JP2015080905A - 液体収容容器および液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の液体収容容器では、液体の無駄を軽減することが困難である。【解決手段】液体を収容可能な収容部65と、収容部65に開口され、液体を収容部65内に注入可能なインク注入部101と、大気と連通する第3大気室72と、第3大気室72に連通し、第3大気室72に大気を導入可能な大気導入部と、収容部65と第3大気室72とを連通させる第2連通路73と、を有し、インク注入部101と収容部65の交差する交差部を液体注入口と定義するとき、前記液体注入口を水平方向と交差する方向で上方に向けた姿勢において、第2連通路73の第3大気室72側から収容部65側に向かう経路のうち上方から下方に向かう経路である第5通路155に、液体を貯留可能な第1バッファー室74及び第2バッファー室75が設けられる、ことを特徴とする液体収容容器。【選択図】図9
Description
本発明は、液体収容容器および液体噴射装置等に関する。
従来、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンターが知られている。インクジェットプリンターでは、印刷用紙などの印刷媒体に、噴射ヘッドから液体の一例であるインクを吐出させることによって、印刷媒体への印刷を行うことができる。このようなインクジェットプリンターでは、従来、液体収容容器の一例であるタンクに貯留されたインクを噴射ヘッドに供給する構成が知られている。このタンクには、インク注入口が設けられている。利用者は、インク注入口からインクをタンクに補充することができる。このようなタンクにおいて、従来、インクが収容される液体収容室と、大気が導入される空気収容室とが、連通部によって互いに連通した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載されたタンクでは、例えば、液体収容室内のインクが連通部を介して空気収容室側に流出しても、空気収容室側に流出したインクを空気収容室に貯留することができる。このため、このタンクでは、液体収容室内のインクが大気開放口を介してタンク外に漏れ出ることを抑えやすい。貯留したインクは、インクジェットプリンターの使用によるインクの消費に伴い、空気収容室から液体収容室に戻されていく。
ところで、上記特許文献1に記載されたタンクでは、液体収容室と空気収容室とを連通させる連通部が細長い流路状を呈している。このため、このタンクでは、連通部の断面積に比して空気収容室の断面積が広い。連通部の断面積に比して空気収容室の断面積が広くなるほど、液体収容室に戻らずに空気収容室内に残留するインクの量が多くなる。この要因としては、例えば、液体収容室内のインクのうち連通部から遠くに位置するインクほど連通部に到達しにくくなることが挙げられる。空気収容室に残留するインクは、印刷に寄与しない。つまり、空気収容室に残留するインクは、無駄になる。上記特許文献1には、上記により、従来の液体収容容器では、液体の無駄を軽減することが困難であるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
[適用例1]液体を収容可能な液体収容部と、前記液体を前記液体収容部に注入可能な液体注入部と、大気と連通する大気室と、前記大気室に連通し、前記大気室に前記大気を導入可能な大気導入部と、前記液体収容部と前記大気室とを連通させる連通路と、を有し、前記液体注入部と前記液体収容部の交差する交差部を液体注入口と定義するとき、前記液体注入口を水平方向と交差する方向で上方に向けた姿勢において、前記連通路の前記大気室側から前記液体収容部側に向かう経路のうち上方から下方に向かう経路に、前記液体を貯留可能な貯留部が設けられる、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例の液体収容容器では、液体注入口から液体収容部に導入された液体が液体収容部から連通路内に流入した場合、連通路内に流入した液体は、大気室に到達するよりも先に貯留部に到達する。貯留部は、連通路の大気室側から収容部側に向かう経路のうち上方から下方に向かう経路に設けられている。このため、液体収容部から貯留部に向かう液体は、連通路を下方から上方に向かって流れる。これにより、貯留部に到達した液体の液位は、貯留部の下方から上方に向かって上昇していく。つまり、貯留部に到達した液体は、貯留部の下方から上方に向かって溜まっていく。
例えば、貯留部が下方から上方に向かう経路に設けられている場合には、液体が貯留部よりも上方から貯留部に向かって流れる。このとき、上方から下方に向かって流れる液体が勢いによって貯留部の内部に到達できずに貯留部を通過してしまったり、貯留部内に到達できた液体が重力の作用で貯留部から流出してしまったりすることがある。このようなことが発生すると、貯留部の容量を十分に活用することができない。
このようなことに対して、本適用例では、貯留部に到達した液体が貯留部の下方から上方に向かって溜まっていくので、貯留部の容量を効率よく活用することができる。貯留部内において、液体は貯留部の下部側に集まるので、貯留部内の液体は貯留部から下方に向かって、すなわち液体収容部側に向かって連通路に戻りやすい。これにより、貯留部内に残留する液体の量を低減しやすいので、液体の無駄を軽減しやすい。
[適用例2]上記の液体収容容器であって、前記姿勢において、前記大気室が前記液体収容部よりも上方に位置し、前記連通路の一部が前記大気室よりも上方に位置する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、大気室が液体収容部よりも上方に位置し、連通路の一部が大気室よりも上方に位置するので、液体収容部から連通路内に流入した液体は、重力の作用によって大気室よりも上方に上昇しにくい。このため、液体収容部から連通路内に流入した液体が大気室に到達しにくい。この結果、液体収容部から連通路内に流入した液体が液体収容容器から漏れ出ることを抑制しやすい。
