JP2004161118A - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】PWM制御方式に特有の騒音の発生を抑えつつ、駆動素子の温度がモータダウン温度まで上昇することを防止できるパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】電動モータ29の駆動制御は、電子制御ユニット3が駆動回路4をPWM制御することにより達成される。電子制御ユニット3は、駆動素子温度センサ9によって検出されるパワー駆動素子41の温度(駆動素子温度)に応じて、駆動回路4に与えるPWM信号のキャリア周波数(PWM周波数)を変更する。すなわち、駆動素子温度が所定の周波数切換温度T(たとえば、T=80℃)未満であるときには、PWM周波数を予め定める高周波数FH(たとえば、FH=16kHz)に設定し、駆動素子温度が所定の周波数切換温度T以上であるときには、PWM周波数を予め定める低周波数FL(たとえば、FL=2kHz)に設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】電動モータ29の駆動制御は、電子制御ユニット3が駆動回路4をPWM制御することにより達成される。電子制御ユニット3は、駆動素子温度センサ9によって検出されるパワー駆動素子41の温度(駆動素子温度)に応じて、駆動回路4に与えるPWM信号のキャリア周波数(PWM周波数)を変更する。すなわち、駆動素子温度が所定の周波数切換温度T(たとえば、T=80℃)未満であるときには、PWM周波数を予め定める高周波数FH(たとえば、FH=16kHz)に設定し、駆動素子温度が所定の周波数切換温度T以上であるときには、PWM周波数を予め定める低周波数FL(たとえば、FL=2kHz)に設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリング操作を補助するパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステアリング操作を補助するパワーステアリング装置には、電動モータによりオイルポンプを駆動して、オイルポンプからパワーシリンダに作動油を供給し、このパワーシリンダの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動油圧ポンプ式のものや、電動モータの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動式のものがある。
【0003】
これらの種類のパワーステアリング装置では、たとえば、電動モータとして3相DCブラシレスモータが採用され、この電動モータに駆動電流を供給するための駆動回路には、2個のパワーFET(駆動素子)の直列回路を3つ並列接続した構成の3相ブリッジインバータ回路が採用されている。そして、ステアリングホイールの操作に基づいて、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニットが駆動回路をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、電動モータの駆動制御が達成されるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置を例にとると、電子制御ユニットのマイクロコンピュータは、たとえば、ステアリングホイールの舵角速度に応じた目標回転速度を定め、さらに、その目標回転速度に基づいて、電動モータの各相(U相、V相、W相)の目標端子電圧値を求める。そして、各相の目標端子電圧値に応じたデューティのPWM信号を作成し、その作成したPWM信号を駆動回路の各直列回路の一方のパワーFETに与える。これにより、パワーFETがそれぞれに与えられたPWM信号のデューティでオン/オフし、その結果、駆動回路から電動モータの各相界磁コイルに適当な駆動電圧が印加されて、電動モータがステアリングホイールの舵角速度および車速に応じた目標回転速度で回転駆動される。
【0005】
パワーFETは、スイッチングの際に電力損失(スイッチング損失)を発生する。このスイッチング損失による発熱と、ステアリングホイールの激しい操作が続き、パワーFETの電流が増加することによる発熱とにより、パワーFETが異常高温状態になって破壊されるおそれがある。そこで、電動式および電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置では、パワーFETの温度を検出するための温度センサが設けられていて、この温度センサによる検出温度が所定のモータダウン温度よりも高いときには、パワーFETの保護のために、電動モータが停止(モータダウン)されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−142434号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
モータダウンした状態では操舵補助を行えないので、パワーFETの電流を抑制して発熱を小さく抑えるか、パワーFETのスイッチング時の発熱を小さく抑えて、パワーFETの電流が増加しても、パワーFETの温度がモータダウン温度まで上昇しないようにすることが望ましい。
パワーFETのスイッチング時の発熱を抑えるためには、たとえば、PWM信号のキャリア周波数(PWM周波数)を低くして、パワーFETでのスイッチング損失を低減させればよい。ところが、PWM周波数を低くすると、パワーFETのスイッチング時の発熱が小さくなる反面、PWM制御方式に特有の騒音(とくに、可聴周波数帯域の騒音)が大きくなってしまう。
