JP5136283B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、運転者の操舵操作に基づいて電動モータを駆動制御して操舵アシストトルクを発生する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、電動パワーステアリング装置は、運転者が行った操舵操作に基づいて電動モータの目標アシストトルクを演算し、この目標アシストトルクに対応した目標電流を電動モータに通電することにより、運転者の操舵操作を適切にアシストする。電動モータへの通電量は、コントローラからHブリッジ回路等のモータ駆動回路にPWM制御信号を出力することにより制御される。こうした電動パワーステアリング装置においては、異常が検知されたときに操舵アシストを停止することがある。異常の種類によっては、電動モータへの通電量を徐々に減らしていくことにより、操舵感覚を急変させずに操舵アシスト停止状態にスムーズに移行できる。しかし、モータ駆動回路の異常、あるいは、モータ電源系統の異常の場合には、回路損傷を防止するためにモータ駆動回路への電源供給を瞬時に遮断する必要がある。この場合、特に旋回走行中においては、大きなアシストトルクを発生していた電動モータの通電が停止されるため、アシストトルクの消失に伴って路面からの逆入力が急にステアリングシャフトに作用し操舵ハンドルを中立位置に戻そうとする。従って、運転者は、操舵ハンドルの操舵力を急に増加させる必要がある。
こうした問題に対して、特許文献1にて提案された電動パワーステアリング装置においては、異常検出時に、電動モータの回転が停止するまでのあいだモータ駆動回路のスイッチング素子を制御して電動モータの端子間を短絡する。これにより、路面からの逆入力により電動モータが回転しても、電動モータの発電により電動モータに回生制動力が働き、操舵ハンドルに伝達される中立位置への戻り力が抑制される。
特開平9−290762号
しかしながら、特許文献1のものは、異常検出時に電動モータの端子間を短絡するだけで電動モータに流れる電流量を制御できないため、操舵アシスト状態から操舵アシスト停止状態へのスムーズな移行を図ることができない。また、特許文献1のものは、各種のセンサ故障を想定したものであって、モータ駆動回路の故障を想定していない。このため、仮に、モータ駆動回路のスイッチング素子のデューティ比を制御しても電動モータに流れる電流量を制御できないことがある。
例えば、図10に示すように、電動モータ201を駆動するHブリッジ回路200のスイッチング素子S1〜S4の1つがショート故障(遮断不能状態となる故障)した場合を考える。この場合、ショート故障したスイッチング素子S1と並列に設けられたスイッチング素子S2によりデューティ比を制御して回生電流を調整しようとしても、スイッチング素子S2に並列に設けられたフライホイールダイオードD2に回生電流が流れてしまうため、スイッチング素子S2のデューティ比制御では電流量を制御できない。このため、回生制動力の大きさを調整できず、また、電動モータの端子間が常に短絡状態になるため回生制動が働かないようにすることもできない。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、モータ駆動回路(ブリッジ回路)の異常時に電動モータの発電による制動力を適正に働かすことができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者により操舵操作される操舵ハンドルと、操舵アシストトルクを発生させるための電動モータと、前記電動モータの通電量と回転方向とを制御するブリッジ回路と、前記操舵ハンドルの操舵操作に基づいて、前記ブリッジ回路に制御信号を出力して前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記ブリッジ回路から前記電動モータへの通電ラインに設けられ、その通電ラインを遮断可能かつ通電ラインに流れる電流量の制御可能な半導体素子と、前記ブリッジ回路の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により異常を検出したときに、前記ブリッジ回路への電源供給を遮断するとともに、前記電動モータの端子間に前記通電ラインと前記ブリッジ回路とで閉回路を形成して前記電動モータの回転による発電にて前記電動モータに制動力を発生させる制動手段と、前記半導体素子を制御して前記制動力を調整する制動力制御手段とを備えたことにある。
この場合、前記半導体素子は、2つのMOS−FETを、寄生ダイオードが互いに反対方向に向くように直列接続して構成され、前記制動力制御手段は、前記2つのMOS−FETをスイッチング制御することにより前記制動力を調整するとよい。
本発明においては、ブリッジ回路から電動モータへの通電ラインに、電流遮断可能かつ電流量を制御可能な半導体素子が設けられている。この半導体素子としては、例えば、2つのMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を直列接続して設ける。MOS−FETには、構造上ダイオードが寄生する(このダイオードは寄生ダイオードと呼ばれる)。このため、2つのMOS−FETを、寄生ダイオードが互いに反対方向に向くように通電ラインに直列接続することで、電動モータのどちらの通電方向に対しても電流遮断が可能であり、また、MOS−FETのスイッチング制御により電流量調整を行うこともできる。
制動手段は、異常検出手段により異常を検出したときに、ブリッジ回路への電源供給を遮断する。そして、電動モータの端子間に通電ラインとブリッジ回路とで閉回路を形成する。つまり、電動モータと通電ラインとブリッジ回路からなる閉回路を形成する。この状態においては、路面からの逆入力等により電動モータが回転すると、電動モータの発電により閉回路に電流が流れ、電動モータに制動力が発生する。以下、このように電動モータの発電により電動モータに働く制動を回生制動と呼ぶ。制動力制御手段は、半導体素子を制御することにより閉回路の抵抗を変化させて回生制動力を調整する。例えば、PWM制御により2つのMOS−FETのデューティ比を制御することにより、モータ発電により閉回路に流れる電流量を調整して回生制動力を調整する。このため、回生制動力を任意に調整することができる。
例えば、ブリッジ回路に異常が発生した直後においては、閉回路の回路抵抗を小さくして(MOS−FETのオンデューティ比を大きくして)回生電流が流れやすくなるようにし、その後、徐々に閉回路の回路抵抗を大きくして(MOS−FETのオンデューティ比を小さくして)回生電流が流れにくくなるようにする。この場合、異常発生時において操舵アシストトルクが急に消失しても、強い回生制動力により路面からの逆入力により操舵ハンドルが戻されることを抑制でき、その後は、回生制動力を弱めて運転者の意図する操舵操作を邪魔しなくなるようにすることができる。尚、回生制動力の調整は、時間の経過とともに減少させるものに限らず、例えば、運転者の行う操舵ハンドルの操作に基づいて、運転者の操舵操作を邪魔しないように、かつ、路面反力を抑制するように調整することもできる。
この結果、本発明によれば、ブリッジ回路の異常時に電動モータに適正な制動力を働かせることができる。
本発明の他の特徴は、前記ブリッジ回路は、スイッチング素子を電源に並列に接続した上アーム回路と、スイッチング素子を並列に接地した下アーム回路とを直列に接続して備え、上アーム回路と下アーム回路との間から前記通電ラインを引き出したHブリッジ回路であり、前記制動手段は、前記ブリッジ回路への電源供給を遮断した後に、前記上アーム回路と前記下アーム回路とにおける全てのスイッチング素子に対してオン指令を出力することにある。
