JPH08150946A - 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 - Google Patents
電動パワ−ステアリング装置の制御装置Info
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- JPH08150946A JPH08150946A JP31600294A JP31600294A JPH08150946A JP H08150946 A JPH08150946 A JP H08150946A JP 31600294 A JP31600294 A JP 31600294A JP 31600294 A JP31600294 A JP 31600294A JP H08150946 A JPH08150946 A JP H08150946A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 操舵反転時に操向ハンドルから違和感を受け
ることがない電動パワ−ステアリング装置の制御装置を
提供する。 【構成】 操舵トルク、車速は電流指令演算器に入力さ
れ、モ−タ10に供給する電流の制御目標値である電流
指令値を演算し、所定の補正をした上、電流フイ−ドバ
ツク回路を経てモ−タ駆動回路41に出力する。駆動回
路41は入力信号をPWM信号と電流方向信号とに分離
変換し、Hブリツジ回路のFET1 乃至FET4 が制御
されてモ−タ電流の大きさと電流方向が制御される。電
流検出回路42では抵抗R1 、R2 の電圧降下により電
流の大きさと方向が検出され、検出信号は電流フイ−ド
バツク回路に帰還して電流指令値が補正される。また、
電流指令値はモ−タの角加速度の比例値、操舵トルクの
微分値によつても補正される。操舵反転時の応答特性が
改善され、ハンドル操作に違和感を与えない。
ることがない電動パワ−ステアリング装置の制御装置を
提供する。 【構成】 操舵トルク、車速は電流指令演算器に入力さ
れ、モ−タ10に供給する電流の制御目標値である電流
指令値を演算し、所定の補正をした上、電流フイ−ドバ
ツク回路を経てモ−タ駆動回路41に出力する。駆動回
路41は入力信号をPWM信号と電流方向信号とに分離
変換し、Hブリツジ回路のFET1 乃至FET4 が制御
されてモ−タ電流の大きさと電流方向が制御される。電
流検出回路42では抵抗R1 、R2 の電圧降下により電
流の大きさと方向が検出され、検出信号は電流フイ−ド
バツク回路に帰還して電流指令値が補正される。また、
電流指令値はモ−タの角加速度の比例値、操舵トルクの
微分値によつても補正される。操舵反転時の応答特性が
改善され、ハンドル操作に違和感を与えない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電動パワ−ステアリ
ング装置の制御装置に関する。
ング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の電動パワ−ステアリング装置に
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに
発生する操舵トルクその他を検出し、その検出信号に基
づいてモ−タの制御目標値である電流指令値を演算し、
電流フイ−ドバツク制御回路において、前記した制御目
標値である電流指令値と実際にモ−タに流れる電流との
差を電流制御値として求め、電流制御値によりモ−タを
駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものがある。
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに
発生する操舵トルクその他を検出し、その検出信号に基
づいてモ−タの制御目標値である電流指令値を演算し、
電流フイ−ドバツク制御回路において、前記した制御目
標値である電流指令値と実際にモ−タに流れる電流との
差を電流制御値として求め、電流制御値によりモ−タを
駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものがある。
【0003】このような電動式パワ−ステアリング装置
では、操舵トルクを補助するモ−タの慣性力が操向ハン
ドルに伝わり、操舵感覚を悪くすることが従来から指摘
されていた。この対策として、従来は、操舵トルクと車
速に基づいて演算されたモ−タの制御目標値である電流
指令値に操舵トルクの微分値に比例する補正値を加算し
て補正し、補正した電流指令値に基づいてモ−タ電流を
制御するいわゆる微分補正手段(特開昭55−7676
0号公報参照)や、モ−タに生ずる逆起電力からモ−タ
の角加速度を推定し、その推定値に比例した補正値を制
御目標値である電流指令値に加算して補正し、補正した
電流指令値に基づいてモ−タ電流を制御するいわゆる慣
性補正手段(特開平2−290773号公報参照)等に
より、操舵感覚を改善する方策が提案されている。
では、操舵トルクを補助するモ−タの慣性力が操向ハン
ドルに伝わり、操舵感覚を悪くすることが従来から指摘
されていた。この対策として、従来は、操舵トルクと車
速に基づいて演算されたモ−タの制御目標値である電流
指令値に操舵トルクの微分値に比例する補正値を加算し
て補正し、補正した電流指令値に基づいてモ−タ電流を
制御するいわゆる微分補正手段(特開昭55−7676
0号公報参照)や、モ−タに生ずる逆起電力からモ−タ
の角加速度を推定し、その推定値に比例した補正値を制
御目標値である電流指令値に加算して補正し、補正した
電流指令値に基づいてモ−タ電流を制御するいわゆる慣
性補正手段(特開平2−290773号公報参照)等に
より、操舵感覚を改善する方策が提案されている。
【0004】また、電動パワ−ステアリング装置に採用