[適用例3]上記の液体収容容器であって、前記連通路が第1部分と第2部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分とは、前記姿勢において、前記大気室を水平方向に挟んで互いに反対側に位置する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、大気室の周辺の空間を利用して、大気室の周囲を取り巻くように連通路を形成することで、連通路の経路を長くすることができる。
[適用例4]上記の液体収容容器であって、前記貯留部は、前記大気室の水平方向における断面積よりも小さく、且つ、前記連通路の水平方向における断面積よりも大きい断面積を有する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、貯留部が大気室の断面積よりも小さい断面積を有するので、貯留部の内壁から連通路までの水平方向における距離は、大気室の内壁から連通路までの水平方向における距離よりも短い。このため、貯留部内の液体は、大気室内に流入した液体に比して連通路に到達しやすい。つまり、貯留部内の液体は、大気室内に流入した液体に比して、液体収容部側に戻りやすい。これにより、貯留部内に残留する液体の量を、大気室内に残留する液体の量よりも低減することができる。この結果、貯留部で捕捉できる量の液体が液体収容部から大気室側に流出した場合、貯留部に残留する液体の量を低減することができるので、液体の無駄を軽減することができる。
[適用例5]上記の液体収容容器であって、前記姿勢において、前記貯留部の少なくとも一部が、前記液体注入口よりも上方に位置している、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、液体注入口までいっぱいに液体が注入されても、液体注入口よりも高い位置に液体が進行しにくいので、貯留部が液体で満たされてしまうことを避けやすい。
[適用例6]上記の液体収容容器であって、溝を有するケース部材と、前記溝を覆うことによって前記溝を塞ぐシート部材と、を有し、前記連通路の上方から下方に向かう前記経路のうちの少なくとも一部が、前記溝と前記シート部材とによって囲まれた空間によって構成されており、前記貯留部は、前記溝の一部における深さが前記溝の他の部分における深さよりも深く形成されていることによって構成されている、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、液体収容容器が、ケース部材とシート部材とを含む。ケース部材の溝をシート部材で塞ぐことによって連通路の少なくとも一部が構成されている。そして、溝の一部における深さを溝の他の部分における深さよりも深く形成することによって貯留部が構成される。この構成によれば、溝の深さを深くすることによって、貯留部の断面積を連通部の断面積よりも大きくすることができる。
[適用例7]上記の液体収容容器であって、前記姿勢において、前記溝のうち前記貯留部に対応する部位の上部側よりも下部側の方が浅い、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、液体注入口を水平方向と交差する方向で上方に向けた姿勢において、貯留部に対応する溝の部位の上部側よりも下部側の方が浅い。貯留部に溜まった液体は、貯留部の下部側に向かって重力が作用するので、貯留部の下部側から連通部に戻りやすい。このとき、この液体収容容器では、貯留部に対応する溝の部位の上部側よりも下部側の方が浅いので、貯留部内の液体は、貯留部の上部側よりも下部側において連通部に対応する溝の部位に近づきやすい。このため、貯留部の上部側から下部側に向かうにつれて貯留部内の液体を連通部に導きやすい。この結果、貯留部に溜まった液体を連通部に戻しやすい。これにより、貯留部に残留する液体の量を一層低減することができるので、液体の無駄を一層軽減することができる。
[適用例8]上記の液体収容容器であって、前記ケース部材には、前記ケース部材の前記シート部材側とは反対側に向かって凹となる凹部が設けられており、前記シート部材は、前記凹部を覆うことによって前記凹部を塞いでおり、前記液体収容部の少なくとも一部が、前記凹部と前記シート部材とで囲まれた空間によって構成されており、前記凹部内に、前記シート部材側に向かって凸となるリブが設けられている、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、ケース部材の凹部をシート部材で塞ぐことによって収容部の少なくとも一部が構成されている。凹部内には、シート部材側に向かって凸となるリブが設けられている。この構成によれば、シート部材が凹部内に向かって変形したときのシート部材の変形をリブによって規制しやすい。
[適用例9]上記の液体収容容器であって、前記シート部材が、前記リブに接合されている、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、シート部材がリブに接合されているので、シート部材のケース部材側とは反対側への変形を規制しやすい。
[適用例10]上記の液体収容容器であって、前記凹部は、前記リブを挟んで互いに対面する2つの内壁を有しており、前記2つの内壁のうちの一方の内壁と前記リブとの間隔が、前記2つの内壁のうちの他方の内壁と前記リブとの間隔に等しい、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、シート部材の変形を、一方の内壁とリブとの間と、他方の内壁とリブとの間とで同等に規制しやすい。
[適用例11]上記の液体収容容器であって、前記凹部は、互いに対面する2つの内壁を有しており、前記凹部内には、前記2つの内壁が対面する方向に沿って並ぶ複数の前記リブが設けられており、前記2つの内壁のうちの一方の内壁と、前記方向において前記一方の内壁に隣り合う前記リブとの間隔と、前記2つの内壁のうちの他方の内壁と、前記方向において前記他方の内壁に隣り合う前記リブとの間隔と、前記方向において隣り合う2つの前記リブの間隔と、が相互に等しい、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、シート部材の変形を、一方の内壁とこの内壁に隣り合うリブとの間と、他方の内壁とこの内壁に隣り合うリブとの間と、隣り合う2つのリブ間とで相互に同等に規制しやすい。