本発明においては、モータ駆動回路としてHブリッジ回路を備え、異常検出手段により異常を検出したとき、制動手段がブリッジ回路への電源供給を遮断した後、Hブリッジ回路の上アーム回路と下アーム回路との全てのスイッチング素子に対してオン指令を出力する。この場合、Hブリッジ回路への電源供給は遮断されているため、上下のアーム回路を貫通する電流が流れることはなく、異常となるスイッチング素子を特定しなくても、電動モータの端子間に通電ラインとブリッジ回路とで閉回路を形成することができる。従って、回生制動を行うための閉回路を簡単に形成することができる。
本発明の他の特徴は、前記モータ制御手段による電動モータの駆動制御を開始する前に、前記2つのMOS−FETの個々の異常の有無を診断する初期診断手段を備えたことにある。この場合、前記初期診断手段は、前記上アーム回路と前記下アーム回路との2つの接続部をそれぞれ電圧測定用抵抗を介して接地し、前記2つのMOS−FETと前記ブリッジ回路に予め設定した制御信号を出力したときにおける前記各電圧測定用抵抗の分圧に基づいて、前記2つのMOS−FETの個々の異常の有無を診断するとよい。
本発明においては、モータ制御手段が電動モータの駆動制御を開始する前に、初期診断手段が2つのMOS−FETの個々の異常の有無を診断する。例えば、上アーム回路と下アーム回路との2つの接続部をそれぞれ電圧測定用抵抗を介して接地しておき、MOS−FETが正常な場合と異常な場合とで電圧測定用抵抗の分圧が相違するように、2つのMOS−FETとブリッジ回路とに予め設定した制御信号を出力する。従って、電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより2つのMOS−FETの個々の異常の有無を診断できる。これにより、電動パワーステアリング装置の信頼性が向上する。尚、電圧測定用抵抗の分圧測定は、複数の抵抗体を直列に接続して電圧測定用抵抗を構成し、特定の抵抗体の電圧を検出すればよい。
また、本発明の他の特徴は、前記初期診断手段は、前記2つのMOS−FETにオフ信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の一方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、一方のMOS−FETの遮断不良を検出し、前記2つのMOS−FETにオフ信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の他方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、他方のMOS−FETの遮断不良を検出することにある。
本発明によれば、モータ制御手段による電動モータの駆動制御を開始する前に、Hブリッジ回路に電源を供給した状態で、Hブリッジ回路の上アームのスイッチング素子を片側ずつオン/オフを切り替え、そのときの各電圧測定用抵抗の分圧を測定することで、簡単に個々のMOS−FETの遮断不良(ショート故障)を検出できる。
また、本発明の他の特徴は、前記初期診断手段は、一方のMOS−FETにオン信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の一方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、前記一方のMOS−FETの導通不良を検出し、他方のMOS−FETにオン信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の他方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、前記他方のMOS−FETの導通不良を検出することにある。
本発明によれば、モータ制御手段による電動モータの駆動制御を開始する前に、Hブリッジ回路に電源を供給した状態で、Hブリッジ回路の上アームのスイッチング素子とMOS−FETとを片側ずつオン/オフを切り替え、そのときの電圧測定用抵抗の分圧を測定することで、簡単に個々のMOS−FETの導通不良(オープン故障)を検出できる。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、実施形態としての車両の電動パワーステアリング装置を概略的に示し、図2は、その電動パワーステアリング装置における回路構成を概略的に示している。
この車両の電動パワーステアリング装置1は、大別すると、操舵ハンドル11の操舵により転舵輪を転舵する転舵機構10と、転舵機構10に組み付けられ操舵アシストトルクを発生する電動モータ15と、操舵ハンドル11の操舵状態に応じて電動モータ15の作動を制御する電子制御ユニット30とから構成される。
転舵機構10は、操舵ハンドル11の回転操作により左右前輪FW1,FW2を転舵するための機構で、操舵ハンドル11を上端に一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備える。このステアリングシャフト12の下端には、ピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には、図示しないタイロッドおよびナックルアームを介して左右前輪FW1,FW2が転舵可能に接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に転舵される。従って、操舵ハンドル11、ステアリングシャフト12、ラックアンドピニオン機構13,14、タイロッド、ナックルアーム等により転舵機構10が構成される。
ラックバー14には、操舵アシスト用の電動モータ15が組み付けられている。この電動モータ15としては、ブラシ付モータが使用される。電動モータ15の回転軸は、ボールねじ機構16を介してラックバー14に動力伝達可能に接続されていて、その回転により左右前輪FW1,FW2の操舵をアシストする。ボールねじ機構16は、減速機および回転−直線変換器として機能するもので、電動モータ15の回転を減速するとともに直線運動に変換してラックバー14に伝達する。また、電動モータ15をラックバー14に組み付けるのに代えて、電動モータ15をステアリングシャフト12に組み付けて、電動モータ15の回転を減速機を介してステアリングシャフト12に伝達して同シャフト12を軸線周りに駆動するように構成してもよい。
ステアリングシャフト12には、操舵トルクセンサ21が設けられる。操舵トルクセンサ21は、操舵ハンドル11の回動操作によってステアリングシャフト12に作用する操舵トルクに応じた信号を出力する。この操舵トルクセンサ21から出力される信号により検出される操舵トルクの値を、以下、操舵トルクThと呼ぶ。操舵トルクThは、正負の値により操舵ハンドル11の操作方向が識別される。本実施形態においては、操舵ハンドル11の右方向への操舵時における操舵トルクThを正の値で、操舵ハンドル11の左方向への操舵時における操舵トルクThを負の値で示す。従って、操舵トルクThの大きさは、その絶対値の大きさとなる。
電動モータ15には、回転角センサ23が設けられる。この回転角センサ23は、電動モータ15内に組み込まれ、電動モータ15の回転子の回転角度位置に応じた検出信号を出力する。この回転角センサ23の検出信号は、電動モータ15の回転角および回転角速度の計算に利用される。一方、この電動モータ15の回転角は、操舵ハンドル11の操舵角に比例するものであるので、操舵ハンドル11の操舵角としても共通に用いられる。また、電動モータ15の回転角を時間微分した回転角速度は、操舵ハンドル11の操舵角速度に比例するものであるため、操舵ハンドル11の操舵角速度としても共通に用いられる。
以下、回転角センサ23の出力信号により検出される操舵ハンドル11の操舵角の値を操舵角θと呼び、その操舵角θを時間微分して得られる操舵角速度の値を操舵角速度ωと呼ぶ。尚、操舵角θおよび操舵角速度ωは、後述する電子制御回路40のマイコン41により演算される。操舵角θは、正負の値により操舵ハンドル11の中立位置に対する右方向および左方向の舵角をそれぞれ表す。本実施形態においては、操舵ハンドル11の中立位置を「0」とし、中立位置に対する右方向への舵角を正の値で示し、中立位置に対する左方向への舵角を負の値で示す。
