JP2000053013A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置の制御装置Info
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- JP2000053013A JP2000053013A JP21921498A JP21921498A JP2000053013A JP 2000053013 A JP2000053013 A JP 2000053013A JP 21921498 A JP21921498 A JP 21921498A JP 21921498 A JP21921498 A JP 21921498A JP 2000053013 A JP2000053013 A JP 2000053013A
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Abstract
持することができ、制御系の安定性を失うことがない電
動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。 【解決手段】 ステアリングシヤフトに発生する操舵ト
ルク信号に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与
えるモータの出力を制御するようになっている電動パワ
ーステアリング装置の制御装置において、モータ出力の
制御目標値である電流指令値を演算する演算手段と、前
記電流指令値を車速に応じて近似微分し、減算器を経て
前記モ−タに印加するフィ−ドフォワ−ド補償器と、前
記モータに流れるモータ電流値を検出するモータ電流検
出手段と、前記モータ電流値を入力とするモータ逆特性
回路要素と、前記逆特性回路要素の出力及び前記減算器
の出力の偏差値を入力してその出力を前記減算器に入力
するフィルタとを設ける。
Description
望するモータ制御特性を維持することができ、制御系の
安定性を失うことがない電動パワーステアリング装置の
制御装置に関する。
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシャフトに
発生する操舵トルクを検出すると共に、車速を検出し、
これら検出信号に基づいてモ一夕を駆動して操向ハンド
ルの操舵力を補助するものである。このような電動式パ
ワーステアリング装置の制御はコントロ−ルユニットで
実行され、トルクセンサで検出された操舵トルク及び車
速センサで検出された車速に基づいてモータに供給する
電流の大きさを演算し、その演算結果に基づいてモータ
に供給する電流量を制御する。即ち、コントロ−ルユニ
ットは、操向ハンドルが操作されて操舵トルクが発生し
ているときに、検出された車速が零あるいは低速の場合
は大きな操舵補助力を供給し、検出された車速が速い場
合は小さな操舵補助力を供給するように操向ハンドルの
操舵力及び車速に応じて操舵補助指令値を設定し、モー
タに供給する電流を制御することで、走行状態に応じた
最適な操舵補助力を与えることができる。更に、車速が
速い場合には車両の安定感を増すように、モータ角速度
に比例した値を操舵補助指令値より減算することにより
疑似的な摩擦を与え、安定感を向上することが行なわれ
ている。
クや車速、モータ角速度などに基づいてモータ電流の制
御目標値を演算し、演算結果であるモータ電流の制御目
標値と、実際にモータに流れる電流の差が零になるよう
に電流フィードバック制御が行なわれていた。かかる電
流フィードバック制御システムでは、操舵トルクの変動
を補償し、且つ高速応答特性が得られるように制御シス
テムの設計が行なわれると共に、制御に必要なモータ角
速度の情報を得るため、制御回路の出力と実際にモータ
に流れる電流の検出値とから操舵角速度を推定する手法
が使用されていた(特開平3−176271号)。
ような電流フィードバック制御システムにおいて、操舵
角速度を推定するには電流フィードバック制御システム
の応答特性を適度に遅くしなければならない。何故なら
ば、電流フィードバック制御システムの応答特性が速い
場合は、モータに発生する逆起電力に迅速に応答して逆
起電力を補償してしまい、角速度を推定するために必要
な逆起電力を正確に検出することができなくなってしま
うからである。このように、電流フィードバック制御シ
ステムでは、操向ハンドルの戻り特性を改善するため
に、逆起電力を補償するべく高速の応答特性を与えると
角速度を推定することが困難になり、また、角速度を推
