JP4247668B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置に関する。
【0001】
【従来の技術】
従来から、ステアリング機構に結合されたパワーシリンダにオイルポンプから作動油を供給することによって、ステアリングホイールの操作を補助するパワーステアリング装置が用いられている。オイルポンプは、電動モータによって駆動され、その電動モータの回転速度に応じた流量の作動油を送出する。また、ステアリング軸には、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバーと、このトーションバーのねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁とが組み込まれている。油圧制御弁は、オイルポンプとパワーシリンダとの間の油圧系統に介装されていて、この油圧制御弁の開度およびオイルポンプからの作動油の流量に応じた操舵補助力がパワーシリンダから発生される。
【0002】
【特許文献1】
特開2000−142434号公報
【特許文献2】
特開2000−142435号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
作動油は、その温度が低いほど粘度(粘性抵抗)が高く、温度が高いほど粘度が低くなる性質を有している。また、油圧制御弁には、作動油の流量を毎分2〜5リットルの間で制御可能な低流量バルブが採用されている。このため、作動油の温度(油温)が低温になるほど、パワーシリンダの発生トルク(操舵補助力)の立ち上がりが急峻になり、ステアリングホイールの操作に対して過敏な操舵補助が行われる。逆に、油温が高温になるほど、パワーシリンダの発生トルクの立ち上がりが緩慢になり、ステアリングホイールの操作に対して操舵補助が速やかに行われないために、ステアリングホイールのひっかかり感を生じてしまう。
【0004】
油温変化による操舵フィーリングの変化を防止するために、たとえば、上記特許文献1または2では、パワーステアリング装置の起動時に、作動油の温度が極低温であれば、起動後の一定時間にわたって、電動モータを100%のPWM(Pulse Width Modulation)デューティで駆動させることが提案されている。この提案を採用することにより、パワーステアリング装置の起動後、油温を速やかに上昇させることができ、油温が低温であるために過敏な操舵補助が行われる期間を短くすることができる。しかし、油温が低温である間は良好な操舵フィーリングを得ることはできず、また、油温が高温のときのステアリング操作のひっかかり感をなくすことはできない。
【0005】
そこで、たとえば、油温に応じた電動モータの駆動制御を行うことが考えられる。油温を検出するためには、油圧系統中(たとえば、油圧制御弁)に油温検出用の温度センサを設ければよいが、温度センサの追加はコストアップを招いてしまう。パワーステアリング装置では、駆動素子を作動油で冷却する油冷構造が採用されており、また、電動モータを駆動するための駆動素子の熱破壊を防止するために、駆動素子の温度を検出するサーミスタが従来から設けられているから、このサーミスタの検出温度に応じて、電動モータを駆動制御することが考えられる。すなわち、油冷構造が採用されていれば、駆動素子の温度が上昇すると油温は上昇し、駆動素子の温度が下降すると油温は下降するから、サーミスタの検出温度に応じて電動モータを駆動制御することにより、油温の変化による操舵フィーリングの変化を防止することができると考えられる。ところが、油温の変化は駆動素子温度の変化に比べて緩やかであるにもかかわらず、駆動素子温度が急峻に変化すると、これに伴ってサーミスタの検出温度も急峻に変化するため、電動モータの駆動制御にサーミスタの検出温度をそのまま用いたのでは、油温変化による操舵補助力の変化をなくすことはできない。
【0006】
そこで、この発明の目的は、駆動素子の温度を検出する駆動素子温度検出手段の出力に基づいて電動モータを適切に駆動制御し、これにより油温にかかわらず良好な操舵フィーリングを実現できるパワーステアリング装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、電動モータ(29)によってオイルポンプ(27)を駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧によって操舵補助を達成するパワーステアリング装置であって、上記電動モータを駆動するための駆動素子(41)の温度を検出する駆動素子温度検出手段(9)と、この駆動素子温度検出手段の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理を行うフィルタ処理手段(303)と、このフィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて、上記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段(301,302,304〜310)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