次に、電子制御ユニット30について図2を用いて説明する。
電子制御ユニット30(以下、ECU30と呼ぶ)は、電動モータ15の目標通電制御値を演算し、演算された目標通電制御値にて電動モータ15を駆動制御する電子制御回路40と、電子制御回路40からの制御指令により電動モータ15を駆動するモータ駆動回路45とを含んで構成される。電子制御回路40は本発明におけるモータ制御手段に相当し、モータ駆動回路45は本発明におけるブリッジ回路に相当する。
電子制御回路40は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータ41(以下、マイコン41と呼ぶ)と、入出力インタフェース42と、マイコン41から出力されるPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を増幅してモータ駆動回路45に供給する第1プリドライブ回路43と、同じくマイコン41から出力されるPWM制御信号を増幅して後述の回生電流制御回路70に供給する第2プリドライブ回路44とを備える。
入出力インタフェース42は、バスを介してマイコン41に接続されるとともに、操舵トルクセンサ21、車速センサ22、回転角センサ23、電流センサ46、異常検出回路80からの検出信号を入力し、マイコン41に対して読み込み可能な信号に変換する。また、入出力インタフェース42は、常開(ノーマル・オープン)型の電源リレー57を接続し、マイコン41からの指令に基づき、電源リレー57の開閉状態を変更する信号を送出するようになっている。
車速センサ22は、車両の走行速度に応じた車速信号を出力する。この車速センサ22から出力される車速信号により検出される車速の値を、以下、車速vxと呼ぶ。電流センサ46、異常検出回路80については後述する。
ECU30は、バッテリ51と、エンジンの回転により発電するオルタネータ52とからなる電源装置50から電源供給される。バッテリ51としては、定格出力電圧が12Vの一般の車載バッテリが用いられる。
この電源装置50は、電動パワーステアリング装置1だけでなく他の車載電気負荷への電源供給も共通して行う。バッテリ51の電源端子(+端子)に接続される電源供給元ライン53には、イグニッションスイッチ60が接続される。ECU30は、このイグニッションスイッチ60の二次側から電子制御回路40に電源供給する制御電源供給ライン54と、イグニッションスイッチ60の一次側(電源側)から主にモータ駆動回路45に電源供給する駆動電源供給ライン55とを備える。
制御電源供給ライン54には、ダイオード56が設けられる。このダイオード56は、カソードを電子制御回路40側、アノードを電源装置50側に向けて設けられ、電源供給方向にのみ通電可能とする逆流防止素子である。駆動電源供給ライン55には、その途中に電源リレー57が設けられる。この電源リレー57は、電子制御回路40からの制御信号によりオンして電動モータ15への電力供給回路を形成するものである。
駆動電源供給ライン55は、この電源リレー57よりも負荷側において連結ライン58により制御電源供給ライン54と接続される。この連結ライン58は、制御電源供給ライン54におけるダイオード56と電子制御回路40との間に接続される。連結ライン58にはダイオード59が接続される。このダイオード59は、カソードを制御電源供給ライン54側、アノードを駆動電源供給ライン55側に向けて設けられ、駆動電源供給ライン55から制御電源供給ライン54に向けてのみ通電可能とする逆流防止素子である。このように構成された電源供給系においては、電源リレー57がオン状態とされたときには、イグニッションスイッチ60の状態にかかわらず、電子制御回路40およびモータ駆動回路45に電源が供給される構成となっている。
モータ駆動回路45は、スイッチング素子SLHとスイッチング素子SRHとを駆動電源供給ライン55に並列に接続した上アーム回路45Hと、スイッチング素子SRLとスイッチング素子SLLとをグランドに並列に接続した下アーム回路45Lとを直列接続し、上下のアーム回路45H,45Lの接続部A,Bから電動モータ15への電源供給を行うための通電ライン47a,47bを引き出したHブリッジ回路である。このモータ駆動回路45では、スイッチング素子SLHとスイッチング素子SRLとが電源−グランド間に直列接続され、スイッチング素子SRHとスイッチング素子SLLとが電源−グランド間に直列接続される。モータ駆動回路45へ電源を供給する駆動電源供給ライン55には、ノイズを除去するための電解コンデンサ48が設けられている。
下アーム回路45Lとグランドとを結ぶ接地ラインには、電流センサ46が設けられる。電流センサ46は、電動モータ15に流れる電流を検出するもので、例えば、モータ駆動回路45とグランドとの間にシャント抵抗を設け、このシャント抵抗の両端に現れる電圧によりモータ電流値を検出してマイコン41に供給する。以下、この電流センサ46から出力される信号により検出される電流の値を、実電流Ixと呼ぶ。
モータ駆動回路45に設けられるスイッチング素子SLH,SRH,SRL,SLLとしては、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が使用される。スイッチング素子SLH,SRH,SRL,SLLは、各ソース−ドレイン間に電源電圧が印加されるように上下のアーム回路45H,45Lに設けられ、また、各ゲートが電子制御回路40の第1プリドライブ回路43に接続される。尚、図中に回路記号で示すように、MOS−FETには構造上ダイオードが寄生している。このダイオードを寄生ダイオードと呼ぶ。
モータ駆動回路45は、スイッチング素子SLHとスイッチング素子SLLとがオンしているときに電動モータ15に対して左回転トルクを発生させる電流を流し、スイッチング素子SRHとスイッチング素子SRLとがオンしているときに電動モータ15に対して右回転トルクを発生させる電流を流す。そこで、以下、スイッチング素子SLHを左上アームスイッチと呼び、スイッチング素子SLLを左下アームスイッチと呼び、スイッチング素子SRHを右上アームスイッチと呼び、スイッチング素子SRLを右下アームスイッチと呼び、それらを特定しない場合には単にアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLと呼ぶ。
通電ライン47bには、回生電流制御回路70が設けられる。回生電流制御回路70は、半導体スイッチング素子であるMOS−FETを2つ直列に接続して構成される。一方のMOS−FETを第1スイッチSW1と呼び、他方のMOS−FETを第2スイッチSW2と呼ぶ。第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とは、ソース−ドレイン間が通電ライン47bに直列に設けられ、ゲートが電子制御回路40の第2プリドライブ回路44に接続される。この場合、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とは、それぞれの寄生ダイオードの向きが互いに反対になるように直列に接続されている。この例では、第1スイッチSW2の寄生ダイオードは、接続部Bから電動モータ15側への電流の流れのみを許容する向きに設けられ、第2スイッチSW2の寄生ダイオードは、電動モータ15から接続部B側への電流の流れのみを許容する向きに設けられる。尚、回生電流制御回路70は、通電ライン47aに設けてもよい。以下、通電ライン47a,47bについて総称する場合には、通電ライン47と呼ぶ。
通電ライン47には、異常検出回路80が設けられている。異常検出回路80は、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1,第2スイッチSW2のオープン故障(オン信号に対して回路を導通できない故障)とショート故障(オフ信号に対して回路を遮断できない故障)とを検出するために設けた回路であって、第1電圧測定部81と第2電圧測定部82とから構成される。第1電圧測定部81は、通電ライン47aを抵抗体R11,抵抗体R12を直列に接続して接地し、抵抗体R11と抵抗体R12との接続部におけるグランドに対する電位を表す電圧信号を電子制御回路40の入出力インタフェース42に供給する。この第1電圧測定部81により測定される電圧を第1検出電圧V1と呼ぶ。
