JP2011213139A - 電動パワーステアリング装置および電流検出装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置および電流検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オフセット補正値をより簡便に最適な値に更新することが可能な技術を提供する。
【解決手段】ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータ110と、電動モータ110へ実際に供給される実電流に応じた値を出力するモータ電流検出部33と、モータ電流検出部33からの出力値のオフセットを補正するオフセット補正値と温度との相関関係を記憶する相関関係記憶部と、相関関係記憶部に記憶された相関関係に基づいて算出したオフセット補正値を用いて、モータ電流検出部33からの出力値のオフセットを補正し実電流を算出するオフセット補正部34と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置および電流検出装置に関する。
近年、車両のステアリング系に備えられた電動モータの動力にてドライバの操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置において、電動モータの駆動電流を精度高く検出する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、以下のように構成されている。すなわち、操舵トルクと走行速度とを入力して操舵力補助用のブラシレスモータへの供給電流を指令する目標電流演算手段と、モータ電流を検出する電流検出手段と、目標電流演算手段の指令値と電流検出手段の検出値との偏差からブラシレスモータの供給電圧を設定する駆動制御手段と、目標電流演算手段の指令値により判断し、電流検出手段が検出する電流のオフセット値に対する補正値の学習指令するオフセット補正値学習判断手段と、オフセット補正値学習判断手段の指令により基準電圧を出力する基準電圧発生手段と、基準電圧印可時のモータ電流からオフセット補正値を学習記憶して電流検出手段のオフセット値を補正するオフセット補正手段とを備えている。
特開2002−29432号公報
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、電動モータに、ステアリングホイール操舵補助のための電圧とは異なる基準電圧を印加することで、オフセット補正値を学習するという、本来の操舵補助機能から外れた特別な処理を行っている。また、モータ電流を検出する部品として、特別に温度精度が高い部品を使用することで、オフセット誤差を抑制することも考えられる。
本発明は、これらの特別な対応をすることなく、オフセット補正値をより簡便に最適な値に更新することが可能な装置を提案することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、前記電動モータへ実際に供給される実電流に応じた値を出力する出力手段と、前記出力手段からの出力値のオフセットを補正するオフセット補正値と温度との相関関係を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された相関関係に基づいて算出した前記オフセット補正値を用いて、前記出力手段からの出力値のオフセットを補正し前記実電流を算出する実電流算出手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
ここで、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、前記電動モータと前記出力手段とを実際に接続した後に、当該電動モータに供給する基準電圧と当該出力手段からの出力値とに基づいて作成されているとよい。
また、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、−30℃から80℃における前記オフセット補正値が含まれているとよい。
また、前記出力手段は、電動モータに実際に供給される実電流を電圧信号として出力するシャント抵抗と、当該シャント抵抗からの出力値を増幅するオペアンプとを有するとよい。
また、前記電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、前記目標電流算出手段が算出した目標電流と前記実電流算出手段が算出した実電流とに基づいて前記電動モータに印加する目標電圧を算出する電圧算出手段と、前記電圧算出手段が算出した目標電圧を前記電動モータに印加して当該電動モータを駆動するモータ駆動手段と、をさらに備えるとよい。
他の観点から捉えると、本発明は、電動モータに実際に供給される実電流を検出する電流検出装置であって、前記電動モータへ実際に供給される実電流に応じた値を出力する出力手段と、前記出力手段からの出力値のオフセットを補正するオフセット補正値と温度との相関関係を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された相関関係に基づいて算出した前記オフセット補正値を用いて、前記出力手段からの出力値のオフセットを補正し前記実電流を算出する実電流算出手段と、を備えることを特徴とする電流検出装置である。
