JP2007302177A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PI制御のような積分項を含む演算と制限値が可変するリミッタとが組み合わされたデジタル演算処理(離散時間系演算)による制御であっても、リミッタの制限解除のときに積分値がリミッタ値の変更に追随でき、その結果、アシスト力がハンチングしない電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】デジタル演算による積分の中間変数を電流指令値、モータ電流、リミッタ値に基づいて補正することによって、積分値がリミッタ値の変更にも追随できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に過電流などによりモータの出力制限を課したときにモータ出力のハンチングを防止する電動パワーステアリング装置に関するものである。
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図5に示して説明すると、操向ハンドル101のコラム軸102は減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオンラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に結合されている。コラム軸102には、操向ハンドル101の操舵トルクを検出するトルクセンサ110が設けられており、操向ハンドル101の操舵力をアシストするモータ120が減速ギア103を介してコラム軸102に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット130にはバッテリ114から電力が供給され、イグニションキー111からイグニションキー信号が入力され、コントロールユニット130は、トルクセンサ110で検出された操舵トルクTrefと車速センサ112で検出された車速Velとに基づいてアシスト指令の電流指令値Irefの演算を行い、演算された電流指令値Irefに基づいてモータ120に供給する電流を制御する。
コントロールユニット130は主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図6のようになる。例えば、比例積分制御部208は独立したハードウェアとしての比例積分演算器を示すものではなく、CPUで実行される比例積分機能を示している。
コントロールユニット130の機能及び動作を説明する。トルクセンサ110で検出されて入力される操舵トルクTref及び車速センサ112で検出された車速Velは、電流指令値演算部204に入力される。電流指令値演算部204は、入力された操舵トルクTref及び車速Velに基づいてモータ120に供給する電流の制御目標値である電流指令値Irefを演算して決定する。一方、モータ120のモータ電流Imは電流検出器205によって検出され、減算部207にフィードバックされる。電流指令値Iref及びモータ電流Imは減算部207に入力され、減算部207において、偏差ΔI=(Iref−Im)が算出される。そして、偏差ΔIは比例積分制御部(PI制御部)208に入力され、PI制御部208から電圧指令値が出力される。モータ120を駆動する駆動回路がPWM制御されるインバータ211である場合、電圧指令値はPMW制御部210のデューティ比(Duty)を示している。
一般的に、PI制御部208の出力にはリミッタ209が配されている。その理由は、前記デューティ比は最大でも100%であり、PI制御部208がそれ(100%)以上の値を演算してもモータ出力にとって意味がないからである。よって、リミッタ209の制限値(Dlimit)を100%にして、PI制御部208の出力であるデューティ比(Duty)が100%以上の場合は制限され、制限後のデューティ比(Dutlim)が出力される。
また、リミッタ209の制限値(Dlimit)は、上述した理由の他に、特許文献1に開示されているように、例えば、操行ハンドル101がハンドルロックエンドに強く当たった場合など、モータ12の逆起電圧が小さくなり、その結果、モータ電流に過電流が発生するので、リミッタ209の制限値(Dlimit)を、例えば100%から50%へ小さくして過電流を抑制することもある。具体的にはモータ電流Imを電流検出器205で検出し、過電流保護部212において、設定値よりモータ電流Imが大きい場合は、リミッタ209の制限値を100%から50%へ小さくして、モータ電流が過電流になることを防止している。
特開平11−240459号公報
ところで、PI制御のような積分項を含む演算と制限値が可変するリミッタとが組み合わされてデジタル演算処理(離散時間系演算)が実行されると次のような問題が発生する。例えば、ハンドルがハンドルロックエンドに強く当たりモータ電流が過電流となり、リミッタの制限値を過電流などの理由で100%から50%に制限される。リミッタ値を小さくした結果、モータ電流は抑制され過電流状態を脱するので、その制限値を50%から100%に戻す。
