JP6020881B2 - 油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents

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この発明は、油圧式パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング機構に結合されたパワーシリンダに、油圧ポンプからの作動油を、油圧制御バルブを介して供給することによって、操舵補助力を発生する油圧式パワーステアリング装置が従来から知られている。一般的な油圧式パワーステアリング装置では、油圧制御バルブは、ステアリングホイール等の操舵部材にステアリングシャフトを介して機械的に連結されており、操舵部材の操作に応じて油圧制御バルブの開度が調節される。
油圧式パワーステアリング装置として、油圧制御バルブを操舵部材に機械的に連結せずに、電動モータ(バルブ駆動用モータ)によって油圧制御バルブの開度を制御するものが開発されている。
特開2006−306239号公報
バルブ駆動用モータによって油圧制御バルブの開度が制御される油圧式パワーステアリング装置において、油圧ポンプを駆動するための電動モータ(ポンプ駆動用モータ)のための駆動回路およびバルブ駆動用モータのための駆動回路の少なくとも一方の周辺温度が上昇したときには、過熱保護のためにポンプ駆動用モータの回転速度指令値を低減補正することが考えられる。しかしながら、ポンプ駆動用モータの回転速度を低減させると、油圧制御バルブのバルブ開度変化範囲の全領域において操舵補助力が低下してしまうため、全体的にステアリング操作が重く感じられる。このため、操舵フィーリングが悪化するおそれがある。
この発明の目的は、ポンプ駆動用モータおよびその駆動回路の過熱保護が図れるとともに、操舵フィーリングを向上させることができる油圧式パワーステアリング装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車両のステアリング機構(2)に結合されたパワーシリンダ(16)に、操舵部材(3)に機械的に連結されていない油圧制御バルブ(14)を介して、油圧ポンプ(23)からの作動油を供給することによって、操舵力を補助する油圧式パワーステアリング装置(1)であって、前記油圧ポンプを駆動するためのポンプ駆動用モータ(25)と、前記油圧制御バルブの開度を制御するためのバルブ駆動用モータ(15)と、前記ポンプ駆動用モータのための第1の駆動回路(43)と、前記バルブ駆動用モータのための第2の駆動回路(42)と、前記第1の駆動回路および前記第2の駆動回路のうちの少なくとも一方の周辺温度を検出するための温度検出手段(38)と、前記油圧制御バルブの開度の指令値である開度指令値を設定する開度指令値設定手段(52)と、前記温度検出手段によって検出される温度に応じて前記開度指令値を制限する開度指令値制限手段(60)と、前記開度指令値設定手段によって設定され、前記温度検出手段によって検出される温度に応じて前記開度指令値制限手段によって制限された開度指令値に基づいて、前記第2の駆動回路を制御する手段(54,55)と、を含む油圧式パワーステアリング装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明では、温度検出手段によって検出される温度に応じて開度指令値が制限される。開度指令値が制限されると、パワーシリンダへの作動油の供給量が減少し、操舵補助力が減少する。これにより、ポンプ駆動用モータの負荷が減少するので、ポンプ駆動用モータの駆動電流が減少する。この結果、ポンプ駆動用モータおよびその駆動回路の過熱保護が図れる。
また、この発明では、温度検出手段によって検出される温度が上昇したときに、開度指令値を制限している。このため、油圧制御バルブが中立位置付近にあるときに、開度指令値が制限される可能性は低くなるので、中立位置付近ではステアリング操作が重くならなくなる。これにより、操舵フィーリングを向上させることができる。
