JP6417954B2 - 自動運転装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動運転装置に関する。
従来、運転者によるステアリングホイールの操作を必要なしに自動的に操舵機構を操舵することで、車両の自動運転を可能にする自動運転装置がある。自動運転装置では、自動的に操舵機構を操舵するために、目標とするステアリングホイールの操舵角とステアリングホイールの実際の操舵角との偏差を解消するようにフィードバックする位置制御が行われるなかで、操舵機構を操舵するトルクの発生源たるモータに供給する電流が制御されている。
そして、自動運転装置における車両の自動運転中には、ステアリングホイールに意図しない振動を生じることもあり、こうした意図しない振動を抑制することができるようにしたものもある(例えば、特許文献1)。特許文献1では、上記位置制御が行われるなかで、上記偏差に意図しない振動成分を加味した上でモータに供給する電流を制御することとしている。
特開2003−237607号公報
ところで、特許文献1では、上記偏差に振動成分を加味することとしているが、こうした振動成分が、例えば、直進時に轍や路面の石等により急な衝撃に起因するとき、目標とする操舵角を定め難いことから上記位置制御だと応答が追い付かず、却って振動を発生させる要因となりうる。もっとも、上記位置制御におけるゲインを高めることでその応答を早くしたとしても、オーバーシュートの発生が多くなって振動を抑制するどころか振動を発生させる要因となりうる。したがって、自動運転に関わる制御が不安定になる懸念があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動運転に関わる制御が不安定になることを抑制することができる自動運転装置を提供することにある。
上記課題を解決する自動運転装置は、所定周期毎に入力される指令状態量に基づいて、操舵機構のモータの状態量制御を行う第1の制御手段、及び車両の状態判定条件に応じて前記状態量制御を選択する第2の制御手段を備える。また、第1の制御手段は、モータを含む操舵機構のアクチュエータの位置制御部、速度制御部、及び電流制御部から構成される第1の構成手段と、操舵機構のアクチュエータの速度制御部、及び電流制御部から構成される第2の構成手段と、操舵機構のアクチュエータの電流制御部から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有する。また、第2の制御手段は、車両の状態判定条件に応じて、状態量制御として第1の構成手段、第2の構成手段、又は第3の構成手段を選択するとともに、所定周期毎に入力される指令状態量を生成する。またさらに、自動運転装置は、操舵機構に生じる振動を検出する振動検出センサを更に備える。そして、第2の制御手段は、状態量制御として第1の構成手段の選択中における指令状態量の変化幅が所定範囲内であってさらに振動検出センサが車両の外部からの振動を検知するとき、一時的に位置制御部を切り離すべく状態量制御を前記第3の構成手段に切り替える。
一般に、自動運転装置における位置制御部では比例制御(所謂、P制御)が行われるとともに、電流制御部では比例制御にさらに積分制御(動作)や微分制御(動作)を加えた制御(所謂、PID制御)が行われる。すなわちこの場合、電流制御部では、位置制御部よりも応答が早いということが言える。
そして、上記構成のように、操舵機構への車両の外部からの振動が検出されるなかでモータの状態量制御が位置制御部を切り離した状態での電流制御部によって行われるとき、それまでの位置制御部を通じた状態量制御よりも応答が早い状態量制御が行われることとなる。すなわちこの場合、例えば、操舵機構への振動として、直進時に轍や路面の石等により急な衝撃に起因した振動が生じているとき、制御自体が振動を発生させる要因になることなく状態量制御を行うことができる。
もっとも、一時的でも位置制御部を切り離してしまうとき、指令状態量に基づく状態量制御ができないこととなる。その点、上記構成によれば、一時的に位置制御部が切り離されるのは、指令状態量の変化幅が所定範囲内であって、指令状態量に基づく状態量制御の必要性が比較的に低い場面であることとしている。すなわちこの場合、指令状態量に基づく状態量制御ができないにもかかわらず、車両の自動運転への影響を最小限に止めることができる。
したがって、上記のように構成された自動運転装置では、自動運転に関わる制御が不安定になることを抑制することができる。
また、上記自動運転装置において、第1の制御手段は、第3の構成手段の選択中における電流制御部を、前記振動検出センサが検知する車両の外部からの振動を抑制する振動抑制制御を行う振動抑制部に接続することが好ましい。
上記構成によれば、振動検出センサで車両の外部からの振動が検出されるとき、こうした振動の抑制が積極的に行われることとなる。すなわち、位置制御部による状態量制御が行われる場合よりも応答が早いなかで、振動検出センサで検出される車両の外部からの振動を好適に抑制することができる。
またさらに、上述したように、一時的に位置制御部が切り離されることとなる指令状態量の変化幅が所定範囲内のとき、操舵角の変化が少なく操舵による振動が比較的に少ないこととなる。すなわちこの場合、操舵角が連続的に変化される操舵の最中であることから操舵による振動が比較的に多いときよりも、振動検出センサで検出される振動を車両の外部からの振動として検出され易くすることができる。したがって、振動検出センサで検出される車両の外部からの振動を好適に抑制することができる。