されている制御回路では、実際にモ−タに流れるモ−タ
電流を検出する必要がある。従来の装置では、モ−タ駆
動回路として、それぞれ2個のFETを直列に接続した
第1及び第2のア−ムの中間にモ−タを接続したHブリ
ツジと呼ばれる駆動回路を使用し、モ−タ電流の大きさ
を時間で決定するPWM信号(パルス幅変調信号)のデ
ユ−テイ比(FETのゲ−トをON/OFFする時間
比)に基づいてモ−タ電流の大きさを制御しているが、
この駆動回路と電源との間に直列に1つのシヤント抵抗
を接続し、シヤント抵抗両端の電位差からモ−タ電流を
検出する構成が提案されている(特開平4−25159
6号公報参照)。この場合、シヤント抵抗両端の電位差
からはモ−タ電流の方向が判別できないので、電流指令
値の符号、又はモ−タに印加する電圧(デユ−テイ)の
方向によりモ−タ電流の方向を定義している。
されている制御回路では、実際にモ−タに流れるモ−タ
電流を検出する必要がある。従来の装置では、モ−タ駆
動回路として、それぞれ2個のFETを直列に接続した
第1及び第2のア−ムの中間にモ−タを接続したHブリ
ツジと呼ばれる駆動回路を使用し、モ−タ電流の大きさ
を時間で決定するPWM信号(パルス幅変調信号)のデ
ユ−テイ比(FETのゲ−トをON/OFFする時間
比)に基づいてモ−タ電流の大きさを制御しているが、
この駆動回路と電源との間に直列に1つのシヤント抵抗
を接続し、シヤント抵抗両端の電位差からモ−タ電流を
検出する構成が提案されている(特開平4−25159
6号公報参照)。この場合、シヤント抵抗両端の電位差
からはモ−タ電流の方向が判別できないので、電流指令
値の符号、又はモ−タに印加する電圧(デユ−テイ)の
方向によりモ−タ電流の方向を定義している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した制
御回路を備えた電動パワ−ステアリング装置において、
例えば、操向ハンドルを急に反対側に切つたような場合
(操舵反転時)には、短時間ではあるが電流指令値で定
義されているモ−タ電流の方向と実際にモ−タに流れる
電流の方向とが異なる。
御回路を備えた電動パワ−ステアリング装置において、
例えば、操向ハンドルを急に反対側に切つたような場合
(操舵反転時)には、短時間ではあるが電流指令値で定
義されているモ−タ電流の方向と実際にモ−タに流れる
電流の方向とが異なる。
【0006】このため、上記した駆動回路と電源との間
に直列に1つのシヤント抵抗を接続してモ−タ電流を検
出する従来の方法によつては、モ−タ電流の方向だけが
電流指令値の符号により定義されるため、短時間ではあ
るが実際にモ−タに流れる電流の方向とは逆方向の電流
として検出されてしまい、検出された電流の方向と実際
にモ−タに流れる電流の方向が一致せず、両者が一致す
るまでの時間だけ応答が遅くなる。
に直列に1つのシヤント抵抗を接続してモ−タ電流を検
出する従来の方法によつては、モ−タ電流の方向だけが
電流指令値の符号により定義されるため、短時間ではあ
るが実際にモ−タに流れる電流の方向とは逆方向の電流
として検出されてしまい、検出された電流の方向と実際
にモ−タに流れる電流の方向が一致せず、両者が一致す
るまでの時間だけ応答が遅くなる。
【0007】この結果、操舵トルクを補助するモ−タの
慣性力の影響を排除するため、操舵トルクの微分値に比
例する補正値を加算した電流指令値に基づいてモ−タ電
流を制御しようとしても、モ−タ電流の制御が追従でき
ない不都合が生ずる。
慣性力の影響を排除するため、操舵トルクの微分値に比
例する補正値を加算した電流指令値に基づいてモ−タ電
流を制御しようとしても、モ−タ電流の制御が追従でき
ない不都合が生ずる。
【0008】また、操舵制御系の安定性を確保するため
に、検出されたトルク信号に対して位相補償を行つてい
るが、前記した操向ハンドルを急に反対側に切つたよう
な場合(操舵反転時)には、電流指令値に対する検出電
流の応答遅れのため、操舵系開特性の位相余裕、ゲイン
余裕がなくなる。モ−タに印加する電圧(デユ−テイ)
によりモ−タ電流の方向を判別した場合も同様の問題を
生ずる。
に、検出されたトルク信号に対して位相補償を行つてい
るが、前記した操向ハンドルを急に反対側に切つたよう
な場合(操舵反転時)には、電流指令値に対する検出電
流の応答遅れのため、操舵系開特性の位相余裕、ゲイン
余裕がなくなる。モ−タに印加する電圧(デユ−テイ)
によりモ−タ電流の方向を判別した場合も同様の問題を
生ずる。
【0009】その上、モ−タの慣性に対する補償、即ち
操舵トルクの微分値に比例する補正値を加算する微分補
償、又はモ−タ角加速度を用いた慣性補償が大きく作用
する操舵反転時には、操舵制御系全体のゲインが上がる
から、さらに位相余裕、ゲイン余裕がなくなる結果とな
る。このため、操舵反転時には操舵系が振動を起こし、
操舵感覚を悪くするという不都合が生ずるばかりでな
く、上記電流指令値に対して十分なモ−タ電流の応答速
度が得られないので、良好な制御効果を得ることができ
ない。
操舵トルクの微分値に比例する補正値を加算する微分補
償、又はモ−タ角加速度を用いた慣性補償が大きく作用
する操舵反転時には、操舵制御系全体のゲインが上がる
から、さらに位相余裕、ゲイン余裕がなくなる結果とな
る。このため、操舵反転時には操舵系が振動を起こし、
操舵感覚を悪くするという不都合が生ずるばかりでな
く、上記電流指令値に対して十分なモ−タ電流の応答速
度が得られないので、良好な制御効果を得ることができ
ない。
【0010】この対策としては、位相補償要素の次数を
高めるなどの対策が考えられるが、構成を複雑にし、コ
ストアツプになるなど好ましい方法ではないばかりでな
く、操舵反転時以外のときは、操舵トルクに対するモ−
タ出力の応答性が悪くなるという不都合がある。この発
明は上記課題を解決することを目的とする。
