動モータの駆動を制御するモータ駆動制御部と、を有する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記モータ駆動制御部が実装された第1の基板と、
当該第1の基板に対峙して配置される第2の基板と、
当該第1の基板の板面に対して交差する方向に配置され、前記電動モータに流れる電流を調整する調整部品が実装される交差基板と、
を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記制御装置の前記交差基板に実装される前記調整部品は、前記電動モータに流れる電流のリップルを吸収するコンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御装置の前記交差基板に実装される前記調整部品は、前記電動モータへの電流の通電・遮断を切り替えるリレーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御装置の前記第2の基板は、前記交差基板の板面に対して交差する方向に配置される基板であり、前記交差基板は、当該第2の基板に支持されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御装置の前記第2の基板には、前記ブリッジ回路を構成するスイッチング素子が実装されていることを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
- 電動モータに流れる電流を切り換えるブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路を制御して前記電動モータの駆動を制御するモータ駆動制御部と、
を備える制御装置であって、
前記モータ駆動制御部が実装された第1の基板と、
当該第1の基板に対峙して配置される第2の基板と、
当該第1の基板の板面に対して交差する方向に配置され、前記電動モータに流れる電流を調整する調整部品が実装される交差基板と、
を有することを特徴とする制御装置。 - 前記制御装置の前記交差基板に実装される前記調整部品は、前記電動モータに流れる電流のリップルを吸収するコンデンサであることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
- 前記制御装置の前記交差基板に実装される前記調整部品は、前記電動モータへの電流の通電・遮断を切り替えるリレーであることを特徴とする請求項6又は7に記載の制御装置。
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