【0008】
そこで、この発明の目的は、PWM制御方式に特有の騒音の発生を抑えつつ、駆動素子の温度がモータダウン温度まで上昇することを防止できるパワーステアリング装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ステアリング機構(1)に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータ(29)と、複数の駆動素子のブリッジ回路を備え、上記電動モータに駆動電力を供給するための駆動回路(4)と、上記複数の駆動素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段(35)と、上記駆動素子(41)の温度を検出する駆動素子温度検出手段(9)と、この駆動素子温度検出手段による検出温度に応じて、上記PWM信号生成手段が生成するPWM信号のキャリア周波数を可変設定する周波数設定手段(35)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、駆動回路内の駆動素子の温度に応じて、駆動素子をスイッチングさせるためのPWM信号のキャリア周波数が可変設定される。
たとえば、駆動素子の温度が低い状態で相対的に高いキャリア周波数を設定し、駆動素子の温度が高い状態で相対的に低いキャリア周波数を設定するようにしておけば、駆動素子の温度が低いときには、PWM制御方式に特有の騒音の発生を抑えることができ、駆動素子の温度が高いときには、駆動素子でのスイッチング損失による発熱を小さくすることができ、駆動素子の温度上昇を抑えることができる。
【0011】
よって、駆動素子の温度が所定のモータダウン温度よりも高くなると、駆動素子の保護のために電動モータを停止(モータダウン)させる機能を有するパワーステアリング装置に本発明を適用した場合には、駆動素子の温度がモータダウン温度に達することを防止でき、これにより、パワー駆動素子の熱破壊防止のために操舵補助が中断される事態が生じる頻度を少なくすることができる。
上記周波数設定手段は、請求項2記載のように、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が所定の周波数切換温度(T)未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める高周波数(FH)に設定し、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が上記周波数切換温度以上であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める低周波数(FL)に設定するものであってもよい。また、請求項3記載のように、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が所定の周波数切換温度未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める高周波数(FH)に設定し、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が上記周波数切換温度以上であるときには、上記高周波数と予め定める低周波数(FL)との間で上記駆動素子温度検出手段による検出温度が高いほどPWM信号のキャリア周波数を低い周波数に設定するものであってもよい。
【0012】
上記パワーステアリング装置は、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させる電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置であってもよいし、電動モータの発生トルクを操舵補助力とする電動パワーステアリング装置であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのものである。
【0014】
ステアリング機構1は、運転者によって操作されるステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されたステアリング軸12と、ステアリング軸12の先端部に設けられたピニオンギヤ13と、車両の左右方向に延びたラック軸14とを備えている。ラック軸14には、ラックギヤ部14aが形成されていて、このラックギヤ部14aにピニオンギヤ13が噛合している。ラック軸14の両端には、タイロッド15がそれぞれ結合されており、このタイロッド15は、それぞれ、舵取り車輪としての前左輪FLおよび前右輪FRを支持するナックルアーム16に結合されている。ナックルアーム16は、キングピン17まわりに回動自在に設けられている。
【0015】
この構成により、ステアリングホイール11が操作されてステアリング軸12が回転されると、この回転がピニオンギヤ13およびラック軸14によって車両の左右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム16のキングピン17まわりの回動に変換されて、前左輪FLおよび前右輪FRの転舵が達成される。
ステアリング軸12には、ステアリングホイール11に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバー21と、このトーションバー21のねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁22とが組み込まれている。油圧制御弁22は、ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワーシリンダ23に接続されている。パワーシリンダ23は、ラック軸14に一体的に設けられたピストン231と、ピストン231によって区画された一対のシリンダ室232,233とを有しており、シリンダ室232,233は、それぞれ、オイル供給/帰還路24,25を介して、油圧制御弁22に接続されている。