高めるなどの対策が考えられるが、構成を複雑にし、コ
ストアツプになるなど好ましい方法ではないばかりでな
く、操舵反転時以外のときは、操舵トルクに対するモ−
タ出力の応答性が悪くなるという不都合がある。この発
明は上記課題を解決することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、少なくともステアリングシヤフトに発生
する操舵トルクに基づいて演算された電流指令値と検出
されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に基づいて
ステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タの出力を
制御する電動パワ−ステアリング装置の制御装置におい
て、それぞれが2個のスイツチング素子を直列に接続し
て構成された第1のア−ムと第2のア−ムとをHブリツ
ジ型に接続して構成されたモ−タ駆動回路と、前記モ−
タ駆動回路の第1のア−ム及び第2のア−ムに流れる電
流を検出するためにそれぞれのア−ムに直列に接続され
た2個の電流検出要素と、前記電流指令値を補正する補
正手段を備えた制御手段を備え、前記制御手段は前記電
流検出要素により検出された第1のア−ム及び第2のア
−ムに流れる電流の方向と電流値に基づいて演算した補
正値により電流指令値を補正するよう制御することを特
徴とする。
決するもので、少なくともステアリングシヤフトに発生
する操舵トルクに基づいて演算された電流指令値と検出
されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に基づいて
ステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タの出力を
制御する電動パワ−ステアリング装置の制御装置におい
て、それぞれが2個のスイツチング素子を直列に接続し
て構成された第1のア−ムと第2のア−ムとをHブリツ
ジ型に接続して構成されたモ−タ駆動回路と、前記モ−
タ駆動回路の第1のア−ム及び第2のア−ムに流れる電
流を検出するためにそれぞれのア−ムに直列に接続され
た2個の電流検出要素と、前記電流指令値を補正する補
正手段を備えた制御手段を備え、前記制御手段は前記電
流検出要素により検出された第1のア−ム及び第2のア
−ムに流れる電流の方向と電流値に基づいて演算した補
正値により電流指令値を補正するよう制御することを特
徴とする。
【0012】そして、前記制御手段は、前記電流検出要
素により検出された第1のア−ム及び第2のア−ムに流
れる電流の方向と電流値に基づいてモ−タの回転加速度
を推定し、推定した回転加速度に比例した補正値により
電流指令値を補正するよう制御するとよい。
素により検出された第1のア−ム及び第2のア−ムに流
れる電流の方向と電流値に基づいてモ−タの回転加速度
を推定し、推定した回転加速度に比例した補正値により
電流指令値を補正するよう制御するとよい。
【0013】また、前記制御手段は、操舵トルクの微分
値を演算し、演算された微分値に比例した補正値により
電流指令値を補正するよう制御するとよい。
値を演算し、演算された微分値に比例した補正値により
電流指令値を補正するよう制御するとよい。
【0014】そして、前記電流検出要素には、抵抗素
子、電流検出可能なセンスFET、ホ−ル素子などが使
用できる。
子、電流検出可能なセンスFET、ホ−ル素子などが使
用できる。
【0015】
【作用】モ−タ駆動回路のHブリツジ接続された第1の
ア−ム及び第2のア−ムに流れる電流をそれぞれのア−
ムに直列に接続された2個の電流検出要素で検出し、検
出された電流の方向と電流値に基づいて補正値を演算し
て電流指令値を補正するから、操舵反転時における電流
指令値に対する検出電流の応答遅れを短くすることがで
きる。
ア−ム及び第2のア−ムに流れる電流をそれぞれのア−
ムに直列に接続された2個の電流検出要素で検出し、検
出された電流の方向と電流値に基づいて補正値を演算し
て電流指令値を補正するから、操舵反転時における電流
指令値に対する検出電流の応答遅れを短くすることがで
きる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1は、この発明を実施するに適した電動パワ−ステア
リング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル
1の軸2は減速ギア4、ユニバ−サルジョイント5a、
5b、ピニオンラツク機構7を経て操向車輪のタイロツ
ド8に結合されている。軸2には操向ハンドル1の操舵
トルクを検出するトルクセンサ3が設けられており、ま
た、操舵力を補助するモ−タ10がクラツチ9、減速ギ
ア4を介して軸2に結合している。
図1は、この発明を実施するに適した電動パワ−ステア
リング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル
1の軸2は減速ギア4、ユニバ−サルジョイント5a、
5b、ピニオンラツク機構7を経て操向車輪のタイロツ
ド8に結合されている。軸2には操向ハンドル1の操舵
トルクを検出するトルクセンサ3が設けられており、ま
た、操舵力を補助するモ−タ10がクラツチ9、減速ギ
ア4を介して軸2に結合している。
【0017】パワ−ステアリング装置を制御する電子制
御回路13は、バツテリ14からイグニツシヨンキ−1
1を経て電力が供給される。電子制御回路13は、トル
クセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で
検出された車速に基づいて電流指令演算を行い、演算さ
れた電流指令値を後述するように補正した補正値でモ−
タ10に供給する電流を制御する。
御回路13は、バツテリ14からイグニツシヨンキ−1
1を経て電力が供給される。電子制御回路13は、トル
クセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で
検出された車速に基づいて電流指令演算を行い、演算さ
れた電流指令値を後述するように補正した補正値でモ−
タ10に供給する電流を制御する。
【0018】クラツチ9は電子制御回路13により制御
される。クラツチ9は通常の動作状態では結合してお
り、電子制御回路13によりパワ−ステアリング装置の
故障と判断された時、及び電源がOFFとなつている時
に切離される。
される。クラツチ9は通常の動作状態では結合してお
り、電子制御回路13によりパワ−ステアリング装置の
故障と判断された時、及び電源がOFFとなつている時
に切離される。
【0019】図2は、電子制御回路13のブロツク図で
ある。この実施例では電子制御回路13は主としてCP
Uから構成されるが、ここではそのCPU内部において
プログラムで実行される機能を示してある。例えば、位
相補償器21は独立したハ−ドウエアとしての位相補償
器21を示すものではなく、CPUで実行される位相補
償機能を示す。なお、電子制御回路13をCPUで構成
せず、これらの機能要素をそれぞれ独立したハ−ドウエ
ア(電子回路)で構成できることは言うまでもない。
ある。この実施例では電子制御回路13は主としてCP
Uから構成されるが、ここではそのCPU内部において
プログラムで実行される機能を示してある。例えば、位
相補償器21は独立したハ−ドウエアとしての位相補償
器21を示すものではなく、CPUで実行される位相補
償機能を示す。なお、電子制御回路13をCPUで構成
せず、これらの機能要素をそれぞれ独立したハ−ドウエ
ア(電子回路)で構成できることは言うまでもない。
【0020】以下、電子制御回路13の機能と動作を説
明する。トルクセンサ3から入力された操舵トルク信号
は、位相補償器21で操舵系の安定を高めるために位相
補償され、電流指令演算器22に入力される。また、車
速センサ12で検出された車速も電流指令演算器22に
入力される。
明する。トルクセンサ3から入力された操舵トルク信号
は、位相補償器21で操舵系の安定を高めるために位相
補償され、電流指令演算器22に入力される。また、車
速センサ12で検出された車速も電流指令演算器22に
入力される。
【0021】また、位相補償器21の出力は微分補償器
23にも入力され、位相補償された操舵トルクの微分値
が出力される。
23にも入力され、位相補償された操舵トルクの微分値
が出力される。
【0022】電流指令演算器22は、入力された位相補
償された操舵トルク信号及び車速信号に基づいて所定の
演算式によりモ−タ10に供給する電流の制御目標値で
ある電流指令値I0 (補正前のもの)を演算する。
償された操舵トルク信号及び車速信号に基づいて所定の
演算式によりモ−タ10に供給する電流の制御目標値で
ある電流指令値I0 (補正前のもの)を演算する。
【0023】加算器24は、モ−タ10に供給する電流
の制御目標値である電流指令値Iを演算するもので、電
流指令演算器22で演算された電流指令値I0 (補正前
のもの)と微分補償器23の出力、及び後述する比例演
算器32の出力を加算演算して補正し、補正された電流
指令値Iを比較器25に出力する。
の制御目標値である電流指令値Iを演算するもので、電
流指令演算器22で演算された電流指令値I0 (補正前
のもの)と微分補償器23の出力、及び後述する比例演
算器32の出力を加算演算して補正し、補正された電流
指令値Iを比較器25に出力する。
【0024】比較器25、比例演算器26及び積分演算
器27、加算器28から構成される回路は、実際のモ−
タ電流値iが電流指令値Iに一致するようにフイ−ドバ
ツク制御を行う回路である。
器27、加算器28から構成される回路は、実際のモ−
タ電流値iが電流指令値Iに一致するようにフイ−ドバ
ツク制御を行う回路である。
【0025】比例演算器26では、電流指令値Iと実際
のモ−タ電流値iとの差に比例した比例値が出力され
る。さらに比例演算器26の出力信号はフイ−ドバツク
系の特性を改善するため積分演算器27において積分さ
れ、差の積分値の比例値が出力される。
のモ−タ電流値iとの差に比例した比例値が出力され
る。さらに比例演算器26の出力信号はフイ−ドバツク
系の特性を改善するため積分演算器27において積分さ
れ、差の積分値の比例値が出力される。
【0026】比例演算器26から出力された電流指令値
Iと実際のモ−タ電流値iとの差に比例した比例値、及
び積分演算器27から出力された積分値は、加算器28
において加算演算され、演算結果である電流制御値Eが
モ−タ駆動信号としてモ−タ駆動回路41に出力され
る。
Iと実際のモ−タ電流値iとの差に比例した比例値、及
び積分演算器27から出力された積分値は、加算器28
において加算演算され、演算結果である電流制御値Eが
モ−タ駆動信号としてモ−タ駆動回路41に出力され
る。
【0027】図3にモ−タ駆動回路41の構成の一例を
示す。モ−タ駆動回路41は加算器28から入力された
電流制御値EをPWM信号と電流方向信号とに分離変換
する変換部44、FET(電界効果トランジスタ)のゲ
−トを駆動するゲ−ト駆動回路45、FET1 〜FET
4 からなるHブリツジ回路等からなり、ここでFET1
とFET3 はHブリツジの第1のア−ムを、FET2 と
FET4 はHブリツジの第2のア−ムを構成する。な
お、昇圧電源46はFET1 、FET2 のハイサイド側
を駆動する電源である。
示す。モ−タ駆動回路41は加算器28から入力された
電流制御値EをPWM信号と電流方向信号とに分離変換
する変換部44、FET(電界効果トランジスタ)のゲ
−トを駆動するゲ−ト駆動回路45、FET1 〜FET
4 からなるHブリツジ回路等からなり、ここでFET1
とFET3 はHブリツジの第1のア−ムを、FET2 と
