JP2009298371A - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009298371A
JP2009298371A JP2008157934A JP2008157934A JP2009298371A JP 2009298371 A JP2009298371 A JP 2009298371A JP 2008157934 A JP2008157934 A JP 2008157934A JP 2008157934 A JP2008157934 A JP 2008157934A JP 2009298371 A JP2009298371 A JP 2009298371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction force
steering
angle
motor
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008157934A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Yoshii
康之 吉井
Yukifumi Jinbo
志文 神保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008157934A priority Critical patent/JP2009298371A/ja
Publication of JP2009298371A publication Critical patent/JP2009298371A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】熱設計負担を軽減することができ、これにより、コストの低減を実現できる車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイール1に結合された回転シャフト10には、反力トルク(操作反力)を発生する反力モータ19が結合されている。反力モータ19は、ECU25によって駆動される。ステアリングホイール1の操作角δhは、角度センサ11によって検出される。ECU25は、反力モータ19のための駆動回路23を備えている。ステアリングホイール1の操作角範囲は、反力モータ19から操作不能反力レベルの反力トルクを発生させることによって制限される。操作角範囲の限界値は、各相モータ電流の2乗値のピークを外して定めた電気角に対応するように設定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の操向のための操作部材に反力を付与する反力モータを備えた車両用操舵装置に関する。
車両用操舵装置として、ステアリングホイールと舵取り機構との機械的な結合をなくし、ステアリングホイールの操作角をセンサによって検出するとともに、そのセンサの出力に応じて制御される操舵用アクチュエータの駆動力を舵取り機構に伝達するようにしたステア・バイ・ワイヤシステムが提案されている(特許文献1)。ステア・バイ・ワイヤシステムでは、ステアリングホイールの操作角に対する舵取り車輪の転舵角の比(転舵角比)を自由に定めることができる。また、操舵用アクチュエータの制御による転舵角制御をステアリングホイールの操作とは独立して行うことができ、これにより、操舵制御による車両挙動安定化制御を行うこともできる。
転舵角比を変更することができる車両用操舵装置は、ステア・バイ・ワイヤシステムだけではなく、たとえば、ステアリングホイールと舵取り機構との間に、回転伝達比を変更できる可変伝達比ユニットを介在させた可変ギヤ比ステアリングシステムにおいても、転舵角比の可変制御が可能である(特許文献2)。
ステア・バイ・ワイヤシステム等では、ステアリングホイールに操作反力を付与するための反力モータが備えられる。この反力モータは、ステアリングホイールの操作角および車速に応じて制御される。これにより、ステアリングホイールと舵取り機構とが機械的に結合された従来型の車両用操舵装置と同様な操作反力がステアリングホイールに付与されるようになっている。
特開2001−233229号公報 特開2006−2805号公報 特開2003−182620号公報
舵取り機構の転舵角範囲には物理的制限があるから、これに対応して、ステアリングホイールの操作角範囲に対しても制限を加える必要がある。操作角範囲を機械的に制限するのが簡単であるが、配置スペースを確保する必要があるうえ、機構部品費用および組み立て工数のために、コストが高く付く。
そこで、操作角範囲の両端において、反力モータから大きな操作反力を発生させることにより、運転者の操舵力に対抗させることが考えられる(特許文献3)。
ところが、反力モータによる操作反力によって運転者の操舵力に対抗するためには、反力制御のモータ電流常用域より大きなモータ電流を反力モータに供給する必要がある。そのため、反力モータを制御するためのECU(電子制御ユニット)のパワー駆動部への負担が大きく、それに応じた熱設計が必要になる。したがって、ECUのコストアップが避けられず、コストが高く付く。
より具体的に説明すると、反力モータを三相ブラシレスモータで構成する場合には、各相電流が正弦波交流となる。この場合、操作角両端がいずれかの相の正弦波のピーク電流に対応する場合が最悪の状況である。この場合に、パワー素子に流れる電流が最大となり、それに応じて発熱量も最大となる。操作角範囲の両端位置を任意に設定するとすれば、ECUのパワー駆動部の設計は、この最悪の状況に合わせた設計としなければならない。