【0016】
また、油圧制御弁22は、リザーバタンク26およびオイルポンプ27を通るオイル循環路28の途中部に介装されている。オイルポンプ27は、電動モータ29によって駆動され、リザーバタンク26に貯留されている作動油を汲み出して油圧制御弁22に供給する。
ステアリングホイール11が左方向Lへ回転操作されると、トーションバー21にねじれが生じ、オイル供給/帰還路25を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室233に作動油が供給される。すると、シリンダ室232,233間に油圧差が生じ、この油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が左方向へ移動する。これにより、ラック軸14に左方向の操舵補助力が作用することになる。逆に、ステアリングホイール11が右方向Rへ回転操作されたときには、オイル供給/帰還路24を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室232に作動油が供給される。そして、シリンダ室232,233間に生じる油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が右方向へ移動し、ラック軸14に右方向の操舵補助力が作用する。オイルポンプ27から油圧制御弁22に供給された作動油のうち、余剰分の作動油は、油圧制御弁22からオイル循環路28を介してリザーバタンク26に帰還される。また、トーションバー21にねじれがほとんど加わっていない状態では、油圧制御弁22は、いわば平衡状態となり、作動油は、パワーシリンダ23に供給されることなく、オイル循環路28を循環する。
【0017】
電動モータ29は、たとえば、3相DCブラシレスモータで構成されており、この電動モータ29の駆動制御は、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニット3が駆動回路4をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより達成されるようになっている。駆動回路4は、電源としての車載バッテリ5とアースとの間に接続された3相ブリッジインバータ回路であり、電動モータ29のU相に対応した一対のパワー駆動素子(たとえば、パワーMOSFET)の直列回路と、V相に対応した一対のパワー駆動素子の直列回路と、W相に対応した一対のパワー駆動素子の直列回路とを並列に接続した構成を有している。そして、各直列回路の一対のパワー駆動素子の接続点に、それぞれ対応する電動モータ29の各相界磁コイルが接続されている。
【0018】
電子制御ユニット3には、操舵角センサ6、車速センサ7およびモータ角センサ8の出力信号が与えられるようになっている。操舵角センサ6は、たとえば、ステアリング軸12に関連して設けられていて、そのステアリング軸12(ステアリングホイール11)が一定角度回転する度にパルス信号を出力する。また、車速センサ7は、一定周期で車速を検出し、その検出した車速に応じた信号を出力する。モータ角センサ8は、たとえば、電動モータ29のロータが一定角度回転する度にパルス信号を出力するものであってもよいし、ロータの回転位置に応じた信号を出力するものであってもよい。
【0019】
電子制御ユニット3にはさらに、駆動回路4内のパワー駆動素子41の温度を検出する駆動素子温度センサ9の出力信号が与えられるようになっている。駆動素子温度センサ9は、たとえば、サーミスタなどの感熱素子を有しており、所定のパワー駆動素子41の近傍に配置されていて、そのパワー駆動素子41の温度(駆動素子温度)に応じた信号を出力する。
図2は、電子制御ユニット3の構成を説明するためのブロック図である。電子制御ユニット3は、マイクロコンピュータが実行するプログラム処理により、操舵角センサ6から与えられる信号に基づいて、単位時間あたりの操舵角変化量(ステアリングホイール11の操舵角の時間微分値)に相当する操舵角速度を演算する操舵角速度演算部31、この操舵角速度演算部31が演算する操舵角速度および車速センサ7が検出する車速に基づいて、電動モータ29の目標回転速度を設定する目標回転速度設定部32、モータ角センサ8から与えられる信号に基づいて、電動モータ29の単位時間あたりの回転数(回転角)であるモータ回転速度を演算するモータ回転速度演算部33、目標回転速度設定部32が設定した目標回転速度とモータ回転速度演算部33が演算したモータ回転速度との偏差を演算する偏差演算部34、ならびに、偏差演算部34が演算する偏差および駆動素子温度センサ9が検出する駆動素子温度に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成部35の各機能を実現する。
【0020】