FET4 はHブリツジの第2のア−ムを構成する。な
お、昇圧電源46はFET1 、FET2 のハイサイド側
を駆動する電源である。
【0028】PWM信号(パルス幅変調信号)は、モ−
タに流れる電流の大きさを時間で決定する信号で、加算
器28において演算された電流制御値Eの絶対値により
PWM信号のデユ−テイ比(FETのゲ−トをON/O
FFする時間比)が決定される。FET1 とFET2 は
前記したPWM信号のデユ−テイ比に基づいてゲ−トが
ON/OFFされ、モ−タに流れる電流の大きさが制御
される。
タに流れる電流の大きさを時間で決定する信号で、加算
器28において演算された電流制御値Eの絶対値により
PWM信号のデユ−テイ比(FETのゲ−トをON/O
FFする時間比)が決定される。FET1 とFET2 は
前記したPWM信号のデユ−テイ比に基づいてゲ−トが
ON/OFFされ、モ−タに流れる電流の大きさが制御
される。
【0029】電流方向信号は、モ−タに供給する電流の
方向を指示する信号で、加算器28において演算された
電流制御値Eの符号(正負)により決定される。また、
FET3 とFET4 は前記した電流方向信号に基づいて
ゲ−トがON或いはOFFされ(一方がONの時、他方
はOFFとなる)、モ−タに流れる電流の方向、即ちモ
−タの回転方向が切り換えられる。
方向を指示する信号で、加算器28において演算された
電流制御値Eの符号(正負)により決定される。また、
FET3 とFET4 は前記した電流方向信号に基づいて
ゲ−トがON或いはOFFされ(一方がONの時、他方
はOFFとなる)、モ−タに流れる電流の方向、即ちモ
−タの回転方向が切り換えられる。
【0030】FET4 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タ10、FET4 、抵抗R1 を経て流
れ、モ−タ10に正方向の電流が流れる。また、FET
3 が導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タ1
0、FET3 、抵抗R2 を経てて流れ、モ−タ10に負
方向の電流が流れる。
FET1 、モ−タ10、FET4 、抵抗R1 を経て流
れ、モ−タ10に正方向の電流が流れる。また、FET
3 が導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タ1
0、FET3 、抵抗R2 を経てて流れ、モ−タ10に負
方向の電流が流れる。
【0031】モ−タ電流検出回路42は、抵抗R1 の両
端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検
出し、また、抵抗R2 の両端における電圧降下に基づい
て負方向電流の大きさを検出する。検出された実際のモ
−タ電流値iは比較器25にフイ−ドバツクして入力さ
れる(図2参照)。
端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検
出し、また、抵抗R2 の両端における電圧降下に基づい
て負方向電流の大きさを検出する。検出された実際のモ
−タ電流値iは比較器25にフイ−ドバツクして入力さ
れる(図2参照)。
【0032】次に、この発明による、操向ハンドルを急
に反対側に切つたような場合、即ち操舵反転時における
操舵感覚の改善のための構成と動作について説明する。
に反対側に切つたような場合、即ち操舵反転時における
操舵感覚の改善のための構成と動作について説明する。
【0033】操舵反転時には、短時間ではあるが電流指
令値で定義されているモ−タ電流の方向と、実際にモ−
タに流れる電流の方向とが異なる。
令値で定義されているモ−タ電流の方向と、実際にモ−
タに流れる電流の方向とが異なる。
【0034】この場合、図4に示すように、モ−タ駆動
回路のHブリツジを構成する第1ア−ムと第2ア−ムに
共通に1つのシヤント抵抗Rを接続してモ−タ電流を検
出する従来の方法によつては、モ−タ電流の方向だけが
電流指令値Iの符号により定義されるため、短時間では
あるが実際にモ−タに流れる電流の方向とは逆方向の電
流として検出されてしまい、検出された電流の方向と実
際にモ−タに流れる電流の方向が一致せず、両者が一致
するまでの時間だけ応答が遅くなる。
回路のHブリツジを構成する第1ア−ムと第2ア−ムに
共通に1つのシヤント抵抗Rを接続してモ−タ電流を検
出する従来の方法によつては、モ−タ電流の方向だけが
電流指令値Iの符号により定義されるため、短時間では
あるが実際にモ−タに流れる電流の方向とは逆方向の電
流として検出されてしまい、検出された電流の方向と実
際にモ−タに流れる電流の方向が一致せず、両者が一致
するまでの時間だけ応答が遅くなる。
【0035】この発明では、図3に示すように、モ−タ
駆動回路のHブリツジを構成する第1ア−ムと第2ア−
ムにそれぞれ別々に抵抗R1 、R2 を接続し、モ−タ電
流検出器42により抵抗R1 、R2 の両端の電圧降下か
らモ−タ電流値と同時にモ−タ電流の方向を検出してい
る。そして、これらのモ−タ電流値及びモ−タ電流方向
信号は比較器25に入力されて通常のフイ−ドバツク制
御が行われる。
駆動回路のHブリツジを構成する第1ア−ムと第2ア−
ムにそれぞれ別々に抵抗R1 、R2 を接続し、モ−タ電
流検出器42により抵抗R1 、R2 の両端の電圧降下か
らモ−タ電流値と同時にモ−タ電流の方向を検出してい
る。そして、これらのモ−タ電流値及びモ−タ電流方向
信号は比較器25に入力されて通常のフイ−ドバツク制
御が行われる。
【0036】さらに、この発明では、舵角加速度推定器
31と比例演算器32が設けられており、前記モ−タ電
流値及びモ−タ電流方向信号、及び加算器28の出力で
ある電流制御値E、及びバツテリ電圧値VBAT が入力さ
れ、舵角加速度値が推定される。そして比例演算器32