このように振動を抑える方法として具体的には、振動抑制部は、振動検出センサが検知する振動の成分を分析する振動分析部と、振動分析部の分析結果に基づき振動検出センサが検知する振動に対して逆相のトルクをモータに発生させるための指令状態量を電流制御部に出力する指令状態量出力部と、を有することが好ましい。
本発明によれば、自動運転に関わる制御が不安定になることを抑制することができる。
自動運転装置の概略を示す図。 自動運転装置における自動運転ECUの制御構成を示すブロック図。 自動運転装置におけるEPSECUの制御構成を示すブロック図。 自動運転用マイコンの処理手順を示すフローチャート。 電流制御2の制御系を示す図。
以下、電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)を備えた自動運転装置の一実施形態を説明する。
図1に示すように、車両には、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)を有する自動運転装置1が搭載される。EPSは、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪を転舵させる操舵機構7、運転者のステアリング操作を補助する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ20、及びEPSアクチュエータ20の作動を制御するEPSECU28を備える。
操舵機構7は、運転者により操作されるステアリングホイール2、及びステアリングホイール2と一体回転するステアリングシャフト3を備える。ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2の中心に連結されたコラムシャフト8、コラムシャフト8の下端部に連結されたインターミディエイトシャフト9、及びインターミディエイトシャフト9の下端部に連結されたピニオンシャフト10からなる。ピニオンシャフト10の下端部は、ピニオンシャフト10に交わる方向へ延びるラック軸5(正確にはラック歯が形成された部分4)に噛合される。したがって、ステアリングシャフト3の回転運動は、ピニオンシャフト10及びラック軸5からなるラックアンドピニオン機構6によりラック軸5の往復直線運動に変換される。こうした往復直線運動が、ラック軸5の両端にそれぞれ連結されたタイロッド11を介して左右の転舵輪12,12にそれぞれ伝達されることにより、これら転舵輪12,12の転舵角が変更される。
EPSアクチュエータ20は、コラム型のEPSアクチュエータであり、アシスト力の発生源であるモータ21を備える。モータ21としては、ブラシレスモータなどが採用される。モータ21は、減速機構22を介してコラムシャフト8に連結される。減速機構22は、モータ21の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト8に伝達する。すなわち、ステアリングシャフト3にモータ21のトルクがアシスト力(操舵補助力)として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
また、本実施形態の自動運転装置1は、所定周期毎に生成する指令状態量としての自動運転指令操舵角度データθs*に基づいて操舵機構7のモータ21の状態量制御、すなわちモータ回転角制御を行う。自動運転装置1は、自動運転指令操舵角度データθs*を車内ネットワーク90(CAN)を介して、EPSECU28に所定周期毎に送信する上位コントローラである自動運転ECU29を備える。
EPSECU28及び自動運転ECU29は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果を運転者の要求あるいは走行状態を示す情報として取得し、これら取得される各種の情報に応じて上記モータ回転角制御を行う。すなわち、EPSECU28には、回転角センサ23、及び操舵角センサ26が接続される。また、自動運転ECU29には、カーナビ等のGPS24、車速センサ25、及び振動検出センサとしてのヨーレートセンサ27が接続される。
回転角センサ23は、モータ21に設けられてモータ21の実モータ回転角θrを検出する。GPS24は、車両の上位位置情報θconを検出する。車速センサ25は、車速(車両の走行速度)SPを検出する。操舵角センサ26は、磁気式の回転角センサであってコラムシャフト8に設けられて操舵角θsを検出する。ヨーレートセンサ27は、車両の重心点を通る鉛直軸回りの回転角速度、すなわちヨーレートYRを検出する。
次に、自動運転装置1における電気的構成について、詳しく説明する。
図2に示すように、自動運転ECU29は、GPS24で検出される上位位置情報θcon、車速センサ25で検出される車速SP、操舵角センサ26で検出される操舵角θs、及びヨーレートセンサ27で検出されるヨーレートYRをそれぞれ入力とする。なお、その他、自動運転ECU29は、自動運転モード切替判定部33(速度制御+電流制御)の有効無効を判定する判定信号(速度制御)や、自動運転モード切替判定部34(電流制御1)の有効無効を判定する判定信号(電流制御)も入力とする。