定するために応答特性を適度に遅くすれば、操向ハンド
ルの戻り特性の改善や、操舵トルクの変動を十分に補償
することができない結果となる。かかる問題は、実現で
きる周波数特性がサンプリング時間により制限されるデ
イジタル制御系では特に重大である。
補償範囲は極めて広く、例えばバッテリ電圧、モータの
端子間抵抗、モータトルク定数などの変動に対し、電流
フィードバック制御システムの設計時の性能を維持する
ことは非常に困難である。上記定数の変動があると、電
流フィードバック制御システムの応答が遅くなるばかり
でなく、制御システムの安定性を失い、発振動作を起こ
す恐れもある。電動パワーステアリング装置では据え切
りや低車速では操舵の滑らかさが要求され、中速若しく
は高速では制御の応答性を高めたすっきりした操舵感が
要求される。一方、滑らかさを得るためには、電流制御
の応答性を低く設定することが有利であり、すっきりし
た操舵感を得るためには、逆に電流制御の応答性を高く
設定する必要がある。
のであり、本発明の目的は、車速に関係なく希望するモ
−タ制御特性を維持することができ、高速でも制御系の
安定性を失うことがない電動パワーステアリング装置の
制御装置を提供することにある。
シヤフトに発生する操舵トルク信号に基づいてステアリ
ング機構に操舵補助力を与えるモー夕の出力を制御する
ようになっている電動パワーステアリング装置の制御装
置に関するもので、本発明の上記目的は、モータ出力の
制御目標値である電流指令値を演算する演算手段と、前
記電流指令値を車速に応じて近似微分し、減算器を経て
前記モ−タに印加するフィ−ドフォワ−ド補償器と、前
記モータに流れるモータ電流値を検出するモータ電流検
出手段と、前記モータ電流値を入力とするモータ逆特性
回路要素と、前記逆特性回路要素の出力及び前記減算器
の出力の偏差値を入力してその出力を前記減算器に入力
するフィルタとを設けることによって達成される。
ング装置の制御装置では、モータ出力の制御目標値であ
る電流指令値を演算する演算手段と、前記電流指令値を
車速に応じて近似微分し、減算器を経て前記モ−タに印
加するフィ−ドフォワ−ド補償器と、前記モータに流れ
るモータ電流値を検出するモータ電流検出手段と、前記
モータ電流値を入力とするモータ逆特性回路要素と、前
記逆特性回路要素の出力及び前記減算器の出力の偏差値
を入力してその出力を前記減算器に入力するフィルタと
を具備する。そして、電流指令値とモータ電流値に基づ
いて、制御系の出力基準における所望のモータ制御特性
と実際のモータ制御特性との差を演算してフィードバッ
ク制御する。このため、バッテリ電圧やモータの端子間
抵抗、モータのトルク定数などの特性定数が変動して
も、車速に関係なく希望するモータ制御特性を維持する
ことができ、制御系の安定性を失うことがない。
ワーステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操
向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイ
ント4a及び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車
輪のタイロッド6に結合されている。軸2には操向ハン
ドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設け
られており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ
20がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合さ
れている。パワーステアリング装置を制御するコントロ
−ルユニット30には、バッテリ14からイグニション
キ−11を経て電力が供給され、コントロ−ルユニット
30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと
車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシス
ト指令の操舵補助指令値Iの演算を行ない、演算された
操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流
を制御する。クラッチ21はコントロ−ルユニット30
でON/OFF制御され、通常の動作状態ではON(結
合)されている。そして、コントロ−ルユニット30に
よりパワーステアリング装置が故障と判断された時、及
びイグニションキ−11によりバッテリ14の電源(電
