JP2015101152A - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源オン時においては、ステップS1、S2およびS3の処理(通常モード処理)が実行され、通常モード用の回転速度マップM1に基いて目標回転速度Vm*が設定される。通常モード処理が実行されているときに、検出車速Vが所定値α以下でかつ検出操舵角の絶対値|θh|が所定値β以上でかつ検出操舵角速度の絶対値|ωh|が所定値γ以下であるという第1モード切替条件を満たすと、ステップS2でYESとなる。したがって、ステップS4でモードフラグFMODEの値が1に設定された後、ステップS5に移行し、ラックエンドモード用の回転速度マップM2に基いて目標回転速度Vm*が設定される。
【選択図】図5
Description
この発明の目的は、ラックエンド付近で油圧ポンプの作動音を低減させることができるパワーステアリング装置を提供することである。
請求項3記載の発明は、前記切替手段は、車速が第1閾値以下でありかつ操舵角の絶対値が第2閾値以上でありかつ操舵角速度の絶対値が第3閾値以下である場合に、前記第1制御手段による回転速度制御から前記第2制御手段による回転速度制御に制御態様を切り替えるように構成されている、請求項1または2に記載のパワーステアリング装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
パワーステアリング装置1は、車両のステアリング機構2に関連して設けられ、このステアリング機構2に操舵補助力を与えるためのものである。ステアリング機構2は、車両の操向のために運転者によって操作される操作部材としてのステアリングホイール3と、このステアリングホイール3に連結されたステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4の先端部に油圧制御弁14を介して連結され、ピニオンギア6を持つピニオンシャフト5と、ピニオンギア6に噛合するラック7aを有し、車両の左右方向に延びた転舵軸としてのラック軸7とを備えている。
ステアリングホイール3が操作されてステアリングシャフト4が回転されると、この回転が、ピニオンギア6およびラック7aによって、ラック軸7の軸方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム11のキングピン12まわりの回転運動に変換され、これにより、左右の転舵輪9,10の転舵が達成される。
油圧制御弁14は、トーションバーに一方方向のねじれが加わった場合には、油路19,20のうちの一方を介してパワーシリンダ15のシリンダ室17,18のうちの一方に作動油を供給するとともに、他方の作動油をリザーバタンク21に戻す。また、トーションバーに他方方向のねじれが加えられた場合には、油路19,20のうちの他方を介してシリンダ室17,18のうちの他方に作動油を供給するとともに、一方の作動油をリザーバタンク21に戻す。
操舵角センサ31は、運転者によって操作されるステアリングホイール3の操舵角θhを検出するものである。この実施形態では、操舵角センサ31は、ステアリングシャフト4の中立位置からのステアリングシャフト4の正逆両方向の回転量(回転角)を検出するものであり、中立位置から右方向への回転量を例えば正の値として出力し、中立位置から左方向への回転量を例えば負の値として出力する。
図2は、ECU40の電気的構成を示す概略図である。
ECU40は、マイクロコンピュータ41と、マイクロコンピュータ41によって制御され、電動モータ24に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)42とを備えている。
回転角演算部53は、回転角センサ32の出力信号に基いて、電動モータ24のロータの回転角θe,θmを演算する。θeは電気角であり、θmは機械角である。回転角演算部53によって演算されるロータ回転角θe(電気角)は、PWM制御部57に与えられる。回転角演算部53によって演算されるロータ回転角θm(機械角)は、回転速度演算部54に与えられる。回転速度演算部54は、回転角演算部53によって演算されたロータ回転角θmを時間微分することにより、電動モータ24の回転速度Vmを演算する。
PI制御部56は、速度偏差演算部55によって演算された回転速度偏差ΔVmに対してPI演算を行なう。すなわち、速度偏差演算部55およびPI制御部56によって、電動モータ24の回転速度Vmを目標回転速度Vm*に導くための速度フィードバック制御手段が構成されている。PI制御部56は、回転速度偏差ΔVmに対してPI演算を行なうことで、電動モータ24に印加すべき制御電圧値を演算する。