PWM信号生成部35は、偏差演算部34によって演算された偏差に基づいて、電動モータ29の各相(U相、V相、W相)の目標端子電圧値を求め、その求めた各相目標端子電圧値にそれぞれ応じたPWMデューティを演算する。また、PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出された駆動素子温度に応じたキャリア周波数を設定する。そして、その設定したキャリア周波数の基本パルス信号のパルス幅を各相目標端子電圧値にそれぞれ応じたPWMデューティで変調することにより、U相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号を生成し、その生成したU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号を駆動回路4に与える。すると、駆動回路4を構成する各直列回路の一方のパワー駆動素子が、それぞれ対応するU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号のデューティでオン/オフし、その結果、駆動回路4から電動モータ29に適当な駆動電流が供給されて、電動モータ29がステアリングホイールの舵角速度および車速に応じた目標回転速度で回転駆動される。
【0021】
また、PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が予め定めるモータダウン温度(たとえば、120℃)を超えると、駆動回路4のパワー駆動素子が異常高温状態となって破壊されることを防止するために、PWM信号の出力を直ちに停止する。PWM信号の出力が停止されている間は、電動モータ29の駆動が停止(モータダウン)され、このパワーステアリング装置による操舵補助が中断される。
【0022】
図3は、駆動素子温度とPWM周波数との関係を示す図である。PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が所定の周波数切換温度T(たとえば、T=80℃)未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数(PWM周波数)を予め定める高周波数FH(たとえば、FH=16kHz)に設定する。これにより、駆動素子温度が周波数切換温度T未満であるときには、駆動回路4のパワー駆動素子がPWM周波数に等しい高周波数でスイッチングするので、PWM制御方式に特有の騒音(とくに、可聴周波数帯域の騒音)の発生を抑えることができる。
【0023】
一方、PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が所定の周波数切換温度T以上であるときには、PWM周波数を予め定める低周波数FL(たとえば、FL=2kHz)に設定する。
たとえば、ステアリングホイール11の激しい操作が続き、駆動回路4の各パワー駆動素子に大電流が流れる状況とパワー駆動素子が頻繁に高周波数でスイッチングする状況が続くと、各パワー駆動素子の温度が上昇し、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が周波数切換温度Tを超える場合がある。この場合に、その後も駆動回路4の各パワー駆動素子が高周波数でスイッチングする状況が続くと、各パワー駆動素子の温度がさらに上昇して、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度がモータダウン温度に達してしまう。そこで、この実施形態では、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が所定の周波数切換温度T以上になると、PWM周波数が高周波数FHから低周波数FLに切り換えられる。PWM周波数が低いほど、パワー駆動素子でのスイッチング損失による発熱が小さくなり、パワー駆動素子の温度上昇を抑えることができる。したがって、この実施形態によれば、パワー駆動素子の温度がモータダウン温度に達することを防止でき、これにより、パワー駆動素子の熱破壊防止のために操舵補助が中断される事態に陥ることを少なくできる。
【0024】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することも可能である。たとえば、上記の実施形態では、駆動素子温度が周波数切換温度T未満のときには、PWM周波数が高周波数FHに設定され、駆動素子温度が周波数切換温度T以上のときには、PWM周波数が低周波数FLに設定されるとしたが、図4に示すように、駆動素子温度が周波数切換温度T未満のときには、PWM周波数が高周波数FHに設定され、駆動素子温度が周波数切換温度T以上のときには、PWM周波数が高周波数FHと低周波数FLとの間で駆動素子温度が高いほど低い周波数に設定されるようにしてもよい。この場合、駆動素子温度が周波数切換温度T以上になった後も、PWM制御方式特有の騒音の発生をなるべく小さく抑えることができる。
【0025】
また、この発明は、電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置に限らず、操舵トルクおよび車速などに基づいて電動モータを駆動制御し、この電動モータの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。
【図2】電子制御ユニットの構成を説明するためのブロック図である。
【図3】駆動素子温度に対するPWM周波数の関係の一例を示す図である。
【図4】駆動素子温度に対するPWM周波数の関係の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリング機構
3 電子制御ユニット
4 駆動回路
5 車載バッテリ
6 操舵角センサ
7 車速センサ
8 モータ角センサ
9 駆動素子温度センサ
27 オイルポンプ
29 電動モータ
35 PWM信号生成部(PWM信号生成手段、周波数設定手段)
41 パワー駆動素子