請求項2記載の発明は、前記ポンプ駆動用モータの回転速度の指令値である回転速度指令値を設定する回転速度指令値設定手段(72)と、前記回転速度指令値設定手段によって設定された回転速度指令値に基づいて、前記第1の駆動回路を制御する手段(75,76)とをさらに含む、請求項1に記載の油圧式パワーステアリング装置である。
図1は、この発明の一実施形態に係る油圧式パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、ECUの電気的構成を示すブロック図である。 図3は、操舵角速度に対するポンプ回転数指令値の設定例を示すグラフである。 図4は、検出操舵トルクに対するアシストトルク指令値の設定例を示すグラフである。 図5は、アシストトルク指令値に対するバルブ開度指令値の設定例を示すグラフである。 図6は、バルブ開度指令値制限部の動作を説明するためのフローチャートである。 図7は、検出温度に対するバルブ開度制限値の設定例を示すグラフである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る油圧式パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
油圧式パワーステアリング装置1は、車両のステアリング機構2に操舵補助力を与えるためのものである。ステアリング機構2は、車両の操向のために運転者によって操作される操舵部材としてのステアリングホイール3と、このステアリングホイール3に連結されたステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4の先端部に連結され、ピニオンギア6を持つピニオンシャフト5と、ピニオンギア6に噛合するラック7aを有し、車両の左右方向に延びた転舵軸としてのラック軸7とを備えている。
ラック軸7の両端にはタイロッド8がそれぞれ連結されており、このタイロッド8は、それぞれ、左右の転舵輪9,10を支持するナックルアーム11に連結されている。ナックルアーム11は、キングピン12まわりに回動可能に設けられている。
ステアリングホイール3が操作されてステアリングシャフト4が回転されると、この回転が、ピニオンギア6およびラック7aによって、ラック軸7の軸方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム11のキングピン12まわりの回転運動に変換され、これにより、左右の転舵輪9,10が転舵される。
ステアリングシャフト4の周囲には、ステアリングシャフト4の回転角である操舵角θhを検出するための舵角センサ31が配置されている。この実施形態では、舵角センサ31は、ステアリングシャフト4の中立位置からのステアリングシャフト4の正逆両方向の回転量(回転角)を検出するものであり、中立位置から左方向への回転量を例えば正の値として出力し、中立位置から右方向への回転量を例えば負の値として出力する。ピニオンシャフト5には、操舵トルクThを検出するためのトルクセンサ32が設けられている。
油圧式パワーステアリング装置1は、油圧制御バルブ14、パワーシリンダ16および油圧ポンプ23を含んでいる。油圧制御バルブ14は、例えばロータリバルブであり、ロータハウジング(図示略)と作動油の流通方向を切り替えるためのロータ(図示略)とを備えている。油圧制御バルブ14として、例えば前記特許文献1に開示されている油圧制御バルブを用いてもよい。油圧制御バルブ14のロータが電動モータ15(以下「バルブ駆動用モータ15」という)によって回転されることにより、油圧制御バルブ14の開度が制御される。バルブ駆動用モータ15は、例えば、三相ブラシレスモータからなる。バルブ駆動用モータ15の近傍には、バルブ駆動用モータ15のロータの回転角θを検出するための、例えばレゾルバからなる回転角センサ33が配置されている。
油圧制御バルブ14は、ステアリング機構2に操舵補助力を与えるパワーシリンダ16に接続されている。パワーシリンダ16は、ステアリング機構2に結合されている。具体的には、パワーシリンダ16は、ラック軸7に一体に設けられたピストン17と、このピストン17によって区画された一対のシリンダ室18,19とを有しており、シリンダ室18,19は、それぞれ、対応する油路20,21を介して、油圧制御バルブ14に接続されている。