図5は、目標回転速度設定部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。図5の処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS6において、第2モード切替条件を満たしていると判別された場合には(ステップS6:YES)、目標回転速度設定部52は、制御モードをラックエンドモードから通常モードに切替えるために、モードフラグFMODEの値を0に設定する(ステップS7)。そして、目標回転速度設定部52は、通常モード用の回転速度マップM1(図3参照)に基いて、目標回転速度Vm*を設定する(ステップS3)。そして、今演算周期での処理を終了する。
通常モード処理が実行されているときに、第1モード切替条件を満たすと、ステップS2でYESとなる。したがって、ステップS4でモードフラグFMODEの値が1に設定された後、ステップS5に移行し、ラックエンドモード用の回転速度マップM2に基いて目標回転速度Vm*が設定される。この後、ステップS1、S6およびS5の処理(ラックエンドモード処理)が実行される。
前述した図5の動作例では、制御モードが切替えられると、目標回転速度を設定するために用いられる回転速度マップが直ちに切替えられている。これに対して、図6の動作例では、制御モードの切替時には原則的に制御モード切替期間を設定し、この制御モード切替期間において目標回転速度を制御モードの切替後の目標回転速度に徐々に近づけるための処理が行われる点が、図5の動作例と異なっている。
制御モード切替後の目標回転速度Bは、制御モード切替後の制御モードがラックエンドモードである場合には、ラックエンドモード用の回転速度マップM2と検出操舵角θhとから求められる。制御モード切替後の制御モードが通常モードである場合には、制御モード切替後の目標回転速度Bは、通常モード用の回転速度マップM1と検出操舵角速度ωhおよび検出車速Vとから求められる。
次に、目標回転速度設定部52は、経過時間計測用カウンタのカウント値KSWを1だけインクリメントする(ステップS20)。そして、目標回転速度設定部52は、制御モード切替期間が開始されてからの経過時間KSW・Δtが、制御モード切替期間の設定値TSW以上であるか否かを判別する(ステップS21)。経過時間KSW・Δtが制御モード切替期間の設定値TSW未満である場合には(ステップS21:NO)、目標回転速度設定部52は、制御モード切替期間が終了していないと判別し、前記ステップS19で算出された制御モード切替期間中の目標回転速度Xを、目標回転速度Vm*として設定する(ステップS22)。そして、今演算周期の処理を終了する。
通常モード処理が実行されているときに、第1モード切替条件を満たすと、ステップS12でYESとなるため、ステップS15〜S18の処理が行われた後、ステップS13に移行する。この場合には、ステップS13でNOとなるため、ステップS19〜S22の処理が行われる。このため、ステップS19で算出された制御モード切替期間中の目標回転速度Xが、目標回転速度Vm*として設定される。この後、制御モード切替期間が終了するまでの間に第3モード切替条件および第4モード切替条件のいずれもが満たされないとすると、制御モード切替期間が終了するまで、ステップS11、S24、S27、S13、S19〜S22の処理が実行される。
ラックエンドモード処理が実行されているときに、第3モード切替条件を満たすと、ステップS24でYESとなるため、ステップS25およびS26の処理が行われた後、ステップS13に移行する。この場合には、そして、ステップS13でYESとなるため、ステップS14に移行し、通常モード用の回転速度マップM1に基いて目標回転速度Vm*が設定される。
図6のステップS12で用いられる第1モード切替条件は、検出車速Vが所定値α(α>0)以下でかつ検出操舵角の絶対値|θh|が所定値β(β>0)以上であるという条件であってもよい。この場合、図6のステップS24〜S26は省略され、ステップS11でNOの場合にはステップS27に移行することになる。
図7の動作例は、前述した図5の動作例と類似している。図7において、図5に示された各ステップと同様の処理が行われるステップには、図5中と同一参照符号を付して示す。
図7に戻り、目標回転速度設定部52は、モードフラグFMODEの値が0であるか否かを判別する(ステップS1)。モードフラグFMODEは、現在設定されている制御モードを記憶するためのフラグである。現在設定されている制御モードが通常モードである場合には、モードフラグFMODEの値が0にされる。現在設定されている制御モードがラックエンドモードである場合には、モードフラグFMODEの値が1にされる。モードフラグFMODEの初期値は、0である。