ここで、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、前記電動モータと前記出力手段とを実際に接続した後に、当該電動モータに供給する基準電圧と当該出力手段からの出力値とに基づいて作成されているとよい。
また、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、−30℃から80℃における前記オフセット補正値が含まれているとよい。
本発明によれば、オフセット補正値をより簡便に最適な値に更新することができる。これにより、本来の操舵補助機能から外れた特別な処理を行うことや、特別に温度精度が高い部品を使用することが不要となる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 電動パワーステアリング装置の制御装置の概略構成図である。 目標電流算出部の概略構成図である。 制御部の概略構成図である。 オフセット補正部の概略構成図である。 オフセット補正値と温度との相関関係を例示する図である。 データ作成部の概略構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバーを介して下部連結シャフト108と連結されている。ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいて、言い換えればトーションバーの捩れ量に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクTを検出する操舵トルク検出手段の一例としてのトルクセンサ109が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。
そして、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109の出力値、自動車の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値が入力される。また、制御装置10には、温度で抵抗値が変化する周知のサーミスタなどにより構成され、後述するモータ電流検出部33(図4参照)あるいはその周辺の温度を計測する温度センサ180の出力値が入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTをトルクセンサ109にて検出し、その検出トルクに応じて制御装置10が電動モータ110を駆動制御し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、制御装置10について説明する。
制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPU11と、CPU11にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM12と、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM13と、後述するオフセット値が記憶されるEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)14と、を備えている。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号v、温度センサ180にて検出された温度Teが出力信号に変換された信号などが入力される。
図2は、ステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、トルク信号Tdに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出手段の一例としての目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
次に、目標電流算出部20について詳述する。
図3は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23などからの出力に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25を備えている。さらに、目標電流算出部20は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部26を備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Tdと、車速信号vと、後述するモータ角速度算出部37が算出した角速度を基に算出された電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsとが入力される。