第2電圧測定部82は、接続部Bと回生電流制御回路70との間の通電ライン47bを抵抗体R21,抵抗体R22を直列に接続して接地し、抵抗体R21と抵抗体R22との接続部におけるグランドに対する電位を表す電圧信号を電子制御回路40の入出力インタフェース42に供給する。この第2電圧測定部82により測定される電圧を第2検出電圧V2と呼ぶ。抵抗体R11,R12,R21,R22は、全て同一の抵抗値に設定された抵抗体であって、その抵抗値は、電動モータ15の抵抗値に対して非常に大きな値に設定されている。抵抗体R11,R12および抵抗体R21,R22は、本発明における電圧測定用抵抗に相当し、第1検出電圧V1および第2検出電圧V2は、本発明における分圧に相当する。尚、抵抗体R11,R21の接続位置は、上アーム回路24Hと下アーム回路24Lとの接続部A,Bと同電位レベルとなる位置であれば、モータ駆動回路45内であってもよい。
マイコン41は、第1プリドライブ回路43を介してモータ駆動回路45の各アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLのゲートに独立したPWM制御信号を出力する。このPWM制御信号は、オン信号とオフ信号とからなるパルス信号列である。アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLは、PWM制御信号におけるオン信号期間中においてオン状態(ソース−ドレイン間が導通状態)となり、PWM制御信号におけるオフ信号期間中においてはオフ状態(ソース−ドレイン間が遮断状態)となる。マイコン41は、PWM制御信号におけるデューティ比(オン時間/(オン時間+オフ時間))を調整することにより電動モータ15に流す電流値(平均電流値)を制御する。
マイコン41は、電動モータ15を左回転させるときには、目標指令電圧に応じたデューティ比のPWM制御信号をアームスイッチSLH,SLLに出力し、電動モータ15を右回転させるときには、目標指令電圧に応じたデューティ比のPWM制御信号をアームスイッチSRH,SRLに出力する。
マイコン41は、第2プリドライブ回路44を介して回生電流制御回路70の第1スイッチSW1と第2スイッチSW2のゲートに独立したPWM制御信号を出力する。このPWM制御信号も、オン信号とオフ信号とからなるパルス信号列である。第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とは、PWM制御信号におけるオン信号期間中においては、オン状態(ソース−ドレイン間が導通状態)となり、PWM制御信号におけるオフ信号期間中においてはオフ状態(ソース−ドレイン間が遮断状態)となる。マイコン41は、後述する電動モータ15の回生制動制御を行うときに、PWM制御信号におけるデューティ比を調整することにより、通電ライン47の抵抗を変化させて電動モータ15に流れる回生電流の大きさを制御する。
次に、ECU30の行う処理について説明する。
まず、ECU30が実行するアシスト制御処理について説明する。図3は、マイコン41により行われるアシスト制御ルーチンを表す。このアシスト制御ルーチンは、マイコン41のROM内に制御プログラムとして記憶され、イグニッションスイッチ60がオンされて所定の初期診断が完了すると起動し、短い周期で繰り返し実行される。尚、初期診断が完了したときに、マイコン41は、電源リレー57をオン状態にする。また、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1,第2スイッチSW2は、後述する異常が検出されないあいだは、マイコン41からのオン信号により常時オン状態(デューティ比100%)に維持される。
本制御ルーチンが起動すると、マイコン41は、まず、ステップS11において、車速センサ22によって検出された車速vxと、操舵トルクセンサ21によって検出した操舵トルクThを読み込む。
続いて、図4に示すアシストトルクテーブルを参照して、入力した車速vxおよび操舵トルクThに応じて設定される基本アシストトルクTasを計算する(S12)。アシストトルクテーブルは、マイコン41のROM内に記憶されるもので、操舵トルクThの増加にしたがって増加する基本アシストトルクTasを設定する。この場合、基本アシストトルクTasは、車速vxが低くなるほど大きな値となるように設定される。
尚、図4の特性グラフは、右方向の操舵トルクThに対する基本アシストトルクTasの関係を示しているが、左方向の操舵トルクThに対する基本アシストトルクTasの関係に関しては、図4の特性グラフを原点を中心に点対称の位置に移動した関係になる。また、本実施形態では、基本アシストトルクTasをアシストトルクテーブルを用いて算出するようにしたが、アシストトルクテーブルに代えて操舵トルクThおよび車速vxに応じて変化する基本アシストトルクTasを定義した関数を用意しておき、その関数を用いて基本アシストトルクTasを計算するようにしてもよい。また、基本アシストトルクTasの算出に関しては、必ずしも車速vxと操舵トルクThとの組み合わせから算出する必要はなく、少なくとも操舵状態に応じた検出信号に基づいて行えばよい。
続いて、マイコン41は、ステップS13において、この基本アシストトルクTasに補償トルクを加算して目標トルクT*を算出する。この補償トルクは、必ずしも必要としないが、例えば、操舵角θに比例して大きくなるステアリングシャフト12の中立位置への復帰力と、操舵角速度ωに比例して大きくなるステアリングシャフト12の回転に対向する抵抗力に対応した戻しトルクとの和として計算する。この計算に当たっては、回転角センサ23にて検出した電動モータ15の回転角θおよび電動モータ15の角速度ωを入力して算出する。
次に、マイコン41は、ステップS14において、目標トルクT*を発生させるために必要な目標電流I*を計算する。目標電流I*は、目標トルクT*をトルク定数で除算することにより求められる。
続いて、マイコン41は、その処理をステップS15に進め、目標電流I*と実電流Ixとの偏差ΔIを算出し、この偏差ΔIに基づくPI制御(比例積分制御)により目標指令電圧V*を計算する。ステップS15の演算に用いられる実電流Ixは、電流センサ46により検出した電動モータ15に流れる電流値である。
目標指令電圧V*は、例えば、下記式により計算する。
V*=Kp・ΔI+Ki・∫ΔI dt
ここでKpは、PI制御における比例項の制御ゲイン、Kiは、PI制御における積分項の制御ゲインである。
そして、マイコン41は、ステップS16において、目標指令電圧V*に応じたPWM制御信号を第1プリドライブ回路43を介してモータ駆動回路45に出力する。この場合、目標指令電圧V*に応じたデューティ比のパルス信号列がPWM制御信号として出力される。例えば、電動モータ15に左回転トルクを発生させる場合には、アームスイッチSLHとアームスイッチSLLとが目標指令電圧V*に応じたデューティ比で同一タイミングでオン・オフ制御される。また、電動モータ15に右回転トルクを発生させる場合には、アームスイッチSRHとアームスイッチSRLとが目標指令電圧V*に応じたデューティ比で同一タイミングでオン・オフ制御される。こうして、電動モータ15には、操舵方向に回転する向きに目標電流I*が流れる。この結果、電動モータ15は、目標トルクT*に等しいトルクを出力し、運転者の操舵操作をアシストする。