駆動素子の温度が上昇すると油温が上昇し、駆動素子の温度が下降すると油温も下降するから、駆動素子温度検出手段による検出温度に基づいて電動モータを駆動制御することにより(たとえば、電動モータの目標回転速度を補正することにより)、油温の変化による操舵補助力(操舵フィーリング)の変化を抑制できると考えられる。ところが、油温の変化は駆動素子の温度の変化に比べて緩やかであるにもかかわらず、駆動素子の温度が急峻に変化すると、これに伴って駆動素子温度検出手段の検出温度も急峻に変化するため、電動モータの駆動制御に駆動素子温度検出手段の検出温度をそのまま用いることは好ましくない。
【0009】
上記の構成によれば、駆動素子温度検出手段の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理が行われ、この1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて、電動モータの駆動が制御される。駆動素子温度検出手段の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理が行われることにより、その1次遅れフィルタ処理後の信号は油温と同様な変化を示すから、1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて電動モータの駆動制御を行うことによって、油温変化による操舵補助力の変化を良好に抑制することができる。よって、油温に関係なく、良好な操舵フィーリングを達成することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記パワーステアリング装置は、車速を検出する車速検出手段(7)をさらに含み、上記モータ制御手段は、車両の操向のための操作部材(11)の操作量の時間変化率である操舵速度を演算する操舵速度演算手段(301)と、上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に基づいて、上記電動モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段(302)と、上記フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて、上記目標回転速度設定手段によって設定される目標回転速度の補正量を決定する補正量決定手段(304,305,306)とを備えていることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置である。
【0011】
この発明では、車速および操舵速度に応じて電動モータの目標回転速度が設定される。そして、その設定された目標回転速度が、フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて決定された補正量によって補正される。
したがって、1次遅れフィルタ処理後の信号が表す駆動素子の温度が低いほど補正量が大きな値に決定され、駆動素子の温度が高いほど補正量が小さな値に決定されるようにすれば、油温が低いときには、電動モータの目標回転速度を減少補正して、作動油の粘度が高いために過剰な操舵補助力が発生されるのを防止することができ、油温が高いときには、電動モータの目標回転速度を増加補正して、作動油の粘度が低くても十分な操舵補助力を発生させることができる。よって、油温にかかわらず、良好な操舵フィーリングを達成することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記補正量決定手段は、上記フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に応じた絶対補正量を設定する絶対補正量設定手段(304)と、上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に応じた補正係数を設定する補正係数設定手段(305)と、上記絶対補正量設定手段によって設定される絶対補正量と上記補正係数設定手段によって設定される補正係数とを乗じ、その乗算値を上記目標回転速度設定手段によって設定される目標回転速度の補正量として決定する乗算手段(306)とを備えていることを特徴とする請求項2記載のパワーステアリング装置である。
【0013】
この発明では、1次遅れフィルタ処理後の信号に応じて絶対補正量が設定されるとともに、車速および操舵速度に応じて補正係数が設定されて、その絶対補正量と補正係数との乗算値が目標回転速度の補正量として決定される。
これにより、たとえば、操舵速度が0〜500deg/s程度の通常操舵速度域でのステアリング操作に対しては、補正係数が相対的に大きな値に定められ、操舵速度が500deg/sを超える高速操舵速度域でのステアリング操作に対しては、補正係数が相対的に小さな値に定められるようにすれば、通常操舵速度域では、油温に応じた補正を十分に効かせることができ、高速操舵速度域では、過剰な操舵補助力が発生されるのを防止することができる。また、車速が小さいほど補正係数が大きな値に定められるようにすれば、大きな操舵補助力を必要とする低速走行時には、油温に応じた補正を十分に効かせることができ、油温が高温になっている状態でも、ステアリング操作にひっかかり感が生じることを防止することができる。
