JP2013121294A - 電動パワーステアリング用モータの故障診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】故障診断のための待ち時間の短縮が可能な電動パワーステアリング用モータの故障診断装置を提供する。
【解決手段】故障診断回路(制御回路57)は、第1のモータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧#1検出回路54)で検出される第1のモータ端子電圧と、第2のモータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧#2検出回路55)で検出される第2のモータ端子電圧との大小関係にしたがい、GNDに接続される第2または第4のスイッチング素子(FET#2,FET#4)のうちの一つをONし、当該ONしたスイッチング素子によって決まる第1または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かにより電動モータ(単相モータ43)の故障診断を行う。
【選択図】図2
【解決手段】故障診断回路(制御回路57)は、第1のモータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧#1検出回路54)で検出される第1のモータ端子電圧と、第2のモータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧#2検出回路55)で検出される第2のモータ端子電圧との大小関係にしたがい、GNDに接続される第2または第4のスイッチング素子(FET#2,FET#4)のうちの一つをONし、当該ONしたスイッチング素子によって決まる第1または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かにより電動モータ(単相モータ43)の故障診断を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動パワーステアリング用モータの故障診断装置に関する。
電動パワーステアリング装置に使用されるモータの駆動制御部は、主にHブリッジと呼ばれる回路により構成される。Hブリッジに配置される4個のスイッチング素子をON/OFF制御することにより電動モータを駆動してステアリングトルクに対するアシスト力を得る。電動パワーステアリング装置用のECU(電子制御ユニット)は、電動モータおよびモータ端子間が切断状態にあると意図したアシスト力を得ることができないため、イグニッションON時、電動モータおよびモータ端子間が断線していないことを確認するために故障診断を行う。
図9に従来の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置(以下、単に故障診断装置550という)の動作原理が示されている。図9に示されるように、従来の故障診断装置550は、アシスト開始前の初期起動状態において、Hブリッジ回路551を構成するFET#1,FET#2、FET#3、FET#4のうち、FET#1、FET#3、FET#4をOFF、FET#2をON、フェールセーフ(F/S)リレー556をONとし、モータ端子電圧#2検出回路555で検出されるモータ端子電圧#2が規定の電圧範囲内にあるか否かを判定することにより、電動モータ(M)543およびモータ端子間が断線状態にないことを確認している。なお、図9において点線で示した矢印は電流が流れる方向を示す。
図10に、横軸を時間軸[ms]とし、縦軸をモータ端子電圧[v]としたときの電動モータ停止時(ω=0)におけるモータ端子電圧の変化の様子がグラフで示されている。図10によれば、故障診断装置550は、図9のFET#1、FET#3、FET#4がOFF、FET#2がON、F/Sリレー556がONのとき、モータ端子電圧#2と判定閾値との比較判定による故障診断実行結果、図中Bで示すGND短絡による電圧状態になったときに「正常」、図中Aで示すバッテリによるプルアップ電圧状態である場合に「異常」と判定する。但し、故障診断結果は、正常判定後一定時間経過後に確定する。
しかしながら上記した従来の故障診断装置550によれば、故障診断装置550が故障診断中に、制御対象であるステアリングが操作されることがあり、この場合、外力によって電動モータが駆動され、これにより発生する逆起電力によって電動モータの端子電圧が変動して故障検出が正確に行われない可能性がある。このように逆起電力が発生している状態であっても正確に故障診断を行う技術が、例えば特許文献1に開示されている。
ところで、モータ端子間電圧は、通常、図11に特性図が示されるように、モータ回転数ω[rps]に比例して大きくなる。特に、モータ端子電圧#2が判定閾値と比較して+側になるような方向にモータ回転数が高い場合、例えば、図12に示されるように、モータ端子電圧#2が故障診断の規定の電圧範囲外となり、モータ断線状態なのかあるいはモータ回転状態なのかを正しく判定することが出来なくなる。このため、例えば、図13に示されるように、モータの回転が停止(判定閾値>モータ端子電圧)、または回転数が低い場合にのみ故障診断を実行し、モータの回転数が高い場合は故障診断を実行することが出来ずに待ち時間が発生し、結果的に診断時間が延びる。
