JP2007082315A - 電動パワーステアリング用モータ及びその制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
モータに取り付けられたホールICの出力を補正するための補正情報を簡単に制御装置に設定させることができる電動パワーステアリング装置用モータの提供を課題の一つとする。
【解決手段】
上記課題は、ホールIC156U,156V,156Wの出力から得られる磁極位置を補正するための補正情報θhが記憶されたバーコードラベル199を電動パワーステアリング装置用モータ100に備え、制御装置200に補正情報θhの設定が必要な時、バーコードラベル199に記憶された補正情報θhを制御装置200に読み込ませて記憶させるようにすることにより解決できる。
【選択図】図9
モータに取り付けられたホールICの出力を補正するための補正情報を簡単に制御装置に設定させることができる電動パワーステアリング装置用モータの提供を課題の一つとする。
【解決手段】
上記課題は、ホールIC156U,156V,156Wの出力から得られる磁極位置を補正するための補正情報θhが記憶されたバーコードラベル199を電動パワーステアリング装置用モータ100に備え、制御装置200に補正情報θhの設定が必要な時、バーコードラベル199に記憶された補正情報θhを制御装置200に読み込ませて記憶させるようにすることにより解決できる。
【選択図】図9
Description
本発明は、電動パワーステアリング用モータ及びその制御装置に関する。
モータの磁極位置を検出してモータを制御するものとしては、例えば特許文献1,2に開示されたものが従来より知られている。特許文献1には、ロータマグネットの着磁ムラやホール素子の取り付け位置の誤差による影響を低減するために、ロータの実際の回転速度と目標とする回転速度とのずれを検出し、この誤差が小さくなるようにモータを制御することが開示されている。また、特許文献2には、位置センサから得られた位相に、メモリに書き込まれている補正位相を加えて位置センサの検出位置の誤差を補正することが開示されている。
電動パワーステアリング装置は車両走行にとって重要な機器であり、高性能,高信頼性が要求される。このため、電動パワーステアリング装置に用いられるモータ駆動システムには高応答,高精度が要求される。高応答で高精度なモータ駆動システムを提供するためには、回転磁極を構成する永久磁石の着磁むら又は固定誤差、磁極位置センサの取付誤差など、モータの製作誤差が与える影響、例えばモータの正逆転による出力差、すなわちステアリングホイールを回転させた時、左に曲がるときの操舵フィーリングと右に曲がるときの操舵フィーリングとの間の差異を低減する必要がある。このような影響を低減する方法としてはモータの製作誤差の低減がある。ところが、モータの製作誤差の低減には限界がある。このため、モータの製作誤差が与える影響を低減する方法としては、背景技術のように、磁極位置センサの出力を制御的に補正し、補正後の磁極位置を用いてモータを制御する方法が有効である。
ところで、磁極位置センサの出力を制御的に補正すためには、背景技術のように、補正値を磁極位置センサの出力を補正する度に生成する、或いはモータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付けられる前にモータを試験的に回転させて得られるモータの諸特性や磁極位置センサの出力などから補正値を設定し、それをモータ制御回路に記憶させておく必要がある。
しかし、前者のように、補正値を磁極位置センサの出力を補正する度に生成する方法では、補正値の生成処理分、モータ制御回路における処理負荷が大きくなる。また、後者のように、予め補正値を設定してモータ制御回路に記憶させる方法では、モータと制御装置を同じところで製作する場合には、モータ駆動システムを出荷する前に予め補正値を設定しておくことができるが、モータと制御装置を別々のところで製作する場合には、モータ駆動システムの構成部品として別々に出荷された後、モータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前に補正値の設定が必要になり、その組み付け作業がその前作業によって煩雑になる。
本発明は、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報を簡単にモータ制御装置に設定させることができる電動パワーステアリング装置用モータを提供する。
ここに、本発明は、磁極位置センサの出力から得られる磁極位置を補正するための補正情報が記憶された補正情報記憶手段を電動パワーステアリング装置用モータに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、補正情報記憶手段を備えたので、モータ制御装置に補正情報の設定が必要な時、例えばモータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前、補正情報記憶手段に記憶された補正情報をモータ制御装置に読み込ませて記憶させることができる。従って、本発明によれば、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報を簡単にモータ制御装置に設定できる。
また、本発明は、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報をモータから簡単に取得して設定することができる電動パワーステアリング装置用制御装置を提供する。