しかし、デジタル演算による積分の値は過電流を発生するような値を維持しており、そのためPI制御部の出力であるデューティ比は過電流を発生させる値であり、リミッタの制限値を50%から100%へ戻すと再びモータ電流が過電流状態になる。そのため、過電流保護が動作して、リミッタの制限値が再び100%から50%へ小さくなり、モータ電流が制限される。このような状態が繰り返されモータ電流は、100%と50%の間を高速で変化するハンチング現象が発生する。その結果、振動や騒音が発生してドライバに不快感を与えることになる。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、積分項を含む演算と可変するリミッタとを組み合わせた演算をデジタル演算処理する制御を用いた電動パワーステアリング装置であっても、アシスト力が与えるモータ出力がハンチングすることなく、また、振動や騒音を抑制してドライバに不快感を与えない電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリングシャフトに対し操舵補助力を付与するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モータを駆動する制御手段とを具備した電動パワーステアリング装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記制御手段が、前記操舵トルクより算出される電流指令値を出力する電流指令値算出手段と、前記操舵補助力を制御するためにモータ電流のフィードバック制御を行う積分項を含むデジタル演算で構成される電流制御手段と、前記電流制御手段の出力をリミッタ値で制限若しくは固定値でクランプする出力手段とを備え、前記出力手段が前記電流制御手段の出力を制限若しくはクランプしている期間内、又は解除した後の所定期間内に、前記積分項を含むデジタル演算の中間変数が、前記モータ電流、前記電流指令値及び前記リミッタ値若しくは固定値に基づいて変更されることによって達成される。
また、本発明の上記目的は、前記積分項を含むデジタル演算の中間変数を、前記モータの巻線抵抗値、或いはバッテリ電圧値のうちの少なくともどちらかの値に基づいて変更することによって、より効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記モータの巻線抵抗値を温度センサ検出値又は温度推定値に基づいて算出することによって、より効果的に達成される。
積分項を含むデジタル演算の中間変数が、電流指令値、モータ電流及びリミッタ値に基づいてフィードフォワード的に変更されるので、電流指令値とモータ電流を入力とする電流制御手段の出力値(デューティ比)は、既にリミッタ値に応じた値になっている。よって、リミッタ値が変化しても電流制御手段の出力値(デューティ比)は変化前のリミッタ値を基準に変化するので、リミッタ通過後のデューティ比がリミッタ値の変化に合わせて突然変化することがないので、リミッタ通過後のデューティ比がハンチングを起こすことはない。上記リミッタ値に代えて、所定の固定値でクランプしても同様な効果が得られる。よって、アシスト力がハンチングせず、また、振動や騒音を抑制してドライバに不快感を与えない電動パワーステアリング装置を提供できる。
また、積分項を含むデジタル演算の中間変数が、モータの巻線抵抗値やバッテリ電圧値も考慮して変更されるので、一層精度良く演算制御され、アシスト力のハンチングや、振動及び騒音をさらに効果的に防止することができる。
本発明の実施例を図1を参照しながら説明する。図6で説明した番号と同一の番号は同一の機能を有する。電流指令値Irefとモータ電流Imとの偏差ΔI=(Iref−Im)が減算部207で算出される。そして、偏差ΔIは図6のPI制御部208に代る本発明に係るPI制御部10に入力される。PI制御部10の内部については後で詳細に説明する。
PI制御部10の出力であるデューティ比(Duty)は、リミッタ209に入力される。リミッタ209からは、リミッタ209の制限値(Dlimit)の制限を受けた後のデューティ比(Dulim)が出力される。インバータ211とモータ120をモデル化すると、バッテリ電圧値Vbatとデューティ比(Duty)が乗算部21に入力され、乗算部21の出力はモータ巻線抵抗値Rmの逆数(1/Rm)を示す伝達関数22に入力され、伝達関数22からはモータ電流Imが出力される。
なお、バッテリ電圧値Vbat及びモータ巻線抵抗値Rmを定数として扱う場合と、変化値として扱う場合とがある。変化値として扱う場合は、バッテリ電圧値Vbatを電圧検出器20で検出し、モータ巻線抵抗値Rmを温度推定を利用して算出する。
このような制御構成とモータモデルにおいて、モータ電流Imとバッテリ電圧値Vbat、モータの巻線抵抗Rm、デューティ比(Duty)の関係は数1のように表わすことができる。