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリング操作を補助するパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステアリング操作を補助するパワーステアリング装置には、電動モータによりオイルポンプを駆動して、オイルポンプからパワーシリンダに作動油を供給し、このパワーシリンダの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動油圧ポンプ式のものや、電動モータの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動式のものがある。
【0003】
これらの種類のパワーステアリング装置では、たとえば、電動モータとして3相DCブラシレスモータが採用され、この電動モータに駆動電流を供給するための駆動回路には、2個のパワーFET(駆動素子)の直列回路を3つ並列接続した構成の3相ブリッジインバータ回路が採用されている。そして、ステアリングホイールの操作に基づいて、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニットが駆動回路をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、電動モータの駆動制御が達成されるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置を例にとると、電子制御ユニットのマイクロコンピュータは、たとえば、ステアリングホイールの舵角速度に応じた目標回転速度を定め、さらに、その目標回転速度に基づいて、電動モータの各相(U相、V相、W相)の目標端子電圧値を求める。そして、各相の目標端子電圧値に応じたデューティのPWM信号を作成し、その作成したPWM信号を駆動回路の各直列回路の一方のパワーFETに与える。これにより、パワーFETがそれぞれに与えられたPWM信号のデューティでオン/オフし、その結果、駆動回路から電動モータの各相界磁コイルに適当な駆動電圧が印加されて、電動モータがステアリングホイールの舵角速度および車速に応じた目標回転速度で回転駆動される。
【0005】
パワーFETは、スイッチングの際に電力損失(スイッチング損失)を発生する。このスイッチング損失による発熱と、ステアリングホイールの激しい操作が続き、パワーFETの電流が増加することによる発熱とにより、パワーFETが異常高温状態になって破壊されるおそれがある。そこで、電動式および電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置では、パワーFETの温度を検出するための温度センサが設けられていて、この温度センサによる検出温度が所定のモータダウン温度よりも高いときには、パワーFETの保護のために、電動モータが停止(モータダウン)されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−142434号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
モータダウンした状態では操舵補助を行えないので、パワーFETの電流を抑制して発熱を小さく抑えるか、パワーFETのスイッチング時の発熱を小さく抑えて、パワーFETの電流が増加しても、パワーFETの温度がモータダウン温度まで上昇しないようにすることが望ましい。
パワーFETのスイッチング時の発熱を抑えるためには、たとえば、PWM信号のキャリア周波数(PWM周波数)を低くして、パワーFETでのスイッチング損失を低減させればよい。ところが、PWM周波数を低くすると、パワーFETのスイッチング時の発熱が小さくなる反面、PWM制御方式に特有の騒音(とくに、可聴周波数帯域の騒音)が大きくなってしまう。
【0008】
そこで、この発明の目的は、PWM制御方式に特有の騒音の発生を抑えつつ、駆動素子の温度がモータダウン温度まで上昇することを防止できるパワーステアリング装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ステアリング機構(1)に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータ(29)と、複数の駆動素子のブリッジ回路を備え、上記電動モータに駆動電力を供給するための駆動回路(4)と、上記複数の駆動素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段(35)と、上記駆動素子(41)の温度を検出する駆動素子温度検出手段(9)と、この駆動素子温度検出手段による検出温度に応じて、上記PWM信号生成手段が生成するPWM信号のキャリア周波数を可変設定する周波数設定手段(35)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、駆動回路内の駆動素子の温度に応じて、駆動素子をスイッチングさせるためのPWM信号のキャリア周波数が可変設定される。
たとえば、駆動素子の温度が低い状態で相対的に高いキャリア周波数を設定し、駆動素子の温度が高い状態で相対的に低いキャリア周波数を設定するようにしておけば、駆動素子の温度が低いときには、PWM制御方式に特有の騒音の発生を抑えることができ、駆動素子の温度が高いときには、駆動素子でのスイッチング損失による発熱を小さくすることができ、駆動素子の温度上昇を抑えることができる。
【0011】
よって、駆動素子の温度が所定のモータダウン温度よりも高くなると、駆動素子の保護のために電動モータを停止(モータダウン)させる機能を有するパワーステアリング装置に本発明を適用した場合には、駆動素子の温度がモータダウン温度に達することを防止でき、これにより、パワー駆動素子の熱破壊防止のために操舵補助が中断される事態が生じる頻度を少なくすることができる。