圧Vb)がOFFとなっている時にOFF(切離)され
る。
Uで構成されるが、そのCPU内部においてプログラム
で実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
例えば位相補償器31は独立したハードウエアとしての
位相補償器を示すものではなく、CPUで実行される位
相補償機能を示している。コントロ−ルユニット30の
機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出さ
れて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高め
るために位相補償器31で位相補償され、位相補償され
た操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力さ
れる。また、車速センサ12で検出された車速Vも操舵
補助指令値演算器32に入力される。
操舵トルクTA、車速V及びモー夕角速度ωに基づいて
所定の演算式により、モータ20に供給する電流の制御
目標値である操舵補助電流指令値Iを車速Vをパラメ−
タとして決定する。操舵補助電流指令値Iは減算器30
Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィー
ドフォワ−ド系の微分補償器34に入力され、その比例
出力は加算器30Bに入力され、減算器30Aの出力は
比例演算器35及びフィ−ドフォワ−ド系の特性を改善
するための積分演算器36に入力される。微分補償器3
4、比例演算器35及び積分演算器36の出力も加算器
30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果であ
る電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモ−タ駆動回
路37に入力される。モ一夕20のモ−タ電流値iは減
算器30Aに入力されてフィードバックされる。
て説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bから
の電流制御値Eに基づいて電界効果トランジスタ(FE
T)FET1〜FET4の各ゲートを開閉駆動するFE
Tゲ一ト駆動回路371、FET1〜FET4で成るH
ブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を
駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1
及びFET2は、電流制御値Eに基づいて決定されるデ
ュ−ティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によって
ON/OFFされ、実際にモ−タ20に流れる電流iの
大きさが制御される。FET3及びFET4は、デュ−
ティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを
定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデュ−テ
ィ比D2のPWM信号で駆動され、デュ−ティ比D2も
100%に達した以降、PWM信号の符号により決定さ
れるモ−タ20の回転方向に応じてON/OFFされ
る。以上説明したコントロ−ルユニット30は、操向ハ
ンドル1が操作されて操舵トルクTが発生しているとき
に、検出された操舵トルクTが大きく、車速Vが零ある
いは低速の場合は操舵補助電流指令値Iを大きく設定
し、検出された操舵トルクTが小さく、車速Vが高速の
場合は操舵補助電流指令値Iを小さく設定するから、走
行状態に応じた最適の操舵補助力を与えることができ
る。
ィードバック制御について簡単に説明する。
を、図2に対応させて伝達関数で示すブロック図であ
り、微分補償器34の係数がKDS、比例演算器35の係
数がKp、積分演算器36の係数がKtであることを示
し、フィードバック制御部310は以上の回路要素と減
算器30A、加算器30Bとにより構成されている。ま
た、200は制御対象であるモータ20を示しており、
201は比例定数Ka、201はモータ要素1/(L・
s+R)(Lはモータ20のインダクタンス、Rはモー
タ20の内部抵抗、sはラプラス演算子)である。ま
た、図4では、減算器321を介して制御対象の入力側
に逆起電力KT・ω(KTはモータの逆起電力定数)が印
加されているが、これはモータ20の回転により発生す