【0014】
さらに、車両が停止または極低速走行している状態でステアリング操作がほとんど行われていないときには、補正係数が零に設定されて、この補正係数を絶対補正量に乗じて得られる補正量が零にされることにより、目標回転速度の補正が行われず、電動モータが目標回転速度で駆動されるようにすることが好ましい。ステアリング操作がほとんど行われていないときの目標回転速度は、通常、オイルポンプの共振を生じないような値に設定されているので、このとき目標回転速度の補正が行われず、電動モータが目標回転速度で駆動されることにより、オイルポンプの共振が生じない状態を維持することができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、電動モータ(29)によってオイルポンプ(27)を駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧によって操舵補助を達成するパワーステアリング装置であって、車速を検出する車速検出手段(7)と、車両の操向のための操作部材(11)の操作量の時間変化率である操舵速度を演算する操舵速度演算手段(301)と、上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に基づいて、上記電動モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段(302)と、上記電動モータを駆動するための駆動素子(41)の温度を検出する駆動素子温度検出手段(9)と、この駆動素子温度検出手段によって検出される駆動素子の温度に基づいて絶対補正量を設定する絶対補正量設定手段(304)と、上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に応じた補正係数を設定する補正係数設定手段(305)と、上記絶対補正量設定手段によって設定される絶対補正量と上記補正係数設定手段によって設定される補正係数との乗算値を、上記目標回転速度設定手段によって設定される目標回転速度に加算することによって、当該目標回転速度を補正する目標回転速度補正手段(306,307)と、この目標回転速度補正手段による補正後の目標回転速度に基づいて、上記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段(308,309,310)と、上記駆動素子温度検出手段の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理を行うフィルタ処理手段(303)とを含み、上記絶対補正量設定手段は、上記フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に応じた絶対補正量を設定するものであるを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0016】
この構成によれば、駆動素子の温度に基づいて絶対補正量が設定されるとともに、車速および操舵速度に応じて補正係数が設定されて、その絶対補正量と補正係数との乗算値が目標回転速度の補正量として決定される。
これにより、たとえば、駆動素子の温度が低いほど補正量が大きな値に決定され、駆動素子の温度が高いほど補正量が小さな値に決定されるようにすれば、油温が低いときには、電動モータの目標回転速度を減少補正して、作動油の粘度が高いために過剰な操舵補助力が発生されるのを防止することができ、油温が高いときには、電動モータの目標回転速度を増加補正して、作動油の粘度が低くても十分な操舵補助力を発生させることができる。よって、油温にかかわらず、良好な操舵フィーリングを達成することができる。
【0017】
また、たとえば、操舵速度が0〜500deg/s程度の通常操舵速度域でのステアリング操作に対しては、補正係数が相対的に大きな値に定められ、操舵速度が500deg/sを超える高速操舵速度域でのステアリング操作に対しては、補正係数が相対的に小さな値に定められるようにすれば、通常操舵速度域では、油温に応じた補正を十分に効かせることができ、高速操舵速度域では、過剰な操舵補助力が発生されるのを防止することができる。さらに、車速が小さいほど補正係数が大きな値に定められるようにすれば、大きな操舵補助力を必要とする低速走行時には、油温に応じた補正を十分に効かせることができ、油温が高温になっている状態でも、ステアリング操作にひっかかり感が生じることを防止することができる。
【0018】
さらにまた、車両が停止または極低速走行している状態でステアリング操作がほとんど行われていないときには、補正係数が零に設定されて、この補正係数を絶対補正量に乗じて得られる補正量が零にされることにより、目標回転速度の補正が行われず、電動モータが目標回転速度で駆動されるようにすることが好ましい。ステアリング操作がほとんど行われていないときの目標回転速度は、通常、オイルポンプの共振を生じないような値に設定されているので、このとき目標回転速度の補正が行われず、電動モータが目標回転速度で駆動されることにより、オイルポンプの共振が生じない状態を維持することができる。
【0019】