ここに、本発明は、モータから補正情報を入力するための入力端子を電動パワーステアリング装置用制御装置に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、モータからの補正情報を入力するための入力端子を備えたので、補正情報の設定が必要な時、例えばモータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前、入力端子に補正情報の読み込み装置を接続することにより、モータから補正情報を読み込み記憶させることができる。従って、本発明によれば、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報をモータから簡単に取得して設定できる。
さらに、本発明は、上記電動パワーステアリング装置用モータと上記電動パワーステアリング装置用制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置用モータ駆動システムを提供する。
さらにまた、本発明は、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報を算出する方法を提供する。
以上本発明によれば、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報を簡単にモータ制御装置に設定させることができるので、モータとモータ制御装置を別々のところで製作して出荷した場合でも、モータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前の補正値の設定が容易になり、その組み付けの作業性を向上させることができる。従って、本発明によれば、電動パワーステアリング装置の生産性を向上できる電動パワーステアリング装置用モータを提供できる。
また、本発明によれば、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報をモータから簡単に取得して設定することができるので、モータとモータ制御装置を別々のところで製作して出荷した場合でも、モータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前の補正値の設定が容易になり、その組み付けの作業性を向上させることができる。従って、本発明によれば、電動パワーステアリング装置の生産性を向上できる電動パワーステアリング装置用制御装置を提供できる。
さらに、本発明によれば、上記電動パワーステアリング装置用モータと上記動パワーステアリング装置用制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置用モータ駆動システムを提供できる。
さらにまた、本発明によれば、モータに取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための上記補正情報を算出する方法を提供できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
電動パワーステアリング装置は、車載電源を構成する車載バッテリを電源として発生した電動力を操舵力として車輪に伝達するように構成された車載電機システムであり、高応答,高精度が要求されている。
尚、以下に説明する構成は、車載電源を構成する車載バッテリを電源として発生した電動力を制動力として車輪に伝達する電動ブレーキ装置、車載電源を構成する車載バッテリを電源として発生した電動力を車両の推進力として車輪に伝達する車両駆動装置などの車載電機システムにも適用可能である。
まず、電動パワーステアリング装置に搭載されたモータ駆動システムを構成する電動パワーステアリング装置用モータについて説明する。
図1は、本実施例の電動パワーステアリング装置用モータの全体構成を示す。
電動パワーステアリング装置用モータ(以下、「EPSモータ」と記す)100は、複数の固定磁極と複数の回転磁極との磁気的作用によって複数の回転磁極を回転させて操舵用のトルクを出力するものであって、複数の固定磁極を構成するステータ110及びこのステータ110の内側に対向配置されて回転可能に支持されたロータ130から構成された表面磁石型同期電動機である。ロータ130は複数の回転磁極を構成している。EPSモータ100は、バッテリを備えた車載電源、例えば14ボルト系電源(バッテリの出力電圧が12ボルト)或いは24ボルト系電源若しくは42ボルト系電源(バッテリの出力電圧36ボルト)又は48ボルト系電源を駆動電源としている。電動パワーステアリング装置には駆動電源から直流電力が供給されている。
ステータ110は、ステータコア112と、このステータコア112に形成されたスロット内に保持されたステータコイル114とを備えている。ステータコア112は、複数の珪素鋼板を軸方向に積層して形成した磁性体(磁路形成体)であり、円環状のバックコアと、このバックコアとは分離して作られ、その後、バックコアに機械的に固定された複数のティースから構成されている。複数のティースは、バックコアの内周部から径方向内側に突出するように、かつ周方向に等間隔に配置されるように、バックコアの内周部に設けられたものである。複数のティースのそれぞれにはステータコイル114が集中的に巻回されている。本実施例ではステータコイル114を集中巻で巻いた場合を例に挙げて説明する。ステータコイル114の巻線方式としては分布巻を用いてもよい。分布巻は、いくつかのスロットを介して離間した2つのスロット間に、いくつかのスロットを跨ぐように巻線が収納される巻線方式である。