したがって、電動モータおよびモータ端子間が正常に接続されている場合であっても、ステアリングにより電動モータが回転され続けている条件下にあっては、アシスト開始前の初期起動時において待ち状態が発生していつまでもアシストON状態にならず、商品性が著しく悪くなるという問題がある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、故障診断のための待ち時間の短縮が可能な電動パワーステアリング用モータの故障診断装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、電源とアースとの間に直列に接続された第1と第2のスイッチング素子と、前記第1と第2のスイッチング素子と並列に、かつ前記電源と前記アースとの間に直列に接続された第3と第4のスイッチング素子と、前記第1と第2のスイッチング素子間と、前記第3と第4のスイッチング素子間に直列に接続される電動モータおよびフェールセーフリレーと、前記電動モータの両端の電圧を検出する第1と第2のモータ端子電圧検出回路と、前記第1のモータ端子電圧検出回路で検出される第1のモータ端子電圧と、前記第2のモータ端子電圧検出回路で検出される第2のモータ端子電圧との大小関係にしたがい、前記フェールセーフリレーと、前記アースに接続される前記第2または第4の半導体スイッチング素子のうちの一つをONし、前記ONしたスイッチング素子によって決まる前記第1または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かにより前記電動モータの故障診断を行う故障診断回路と、を有することを特徴とする電動パワーステアリング用モータの故障診断装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置において、前記故障診断回路は、前記第1のモータ端子電圧が前記第2のモータ端子電圧より大きいか等しい場合に、前記第2の半導体スイッチング素子をONし、前記第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定して前記電動モータの故障診断を行うことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置において、前記故障診断回路は、前記フェールセーフリレーがONの場合であって、かつ、前記第1のモータ端子電圧が前記第2のモータ端子電圧未満の場合に、前記第4の半導体スイッチング素子をONし、前記第1のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定して前記電動モータの故障診断を行うことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置において、前記故障診断回路は、前記第1のモータ端子電圧または前記第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にない状態が一定時間継続した場合に、前記電動モータの故障診断の内容を確定することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、故障診断回路は、第1のモータ端子電圧検出回路で検出される第1のモータ端子電圧と、第2のモータ端子電圧検出回路で検出される第2のモータ端子電圧との大小関係にしたがい、フェールセーフリレーと、アースに接続される第2または第4の半導体スイッチング素子のうちの一つをONし、当該ONしたスイッチング素子によって決まる第1または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かにより電動モータの故障診断を行う。このため、例えば、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧より大きいか等しい場合に、第2の半導体スイッチング素子をONして第2のモータ端子電圧を用いて故障診断を行うことにより、または、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧未満の場合に、第4の半導体スイッチング素子をONし、第1のモータ端子電圧を用いて故障診断を行うことにより、電動モータおよびモータ端子間が正常に接続されている場合であってもステアリングにより電動モータが回転され続けている条件下において、アシスト開始前の初期起動状態において待ち状態が発生し、いつまでもアシストON状態にならない状態を回避することができ、故障診断のための待ち時間が短縮されるため電動パワーステアリング装置の商品性が向上する。