その他、請求項1の発明に関連して述べた効果と同様な効果をさらに得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのものである。
【0021】
ステアリング機構1は、運転者によって操作されるステアリングホイール11(操作部材)と、このステアリングホイール11に連結されたステアリング軸12と、ステアリング軸12の先端部に設けられたピニオンギヤ13と、車両の左右方向に延びたラック軸14とを備えている。ラック軸14には、ラックギヤ部14aが形成されていて、このラックギヤ部14aにピニオンギヤ13が噛合している。ラック軸14の両端には、タイロッド15がそれぞれ結合されており、このタイロッド15は、それぞれ、舵取り車輪としての前左輪FLおよび前右輪FRを支持するナックルアーム16に結合されている。ナックルアーム16は、キングピン17まわりに回動自在に設けられている。
【0022】
この構成により、ステアリングホイール11が操作されてステアリング軸12が回転されると、この回転がピニオンギヤ13およびラック軸14によって車両の左右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム16のキングピン17まわりの回動に変換されて、前左輪FLおよび前右輪FRの転舵が達成される。
ステアリング軸12には、ステアリングホイール11に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバー21と、このトーションバー21のねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁22とが組み込まれている。油圧制御弁22は、ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワーシリンダ23に接続されている。パワーシリンダ23は、ラック軸14に一体的に設けられたピストン231と、ピストン231によって区画された一対のシリンダ室232,233とを有しており、シリンダ室232,233は、それぞれ、オイル供給/帰還路24,25を介して、油圧制御弁22に接続されている。
【0023】
また、油圧制御弁22は、リザーバタンク26およびオイルポンプ27を通るオイル循環路28の途中部に介装されている。オイルポンプ27は、電動モータ29によって駆動され、リザーバタンク26に貯留されている作動油を汲み出して油圧制御弁22に供給する。
ステアリングホイール11が左方向へ回転操作されると、トーションバー21にねじれが生じ、オイル供給/帰還路25を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室233に作動油が供給される。すると、シリンダ室232,233間に油圧差が生じ、この油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が左方向へ移動する。これにより、ラック軸14に左方向の操舵補助力が作用することになる。逆に、ステアリングホイール11が右方向へ回転操作されたときには、オイル供給/帰還路24を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室232に作動油が供給される。そして、シリンダ室232,233間に生じる油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が右方向へ移動し、ラック軸14に右方向の操舵補助力が作用する。オイルポンプ27から油圧制御弁22に供給された作動油のうち、余剰分の作動油は、油圧制御弁22からオイル循環路28を介してリザーバタンク26に帰還される。また、トーションバー21にねじれがほとんど加わっていない状態では、油圧制御弁22は、いわば平衡状態となり、作動油は、パワーシリンダ23に供給されることなく、オイル循環路28を循環する。
【0024】
電動モータ29は、たとえば、3相ブラシレスモータで構成されており、この電動モータ29の駆動制御は、マイクロコンピュータ3が駆動回路4をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより達成されるようになっている。駆動回路4は、2個の駆動素子41(たとえば、パワーMOSFET)の直列回路が3つ並列に接続され、この並列回路が電源としての車載バッテリ5とアースとの間に直列に接続された3相ブリッジインバータ回路の構成を有している。各直列回路は、電動モータ29のU相、V相またはW相に一対一に対応づけられて、2個の駆動素子41の接続点でそれぞれ対応する相端子に接続されている。
【0025】
マイクロコンピュータ3には、舵角センサ6、車速センサ7(車速検出手段)およびモータ角センサ8の出力信号が与えられるようになっている。舵角センサ6は、たとえば、ステアリング軸12に関連して設けられていて、そのステアリング軸12(ステアリングホイール11)が一定角度回転する度にパルス信号を出力する。また、車速センサ7は、一定周期で車速を検出し、その検出した車速に応じた信号を出力する。モータ角センサ8は、たとえば、電動モータ29のロータが一定角度回転する度にパルス信号を出力するものであってもよいし、ロータの回転位置に応じた信号を出力するものであってもよい。