ステータコイル114を分布巻とすると弱め界磁制御に優れており、また、リラクタンストルクの発生にも優れている。EPSモータ100にとって機器の小型化や巻線抵抗の低減が大変重要である。ステータコイル114を集中巻とすることにより、ステータコイル114のコイルエンド部の軸方向長を短くできる。これにより、EPSモータ100の軸方向長を短くできる。また、ステータコイル114のコイルエンド部の軸方向長が短くなればステータコイル114の抵抗を小さくできるので、EPSモータ100の温度上昇を抑えることができる。また、ステータコイル114の抵抗が小さくなればEPSモータ100の銅損を小さくできる。従って、EPSモータ100への入力エネルギーの内、銅損によって消費される割合を小さくでき、入力エネルギーに対する出力トルクの効率を向上することができる。
EPSモータ100は、上述の如く、車両に搭載された電源により駆動される。車載電源は出力電圧が低い場合が多い。電源端子間には、インバータを構成するスイッチング素子やEPSモータ100、その他電流供給回路の接続手段が等価的に直列回路を構成して電気的に接続されている。このため、その直列回路において、それぞれの回路構成素子の端子電圧の合計が車載電源の端子間電圧になる。従って、EPSモータ100に電流を供給するためのEPSモータ100の端子電圧は低くなる。このような状況でEPSモータ100に流れ込む電流を確保するにはEPSモータ100の銅損を低く押えることが極めて重要である。この点から車両に搭載される電源は50ボルト以下の低電圧系が多く、ステータコイル114を集中巻とすることが望ましい。特に12ボルト系電源を使用する場合は極めて重要である。
EPSモータ100はステアリングコラムの近傍に置かれる場合、ラックアンドピニオンの近傍に置かれる場合などがあるが、いずれの場合も小型化が要求される。また、小型化された構造においてステータコイル114をステータコア112に固定することが必要であり、巻線作業が容易なことも重要である。分布巻に比べて集中巻は巻線作業及び巻線の固定作業が容易である。
ステータコイル114のコイルエンド部は、電気的絶縁性を有する樹脂によってモールドされる場合がある。EPSモータ100においては、コギングトルクなどのトルク変動を大変小さく押えることが望ましく、ステータ110を組み上げてからステータ110の内部を再度切削加工することがある。このような機械加工により切削紛が発生する。このため、その切削紛がステータコイル114のコイルエンド部に入り込むのを防止することが必要であり、ステータコイル114のコイルエンド部のモールドが望ましい。ステータコイル114のコイルエンド部は、ステータコイル114の複数の部位のうち、ステータコア112の軸方向両端部から軸方向外側に突出した部位を指す。
ステータコイル114はU相,V相,W相の3相から構成されている。相コイルのそれぞれは複数の単位コイルから構成されている。
樹脂によってステータコア112とステータコイル114とを一体にモールドすることにより、ステータSubAssy が一体に形成されて構成される。このステータSubAssy は、アルミニウムなど金属で形成された円筒状のフレーム150の内側に圧入されて固定された状態でモールド成型される。尚、ステータSubAssy は、ステータコイル114がステータコア112に組み込まれた状態でモールド成型され、この後、フレーム1に圧入されてもよい。
自動車に搭載される電動パワーステアリング装置には色々な振動が加わる。また、電動パワーステアリング装置には車輪から衝撃が加わる。また、電動パワーステアリング装置は温度変化の大きい環境下で利用され、下限は摂氏マイナス40度、上限は温度上昇により100度以上が考えられる。さらに、EPSモータ100には水が入らないようにしなければならない。このような条件でステータ110がフレーム150に固定されるためには、筒状のフレーム150の少なくともステータコア112の外周部に螺子穴以外の穴が設けられていない円筒金属にステータ部(SubAssy )を圧入することが望ましい。圧入後さらにフレーム150の外周から螺子止めしてもよい。圧入に加え回止を施すことが望ましい。
ロータ130は、シャフト138に固定されたロータコア132と、ロータコア132の外周表面に接着剤によって固定された複数のマグネット134と、マグネット134の外周側に設けられたマグネットカバー136とを備えている。ロータコア132は、複数の珪素鋼板を軸方向に積層して形成した磁性体である。マグネット134は、希土類、例えばネオジウムからなる永久磁石であり、複数の回転磁極を構成している。マグネットカバー136は、非磁性体からなる円筒部材又は管状部材である。本実施例では、ロータコア132の外周表面に接着剤により複数のマグネット134を固定し、その外周側をマグネットカバー136で覆うことにより、回転によるマグネット134のロータコア132からの飛散を防止している。マグネットカバー136はステンレス鋼(俗称SUS)で構成されており、上述の如く振動や熱変化が極めて大きいEPSモータ100において、破損し易いマグネット134を保持するのに優れている。仮にマグネット134が破損しても飛散を防止できる。マグネット134のロータコア132からの飛散防止としては、複数のマグネット134の外周側にテープを巻き付けるようにしても良いが、ステンレス鋼の方が製造が容易である。
フレーム150のフロント側にはフロントフランジ152が設けられている。フレーム150とフロントフランジ152はボルトにより固定されている。フレーム150及びフロントフランジ152のそれぞれには軸受154F,154Rが取り付けられている。これらの軸受154F,154Rにより、シャフト138及びこのシャフト138に固定されたステータ110が回転自在に支承される。
