JP3840310B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フリクションを補償する構成にした電動パワーステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、ステアリングホイールWに連係する入力軸1の先端に、ピニオン2を設けている。また、両端に車輪3R、3Lが連係するロッド4に、ラック5を形成している。そして、上記入力軸1のピニオン2を、このロッド4のラック5にかみ合せている。
また、電動モータ6を設け、そのモータ出力を、減速機7を介して上記ロッド4に伝達するようにしている。
さらに、入力軸1に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ8と、車速を検出する車速センサ9とを設け、コントローラーCに接続している。
【0003】
このコントローラーCは、図6に示すように、基本アシスト指令値決定回路10とモータ電流制御回路11とを備えている。
基本アシスト指令値決定回路10では、操舵トルク及び車速に応じて基本アシスト指令値を決定している。そして、モータ電流制御回路11は、その基本アシスト指令値に基づいて、電動モータ6にモータ電流を流す。したがって、電動モータ6には、操舵トルク及び車速に応じたアシストトルクが発生し、アシスト力を付与することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような電動パワーステアリング制御装置では、プレッシャパッドを用いてピニオンとラックとをかみ合わせたり、電動モータを減速機を介してロッドに連係させたりするので、フリクションが発生する。
そして、このフリクションが発生すると、ステアリングホイールWの切り込み時に、以下のような影響を及ぼすことがある。
例えば、ステアリングホイールWを切ったとき、そのフリクションをドライバーが抵抗として感じ、ステアリングの軽快感が損なわれてしまうことがある。また、このフリクションは、電動モータ6の回転方向と逆に作用するので、アシストトルクを減ずることになり、アシスト力不足になったり、応答性が悪くなったりする。
【0005】
一方、ステアリングホイールWの戻り時には、以下のような影響を及ぼすことがある。
一般的に、転舵状態では、車輪3R、3Lを中立方向に復帰させようとするセルフアライニングトルクが発生する。したがって、転舵後にステアリングホイールから手を放せば、このセルフアライニングトルクによって車輪3R、3Lが中立方向に復帰しようとする。
【0006】
ところが、車輪3R、3Lが中立方向に復帰しようとするとき、フリクションは、車輪3R、3Lが中立方向に復帰する方向と逆に作用することになる。特に、車両の低速走行時には、セルフアライニングトルクが小さく、それがフリクションによって打ち消され、ステアリングホイールWの戻り性が悪くなってしまう。
この発明の目的は、ステアリングホイールの切り込み時・戻り時に、電動モータにフリクション補償トルクを発生させ、フリクションを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質のトルクを発生させたりして、操舵フィーリングを向上させることのできる電動パワーステアリング制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、アシスト力を発生する電動モータと、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、操舵トルク及び車速に応じて基本アシスト指令値を決定する基本アシスト指令値決定手段と、その基本アシスト指令値に基づいて、電動モータにモータ電流を流すモータ電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置を前提とする。
そして、第1の発明は、ステアリングホイールの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り判別手段と、電動モータの回転方向を検出するモータ回転方向検出手段と、ステアリングホイールの切り込み時に、モータ回転方向及び車速に応じてフリクション補償指令値を決定する切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段と、ステアリングホイールの戻り時に、モータ回転方向及び車速に応じてフリクション補償指令値を決定する戻り時用のフリクション補償指令値決定手段と、上記切り込み・戻り判別手段が切り込み時と判別したとき、切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段から出力されたフリクション補償指令値を基本アシスト指令値に加算するスイッチと、上記切り込み・戻り判別手段が戻り時と判別したとき、戻り時用のフリクション補償指令値決定手段から出力されたフリクション補償指令値を基本アシスト指令値に加算するスイッチとを備え、これらフリクション補償指令値に基づいて、電動モータにフリクション補償トルクを発生させて、実際に発生したフリクションを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質のトルクを発生させたりする構成にした点に特徴を有する。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、切り込み・戻り判別手段は、操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクの方向と、モータ回転方向検出手段で検出したモータ回転の方向とが同一であれば、切り込み時と判別し、逆であれば、戻り時と判別する構成にした点に特徴を有する。