油圧制御バルブ14は、リザーバタンク22および操舵補助力発生用の油圧ポンプ23を通る油循環路24の途中部に介装されている。油圧ポンプ23は、例えば、ギヤポンプからなり、電動モータ25(以下、「ポンプ駆動用モータ25」という)によって駆動され、リザーバタンク22に貯留されている作動油をくみ出して油圧制御バルブ14に供給する。余剰分の作動油は、油圧制御バルブ14から油循環路24を介してリザーバタンク22に帰還される。
ポンプ駆動用モータ25は、一方向に回転駆動されて、油圧ポンプ23を駆動するものである。具体的には、ポンプ駆動用モータ25は、その出力軸が油圧ポンプ23の入力軸に連結されており、ポンプ駆動用モータ25の出力軸が回転することで、油圧ポンプ23の入力軸が回転して油圧ポンプ23の駆動が達成される。ポンプ駆動用モータ25は三相ブラシレスモータからなる。ポンプ駆動用モータ25の近傍には、ポンプ駆動用モータ25のロータの回転角θを検出するための、例えばレゾルバからなる回転角センサ34が配置されている。
油圧制御バルブ14は、バルブ駆動用モータ15によって油圧制御バルブ14のロータが基準回転角度位置(中立位置)から一方の方向に回転された場合には、油路20,21のうちの一方を介してパワーシリンダ16のシリンダ室18,19のうちの一方に作動油を供給するとともに、他方の作動油をリザーバタンク22に戻す。また、バルブ駆動用モータ15によって油圧制御バルブ14のロータが中立位置から他方の方向に回転された場合には、油路20,21のうちの他方を介してシリンダ室18,19のうちの他方に作動油を供給するとともに、一方の作動油をリザーバタンク22に戻す。
油圧制御バルブ14のロータが中立位置にある場合には、油圧制御バルブ14は、いわば平衡状態となり、操舵中立でパワーシリンダ16の両シリンダ室18,19は等圧に維持され、作動油は油循環路24を循環する。バルブ駆動用モータ15によって油圧制御バルブ14のロータが回転されると、パワーシリンダ16のシリンダ室18,19のいずれかに作動油が供給され、ピストン17が車幅方向(車両の左右方向)に沿って移動する。これにより、ラック軸7に操舵補助力が作用することになる。
バルブ駆動用モータ15およびポンプ駆動用モータ25は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)40によって制御される。この実施形態では、ECU40とポンプ駆動用モータ25とは、1つの基板100上に実装されている。後述するように、ECU40は、バルブ駆動用モータ15のための駆動回路42(図2参照)およびポンプ駆動用モータ25のための駆動回路43(図2参照)を含んでいる。油圧式パワーステアリング装置1は、これらの駆動回路42,43の少なくとも一方の周辺温度を検出するための温度センサ38を備えている。この実施形態では、たとえば、ポンプ駆動用モータ25のための駆動回路43の周辺に、駆動回路43の周辺温度を検出するための温度センサ38が配置されている。
ECU40には、舵角センサ31によって検出される操舵角θh、トルクセンサ32によって検出される操舵トルクTh、回転角センサ33の出力信号、回転角センサ34の出力信号、車速センサ35によって検出される車速V、温度センサ38によって検出される温度T(ポンプ駆動用モータ25のための駆動回路43の周辺温度)、バルブ駆動用モータ15に流れる電流を検出するための電流センサ36(図2参照)の出力信号等が入力される。
図2は、ECU40の電気的構成を示すブロック図である。
ECU40は、マイクロコンピュータ41と、マイクロコンピュータ41によって制御され、バルブ駆動用モータ15に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)42と、マイクロコンピュータ41によって制御され、ポンプ駆動用モータ25に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)43とを備えている。駆動回路42とバルブ駆動用モータ15とを接続する電力供給線には電流センサ36が設けられている。