[適用例12]第1ケースと、前記第1ケースに覆われ、印刷動作を実行可能な機構部分である機構ユニットと、前記第1ケースに結合する第2ケースと、複数の、上記液体収容容器と、を有し、前記複数の液体収容容器は、前記第2ケースに覆われ、供給チューブを介して前記液体を前記機構ユニットの印刷部に供給可能に配置されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例の液体噴射装置では、複数の液体収容容器を同一の第2ケース内に配置できるため、複数の液体収容容器における液体の残留量のばらつきを低減することができる。この結果、複数の液体収容容器を用いる場合でも、すべての液体収容容器に対し、液体の無駄の軽減という効果をもたらすことができる。
[適用例13]ケースと、前記ケースに覆われ、印刷動作を実行可能な機構部分である機構ユニットと、複数の、上記液体収容容器と、を有し、前記複数の液体収容容器は、前記ケースに覆われ、供給チューブを介して前記液体を前記機構ユニットの印刷部に供給可能に配置されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例の液体噴射装置では、複数の液体収容容器を同一のケース内に配置できるため、複数の液体収容容器における液体の残留量のばらつきを低減することができる。この結果、複数の液体収容容器を用いる場合でも、すべての液体収容容器に対し、液体の無駄の軽減という効果をもたらすことができる。
液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)を例に、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態におけるプリンター1は、図1に示すように、第1ケース3と、タンクユニット5と、を有している。プリンター1は、液体の一例であるインクによって、印刷用紙などの印刷媒体Pに印刷を行うことができる。タンクユニット5は、ケース部材の一例である第2ケース7と、複数(2個以上)のタンク9と、を有している。第1ケース3と第2ケース7とが、プリンター1の外殻を構成している。なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+方向(正方向)を示しており、矢印の向きとは逆向きが−方向(負方向)を示している。プリンター1が使用される状態において、プリンター1は、X軸方向とY軸方向とによって規定される水平な平面に配置される。プリンター1の使用状態において、Z軸方向は、水平な平面に直交する方向であり、−Z軸方向が鉛直下方向となる。
第1ケース3には、プリンター1の機構ユニット10(図3)が収容されている。機構ユニット10は、プリンター1において、印刷動作を実行する機構部分である。機構ユニット10の詳細については、後述する。複数のタンク9は、図1に示すように第2ケース7内に収容されており、それぞれ、印刷に供するインクを収容している。本実施形態では、4つのタンク9が設けられている。4つのタンク9では、インクの種類がタンク9ごとに異なる。本実施形態では、インクの種類として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類が採用されている。そして、ブラックのインクを収容するタンク9と、イエローのインクを収容するタンク9と、マゼンタのインクを収容するタンク9と、シアンのインクを収容するタンク9とが、1つずつ設けられている。プリンター1では、複数のタンク9が、第1ケース3の外側に設けられている。このため、プリンター1では、複数のタンク9は、機構ユニット10を覆う第1ケース3に内蔵されていない。
また、プリンター1には、排紙部11が設けられている。プリンター1では、排紙部11から印刷媒体Pが排出される。プリンター1において、排紙部11が設けられている面が正面13とされている。また、プリンター1は、正面13に交差する上面15に操作パネル17を有している。操作パネル17には、電源ボタン18Aや、その他の操作ボタン18Bなどが設けられている。タンクユニット5は、第1ケース3において、正面13と上面15とに交差する側部19に設けられている。第2ケース7には、窓部21が設けられている。窓部21は、第2ケース7において、正面23と上面25とに交差する側部27に設けられている。窓部21は、光透過性を有している。そして、窓部21に重なる位置に、上述した4つのタンク9が設けられている。このため、プリンター1を使用する作業者は、窓部21を介して4つのタンク9を視認することができる。
本実施形態では、各タンク9の窓部21に対面する部位が光透過性を有している。各タンク9の光透過性を有する部位から、タンク9内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部21を介して4つのタンク9を視認することによって、各タンク9におけるインクの量を視認することができる。各タンク9には、窓部21に対面する部位に、インクの量の上限を示す上限マーク28と、インクの量の下限を示す下限マーク29とが設けられている。作業者は、上限マーク28及び下限マーク29を目印にして各タンク9におけるインクの量を把握することができる。なお、第1ケース3と第2ケース7とは、互いに別体で構成されている。このため、本実施形態では、図2に示すように、第2ケース7を第1ケース3から分離することができる。第2ケース7は、取付けビス31によって第1ケース3に結合されている。また、図2に示すように、第2ケース7は、4つ(2個以上)のタンク9の例えば正面、上面、側面のように、少なくとも一部を覆っている。