なお、制御装置10には、車速センサ170、トルクセンサ109などからの信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、目標電流算出部20に取り込んでいる。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流を算出し、このベース電流の情報を含むベース電流信号Imbを出力する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、トルク信号Tsおよび車速信号vとベース電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tsおよび車速信号vを代入することによりベース電流を算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tdと車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、トルク信号Tdおよび車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tdおよび車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、トルク信号Td、車速信号vおよび回転速度信号Nmsと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tdと車速信号vと回転速度信号Nmsとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
目標電流決定部25は、ベース電流算出部21から出力されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部22から出力されたイナーシャ補償電流信号Isおよびダンパー補償電流算出部23から出力されたダンパー補償電流信号Idに基づいて、d−q座標系のq軸目標電流Iqcを算出するq軸目標電流算出部251を有している。また、目標電流決定部25は、q軸目標電流算出部251が算出したq軸目標電流Iqcと、電動モータ110の角速度とに基づいてd−q座標系のd軸目標電流Idcを算出する界磁電流算出部252を有している。q軸目標電流算出部251は、例えば、ベース電流に、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、補償電流とq軸目標電流Iqcとの対応を示すマップに代入することにより、q軸目標電流Iqcを算出する。
そして、目標電流決定部25は、q軸目標電流算出部251が算出したq軸目標電流Iqcの情報を含む信号と、界磁電流算出部252が算出したd軸目標電流Idcの情報を含む信号と、を制御部30へ出力する。
次に、制御部30について詳述する。
図4は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動手段の一例としてのモータ駆動部32と、を有している。また、制御部30は、電動モータ110に実際に流れる実電流に応じた値を出力するモータ電流検出部33と、このモータ電流検出部33によって検出された電流のオフセットを補正するオフセット補正部34と、オフセット補正部34にて補正された3相交流電流をd−q座標系の電流に変換する3相2軸変換部35と、を有している。また、制御部30は、電動モータ110の回転角度(以下、「モータ角度θ」と称する場合もある。)を算出するモータ角度算出部36と、モータ角度算出部36で算出されたモータ角度θに基づいて電動モータ110の角速度(以下、「モータ角速度」と称する場合もある。)を算出するモータ角速度算出部37と、を有している。
モータ駆動制御部31、モータ駆動部32およびオフセット補正部34は、後で詳述する。
モータ電流検出部33は、電動モータ110のU相に実際に流れる電流であるU相実電流を検出するためのU相電流検出部と、電動モータ110のW相に実際に流れる電流であるW相実電流を検出するためのW相電流検出部と、を有している。U相電流検出部およびW相電流検出部は、それぞれ電動モータ110のU相、W相に接続されたいわゆるシャント抵抗の両端に生じる電圧から、各相に流れるモータ電流を電圧信号として検出し、検出した電圧信号を、周知のオペアンプにて増幅して出力する回路である。このように、モータ電流検出部33は、電動モータ110へ実際に供給される実電流に応じた値を出力する出力手段の一例である。
3相2軸変換部35には、モータ電流検出部33にて検出されたU相検出電流Iua,W相検出電流Iwaがオフセット補正部34にて補正されたU相補正電流Iua´,W相補正電流Iwa´、およびモータ角度算出部36にて算出されたモータ角度θが入力される。そして、3相2軸変換部35は、下記式(1)および式(2)に従って、U相補正電流Iua´,W相補正電流Iwa´をd−q座標系の値であるd軸検出電流Idaとq軸検出電流Iqaとに変換し、変換したd軸検出電流Ida,q軸検出電流Iqaを出力する。d−q座標系は、電動モータ110のロータ(永久磁石)と同期して回転するd軸およびq軸からなる回転直交座標系であり、d軸は、ロータが形成する磁束の方向に沿った軸であり、q軸は、モータMが発生するトルクの方向に沿った軸である。
モータ角度算出部36は、電動モータ110に設けられたレゾルバの出力信号に基づいてモータ角度θを算出する。このモータ角度θは、電動モータ110のU相電機子巻線の位置を基準とするロータ(界磁)の角度である。モータ角速度算出部37は、モータ角度算出部36で算出されたモータ角度θに基づいてモータ角速度を算出する。
次に、モータ駆動制御部31およびモータ駆動部32について詳述する。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20の目標電流決定部25にて算出されたd軸目標電流Idcから、3相2軸変換部35にて算出されたd軸検出電流Idaを減算するd軸減算部41dと、目標電流決定部25にて算出されたq軸目標電流Iqcから、3相2軸変換部35にて算出されたq軸検出電流Iqaを減算するq軸減算部41qとを有している。