続いて、マイコン41は、ステップS17において、モータ駆動回路45およびモータ電源系統の異常チェックを行う。モータ電源系統の異常としては、例えば、駆動電源供給ライン55の断線、地絡等により電動モータ15に電源供給できない異常、あるいは、何らかの要因で電源供給電圧が上昇してしまう異常など挙げられる。こうしたモータ電源系統の異常チェックは、例えば、駆動電源供給ライン55の電圧を検出し、この電圧が規定電圧範囲から外れているときに異常であると判断すればよい。
また、モータ駆動回路45の異常チェックは、例えば、電流センサ46にて検出される実電流Ixに基づいて、実電流Ixが目標電流I*に対して少なすぎる場合にはオープン故障、実電流Ixが目標電流I*に対して多すぎる場合には、ショート故障が発生していると判断する。あるいは、電動モータ15の端子間電圧をモニタすることによりモータ駆動回路45の異常検出を行うこともできる。例えば、図9に示すように、通電ライン47にモータ電圧検出回路100を設けてモータ駆動回路45のアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLの故障を検知してもよい。
このモータ電圧検出回路100は、通電ライン47aを抵抗体Raを介して電源(12V)と接続し、通電ライン74aのグランドに対する電位を表す電圧信号(以下、この電圧値を電圧Vaと呼ぶ)を電子制御回路40の入出力インタフェース42に供給するA電圧検出部101と、通電ライン47bを抵抗体Rbを介してグランドと接続し、通電ライン74bのグランドに対する電位を表す電圧信号(以下、この電圧値を電圧Vbと呼ぶ)を電子制御回路40の入出力インタフェース42に供給するB電圧検出部102とを備える。2つの抵抗体Ra,Rbの抵抗値は同一であり、電動モータ15の抵抗値に対して非常に大きな値に設定されている。
例えば、アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLが全て正常であれば、電動モータ15に駆動指令が出力されていないときは、電圧Vaと電圧Vbとはともに6V(12V/2)となり、電動モータ15の左回転駆動指令が出力されているときには、左上アームスイッチSLHと左アームスイッチSLLとがオンされため、電圧Vaは12V、電圧Vbは0Vとなり、電動モータ15の右回転駆動指令が出力されているときには、右上アームスイッチSRHと右下アームスイッチSRLとがオンされため、電圧Vaは0V、電圧Vbは12Vとなる。マイコン41は、アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLに出力したPWM制御信号に対して、上記想定される電圧値が検出されないときに、アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLの何れかに故障が生じていると判断する。
例えば、電動モータ15の左回転駆動指令時において、左上アームスイッチSLHがオープン故障していれば電圧Vaが0Vとなり正常値12Vと相違する。また、左下アームスイッチSLLがオープン故障していれば電圧Vbが12Vとなり適正値0Vと相違する。同様に、電動モータ15の右回転駆動指令時においても、右上アームスイッチSRHあるいは右下アームスイッチSRLのオープン故障に対して、電圧Va,電圧Vbが正常値に対して相違する。また、ショート故障に関しても同様であり、上アーム回路45Hの何れかのアームスイッチSLH、SRHがショート故障した場合には、電圧Va,電圧Vbが12Vとなり、下アーム回路45Lの何れかのアームスイッチSRL,SLLがショート故障した場合には電圧Va,電圧Vbが0Vとなる。このように、電動モータ15の制御状態と、モータ電圧検出回路100で検出される電圧によりモータ駆動回路45の異常を検出することができる。
このようなステップS17を行うマイコン41の機能部が本発明の異常検出手段に相当する。こうして、ステップS17において、異常チェック処理が完了すると本アシスト制御ルーチンを一旦終了する。本制御ルーチンは、イグニッションスイッチ60がオフされるまでのあいだ所定の短い周期で繰り返し実行されるが、ステップS17において異常が検出された場合には、その時点で中止され、代わりに異常時回生制動制御処理が開始される。
異常検出によりアシスト制御ルーチンが中止されると、電動モータ15で発生していた操舵アシストトルクが急に消失する。このため、運転者が大きく操舵操作していた場合には、車輪を中立位置に戻そうとする路面からの逆入力により操舵ハンドル11が急に戻される。従って、運転者は、操舵ハンドル11の操舵力を急に増加させる必要がある。そこで、以下に説明する異常時回生制動制御処理を行うことにより、操舵ハンドル11に伝達される中立位置への戻り力を抑制して、運転者の負担を軽くする。
異常時回生制動制御処理について説明する。図5は、マイコン41により行われる異常時回生制動制御ルーチンを表す。この異常時回生制動制御ルーチンは、マイコン41のROM内に制御プログラムとして記憶され、上述したアシスト制御ルーチンのステップS17においてモータ駆動回路45およびモータ電源系統の異常が検出されたときに起動する。
異常時回生制動制御ルーチンが起動すると、マイコン41は、ステップS21において、電源リレー57に対して出力していたオン信号を停止して、電源リレー57をオフ状態にする。これにより、モータ駆動回路45への電源供給が遮断される。従って、モータ駆動回路45や電動モータ15の損傷防止を図ることができる。
続いて、マイコン41は、ステップS22において、モータ駆動回路45の全てのアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLに対してオン信号を出力する。例えば、デューティ比100%のPWM制御信号を第1プリドライブ回路43に出力して、アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLをオン状態にする。このとき、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、上述したアシスト制御から引き続きオン状態(デューティ比100%)に維持されている。従って、電動モータ15の端子間に通電ライン47とモータ駆動回路45(Hブリッジ回路)とで閉回路が形成される。つまり、電動モータ15と通電ライン47とモータ駆動回路45とからなる閉回路が形成される。これにより、電動モータ15の端子間が短絡されるため、路面からの逆入力が車輪に働いた場合には、それに伴って回転する電動モータ15が発電機となって回生制動力を発生させる。従って、操舵アシストトルクが急に消失しても、電動モータ15は、操舵ハンドル11が中立位置へ戻ろうとする力を抑制する。
図7は、一例として、モータ駆動回路45の左上アームスイッチSLHがオープン故障した場合とショート故障した場合、モータ駆動回路45の右下アームスイッチSRLがオープン故障した場合とショート故障した場合のそれぞれについて、電動モータ15の回転方向に応じた回生電流の流れを表した図である。例えば、左上アームスイッチSLHがオープン故障した場合、電動モータ15の左右どちらの回転に対しても、モータ駆動回路45の下アーム回路45Lと通電ライン47とにより、電動モータ15の端子間を短絡する閉回路が形成される(図7(a),(b))。また、右下アームスイッチSRLがオープン故障した場合、電動モータ15の左右どちらの回転に対しても、モータ駆動回路45の上アーム回路45Hと通電ライン47とにより、電動モータ15の端子間を短絡する閉回路が形成される(図7(c),(d))。
また、左上アームスイッチSLHがショート故障した場合、および、右下アームスイッチSRLがショート故障した場合においては、電動モータ15の左右どちらの回転に対しても、モータ駆動回路45の上アーム回路45Hと下アーム回路45Lとの並列回路と通電ライン47とにより、電動モータ15の端子間を短絡する閉回路が形成される(図7(e),(f),(g),(h))。また、他のアームスイッチSRH,SLLのオープン故障、ショート故障についても、同様に閉回路が形成される。尚、上アーム回路45HのアームスイッチSLH(SRH)と下アーム回路45LのアームスイッチSRL(SLL)とが同時にオープン故障するケースにおいては閉回路を形成できないが、こうしたケースは非常に稀である。