そこで、この発明の目的は、操作角範囲の制限を考慮した熱設計負担を軽減することができ、これにより、コストの低減を実現できる車両用操舵装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車両の操向のための操作部材(1)に操作反力を付与するための多相ブラシレスモータからなる反力モータ(19)と、前記操作部材の操作角範囲の限界値(δhlimit)を前記反力モータの反力制御で規定することが可能な反力制御手段(37)と、を備え、前記操作角範囲の限界値が、前記反力モータの各相モータ電流の2乗値に応じて定めた電気角と一致している、車両用操舵装置である。なお、括弧内の数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
モータを駆動するためのパワー素子(41U,41V,41W,42U,42V,42W)における発熱量は、このパワー素子に流れる電流の2乗値に比例する。そこで、この2乗値が大きくならない電気角において、操作角範囲を制限するための反力制御を行うようにすれば、パワー素子における発熱量を小さくすることができる。それに応じて、熱設計負担を軽減することができるから、コストの低減を図ることができる。
より具体的には、請求項2に記載されているように、前記電気角が、各相モータ電流の2乗値のピークを外して定められていることが好ましい。これにより、熱設計負担を効果的に低減することができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための図解図であり、ステア・バイ・ワイヤシステムの構成が示されている。この車両用操舵装置は、運転者が操向のために操作する操作部材としてのステアリングホイール1と、ステアリングホイール1の回転操作に応じて駆動される操舵用アクチュエータ2と、操舵用アクチュエータ2の駆動力を、舵取り車輪としての前方左右車輪4に伝達するステアリングギヤ3とを備えている。ステアリングホイール1と、操舵用アクチュエータ2等を含む舵取り機構5との間には、ステアリングホイール1に加えられた操作トルクが舵取り機構5に機械的に伝達されるような機械的な結合はなく、ステアリングホイール1の操作量(操作角または操作トルク)に応じて操舵用アクチュエータ2が駆動制御されることによって、車輪4が転舵されるようになっている。
操舵用アクチュエータ2は、例えば公知のブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。ステアリングギヤ3は、操舵用アクチュエータ2の出力シャフトの回転運動をステアリングロッド7の直線運動(車両左右方向の直線運動)に変換する運動変換機構を有する。ステアリングロッド7の動きがタイロッド8およびナックルアーム9を介して車輪4に伝達され、車輪4のトー角(転舵角)が変化する。ステアリングギヤ3は、公知のものを用いることができ、操舵用アクチュエータ2の動きを舵角が変化するように車輪4に伝達できれば構成は限定されない。なお、操舵用アクチュエータ2が駆動されていない状態では、車輪4がセルフアライニングトルクにより直進操舵位置に復帰できるようにホイールアラインメントが設定されている。
ステアリングホイール1は、車体側に回転可能に支持された回転シャフト10に連結されている。この回転シャフト10には、ステアリングホイール1に作用する反力トルク(操作反力)を発生する反力モータ19が設けられている。この反力モータ19は、回転シャフト10と一体の出力シャフトを有するブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。
車体と回転シャフト10との間には、ステアリングホイール1を直進操舵位置に復帰させる方向の弾力を付与する弾性部材30が設けられている。この弾性部材30は、たとえば、回転シャフト10に弾力を付与するバネにより構成できる。反力モータ19が回転シャフト10にトルクを付加していないとき、ステアリングホイール1は、弾性部材30の弾力により、直進操舵位置に復帰する。
ステアリングホイール1の操作角(回転角)δhを検出するために、回転シャフト10の回転角を検出する角度センサ11が設けられている。また、車両の運転者がステアリングホイール1に作用させる操作トルクThを検出するために、回転シャフト10により伝達されるトルクを検出するトルクセンサ12が設けられている。さらに、車両の舵角(舵取り機構5の転舵角)δを検出するための舵角センサ13が、当該舵角に対応するステアリングロッド7の作動量を検出するポテンショメータにより構成されている。また、車速Vを検出する速度センサ14、車両の横加速度Gyを検出する横加速度センサ15、および車両のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ16が設けられている。
これらの角度センサ11、トルクセンサ12、舵角センサ13、速度センサ14、横加速度センサ15およびヨーレートセンサ16は、コンピュータにより構成される制御装置20にそれぞれ接続されている。制御装置20は、駆動回路22,23を介して、操舵用アクチュエータ2および反力モータ19を制御するようになっている。制御装置20および駆動回路22,23は、ECU(電子制御ユニット)25内に組み込まれている。駆動回路22,23は、操舵用アクチュエータ2および反力モータ19のためのパワー駆動部である。
図2は、制御装置20の制御ブロック図を示す。ステアリングホイール1には、運転者が操作トルクThを加え、反力モータ19が反力トルクTmを加える。ステアリングホイール1の操作量としての操作角δhは角度センサ11によって検出されて、制御装置20に入力される。
制御装置20は、ソフトウェア処理によって実現される機能処理手段として、転舵角設定部31と、目標ヨーレート設定部32と、ヨーレート偏差演算部33と、転舵角補正値演算部34と、設定転舵角補正部35と、目標電流演算部36と、反力設定部37とを備えている。