プリンター1は、機構ユニット10を示す斜視図である図3に示すように、印刷部41と、供給チューブ43と、を有している。印刷部41は、キャリッジ45と、印刷ヘッド47と、4つの中継ユニット49と、を有している。印刷ヘッド47と4つの中継ユニット49とは、キャリッジ45に搭載されている。供給チューブ43は、可撓性を有しており、タンク9と中継ユニット49との間に設けられている。タンク9内のインクは、供給チューブ43を介して中継ユニット49に送られる。中継ユニット49は、タンク9から供給チューブ43を介して供給されたインクを印刷ヘッド47に中継する。印刷ヘッド47は、供給されたインクをインク滴として吐出する。
また、プリンター1は、媒体搬送機構(図示せず)と、ヘッド搬送機構(図示せず)と、を有している。媒体搬送機構は、図示しないモーターからの動力によって搬送ローラー51を駆動することによって、印刷媒体PをY軸方向に沿って搬送する。ヘッド搬送機構は、モーター53からの動力をタイミングベルト55を介してキャリッジ45に伝達することによって、キャリッジ45をX軸方向に沿って搬送する。印刷ヘッド47は、キャリッジ45に搭載されている。このため、印刷ヘッド47は、ヘッド搬送機構によって、キャリッジ45を介してX軸方向に搬送され得る。なお、印刷ヘッド47は、印刷媒体Pに対面した状態でキャリッジ45に支持されている。媒体搬送機構及びヘッド搬送機構によって、印刷媒体Pに対する印刷ヘッド47の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド47からインクを吐出することによって印刷媒体Pに印刷が施される。
タンク9について種々の実施形態を説明する。なお、以下においては、タンク9を実施形態ごとに識別するため、タンク9の符号に、実施形態ごとに異なるアルファベット文字を付記する。
(第1実施形態)
第1実施形態におけるタンク9Aについて説明する。タンク9Aは、図4に示すように、タンク本体の一例であるケース61と、シート部材63と、を有している。ケース61は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材63は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。本実施形態では、シート部材63は、光透過性を有している。タンク9Aは、ケース61とシート部材63とを接合した構成を有している。ケース61には、接合部64が設けられている。図4では、構成をわかりやすく示すため、接合部64にハッチングが施されている。ケース61の接合部64にシート部材63が接合されている。本実施形態では、溶着によってケース61とシート部材63とが接合されている。
第1実施形態におけるタンク9Aについて説明する。タンク9Aは、図4に示すように、タンク本体の一例であるケース61と、シート部材63と、を有している。ケース61は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材63は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。本実施形態では、シート部材63は、光透過性を有している。タンク9Aは、ケース61とシート部材63とを接合した構成を有している。ケース61には、接合部64が設けられている。図4では、構成をわかりやすく示すため、接合部64にハッチングが施されている。ケース61の接合部64にシート部材63が接合されている。本実施形態では、溶着によってケース61とシート部材63とが接合されている。
タンク9Aは、図5に示すように、収容部65と、連通部67と、を有している。連通部67は、第1大気室68と、第2大気室69と、第1連通路71と、第3大気室72と、第2連通路73と、第1バッファー室74と、第2バッファー室75と、を有している。タンク9Aでは、収容部65内にインクが収容される。なお、図5では、シート部材63側からタンク9Aを見た状態が示されており、シート部材63越しにケース61が図示されている。収容部65と、第1大気室68と、第2大気室69と、第1連通路71と、第3大気室72と、第2連通路73とは、接合部64によって相互に仕切られている。第1バッファー室74と、第2バッファー室75とは、それぞれ、第2連通路73内に設けられている。
ケース61は、第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87と、第8壁88と、を有している。第5壁85の収容部65側とは反対側に、第1大気室68と、第2大気室69と、第1連通路71と、第3大気室72とが配置されている。第1壁81をシート部材63側から平面視したときに、収容部65は、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85とによって囲まれている。
また、第1壁81をシート部材63側から平面視したときに、第1大気室68と、第2大気室69と、第1連通路71と、第3大気室72とが、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87と、第8壁88とによって囲まれている。なお、収容部65の第1壁81と、第1大気室68、第2大気室69及び第3大気室72の第1壁81とは、互いに同一の壁である。つまり、本実施形態では、収容部65と、第1大気室68と、第2大気室69と、第3大気室72とが、相互に第1壁81を共有している。
第2壁82、第3壁83、第4壁84、及び第5壁85は、図6に示すように、それぞれ、第1壁81に交差している。第2壁82と第3壁83とは、第1壁81をX軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第4壁84と第5壁85とは、第1壁81をZ軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第2壁82は、第4壁84及び第5壁85のそれぞれに交差している。第3壁83も、第4壁84及び第5壁85のそれぞれに交差している。