請求項2に係る発明によれば、故障診断回路は、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧より大きいか等しい場合に、第2の半導体スイッチング素子をONし、第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定することにより、電動モータの故障診断を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、故障診断回路は、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧未満の場合に、第4の半導体スイッチング素子をONし、第1のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定することにより、電動モータの故障診断を行うことかできる。
請求項4に係る発明によれば、第1のモータ端子電圧または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にない状態が一定時間継続した場合に電動モータの故障診断の内容を確定することにより、一定時間内に一度でも所定の電圧範囲に無いことが確認された場合に故障ありと判定されるため、故障診断の精度が向上する。
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という)について、詳細に説明する。
(実施形態1の構成)
図1は、電動パワーステアリング装置10の概略構造を模式的に示している。電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングハンドル21から操舵用車輪(例えば前輪)31、31に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加えるアシストトルク機構40とからなる。
図1は、電動パワーステアリング装置10の概略構造を模式的に示している。電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングハンドル21から操舵用車輪(例えば前輪)31、31に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加えるアシストトルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングハンドル21と、このステアリングハンドル21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介して連結されたピニオン軸24と、このピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介して連結されたラック軸26と、このラック軸26の両端にボールジョイント27,27、タイロッド28,28及びナックル29,29を介して連結された左右の操舵用車輪31,31とからなる。ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン32と、ラック軸26に形成されたラック33とからなる。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングハンドル21を操舵することによって、その操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25,ラック軸26及び左右のタイロッド28,28を介して、左右の転舵用車輪31,31を操舵することができる。
アシストトルク機構40は、トルクセンサ41、電動モータ43、トルク伝達機構44、電動モータ制御装置(ECU50)、車速センサ60からなる。トルクセンサ41は、ステアリングハンドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを検出する。車速センサ60は、車速を検出する。トルク伝達機構44は、例えばボールねじからなる。
このように、アシストトルク機構40は、トルクセンサ41によって検出された操舵トルクに基づき電動モータ制御装置50で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルク(モータトルク)をブラシモータ43で発生し、補助トルクを、トルク伝達機構44を介してラック軸26に伝達するようにした機構である。
ここで使用される電動モータ43は単相モータである。この単相モータ43のモータ軸43aは、ラック軸26を覆う中空軸である。ボールねじ44は、ラック軸26においてラック33を除く部分に形成されたねじ部45と、ねじ部45に組付けられたナット46と、多数のボールとからなる、トルク伝達機構である。ナット46は、モータ軸43aに連結したものである。なお、トルク伝達機構は、単相モータ43が発生した補助トルクを、ピニオン軸24に直接に伝達する構成であってもよい。
このように、電動パワーステアリング装置10によれば、ステアリングハンドル21からラック軸26に伝達された操舵トルクに、単相モータ43が発生した補助トルクを加えた、いわゆる「複合トルク」により、転舵用車輪31,31を操舵することができる。
図2は、本実施形態1に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置の構成を示すブロック図である。ここでいう故障診断装置は、図1に示す電動モータ制御装置50により実現される。電動モータ制御装置50は、Hブリッジ回路51と、モータ駆動回路52と、リレー駆動回路53と、モータ端子電圧#1検出回路54と、モータ端子電圧#2検出回路55と、F/Sリレー56と、制御回路57と、から構成される。