る逆起電力の影響を等価的に示すもので、モータ20の
回転により発生する逆起電力が入力側の電流制御値Eに
現れることを示している。角速度/角加速度推定手段3
20は、加算器30Bの出力及びモ−タ電流値iを入力
として、角速度ω及び角加速度ωaを推定するようにな
っている。
助電流指令値Iを入力信号とし、この入力信号に制御対
象であるモー夕20に流れるモータ電流値iをフィード
バックして、両者の偏差信号の微分値、比例値及び槓分
値を加算して電流制御値Eを得、この電流制御値Eによ
り制御対象であるモータ20を駆動している。しかし、
この制御系ではモータの逆起電力KT・ωが電流制御値
Eに現れるが、速い応答特性をもつフィードバック制御
系の場合には、逆起電力KT・ωが補償されて実際より
も小さい値しか電流制御値Eに含まれない。このため、
制御対象の入出力信号からモ−タ20の逆起電力KT・
ωを検出し、検出信号に基づいて角速度ω及び角加速度
ωaを推定する角速度/角加速度推定手段320を設け
ても、その推定が困難となる。
制御系に代えて図5に示すロバスト制御系を構成し、車
速Vに応じて制御系の応答特性を高めると同時にモータ
の逆起電力KT・ωの検出を可能とし、更にバッテリ電
圧の変動や温度変化などの変動要素を補償して、上述し
た従来の不都合を解決している。
4に対応させて伝達関数で示しており、モ−タ200の
比例定数Kaはバッテリの基準電圧VBSに対するその時
点のバッテリの電圧VBAの比で、バッテリ電圧の変動に
より生じるPWM信号のデューティ比に対する印加電圧
のゲインを表している。バッテリの電圧VBAが基準電圧
VBSに等しい場合は比例定数Ka=1となる。フィード
フォワード補償器330は、操舵補助電流指令値Iに対
するモータ電流値iの応答特性を車速Vに応じて定義す
るための要素であり、減算器331は、フィードフォワ
ード補償器330の出力U1から後述するフィルタ33
2の出力da´(s)を減算して偏差U2を得、偏差U
2は減算器321及び333に入力される。減算器33
3の出力da(s)がフィルタ332を経て減算器33
1にフィードバックされて、これにより制御対象のモー
タ200がもつ変動分と、モータ200の回転により発
生する逆起電力の変動分とは補償される。減算器321
は、制御対象の入力側にモータ200の回転により発生
する逆起電力KT・ωが偏差U2に加算されて電流制御
値Eに現れることを示し、電流制御値Eに現れる逆起電
力KT・ωの影響を等価的に示したものである。また、
加算器334は測定ノイズや電流脈動ノイズなどのノイ
ズξがモータ電流値iに加算され、フィードバックされ
る影響を等価的に示したものである。但し、以下の検討
ではノイズξは無視するものとする。加算器334の出
力はモータ逆特性回路要素335に入力され、モータ逆
特性回路要素335の出力は減算器333に入力され
る。モータ逆特性回路要素335は希望するモータ特性
の逆特性を示す回路要素で、本実施例ではモータ200
の逆起電力の影響を防ぐ目的から、逆起電力の項を除い
た電気的特性の数学モデルを採用して設計しており、L
*はモータ200のインダクタンスの設計値、R*はモ
ータ200の内部抵抗の設計値である。
は車速Vを入力し、車速Vをパラメ−タとして時定数T
2を下記数1のように変化させる。
1/(T2・s+1)の演算過程で不連続な符号を発生
するため、連続的に切り換えるよう本発明では次の処理
を行なう。即ち、伝達関数1/(T2・s+1)を離散
化すると図6のようになり、図6において時定数T2を
切り換えることは下記数2に対応する。
る前に時定数T2を基に計算されているので、このまま
では不連続な出力を発生する。従って、以下のように切
り換える前の出力Y(k−1)を用いてW(k−1)を
再定義し、このW(k−1)を用いてY(k)を演算す
ることにより、不連続な信号の発生を防ぐことができ
る。
{W(k)+W(k−1)}であり、a1=a11,b
0=b01に変更し、a1=a11,b0=b01でU
(k)を入力した場合、Y(k)となるように下記数4
に従ってW(k−1)を計算する。
算器331からの偏差U2との差da(s)、即ち、制
御器出力基準における希望するモータ制御特性と実際の
制御特性の差を演算するものである。減算器333の出
力da(s)は下記数5で表される。
象の変動分と逆起電力の和であることが分かる。
力da(s)をフィードバックする制御系の動作を安定
させるために設けられ、その特性はQ(s)で表され
る。本実施例では1次のローパスフィルタを用いてお