また、モータ駆動制御部31は、d軸減算部41dにて算出された偏差(Idc−Ida)に基づいてd軸目標電流Idcとd軸検出電流Idaとが一致するようにPI(比例積分)制御を行い、d軸目標電圧Vdcを算出するd軸PI制御部42dと、q軸減算部41qにて算出された偏差(Iqc−Iqa)に基づいてq軸目標電流Iqcとq軸検出電流Iqaとが一致するようにPI(比例積分)制御を行い、q軸目標電圧Vqcを算出するq軸PI制御部42qと、を有している。
また、モータ駆動制御部31は、d軸PI制御部42dおよびq軸PI制御部42qにて算出されたd軸目標電圧Vdc,q軸目標電圧Vqcを、3相交流座標系のU相目標電圧VucとW相目標電圧Vwcとに変換する2軸3相変換部51と、2軸3相変換部51にて変換されたU相目標電圧VucとW相目標電圧VwcとからV相目標電圧Vvcを算出するV相目標電圧算出部52とを有している。2軸3相変換部51は、下記式(3),式(4)に従って、U相目標電圧Vuc、W相目標電圧Vwcに変換する。V相目標電圧算出部52は、零からU相目標電圧VucおよびW相目標電圧Vwcを減算することによりV相目標電圧Vvcを算出する(Vvc=−(Vuc+Vwc))。

このように、d軸PI制御部42d、q軸PI制御部42q、2軸3相変換部51およびV相目標電圧算出部52が、目標電流算出部20が算出した目標電流と補正電流算出部343が算出した実電流とに基づいて電動モータ110に印加する目標電圧を算出する電圧算出手段として機能する。
さらに、モータ駆動制御部31は、2軸3相変換部51およびV相目標電圧算出部52にて算出されたU相目標電圧Vuc,V相目標電圧Vvc,W相目標電圧Vwcに基づいて電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成し、生成したPWM信号を出力するPWM信号生成部60を有している。
次に、モータ駆動部32について詳述する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
次に、オフセット補正部34について詳述する。
図5は、オフセット補正部34の概略構成図である。
オフセット補正部34は、図5に示すように、モータ電流検出部33からの電流検出値に基づくオフセット補正値(以下では、U相検出電流Iuaに対するオフセット補正値をIuo、W相検出電流Iwaに対するオフセット補正値をIwoとする。)を算出する補正値算出部341と、補正値算出部341が算出したオフセット補正値Iuo,Iwoを記憶する補正値記憶部342とを備えている。また、オフセット補正部34は、補正値記憶部342に記憶されたオフセット補正値Iuo,Iwoを用いてモータ電流検出部33からの出力値のオフセット値を補正することによりU相補正電流Iua´,W相補正電流Iwa´を算出する補正電流算出部343を備えている。
補正値算出部341は、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度との相関関係が、マップデータとして記憶された相関関係記憶部341aと、相関関係記憶部341aに記憶されたマップデータと、温度センサ180にて検出された温度Teとに基づいてオフセット補正値Iuo,Iwoを算出する算出部341bとを備えている。
図6は、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度Teとの相関関係を例示する図である。相関関係記憶部341aは、ROM12の一部の領域により構成される。
算出部341bは、定期的に、例えば10ms毎に、モータ電流検出部33(図4参照)あるいはその周辺の温度Teを計測する温度センサ180(図1参照)からの出力値を基に、モータ電流検出部33のU相電流検出部のオペアンプの周辺の温度Teを把握する。その後、算出部341bは、相関関係記憶部341aに予め記憶された、オフセット補正値Iuoと温度Teとの相関関係についてのマップデータに基づいて、把握した温度Teにおけるオフセット補正値Iuoを算出する。そして、算出部341bは、オフセット補正値Iuoを、補正値記憶部342に記憶して、オフセット補正値Iuoを定期的に更新する。また、同様に、算出部341bは、相関関係記憶部341aに予め記憶された、オフセット補正値Iwoと温度Teとの相関関係についてのマップデータに基づいて、把握した温度Teにおけるオフセット補正値Iwoを算出する。そして、算出部341bは、オフセット補正値Iwoを、補正値記憶部342に記憶して、オフセット補正値Iwoを定期的に更新する。
補正値記憶部342は、算出部341bが算出したオフセット補正値Iuo,Iwoを記憶するものであり、上述したEEPROM14の一部の領域を用いて構成される。なお、制御装置10がフラッシュメモリを有している場合には、このフラッシュメモリの一部の領域を用いて構成されていてもよい。
補正電流算出部343は、補正値記憶部342に記憶されたオフセット補正値Iuo,Iwoを取得するとともに、モータ電流検出部33からの出力値からオフセット補正値Iuo,Iwoを減じた値に、予め定められた係数を乗じることにより、U相補正電流Iua´,W相補正電流Iwa´を算出する。このように、補正電流算出部343は、モータ電流検出部33からの出力値のオフセットをオフセット補正値Iuo,Iwoを用いて補正し実電流を算出する実電流算出手段の一例である。