そして、自動運転ECU29は、上記各種入力に基づき指令状態量である自動運転指令操舵角度データθs*、自動運転指令操舵速度データωs1*、自動運転指令モータ電流データIr1*、及び自動運転指令モータ電流データIr2*を車内ネットワーク90(CAN)を介して、EPSECU28に送信する。またさらに、自動運転ECU29は、自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御)、自動運転モード切替フラグFLG2(電流制御1)、及び自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)を車内ネットワーク90(CAN)を介して、EPSECU28に送信する。
ここで、自動運転ECU29の各機能について、詳しく説明する。
自動運転ECU29は、マイクロプロセッシングユニット等からなる第2の制御手段としての自動運転用マイコン30を備える。自動運転用マイコン30は、車速SP及び上位位置情報θconに基づき最適な自動運転指令操舵角度データθs*を生成する自動運転指令操舵角度データθs*生成部31を有する。
なお、自動運転用マイコン30は、判定信号(速度制御)に基づき自動運転車両異常フラグFLGAB1のON及びOFFを切り替えることで、自動運転指令操舵角度データθs*生成部31の機能の停止(FLGAB1=ON)及び継続(FLGAB1=OFF)を切り替える自動運転モード切替判定部33(速度制御+電流制御)を有する。これにより、状態判定条件である車両における異常が想定される自動運転車両異常に陥ったとき、自動運転車両異常フラグFLGAB1をONして、一時的に位置制御部51(後述する比例制御)を切り離す。
すなわちこの場合、自動運転用マイコン30は、自動運転モード切替フラグFLG1を自動運転モード切替指令部35(速度制御+電流制御)からEPSECU28へ出力するとともに、最適な自動運転指令操舵速度データωs1*を自動運転指令操舵速度データωs1*生成部36で生成する。またさらに、自動運転用マイコン30は、自動運転指令操舵速度データωs1*生成部36で生成した自動運転指令操舵速度データωs1*を自動運転指令操舵速度データωs1*出力部37を介して、EPSECU28へ出力する。これにより、モータ回転角制御の制御系として、後述する速度制御部53及び電流制御部55がアクティブとなる速度制御の制御系(第2の構成手段)が選択され、これによる速い制御周期(後述する比例制御+積分制御+微分制御)によって指令値(指令状態量)に対して、モータ回転角制御が早く追従できるようになる。
また、自動運転用マイコン30は、判定信号(電流制御)に基づき操舵角度偏差値異常フラグFLGAB2のON及びOFFを切り替えることで、自動運転指令操舵角度データθs*生成部31の機能の停止(FLGAB2=ON)及び継続(FLGAB2=OFF)を切り替える自動運転モード切替判定部34(電流制御1)を有する。これにより、状態判定条件である路面状態における異常が想定される操舵角度偏差値異常に陥ったとき、操舵角度偏差値異常フラグFLGAB2をONして、一時的に位置制御部51(後述する比例制御)を切り離す。
すなわちこの場合、自動運転用マイコン30は、自動運転モード切替フラグFLG2を自動運転モード切替指令部38(電流制御1)からEPSECU28へ出力するとともに、最適な自動運転指令モータ電流データIr1*を自動運転指令モータ電流データIr1*生成部39で生成する。またさらに、自動運転用マイコン30は、自動運転指令モータ電流データIr1*生成部39で生成した自動運転指令モータ電流データIr1*を自動運転指令モータ電流データIr1*出力部40を介して、EPSECU28へ出力する。これにより、モータ回転角制御の制御系として、後述する電流制御部55のみがアクティブとなる電流制御1の制御系(第3の構成手段)が選択され、これによるより速い制御周期(後述する比例制御+積分制御+微分制御)によって指令値(指令状態量)に対して、モータ回転角制御が早く追従できるようになる。
一方、自動運転用マイコン30は、自動運転指令操舵角度データθs*生成部31において、車速SP及び上位位置情報θconの入力後、自動運転車両異常フラグFLGAB1がOFF且つ操舵角度偏差値異常フラグFLGAB2がOFFの場合、車両及び路面状態を正常と判断して、所定周期毎に自動運転指令操舵角度データθs*を生成する。すなわちこの場合、モータ回転角制御の制御系として、後述する位置制御部51、速度制御部53、及び電流制御部55がアクティブとなる位置制御の制御系(第1の構成手段)が選択される。またさらに、自動運転用マイコン30は、生成した自動運転指令操舵角度データθs*を、自動運転指令操舵角度データθs*出力部32を介して、EPSECU28へ出力する。なお、自動運転指令操舵角度データθs*は、自動運転指令操舵角度データθs*出力部32を介して、自動運転指令操舵速度データωs1*生成部36や自動運転指令モータ電流データIr1*生成部39、またさらに後述する振動判定部41aに対しても出力される。
また、自動運転用マイコン30は、車両の走行状態及び車両外部からの振動状態に基づき振動抑制フラグFLGAB3のON及びOFFを切り替えることで、自動運転指令操舵角度データθs*生成部31の機能の停止(FLGAB3=ON)及び継続(FLGAB3=OFF)を切り替える自動運転モード切替判定部41(電流制御2)を有する。自動運転モード切替判定部41(電流制御2)は、操舵機構7(ステアリングシャフト3)への振動の発生を判定する振動判定部41aを有する。
こうした車両の走行状態としては、車両の直進状態が操舵角θsと、自動運転指令操舵角度データθs*の直近指令値(θs(n)*)及びそれのさらに直近指令値(θs(n−1)*)に基づく指令偏差値Δθs*とから特定される。またこうした振動状態としては、轍や路面の石等により急な衝撃に起因した車両外部からの操舵機構7への振動の発生がヨーレートYRから特定される。