マイクロコンピュータ41は、CPUおよびメモリ(ROMおよびRAMなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、バルブ駆動用モータ15を制御するためのバルブ駆動用モータ制御部50と、ポンプ駆動用モータ25を制御するためのポンプ駆動用モータ制御部70とを含んでいる。
ポンプ駆動用モータ制御部70は、操舵角速度演算部71と、ポンプ回転数指令値設定部72と、回転角演算部73と、回転数演算部74と、回転数偏差演算部75と、PI制御部76と、PWM制御部77とを含んでいる。
操舵角速度演算部71は、舵角センサ31の出力値を時間微分することによって、操舵角速度を演算する。ポンプ回転数指令値設定部72は、操舵角速度演算部71によって演算された操舵角速度に基づいて、油圧ポンプ23の回転数(回転速度)の指令値(ポンプ駆動用モータ25の回転速度指令値)であるポンプ回転数指令値(モータ回転速度指令値)V を設定する。
具体的には、ポンプ回転数指令値設定部72は、操舵角速度とポンプ回転数指令値V との関係を記憶したマップに基づいてポンプ回転数指令値V を設定する。図3は、操舵角速度に対するポンプ回転数指令値V の設定例を示すグラフである。ポンプ回転数指令値V は、操舵角速度が0のときに所定の下限値をとり、操舵角速度の増加に応じて単調に増加するように設定されている。
回転角演算部73は、回転角センサ34の出力信号に基づいて、ポンプ駆動用モータ25の回転角θを演算する。回転数演算部74は、回転角演算部73によって演算されるポンプ駆動用モータ25の回転角θに基づいて、ポンプ駆動用モータ25の回転数(回転速度)Vを演算する。回転数偏差演算部75は、ポンプ回転数指令値設定部72によって設定されたポンプ回転数指令値V と回転数演算部74によって演算されたポンプ駆動用モータ25の回転数Vとの偏差ΔV(=V −V)を演算する。
PI制御部76は、回転数偏差演算部75によって演算された回転数偏差ΔVに対してPI演算を行なう。すなわち、回転数偏差演算部75およびPI制御部76によって、ポンプ駆動用モータ25の回転数Vをポンプ回転数指令値V に導くための回転数フィードバック制御手段が構成されている。PI制御部76は、回転数偏差ΔVに対してPI演算を行なうことで、ポンプ駆動用モータ25に印加すべき制御電圧値を演算する。
PWM制御部77は、PI制御部76によって演算された制御電圧値と、回転角演算部63によって演算されたポンプ駆動用モータ25の回転角θとに基づいて、駆動信号を生成して、駆動回路43に供給する。これにより、駆動回路43から、PI制御部76によって演算された制御電圧値に応じた電圧がポンプ駆動用モータ25に印加される。
バルブ駆動用モータ制御部50は、アシストトルク指令値設定部51と、バルブ開度指令値設定部52と、バルブ開度指令値制限部60と、回転角演算部53と、回転角偏差演算部54と、PI(比例積分)制御部55と、モータ電流演算部56と、電流偏差演算部57と、PI制御部58と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部59とを含んでいる。
アシストトルク指令値設定部51は、トルクセンサ32によって検出される検出操舵トルクThと車速センサ35によって検出される車速Vに基づいて、パワーシリンダ16によって発生させるべきアシストトルクの指令値であるアシストトルク指令値T を設定する。
具体的には、アシストトルク指令値設定部51は、車速毎に検出操舵トルクとアシストトルク指令値との関係を記憶したマップに基づいて、アシストトルク指令値T を設定する。図4は、検出操舵トルクに対するアシストトルク指令値の設定例を示すグラフである。
検出操舵トルクThは、例えば左方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、右方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、アシストトルク指令値T は、パワーシリンダ16によって左方向操舵のためのアシストトルクを発生させるときには正の値とされ、パワーシリンダ16によって右方向操舵のためのアシストトルクを発生させるときには負の値とされる。