このように、異常を検出したときに、モータ駆動回路45の電源を遮断し、その後、モータ駆動回路45の全てのアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLに対してオン信号を出力することにより電動モータ15の端子間を短絡する処理(S21,S22)を行うマイコンの機能部が本発明の制動手段に相当する。
次に、マイコン41は、ステップS23において、タイマによる計時を開始する。続いて、ステップS24において、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2のデューティ比をタイマ値(経過時間)に応じて設定する。この回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、上述したアシスト制御中においては、デューティ比100%にて維持されているが、異常時回生制動制御が開始されると、図6に示すように、時間経過とともにデューティ比が100%から減少していくように設定される。図6の特性図においては、デューティ比が時間経過に対して曲線状に変化するように設定されているが、これは、デューティ比の減少率に対して回生電流の減少率が相違するためであって、回生電流としては時間経過とともに徐々に減少するように設定されている。尚、タイマ値とデューティ比との関係は、予め参照マップあるいは関数等によりマイコン41のROM内に記憶されている。
続いて、マイコン41は、ステップS25において、タイマ値に応じて設定されたデューティ比となるPWM制御信号を第2プリドライブ回路44に出力する。これにより、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、ともに指定されたデューティ比にてオンオフする。次に、マイコン41は、ステップS26において、タイマ値が予め設定した設定時間に達したか否かを判断する。タイマ値が設定時間に達していないあいだ(S26:No)は、その処理がステップS24に戻される。従って、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、設定時間のあいだ、時間経過とともに減少するデューティ比にてオンオフする。
回生電流制御回路70は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2を、寄生ダイオードの向きが互いに反対方向に向くように通電ライン47bに直列接続して構成されるため、電動モータ15の回転方向にかかわらず、通電ライン47に流れる電流量の制御と電流遮断とを行うことができる。この場合、時間経過とともにデューティ比が減少していくため、通電ライン47の抵抗値が増大し回生電流が流れにくくなっていく。従って、電動モータ15の回生制動力は徐々に弱まっていく。回生制動力は、路面からの逆入力により操舵ハンドルが中立位置に戻ろうとする力を抑制するが、一方で、運転者の意図した操舵操作を邪魔するものでもある。そこで、本実施形態においては、操舵アシスト停止時に急に加わるハンドル戻り力を抑えた後は、回生制動力を時間経過とともに弱めることにより、操舵感覚を急変させずに運転者の意図した操舵操作を行いやすくしていく。
タイマ値が予め設定した設定時間に達すると(S26:Yes)、マイコン41は、ステップS27において、モータ駆動回路45の全てのアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLをオフ状態にするオフ信号を第1プリドライブ回路43に出力する。このとき、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2もオフ状態とされる。従って、仮に、アームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLがショート故障している場合であっても、回生電流制御回路70により電動モータ15の端子間が開放される。異常時回生制動制御ルーチンは、ステップS27の処理が完了すると終了する。
このように、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2のデューティ比を制御することにより回生制動力を調整するマイコン41の機能部(S24〜S25)が、本発明の制動力制御手段に相当する。
ところで、こうした異常時回生制動制御処理は、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2が故障しているときには適正に行うことができない。そこで、本実施形態の電動パワーステアリング装置においては、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1、第2スイッチSW2の故障診断を行う機能を備えている。この故障診断は、イグニッションスイッチ60がオンされたシステム起動時、つまり、マイコン41がシステム内の初期診断を行うときに実行される。図8は、マイコン41により実行される初期故障診断ルーチンを表す。この初期故障診断ルーチンは、マイコン41のROM内に制御プログラムとして記憶されている。尚、上述したモータ電圧検出回路100(図9)を備えている場合には、抵抗体Ra,抵抗体Rbを通電ライン47a,47bから切り離しておくようにする。
故障診断ルーチンが起動すると、マイコン41は、ステップS31において、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とをオフ状態にするオフ信号を第2プリドライブ回路44に出力し、ステップS32において、モータ駆動回路45の全てのアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLをオフ状態にするオフ信号を第1プリドライブ回路43に出力する。次に、マイコン41は、ステップS33において、電源リレー57にオン信号を出力してモータ駆動回路45に電源を供給する。
続いて、マイコン41は、ステップS34において、モータ駆動回路45の左上アームスイッチSLHをオン状態にするオン信号を第1プリドライブ回路43に出力し、次に、ステップS35において、第1電圧測定部81から第1検出電圧V1を表す電圧信号を、第2電圧測定部82から第2検出電圧V2を表す電圧信号をそれぞれ読み込む。このとき、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1が正常な電流遮断機能を備えていれば、第1検出電圧V1はV0/2となるはずであり、第2検出電圧V2は0(グランド電位)となるはずである。尚、V0は、モータ駆動回路45に供給される電源電圧である。そこで、マイコン41は、第1検出電圧V1がV0/2であり、かつ、第2検出電圧V2が0となっているかについて判定する。判定結果が「No」であれば、マイコン41は、ステップS36において、第1スイッチSW1がショート故障していると判断して、その処理をステップS37に進める。
一方、判定結果が「Yes」であれば、マイコン41は、ステップS37において、モータ駆動回路45の左上アームスイッチSLHをオフ状態にするオフ信号を第1プリドライブ回路43に出力し、続いて、ステップS38において、右上アームスイッチSRHをオン状態にするオン信号を第1プリドライブ回路43に出力する。この状態においては、回生電流制御回路70の第2スイッチSW2が正常な電流遮断機能を備えていれば、第1検出電圧V1は0、第2検出電圧V2はV0/2となるはずである。そこで、マイコン41は、ステップS39において、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2とを読み込み、第1検出電圧V1が0であり、かつ、第2検出電圧V2がV0/2となっているかについて判定する。判定結果が「No」であれば、マイコン41は、ステップS40において、第2スイッチSW2がショート故障していると判断して、その処理をステップS41に進める。