なお、こうした振動抑制フラグFLGAB3のON及びOFFの切り替えは、位置制御部51が切り離されていない場合、すなわち自動運転車両異常フラグFLGAB1がOFF、且つ、操舵角度偏差値異常フラグFLGAB2がOFFの場合に行われる。
自動運転用マイコン30は、状態判定条件である車両が直進状態且つ操舵機構7への振動の発生を判断する場合、振動抑制フラグFLGAB3をONして、一時的に位置制御部51(後述する比例制御)を切り離す。
すなわちこの場合、自動運転用マイコン30は、自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)を自動運転モード切替指令部42(電流制御2)からEPSECU28へ出力するとともに、最適な自動運転指令モータ電流データIr2*を振動抑制制御部46(振動抑制部)で生成し、EPSECU28へ出力する。そして、モータ回転角制御の制御系として、後述する電流制御部55のみがアクティブとなる電流制御2の制御系(第3の構成手段)が選択され、これによるより速い制御周期(後述する比例制御+積分制御+微分制御)によって指令値(指令状態量)に対して、モータ回転角制御が早く追従できるようになる。
振動抑制制御部46は、振動判定部41aでの判断に用いられるヨーレートYRに基づき振動の位相等を分析する振動分析部43を有する。また、振動抑制制御部46は、振動分析部43での分析の結果に応じて、発生している振動を打ち消しうるトルクをモータ21に発生可能にする自動運転指令モータ電流データIr2*を生成する自動運転指令モータ電流データIr2*生成部44を有する。こうした自動運転指令モータ電流データIr2*として、自動運転指令モータ電流データIr2*生成部44は、振動分析部43で分析された振動に対して、逆相となるトルクを発生させるためのデータを生成することとなる。なお、振動抑制制御部46は、振動抑制フラグFLGAB3がONされているとき、自動運転指令モータ電流データIr2*を生成する。
また、振動抑制制御部46は、自動運転指令モータ電流データIr2*生成部44で生成した自動運転指令モータ電流データIr2*をEPSECU28へ出力する指令状態量出力部としての自動運転指令モータ電流データIr2*出力部45を有する。
一方、自動運転用マイコン30は、車両が直進状態且つ操舵機構7への振動の発生を判断しない場合、振動抑制フラグFLGAB3をONしないで、それまでの自動運転を継続する。
また、図3に示すように、EPSECU28は、自動運転ECU29よりCAN90を介して送信されてくる、指令状態量である自動運転指令操舵角度データθs*、自動運転指令操舵速度データωs1*、自動運転指令モータ電流データIr1*、及び自動運転指令モータ電流データIr2*をそれぞれ入力する。そして、EPSECU28は、モータ21を回転させるモータ回転制御指令を生成し、モータ21に出力する。またさらに、EPSECU28は、CAN90を介して送信されてくる、各自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御),FLG2(電流制御1),FLG3(電流制御2)をそれぞれ入力する。そして、EPSECU28は、各自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御),FLG2(電流制御1),FLG3(電流制御2)に応じてその時にアクティブにされる制御部による制御系にてモータ回転角制御を制御する。
次に、EPSECU28の各機能について、詳しく説明する。
EPSECU28は、マイクロプロセッシングユニット等からなる第1の制御手段としてのEPS用マイコン50と、PWM信号に基づきモータ21へ駆動電力を供給するように駆動するインバータ回路等の駆動回路部57と、モータ21の実モータ電流Irを検出する電流センサ61とを有する。
EPS用マイコン50は、自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御)、自動運転モード切替フラグFLG2(電流制御1)、及び自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)の入力に応じた制御系を構成する、位置制御部51、速度制御部53、及び電流制御部55と、各制御系を通じて生成されたモータ回転制御指令をPWM信号として出力するPWM出力部56とを有する。
また、EPS用マイコン50は、自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御)を入力(ON)するとき、位置制御部51の切り離し、速度制御部53及び電流制御部55がアクティブにされる制御系への切り替えを行う自動運転モード切替部52(速度制御)を有する。また、EPS用マイコン50は、自動運転モード切替フラグFLG2(電流制御1)又は自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)を入力(ON)するとき、位置制御部51の切り離し、電流制御部55のみがアクティブにされる制御系への切り替えを行う自動運転モード切替部54(電流制御)を有する。