において舵角加速度の推定値に比例した値を演算し、加
算器24に出力する。
31と比例演算器32が設けられており、前記モ−タ電
流値及びモ−タ電流方向信号、及び加算器28の出力で
ある電流制御値E、及びバツテリ電圧値VBAT が入力さ
れ、舵角加速度値が推定される。そして比例演算器32
において舵角加速度の推定値に比例した値を演算し、加
算器24に出力する。
【0037】そして、先に説明したように、加算器24
は電流指令演算器22で演算された電流指令値I0 (補
正前のもの)と微分補償器23の出力、及び比例演算器
32の出力を加算して補正し、電流指令値Iを得てい
る。
は電流指令演算器22で演算された電流指令値I0 (補
正前のもの)と微分補償器23の出力、及び比例演算器
32の出力を加算して補正し、電流指令値Iを得てい
る。
【0038】ここで、舵角加速度の推定値の演算につい
て説明する。モ−タの端子間電圧値Vと、実際のモ−タ
電流値i、及びモ−タの回転角速度即ち舵角速度ωとの
間には、以下の式(1)の関係がある。
て説明する。モ−タの端子間電圧値Vと、実際のモ−タ
電流値i、及びモ−タの回転角速度即ち舵角速度ωとの
間には、以下の式(1)の関係がある。
【0039】
【数1】 ここで、Lはモ−タのインダクタンス、sはラプラス演
算子、Rはモ−タ端子間抵抗、KT はモ−タの逆起電力
定数である。
算子、Rはモ−タ端子間抵抗、KT はモ−タの逆起電力
定数である。
【0040】従つて、舵角速度ωを求める式は、前記式
(1)を書き直し、以下の式(2)で表すことができ
る。
(1)を書き直し、以下の式(2)で表すことができ
る。
【0041】
【数2】 舵角加速度は前記式(2)を時間で微分して得られるか
ら、以下の式(3)で表わすことができる。なお、式中
の記号の上の黒丸(・)は微分値を示す。
ら、以下の式(3)で表わすことができる。なお、式中
の記号の上の黒丸(・)は微分値を示す。
【0042】
【数3】 また、モ−タの端子間電圧Vは、バツテリ電圧VBAT と
PWM信号のデユ−テイ比DDTY との間に以下の式
(4)で示す関係がある。
PWM信号のデユ−テイ比DDTY との間に以下の式
(4)で示す関係がある。
【0043】
【数4】 したがつて、舵角加速度は、前記した舵角速度を表わす
式(2)におけるモ−タの端子間電圧Vに前記式(4)
で演算した値を代入し、その値を微分することで求める
ことができる。
式(2)におけるモ−タの端子間電圧Vに前記式(4)
で演算した値を代入し、その値を微分することで求める
ことができる。
【0044】そこで、この発明では、バツテリ電圧V
BAT 、電流制御値E(PWM信号のデユ−テイ比)、及
びモ−タ電流検出回路42で検出されたモ−タ電流値i
を舵角加速度推定器31に入力し、舵角加速度推定器3
1では式(2)、式(3)、及び式(4)に基づいて舵
角加速度の推定値を演算する。
BAT 、電流制御値E(PWM信号のデユ−テイ比)、及
びモ−タ電流検出回路42で検出されたモ−タ電流値i
を舵角加速度推定器31に入力し、舵角加速度推定器3
1では式(2)、式(3)、及び式(4)に基づいて舵
角加速度の推定値を演算する。
【0045】図5は、操舵反転時における操舵角度θ、
モ−タを制御する電流指令値I、及び実際にモ−タに流
れる電流値iの関係を示した図である。
モ−タを制御する電流指令値I、及び実際にモ−タに流
れる電流値iの関係を示した図である。
【0046】図5において、曲線sは操舵角度θの変化
を示し、時間の経過と共に操舵角度θは基準位置から負
方向に大きくなつて時刻t0 において最大となる。この
後、操向ハンドルを戻すと(操舵反転)、操舵角度θは
時間の経過と共に正方向に変化し、基準位置に戻ること
を示している。
を示し、時間の経過と共に操舵角度θは基準位置から負
方向に大きくなつて時刻t0 において最大となる。この
後、操向ハンドルを戻すと(操舵反転)、操舵角度θは
時間の経過と共に正方向に変化し、基準位置に戻ること
を示している。
【0047】曲線aは操舵反転時におけるモ−タの制御
目標値である電流指令値Iの変化を示すものである。電
流指令値Iは前記したとおり、電流指令値Iトルク値の
微分補償、及び舵角加速度の比例値による慣性補正がさ
れており、操舵角度θの増加・減少に追従して増加・減
少するが、このとき所定時間の遅れをもつて追従するこ
とを示している。即ち、時刻t0 において操舵角度θは
最大となるが、電流指令値Iは時刻t0 よりもΔtだけ
遅れた時点時刻t1 において最大値に達し、ここで電流
指令値Iの電流方向を示す符号は反転(正から負に変
化)し、電流の大きさも減少に転じる。この遅れは制御
回路の応答特性で決定されるものである。
目標値である電流指令値Iの変化を示すものである。電
流指令値Iは前記したとおり、電流指令値Iトルク値の
微分補償、及び舵角加速度の比例値による慣性補正がさ
れており、操舵角度θの増加・減少に追従して増加・減
少するが、このとき所定時間の遅れをもつて追従するこ
とを示している。即ち、時刻t0 において操舵角度θは
最大となるが、電流指令値Iは時刻t0 よりもΔtだけ
遅れた時点時刻t1 において最大値に達し、ここで電流
指令値Iの電流方向を示す符号は反転(正から負に変
化)し、電流の大きさも減少に転じる。この遅れは制御
回路の応答特性で決定されるものである。
【0048】曲線bはこの発明の制御装置における操舵
反転時のモ−タ電流値iの変化を示すものである。電流
値iは電流指令値Iの増加・減少に追従して増加・減少
するが、このとき所定時間の遅れをもつて追従すること
を示している。即ち、電流指令値Iは時刻t1 において
最大値に達し、ここで電流方向を示す符号は反転(正か
ら負に変化)するが、実際にモ−タに流れる電流値i
は、時刻t1 よりも更に遅れた時点で最大値に達し、こ