一方、判定結果が「Yes」であれば、マイコン41は、ステップS41において、モータ駆動回路45の右上アームスイッチSRHをオフ状態にするオフ信号を第1プリドライブ回路43に出力する。続いて、ステップS42において、モータ駆動回路45の左上アームスイッチSLHをオン状態にするオン信号を第1プリドライブ回路43に、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1をオン状態にするオン信号を第2プリドライブ回路44にそれぞれ出力する。この状態においては、第1スイッチSW1が正常な導通機能を備えていれば、第2スイッチSW2の寄生ダイオードに電流が流れるため、第1電圧測定部81と第2電圧測定部82との両方に電源電圧V0が印加され、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2は、ともにV0/2となるはずである。そこで、マイコン41は、ステップS43において、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2とを読み込み、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2とがともにV0/2となっているかについて判定する。判定結果が「No」であれば、マイコンは、ステップS44において、第1スイッチSW1がオープン故障していると判断して、その処理をステップS45に進める。
一方、判定結果が「Yes」であれば、マイコン41は、ステップS45において、モータ駆動回路45の左上アームスイッチSLHをオフ状態にするオフ信号を第1プリドライブ回路43に、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1をオフ状態にするオフ信号を第2プリドライブ回路44に出力する。続いて、ステップS46において、モータ駆動回路45の右上アームスイッチSRHをオン状態にするオン信号を第1プリドライブ回路43に、回生電流制御回路70の第2スイッチSW2をオン状態にするオン信号を第2プリドライブ回路44にそれぞれ出力する。この状態においては、第2スイッチSW2が正常な導通機能を備えていれば、第1スイッチSW1の寄生ダイオードに電流が流れるため第1電圧測定部81と第2電圧測定部82との両方に電源電圧V0が印加され、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2は、ともにV0/2となるはずである。そこで、マイコン41は、ステップS47において、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2とを読み込み、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2とがともにV0/2となっているかについて判定する。判定結果が「No」であれば、マイコン41は、ステップS48において、第2スイッチSW2がオープン故障していると判断して、その処理をステップS49に進める。
一方、判定結果が「Yes」であれば、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とは、ともに正常であると判断される。そして、マイコン41は、ステップS49において、モータ駆動回路45の右上アームスイッチSRHをオフ状態にするオフ信号を第1プリドライブ回路43に、回生電流制御回路70の第2スイッチSW2をオフ状態にするオフ信号を第2プリドライブ回路44にそれぞれ出力する。
こうして、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1と第2スイッチSW2との故障診断が終了すると、マイコン41は、ステップS50において、故障が検出されなかったか否かを判断し、故障が検出されなかった場合には、ステップS51において、アシスト制御の開始を許可するとともに異常時回生制動制御についても許可する。一方、故障が検出されている場合には(S50:No)、ステップS52において、その故障の種類がオープン故障であるか否かを判断する。
オープン故障である場合(S52:Yes)には、電動モータ15を適正に通電できないため、ステップS53において、アシスト制御および異常時回生制動制御を禁止する。同時に、図示しないウォーニングランプを点灯する。また、ショート故障である場合(S52:No)には、アシスト制御の実行に関しては支障がないため、ステップS54において、アシスト制御の開始を許可するとともに異常時回生制動制御については禁止する。同時に、図示しないウォーニングランプを点灯する。
こうして、ステップS51,ステップS53,ステップS54の何れかの処理が行われると、初期故障診断ルーチンを終了する。この初期故障診断ルーチンを行うマイコン41の機能部が本発明の初期診断手段に相当する。尚、ステップS35,S39,S43,S47における電圧測定値(第1検出電圧V1,第2検出電圧V2)と設定電圧(V0/2や0)との比較判定は、完全一致を要求するものではなく、設定電圧に許容範囲を設けるものである。
以上説明した本実施形態における電動パワーステアリング装置によれば、以下の作用効果を奏する。
1.モータ駆動回路45あるいはモータ電源系統の異常を検知したとき、モータ駆動回路45の電源を遮断し、電動モータ15の端子間をモータ駆動回路45(Hブリッジ回路)と通電ライン47とで短絡した閉回路を形成するため、電動モータ15に回生制動を働かせることができる。このため、操舵アシストトルクが急に消失しても、路面からの逆入力により操舵ハンドル11が中立位置に戻ろうとする力を抑制できる。
2.この回生制動時においては、通電ライン47に設けた回生電流制御回路70により、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2のデューティ比を時間経過とともに減らして通電ライン47の抵抗値を増加させ、回生電流を徐々に減少させる。つまり、操舵アシスト停止時に急に加わるハンドル戻り力を抑えた後は、回生制動力を徐々に弱めることにより、操舵感覚を急変させずに運転者の意図した操舵操作を行いやすくする。このため、運転者は、正常時における操舵アシストが働いている状態から操舵アシストが停止された状態への移行に対して、適正に対応することができる。
3.回生電流制御回路70は、2つのMOS−FETを、その寄生ダイオードが互いに反対方向に向くように直列接続して構成されるため、電流遮断機能と応答性のよい電流制御機能とを兼ね備え、電動モータ15に流す回生電流を適正に制御することができる。
4.電動パワーステアリング装置のシステム起動時には、毎回、回生電流制御回路70の故障診断を行い、オープン故障時においてはアシスト制御を禁止するため信頼性が向上する。また、ショート故障時においてはアシスト制御が許可されるためアシスト機能を有効利用することができるとともに、異常時回生制動制御を禁止するため無駄な制御処理を省くことができる。
5.回生電流制御回路70の故障診断は、モータ駆動回路45のアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLへの制御信号(オン信号、オフ信号)と回生電流制御回路の第1,第2スイッチSW1,SW2への制御信号(オン信号、オフ信号)との組み合わせに対して、第1検出電圧V1と第2検出電圧V2とが設定電圧になっているか否かを判断することにより行うため診断が容易である。
6.回生制動力を働かせる場合には、電源リレー57をオフにした状態で、モータ駆動回路45の全てのアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLに対してオン信号を出力して、電動モータ15の端子間を通電ライン47とモータ駆動回路45とで短絡して閉回路を形成するため、モータ駆動回路45の異常箇所や異常内容を特定しなくても回生制動を行うための閉回路を簡単に形成することができる。