アシストトルク指令値T は、検出操舵トルクThの正の値に対しては正の値をとり、検出操舵トルクThの負の値に対しては負の値をとる。検出操舵トルクThが−T1〜T1の範囲の微小な値のときには、アシストトルクは零とされる。そして、検出操舵トルクThが−T1〜T1の範囲以外の領域においては、アシストトルク指令値T は、検出操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定されている。また、アシストトルク指令値T は、車速センサ35によって検出される車速Vが大きいほど、その絶対値が小さくなるように設定されている。アシストトルク指令値設定部51によって設定されたアシストトルク指令値T は、バルブ開度指令値設定部52に与えられる。
バルブ開度指令値設定部52は、アシストトルク指令値設定部51によって設定されたアシストトルク指令値T に基づいて、油圧制御バルブ14の開度の指令値(バルブ駆動用モータ15の回転角の指令値)であるバルブ開度指令値(モータ回転角指令値)θ を設定する。この実施形態では、油圧制御バルブ14のロータが中立位置にあるときのバルブ駆動用モータ15の回転角を0°とする。そして、バルブ駆動用モータ15の回転角が0°より大きくなると、パワーシリンダ16によって左方向操舵のためのアシストトルクが発生するように、油圧制御バルブ14の開度が制御されるものとする。一方、バルブ駆動用モータ15の回転角が0°より小さくなると、パワーシリンダ16によって右方向操舵のためのアシストトルクが発生するように、油圧制御バルブ14の開度が制御されるものとする。なお、バルブ駆動用モータ15の回転角度の絶対値が大きくなるほど、パワーシリンダ16によって発生するアシストトルクの絶対値は大きくなる。
バルブ開度指令値設定部52は、アシストトルク指令値T とバルブ開度指令値θ との関係を記憶したマップに基づいて、バルブ開度指令値θ を設定する。図5は、アシストトルク指令値T に対するバルブ開度指令値θ の設定例を示すグラフである。
バルブ開度指令値θ は、アシストトルク指令値T の正の値に対しては正の値をとり、アシストトルク指令値T の負の値に対しては負の値をとる。バルブ開度指令値θ は、アシストトルク指令値T の絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定されている。バルブ開度指令値設定部52によって設定されたバルブ開度指令値θ は、バルブ開度指令値制限部60に与えられる。
バルブ開度指令値制限部60は、温度センサ38の検出温度Tに応じて、バルブ開度指令値θ の絶対値|θ |を制限する。バルブ開度指令値制限部60の詳細については、後述する。
回転角演算部53は、回転角センサ33の出力信号に基づいて、バルブ駆動用モータ15の回転角θを演算する。回転角演算部53によって演算された回転角θは、回転角偏差演算部54に与えられる。回転角偏差演算部54は、バルブ開度指令値θ と、回転角演算部53によって演算されたバルブ駆動用モータ15の回転角θとの偏差Δθ(=θ ’−θ)を演算する。回転角偏差演算部54に入力されるバルブ開度指令値θ は、バルブ開度指令値設定部52によって設定され、必要に応じてバルブ開度指令値制限部60によって制限された値である。
PI制御部55は、回転角偏差演算部54によって演算された回転角偏差Δθに対してPI演算を行なう。すなわち、回転角偏差演算部54およびPI制御部55によって、バルブ駆動用モータ15の回転角θをバルブ開度指令値θ に導くための回転角フィードバック制御手段が構成されている。PI制御部55は、回転角偏差Δθに対してPI演算を行なうことで、バルブ駆動用モータ15の電流指令値を演算する。
モータ電流演算部56は、電流センサ36の出力信号に基づいて、バルブ駆動用モータ15に流れるモータ電流を検出する。電流偏差演算部57は、PI制御部55によって求められた電流指令値と、モータ電流演算部56によって演算されたモータ電流との偏差を演算する。PI制御部58は、電流偏差演算部57によって演算された電流偏差に対してPI演算を行なう。すなわち、電流偏差演算部57およびPI制御部58によって、バルブ駆動用モータ15に流れるモータ電流を電流指令値に導くための電流フィードバック制御手段が構成されている。PI制御部58は、電流偏差に対してPI演算を行なうことで、バルブ駆動用モータ15に印加すべき制御電圧値を演算する。