上記周波数設定手段は、請求項2記載のように、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が所定の周波数切換温度(T)未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める高周波数(FH)に設定し、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が上記周波数切換温度以上であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める低周波数(FL)に設定するものであってもよい。また、請求項3記載のように、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が所定の周波数切換温度未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める高周波数(FH)に設定し、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が上記周波数切換温度以上であるときには、上記高周波数と予め定める低周波数(FL)との間で上記駆動素子温度検出手段による検出温度が高いほどPWM信号のキャリア周波数を低い周波数に設定するものであってもよい。
【0012】
上記パワーステアリング装置は、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させる電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置であってもよいし、電動モータの発生トルクを操舵補助力とする電動パワーステアリング装置であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのものである。
【0014】
ステアリング機構1は、運転者によって操作されるステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されたステアリング軸12と、ステアリング軸12の先端部に設けられたピニオンギヤ13と、車両の左右方向に延びたラック軸14とを備えている。ラック軸14には、ラックギヤ部14aが形成されていて、このラックギヤ部14aにピニオンギヤ13が噛合している。ラック軸14の両端には、タイロッド15がそれぞれ結合されており、このタイロッド15は、それぞれ、舵取り車輪としての前左輪FLおよび前右輪FRを支持するナックルアーム16に結合されている。ナックルアーム16は、キングピン17まわりに回動自在に設けられている。
【0015】
この構成により、ステアリングホイール11が操作されてステアリング軸12が回転されると、この回転がピニオンギヤ13およびラック軸14によって車両の左右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム16のキングピン17まわりの回動に変換されて、前左輪FLおよび前右輪FRの転舵が達成される。
ステアリング軸12には、ステアリングホイール11に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバー21と、このトーションバー21のねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁22とが組み込まれている。油圧制御弁22は、ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワーシリンダ23に接続されている。パワーシリンダ23は、ラック軸14に一体的に設けられたピストン231と、ピストン231によって区画された一対のシリンダ室232,233とを有しており、シリンダ室232,233は、それぞれ、オイル供給/帰還路24,25を介して、油圧制御弁22に接続されている。
【0016】
また、油圧制御弁22は、リザーバタンク26およびオイルポンプ27を通るオイル循環路28の途中部に介装されている。オイルポンプ27は、電動モータ29によって駆動され、リザーバタンク26に貯留されている作動油を汲み出して油圧制御弁22に供給する。
ステアリングホイール11が左方向Lへ回転操作されると、トーションバー21にねじれが生じ、オイル供給/帰還路25を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室233に作動油が供給される。すると、シリンダ室232,233間に油圧差が生じ、この油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が左方向へ移動する。これにより、ラック軸14に左方向の操舵補助力が作用することになる。逆に、ステアリングホイール11が右方向Rへ回転操作されたときには、オイル供給/帰還路24を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室232に作動油が供給される。そして、シリンダ室232,233間に生じる油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が右方向へ移動し、ラック軸14に右方向の操舵補助力が作用する。オイルポンプ27から油圧制御弁22に供給された作動油のうち、余剰分の作動油は、油圧制御弁22からオイル循環路28を介してリザーバタンク26に帰還される。また、トーションバー21にねじれがほとんど加わっていない状態では、油圧制御弁22は、いわば平衡状態となり、作動油は、パワーシリンダ23に供給されることなく、オイル循環路28を循環する。