【0026】
マイクロコンピュータ3にはさらに、駆動回路4内の駆動素子41の温度(素子温度)を検出する素子温度センサ9(駆動素子温度検出手段)の出力信号が与えられるようになっている。素子温度センサ9は、たとえば、サーミスタなどの感熱素子で構成され、所定の駆動素子41の近傍に配置されていて、その駆動素子41の温度に応じた検出信号を出力する。
図2は、駆動回路4の冷却構造を図解的に示す断面図である。マイクロコンピュータ3が実装されたマイコン基板30と、駆動回路4が実装されたドライバ基板40とは、電子制御ユニット(ECU)として、電動モータ29に付設されたユニットハウジング291内に収容されている。
【0027】
ユニットハウジング291は、たとえば、一方面が開放面となっていて、その開放面側の端縁が、オイルポンプ27に設けられたヒートシンク271に接続されている。また、ユニットハウジング291内において、ドライバ基板40は、支持台42を介してヒートシンク271に接続されている。ヒートシンク271は、熱伝導性の高いアルミダイキャスト(アルミニウム鋳造品)であり、ドライバ基板40上の駆動素子41から発生した熱は、ヒートシンク271を伝播して、ヒートシンク271からオイルポンプ27内を流れる作動油に奪われる。すなわち、ドライバ基板40上の駆動素子41は、オイルポンプ27内の作動油によって冷却される。したがって、駆動素子41の温度が上昇すると、パワーシリンダ23に供給される作動油の温度も上昇し、駆動素子41の温度が低下すると、パワーシリンダ23に供給される作動油の温度も低下する。
【0028】
図3は、マイクロコンピュータ3の機能を説明するためのブロック図である。マイクロコンピュータ3は、プログラム処理を実行することにより、舵角センサ6から与えられる信号に基づいて、ステアリングホイール11の舵角速度(単位時間あたりの舵角変化量)を演算する舵角速度演算部301(操舵速度演算手段)と、この舵角速度演算部301によって演算される舵角速度および車速センサ7によって検出される車速Vに基づいて、電動モータ29の目標回転速度Raを設定する目標回転速度設定部302(目標回転速度設定手段)とを備えている。
【0029】
目標回転速度設定部302によって設定される目標回転速度Raを補正して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23に供給される作動油の温度(油温)の変化による操舵補助力(操舵フィーリング)の変化を抑制するために、マイクロコンピュータ3はさらに、素子温度センサ9の検出信号(検出温度)に1次遅れフィルタ処理を施すフィルタ処理部303(フィルタ処理手段)と、このフィルタ処理部303によるフィルタ処理後の検出信号に応じた絶対補正量αを設定する補正量設定部304(絶対補正量設定手段)と、舵角速度演算部301によって演算される舵角速度および車速センサ7によって検出される車速Vに応じた補正係数βを設定する補正係数設定部305(補正係数設定手段)と、補正量設定部304によって設定される絶対補正量αと補正係数設定部305によって設定される補正係数βとを乗算する乗算部306(目標回転速度補正手段)と、目標回転速度設定部302によって設定される目標回転速度Raと乗算部306の乗算結果(補正量)α・βとを加算する加算部307(目標回転速度補正手段)とを備えている。
【0030】
加算部307が出力する加算結果(補正後の目標回転速度)と、モータ回転速度演算部308によって演算されるモータ回転速度(モータ角センサ8からの信号に基づいて検出されるモータ角の時間微分値)Rとの偏差が、PI制御演算部309において演算される。さらにPI制御演算部309では、PI(Proportional-Integral:比例積分)制御演算が行われることにより、その偏差(Ra+α・β−R)に応じた電動モータ29の制御指令値(駆動電圧値)が求められる。そして、PI制御演算部309によって設定された制御指令値に基づいて、駆動回路4に与えるべきPWM制御信号が駆動信号生成部310で生成され、この駆動信号生成部310で生成されたPWM制御信号が駆動回路4に与えられると、駆動回路4に含まれる各駆動素子41がオン/オフし、そのオン/オフに応じた駆動電流が駆動回路4から電動モータ29に供給される。
【0031】
駆動回路4内の駆動素子41の温度が上昇すると油温が上昇し、駆動素子41の温度が下降すると油温も下降するから、素子温度センサ9の検出温度に応じて、目標回転速度設定部302によって設定される目標回転速度Raを補正することにより、油温の変化による操舵補助力(操舵フィーリング)の変化を抑制できると考えられる。ところが、油温の変化は駆動素子41の温度の変化に比べて緩やかであるにもかかわらず、駆動素子41の温度が急峻に変化すると、これに伴って素子温度センサ9の検出温度も急峻に変化するため、目標回転速度Raの補正に素子温度センサ9の検出温度をそのまま用いたのでは、油温変化による操舵補助力の変化をなくすことはできない。
【0032】