り、図5のブロックにおける特性Q(s)=1/(T1
・s+1)は、伝達関数で表されたフィルタの特性Q
(s)の一例を示している。このような特性Q(s)を
有するフィルタ332の出力をフィードバックすること
により、制御対象の変動と逆起電力を押さえ、定義した
数学モデルの特性と一致させるように構成されている。
以下、これについて説明する。
された場合、モータ電流値i(s)は下記数6で表され
る。
れる。ここで、Δ(s)は数学モデルと実際の特性との
差を乗法的摂動モデルを用いて表したときの摂動分であ
る。尚、乗法的摂動モデルは、実際の特性が設計値によ
る特性に乗法的誤差を加えて表される場合の誤差を示し
ており、これは下記数8となる。
・s+R*)は設計値の特性であり、数8を解くと数7
になる。上記数5及び数7より、フィルタ332の特性
Q(s)が近似的に1の場合は、モータ電流値i(s)
は下記数9で表される。
値L*及び内部抵抗の設計値R*しか含まれていないた
め、特性Q(s)のフィルタのカットオフ周波数まで
は、特性Q(s)はほぼ1になるので、結局数9は制御
対象の摂動分と逆起電力をほぼ完全に補償でき、且つ設
計時の特性に一致させることができることを示してい
る。
あるための十分条件として、下記数10に示す最小ゲイ
ン定埋がある。
しているときの相補感度関数、即ち、図5においてL*
=L、R*=R、Ka=1のときの、ノイズξからモ−
タ電流値iに至るまでの伝達特性である。本実施例では
T(s)=Q(s)であるから、下記数11になるよう
に特性Q(s)のフィルタの時定数T1を決定すればよ
い。
スL、内部抵抗R及び定数Kaの変動幅を考慮して数7
で定義される摂動分Δ(s)の範囲を定め、摂動分Δ
(s)の全範囲において上記数6が満たされるように特
性Q(s)のフィルタの時定数T1を定めれば、ロバス
ト安定性を確保することができる。更に、フィルタの時
定数T1は、ノイズξのモ−タ電流値iに及ぼす影響も
考慮して決定することができる。即ち、ノイズξからモ
−タ電流値iに至るまでの伝達特性はフィルタの特性Q
(s)に等しいから、特性Q(s)のフィルタはノイズ
フィルタとしても動作することが分かる。従つて、ノイ
ズξを考慮してフィルタの時定数T1を決定することに
よりノイズフィルタを省くことができ、コストを低減さ
せることができる。
ィルタ332の特性Q(s)のカットオフ周波数以下で
あれば、図6(A)に示す等価ブロック図で表すことが
でき、更に同図(B)のように簡略化して表すことがで
きる。即ち、図5のフィードフォワード補償器330の
特性式の分子に数学モデルの逆特性を与え、分母にフィ
ルタ332の時定数T1よりも大きい時定数T2を与え
ることにより、時定数T2で定義される応答特性を実現
することができる。
ωaの推定値を演算する加速度/角加速度推定手段33
6について説明する。加速度/角加速度推定手段336
はモータ角速度ω及びモータ角加速度ωaの推定値を演
算して求める演算手段で、制御器出力基準における希望
するモータ制御特性と実際の制御特性との差を演算する
減算器333の出力da(s)がフィルタ332を通過
した信号を入力とし、入力信号da(s)に含まれる角
速度成分ωを求める。数5で示すように、減算器333
の出力da(s)は制御対象の摂動分と逆起電力の和で
表される。従つて、出力da(s)を用いてモータ角速
度ωを推定するためには、制御対象の変動分を補償しな
ければならない。前述のように変動を受けるパラメータ
はインダクタンスL、内部抵抗R、比例定数Ka、逆起
電力定数KTであり、本実施例では特にパラメータR、
Ka、KTの変動分が数5の中で支配的である。そこ
で、パラメータR、Ka、KTを求めて補正すれば良
い。比例定数Kaはバッテリの基準電圧VBSに対するそ
の時点のバッテリの電圧VBAの比を表す比例定数であ
り、バッテリ電圧で変動する。また、内部抵抗R及びモ
ータの逆起電力定数KTはモータの巻線温度により変動
する。以下、パラメータR、Ka、KTの補正方法の一
例について述べる。
ッテリの基準電圧VBSと検出したバッテリ電圧VBAとの
比を演算して得ることができ、モータの内部抵抗R及び
逆起電力定数KTは、温度の関数として以下の式で与え
られる。即ち、内部抵抗R及び逆起電力定数KTはモー
タの巻線温度tを検出し、下記数12により演算して求
めることができる。
温度t0における内部抵抗及び逆起電力定数である。
るが、更に特性F(s)のロ一パスフィルタを通過させ
るものとして、下記数13により求めることができる。
ットオフ周波数を、ノイズξと(L*−L/K)・i