転舵角設定部31は、伝達関数Kδ(V)を用い、操作角δhおよび車速Vに応じた転舵角設定値δFF *を求める。この転舵角設定値δFF *が設定転舵角補正部35に与えられるようになっている。このように、転舵角設定部31は、操舵状態に応じて転舵角設定値δFF *(舵角値)を定めるための舵角フィードフォワード制御値設定手段としての機能を有している。
目標ヨーレート設定部32は、操作角δhおよび車速Vに基づき、伝達関数Kγ(V)を用いて、車両挙動目標値としての目標ヨーレートγ*を求める。この目標ヨーレートγ*は、ヨーレート偏差演算部33に与えられるようになっている。
ヨーレート偏差演算部33は、目標ヨーレートγ*から、ヨーレートセンサ16によって検出される車両100の実際のヨーレートγを差し引いて、これらの偏差Δγを求める。
転舵角補正値演算部34は、伝達関数CFB(s)(ただし、sはラプラス演算子)を用い、前記ヨーレート偏差Δγに応じた転舵角補正値δFB *を求める。この転舵角補正値δFB *は、設定転舵角補正部35に与えられるようになっている。
設定転舵角補正部35は、転舵角設定値δFF *を転舵角補正値δFB *で補正して目標転舵角δ*を求める。こうして、ヨーレートセンサ16によって検出されるヨーレートγをフィードバックして、車両100のヨーレートを目標ヨーレートγ*へと導く車両挙動安定化制御が行われる。すなわち、ヨーレート偏差Δγの絶対値が大きければ、それに応じて転舵角補正値δFB *(舵角補正値)の絶対値が大きくなり、運転者のステアリングホイール1の操作とは関係なく転舵角を変更するアクティブ操舵制御が行われることになる。
前記ヨーレート偏差演算部33および転舵角補正値演算部34は、車両挙動に応じた転舵角補正値δFB *(舵角補正値)を設定する舵角フィードバック制御値設定手段として機能し、さらにこれに目標ヨーレート設定部32を加えて、車両挙動を安定化させるための車両挙動安定化制御手段が構成されている。
目標電流演算部36は、伝達関数Cδ(s)を用いて、目標転舵角δ*に応じた目標電流値i*を求める。この目標電流i*が達成されるように、操舵用アクチュエータ2が制御されることにより、舵取り機構5の転舵角δが目標転舵角δ*に近づけられる。
反力設定部37は、目標反力トルク基本値設定部37Aと、ゲイン乗算部37Bと、操作角範囲制限部37Cとを有している。目標反力トルク基本値設定部37Aは、角度センサ11によって検出される操作角δhおよび車速Vに基づき、伝達関数Kc(V)を用いて目標反力トルク基本値を求める。この目標反力トルク基本値に対して、ゲイン乗算部37Bは、操作トルクThに応じたトルクゲインKTを乗じる。このトルクゲインKTが乗じられた目標反力トルク基本値に対して、さらに、操作角範囲制限部37Cは、操作角範囲を制限するための補正を加える。これにより、目標反力トルクTm*が得られる。この目標反力トルクTm*に基づいて、反力モータ19が制御される。
こうして、反力モータ19は、操作角δhおよび車速Vならびに操作トルクThに応じた反力トルクTmをステアリングホイール1に付与するように動作する。これにより、舵取り機構5側に加わる外力をステアリングホイール1に帰還するバイラテラルサーボシステムが構成されている。
図3は、反力モータ19のための駆動回路23の構成を示す電気回路図である。反力モータ19は、たとえば、三相ブラシレスモータで構成されている。この反力モータ19のU相巻線、V相巻線およびW相巻線に対して、U相電流IU、V相電流IVおよびW相電流IWが駆動回路23から与えられるようになっている。
駆動回路23は、U相に対応した直列回路40Uと、V相に対応した直列回路40Vと、W相に対応した直列回路40Wとを備え、これらが電源(車載バッテリ。図示せず)に対して並列に接続されている。直列回路40Uは、ハイサイドパワースイッチング素子41Uと、ローサイドパワースイッチング素子42Uとを直列に接続し、これらの間の接続点43Uを反力モータ19のU相巻線に接続して構成されている。同様に、直列回路40Vは、ハイサイドパワースイッチング素子41Vと、ローサイドパワースイッチング素子42Vとを直列に接続し、これらの間の接続点43Vを反力モータ19のV相巻線に接続して構成されている。また、直列回路40Wは、ハイサイドパワースイッチング素子41Wと、ローサイドパワースイッチング素子42Wとを直列に接続し、これらの間の接続点43Wを反力モータ19のW相巻線に接続して構成されている。
制御装置20(図1参照)には、パワースイッチング素子41U,41V,41W,42U,42V,42WをPWM(パルス幅変調)駆動するためのマイクロコンピュータ(図示せず)が備えられている。これにより、たとえば、反力モータ19のU相、V相およびW相巻線に正弦波状の相電流IU,IV,IWが流れるように、反力モータ19が正弦波駆動される。
図4は、操作角範囲制限部37Cによる操作角範囲制限処理を説明するための図である。車輪4の転舵角には物理的な制限があるので、ステアリングホイール1の操作角範囲にもそれに応じた制限を加える必要がある。この実施形態では、操作角範囲の限界値(左右の限界値)が予め設定され、操作角δhの絶対値が限界値に達すると、反力設定部37(より具体的には操作角範囲制限部37C)の働きによって、運転者が操作不可能となるレベル(操作不能反力レベル)の反力トルクTm(操作反力)が反力モータ19からステアリングホイール1に付与されるようになっている。このときの反力トルクTmは、運転者の操作トルクThと同じ大きさとされる。すなわち、操作角δhが限界値に達したときには、操作不能反力レベルまでの(すなわち、操作不能反力レベルを上限として)、運転者の操作トルクThに等しい大きさの反力トルクTmが反力モータ19から発生されることになる。これにより、反力モータ19から発生する反力トルクTmが運転者の操作トルクThに対抗するので、ステアリングホイール1をそれ以上切り込むことができなくなる。