そこで、この実施形態では、素子温度センサ9の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理がフィルタ処理部303において行われ、この1次遅れフィルタ処理後の検出信号に応じた絶対補正量αが補正量設定部304によって設定される。具体的には、フィルタ処理部303では、次式に従って、素子温度センサ9の検出温度Tr(n)(n:自然数)に対する1次遅れフィルタ処理のための演算が行われることにより、1次遅れフィルタ処理後の素子温度T(n)が求められる。
【0033】
T(n)=T(n-1)(1−k)+Tr(n)・k
ここで、T(n-1)は、1制御周期(たとえば、1msec)前の1次遅れフィルタ処理後の素子温度である。また、kは、重み係数(0≦k≦1)であり、この重み係数kが小さいほど、素子温度センサ9の検出信号の変化に対して、1次遅れフィルタ処理後の素子温度T(n)の変化は緩やかになる。したがって、重み係数kを比較的大きな値(たとえば、k=0.2)に定めておくことにより、1次遅れフィルタ処理後の検出信号の急峻な変化を抑えることができ、1次遅れフィルタ処理後の検出信号の変化を油温の変化にほぼ対応させることができる。よって、1次遅れフィルタ処理後の検出信号に基づいて絶対補正量αを設定することにより、絶対補正量αは油温の変化に応じた値となり、これを用いて目標回転速度Raを補正することによって、油温変化による操舵補助力の変化を良好に抑制することができる。
【0034】
図4は、舵角速度に対する目標回転速度Raの関係を定めたマップの一例を示す図であり、図5は、その図4に示すマップの内容をグラフ(横軸:操舵速度、縦軸:目標回転速度Ra)で表したものである。
舵角速度に対する目標回転速度Raの関係を定めたマップは、たとえば、0,10,20,40,60,80,100,120,160,200km/hの各車速Vについて用意されている。車速V=0,10,20,40km/hのときのマップは、舵角速度が0〜650deg/sの範囲で、目標回転速度Raが各車速Vについての所定の下限値から上限値まで増加するように定められている。また、車速V=60,80,100,160,200km/hのときのマップは、舵角速度が0〜150deg/sの範囲で、目標回転速度Raが各車速Vについての所定の下限値をとり、舵角速度が150〜650deg/sの範囲で、目標回転速度Raが各車速Vについての所定の下限値から所定の上限値まで増加するように定められている。さらに、舵角速度が650deg/s以上の範囲では、目標回転速度が各車速Vについての所定の上限値をとるように定められている。また、舵角速度に対する目標回転速度Raの関係を定めたマップは、車速Vが大きいものほど、目標回転速度の上限値および下限値が小さな値に定められている。
【0035】
図4に示すマップのデータがマイクロコンピュータ3内のROMに記憶されており、目標回転速度設定部302は、車速センサ7が検出する車速Vに応じた(最も近い)マップをROMから読み出し、その読み出したマップに従って、舵角速度演算部301が演算する舵角速度に応じた目標回転速度Raを設定する。これにより、素速いステアリング操作に対しては、目標回転速度Raが大きな値に設定され、パワーシリンダ23のシリンダ室232またはシリンダ室233に作動油が十分な流量で供給されるので、良好な応答性でパワーシリンダ23から操舵補助力を発生させることができる。また、車速Vが小さいほど、目標回転速度Raが大きな値に設定されるので、パワーシリンダ23から大きな操舵補助力を発生させることができる。
【0036】
図6は、1次遅れフィルタ処理後の素子温度T(n)に対する絶対補正量αの関係を定めたマップの一例を示す図であり、図7は、その図6に示すマップの内容をグラフ(横軸:素子温度、縦軸:絶対補正量α)で表したものである。
1次遅れフィルタ処理後の素子温度T(n)に対する絶対補正量αの関係を定めたマップは、素子温度T(n)=30℃に対する絶対補正量αを零として、素子温度T(n)が30℃未満のときには絶対補正量αが負の値をとり(素子温度T(n)が30℃を超えると絶対補正量αが正の値をとり)、かつ、素子温度T(n)の増加に対して、絶対補正量αが単調に(ほぼ比例して)増加するように定められている。具体的には、素子温度T(n)=10,20,30,40,80℃に対して、それぞれ絶対補正量αが−242,−114,0,128,684に定められている。
【0037】
この図6に示すマップのデータがマイクロコンピュータ3内のROMに記憶されていて、補正量設定部304は、そのマップのデータをROMから読み出し、その読み出したマップに従って、1次遅れフィルタ処理後の素子温度T(n)に応じた絶対補正量αを設定する。したがって、素子温度T(n)が30℃よりも低いときには、絶対補正量αの値が負の値に定められ、また、素子温度T(n)が低いほど、その絶対値|α|が小さな値に定められる。これにより、油温が低いときには、電動モータ29の目標回転速度Raが減少補正され、作動油の粘度が高いために過剰な操舵補助力が発生されるのを防止することができる。一方、素子温度T(n)が30℃よりも高いときには、絶対補正量αの値が正の値に定められ、また、素子温度T(n)が高いほど、その絶対値|α|が大きな値に定められる。これにより、油温が高いときには、電動モータ29の目標回転速度Raが増加補正され、作動油の粘度が低くても十分な操舵補助力を発生させることができる。よって、このパワーステアリング装置では、油温にかかわらず、良好な操舵フィーリングを達成することができる。