Hブリッジ回路51は4個のスイッチング素子からなる。これらのスイッチング素子は、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated gate Bipolar Transistor)によって構成され、ここでは、FET#1(第1のスイッチング素子),FET#2(第2のスイッチング素子),FET#3(第3のスイッチング素子),FET#4(第4のスイッチング素子)とする。FET#1とFET#3とFET#2とFET#4は、ともに、バッテリ電源(+B)とアース(GND)間に直列接続されている。したがって、直列に接続されたFET#1とFET#2は、同じく直列に接続されたFET#3とFET#4とは、+BとGND間に並列に接続されることになる。
Hブリッジ回路51を構成するFET#1,FET#2,FET#3,FET#4は、モータ駆動回路52を介して制御回路57によりON/OFF駆動される。 モータ駆動回路52は、各スイッチング素子FET#1,FET#2,FET#3,FET#4を、デューティ比に基づきON/OFF駆動する。この結果、モータ駆動回路52から電流を供給された電動モータ43(ここでは単相モータを使用)は、補助トルクを発生する。
Hブリッジ回路51を構成するFET#1とFET#2との間にある接続点a、およびFET#3とFET#4との間にある接続点bには、単相モータ43とF/Sリレー56とが直列に接続されている。ここで、F/Sリレー56は、過電流検出時に単相モータ43に供給されるバッテリ電源による電力を遮断するために用いられ、リレー駆動回路53を介して制御回路57により制御される。なお、FET#1とFET#2との接続点aには、バッテリ電源+Bでプルアップされたモータ端子電圧#1検出回路54が、FET#3とFET#4との接続点bには、バッテリ電源+Bでプルアップされたモータ端子電圧#2検出回路55が、それぞれ接続されている。モータ端子電圧#1検出回路54,モータ端子電圧#2検出回路55で検出された端子電圧は、ともに制御回路57に供給される。
制御回路57は、例えば、プログラムによって動作するマイクロプロセッサにより構成されており、モータ駆動回路52およびリレー駆動回路53を制御する。制御部57は、図1に示したトルクセンサ41、および車速センサ60から入力される信号に基づき、PWM(Pulse Width Modulation)の制御信号を発してモータ駆動回路52を制御するとともに、リレー駆動回路53を制御する。このため、制御回路57は、FET#1用ドライバは出力ポートPWM1を介し,FET#2用ドライバは出力ポートPWM2を介し,FET#3用ドライバは出力ポートPWM3を介し,FET#4用ドライバは出力ポートPWM4を介して、それぞれON/OFF制御する。また、リレー駆動回路53は、出力ポートRLY1を介してON/OFF制御する。
制御回路57は、更に、モータ端子電圧#1検出回路54で検出されるモータ端子電圧#1と、モータ端子電圧#2検出回路55で検出されるモータ端子電圧#2との大小関係にしたがい、GND側に接続されるFET#2またはFET#4のうちの一つをONし、このONしたFET(FET#2またはFET#4)によって決まるモータ端子電圧#1(#2)が所定の電圧範囲にあるか否かにより単相モータ43の故障診断を行う故障診断回路としても機能する。なお、図2では、簡略化のためにFET#1,#2の結線のみ示しており、FET#3,FET#4の結線は省略してある。
具体的に、制御回路57は、F/Sリレー56がONであって、かつ、モータ端子電圧#1がモータ端子電圧#2より大きいか等しい場合に、GND側に接続されるFET#2をONし、モータ端子電圧#2が所定の電圧範囲にあるか否かを判定して単相モータ43の故障診断を行う。一方、F/SリレーがONの場合であって、かつ、モータ端子電圧#1がモータ端子電圧#2未満の場合に、GND側に接続されるFET#4をONし、モータ端子電圧#1が所定の電圧範囲にあるか否かを判定して単相モータ43の故障診断を行う。制御回路57は、更に、モータ端子電圧#1またはモータ端子電圧#2が所定の電圧範囲にない状態が一定時間継続した場合に、単相モータ43の故障診断の内容を確定する。詳細はいずれも後述する。
(実施形態1の動作)
以下、図3,図4に示す模式図、および図5に示すフローチャートを参照しながら、図1に示す本実施形態1に係る電動パワーステアリング用故障診断装置の動作につき詳細に説明する。
以下、図3,図4に示す模式図、および図5に示すフローチャートを参照しながら、図1に示す本実施形態1に係る電動パワーステアリング用故障診断装置の動作につき詳細に説明する。
本実施形態1に係る電動パワーステアリング用故障診断装置は、電動モータ制御装置50(制御回路57)が、モータ端子電圧#1とモータ端子電圧#2の大小関係により、Hブリッジ回路51を構成する、GND側に接続されたFET#2またはFET#4をONし、それによって決まるモータ端子電圧#1またはモータ端子電圧#2を使用して故障診断を行うことを特徴とする。具体的には、例えば、図3に模式図が示されるように、FET#2をONした場合は、モータ端子電圧#2検出回路55の出力であるモータ端子電圧#2を使用して故障診断を行なう。また、例えば、図4に模式図が示されるように、FET#4をONした場合は、モータ端子電圧#1検出回路54出力であるモータ端子電圧#1を使用して故障診断を行う。