図4には、操作角範囲制限のための目標電流成分(反力モータ19の最終的な目標電流値は、他の目標電流成分との重ね合わせで定まる)の上限値と操作角δhとの関係が示されている。操作角δhの絶対値が限界値δhlimitに近づくに従って目標電流成分の上限値が急峻に立ち上がり、限界値δhlimitに達すると、目標電流成分の上限値は、操作不能反力レベルに対応した最大電流値まで立ち上がるようになっている。
図5は、図4に示された目標電流成分に対応する各相電流IU,IV,IWを示す図である。操作角範囲制限のための目標電流成分が大きくなるに従って各相電流の振幅が大きくなっている。
図6A、図6Bおよび図6Cは、操作角範囲の限界値δhlimitの設定を説明するための図である。図6Aは電気角に対応する各相電流IU,IV,IWを示し、図6Bは電気角に対応する各相電流IU,IV,IWの絶対値を示し、図6Cは電気角に対応する各相電流IU,IV,IWの絶対値の2乗値|IU2,|IV2,|IW2(各相電流の2乗値に等しい)を示す。
パワースイッチング素子における発熱量は、相電流の2乗に比例することから、いずれかの相電流の2乗値が最大値(極大値)となる電気角の位置を限界値δhlimitとして操作角範囲制限を行うと、熱設計負担が大きくなる。
そこで、この実施形態では、相電流の2乗値が極大値となる電気角を避けて限界値δhlimitが定められている。より具体的には、図6Cに示す電気角範囲Δ1〜Δ6のいずれかに対応するように限界値δhlimitが設定されている。これにより、操作角範囲制限のための反力制御のときにパワースイッチング素子に流れる電流の2乗値を抑制できることから、駆動回路23の熱設計負担を小さくすることができる。すなわち、いずれかの相に電流が集中する電気角を避けるように、操作角範囲の限界値δhlimitを設定することによって、各相に電流を分散させることができるので、各パワースイッチング素子における発熱量を抑制することができる。
前記の電気角範囲Δ1〜Δ6は、たとえば、次のように設定されている。ただし、θ(0°≦θ≦360°)は電気角である。
Δ1… 0°≦θ≦10°,350°≦θ≦360°
Δ2… 50°≦θ≦70°
Δ3… 110°≦θ≦130°
Δ4… 170°≦θ≦190°
Δ5… 230°≦θ≦250°
Δ6… 290°≦θ≦310°
たとえば、相電流の2乗値のピークに対応する電気角π/2(rad)に対応するように操作角範囲の限界値δhlimitを設定した場合に、パワースイッチング素子が受ける電力が最大となる。これに対して、たとえば、電気角π/3(rad)に対応するように操作角範囲の限界値δhlimitを設定した場合にパワースイッチング素子が受ける電力は最小となる。したがって、次式より、パワースイッチング素子が受ける電力の低下率は、最大で、25%となる。
Figure 2009298371
図7は、反力設定部37による処理を説明するためのフローチャートである。反力設定部37は、角度センサ11が検出する操作角δhおよび速度センサ14が検出する車速Vならびにトルクセンサ12が検出する操作トルクThを取り込み(ステップS1)、これらに対応する目標反力トルク基本値を設定する(ステップS2)。さらに、反力設定部37は、操作角δhが操作角範囲の限界値δhlimitに達しているかどうか(または限界値δhlimitの近傍の所定範囲内の値かどうか)を判断する(ステップS3)。
操作角δhが操作角範囲の限界値δhlimitであれば(ステップS3:YES)、反力設定部37(具体的には操作角範囲制限部37C)は、操作角範囲制限処理を実行する(ステップS4)。具体的には、トルクセンサ12によって検出される操作トルクThを打ち消すように目標反力トルク基本値を補正して目標反力トルクTm*が設定される。こうして設定される目標反力トルクTm*に基づいて反力モータ19が駆動されることにより、運転者はそれ以上ステアリングホイール1を操作することができなくなり、操作角範囲が制限されることになる。
操作角δhが操作角範囲の限界値δhlimitでなければ(ステップS3:NO)、操作角範囲制限処理は実行されず、目標反力トルク基本値を目標反力トルクTm*として、反力モータ19が駆動される。
以上のように、この実施形態によれば、操作角範囲の限界値δhlimitが、相電流の2乗値のピーク値を回避した電気角に相当するように設定されている。これにより、操作角範囲制限処理の際に複数相のパワースイッチング素子に電流を分散することができ、個々のパワースイッチング素子が受ける電力の最大値を抑制することができる。その結果、パワースイッチング素子における発熱量を抑制することができるので、駆動回路23の熱設計負担を軽減することができる。これにより、ECU25のパワー駆動部の設計が容易になるので、コストの低減を図ることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することも可能である。たとえば、反力モータ19が3相ブラシレスモータからなる場合を例にとったが、その他の多相ブラシレスモータを反力モータ19に適用してもよい。