第3の発明は、第1、2の発明において、切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の低速走行域で、実際に発生したフリクションのほぼすべてを打ち消すフリクション補償指令値を出力する構成にした点に特徴を有する。第4の発明は、第1〜3の発明において、切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の高速走行域で、実際に発生したフリクションの一部を打ち消すフリクション補償指令値を出力する構成にした点に特徴を有する。
【0009】
第5の発明は、第1〜4の発明において、戻り時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の低速走行域で、実際に発生したフリクションのすべてを打ち消すだけでなく、見かけ上はフリクションと同質のトルクを、実際に発生したフリクションの方向と逆に発生させるフリクション補償指令値を出力し、かつ、車両の高速走行域で、実際に発生したフリクションを全く打ち消さず、さらには、見かけ上はフリクションと同質のトルクを、実際に発生したフリクションの方向に発生させるフリクション補償指令値を出力する構成にした点に特徴を有する。
の発明は、第1〜の発明において、モータ角速度を検出するモータ角速度検出手段を設け、切り込み時用及び戻り時用のフリクション補償指令値決定手段の両方、あるいは、いずれか一方は、モータ角速度がゼロ付近のとき、フリクション補償指令値をゼロにして、電動モータにフリクション補償トルクを発生させない構成にした点に特徴を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜4に、この発明の電動パワーステアリング制御装置の一実施例を示す。ただし、上記従来例と同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1に示すように、電動モータ6のモータ角速度ωを検出するモータ角速度センサ12を設け、コントローラーCに接続している。ここでは、このモータ角速度センサ12によって、モータ回転方向を検出するようにしている。
コントローラーCには、切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路13を設けている。そして、このフリクション補償指令値決定回路13が出力するフリクション補償指令値を、スイッチ14を介して基本アシスト指令値に加算し、モータ電流制御回路11に出力するようにしている。
【0011】
この切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路13は、フリクション補償値選択部15と車速テーブル部16とからなる。
このうち、フリクション補償値選択部15では、次のようにしてフリクション補償値を選択している。
フリクションは、予め車両実験により測定できるので、そのフリクションをすべて打ち消すだけのモータ出力を電動モータ6に発生させるように、フリクション補償値を決めればよい。
そして、フリクションを補償するモータ出力の方向を決めるため、ここでは、モータ角速度センサからモータ回転方向を検出している。
【0012】
フリクションは、モータ回転方向に抗して作用するので、このフリクションを打ち消すには、モータ回転方向と同方向にモータ出力を発生させればよい。したがって、モータ角速度センサからモータ回転方向を検出し、それと同方向にモータ出力を発生させるよう、フリクション補償値の極性を選択するようにしている。
なお、ここでは左右方向のフリクションの大きさを同じとみなして、その極性だけを選択するようにしている。ただし、左右でフリクションに差があるような場合には、電動モータの右回転時のフリクションと左回転時のフリクションとを別々に測定し、それぞれのフリクション補償値を決めておいてもよい。そして、同様に、モータ角速度センサからモータ回転方向を検出し、それに応じて、いずれかのフリクション補償値を選択するようにしておけばよい。
【0013】
また、車速テーブル部16には、車速に応じて変化させるフリクション補償指令値のゲインを、テーブル値としてメモリしている。そして、そのゲインを上記選択されたフリクション補償値に乗算して、フリクション補償指令値を決定するようにしている。
例えば、図2に示すように、低車速域において、ゲインを1程度とし、上記フリクション補償値をそのままフリクション補償指令値として出力するようにしている。したがって、このフリクション補償指令値がモータ電流制御回路6に伝えられると、電動モータ6には、フリクションをすべて打ち消すだけのフリクション補償トルクが発生することになる。