また、EPS用マイコン50は、所定周期で入力する自動運転指令操舵角度データθs*及び自動運転指令操舵速度データωs1*を、所定の変換係数を用いて操舵角θsに関わる情報から実モータ回転角θrに関わる情報にそれぞれ変換する変換器59,60を有する。変換器59は、自動運転指令操舵角度データθs*を自動運転指令モータ回転角度データθr*に変換する。また、変換器60は、自動運転指令操舵速度データωs1*を自動運転指令モータ回転速度データωr1*に変換する。
ここで、位置制御部51、速度制御部53、及び電流制御部55の機能について、自動運転モード切替部(速度制御)52及び自動運転モード切替部(電流制御)54の機能と合わせて、さらに詳しく説明する。
位置制御部51は、変換器59で変換される自動運転指令モータ回転角度データθr*と、その時に回転角センサ23で検出される実モータ回転角θrとを位置減算器70が減算して得られるモータ回転角度偏差値Δθrを入力する。またさらに、位置制御部51は、モータ回転角度偏差値Δθrを入力すると、比例制御(P制御)を行い、自動運転指令モータ回転速度データωr0*を生成し、該自動運転指令モータ回転速度データωr0*を自動運転モード切替部52(速度制御)のa接点52aに対して出力する。
自動運転モード切替部52(速度制御)は、入力用の接点としてa接点52a及びb接点52b、出力用の接点としてc接点52cを有する。こうした自動運転モード切替部52(速度制御)において、a接点52aには、上述したように自動運転指令モータ回転速度データωr0*が入力される一方、b接点52bには、変換器60で変換された自動運転指令モータ回転速度データωr1*が入力される。
そして、自動運転モード切替部52(速度制御)は、自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御)が入力されていないとき、a接点52aとc接点52cとを接続することで、位置制御部51から入力する自動運転指令モータ回転速度データωr0*を出力する。一方、自動運転モード切替部52(速度制御)は、自動運転モード切替フラグFLG1(速度制御)が入力されているとき、b接点52bとc接点52cとを接続することで、自動運転ECU29からCAN90を介して送信された自動運転指令操舵速度データωs1*に基づく自動運転指令モータ回転速度データωr1*を出力する。
速度制御部53は、自動運転モード切替部52(速度制御)が出力する各自動運転指令モータ回転速度データωr0*,ωr1*のいずれかと、その時に回転角センサ23で検出される実モータ回転角θrを微分器58で微分して得られる実モータ回転速度ωrとを速度減算器71が減算して得られるモータ回転速度偏差値Δωrを入力する。またさらに、速度制御部53は、モータ回転速度偏差値Δωrを入力すると、比例制御+積分制御+微分制御(PID制御)を行い、自動運転指令モータ電流データIr0*を生成し、該自動運転指令モータ電流データIr0*を自動運転モード切替部54(電流制御)のa接点54aに対して出力する。
自動運転モード切替部54(電流制御)は、入力用の接点としてa接点54a、b接点54b、及びc接点54c、出力用の接点としてd接点54dを有する。こうした自動運転モード切替部54(電流制御)において、a接点54aには、上述したように自動運転指令モータ電流データIr0*が入力される一方、b接点54bには、自動運転ECU29よりCAN90を介して送信されてくる自動運転指令モータ電流データIr1*が入力される。また、自動運転モード切替部54(電流制御)において、c接点54cには、自動運転ECU29よりCAN90を介して送信されてくる自動運転指令モータ電流データIr2*が入力される。
そして、自動運転モード切替部54(電流制御)は、自動運転モード切替フラグFLG2(電流制御1)及び自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)が入力されていないとき、a接点54aとd接点54dとを接続することで、速度制御部53から入力する自動運転指令モータ電流データIr0*を出力する。一方、自動運転モード切替部54(電流制御)は、自動運転モード切替フラグFLG2(電流制御1)が入力されているとき、b接点54bとd接点54dとを接続することで、自動運転ECU29からCAN90を介して送信された自動運転指令モータ電流データIr1*を出力する。他方、自動運転モード切替部54(電流制御)は、自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)が入力されているとき、c接点54cとd接点54dとを接続することで、自動運転ECU29からCAN90を介して送信された自動運転指令モータ電流データIr2*を出力する。
電流制御部55は、自動運転モード切替部54(電流制御)が出力する各自動運転指令モータ電流データIr0*,Ir1*,Ir2*のいずれかと、その時に電流センサ61で検出される実モータ電流Irとを電流減算器72が減算して得られるモータ電流偏差値ΔIrを入力する。またさらに、電流制御部55は、モータ電流偏差値ΔIrを入力すると、比例制御+積分制御+微分制御(PID制御)を行い、モータ電圧指令V*を生成し、該モータ電圧指令V*をPWM出力部56に出力する。そして、PWM出力部56は、駆動回路部57を駆動させるためのモータ制御信号Srを生成し、該モータ制御信号Srを駆動回路部57に対して出力する。
次に、アクティブにされる制御系の切り替えにおいて、特に自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)の出力にかかる自動運転ECU29における自動運転用マイコン30の処理手順を説明する。