こで電流方向を示す符号は反転(正から負に変化)す
る。このため、操舵角度が最大値を示す時刻t0 から時
間tb だけ遅れた時点において実際にモ−タに流れる電
流値iは零に達する。この遅れは電流フィ−ドバツク制
御の応答特性で決定されるものである。
反転時のモ−タ電流値iの変化を示すものである。電流
値iは電流指令値Iの増加・減少に追従して増加・減少
するが、このとき所定時間の遅れをもつて追従すること
を示している。即ち、電流指令値Iは時刻t1 において
最大値に達し、ここで電流方向を示す符号は反転(正か
ら負に変化)するが、実際にモ−タに流れる電流値i
は、時刻t1 よりも更に遅れた時点で最大値に達し、こ
こで電流方向を示す符号は反転(正から負に変化)す
る。このため、操舵角度が最大値を示す時刻t0 から時
間tb だけ遅れた時点において実際にモ−タに流れる電
流値iは零に達する。この遅れは電流フィ−ドバツク制
御の応答特性で決定されるものである。
【0049】曲線cは、従来の制御装置における操舵反
転時のモ−タ電流値ic の変化を参考として示したもの
である。前記bと同じく、電流値ic は電流指令値Iの
増加・減少に追従して増加・減少する。そして、従来の
制御回路においては実際にモ−タに流れる電流値ic の
符号が電流指令値Iの符号により決定されるから、操舵
角度が最大値を示す時刻t0 よりもΔtだけ遅れた時点
時刻t1 において電流方向を示す符号が反転(正から負
に変化)する。このため、従来の制御回路における実際
にモ−タに流れる電流値ic は、時刻t1 よりも更に遅
れた時点で最大値に達し、ここで電流方向を示す符号は
反転(正から負に変化)するから、操舵角度が最大値を
示す時刻t0 から時間tc だけ遅れた時点において、実
際にモ−タに流れる電流値ic は零に達し、本願発明よ
りも時間(tc −tb )だけ遅れることになる。
転時のモ−タ電流値ic の変化を参考として示したもの
である。前記bと同じく、電流値ic は電流指令値Iの
増加・減少に追従して増加・減少する。そして、従来の
制御回路においては実際にモ−タに流れる電流値ic の
符号が電流指令値Iの符号により決定されるから、操舵
角度が最大値を示す時刻t0 よりもΔtだけ遅れた時点
時刻t1 において電流方向を示す符号が反転(正から負
に変化)する。このため、従来の制御回路における実際
にモ−タに流れる電流値ic は、時刻t1 よりも更に遅
れた時点で最大値に達し、ここで電流方向を示す符号は
反転(正から負に変化)するから、操舵角度が最大値を
示す時刻t0 から時間tc だけ遅れた時点において、実
際にモ−タに流れる電流値ic は零に達し、本願発明よ
りも時間(tc −tb )だけ遅れることになる。
【0050】このため、従来の制御回路によるときは、
運転者が操向ハンドルを一方に切つた後に反転したと
き、なおモ−タには操向ハンドルの操作方向と逆方向に
回転させる電流が流れ続けるから、操向ハンドルが引掛
かつたような違和感を与えることになる。
運転者が操向ハンドルを一方に切つた後に反転したと
き、なおモ−タには操向ハンドルの操作方向と逆方向に
回転させる電流が流れ続けるから、操向ハンドルが引掛
かつたような違和感を与えることになる。
【0051】また、この引掛かり感を解消すべく、操舵
トルクに比例した補正値や、モ−タ角加速度に比例した
補正値を用いて電流指令値の補正をしても、十分な電流
の応答速度が得られないため、引掛かり感を解消するこ
とができない。
トルクに比例した補正値や、モ−タ角加速度に比例した
補正値を用いて電流指令値の補正をしても、十分な電流
の応答速度が得られないため、引掛かり感を解消するこ
とができない。
【0052】これに対し、この発明の制御回路によれ
ば、早期に電流方向を示す符号が反転(正から負に変
化)するから、従来の制御回路のように、操舵反転時に
操向ハンドルから違和感を受けることがない。
ば、早期に電流方向を示す符号が反転(正から負に変
化)するから、従来の制御回路のように、操舵反転時に
操向ハンドルから違和感を受けることがない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の電動パ
ワ−ステアリング装置の制御装置は、モ−タ駆動回路の
Hブリツジ接続された第1のア−ム及び第2のア−ムに
流れる電流をそれぞれのア−ムに直列に接続された2個
の電流検出要素で検出し、検出された電流の方向と電流
値に基づいて補正値を演算して電流指令値を補正するも
のであるから、操舵反転時における電流指令値に対する
検出電流の応答遅れ時間を短くすることができる。これ
により、いわゆる微分補償や慣性補償の効果が十分に得
られるから、運転者が操向ハンドルを一方に切つた後に
反転したとき、操向ハンドルが引掛かつたような違和感
を与えることがなくなり、操舵反転時における操舵感覚
を改善することができる。
ワ−ステアリング装置の制御装置は、モ−タ駆動回路の
Hブリツジ接続された第1のア−ム及び第2のア−ムに
流れる電流をそれぞれのア−ムに直列に接続された2個
の電流検出要素で検出し、検出された電流の方向と電流
値に基づいて補正値を演算して電流指令値を補正するも
のであるから、操舵反転時における電流指令値に対する
検出電流の応答遅れ時間を短くすることができる。これ
により、いわゆる微分補償や慣性補償の効果が十分に得
られるから、運転者が操向ハンドルを一方に切つた後に
反転したとき、操向ハンドルが引掛かつたような違和感
を与えることがなくなり、操舵反転時における操舵感覚
を改善することができる。
【図1】電動式パワ−ステアリング装置の構成の概略を
説明する図。
説明する図。
【図2】この発明の実施例の電子制御回路のブロツク
図。
図。
【図3】モ−タ駆動回路の構成を示す回路ブロツク図。
【図4】従来のモ−タ駆動回路の構成を示す回路ブロツ
ク図。
ク図。