(数1)
Im=(Vbat/Rm)・Duty
=(Vbat/Rm)・(Vref/Dmax)
ここで、Duty=(Vref/Dmax)とし、Vrefは電圧指令値であり、
Dmaxは100%のデューティ比を示す値である。

次に、PI制御部10の内部について説明する。
まず、減算部11には減算部207の出力である偏差ΔIとゲイン部14(ゲイン=a1)の出力とが入力され、中間変数W(k)が出力される。中間変数W(k)はゲイン部15(ゲイン=b0)及び単位遅延(Unit Delay)部13に入力される。Unit Delay部13の出力である1サンプリング前の中間変数の値である中間変数W(k−1)は、ゲイン部14及びゲイン部16(ゲイン=b1)に入力される。ゲイン部15の出力とゲイン部16の出力が加算部12に入力され、それらの加算値である電圧指令値Vrefが出力される。電圧指令値Vrefは比率部17に入力され、デューティ比の100%を表わす値Dmaxと比較される。具体的には、比率部17において、入力された電圧指令値VrefをDmaxで割り算し、その比率(Vref/Dmax)=デューティ比(Duty)が出力される。つまり、加算部12の出力値である電圧指令値VrefがDmaxであれば、PWM制御のデューティ比が100%であり、加算部11の出力である電圧指令値Vrefが(Dmax/2)であれば、PWM制御のデューティ比(Duty)が50%を表わす。
以上のように構成されたPI制御部10の中の各ゲイン部14〜16、単位遅延部13、加算部12、減算部11の関係を式で表現すると、下記数2のように表現できる。
(数2)
Vref=b0・(ΔI−a1・W(k−1))+b1・W(k−1)
=b0・ΔI+(b1−b0・a1)・W(k−1)

つまり、デューティ比(Duty)はDuty=(Vref/Dmax)で表現されるので、電圧指令値Vrefが決定すれば、デューティ比(Duty)も決定される。
ところで、数2について中間変数W(k−1)を中心に表現し直すと、下記数3のようになる。
(数3)
W(k−1)
=Vref/(b1−b0・a1)−b0・ΔI/(b1−b0・a1)

ここで、数1のVref=(Rm/Vbat)・(Im・Dmax)の関係を用いて数3の“Vref”に代入する。さらに、K1=1/(b1−b0・a1)、K2=b0/(b1−b0・a1)と置換して、K1及びK2も数3に代入する。なお、K1及びK2は、PI制御器の特性を一旦決定すれば定数である。よって、数3は下記数4として書き直すことができる。
(数4)
W(k−1)=(Rm/Vbat)・(Im・Dmax)・K1−K2・ΔI
=(Rm/Vbat)・(Dmax・K1)・Im−K2・(Iref−Im)

ここで、デューティ比(Duty)の100%を示す値であるDmaxを1とする。なお、Dmaxを1と規定すると、電圧指令値Vrefが0の場合デューティ比(Duty)は0%、0.5の場合50%、1の場合100%を意味し、また、制限値(リミッタ値)であるDlimitは0から1の間の値をとることになる。
Dmaxを1と規定し、リミッタ値(Dlimit)が存在する場合は、数4は数5のように表現し直される。
(数5)
W(k−1)
=(Rm/Vbat)・(Dlimit・K1)・Im−K2・(Iref−Im)

数5の意味するところは、中間変数であるW(k−1)を電流指令値Iref、モータ電流Im及びリミッタ値Dlimitに基づいてフィードフォワード的に変更すれば、数2で算出される電圧指令値Vref、即ちデューティ比(Duty)をリミッタ値、例えば50%を出力するような値にフィードフォワード的に変更できる。数4の数5への書き換えは、Dmaxを予めb0及びb1に含めて考えれば良く、数5で演算されたW(k−1)を数2に代入して整理するとdutyとdlimitは等しくなり、電流が連続的になる。
上記数5に従って中間変数W(k−1)を補正しないと、積分を含むデジタル演算によって算出される電圧指令値Vrefに基づいて算出されたデューティ比(Duty)は100%の値を示しているので、リミッタ値が0.5(50%)から1(100%)に解除された場合、リミッタ通過後のデューティ比であるDutlimが突然50%から100%に変化するため、大きなモータ電流が出力される。その結果、再び過電流保護が動作してハンチングが発生する。
しかし、上記数5に従って、中間変数W(k−1)をフィードフォワード的に補正すると、電圧指令値Vrefに基づいて算出されたデューティ比(Duty)は50%の値を示しているので、リミッタ値が0.5(50%)から1(100%)に解除された場合でも、リミッタ通過後のデューティ比であるDutlimは50%から徐々に変化することになり、過電流保護の動作を回避できる。この結果、過電流保護とリミッタの解除とによるハンチング現象を回避することができる。本発明は、この中間変数のフィードフォワード的な補正に基づいて成り立っている。