第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85とは、第1壁81から+Y軸方向に突出している。これにより、第1壁81を主壁として、主壁から+Y軸方向に伸びる第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85とによって凹部91が構成される。凹部91は、−Y軸方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部91は、+Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図4)側に向かって開口している。換言すれば、凹部91は、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図4)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部91がシート部材63によって塞がれて、収容部65が構成される。なお、第1壁81〜第8壁88は、それぞれ、平坦な壁に限られず、凹凸を含むものであってもよい。
第6壁86は、図5に示すように、第5壁85から、第5壁85の第4壁84側とは反対側、すなわち第5壁85の+Z軸方向側に向かって突出している。第7壁87は、第5壁85から、第5壁85の第4壁84側とは反対側、すなわち第5壁85の+Z軸方向側に向かって突出している。第6壁86と、第7壁87とは、第1大気室68と、第2大気室69と、第1連通路71と、第3大気室72とをX軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第8壁88は、第1大気室68と、第2大気室69と、第1連通路71と、第3大気室72とをZ軸方向に挟んで第5壁85に対峙する位置に設けられている。第6壁86は、第5壁85及び第8壁88のそれぞれに交差している。第7壁87も、第5壁85及び第8壁88のそれぞれに交差している。
第5壁85と第8壁88との間には、第1大気室68と第2大気室69とをZ軸方向に仕切る第9壁93が設けられている。また、第6壁86と第7壁87との間には、第10壁94と第11壁95とが設けられている。第1大気室68及び第2大気室69と第3大気室72との間は、第10壁94及び第11壁95によってX軸方向に隔てられている。第10壁94は、第6壁86よりも第7壁87側に設けられており、第6壁86に対向している。第11壁95は、第7壁87よりも第6壁86側に設けられており、第7壁87に対向している。なお、第11壁95は、第10壁94よりも第7壁87側に設けられている。
第6壁86と、第7壁87と、第8壁88と、第9壁93と、第10壁94と、第11壁95とは、図6に示すように、それぞれ、第1壁81から+Y軸方向に突出している。第1壁81から+Y軸方向に伸びる第6壁86と、第9壁93と、第10壁94と、第8壁88とによって凹部97が構成される。また、第1壁81から+Y軸方向に伸びる第6壁86と、第5壁85と、第10壁94と、第9壁93とによって凹部98が構成される。また、第1壁81から+Y軸方向に伸びる第5壁85と、第7壁87と、第8壁88と、第11壁95とによって凹部99が構成される。
凹部97、凹部98、及び凹部99は、それぞれ、+Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図4)側に向かって開口している。換言すれば、凹部97、凹部98、及び凹部99は、それぞれ、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図4)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部97がシート部材63によって塞がれて、第1大気室68が構成される。同様に、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部98がシート部材63によって塞がれて第2大気室69が構成され、凹部99がシート部材63によって塞がれて第3大気室72が構成される。なお、第2壁82〜第8壁88、第9壁93〜第11壁95の第1壁81からの突出量は、相互に同じ突出量に設定されている。
第2壁82と第6壁86とは、X軸方向に段差を有している。第2壁82は、第6壁86よりも第3壁83側、すなわち第6壁86よりも−X軸方向側に位置している。また、第3壁83と第7壁87とは、X軸方向に段差を有している。第7壁87は、第3壁83よりも第2壁82側、すなわち第3壁83よりも+X軸方向側に位置している。そして、第1壁81をシート部材63側から平面視した状態で、第3壁83と第7壁87との間にインク注入部101が設けられている。インク注入部101は、第5壁85に設けられている。
第1連通路71は、図5に示すように、第10壁94と第11壁95との間に設けられており、第2大気室69と第3大気室72とを連通させている。第2連通路73は、収容部65、第1大気室68、第2大気室69、第1連通路71、及び第3大気室72の外側に設けられている。第2連通路73は、第3大気室72と収容部65とを連通させている。第9壁93には、連通口102が設けられている。連通口102を介して第1大気室68と第2大気室69とが連通している。第2大気室69は、連通口103を介して第1連通路71に通じている。また、第3大気室72は、連通口104を介して第1連通路71に通じている。第1連通路71は、蛇行している。第2大気室69は、第1連通路71を介して蛇行してから第3大気室72に通じる。
図6に示すように、ケース61には、張り出し部105が設けられている。第2連通路73は、張り出し部105に設けられている。張り出し部105は、第5壁85のうち第7壁87よりも−X軸方向側の領域において、凹部91の開口の縁に沿って第5壁85から+Z軸方向側に向かって張り出した部位105Aを有する。部位105Aは、第7壁87において、凹部99の開口の縁に沿って第7壁87から−X軸方向側に向かって張り出してもいる。また、張り出し部105は、第8壁88から+Z軸方向側に向かって張り出した部位105Bを有する。また、張り出し部105は、第6壁86において、凹部97及び凹部98の開口の縁に沿って第6壁86から+X軸方向側に向かって張り出した部位105Cを有する。また、張り出し部105は、第2壁82において、凹部91の開口の縁に沿って第2壁82から+X軸方向側に向かって張り出した部位105Dを有する。第2連通路73は、張り出し部105に、シート部材63側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられた溝117として構成されている。