以上、本実施形態の電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、異常発生時から(アシスト停止から)の時間経過にあわせて、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1,第2スイッチSW2のデューティ比を減少させて通電ライン47の抵抗値を増大させることにより回生電流を減少させているが、必ずしも時間経過とともに回生制動力を低下させる必要はない。例えば、運転者の操舵操作に基づいて、運転者の操舵操作を邪魔しないように、かつ、路面反力を抑制するように調整することもできる。
また、本実施形態においては、異常時回生制動制御を行うときに、モータ駆動回路45の全てのアームスイッチSLH,SRH,SRL,SLLに対してオン信号を出力して閉回路を形成したが、異常の生じているアームスイッチおよび異常の種類(ショート故障あるいはオープン故障)を判別し、それに応じた特定のアームスイッチに対してオン信号を出力して閉回路を形成するようしてもよい。
また、本実施形態においては、モータ駆動回路45とモータ電源系統との両方の異常チェックを行って、何れか一方でも異常が検出されたときに異常時回生制動制御を実行する構成であるが、モータ駆動回路45の異常チェックのみに基づいて異常時回生制動制御を実行する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、回生電流制御回路70の第1スイッチSW1,第2スイッチSW2としてMOS−FETを用いたが他の種類のFETを採用することもできる。また、他の半導体素子を用いても良い。
本発明の電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 電動パワーステアリング装置における概略回路構成図である。 アシスト制御ルーチンを表すフローチャートである。 アシストトルクマップを表す特性図である。 異常時回生制動制御ルーチンを表すフローチャートである。 経過時間とデューティ比との関係を表す特性図である。 Hブリッジ回路の故障時に回生制動を行う閉回路を表す回路図である。 初期故障診断ルーチンを表すフローチャートの前半部である。 初期故障診断ルーチンを表すフローチャートの後半部である。 モータ電圧検出回路を表す回路図である。 従来技術において回生電流を制御できない状況を説明する回路図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、15…電動モータ、21…操舵トルクセンサ、22…車速センサ、30…電子制御ユニット(ECU)、40…電子制御回路、41…マイコン、43…第1プリドライブ回路、44…第2プリドライブ回路、45…モータ駆動回路(Hブリッジ回路)、45H…上アーム回路、45L…下アーム回路、SLH,SRH,SRL,SLL…アームスイッチ、47…通電ライン、70…回生電流制御回路、SW1…第1スイッチ(MOS−FET)、SW2…第2スイッチ(MOS−FET)、80…異常検出回路、81…第1電圧測定部、82…第2電圧測定部、100…モータ電圧検出回路、R11,R12,R21,R22…抵抗体(電圧測定用抵抗)。

Claims (7)

  1. 運転者により操舵操作される操舵ハンドルと、
    操舵アシストトルクを発生させるための電動モータと、
    前記電動モータの通電量と回転方向とを制御するブリッジ回路と、
    前記操舵ハンドルの操舵操作に基づいて、前記ブリッジ回路に制御信号を出力して前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記ブリッジ回路から前記電動モータへの通電ラインに設けられ、その通電ラインを遮断可能かつ通電ラインに流れる電流量の制御可能な半導体素子と、
    前記ブリッジ回路の異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により異常を検出したときに、前記ブリッジ回路への電源供給を遮断するとともに、前記電動モータの端子間に前記通電ラインと前記ブリッジ回路とで閉回路を形成して前記電動モータの回転による発電にて前記電動モータに制動力を発生させる制動手段と、
    前記半導体素子を制御して前記制動力を調整する制動力制御手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記半導体素子は、2つのMOS−FETを、寄生ダイオードが互いに反対方向に向くように直列接続して構成され、
    前記制動力制御手段は、前記2つのMOS−FETをスイッチング制御することにより前記制動力を調整することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記ブリッジ回路は、スイッチング素子を電源に並列に接続した上アーム回路と、スイッチング素子を並列に接地した下アーム回路とを直列に接続して備え、上アーム回路と下アーム回路との間から前記通電ラインを引き出したHブリッジ回路であり、
    前記制動手段は、前記ブリッジ回路への電源供給を遮断した後に、前記上アーム回路と前記下アーム回路とにおける全てのスイッチング素子に対してオン指令を出力することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記モータ制御手段による電動モータの駆動制御を開始する前に、前記2つのMOS−FETの個々の異常の有無を診断する初期診断手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記初期診断手段は、
    前記上アーム回路と前記下アーム回路との2つの接続部をそれぞれ電圧測定用抵抗を介して接地し、
    前記2つのMOS−FETと前記ブリッジ回路に予め設定した制御信号を出力したときにおける前記各電圧測定用抵抗の分圧に基づいて、前記2つのMOS−FETの個々の異常の有無を診断することを特徴とする請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記初期診断手段は、
    前記2つのMOS−FETにオフ信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の一方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、一方のMOS−FETの遮断不良を検出し、
    前記2つのMOS−FETにオフ信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の他方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、他方のMOS−FETの遮断不良を検出することを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記初期診断手段は、
    一方のMOS−FETにオン信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の一方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、前記一方のMOS−FETの導通不良を検出し、
    他方のMOS−FETにオン信号を出力するとともに前記Hブリッジ回路の上アーム回路の他方のスイッチング素子にオン信号を出力し、そのときの前記各電圧測定用抵抗の分圧を測定することにより、前記他方のMOS−FETの導通不良を検出することを特徴とする請求項5または6記載の電動パワーステアリング装置。
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