図4に示すように、自動運転用マイコン30は、自動運転車両異常フラグFLGAB1がOFF、且つ、操舵角度偏差値異常フラグFLGAB2がOFFである位置制御中である、又は振動抑制フラグFLGAB3がONである電流制御2中であるか否かを自動運転モード切替判定部41(電流制御2)にて判定する(ステップS101)。ステップS101にて、位置制御中又は電流制御2中のいずれでもないとき(ステップS101:NO)、自動運転用マイコン30は、これまでの制御系による制御を継続させ、自動運転指令操舵角度データθs*生成部31にて最適な自動運転指令操舵角度データθs*を生成する。
一方、ステップS101にて、位置制御中又は電流制御2中のいずれかであるとき(ステップS101:YES)、自動運転用マイコン30は、操舵角θs及び指令偏差値Δθs*に基づき車両が直進状態であるか否かを自動運転モード切替判定部41(電流制御2)にて判定する(ステップS102)。ステップS102にて、自動運転モード切替判定部41は、操舵角θsの変化幅が閾値αの正負の範囲内(操舵角θsの絶対値が閾値α以下)であるか否かと、指令偏差値Δθs*の変化幅が閾値βの正負の範囲内(指令偏差値Δθs*の絶対値が閾値β以下)であるか否かとを判定する。
そして、自動運転モード切替判定部41は、操舵角θs及び指令偏差値Δθs*の各変化幅がそれぞれ閾値の正負の範囲内(操舵角θsの絶対値が閾値α以下且つ指令偏差値Δθs*の絶対値が閾値β以下)であるときに車両が直進状態であることを判定する。閾値αは、操舵角θsが操舵中点(車両が直進することとなる操舵角)であるとして経験的に導かれる値に設定される。また、閾値βは、指令偏差値Δθs*が変化していないとして経験的に導かれる値に設定される。
続いて、ステップS102にて、車両が直進状態であるとき(ステップS102:YES)、自動運転用マイコン30は、ヨーレートYRに基づき振動ありか否かを自動運転モード切替判定部41(電流制御2)における特に振動判定部41aにて判定する(ステップS103)。ステップS103にて、振動判定部41aは、ヨーレートYRに基づく振動の強さ(振幅の大きさや、振動の長さ等)が所定の閾値を超えるか否かを判定し、ヨーレートYRに基づく振動の強さが所定の閾値を超える場合、操舵機構7への振動の発生を判定する。所定の閾値は、操舵機構7への振動として運転者が不快に思うとして経験的に導かれる値に設定される。
ステップS103にて、操舵機構7に振動が発生しているとき(ステップS103:YES)、自動運転用マイコン30は、自動運転モード切替判定部41(電流制御2)を通じて振動抑制フラグFLGAB3をONする(ステップS104)。またさらに、ステップS104にて、自動運転用マイコン30は、電流制御2中となるように、自動運転モード切替指令部42(電流制御2)を通じて自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)をEPSECU28に対して出力する。その後、自動運転用マイコン30は、振動抑制制御部46において、振動分析部43の振動の分析を通じて自動運転指令モータ電流データIr2*生成部44にて最適な自動運転指令モータ電流データIr2*を生成し、自動運転指令モータ電流データIr2*出力部45を通じて該自動運転指令モータ電流データIr2*をEPSECU28へ出力する。
一方、ステップS102にて、車両が直進状態でないとき(ステップS102:NO)、又は操舵機構7に振動が発生していないとき(ステップS103:NO)、自動運転用マイコン30は、位置制御中となるよう制御する(ステップS105)。すなわちこの場合、自動運転用マイコン30は、そもそも位置制御中であれば該位置制御中を継続する一方、そもそも電流制御2中であれば振動抑制フラグFLGAB3をOFFして位置制御中となるように、その旨を示す情報をEPSECU28に対して出力する。その後、自動運転用マイコン30は、自動運転指令操舵角度データθs*生成部31にて最適な自動運転指令操舵角度データθs*を生成する。
以上に説明した自動運転装置1によれば、以下の(1)〜(3)に示す作用及び効果を奏する。
(1)図5に示すように、自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)がONされるとき、自動運転モード切替部54(電流制御)には、自動運転指令操舵角度データθs*に関わる自動運転指令モータ電流データIr0*,Ir1*の代わりに、振動抑制制御部46により生成される自動運転指令モータ電流データIr2*が入力される。すなわちこの場合、自動運転モード切替部54(電流制御)は、操舵機構7に発生している振動の分析に基づく自動運転指令モータ電流データIr2*を出力する。
続いて、電流制御部55は、操舵機構7に発生している振動の分析に基づく自動運転指令モータ電流データIr2*と、その時に電流センサ61で検出される実モータ電流Irとを電流減算器72が減算して得られる、操舵機構7に発生している振動を抑制するためのモータ電流偏差値ΔIrfを入力する。またさらに、電流制御部55は、モータ電流偏差値ΔIrfを入力すると、操舵機構7に発生している振動を抑制するためのモータ電圧指令Vf*を生成し、該モータ電圧指令Vf*をPWM出力部56に出力する。そして、PWM出力部56は、操舵機構7に発生している振動を抑制するように、駆動回路部57を駆動させるためのモータ制御信号Srfを生成し、該モータ制御信号Srfを駆動回路部57に対して出力することとなる。