ステップS6Aにおいて、第2モード切替条件を満たしていると判別された場合には(ステップS6A:YES)、目標回転速度設定部52は、制御モードをラックエンドモードから通常モードに切替えるために、モードフラグFMODEの値を0に設定する(ステップS7)。そして、目標回転速度設定部52は、通常モード用の回転速度マップM1(図3参照)に基いて、目標回転速度Vm*を設定する(ステップS3)。そして、今演算周期での処理を終了する。
通常モード処理が実行されているときに、第1モード切替条件を満たすと、ステップS2AでYESとなる。したがって、ステップS4でモードフラグFMODEの値が1に設定された後、ステップS5Aに移行し、ラックエンドモード用の回転速度マップM3に基いて目標回転速度Vm*が設定される。この後、ステップS1、S6AおよびS5Aの処理(ラックエンドモード処理)が実行される。
図9の動作例は、前述した図6の動作例と類似している。図9において、図6に示された各ステップと同様の処理が行われるステップには、図6中と同一参照符号を付して示す。
目標回転速度設定部52は、モードフラグFMODEの値が0であるか否かを判別する(ステップS11)。モードフラグFMODEは、現在設定されている制御モードを記憶するためのフラグである。現在設定されている制御モードが通常モードである場合には、モードフラグFMODEの値が0にされ、現在設定されている制御モードがラックエンドモードである場合には、モードフラグFMODEの値が1にされる。モードフラグFMODEの初期値は、0である。
次に、目標回転速度設定部52は、経過時間計測用カウンタのカウント値KSWを1だけインクリメントする(ステップS20)。そして、目標回転速度設定部52は、制御モード切替期間が開始されてからの経過時間KSW・Δtが、制御モード切替期間の設定値TSW以上であるか否かを判別する(ステップS21)。経過時間KSW・Δtが制御モード切替期間の設定値TSW未満である場合には(ステップS21:NO)、目標回転速度設定部52は、制御モード切替期間が終了していないと判別し、前記ステップS19で算出された制御モード切替期間中の目標回転速度Xを、目標回転速度Vm*として設定する(ステップS22)。そして、今演算周期の処理を終了する。
通常モード処理が実行されているときに、第1モード切替条件を満たすと、ステップS12AでYESとなるため、ステップS15〜S18の処理が行われた後、ステップS13に移行する。この場合には、ステップS13でNOとなるため、ステップS19〜S22の処理が行われる。このため、ステップS19で算出された制御モード切替期間中の目標回転速度Xが、目標回転速度Vm*として設定される。この後、制御モード切替期間が終了するまでの間に第4モード切替条件が満たされないとすると、制御モード切替期間が終了するまで、ステップS11、S27、S13、S19〜S22の処理が実行される。
ラックエンドモード処理が実行されているときに、第4モード切替条件を満たすと、ステップS27でYESとなるため、ステップS28〜S31の処理が行われた後、ステップS13に移行する。この場合には、ステップS13でNOとなるため、ステップS19〜S22の処理が行われる。このため、ステップS19で算出された制御モード切替期間中の目標回転速度Xが、目標回転速度Vm*として設定される。この後、制御モード切替期間が終了するまでの間に第1モード切替条件が満たされないとすると、制御モード切替期間が終了するまで、ステップS11、S12A、S13、S19〜S22の処理が実行される。
この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (3)
- 電動モータと、
前記電動モータによって駆動され、操舵補助力を発生させる油圧ポンプと、
前記電動モータを制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、
操舵角速度と車速とに基いて、前記電動モータの回転速度を制御する第1制御手段と、
操舵角に基いて、前記電動モータの回転速度を制御する第2制御手段と、
車速が第1閾値以下でありかつ操舵角の絶対値が第2閾値以上である場合に、前記第1制御手段による回転速度制御から前記第2制御手段による回転速度制御に制御態様を切り替える切替手段とを含む、パワーステアリング装置。 - 前記第2制御手段は、操舵角と操舵角速度とに基いて、前記電動モータの回転速度を制御するように構成されている、請求項1に記載のパワーステアリング装置。
- 前記切替手段は、車速が第1閾値以下でありかつ操舵角の絶対値が第2閾値以上でありかつ操舵角速度の絶対値が第3閾値以下である場合に、前記第1制御手段による回転速度制御から前記第2制御手段による回転速度制御に制御態様を切り替えるように構成されている、請求項1または2に記載のパワーステアリング装置。
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