ここで、凹部91内には、凹部109が設けられている。凹部109は、第4壁84よりも第5壁85側とは反対側に向かって、すなわち第4壁84よりも−Z軸方向側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、凹部109において、第3壁83と第2壁82とに対面する壁111に、供給口113が設けられている。このため、第1壁81を平面視した状態で、第3壁83と第2壁82との間に供給口113が設けられている。インク注入部101と供給口113とは、それぞれ、ケース61の外側と凹部91の内側とを連通させる。なお、供給口113は、壁111からX軸方向に沿って第2壁82側に向かって突出している。
また、第8壁88には、大気連通口115が設けられている。大気連通口115は、第8壁88から、第8壁88の第5壁85側とは反対側、すなわち第8壁88の+Z軸方向側に突出している。大気連通口115は、第8壁88を平面視したときに、すなわち第8壁88をXY平面で平面視したときに、凹部97に重なる位置に設けられている。大気連通口115は、ケース61の外側と凹部97の内側とを連通させる。大気連通口115は、ケース61の外側の大気を凹部97の内側に導入するための大気の通路である。なお、ケース61において、接合部64は、凹部91、凹部97、凹部98、凹部99、凹部109、第1連通路71、及び第2連通路73のそれぞれの輪郭に沿って設けられている。
シート部材63は、図4に示すように、第2壁82〜第8壁88をY軸方向に挟んで第1壁81に対面している。シート部材63は、平面視で、凹部91、凹部97、凹部98、凹部99、凹部109及び張り出し部105を覆う大きさを有している。シート部材63は、第1壁81との間に隙間を有した状態で、接合部64に溶着されている。これにより、凹部91、凹部97、凹部98、凹部99、凹部109、第1連通路71、及び第2連通路73が、シート部材63によって封止される。このため、シート部材63は、ケース61に対する蓋であるともみなされ得る。
第2連通路73は、図5に示すように、連通口106と、連通口107と、を有している。連通口106は、第3大気室72の内側に向かって開口する開口部である。連通口107は、収容部65の内側に向かって開口する開口部である。第3大気室72は、連通口106から第2連通路73を介して連通口107を経て収容部65に通じている。上記により、収容部65は、第2連通路73、第3大気室72、第1連通路71、第2大気室69、第1大気室68、及び大気連通口115を介してタンク9Aの外部に通じている。つまり、連通部67は、大気連通口115と収容部65との間を連通させている。大気連通口115から第1大気室68内に流入した大気は、連通口102を介して第2大気室69に流入する。第2大気室69に流入した大気は、第1連通路71を介して第3大気室72に流入する。そして、第3大気室72に流入した大気は、第2連通路73を介して収容部65内に流入する。
インク注入部101は、第5壁85に設けられている。インク注入部101は、図6に示すように、第7壁87と張り出し部105と第3壁83と第1壁81とによって囲まれた凹部121内に設けられている。前述したように、張り出し部105は、第5壁85よりも第8壁88側に突出している。また、第7壁87も、第5壁85よりも第8壁88側に突出している。同様に、本実施形態では、第1壁81及び第3壁83も、それぞれ、第5壁85よりも第8壁88側に突出している。そして、張り出し部105は、第7壁87及び第3壁83の双方に交差している。また、第1壁81は、第3壁83及び第7壁87の双方に交差している。このため、第5壁85のうち第7壁87よりも第3壁83側の領域は、第7壁87と張り出し部105と第3壁83と第1壁81とによって囲まれた凹部121を構成している。凹部121は、第5壁85側から第4壁84側に向かって凹となる向きに設けられている。
上記の構成により、インク注入部101は、第7壁87と張り出し部105と第3壁83と第1壁81とによって囲まれている。換言すれば、第5壁85のうち第7壁87と張り出し部105と第3壁83と第1壁81とによって囲まれた領域内にインク注入部101が設けられている。そして、凹部121は、インク受け部の機能を有する。インク受け部は、例えば、インク注入部101から溢れたインクや、注入の際に垂れ落ちたインクを受けることができる。このように、凹部121は、インクを受けるインク受け部としての機能を有する。
ケース61において、第6壁86の凹部97側とは反対側に、凹部123が設けられている。凹部123と凹部97とは、第6壁86を挟んでX軸方向に並んでいる。また、ケース61において、第6壁86の凹部98側とは反対側に、凹部124が設けられている。凹部124と凹部98とは、第6壁86を挟んでX軸方向に並んでいる。凹部123及び凹部124は、それぞれ、シート部材63(図4)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。凹部123と凹部124とは、いずれも溝117内に設けられており、第12壁125を挟んでZ軸方向に並んでいる。凹部123及び凹部124は、それぞれ、溝117の一部における深さを深くした構成であるともみなされ得る。