なお、図3,図4において点線で示した矢印は電流が流れる方向である。また、電流検出回路58は、不図示のシャント抵抗によって単相モータ43に流れる電流の過電流を検出する。電流検出回路58が過電流を検出すると、制御回路57は、リレー駆動回路53によりF/Sリレー56をOFFする。なお、F/Sリレー56は正常状態にあっては常時ONである。
制御回路57は、モータ端子電圧#1検出回路54で検出されるモータ端子電圧#1と、モータ端子電圧#2検出回路55で検出されるモータ端子電圧#2との大小関係にしたがい、GND側に接続されるFET#2またはFET#4のうちの一つをONし、このONしたFET(FET#2またはFET#4)によって決まるモータ端子電圧#1(#2)が所定の電圧範囲にあるか否かにより単相モータ43の故障診断を行う。
具体的に、図5に動作フローチャートが示されるように、制御回路57は、イグニッションスイッチON直後のアシスト開始前の初期状態(FET#1,FET#2,FET#3,FET#4が共にOFF,F/SリレーON)において(ステップS101)、入力ポートAD1を介して取り込まれるモータ端子電圧#1検出回路54出力のモータ端子電圧#1と、入力ポートAD2を介して取り込まれるモータ端子電圧#2検出回路55出力のモータ端子電圧#2とを比較する。ここで、モータ端子電圧#1がモータ端子電圧#2より大きいか等しい場合(ステップS102“YES”)、FET#2をONしてモータ端子電圧#2を用い(ステップS103)、所定の電圧範囲にあるか否かを判定して単相モータ43の故障診断を行う(ステップS105)。故障診断にあたり、制御回路57は、モータ端子電圧#2と判定閾値との比較を行い、モータ端子電圧#2が判定閾値より低い正常状態が時間xだけ継続した場合(ステップS105“YES”)、単相モータ43の故障診断の内容を確定する(ステップS106)。
一方、F/SリレーがONの場合であって、かつ、モータ端子電圧#1がモータ端子電圧#2未満の場合(ステップS102“NO”)、制御回路57は、FET#4をONし、モータ端子電圧#1が所定の電圧範囲にあるか否かを判定し(ステップS104)、単相モータ43の故障診断を行う(ステップS105)。制御回路57は、更に、モータ端子電圧#1が所定の電圧範囲にない状態が一定時間継続した場合に(ステップS105“YES”)、単相モータ43の故障診断の内容を確定する(ステップS106)。
なお、図5に示すフローチャートは、イグニッシュンスイッチONを契機に起動される故障診断の流れを示したものであり、事前にHブリッジ回路51を構成するFET#1,FET#2,FET#3,FET#4の全てが正常であることを確認してあることを前提に説明してある。
(実施形態1の効果)
上記した実施形態1に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置によれば、故障診断時、ステアリング操作により電動モータが回転している場合でも、常にモータ起電力の正側端子がGND側に接続されたFET#2(#4)を介して接続され、モータ起電力の負側端子のモータ端子電圧を用いて診断が行なわれる。したがって、モータの回転方向と故障診断に使用する端子電圧が固定され、このため、従来例と比して図6にyで示す分だけモータ回転による診断待ちの時間が短縮される。なお、F/Sリレー56の溶着に対する故障診断を行う場合も同様、モータの回転方向によって故障診断に使用する端子電圧を切り換えるため誤った正常判定を回避することができる。
上記した実施形態1に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置によれば、故障診断時、ステアリング操作により電動モータが回転している場合でも、常にモータ起電力の正側端子がGND側に接続されたFET#2(#4)を介して接続され、モータ起電力の負側端子のモータ端子電圧を用いて診断が行なわれる。したがって、モータの回転方向と故障診断に使用する端子電圧が固定され、このため、従来例と比して図6にyで示す分だけモータ回転による診断待ちの時間が短縮される。なお、F/Sリレー56の溶着に対する故障診断を行う場合も同様、モータの回転方向によって故障診断に使用する端子電圧を切り換えるため誤った正常判定を回避することができる。
(実施形態2の構成)
図7は、本実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置の動作を回路図上に示した模式図である。実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置においても実施形態1同様、図2に示す電動モータ制御装置50により実現されるものとする。実施形態1との差異は、実施形態1では、GND側に接続されたFET#2(#4)をONして故障診断に使用するモータ端子電圧を切り換えたのに対し、実施形態2では、バッテリ電源+B側に接続されたFET#1(#3)をONして故障診断に使用するモータ端子電圧を切り換えることにある。