ただし、高車速域においては、そのゲインを小さくし、上記フリクション補償値よりも小さくしたフリクション補償指令値を出力するようにしている。したがって、電動モータ6には、フリクションの一部だけを打ち消すフリクション補償トルクが発生することになる。
【0014】
また、コントローラーCには、戻り時用のフリクション補償指令値決定回路17を設けている。そして、そのフリクション補償指令値を、スイッチ18を介して基本アシスト指令値に加算し、モータ電流制御回路11に出力するようにしている。
この戻り時用のフリクション補償指令値決定回路17も、フリクション補償値演算部19と車速テーブル部20からなる。以下では、上記切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路13との相違点のみについて説明する。
フリクション補償値演算部19では、上記と同様にフリクション補償値を選択している。
車速テーブル部20では、図3に示すように、低車速域において、ゲインを1程度とし、電動モータ6に、フリクションをすべて打ち消すだけのフリクション補償トルクが発生するようにしている。
【0015】
そして、高車速になるにつれて、そのゲインを小さくしたフリクション補償指令値を出力するようにしている。したがって、フリクション補償トルクが小さくなり、フリクションの一部だけを打ち消していくことになる。
さらに高車速になると、そのゲインがゼロを超えて、マイナス領域に達する。したがって、電動モータ6には逆方向にフリクション補償トルクが発生し、実際に発生したフリクションを全く打ち消さず、さらに、見かけ上はフリクションと同質のトルクを、そのフリクションの方向に発生させることになる。
【0016】
上記スイッチ14、18は、ステアリングホイールWの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り判別回路21によって制御されている。
この切り込み・戻り判別回路21には、操舵トルクセンサ8とモータ角速度センサ12とを接続している。
そして、これらセンサ8、12で検出した操舵トルクの極性とモータ角速度の極性とが同極性であれば、つまり、その方向が同一であれば、切り込み時であると判別する。このように判別できるのは、ステアリングホイールWを切り込んだときは、必ず操舵トルクが発生し、電動モータ6にはそれと同極のアシストトルクが発生するからである。
このようにして切り込み時であると判別したときは、スイッチ14をオンにする。したがって、切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路13から出力されたフリクション補償指令値が、基本アシスト指令値に加算され、モータ電流制御回路11に伝えられる。
【0017】
それに対して、操舵トルクの極性とモータ角速度の極性とが異極性であれば、つまり、その方向が逆であれば、戻り時であると判別する。このように判別できるのは、転舵後にステアリングホイールWから手を放したような場合、セルフアライニングトルクにより電動モータ6も回転させられるが、入力軸1にはステアリングホイールW自体の質量により慣性が働き、操舵トルクセンサ8が、その慣性トルクを異極の操舵トルクとして検出するからである。
このようにして戻り時であると判別したときは、スイッチ18をオンにする。したがって、戻り時用のフリクション補償指令値決定回路17から出力されたフリクション補償指令値が、基本アシスト指令値に加算され、モータ電流制御回路11に伝えられる。
【0018】
次に、この実施例の電動パワーステアリング制御装置の作用を説明する。
ステアリングホイールWの切り込み時には、基本アシスト指令値決定回路10から、操舵トルク及び車速に応じた基本アシスト指令値が出力される。
同時に、切り込み・戻り判別回路21は、ステアリングホイールの切り込み時であると判別し、スイッチ14をオンにする。したがって、切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路13から出力されたフリクション補償指令値が、基本アシスト指令値に加算されて、モータ電流制御回路11に伝えられる。
【0019】
いま、車両が低速走行していれば、前述のようにゲインが1程度であり、電動モータ6には、フリクションをすべて打ち消すだけのフリクション補償トルクが発生する。したがって、ドライバーが抵抗を感じることがなく、ステアリングの軽快感を確保することができる。しかも、フリクションを打ち消せば、電動モータ6には、基本アシスト指令値に基づくアシストトルクがそのまま発生するので、アシスト力不足になったり、応答性が悪くなったりすることがない。
それに対して、車両が高速走行しているときは、そのゲインが小さくなるので、電動モータ6に、フリクションの一部だけを打ち消すフリクション補償トルクが発生することになる。つまり、フリクションの一部は残った状態となり、そのフリクションが反力として作用するので、ステアリングホイールWの剛性感を残して、安定した高速走行が可能となる。
【0020】
一方、ステアリングホイールWの戻り時には、切り込み・戻り判別回路21が戻り時であると判別し、スイッチ18をオンにする。したがって、戻り時用のフリクション補償指令値決定回路17から出力されたフリクション補償指令値が、基本アシスト指令値に加算されて、モータ電流制御回路11に伝えられる。