フロントフランジ152には円環状の突出部(或いは延出部)が設けられている。フロントフランジ152の突出部は軸方向に突出したものであり、フロントフランジ152のステータコイル114のコイルエンド部の側面からステータコイル114のコイルエンド部側に延出している。フロントフランジ152の突出部の先端部は、フレーム150にフロントフランジ152を固定した際、フロントフランジ152側のステータコイル114のコイルエンド部とフレーム150との間に形成された空隙内に挿入されるようになっている。
結線リング116によって接続されたU相,V相,W相の各相のステータコイル114には、パワーケーブル162を介して外部から電力が供給される。パワーケーブル162はグロメット164によりフレーム150に取り付けられている。
次に、本実施例のEPSモータ100のマグネット134の構成を詳細に説明する。
図4は、本実施例のEPSモータのロータマグネットの配置構成を示す。
ロータコア132の外周表面には10個のマグネット134(134A〜134J)が接着剤によって固定されている。
マグネット134の一部は、表面側(ステータ110のティースと対向する側)をN極とすると、裏面側(ロータコア132に接着される側)がS極となるように、半径方向に着磁されている。マグネット134の残りは、表面側(ステータ110のティースと対向する側)をS極とすると、裏面側(ロータコア132に接着される側)がN極となるように、半径方向に着磁されている。そして、隣接するマグネット134は、着磁された極性が周方向に交互になるように着磁されている。例えばマグネット134Aの表面側がN極に着磁されているとすると、隣接するマグネット134B,134Jの表面側はS極に着磁されている。すなわちマグネット134A,134C,134E,134G,134Iの表面側がN極の場合、マグネット134B,134D,134F,134H,134Jの表面側はS極である。
また、マグネット134はそれぞれ断面形状がかまぼこ型の形状となっている。かまぼこ形状とは、周方向において、左右の半径方向の厚さが、中央の半径方向の厚さに比べて薄い構造のことである。このようなかまぼこ型の形状とすることにより、磁束分布を正弦波状にでき、EPSモータ100を回転させることによって発生する誘起電圧波形を正弦波状とすることができ、この結果、脈動分を低減することができる。このように、脈動分を小さくできることにより、ステアリングの操舵感を向上できる。尚、リング状の磁性体に着磁してマグネットを構成するときには着磁力を制御し、磁束分布を正弦波状類似のものとすればよい。
次に、本実施例のEPSモータ100に搭載される磁極位置センサの構成を詳細に説明する。
図2,図3は、本実施例のEPSモータの磁極位置センサの配置構成を示す。
図3に示すように、磁極位置センサはホールIC156U,156V,156Wから構成されている。ホールIC156U,156V,156Wは磁極位置センサ基板156に実装されており、機械角で120度の位置関係をもって配置されている。センサの配置関係は機械角で120度に限定されるものではなく、電気角で120度の位置関係を満たすものであればよい。このように配置されたホールIC156U,156V,156Wにより、複数のマグネット134の位置を検出できる。
磁極位置センサ基板156から検出された磁極位置信号は、信号ケーブル166により外部に取り出される。信号ケーブル166は、グロメット168により、フレーム150に取り付けられている。結線リング116とパワーケーブル162の一部分はコイルエンドと共にモールド材によってモールドされている場合がある。
図2に示すように、磁極位置センサ基板156は、フロントフランジ152の窪みの内周面とシャフト138の外周面との間に形成された空間に配置されている。磁極位置センサ基板156は、ネジSC1によってフロントフランジ152に固定されることによりフロントフランジ152の窪みの内周側に固定される。
次に、電動パワーステアリング装置に搭載されたモータ駆動システムのシステム構成を説明する。
図5は、本実施例のEPSモータを用いた電動パワーステアリング装置のシステム構成を示す。
ステアリングSTを回転させると、その回転駆動力は、ロッドROを介してマニュアルステアリングギアSTGに伝達され減速される。減速された回転駆動力は左右のタイロッドTR1,T2に伝達されて左右の車輪WH1,WH2に伝達される。これにより、左右の車輪WH1,WH2が舵取される。
本実施例では、EPSモータ100はマニュアルステアリングギアSTGの近傍に取り付けられている。EPSモータ100の回転駆動力はギアGEを介してマニュアルステアリングギアSTGに伝達される。ロッドROには、ステアリングSTに与えられたEPSモータ100の回転駆動力(トルク)を検出するためのトルクセンサTSが取り付けられいる。制御装置200は、トルクセンサTSの出力に基づいて、EPSモータ100の出力トルクが目標トルクとなるようにEPSモータ100への通電電流を制御する。制御装置200にはバッテリBAから直流電力が供給されている。制御装置200はその直流電力を交流電力に変換してEPSモータ100に供給する。
尚、本実施例では、EPSモータ100をラック&ピニオンギアの近傍に備えたラック型電動パワーステアリング装置を例に挙げて説明した。電動パワーステアリング装置としては、EPSモータをステアリングの近傍に備えるコラム型電動パワーステアリング装置などもある。本実施例のEPSモータ100はそのコラム型電動パワーステアリング装置にも同様に適用可能である。
次に、電動パワーステアリング装置に搭載されたモータ駆動システムを構成する制御装置のソフトウエア構成を説明する。