また、前述の実施形態では、ステア・バイ・ワイヤシステムを例にとったが、同様な制御は、ステアリングホイールと舵取り車輪との間が、操作角と転舵角との関係が可変な可変ギヤ比型操舵装置に対しても適用することができる。この場合、ステアリングホイールと舵取り車輪との間は、必ずしも機械的に切り離されている必要はなく、たとえば、可変伝達比ユニットを介して両者間が機械的に結合されていてもよい。また、車両の操舵状態を模擬するシミュレータやゲーム機において、操作部材の操作角範囲を制限する場合にも、この発明の適用が可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための図解図である。 図1の実施形態に係る制御ブロック図である。 反力モータのための駆動回路の構成を示す電気回路図である。 操作角範囲制限のための目標電流成分の上限値を説明するための図である。 図4に示された目標電流成分に対応する各相電流を示す図である。 操作角範囲の限界値の設定を説明するための図であり、図6Aは電気角に対応する各相電流を示し、図6Bは電気角に対応する各相電流の絶対値を示し、図6Cは電気角に対応する各相電流の絶対値の2乗値を示す。 反力制御の内容を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…ステアリングホイール、11…角度センサ、19…反力アクチュエータ、25…ECU、37…反力設定部、37C…操作角範囲制限部、41U,41V,41W…各相のハイサイドパワースイッチング素子、42U,42V,42W…各相のローサイドパワースイッチング素子

Claims (2)

  1. 車両の操向のための操作部材に操作反力を付与するための多相ブラシレスモータからなる反力モータと、
    前記操作部材の操作角範囲の限界値を前記反力モータの反力制御で規定することが可能な反力制御手段と、を備え、
    前記操作角範囲の限界値が、前記反力モータの各相モータ電流の2乗値に応じて定めた電気角と一致している、車両用操舵装置。
  2. 前記電気角が、各相モータ電流の2乗値のピークを外して定められている、請求項1記載の車両用操舵装置。
JP2008157934A 2008-06-17 2008-06-17 車両用操舵装置 Pending JP2009298371A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008157934A JP2009298371A (ja) 2008-06-17 2008-06-17 車両用操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008157934A JP2009298371A (ja) 2008-06-17 2008-06-17 車両用操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009298371A true JP2009298371A (ja) 2009-12-24

Family

ID=41545723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008157934A Pending JP2009298371A (ja) 2008-06-17 2008-06-17 車両用操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009298371A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013112279A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Jtekt Corp 車両用操舵装置
JP6401878B1 (ja) * 2018-01-30 2018-10-10 株式会社ショーワ 電動パワーステアリング装置
JP6489591B1 (ja) * 2017-12-04 2019-03-27 三菱ロジスネクスト株式会社 ステアリング装置および走行車両
JP2019217867A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04133864A (ja) * 1990-09-25 1992-05-07 Honda Motor Co Ltd 車輌用操舵装置の制御方法
JP2001233229A (ja) * 2000-02-23 2001-08-28 Koyo Seiko Co Ltd 車両の姿勢制御装置
JP2002087308A (ja) * 2000-09-20 2002-03-27 Koyo Seiko Co Ltd 車両用操舵装置
JP2003182620A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Koyo Seiko Co Ltd 車両の操舵装置
JP2004064921A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2004182058A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Toyoda Mach Works Ltd ステアリング制御装置
JP2004242421A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2005247078A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Honda Motor Co Ltd 電動ステアリング装置
JP2006002805A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toyoda Mach Works Ltd 可変伝達比ユニット、これを利用したギア比可変パワーステアリング装置及び、ギア比可変パワーステアリング装置の制御方法
JP2006015865A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Toyota Motor Corp ステアリングシステム