【0017】
電動モータ29は、たとえば、3相DCブラシレスモータで構成されており、この電動モータ29の駆動制御は、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニット3が駆動回路4をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより達成されるようになっている。駆動回路4は、電源としての車載バッテリ5とアースとの間に接続された3相ブリッジインバータ回路であり、電動モータ29のU相に対応した一対のパワー駆動素子(たとえば、パワーMOSFET)の直列回路と、V相に対応した一対のパワー駆動素子の直列回路と、W相に対応した一対のパワー駆動素子の直列回路とを並列に接続した構成を有している。そして、各直列回路の一対のパワー駆動素子の接続点に、それぞれ対応する電動モータ29の各相界磁コイルが接続されている。
【0018】
電子制御ユニット3には、操舵角センサ6、車速センサ7およびモータ角センサ8の出力信号が与えられるようになっている。操舵角センサ6は、たとえば、ステアリング軸12に関連して設けられていて、そのステアリング軸12(ステアリングホイール11)が一定角度回転する度にパルス信号を出力する。また、車速センサ7は、一定周期で車速を検出し、その検出した車速に応じた信号を出力する。モータ角センサ8は、たとえば、電動モータ29のロータが一定角度回転する度にパルス信号を出力するものであってもよいし、ロータの回転位置に応じた信号を出力するものであってもよい。
【0019】
電子制御ユニット3にはさらに、駆動回路4内のパワー駆動素子41の温度を検出する駆動素子温度センサ9の出力信号が与えられるようになっている。駆動素子温度センサ9は、たとえば、サーミスタなどの感熱素子を有しており、所定のパワー駆動素子41の近傍に配置されていて、そのパワー駆動素子41の温度(駆動素子温度)に応じた信号を出力する。
図2は、電子制御ユニット3の構成を説明するためのブロック図である。電子制御ユニット3は、マイクロコンピュータが実行するプログラム処理により、操舵角センサ6から与えられる信号に基づいて、単位時間あたりの操舵角変化量(ステアリングホイール11の操舵角の時間微分値)に相当する操舵角速度を演算する操舵角速度演算部31、この操舵角速度演算部31が演算する操舵角速度および車速センサ7が検出する車速に基づいて、電動モータ29の目標回転速度を設定する目標回転速度設定部32、モータ角センサ8から与えられる信号に基づいて、電動モータ29の単位時間あたりの回転数(回転角)であるモータ回転速度を演算するモータ回転速度演算部33、目標回転速度設定部32が設定した目標回転速度とモータ回転速度演算部33が演算したモータ回転速度との偏差を演算する偏差演算部34、ならびに、偏差演算部34が演算する偏差および駆動素子温度センサ9が検出する駆動素子温度に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成部35の各機能を実現する。
【0020】
PWM信号生成部35は、偏差演算部34によって演算された偏差に基づいて、電動モータ29の各相(U相、V相、W相)の目標端子電圧値を求め、その求めた各相目標端子電圧値にそれぞれ応じたPWMデューティを演算する。また、PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出された駆動素子温度に応じたキャリア周波数を設定する。そして、その設定したキャリア周波数の基本パルス信号のパルス幅を各相目標端子電圧値にそれぞれ応じたPWMデューティで変調することにより、U相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号を生成し、その生成したU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号を駆動回路4に与える。すると、駆動回路4を構成する各直列回路の一方のパワー駆動素子が、それぞれ対応するU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号のデューティでオン/オフし、その結果、駆動回路4から電動モータ29に適当な駆動電流が供給されて、電動モータ29がステアリングホイールの舵角速度および車速に応じた目標回転速度で回転駆動される。
【0021】
また、PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が予め定めるモータダウン温度(たとえば、120℃)を超えると、駆動回路4のパワー駆動素子が異常高温状態となって破壊されることを防止するために、PWM信号の出力を直ちに停止する。PWM信号の出力が停止されている間は、電動モータ29の駆動が停止(モータダウン)され、このパワーステアリング装置による操舵補助が中断される。
【0022】
図3は、駆動素子温度とPWM周波数との関係を示す図である。PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が所定の周波数切換温度T(たとえば、T=80℃)未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数(PWM周波数)を予め定める高周波数FH(たとえば、FH=16kHz)に設定する。これにより、駆動素子温度が周波数切換温度T未満であるときには、駆動回路4のパワー駆動素子がPWM周波数に等しい高周波数でスイッチングするので、PWM制御方式に特有の騒音(とくに、可聴周波数帯域の騒音)の発生を抑えることができる。
【0023】