図6は、本実施例のEPSモータを制御する制御装置の制御ブロック構成を示す。
制御装置200は、インバータとして機能するパワーモジュール210と、パワーモジュール210を制御する制御モジュール220とを備えている。バッテリBAからの直流電圧は、インバータとして機能するパワーモジュール210によって3相交流電圧に変換され、EPSモータ100のステータコイル114に供給される。
制御モジュール220のトルク制御回路221は、トルクセンサTSによって検出されたステアリングSTのトルクTfと目標トルクTsからトルクTeを算出し、この算出されたトルクTeのPI制御(P:比例項,I:積分項)などからトルク指令、すなわち電流指令Isと、ロータ130の回転角θ1を出力する。
位相推定回路222は、図3に示された磁極位置センサ基板156に配置されたホールIC156U,156V,156Wからのパルス信号、すなわちロータ130のマグネット134の位置情報θ0とトルク制御回路(ASR)221からの回転角θ1の指令に応じてロータ130の位置情報θを出力する。
位相補正回路226は、ホールIC156U,156V,156Wの配置誤差と、図4に示した10個のマグネット134(134A〜134J)の固定誤差の補正量θhを出力する。正弦波・余弦波発生器223は、位相推定回路222からの位置情報θと位相補正回路226からの補正量θhに基づいて、ステータコイル114の各巻線(ここでは3相)の誘起電圧正弦波出力を発生する。
2相−3相変換回路224は、トルク制御回路(ASR)221からの電流指令Isと正弦波・余弦波発生器223の出力に応じて、各相に電流指令Isa,Isb,Iscを出力する。各相はそれぞれ個別に電流制御系(ACR)225A,225B,225Cを持っており、2相−3相変換回路224からの電流指令Isa,Isb,Iscと電流検出器CTからの電流検出信号Ifa,Ifb,Ifcに応じた信号を、インバータ210に送って各相の電流を制御する。この場合、各相合成の電流は、界磁磁束に直角或いは位相シフトした位置に常に形成される。
次に、電動パワーステアリング装置に搭載されたモータ駆動システムを構成する制御装置のハードウエア構成を説明する。
図7は、本実施例のEPSモータを制御する制御装置の全体構成を示す。
EPSモータ100の制御装置200は、パワーモジュール210と、制御モジュール220と、導体モジュール230と、ケース240と、シールドカバー250とを備えている。
パワーモジュール210は、インバータを構成する半導体モジュールを備えたものである。半導体モジュールは、絶縁物を介して配線パターンが形成されたメタル基板と、メタル基板の配線パターン上に実装された半導体スイッチング素子SSWとを備えたものである。半導体スイッチング素子SSWには、図5を用いて説明したように、電界効果トランジスタ(MOSFET)が用いられている。半導体スイッチング素子SSWとしては絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を用いてもよい。パワーモジュール210には複数のリードフレーム210LFの一端が半田付けにより固定されている。リードフレーム210LFはパワーモジュール210と制御モジュール220とを電気的に接続するために用いられているものである。
制御モジュール220は、インバータを駆動制御するためのCPUやドライバ回路を備えている。CPUやドライバ回路はPCB基板に実装されている。図示の状態では、基板の下側の面にCPUやドライバ回路などが実装されている。また、制御モジュール220には信号コネクタ220Cが取り付けられている。
導体モジュール230は端子とインバータとの間の導体路を形成するものであり、電力線となるバスバー230Bがモールドにより一体的に形成されている。また同時に、導体モジュール230には、EPSモータ100にモータ電流を供給する端子であるモータコネクタ230SC、バッテリBAから電力が供給される電源コネクタ230PCも一体に形成されている。さらに、導体モジュール230には、リレー・コイル・コンデンサなどのパーツ230Pが予め取り付けられている。パーツ230Pの端子と、バスバー230BとはTIG溶接(アーク溶接)により固定されている。
ケース240はアルミニウム製である。制御装置200の組立時、ケース240の中にはパワーモジュール210及び導体モジュール230がネジ止めされる。次に、パワーモジュール210及び導体モジュール230の上の位置に制御モジュール220が同じくネジ止めされる。次に、リードフレーム210LFの多端が制御モジュール220の端子と半田付けされる。最後に、シールドカバー250がケース240にネジ止めされる。これにより、制御装置200が製造される。
次に、電動パワーステアリング装置に搭載されたモータ駆動システムを構成する制御装置の電気的な回路構成を説明する。
図8は、本実施例のEPSモータを制御する制御装置の電気回路構成を示す。
前述のように、制御装置200は、パワーモジュール210と、制御モジュール220と、導体モジュール230とを備えている。
図8に図示された太い実線はバスバーを示す。導体モジュール230において、電源であるバッテリBAと、パワーモジュール210のIGBTやMOSFETなどの半導体スイッチング素子SSWのコレクタ或いはソース端子を接続するバスバーには、コモンフィルタCF,ノーマルフィルタNF,コンデンサC1,C2,リレーRY1が、図示のように接続されている。