いま、車両が低速走行していれば、前述のように、電動モータ6には、フリクションをすべて打ち消すだけのフリクション補償トルクが発生するので、ステアリングホイールWの戻り性を向上させることができる。
【0021】
それに対して、車両が高速走行しているときは、そのゲインがゼロを超えて、マイナス領域に達するので、実際に発生したフリクションが全く打ち消されず、さらに、見かけ上はフリクションと同質のトルクが、そのフリクションの方向に発生することになる。以下では、高速走行時に、フリクションの方向に、積極的にトルクを発生させる理由を説明する。
【0022】
セルフアライニングトルクは、高車速になるほど大きくなる特性を有するので、高速走行域におけるステアリングホイールWの戻り時には、低速走行域と異なり、車輪が中立方向に復帰する勢いが強くなる。そのため、中立位置を超えて転舵してしまうこともあり、ステアリングホイールWの収れん性が悪くなってしまう。
そこで、フリクションの方向、つまり、セルフアライニングトルクに抗する方向に、積極的にトルクを発生させるようにしている。こうすれば、実際に発生したフリクションに加え、そのトルクがダンパ機能を発揮することになり、ステアリングホイールWの収れん性を向上させることができる。
【0023】
なお、図2、3に示す特性はほんの一例にすぎず、車速テーブル部のテーブル値を変更すれば、ステアリングホイールWの切り込み時・戻り時に、フリクションを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質のトルクを発生させたりすることができる。
例えば、低速走行域における戻り時に、図3に示すようにゲインを1程度としているが、1よりも大きくしておいてもよい。このようにしておけば、フリクションをすべて打ち消すだけでなく、見かけ上はフリクションと同質のトルクが、モータ回転方向に作用することになる。したがって、そのトルクが車輪を中立方向に復帰する補助力として作用することとなり、ステアリングホイールWの戻り性をさらに向上させることができる。
このように、車種に応じて、あるいは、ユーザーからの要望に応じて、操舵フィーリングをきめこまやかにチューニングすることができる。
【0024】
また、車速テーブル部16、20の他に、モータ角速度テーブル部を設けたりしてもよい。
例えば、図4に示すように、モータ角速度ωのゼロ付近で、フリクション補償指令値のゲインをゼロとするようにしておけば、電動モータ6が発振するのを防止することができる。
例えば、停止状態から、ギヤのバックラッシ等の機械的なガタぶんだけ電動モータ6が動いたような場合でも、モータ回転方向が検出され、コントローラーCに伝えられる。そして、コントローラーCは、電動モータ6にフリクション補償トルクを発生させることになる。しかし、そのフリクション補償トルクによっても、電動モータ6に回転が発生してしまい、さらに、そのモータ回転方向が、コントローラーCに伝えられることになる。
このように、ループ系の制御をしている場合、電動モータ6が発振することがある。そこで、モータ角速度ωのゼロ付近で、フリクション補償指令値のゲインをゼロとするようにしておけば、電動モータ6にフリクション補償トルクが発生せず、その発振を防止することができる。
【0025】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ステアリングホイールの切り込み時・戻り時に、電動モータにフリクション補償トルクを発生させて、フリクションを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質のトルクを発生させたりでき、操舵フィーリングを向上させることができる。しかも、切り込み時用あるいは戻り時用のフリクション補償指令値決定手段の特性をそれぞれ変更してやれば、車種に応じて、あるいは、ユーザーからの要望に応じて、操舵フィーリングをきめこまやかにチューニングすることができる。
第2の発明によれば、第1の発明において、なんら新たな要素を付加することなく、切り込み・戻り判別手段を構成することができ、コストダウンが可能となる。
【0026】
第3の発明によれば、第1、2の発明において、フリクションをすべて打ち消すので、ドライバーが抵抗を感じることがなく、ステアリングの軽快感を確保することができる。しかも、電動モータには、基本アシスト指令値に基づくアシストトルクがそのまま発生するので、アシスト力不足になったり、応答性が悪くなったりすることがない。
第4の発明によれば、第1〜3の発明において、フリクションの一部は残った状態となり、それが反力として作用するので、ステアリングホイールの剛性感を残して、安定した高速走行が可能となる。
【0027】
第5の発明によれば、第1〜4の発明において、実際に発生したフリクションをすべて打ち消すだけでなく、見かけ上はフリクションと同質のトルクが、実際に発生したフリクションの方向と逆に発生する。したがって、その見かけ上はフリクションと同質のトルクが、車輪を中立方向に復帰する補助力として作用することになり、ステアリングホイールの戻り性を向上させることができる。
また、実際に発生したフリクションに加え、見かけ上はフリクションと同質のトルクが、実際に発生したフリクションの方向に発生する。したがって、これらトルクがダンパ機能を発揮することになり、ステアリングホイールの収れん性を向上させることができる。