PWM制御部59は、PI制御部58によって演算された制御電圧値と、回転角演算部53によって演算されたバルブ駆動用モータ15の回転角θとに基づいて、駆動信号を生成して、駆動回路42に供給する。これにより、駆動回路42から、PI制御部58によって演算された制御電圧値に応じた電圧がバルブ駆動用モータ15に印加される。
図6は、バルブ開度指令値制限部60の動作を説明するためのフローチャートである。図6の処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
バルブ開度指令値制限部60は、温度センサ38の検出温度Tに基づいて、バルブ開度指令値θ の絶対値|θ |に対する制限値(以下、「バルブ開度制限値θBlim」という)を演算する(ステップS1)。バルブ開度指令値制限部60は、例えば、検出温度Tとバルブ開度制限値との関係を記憶したマップに基づいて、バルブ開度制限値θBlimを演算する。
図7は、検出温度Tに対するバルブ開度制限値θBlimの設定例を示すグラフである。或る閾値Tth以下の検出温度に対しては一定のバルブ開度制限値θBlimが設定される。当該閾値Tthを越える範囲では、検出温度の増加に伴って単調に(図7の例では線形に)、バルブ開度制限値θBlimが減少される。所定の上限温度以上の範囲では、バルブ開度制限値θBlimは零に設定される。この実施形態では、閾値Tthを越える範囲では、検出温度の増加に伴って線形にバルブ開度制限値θBlimが減少されているが、非線形にバルブ開度制限値θBlimを減少させるようにしてもよい。
次に、バルブ開度指令値制限部60は、バルブ開度指令値設定部52によって設定されたバルブ開度指令値θ の絶対値|θ |が、前記ステップS1で演算されたバルブ開度制限値θBlimより大きいか否かを判別する(ステップS2)。バルブ開度指令値θ の絶対値|θ |がバルブ開度制限値θBlim以下であるときには(ステップS2:NO)、バルブ開度指令値制限部60は、バルブ開度指令値設定部52によって設定されたバルブ開度指令値θ をそのまま出力する(ステップS3)。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS2において、バルブ開度指令値θ の絶対値|θ |がバルブ開度制限値θBlimより大きいときには(ステップS2:YES)、バルブ開度指令値制限部60は、バルブ開度指令値θ が0以上であるか否かを判定する(ステップS4)。バルブ開度指令値θ が0以上である場合には(ステップS4:YES)、バルブ開度指令値制限部60は、バルブ開度制限値θBlimをバルブ開度指令値θ として出力する(ステップS5)。つまり、バルブ開度指令値設定部52によって設定されたバルブ開度指令値θ が、バルブ開度制限値θBlimに制限される。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS4において、バルブ開度指令値θ が0未満であると判別された場合には(ステップS4:NO)、バルブ開度指令値制限部60は、バルブ開度制限値θBlimの符号を反転させた値−θBlimをバルブ開度指令値θ として出力する(ステップS6)。つまり、バルブ開度指令値設定部52によって設定されたバルブ開度指令値θ が、バルブ開度制限値θBlimの符号を反転させた値−θBlimに制限される。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記実施形態では、温度センサ38の検出温度Tに応じて設定されるバルブ開度制限値θBlimによって、バルブ開度指令値θ の絶対値が制限される。これにより、バルブ駆動用モータ15の駆動が制限される。また、バルブ開度指令値θ の絶対値が制限されると、パワーシリンダ16への作動油の供給量が減少し、操舵補助力が減少する。これにより、ポンプ駆動用モータ25の負荷が減少するので、ポンプ駆動用モータ25の駆動電流が減少する。この結果、バルブ駆動用モータ15、バルブ駆動用モータ15のための駆動回路42に備えられたパワー素子、ポンプ駆動用モータ25およびポンプ駆動用モータ25のための駆動回路43に備えられたパワー素子が過熱により破壊するのを防止できる。つまり、ECU40、ポンプ駆動用モータ25およびバルブ駆動用モータ15の過熱保護が図れる。