また、図8に図示された二重丸は溶接接続部を示す。例えばコモンフィルタCFの4個の端子はバスバーの端子に溶接により接続されている。ノーマルフィルタNFの2個の端子、セラミックコンデンサC1,C2のそれぞれの2個の端子及びリレーRY1の2個の端子もバスバーの溶接により接続されている。パワーモジュール210からEPSモータ100側にモータ電流を供給するバスバーにはリレーRY2,RY3が溶接により接続されている。
コモンフィルタCF及びノーマルフィルタNFは、ラジオノイズを防止するために設けられている。リレーRY1,RY2,RY3は、EPSモータ100の異常時或いは制御モジュール220の異常時、EPSモータ100への通電を遮断する、すなわちフェールセーフのために用いられている。
制御モジュール220は、前述のように、CPU及びドライバ回路を備えている。CPUは、トルクセンサTSによって検出されたトルク、磁極位置センサ基板156に実装されたホールIC156U,156V,156Wの出力から検出されたEPSモータ100のロータ130の回転位置に基づいて、パワーモジュール210の半導体スイッチング素子SSWをオンオフ制御する制御信号をドライバ回路に出力する。ドライバ回路は、CPUから供給される制御信号に基づいて、パワーモジュール210の半導体スイッチング素子SSWをオンオフ駆動する。
パワーモジュール210からEPSモータ100に供給されるモータ電流は、モータ電流検出抵抗(シャント抵抗)DR1,DR2によって検出され、増幅器AP1,AP2によってそれぞれ増幅された上、CPUに入力される。CPUは、モータ電流が目標値となるようにフィードバック制御する。CPUは、外部のエンジンコントロールユニットECU等とCAN等により接続されており、情報の授受を行える構成となっている。CPUは、記憶素子227であるEEPROMと接続されており、外部のエンジンコントロールユニットECU等とCAN等により授受した情報を記憶できる構成となっている。
次に、電動パワーステアリング装置に搭載されたモータ駆動システムにおける誤差補正について説明する。
図9は、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhをEPSモータから制御装置に読み込ませる装置構成を示す。
EPSモータ100には、磁極位置センサ(ホールIC)の出力を補正するための補正情報θhを記憶した補正情報記憶体が設けられている。本実施例では、補正情報記憶体として、予め求められた補正情報θhがバーコードとして記録されていたバーコードラベル199を用いている。バーコードラベル199はEPSモータ100のフレーム150の外周表面に貼り付けられている。尚、バーコードは、製造番号などが記録された銘板に記録されてもよい。
バーコードラベル199に記録された補正情報θhはバーコードリーダー310を用いて読み取られる。読み取られた補正情報θhは、制御装置200に補正情報を書き込むライター320に入力され、通信ラインCAN及び信号コネクタ220Cを介して制御装置200に入力される。制御装置200に入力された補正情報θhは記憶素子227に記憶される。
本実施例では、補正情報記憶体としてバーコードラベル199を用いた場合を例に挙げて説明した。補正情報記憶体としては、補正情報θhを視覚情報として認識できる他のものを用いてもよい。また、補正情報記憶体としては、半導体記憶装置、例えば非接触式の小型の半導体チップを用いてもよい。この場合、半導体記憶装置は、EPSモータ100のフレーム150或いは銘板に埋め込めばよい。
次に、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhの算出方法について説明する。
図10乃至図12は、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhを算出する方法を示すものであって、各相の機械角度(横軸)に対する誘起電圧波形(縦軸)及び磁極位置センサの出力電圧波形(縦軸)の関係を示す。
図10は、本実施例のEPSモータの磁極位置センサ基板156に配されるU相磁極位置検出用のホールIC156Uの出力信号波形と、正転方向に回転時のU相とV相との間の誘起電圧波形とを示す。
誘起電圧波形0点とホールIC156U出力波形の差分dU1〜dU10を求め、これらの平均値dUAVEを算出する。これにより、U相磁極位置検出用のホールIC156Uの配置による誤差と、ロータコア132の表面に接着剤によって固定された10個のマグネット134(134A〜134J)の固定誤差を平均したホールIC156Uの補正量を得ることができる。
図11は、本実施例のEPSモータの磁極位置センサ基板156に配されるV相磁極位置検出用のホールIC156Vの出力信号波形と、正転方向に回転時のV相とW相との間の誘起電圧波形とを示す。
誘起電圧波形0点とホールIC156V出力波形の差分dV1〜dV10を求め、これらの平均値dVAVEを算出する。これにより、V相磁極位置検出用のホールIC156Vの配置による誤差と、ロータコア132の表面に接着剤によって固定された10個のマグネット134(134A〜134J)の固定誤差を平均したホールIC156Vの補正量を得ることができる。
図12は、本実施例のEPSモータの磁極位置センサ基板156に配されるW相磁極位置検出用のホールIC156Wの出力信号波形と、正転方向に回転時のW相とU相との間の誘起電圧波形とを示す。
誘起電圧波形0点とホールIC156W出力波形の差分dW1〜dW10を求め、これらの平均値dWAVEを算出する。これにより、W相磁極位置検出用のホールIC156Wの配置による誤差と、ロータコア132の表面に接着剤によって固定された10個のマグネット134(134A〜134J)の固定誤差を平均したホールIC156Wの補正量を得ることができる。