の発明によれば、第1〜の発明において、電動モータが発振するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の電動パワーステアリング制御装置を示すブロック図である。
【図2】切り込み時における車速とゲインとの関係を示す一例である。
【図3】戻り時における車速とゲインとの関係を示す一例である。
【図4】モータ角速度とゲインとの関係を示す一例である。
【図5】電動パワーステアリング制御装置を示す図である。
【図6】従来例の電動パワーステアリング制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
6 電動モータ
8 操舵トルクセンサ
9 車速センサ
10 基本アシスト指令値決定回路
11 モータ電流制御回路
12 モータ角速度センサ
13 切り込み時用のフリクション補償指令値決定回路
17 戻り時用のフリクション補償指令値決定回路
21 切り込み・戻り判別回路

Claims (6)

  1. アシスト力を発生する電動モータと、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、操舵トルク及び車速に応じて基本アシスト指令値を決定する基本アシスト指令値決定手段と、その基本アシスト指令値に基づいて、電動モータにモータ電流を流すモータ電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置において、ステアリングホイールの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り判別手段と、電動モータの回転方向を検出するモータ回転方向検出手段と、ステアリングホイールの切り込み時に、モータ回転方向及び車速に応じてフリクション補償指令値を決定する切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段と、ステアリングホイールの戻り時に、モータ回転方向及び車速に応じてフリクション補償指令値を決定する戻り時用のフリクション補償指令値決定手段と、上記切り込み・戻り判別手段が切り込み時と判別したとき、切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段から出力されたフリクション補償指令値を基本アシスト指令値に加算するスイッチと、上記切り込み・戻り判別手段が戻り時と判別したとき、戻り時用のフリクション補償指令値決定手段から出力されたフリクション補償指令値を基本アシスト指令値に加算するスイッチとを備え、これらフリクション補償指令値に基づいて、電動モータにフリクション補償トルクを発生させて、実際に発生したフリクションを打ち消したり、見かけ上はフリクションと同質のトルクを発生させたりする構成にしたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 切り込み・戻り判別手段は、操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクの方向と、モータ回転方向検出手段で検出したモータ回転の方向とが同一であれば、切り込み時と判別し、逆であれば、戻り時と判別する構成にしたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の低速走行域で、実際に発生したフリクションのほぼすべてを打ち消すフリクション補償指令値を出力する構成にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 切り込み時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の高速走行域で、実際に発生したフリクションの一部を打ち消すフリクション補償指令値を出力する構成にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 戻り時用のフリクション補償指令値決定手段は、車両の低速走行域で、実際に発生したフリクションのすべてを打ち消すだけでなく、見かけ上はフリクションと同質のトルクを、実際に発生したフリクションの方向と逆に発生させるフリクション補償指令値を出力し、かつ、車両の高速走行域で、実際に発生したフリクションを全く打ち消さず、さらには、見かけ上はフリクションと同質のトルクを、実際に発生したフリクションの方向に発生させるフリクション補償指令値を出力する構成にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. モータ角速度を検出するモータ角速度検出手段を設け、切り込み時用及び戻り時用のフリクション補償指令値決定手段の両方、あるいは、いずれか一方は、モータ角速度がゼロ付近のとき、フリクション補償指令値をゼロにして、電動モータにフリクション補償トルクを発生させない構成にしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の電動パワーステアリング制御装置
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