図7は、本実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置の動作を回路図上に示した模式図である。実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置においても実施形態1同様、図2に示す電動モータ制御装置50により実現されるものとする。実施形態1との差異は、実施形態1では、GND側に接続されたFET#2(#4)をONして故障診断に使用するモータ端子電圧を切り換えたのに対し、実施形態2では、バッテリ電源+B側に接続されたFET#1(#3)をONして故障診断に使用するモータ端子電圧を切り換えることにある。
(実施形態2の動作)
図7は、Hブリッジ回路51を構成するFET#1,FET#2,FET#3,FET#4のうち、FET#1をONし、モータ端子電圧#2を使用して故障診断を行う場合の動作を模式して示した図である。なお、図7において点線で示した矢印は電流が流れる方向である。また、ここでは図示省略してあるが、FET#3をONしてモータ端子電圧#1を使用して故障診断を行う場合も考えられる。
図7は、Hブリッジ回路51を構成するFET#1,FET#2,FET#3,FET#4のうち、FET#1をONし、モータ端子電圧#2を使用して故障診断を行う場合の動作を模式して示した図である。なお、図7において点線で示した矢印は電流が流れる方向である。また、ここでは図示省略してあるが、FET#3をONしてモータ端子電圧#1を使用して故障診断を行う場合も考えられる。
本実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置の具体的な動作が図8に時間軸上に示されているように、図7のFET#2、FET#3、FET#4がOFF、FET#1がON、F/Sリレー556がONのとき、電導モータ制御装置50の制御回路557は、モータ端子電圧#2検出回路555で検出されるモータ端子電圧#2と判定閾値との比較判定による故障診断の実行結果、図8にBで示す+B短絡による電圧状態になったときに「正常」と判定し、Aで示す+Bによるプルアップ電圧状態である場合に「異常」と判定する。そして、実施形態1同様、故障診断結果は、正常判定後、一定時間経過後に確定する。
(実施形態2の効果)
上記した実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置によれば、故障診断時、ステアリング操作により電動モータが回転している場合でも、常にモータ起電力の正側端子が+B側に接続されたFET#1(#3)を介して接続され、モータ起電力の正側端子のモータ端子電圧を用いて診断が行なわれる。したがって、モータの回転方向と故障診断に使用する端子電圧が固定され、このため、モータ回転による診断待ちの時間が短縮される。但し、車体がアースされていることにより、モータハーネス経由で短絡電流が流れることが想定されるため、実施形態1で示したようにGND側に短絡させて故障診断を行う形態が好ましい。
上記した実施形態2に係る電動パワーステアリング用モータの故障診断装置によれば、故障診断時、ステアリング操作により電動モータが回転している場合でも、常にモータ起電力の正側端子が+B側に接続されたFET#1(#3)を介して接続され、モータ起電力の正側端子のモータ端子電圧を用いて診断が行なわれる。したがって、モータの回転方向と故障診断に使用する端子電圧が固定され、このため、モータ回転による診断待ちの時間が短縮される。但し、車体がアースされていることにより、モータハーネス経由で短絡電流が流れることが想定されるため、実施形態1で示したようにGND側に短絡させて故障診断を行う形態が好ましい。
以上説明のように本発明の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置(電動モータ制御装置50)によれば、故障診断回路(制御回路57)は、第1のモータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧#1検出回路54)で検出される第1のモータ端子電圧と、第2のモータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧#2検出回路55)で検出される第2のモータ端子電圧との大小関係にしたがい、F/Sリレー56と、GNDに接続される第2または第4の半導体スイッチング素子(FET#2,FET#4)のうちの一つをONし、当該ONしたスイッチング素子によって決まる第1または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かにより電動モータ(単相モータ43)の故障診断を行う。