一方、PWM信号生成部35は、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が所定の周波数切換温度T以上であるときには、PWM周波数を予め定める低周波数FL(たとえば、FL=2kHz)に設定する。
たとえば、ステアリングホイール11の激しい操作が続き、駆動回路4の各パワー駆動素子に大電流が流れる状況とパワー駆動素子が頻繁に高周波数でスイッチングする状況が続くと、各パワー駆動素子の温度が上昇し、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が周波数切換温度Tを超える場合がある。この場合に、その後も駆動回路4の各パワー駆動素子が高周波数でスイッチングする状況が続くと、各パワー駆動素子の温度がさらに上昇して、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度がモータダウン温度に達してしまう。そこで、この実施形態では、駆動素子温度センサ9によって検出される駆動素子温度が所定の周波数切換温度T以上になると、PWM周波数が高周波数FHから低周波数FLに切り換えられる。PWM周波数が低いほど、パワー駆動素子でのスイッチング損失による発熱が小さくなり、パワー駆動素子の温度上昇を抑えることができる。したがって、この実施形態によれば、パワー駆動素子の温度がモータダウン温度に達することを防止でき、これにより、パワー駆動素子の熱破壊防止のために操舵補助が中断される事態に陥ることを少なくできる。
【0024】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することも可能である。たとえば、上記の実施形態では、駆動素子温度が周波数切換温度T未満のときには、PWM周波数が高周波数FHに設定され、駆動素子温度が周波数切換温度T以上のときには、PWM周波数が低周波数FLに設定されるとしたが、図4に示すように、駆動素子温度が周波数切換温度T未満のときには、PWM周波数が高周波数FHに設定され、駆動素子温度が周波数切換温度T以上のときには、PWM周波数が高周波数FHと低周波数FLとの間で駆動素子温度が高いほど低い周波数に設定されるようにしてもよい。この場合、駆動素子温度が周波数切換温度T以上になった後も、PWM制御方式特有の騒音の発生をなるべく小さく抑えることができる。
【0025】
また、この発明は、電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置に限らず、操舵トルクおよび車速などに基づいて電動モータを駆動制御し、この電動モータの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。
【図2】電子制御ユニットの構成を説明するためのブロック図である。
【図3】駆動素子温度に対するPWM周波数の関係の一例を示す図である。
【図4】駆動素子温度に対するPWM周波数の関係の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリング機構
3 電子制御ユニット
4 駆動回路
5 車載バッテリ
6 操舵角センサ
7 車速センサ
8 モータ角センサ
9 駆動素子温度センサ
27 オイルポンプ
29 電動モータ
35 PWM信号生成部(PWM信号生成手段、周波数設定手段)
41 パワー駆動素子
Claims (3)
- ステアリング機構に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータと、
複数の駆動素子のブリッジ回路を備え、上記電動モータに駆動電力を供給するための駆動回路と、
上記複数の駆動素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
上記駆動素子の温度を検出する駆動素子温度検出手段と、
この駆動素子温度検出手段による検出温度に応じて、上記PWM信号生成手段が生成するPWM信号のキャリア周波数を可変設定する周波数設定手段と
を含むことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 上記周波数設定手段は、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が所定の周波数切換温度未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める高周波数に設定し、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が上記周波数切換温度以上であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める低周波数に設定するものであることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
- 上記周波数設定手段は、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が所定の周波数切換温度未満であるときには、PWM信号のキャリア周波数を予め定める高周波数に設定し、上記駆動素子温度検出手段による検出温度が上記周波数切換温度以上であるときには、上記高周波数と予め定める低周波数との間で上記駆動素子温度検出手段による検出温度が高いほどPWM信号のキャリア周波数を低い周波数に設定するものであることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
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