ケース61にシート部材63が接合されると、溝117がシート部材63によって塞がれて、図5に示すように、第2連通路73が構成される。そして、第2連通路73において、凹部123が第1バッファー室74として構成され、凹部124が第2バッファー室75として構成される。ここで、上述したように、凹部123及び凹部124は、それぞれ、溝117の一部における深さを深くした構成であるともみなされ得る。このため、第1バッファー室74及び第2バッファー室75は、第2連通路73の一部における深さを深くした構成であるとみなされ得る。よって、第1バッファー室74及び第2バッファー室75のそれぞれの水平方向(XY平面)における断面積は、第2連通路73の水平方向(XY平面)における断面積よりも広い。第1バッファー室74及び第2バッファー室75のそれぞれの水平方向(XY平面)における断面積は、第3大気室72の水平方向(XY平面)における断面積よりも狭い。そして、第1バッファー室74及び第2バッファー室75のそれぞれの容積は、第3大気室72の容積よりも小さい。
収容部65内には、図5に示すように、複数の支持部127が設けられている。本実施形態では、2つの支持部127が設けられている。以下において、2つの支持部127のそれぞれを識別する場合に、2つの支持部127は、それぞれ、支持部127A及び支持部127Bと表記される。2つの支持部127は、X軸方向に並んでいる。2つの支持部127のうち支持部127Aは、支持部127Bよりも第3壁83側に位置している。2つの支持部127は、それぞれ、第2壁82、第3壁83、第4壁84及び第5壁85のそれぞれから離間している。本実施形態では、第3壁83と支持部127Aとの間隔と、支持部127Aと支持部127Bとの間隔と、第2壁82と支持部127Bとの間隔と、が相互に同等に設定されている。この構成によれば、シート部材63の変形を、第3壁83と支持部127Aとの間と、支持部127Aと支持部127Bと間と、及び、第2壁82と支持部127Bとの間とで相互に同等に規制することができる。なお、1つの支持部127を設ける構成では、第3壁83と支持部127との間隔と、第2壁82と支持部127との間隔とが、互いに同等に設定される。これにより、シート部材63の変形を、第3壁83と支持部127との間と、第2壁82と支持部127との間とで同等に規制することができる。
2つの支持部127は、図6に示すように、第1壁81に設けられており、第1壁81からシート部材63(図4)側に向かって、すなわち+Y軸方向側に向かって突出している。2つの支持部127は、それぞれ、YZ平面に沿って延在する板状を呈している。2つの支持部172の第1壁81からの突出量は、第2壁82〜第5壁85の第1壁81からの突出量と同等に設定されている。そして、2つの支持部127のそれぞれにおいて、第1壁81側とは反対側、すなわちシート部材63(図4)側の端部に接合部64が設けられている。シート部材63は、2つの支持部127のそれぞれにおける接合部64にも接合される。
インク注入部101は、インク注入部101、供給口113及び大気連通口115をXZ平面で切断したときの断面図である図7に示すように、開口128と、側壁129と、を有している。開口128は、第5壁85に設けられた貫通孔である。開口128は、インク注入部101と収容部65の交差する交差部でもある。インク注入部101の構成としては、側壁129が収容部65の内側に突出している構成も採用され得る。側壁129が収容部65の内側に突出している構成においても、インク注入部101と収容部65の交差する交差部を開口128と定義する。凹部91は、貫通孔である開口128を介して凹部91の外側に通じている。側壁129は、第5壁85の第4壁84側とは反対側に設けられており、開口128の周囲を囲み、インク注入路を形成している。側壁129は、第5壁85から第4壁84側とは反対側に向かって突出している。なお、本実施形態では、側壁129は、第1壁81及び第3壁83のそれぞれよりも第4壁84側とは反対側に突出している。側壁129によって、凹部121に溜まったインクが開口128に流入することを妨げることができる。なお、第1バッファー室74(図5)は、Z軸方向において開口128よりも上方に位置している。
タンク9Aでは、タンク9Aをシート部材63側から見たときの側面図である図8に示すように、収容部65の内部にインク141が収容される。図8では、構成をわかりやすく示すため、シート部材63の図示が省略され、且つ接合部64にハッチングが施されている。収容部65内のインク141は、供給口113から印刷ヘッド47に供給される。本実施形態では、プリンター1を印刷に使用する状態において、供給口113に供給チューブ43が接続され、インク注入部101にキャップ143がされる。凹部91内のインク141は、中継ユニット49を介して供給チューブ43内を吸引することによって、供給口113から印刷ヘッド47に到達する。
印刷ヘッド47による印刷にともなって収容部65内のインク141が印刷ヘッド47側に送られる。このため、印刷ヘッド47による印刷にともなって、収容部65内の圧力が大気圧よりも低くなる。収容部65内の圧力が大気圧よりも低くなると、第3大気室72内の大気が第2連通路73を通って収容部65内に送られる。これにより、収容部65内の圧力が大気圧に保たれやすい。なお、第3大気室72には、大気連通口115から第1大気室68、第2大気室69、及び第1連通路71をこの順に経て大気が流入する。上記により、タンク9A内のインク141が印刷ヘッド47に供給される。タンク9Aにおける収容部65内のインク141が消費され、インク141の残量が少なくなると、作業者は、インク注入部101から新たなインクを収容部65内に補充することができる。
第2連通路73は、図9に示すように、第1通路151と、第2通路152と、第3通路153と、第4通路154と、第5通路155と、第6通路156と、に区分され得る。第1通路151は、連通口106を起点として、第5壁85に沿って、すなわちX軸方向に沿って第3壁83に向かっている。第1通路151は、連通口106から反転部161に至っている。反転部161は、第2連通路73における流路の向きが反転する部位である。反転部161では、流路の向きが−X軸方向から+X軸方向に反転する。なお、大気連通口115から収容部65に至る大気の経路において、大気連通口115側を上流側とし、連通口107側を下流側とする。