【0038】
図8は、舵角速度に対する補正係数βの関係を定めたマップの一例を示す図であり、図9は、その図8に示すマップの内容をグラフ(横軸:操舵速度、縦軸:補正係数β)で表したものである。
舵角速度に対する補正係数βの関係を定めたマップは、たとえば、0,10,20,40,60,80,100,120,160,200km/hの各車速Vについて用意されている。車速V=0km/hのときのマップは、舵角速度が30〜275deg/sの範囲で、操舵速度の増加に対して補正係数βが零から単調に(ほぼ比例して)増加し、操舵速度が275deg/sのときをピークとして、舵角速度が275〜600deg/sの範囲で、操舵速度の増加に対して補正係数βが零まで単調に(ほぼ比例して)減少するように定められている。操舵速度が30deg/s以下および600deg/s以上の範囲では、補正係数βは零に定められている。また、車速V=10,20,40,60,80,100,160,200km/hのときのマップは、操舵速度が0〜500deg/sの範囲で、補正係数βがそれぞれ一定値をとり、舵角速度が500〜750deg/sの範囲では、操舵速度の増加に対して補正係数βが減少するように定められている。そして、車速が小さいほど、補正係数βが大きな値をとるように定められている。
【0039】
図8に示すマップのデータがマイクロコンピュータ3内のROMに記憶されており、補正係数設定部305は、車速センサ7が検出する車速に応じた(最も近い)マップをROMから読み出し、その読み出したマップに従って、舵角速度演算部301が演算する舵角速度に応じた補正係数βを設定する。これにより、車両走行中は、操舵速度が0〜500deg/sの範囲(通常操舵速度域)でのステアリング操作に対しては、補正係数βが一定値に定められ、この補正係数βを補正量設定部304によって設定される絶対補正量αに乗じて得られる補正量α・βの絶対値が比較的大きな値に設定される。したがって、油温に応じた補正を十分に効かせることができる。また、操舵速度が500deg/sを超える範囲(高速操舵速度域)でのステアリング急操作に対しては、補正係数βが操舵速度が大きいほど小さな値に定められ、この補正係数βを補正量設定部304によって設定される絶対補正量αに乗じて得られる補正量α・βの絶対値が比較的小さな値に設定される。これは、操舵速度が500deg/sを超えるときには、目標回転速度Raが十分に大きな値に設定されていて、この目標回転速度Raをさらに増加補正する必要性がないからであり、補正量α・βの絶対値が小さく抑えられることにより、パワーシリンダ23から過剰な操舵補助力が発生されるのを防止することができる。
【0040】
また、車速が所定値以下の極低速であり(車速が零のときも含む。)、かつ、ステアリング操作がほとんど行われていないときには、補正係数βが零に設定されて、この補正係数β=0を絶対補正量αに乗じて得られる補正量α・βが零にされる。すなわち、車両が停止または極低速走行している状態でステアリング操作がほとんど行われていないときには、目標回転速度Raの補正は行われず、電動モータ29は目標回転速度Raで駆動される。ステアリング操作がほとんど行われていないときの目標回転速度Raは、オイルポンプ27の共振を生じないような値に設定されているので、このとき目標回転速度Raの補正が行われず、電動モータ29が目標回転速度Raで駆動されることにより、オイルポンプ27の共振が生じない状態を維持することができる。
【0041】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、駆動回路4内の駆動素子41の温度を素子温度センサ9で検出して、この検出信号に対して1次遅れフィルタ処理を行い、この1次遅れフィルタ処理後の素子温度T(n)に応じた絶対補正量αを設定する構成を取り上げたが、油温を直接に検出する油温センサが油圧系統中に設けられて、この油温センサによって検出される油温に応じた絶対補正量αが設定される構成が採用されてもよい。
【0042】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。
【図2】上記パワーステアリング装置で採用されている駆動回路の冷却構造を図解的に示す断面図である。
【図3】上記パワーステアリング装置に備えられているマイクロコンピュータの機能を説明するためのブロック図である。
【図4】舵角速度に対する目標回転速度の関係を定めたマップの一例を示す図である。
【図5】図4に示すマップの内容をグラフで表したものである。
【図6】1次遅れフィルタ処理後の素子温度に対する絶対補正量の関係を定めたマップの一例を示す図である。
【図7】図6に示すマップの内容をグラフで表したものである。
【図8】舵角速度に対する補正係数の関係を定めたマップの一例を示す図である。
【図9】図8に示すマップの内容をグラフで表したものである。
【符号の説明】
3 マイクロコンピュータ
4 駆動回路
6 舵角センサ
7 車速センサ(車速検出手段)
9 素子温度センサ(駆動素子温度検出手段)
11 ステアリングホイール(操作部材)
27 オイルポンプ