そして、以上のように算出された各平均値dUAVE,dVAVE,dWAVEの平均値((dUAVE+dVAVE+dWAVE)/3)を算出することにより、磁極位置センサの補正情報θhを得ることができる。
次に、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhのによる誤差補正の効果について説明する。
図13,図14は、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhによる磁極位置センサの出力の補正有無の結果を示すものであって、EPSモータの回転数(横軸)に対するEPSモータの左右回転時の出力トルク(縦軸)の関係を示す。
補正情報θhによる補正が無い場合、EPSモータの回転数−トルク特性は、図13に示すように、高回転領域において左右出力トルク差が大きくなり、車両のステアリングホイール(steering wheel)を回転させた際、左に曲がるときの操舵フィーリングと右に曲がるときの操舵フィーリングの差異が非常に大きくなる。
補正情報θhによる補正が有る場合、EPSモータの回転数−トルク特性は、図14に示すように、高回転領域においても出力差を低減することが可能となる。これにより、車両のステアリングホイール(steering wheel)を回転させた際、左に曲がるときの操舵フィーリングと右に曲がるときの操舵フィーリングの差異を非常に少なくすることが可能となる。
本実施例によれば、ホールIC156U,156V,156Wの出力を補正情報θhによって制御的に補正するようにしたので、ホールIC156U,156V,156Wの取り付け位置の誤差、マグネット134の着磁ムラや固定誤差による、EPSモータ100の高回転領域における出力差を低減できる。しかも、本実施例によれば、予め記憶している補正情報θhを用いて補正するので、制御処理に大きな負担を与えることなく、補正処理を行える。
また、本実施例によれば、EPSモータ100に取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhが記憶された補正情報記憶体をEPSモータ100に備えたので、制御装置200に補正情報θhの設定が必要な時、例えばモータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前、補正情報記憶体に記憶された補正情報θhを制御装置200に読み込ませて制御装置200に記憶させることができる。従って、本実施例によれば、磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhを簡単に制御装置200に設定でき、EPSモータ100と制御装置200を別々のところで製作して出荷した場合でも、モータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前の補正値の設定が容易になり、その組み付けの作業性を向上させることができる。よって、本実施例によれば、電動パワーステアリング装置の生産性を向上できるEPSモータ100を提供できる。
さらに、本実施例によれば、通信ラインCANを介してバーコードリーダー310が接続されたライター320を制御装置200の信号コネクタ220Cに接続することによって、EPSモータ100から補正情報θhを読み込み記憶させることができる。これにより、本実施例によれば、EPSモータ100に取り付けられた磁極位置センサの出力を補正するための補正情報θhをEPSモータ100から簡単に取得して設定することができるので、EPSモータ100と制御装置200を別々のところで製作して出荷した場合でも、制御装置200に補正情報θhの設定が必要な時、例えばモータ駆動システムを電動パワーステアリング装置に組み付ける前における補正値の設定が容易になり、その組み付けの作業性を向上させることができる。従って、本実施例によれば、電動パワーステアリング装置の生産性を向上できる制御装置200を提供できる。
100…電動パワーステアリング装置用モータ(EPSモータ)、110…ステータ、130…ロータ、134…マグネット、156U,156V,156W…ホールIC、
199…バーコードラベル、200…制御装置、220C…信号コネクタ、221…トルク制御回路、222…位相推定回路、223…正弦波・余弦波発生器、224…2相−3相変換回路、225A,225B,225C…電流制御系、226…位相補正回路、
227…記憶素子、BA…バッテリ、TS…トルクセンサ。
199…バーコードラベル、200…制御装置、220C…信号コネクタ、221…トルク制御回路、222…位相推定回路、223…正弦波・余弦波発生器、224…2相−3相変換回路、225A,225B,225C…電流制御系、226…位相補正回路、
227…記憶素子、BA…バッテリ、TS…トルクセンサ。
Claims (12)
- 操舵用のトルクを出力する電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
複数の回転磁極と複数の固定磁極との磁気的作用により前記複数の回転磁極が回転して前記トルクを出力するモータ本体と、
前記回転磁極の位置を検出するための磁極位置センサと、
該磁極位置センサの出力から得られる磁極位置を補正するための補正情報が記憶された補正情報記憶手段とを有する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
前記補正情報記憶手段は、記憶された前記補正情報が読取装置によって読み取り可能なように構成された記憶媒体である