なお、中間変数W(k−1)を補正する際に、モータ巻線抵抗値Rm及びバッテリ電圧値Vbatを定数として扱う場合と、変数として場合とがある。この違いを考慮した各実施例を以下に説明する。
ここで、(Rm/Vbat)を定数と考えた実施例について説明する。モータの巻線抵抗値Rmやバッテリ電圧Vbatは変数であるが、電流指令値Irefやモータ電流Imと比較すると変化が小さいので、定数と見なしても大きな制御誤差は発生しない。まず、モータの巻線抵抗値Rmやバッテリ電圧Vbatを一定として扱った場合の実施例について説明する。一例として、モータの巻線抵抗値Rmは設計値を用い、バッテリ電圧値Vbatは標準的な12Vを用いる。
モータ120の制御を図2に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、モータ電流Imを電流検出器205で検出したモータ電流Im、及び電流指令値演算部204で算出した電流指令値Iref、過電流保護部212で設定したリミッタ値Dlimitを読み込む(ステップS1)。なお、実施例1では、バッテリ電圧値Vbat,モータ巻線抵抗値Rmは定数とする。
次に、リミッタ209において、デューティ比(Duty)が制限を受けているかどうかを判定する(ステップS2)。制限を受けているとは、リミッタ値(Dlimit)が1未満の値を取っていることを意味する。例えばリミッタ209がリミッタ値(Dlimit)を1未満にする一例として、上述した過電流保護部212が動作してリミッタ値が1から0.5に変更した場合などが想定される。
リミッタによりデューティ比が制限を受けている(YES)場合、デューティ比が制限を受けている期間中に、或いは制限が解除されて所定期間、即ちPI制御器が演算を開始する前までに、中間変数W(k−1)の補正を上記数5に従って実行した後(ステップS3)に、次のステップである電圧指令値Vref(デューティ比)の算出に移行する。リミッタによりデューティ比が制限を受けていない(NO)場合、ステップS3を介さずに、次のステップである電圧指令値(デューティ比)の算出に移行する。
デューティ比(Duty)を算出する基になる電圧指令値Vrefを上記数2に従って算出する(ステップS4)。電圧指令値Vrefを算出した後は、リミッタ209によって制限されるべきかを判定する(ステップS5)。リミッタ値を制限しなくてもよいならば(NO)ならばリターンする。リミッタ値を制限(変更)する場合には(YES)、リミッタ209のリミッタ値(Dlimit)を指定されたリミッタ値、例えば50%に設定する(ステップS6)。
このフローチャートのような制御処理をされることにより、下記の作用がもたらされる。その前に、従来の問題点を再度説明しておく。
インバータ211に入力される最終的なデューティ比であるリミッタ制限後のデューティ比(Dutlim)は、電圧指令値Vrefから算出されるデューティ比(Duty)=(Vref/Dmax)がリミッタ値以下ならば、リミッタ制限後のデューティ比(Dutlim)=(Duty)となるが、デューティ比(Duty)がリミッタ値(Dlimit)以上ならば、リミッタ制限後のデューティ比(Dutlim)=リミッタ値(Dlimit)となる。よって、リミッタ値が50%から突然100%に解除されたときに、リミッタ制限後のデューティ比(Dutlim)が突然50%から100%に変更される恐れがあった。
しかし、本実施例ではステップS3及びステップS4において、中間変数W(k−1)及びデューティ比(Duty)算出の元になる電圧指令値Vrefは、リミッタ値50%に応じた値にフィードフォワード的に補正されているので、リミッタ値が制限(50%)から解除(100%)された時、リミッタ後のデューティ比(Dutlim)はリミッタ値50%からスムーズに変化できる。よって、リミッタ後のデューティ比であるDutlimが従来リミッタ値の制限解除によって引起こされていたハンチング現象の発生を低減することができる。従って、電動パワーステアリング装置のアシスト力がハンチングしてハンドル操作に違和感を与えたりせず、また、振動、騒音の発生を低減することができる。
次に、上述した実施例より制御精度の高い実施例について図3及び図4を参照して説明する。つまり、モータの巻線抵抗値Rmが通電電流による温度上昇で変化することや、バッテリ電圧値Vbatが変動することを考慮して制御した実施例である。
図4において、まず実施例1と同じようにモータ電流値Im、電流指令値Iref及びリミッタ値(Dlimit)を読み込む(ステップS1)。次に、実施例2ではバッテリ電圧値Vbatを検出し、また、モータ120の巻線抵抗値Rmを算出する(ステップS1A)。