(s)の項の周波数帯域に対して十分に低く設定してい
るため、ノイズξと(L*−L/K)・i(s)の項は
省略している。尚、モータの角加速度ωaを推定したい
場合は、モータの角速度推定値ωを微分して得ることが
できる。
り、次のような利点がある。即ち、本発明の制御系では
モータの角速度ωの情報を含む減算器333の出力da
(s)を求め、それをフィードバックすることによりモ
一夕電圧の制御を行なっている。従って、出力da
(s)を求める過程で、例えば従来の電流フィードバッ
ク制御系のようにda(s)の値を変化させるような要
素がないため、正確なモータの角速度ωを推定すること
ができる。
おける操舵トルクの変動、即ちモー夕電流値の変動につ
いては、数6及び数10で示されるように補償される。
また、応答性の速さについては、図7で示すように特性
Q(s)のフィルタの時定数T1よりも大きい時定数T
2で定める任意の範囲で設定することができ、実用上十
分な応答特性を実現することができる。更に、従来の電
流フィードバック制御系とは異なり、数10で示したよ
うにバッテリ電圧、モータ端子間抵抗、モータトルクの
変動に対し、特性Q(s)のフィルタのカットオフ周波
数までは設計性能を維持し、且つ数10で示したように
安全性も確保できるという利点を有する。
の処理について説明する。上記制御系をCPUで実現す
る手段は複数考えられるが、ここではブロック毎に実現
する方法について説明する。
等価ブロック図に置き換え、これを離散時間系に変換す
べくz変換を行なう。例えばhをサンプリング時間とし
て、伝達関数sはs=2/h・(z−1)/(z+1)
と表すことができる。上記s(=2/h・(z−1)/
(z+1))を図8に示す等価ブロック図の伝達関数に
代入する。この結果、例えば、da´(s)/da
(s)=1/(T1(s)十1)は
+b2・z−1)/(1十a2・z−1) と表すことができる。ここで、z−1は1サンプル遅れ
のオペレータと解釈できるから、z変換後の式から公知
の方法によりプログラムで記述可能な式を導く。例え
ば、下記数15と表すことができる。
・da(k−1)−a1・da´(k−1) ここで、kはk番目のサンプル、k−1はk−1番目の
サンプルを表す。
う。
リング装置の制御装置は、制御系に入力される電流指令
値と出力であるモータ電流値に基づいて、制御器出力基
準における希望するモータ制御特性(モータの設計特
性)と実際のモータ制御特性との差を演算し、その差を
補正するようにフィードバックするものであるから、バ
ッテリ電圧やモータの端子間抵抗、モータのトルク定数
などの特性定数が温度その他の環境の変化等により変動
しても、希望するモータ制御特性を維持することがで
き、制御性の安定性を失うこともない。
うに、検出されたモータ電流値を制御器の入力側に直接
フィードバックするものでないから、制御系の応答特性
を下げることなく確実にモータの角速度や角加速度を推
定することができる。さらに、制御器自体がノイズフィ
ルタとして機能するから、モータ電流検出回路から紛れ
込む測定ノイズを除くためのノイズフィルタを省くこと
ができるなど、従来の制御装置には見られない顕著な効
果を奏する。
示す図である。
図である。
る。
の図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】ステアリングシヤフトに発生する操舵トル
ク信号に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与え
るモータの出力を制御するようになっている電動パワー
ステアリング装置の制御装置において、モータ出力の制
御目標値である電流指令値を演算する演算手段と、前記
電流指令値を車速に応じて近似微分し、減算器を経て前
記モ−タに印加するフィ−ドフォワ−ド補償器と、前記
モータに流れるモータ電流値を検出するモータ電流検出
手段と、前記モータ電流値を入力とするモータ逆特性回
路要素と、前記逆特性回路要素の出力及び前記減算器の
出力の偏差値を入力してその出力を前記減算器に入力す
るフィルタとを具備したことを特徴とする電動パワース
テアリング装置の制御装置。 - 【請求項2】前記フィ−ドフォワ−ド補償器の出力が連
続的に変化するようになっている請求項1に記載の電動
パワーステアリング装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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