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
前記記憶媒体は、
記憶された前記補正情報を視覚情報として記録した視覚情報記録媒体であり、
前記モータ本体の外表面に貼り付けられている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
前記視覚情報記録媒体は、記憶された前記補正情報がバーコードリーダーによって読み取り可能なようにバーコードとして記録されたバーコードラベルである
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
前記補正情報記憶手段は、記憶された前記補正情報が読取装置によって読み込み可能なように構成された半導体記憶装置である
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
前記磁極位置センサは複数のセンサ部を備えており、
前記補正情報は、前記回転子の鉄心に固定される前記複数の磁石の固定誤差と前記センサ部の配置誤差とに基づく前記各センサ部の補正量の平均値である
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 請求項6に記載の電動パワーステアリング装置用モータにおいて、
前記センサ部の補正量は、前記センサ部の出力波形と前記固定子の誘起電圧波形のゼロ点との差分の平均値である
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ。 - 操舵用のトルクを出力する電動パワーステアリング装置に搭載され、
複数の回転磁極と複数の固定磁極との磁気的作用により前記複数の回転磁極が回転して操舵用のトルクを出力するモータ本体、モータ本体の回転磁極の位置を検出するための磁極位置センサ、及びこの磁極位置センサの出力から得られる磁極位置を補正するための補正情報を記憶した補正情報記憶手段を備えた操舵用モータの駆動を制御する制御装置において、
前記補正情報記憶手段に記憶された前記補正情報を入力するための入力端子と、
該入力端子から入力された前記補正情報を記憶するための入力情報記憶手段と、
複数の入力情報に基づいて前記操舵用モータの駆動を制御するための処理を行う処理手段とを有し、
前記処理手段は、前記入力情報の一つとして、前記入力情報記憶手段に記憶された前記補正情報を入力する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータの制御装置。 - 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置用モータの制御装置において、
前記処理手段には、前記入力情報の一つとして、前記磁極位置センサの出力が入力されており、
前記演算手段は、前記入力情報記憶手段から入力された前記補正情報に基づいて、前記磁極位置センサの出力から得られる磁極位置を補正する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータの制御装置。 - 操舵トルクを出力する電動パワーステアリング装置用モータ駆動システムにおいて、
操舵トルクを発生する操舵用モータと、
該操舵用モータの駆動を制御する制御装置とを有し、
前記操舵用モータは、
前記制御装置から電力の供給を受ける固定子と、
該固定子に空隙を介して回転可能に軸支されたものであって、複数の回転磁極を構成する複数の磁石を備えた回転子と、
前記回転磁極の磁極位置を検出するための信号を前記制御装置に出力する磁極位置センサと、
該磁極位置センサの出力から得られた磁極位置を補正するための補正情報を記憶した補正情報記憶手段とを備えており、
前記制御装置は、
前記補正情報記憶手段に記憶された前記補正情報を入力するための入力端子と、
該入力端子から入力された前記補正情報を記憶するための入力情報記憶手段と、
複数の入力情報に基づいて前記操舵用モータの駆動を制御するための処理を行う処理手段とを有し、
前記処理手段は、前記入力情報の一つとして、前記入力情報記憶手段に記憶された前記補正情報を入力する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ駆動システム。 - 請求項10に記載の電動パワーステアリング装置用モータ駆動システムにおいて、
前記処理手段には、前記入力情報の一つとして、前記磁極位置センサの出力が入力されており、
前記処理手段は、前記入力情報記憶手段から入力された前記補正情報に基づいて、前記磁極位置センサの出力から得られる磁極位置を補正する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置用モータ駆動システム。 - モータに設けられた磁極位置センサの複数のセンサ部の出力から、モータの駆動を制御するためのパラメータとして得られた回転磁極位置の補正に用いられる補正情報の算出方法において、
前記磁極位置センサの前記センサ部毎に、当該センサ部から出力された電圧波形と前記操舵用モータの誘起電圧波形とのゼロ点における複数の差分値を前記操舵用モータ1回転分求め、
前記磁極位置センサの前記センサ部毎に、当該センサ部の前記複数の差分値の平均を求めて当該センサ部の補正量を求め、
前記複数の補正量の平均を求めて前記補正情報を求める
ことを特徴とするモータの回転磁極位置の補正情報算出方法。
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-
2005
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