また、前記実施形態では、温度センサ38の検出温度Tが上昇したときに、ポンプ駆動用モータ25の回転速度指令値(ポンプ回転数指令値V )を低減させるのではなく、バルブ開度指令値θ の絶対値をバルブ開度制限値θBlimに制限している。このため、バルブ開度指令値設定部52によって設定されたバルブ開度指令値θ の絶対値がバルブ開度制限値θBlimより大きいときのみ、バルブ開度指令値θ の絶対値が制限され、バルブ開度指令値θ の絶対値がバルブ開度制限値θBlim以下のときにはバルブ開度指令値θ の絶対値は制限されない。したがって、油圧制御バルブ14のロータが中立位置付近にあるときに、バルブ開度指令値θ の絶対値が制限される可能性は低くなるため、中立位置付近ではステアリング操作が重くならなくなる。これにより、操舵フィーリングを向上させることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前記実施形態では、バルブ開度指令値制限部60は、検出温度Tとバルブ開度制限値との関係を記憶したマップに基づいて、バルブ開度制限値θBlimを演算しているが、予め定められた演算式に基づいて、検出温度Tに応じたバルブ開度制限値θBlimを演算するようにしてもよい。
前記実施形態では、ポンプ駆動用モータ25のための駆動回路43の周辺に、駆動回路43の周辺温度を検出するための温度センサ38が配置されているが、それに代えてまたはそれに加えてバルブ駆動用モータ15のための駆動回路42の周辺に、駆動回路42の周辺温度を検出するための温度センサを配置してもよい。駆動回路43の周辺温度を検出するための温度センサと、駆動回路42の周辺温度を検出するための温度センサとの2つの温度センサが設けられる場合には、バルブ開度指令値制限部60は、2つの温度センサの検出温度のうち、温度が高い方の検出温度に基づいて、バルブ開度制限値θBlimを演算すればよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…油圧式パワーステアリング装置、2…ステアリング機構、3…ステアリングホイール、14…油圧制御バルブ、15…バルブ駆動用モータ、16…パワーシリンダ、23…油圧ポンプ、25…ポンプ駆動用モータ、38…温度センサ、42,43…駆動回路、52…バルブ開度指令値設定部、60…バルブ開度指令値制限部、72…ポンプ回転数指令値設定部、73…回転角演算部、74…回転数演算部、75…回転数偏差演算部

Claims (2)

  1. 車両のステアリング機構に結合されたパワーシリンダに、操舵部材に機械的に連結されていない油圧制御バルブを介して、油圧ポンプからの作動油を供給することによって、操舵力を補助する油圧式パワーステアリング装置であって、
    前記油圧ポンプを駆動するためのポンプ駆動用モータと、
    前記油圧制御バルブの開度を制御するためのバルブ駆動用モータと、
    前記ポンプ駆動用モータのための第1の駆動回路と、
    前記バルブ駆動用モータのための第2の駆動回路と、
    前記第1の駆動回路および前記第2の駆動回路のうちの少なくとも一方の周辺温度を検出するための温度検出手段と、
    前記油圧制御バルブの開度の指令値である開度指令値を設定する開度指令値設定手段と、
    前記温度検出手段によって検出される温度に応じて前記開度指令値を制限する開度指令値制限手段と、
    前記開度指令値設定手段によって設定され、前記温度検出手段によって検出される温度に応じて前記開度指令値制限手段によって制限された開度指令値に基づいて、前記第2の駆動回路を制御する手段と、を含む油圧式パワーステアリング装置。
  2. 前記ポンプ駆動用モータの回転速度の指令値である回転速度指令値を設定する回転速度指令値設定手段と、
    前記回転速度指令値設定手段によって設定された回転速度指令値に基づいて、前記第1の駆動回路を制御する手段とをさらに含む、請求項1に記載の油圧式パワーステアリング装置。
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