したがって、自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)がONされるとき、EPS用マイコン50は、操舵機構7に発生している振動と逆相の振動をモータ21によって発生させるように、モータ回転角制御を行うこととなる。
このように、車両が直進状態において操舵機構7への車両の外部からの振動が検出されるなかでモータ回転角制御が位置制御部51を切り離した状態での電流制御部55によって行われるとき、それまでの位置制御部51を通じたモータ回転角制御よりも応答が早い(5倍程早い制御周期にて)モータ回転角制御が行われることとなる。すなわちこの場合、操舵機構7への振動として、車両の直進状態時に轍や路面の石等により急な衝撃に起因した振動が生じているとき、制御自体が振動を発生させる要因になることなくモータ回転角制御を行うことができる。
もっとも、一時的でも位置制御部51を切り離してしまうとき、自動運転指令操舵角度データθs*に基づくモータ回転角制御ができないこととなる。その点、車両が直進状態にあるとき、位置制御中であれば、自動運転指令操舵角度データθs*の変化、すなわちモータ回転角度偏差値Δθr(モータ電流偏差値ΔIr)が比較的に小さく、モータ回転角制御自体の必要性が比較的に低い場面ということとなる。
そこで、本実施形態では、一時的に位置制御部51が切り離されるのは、車両が直進状態であると判定する場面であって、自動運転指令操舵角度データθs*に基づくモータ回転角制御の必要性が比較的に低い場面であることとしている。すなわちこの場合、自動運転指令操舵角度データθs*に基づくモータ回転角制御ができないにもかかわらず、車両の自動運転への影響を最小限に止めることができる。
したがって、上記のように構成された自動運転装置1では、自動運転に関わる制御が不安定になることを抑制することができる。
(2)また、図5に示すように、ヨーレートセンサ27で車両の外部からの振動が検出されることで、自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)がONされるとき、電流制御部55と振動抑制制御部46とが接続される制御系をなし、こうした振動の抑制が振動抑制制御部46によって積極的に行われることとなる。すなわち、位置制御部51によるモータ回転角制御が行われる場合よりも応答が早い(5倍程早い制御周期の)なかで、ヨーレートセンサ27で検出される車両の外部からの振動を好適に抑制することができる。
(3)またさらに、上述したように、一時的に位置制御部51が切り離されることとなる車両が直進状態にあるとき、操舵角θsの変化が少なく操舵(ステアリング操作)による振動が比較的に少ないこととなる。すなわちこの場合、操舵角θsが連続的に変化される操舵の最中であることから操舵による振動が比較的に多いときよりも、ヨーレートセンサ27で検出される振動を車両の外部からの振動として検出され易くすることができる。したがって、ヨーレートセンサ27で検出される車両の外部からの振動を好適に抑制することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)がONされるとき、少なくとも一時的に位置制御部51が切り離されていればよく、速度制御部53については切り離されていなくてもよい。すなわちこの場合、第2の制御手段たる自動運転用マイコン30は、第2の構成手段を選択することとなる。
・自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)をONする過程において、ステップS102では、少なくとも指令偏差値Δθs*の変化幅が閾値βの正負の範囲内(指令偏差値Δθs*の絶対値が閾値β以下)であるか否かを判定すればよい。車両が直進状態にない場合であっても、自動運転指令操舵角度データθs*の変化、すなわちモータ回転角度偏差値Δθr(モータ電流偏差値ΔIr)が比較的に小さければ、モータ回転角制御自体の必要性が比較的に低い場面ということができ、上記実施形態と同等の効果を奏しうる。
・自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)をONする過程において、ステップS102では、閾値αや閾値βを0(零)に定めるように、該ステップS102の判定に対して幅を持たせないで構成することもできる。
・本実施形態の自動運転装置1は、振動抑制制御部46を備えないで構成してもよい。この場合、例えば、自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)がONされるとき、自動運転指令モータ電流データIr2*としては、直近の指令値(自動運転指令操舵角度θs*に基づく指令値)を継続的に指令するようにすることで、該直近の指令値に対して、モータ回転角制御が早く追従できるようになる。したがって、轍や路面の石等により急な衝撃に起因した車両外部からの操舵機構7への振動が発生していても、位置制御部51を通じたモータ回転角制御よりも応答が早い(5倍程早い制御周期にて)モータ回転角制御が行われることで、自動運転に関わる制御が不安定になることが抑制される。
・自動運転モード切替フラグFLG3(電流制御2)のON及びOFFの切り替えについては、運転者による手動切替によって行われるようにしてもよい。
・本実施形態では、ヨーレートセンサ27によって操舵機構7への振動を検出するようにしたが、トルクセンサにてステアリングシャフト3のねじれを抑制する制御を行うことで、操舵機構7への振動を抑制するようにしてもよい。こうしたトルクセンサは、モータ21と左右の転舵輪12,12との間に設けられるようにする。