このため、例えば、第1のモータ端子電圧(モータ端子電圧#1)が第2のモータ端子電圧(モータ端子電圧#2)より大きいか等しい場合に、第2の半導体スイッチング素子(FET#2)をONして第2のモータ端子電圧を用いて故障診断を行うことにより、または、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧未満の場合に、第4の半導体スイッチング素子(FET#4)をONし、第1のモータ端子電圧を用いて故障診断を行うことにより、電動モータおよびモータ端子間が正常に接続されている場合であってもステアリングにより電動モータが回転され続けている条件下において、アシスト開始前の初期起動状態において待ち状態が発生し、いつまでもアシストON状態にならない状態を回避することができ、故障診断のための待ち時間が短縮されるため電動パワーステアリング装置の商品性が向上する。
また、本発明の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置(電動モータ制御装置50)によれば、故障診断回路(制御回路57)は、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧より大きいか等しい場合に、第2の半導体スイッチング素子(FET#2)をONし、第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定することにより、電動モータ(単相モータ43)の故障診断を行うことができる。更に、故障診断回路は、第1のモータ端子電圧が第2のモータ端子電圧未満の場合に、第4の半導体スイッチング素子(FET#4)をONし、第1のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定することにより、電動モータの故障診断を行うことかできる。
また、故障診断回路(制御回路57)は、第1のモータ端子電圧または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にない状態が一定時間継続した場合に電動モータの故障診断の内容を確定することにより、一定時間内に一度でも所定の電圧範囲に無いことが確認された場合に故障ありと判定されるため、故障診断の精度が向上する。なお、GND側に接続されたFET#2(#4)をONして故障診断に使用するモータ端子電圧を切り換える他に、+B側に接続されたFET#1(#3)をONして故障診断に使用するモータ端子電圧を切り換えることも可能である。
10…電動パワーステアリング装置、40…アシストトルク機構、41…トルクセンサ、43…単相モータ、50…電動モータ制御装置、51…Hブリッジ回路、52…モータ駆動回路、53…リレー駆動回路、54…モータ端子電圧#1検出回路、55…モータ端子電圧#2検出回路、56…フェールセーフリレー、57…制御回路。
Claims (4)
- 電源とアースとの間に直列に接続された第1と第2のスイッチング素子と、
前記第1と第2のスイッチング素子と並列に、かつ前記電源と前記アースとの間に直列に接続された第3と第4のスイッチング素子と、
前記第1と第2のスイッチング素子間と、前記第3と第4のスイッチング素子間に直列に接続される電動モータおよびフェールセーフリレーと、
前記電動モータの両端の電圧を検出する第1と第2のモータ端子電圧検出回路と、
前記第1のモータ端子電圧検出回路で検出される第1のモータ端子電圧と、前記第2のモータ端子電圧検出回路で検出される第2のモータ端子電圧との大小関係にしたがい、前記フェールセーフリレーと、前記アースに接続される前記第2または第4のスイッチング素子のうちの一つをONし、前記ONしたスイッチング素子によって決まる前記第1または第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かにより前記電動モータの故障診断を行う故障診断回路と、
を有することを特徴とする電動パワーステアリング用モータの故障診断装置。 - 前記故障診断回路は、
前記第1のモータ端子電圧が前記第2のモータ端子電圧より大きいか等しい場合に、前記第2のスイッチング素子をONし、前記第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定して前記電動モータの故障診断を行うことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置。 - 前記故障診断回路は、
前記フェールセーフリレーがONの場合であって、かつ、前記第1のモータ端子電圧が前記第2のモータ端子電圧未満の場合に、前記第4のスイッチング素子をONし、前記第1のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にあるか否かを判定して前記電動モータの故障診断を行うことを特徴とする請求項1または2記載の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置。 - 前記故障診断回路は、
前記第1のモータ端子電圧または前記第2のモータ端子電圧が所定の電圧範囲にない状態が一定時間継続した場合に、前記電動モータの故障診断の内容を確定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電動パワーステアリング用モータの故障診断装置。
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