そして、オフセット補正部34が算出したU相補正電流Iua´,W相補正電流Iwa´が、電動モータ110のU相およびW相に実際に流れるU相実電流,W相実電流を検出した値となる。
次に、相関関係記憶部341aに記憶された、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度Teとの相関関係についてのマップデータについて説明する。
モータ駆動制御部31は、図4に示すように、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度Teとの相関関係についてのマップデータを作成するデータ作成部65と、電動モータ110の3相に予め設定された基準電圧を供給するためのPWM信号を出力する基準電圧信号発生部66と、モータ駆動部32に与えるための信号としてPWM信号生成部60からの出力と基準電圧信号発生部66からの出力とのいずれかを選択する選択部67と、を備えている。
図7は、データ作成部65の概略構成図である。
データ作成部65は、制御装置10に備えられたインターフェイスを介して外部からコマンドを取得した場合に、基準電圧信号発生部66に上述した基準電圧を供給するためのPWM信号を出力させるコマンドを出力するとともに、選択部67に基準電圧信号発生部66からの出力をモータ駆動部32に与えるよう選択させるコマンドを出力する信号発生部651を有している。
また、データ作成部65は、モータ電流検出部33のU相電流検出部,W相電流検出部からの出力値と温度センサ180から温度Teについての出力値とを取得し、U相電流検出部,W相電流検出部からの出力値と電動モータ110に供給された基準電圧とに基づいてオフセット補正値Iuo,Iwoを算出するとともに、算出したオフセット補正値Iuo,Iwoを温度Teと関連付けて記憶する計測部652を有している。また、データ作成部65は、計測部652が関連付けた、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度Teとを記憶するベースデータ記憶部653を有している。ベースデータ記憶部653は、EEPROM14の一部の領域を用いて構成される。
さらに、データ作成部65は、制御装置10に備えられたインターフェイスを介して外部からコマンドを取得した場合に、ベースデータ記憶部653に記憶された、複数の異なる温度Teとこれらの温度Teに関連付けられたオフセット補正値Iuo,Iwoとから、図6に示すような、温度Teとオフセット補正値Iuo,Iwoとの相関関係を示す近似カーブを算出し、この近似カーブのマップデータを作成する作成部654を有している。作成部654は、作成したマップデータを相関関係記憶部341aに記憶する。
以上のように構成されたデータ作成部65において、相関関係記憶部341aに記憶された、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度Teとの相関関係についてのマップデータは、例えば、ステアリング装置100を車両に組み込んだ後、あるいは、ピニオンシャフト106,下部連結シャフト108,電動モータ110などをステアリングギアボックス107に組み付けるとともに制御装置10に接続した後に作成されていることが好ましい。
例えば、作業者が、完成検査時に、室内温度を−30℃にした状態で、データ作成部65の信号発生部651に対して、この温度Teにおけるオフセット補正値Iuo,Iwoを算出するようにコマンドを送る。これにより、信号発生部651は、基準電圧信号発生部66に、上述した基準電圧を供給するためのPWM信号を出力させるとともに、選択部67に基準電圧信号発生部66からの出力をモータ駆動部32に与えるよう選択させる。そして、計測部652は、このときのU相電流検出部,W相電流検出部からの出力値を取得し、これらの出力値と電動モータ110に供給された基準電圧とに基づいてオフセット補正値Iuo,Iwoを算出し、−30℃におけるオフセット補正値Iuo,Iwoをベースデータ記憶部653に記憶する。
続いて、作業者が、室内温度を80℃にした状態で、データ作成部65の信号発生部651に対して、この温度Teにおけるオフセット補正値Iuo,Iwoを算出するようにコマンドを送る。これにより、信号発生部651は、基準電圧信号発生部66に、上述した基準電圧を供給するためのPWM信号を出力させるとともに、選択部67に基準電圧信号発生部66からの出力をモータ駆動部32に与えるよう選択させる。そして、計測部652は、このときのU相電流検出部,W相電流検出部からの出力値を取得し、これらの出力値と電動モータ110に供給された基準電圧とに基づいてオフセット補正値Iuo,Iwoを算出し、80℃におけるオフセット補正値Iuo,Iwoをベースデータ記憶部653に記憶する。
続いて、作業者が、室内温度を常温(例えば、20℃)にした状態で、データ作成部65の信号発生部651に対して、この温度Teにおけるオフセット補正値Iuo,Iwoを算出するようにコマンドを送る。これにより、信号発生部651は、基準電圧信号発生部66に、上述した基準電圧を供給するためのPWM信号を出力させるとともに、選択部67に基準電圧信号発生部66からの出力をモータ駆動部32に与えるよう選択させる。そして、計測部652は、このときのU相電流検出部,W相電流検出部からの出力値を取得し、これらの出力値と電動モータ110に供給された基準電圧とに基づいてオフセット補正値Iuo,Iwoを算出し、常温(例えば、20℃)におけるオフセット補正値Iuo,Iwoをベースデータ記憶部653に記憶する。