・本実施形態では、ヨーレートセンサ27によって操舵機構7への振動を検出するようにしたが、回転角センサ23(モータ21の回転角)によって操舵機構7への振動を検出するようにしてもよい。
・実モータ回転角θrは、操舵角θsを、所定の変換係数を用いて操舵角θsに関わる情報から実モータ回転角θrに関わる情報にそれぞれ変換して用いることもできる。またさらに、こうして変換された実モータ回転角θrから実モータ回転速度ωrを得ることもできる。
・自動運転用マイコン30は、自動運転指令モータ回転角度データθr*や自動運転指令モータ回転速度データωr1*を生成して出力するように構成されていてもよい。
・EPS用マイコン50では、自動運転指令操舵角度データθs*を入力するとき、まず自動運転指令操舵角度データθs*と操舵角θsとを減算して操舵角度偏差値Δθsを得た後、変換器59により該操舵角度偏差値Δθsをモータ回転角度偏差値Δθrに変換するようにしてもよい。
・位置制御の制御系と、速度制御の制御系と、電流制御1の制御系のそれぞれの切り替えについて、その条件を変更してもよい。例えば、電流制御1の制御系は、ヨーレートYRや横G(車両横加速度)に基づき切り替えられるようにしてもよい。
・本実施形態では、自動運転用マイコン30及びEPS用マイコン50の2個のマイコンを用いて具体化したが、これらの機能を兼ね備えた1個のマイコン(第1の制御手段及び第2の制御手段)で具体化してもよい。
・本実施形態では、自動運転装置1をコラムアシストEPSに具体化したが、自動運転装置1をラックアシストEPSやピニオンアシストEPSに適用してもよい。
・EPSアクチュエータ20の駆動源であるモータ21として、誘導モータやステッピングモータ等、その種類を問わず採用することができる。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記第2の制御手段は、車両が直進中にあることから前記指令状態量の変化幅が所定範囲内にあるときに一時的に前記位置制御部を切り離す。上記構成によれば、一時的に位置制御部が切り離されるのは、指令状態量に基づく状態量制御の必要性がより低い場面を想定することができる。すなわちこの場合、指令状態量に基づく状態量制御ができないにもかかわらず、車両の自動運転への影響をより好適に抑制することができる。
(ロ)前記第2の制御手段は、一時的に前記位置制御部を切り離すとき、前記第2の構成手段又は前記第3の構成手段を選択する。上記構成によれば、少なくとも位置制御部を切り離すことができるので、制御自体が振動を発生させる要因になることがなくなり、自動運転に関わる制御が不安定になることを抑制することができる。
θs*…自動運転指令操舵角データ(指令状態量)、ωs1*…自動運転指令操舵速度データ(指令状態量)、Ir1*,Ir2*…自動運転指令モータ電流データ(指令状態量)、1…自動運転装置、7…操舵機構、20…EPSアクチュエータ、21…モータ、27…ヨーレートセンサ(振動検出センサ)、30…自動運転用マイコン(第2の制御手段)、43…振動分析部、44…自動運転指令モータ電流データIr2*生成部、45…自動運転指令モータ電流データIr2*出力部(指令状態量出力部)、46…振動抑制制御部(振動抑制部)、50…EPS用マイコン(第1の制御手段)、51…位置制御部、53…速度制御部、55…電流制御部。

Claims (3)

  1. 所定周期毎に入力される指令状態量に基づいて、操舵機構のモータの状態量制御を行う第1の制御手段、及び車両の状態判定条件に応じて前記状態量制御を選択する第2の制御手段を備え、
    前記第1の制御手段は、
    前記モータを含む操舵機構のアクチュエータの位置制御部、速度制御部、及び電流制御部から構成される第1の構成手段と、
    前記操舵機構のアクチュエータの速度制御部、及び電流制御部から構成される第2の構成手段と、
    前記操舵機構のアクチュエータの電流制御部から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有し、
    前記第2の制御手段は、車両の状態判定条件に応じて、前記状態量制御として前記第1の構成手段、前記第2の構成手段、又は前記第3の構成手段を選択するとともに、前記所定周期毎に入力される指令状態量を生成する自動運転装置において、
    操舵機構に生じる振動を検出する振動検出センサを更に備え、
    前記第2の制御手段は、前記状態量制御として前記第1の構成手段の選択中における前記指令状態量の変化幅が所定範囲内であってさらに前記振動検出センサが車両の外部からの振動を検知するとき、一時的に前記位置制御部を切り離すべく前記状態量制御を前記第3の構成手段に切り替えること、
    を特徴とする自動運転装置。
  2. 前記第1の制御手段は、前記第3の構成手段の選択中における前記電流制御部を、前記振動検出センサが検知する車両の外部からの振動を抑制する振動抑制制御を行う振動抑制部に接続する請求項1に記載の自動運転装置。
  3. 前記振動抑制部は、
    前記振動検出センサが検知する振動の成分を分析する振動分析部と、
    前記振動分析部の分析結果に基づき前記振動検出センサが検知する振動に対して逆相のトルクを前記モータに発生させるための指令状態量を前記電流制御部に出力する指令状態量出力部と、を有する請求項2に記載の自動運転装置。
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