【図5】操舵反転時における操舵角度、モ−タを制御す
る電流指令値及び実際にモ−タに流れる電流値の関係を
説明する図。
る電流指令値及び実際にモ−タに流れる電流値の関係を
説明する図。
3 トルクセンサ 10 モ−タ 11 イグニツシヨンキ− 12 車速センサ 13 電子制御回路 14 バツテリ 21 位相補償器 22 電流指令演算器 23 微分補償器 24 加算器 25 比較器 26 比例演算器 27 積分演算器 28 加算器 31 舵角加速度推定器 32 比例演算器 41 モ−タ駆動回路 42 モ−タ電流検出回路
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくともステアリングシヤフトに発生
する操舵トルクに基づいて演算された電流指令値と検出
されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に基づいて
ステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タの出力を
制御する電動パワ−ステアリング装置の制御装置におい
て、 それぞれが2個のスイツチング素子を直列に接続して構
成された第1のア−ムと第2のア−ムとをHブリツジ型
に接続して構成されたモ−タ駆動回路と、 前記モ−タ駆動回路の第1のア−ム及び第2のア−ムに
流れる電流を検出するためにそれぞれのア−ムに直列に
接続された2個の電流検出要素と、 前記電流指令値を補正する補正手段を備えた制御手段を
備え、 前記制御手段は前記電流検出要素により検出された第1
のア−ム及び第2のア−ムに流れる電流の方向と電流値
に基づいて演算した補正値により電流指令値を補正する
よう制御することを特徴とする電動パワ−ステアリング
装置の制御装置。 - 【請求項2】前記制御手段は、前記電流検出要素により
検出された第1のア−ム及び第2のア−ムに流れる電流
の方向と電流値に基づいてモ−タの回転加速度を推定
し、推定した回転加速度に比例した補正値により電流指
令値を補正するよう制御することを特徴とする請求項1
記載の電動パワ−ステアリング装置の制御装置。 - 【請求項3】前記制御手段は、操舵トルクの微分値を演
算し、演算された微分値に比例した補正値により電流指
令値を補正するよう制御することを特徴とする請求項1
記載の電動パワ−ステアリング装置の制御装置。 - 【請求項4】 前記電流検出要素は、抵抗素子であるこ
とを特徴とする請求項1記載の電動パワ−ステアリング
装置の制御装置。 - 【請求項5】 前記電流検出要素は、電流検出可能なセ
ンスFETであることを特徴とする請求項1記載の電動
パワ−ステアリング装置の制御装置。 - 【請求項6】 前記電流検出要素は、ホ−ル素子である
ことを特徴とする請求項1記載の電動パワ−ステアリン
グ装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31600294A JPH08150946A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31600294A JPH08150946A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08150946A true JPH08150946A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=18072152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31600294A Pending JPH08150946A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08150946A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008042975A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Rohm Co Ltd | モータ駆動回路およびそれを用いた電子機器 |
JP2009119998A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Daihatsu Motor Co Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
KR20150136885A (ko) * | 2014-05-28 | 2015-12-08 | 현대모비스 주식회사 | 전동식 파워 스티어링 시스템의 컬럼토크 보상 장치 및 방법 |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP31600294A patent/JPH08150946A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008042975A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Rohm Co Ltd | モータ駆動回路およびそれを用いた電子機器 |
JP2009119998A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Daihatsu Motor Co Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
KR20150136885A (ko) * | 2014-05-28 | 2015-12-08 | 현대모비스 주식회사 | 전동식 파워 스티어링 시스템의 컬럼토크 보상 장치 및 방법 |
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