そして、作業者が、データ作成部65の作成部654に対して、マップデータを作成する旨のコマンドを送る。これにより、作成部654は、ベースデータ記憶部653に記憶された、−30℃,80℃,20℃におけるオフセット補正値Iuo,Iwoに基づいて、温度Teとオフセット補正値Iuo,Iwoとの相関関係を示す近似カーブを算出し、この近似カーブのマップデータを作成する。そして、作成部654は、作成したマップデータをオフセット補正部34の相関関係記憶部341aに記憶する。
以上のことにより、オフセット補正部34の相関関係記憶部341aには、モータ電流検出部33のU相電流検出部,W相電流検出部を構成する部品に応じた、オフセット補正値Iuo,Iwoと温度Teとの相関関係を示すマップデータが記憶される。そして、オフセット補正部34の算出部341bが、このマップデータに基づいて、定期的にその時点におけるオフセット補正値Iuo,Iwoを算出し、更新する。そして、オフセット補正部34の補正電流算出部343が、更新されたオフセット補正値Iuo,Iwoに基づいてU相補正電流Iua´,W相補正電流Iwa´を算出する。これにより、オフセット補正部34は、このステアリング装置100が置かれた温度如何に関わらず、電動モータ110に実際に流れる電流を精度高く検出することが可能となる。したがって、モータ電流検出部33の構成部品として、高価なオペアンプなどを備える必要がなくなる。また、例えば、ステアリングホイール101の操作を補助するための電動モータ110の駆動を強制的に停止して、オフセット補正値Iuo,Iwoを補正するための電圧を電動モータ110に供給することにより、オフセット補正値Iuo,Iwoを学習するなどの学習処理が不要となる。
10…制御装置、20…目標電流算出部、30…制御部、31…モータ駆動制御部、32…モータ駆動部、33…モータ電流検出部、34…オフセット補正部、65…データ作成部、66…基準電圧信号発生部、67…選択部、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、110…電動モータ

Claims (8)

  1. ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、
    前記電動モータへ実際に供給される実電流に応じた値を出力する出力手段と、
    前記出力手段からの出力値のオフセットを補正するオフセット補正値と温度との相関関係を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された相関関係に基づいて算出した前記オフセット補正値を用いて、前記出力手段からの出力値のオフセットを補正し前記実電流を算出する実電流算出手段と、
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、前記電動モータと前記出力手段とを実際に接続した後に、当該電動モータに供給する基準電圧と当該出力手段からの出力値とに基づいて作成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、−30℃から80℃における前記オフセット補正値が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記出力手段は、電動モータに実際に供給される実電流を電圧信号として出力するシャント抵抗と、当該シャント抵抗からの出力値を増幅するオペアンプとを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、
    前記目標電流算出手段が算出した目標電流と前記実電流算出手段が算出した実電流とに基づいて前記電動モータに印加する目標電圧を算出する電圧算出手段と、
    前記電圧算出手段が算出した目標電圧を前記電動モータに印加して当該電動モータを駆動するモータ駆動手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 電動モータに実際に供給される実電流を検出する電流検出装置であって、
    前記電動モータへ実際に供給される実電流に応じた値を出力する出力手段と、
    前記出力手段からの出力値のオフセットを補正するオフセット補正値と温度との相関関係を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された相関関係に基づいて算出した前記オフセット補正値を用いて、前記出力手段からの出力値のオフセットを補正し前記実電流を算出する実電流算出手段と、
    を備えることを特徴とする電流検出装置。
  7. 前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、前記電動モータと前記出力手段とを実際に接続した後に、当該電動モータに供給する基準電圧と当該出力手段からの出力値とに基づいて作成されていることを特徴とする請求項6に記載の電流検出装置。
  8. 前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、−30℃から80℃における前記オフセット補正値が含まれていることを特徴とする請求項6または7に記載の電流検出装置。
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