JP2007290470A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP2008118729A (ja) * 2006-10-31 2008-05-22 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04133864A (ja) * 1990-09-25 1992-05-07 Honda Motor Co Ltd 車輌用操舵装置の制御方法
JP2001233229A (ja) * 2000-02-23 2001-08-28 Koyo Seiko Co Ltd 車両の姿勢制御装置
JP2002087308A (ja) * 2000-09-20 2002-03-27 Koyo Seiko Co Ltd 車両用操舵装置
JP2003182620A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Koyo Seiko Co Ltd 車両の操舵装置
JP2004064921A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2004182058A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Toyoda Mach Works Ltd ステアリング制御装置
JP2004242421A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2005247078A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Honda Motor Co Ltd 電動ステアリング装置
JP2006002805A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toyoda Mach Works Ltd 可変伝達比ユニット、これを利用したギア比可変パワーステアリング装置及び、ギア比可変パワーステアリング装置の制御方法
JP2006015865A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Toyota Motor Corp ステアリングシステム
JP2007290470A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP2008118729A (ja) * 2006-10-31 2008-05-22 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013112279A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Jtekt Corp 車両用操舵装置
JP6489591B1 (ja) * 2017-12-04 2019-03-27 三菱ロジスネクスト株式会社 ステアリング装置および走行車両
JP2019098947A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 三菱ロジスネクスト株式会社 ステアリング装置および走行車両
JP6401878B1 (ja) * 2018-01-30 2018-10-10 株式会社ショーワ 電動パワーステアリング装置
JP2019130986A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社ショーワ 電動パワーステアリング装置
JP2019217867A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP7148058B2 (ja) 2018-06-19 2022-10-05 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10494018B2 (en) Steering device
JP5534292B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5867782B2 (ja) 車両用操舵装置
EP3315383B1 (en) Steering device
JP5692569B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5532295B2 (ja) モータ制御装置および車両用操舵装置
JP2010095075A (ja) 車両用操舵装置
JP5971512B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5387878B2 (ja) モータ制御装置
JP5408469B2 (ja) モータ制御装置
CN101841289A (zh) 电动机控制装置和车辆用转向装置用的电动机控制装置
JP5495020B2 (ja) モータ制御装置および車両用操舵装置
JP2010098810A (ja) モータ制御装置
CN111130416A (zh) 电机控制装置以及电机控制方法
JP7376407B2 (ja) 操舵制御装置
JP2009298371A (ja) 車両用操舵装置
JP2011097763A (ja) モータ制御装置および車両用操舵装置
JP5561515B2 (ja) モータ制御装置
JP5787164B2 (ja) 油圧式パワーステアリング装置
JP5532292B2 (ja) 車両用操舵装置
JP7213697B2 (ja) ステアリング装置
JP2010208592A (ja) 車両用操舵装置
JP2010208591A (ja) 車両用操舵装置
JP5408475B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2010213547A (ja) モータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130704