ここで、モータ120の巻線抵抗値Rmの算出するとは、モータの巻線に電流を通電すると巻線の温度が上昇して抵抗値が変化するので、温度変化を考慮して抵抗値を補正算出する必要がある。よって、基本的には、通電電流によって変化した巻線の温度を推定することが基本となる。このような温度推定を用いて巻線抵抗値を推定する技術或いは温度センサによって検出する技術は既に開示されおり、温度推定を開示している文献の一例として特許第3601967号公報がある。具体的には、図3において、モータ120の近傍に設置された温度センサ30でモータの周囲温度Taを検出し、また、モータ電流Imを検出して、モータ電流Imによる温度上昇(ΔT)を温度推定部31において算出する。その巻線温度Tmを入力として巻線抵抗値推定部32において、Rm=Ra+α・(ΔT)(ただし、Raは周囲温度Taにおける巻線抵抗値、αはモータ巻線の温度
係数である)として、モータ120の巻線抵抗値Rmを推定する。一方、バッテリ電圧値Vbatは、電圧検出器20を用いてバッテリ114の電圧値を検出できる。
次に、図4において、S2〜S6までの各ステップに関しては、ステップS3の中間変数補正W(k−1)の算出に関する点を除いて実施例1のステップS2からステップS6までの各ステップの動作と同じである。つまり、実施例1では数4のバッテリ電圧値Vbat及びモータ巻線抵抗値Rmを定数として補正したが、実施例2では、ステップS1Aで検出されたバッテリ電圧値Vbat及び推定されたモータ巻線抵抗値Rmも用いて、ステップS3における中間変数W(k−1)を補正するための演算を実施する(ステップS3)。
このように、実施例2では、バッテリ電圧値Vbat及びモータ巻線抵抗値Rmを定数として扱わず、変数として扱い、バッテリ電圧値Vbat及びモータ巻線抵抗値Rmをそれぞれ検出し、推定算出するので、実施例1と比較して精度の良い中間変数W(k−1)の補正が可能となる。その結果、リミッタ値が解除された時も、実施例1よりデューティ比がリミッタ値からスムーズに変化して過電流保護による制限と解除のハンチングを発生させない効果が期待できる。従って、電動パワーステアリング装置のアシスト力がハンチングしてハンドル操作に違和感を与えたりせず、また、振動や騒音の発生をより効果的に低減することができる。
なお、本実施例では、バッテリ電圧値Vbat及びモータ巻線抵抗値Rmを両方とも定数又は変数として扱かったが、片方を定数として、他方を変数として中間変数を補正しても中間の精度で効果が得られることは言うまでもない。例えば抵抗を定数とした場合、数5の第1項に対してはバッテリ電圧Vbatに関して予め計算しておくことが可能であり、演算負荷を低減できる。
また、上述では電流制御手段の出力をリミッタ値で制限するリミッタを設けて説明しているが、固定値でクランプして出力する出力手段であっても良い。
本発明に係る比例積分制御部のデジタル演算を表わす図である。 バッテリ電圧値とモータ巻線抵抗値を定数とした場合の中間変数を補正するためのフローチャートである。 バッテリ電圧値を検出し、モータ巻線抵抗値を推定する機能を付加した制御ブロック図である。 バッテリ電圧値とモータ巻線抵抗値を変数とした場合の中間変数を補正するためのフローチャートである。 電動パワーステアリング装置の構成図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。
符号の説明
10 比例積分制御部
11 減算部
12 加算部
13 単位遅延部
14,15,16 ゲイン部
17 比率部
20 電圧検出器
30 温度センサ
31 温度推定部
32 巻線抵抗値推定部

Claims (3)

  1. ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記ハンドルと一体的に設けられたステアリングシャフトに対し操舵補助力を付与するモータと、前記操舵トルクの大きさに応じて前記モータを駆動する制御手段とを具備した電動パワーステアリング装置において、前記制御手段が、前記操舵トルクより算出される電流指令値を出力する電流指令値算出手段と、前記操舵補助力を制御するためにモータ電流のフィードバック制御を行う積分項を含むデジタル演算で構成される電流制御手段と、前記電流制御手段の出力をリミッタ値で制限若しくは固定値でクランプする出力手段とを備え、前記出力手段が前記電流制御手段の出力を制限若しくはクランプしている期間内、又は解除した後の所定期間内に、前記積分項を含むデジタル演算の中間変数が、前記モータ電流、前記電流指令値及び前記リミッタ値若しくは固定値に基づいて変更されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記積分項を含むデジタル演算の中間変数が、前記モータの巻線抵抗値、或いはバッテリ電圧値のうちの少なくともどちらかの値に基づいて変更される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モータの巻線抵抗値は、温度センサ検出値又は温度推定値に基づいて算出される求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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