29 電動モータ
41 駆動素子
301 舵角速度演算部(モータ制御手段;操舵速度演算手段)
302 目標回転速度設定部(モータ制御手段;目標回転速度設定手段)
303 フィルタ処理部(フィルタ処理手段)
304 補正量設定部(モータ制御手段;絶対補正量設定手段)
305 補正係数設定部(モータ制御手段;補正係数設定手段)
306 乗算部(モータ制御手段;目標回転速度補正手段)
307 加算部(モータ制御手段;目標回転速度補正手段)
308 モータ回転速度演算部(モータ制御手段)
309 制御演算部(モータ制御手段)
310 駆動信号生成部(モータ制御手段)

Claims (4)

  1. 電動モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧によって操舵補助を達成するパワーステアリング装置であって、
    上記電動モータを駆動するための駆動素子の温度を検出する駆動素子温度検出手段と、
    この駆動素子温度検出手段の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
    このフィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて、上記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と
    を含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 上記パワーステアリング装置は、車速を検出する車速検出手段をさらに含み、
    上記モータ制御手段は、
    車両の操向のための操作部材の操作量の時間変化率である操舵速度を演算する操舵速度演算手段と、
    上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に基づいて、上記電動モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段と、
    上記フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に基づいて、上記目標回転速度設定手段によって設定される目標回転速度の補正量を決定する補正量決定手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. 上記補正量決定手段は、
    上記フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に応じた絶対補正量を設定する絶対補正量設定手段と、
    上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に応じた補正係数を設定する補正係数設定手段と、
    上記絶対補正量設定手段によって設定される絶対補正量と上記補正係数設定手段によって設定される補正係数とを乗じ、その乗算値を上記目標回転速度設定手段によって設定される目標回転速度の補正量として決定する乗算手段と
    を備えていることを特徴とする請求項2記載のパワーステアリング装置。
  4. 電動モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧によって操舵補助を達成するパワーステアリング装置であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    車両の操向のための操作部材の操作量の時間変化率である操舵速度を演算する操舵速度演算手段と、
    上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に基づいて、上記電動モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段と、
    上記電動モータを駆動するための駆動素子の温度を検出する駆動素子温度検出手段と、
    この駆動素子温度検出手段によって検出される駆動素子の温度に基づいて絶対補正量を設定する絶対補正量設定手段と、
    上記車速検出手段によって検出される車速および上記操舵速度演算手段によって演算される操舵速度に応じた補正係数を設定する補正係数設定手段と、
    上記絶対補正量設定手段によって設定される絶対補正量と上記補正係数設定手段によって設定される補正係数との乗算値を、上記目標回転速度設定手段によって設定される目標回転速度に加算することによって、当該目標回転速度を補正する目標回転速度補正手段と、
    この目標回転速度補正手段による補正後の目標回転速度に基づいて、上記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と
    上記駆動素子温度検出手段の検出信号に対して1次遅れフィルタ処理を行うフィルタ処理手段とを含み、
    上記絶対補正量設定手段は、上記フィルタ処理手段による1次遅れフィルタ処理後の信号に応じた絶対補正量を設定するものであることを特徴とするパワーステアリング装置。
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