第2通路152は、反転部161から第1通路151の延在方向に沿って、すなわちX軸方向に沿って第7壁87に向かっている。第2通路152は、反転部161から屈曲部162に至っている。屈曲部162は、第2連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部162では、流路の向きが+X軸方向から+Z軸方向に屈曲する。第3通路153は、屈曲部162から第7壁87に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第8壁88に向かっている。第3通路153は、屈曲部162から屈曲部163に至っている。屈曲部163は、第2連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部163では、流路の向きが+Z軸方向から+X軸方向に屈曲する。
第4通路154は、屈曲部163から第8壁88に沿って、すなわちX軸方向に沿って第6壁86に向かっている。Z軸方向において、第4通路154は、第3大気室72よりも上方に位置している。第4通路154は、屈曲部163から屈曲部164に至っている。屈曲部164は、第2連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部164では、流路の向きが+X軸方向から−Z軸方向に屈曲する。第5通路155は、屈曲部164から第6壁86に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第4壁84に向かっている。第5通路155は、屈曲部164から反転部165に至っている。
上述したように、Z軸方向において、第4通路154が第3大気室72よりも上方に位置している。つまり、第2連通路73の一部が第3大気室72よりも上方に位置している。この構成によれば、収容部65から第2連通路73内に流入したインクは、重力の作用によって第3大気室72よりも上方に上昇しにくい。このため、収容部65から第2連通路73内に流入したインクが第3大気室72に到達しにくい。この結果、収容部65から第2連通路73内に流入したインクがタンク9Aから漏れ出ることを抑制しやすい。
また、タンク9Aでは、第3通路153と第5通路155とが、第3大気室72をX軸方向に挟んで互いに反対側に位置している。この構成によれば、第3大気室72の周辺の空間を利用して、第3大気室72の周囲を取り巻くように第2連通路73を形成することで、第2連通路73の経路を長くすることができる。第2連通路73の経路を長くすることは、収容部65内のインクの液体成分の蒸発させにくくするという観点や、収容部65から第2連通路73内に流入したインクを第3大気室72に到達させにくくするという観点などから好ましい。
反転部165は、第2連通路73における流路の向きが反転する部位である。反転部165では、流路の向きが−Z軸方向から+Z軸方向に反転する。第6通路156は、反転部165から第2壁82に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第5壁85に向かっている。第6通路156は、反転部165から屈曲部166を経て連通口107に至っている。屈曲部166は、第2連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。第2連通路73は、屈曲部166において流路の向きが+Z軸方向から−X軸方向に屈曲してから、連通口107を介して収容部65内に通じている。
第1バッファー室74及び第2バッファー室75は、それぞれ、第2連通路73のうち第5通路155に設けられている。第1バッファー室74は、Z軸方向において第9壁93と第8壁88との間に配置されている。第2バッファー室75は、Z軸方向において第5壁85と第9壁93との間に配置されている。このため、鉛直方向において、第1バッファー室74は、第2バッファー室75よりも上方に位置している。
なお、第1バッファー室74及び第2バッファー室75の配置箇所は、第5通路155に限定されない。第1バッファー室74及び第2バッファー室75の配置箇所としては、それぞれ、第1通路151〜第6通路156のいずれの部位も採用され得る。また、第1バッファー室74及び第2バッファー室75の配置箇所としては、それぞれ、反転部161、反転部165、屈曲部162、屈曲部163、屈曲部164、及び屈曲部166のいずれの部位も採用され得る。
連通口106は、第7壁87と第5壁85とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口106は、鉛直方向において第3大気室72の下端に位置している。連通口107は、第2壁82と第5壁85とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口107は、鉛直方向において収容部65の上端に位置している。本実施形態では、連通口107は、鉛直方向において第2バッファー室75よりも下方に位置している。また、連通口103は、第5壁85と第10壁94とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口103は、鉛直方向において第2大気室69の下端に位置している。連通口104は、第5壁85と第11壁95とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口104は、鉛直方向において第3大気室72の下端に位置している。
ここで、連通口107は、図7に示すように、鉛直方向において、上限マーク28よりも上方に位置している。上限マーク28は、第5壁85よりも鉛直方向で下方に位置している。このため、上限マーク28は、インク注入部101の開口128よりも鉛直方向で下方に位置している。これにより、作業者がインクをインク注入部101からタンク9A内に注入するときに、インクが上限マーク28を超えて開口128まで達することを避けやすい。このため、作業者がインクをインク注入部101からタンク9A内に注入するときに、インクがインク注入部101から溢れることを避けやすい。
第1実施形態において、Z軸方向が水平方向と交差する方向に対応し、収容部65が液体収容部に対応し、インク注入部101が液体注入部に対応し、開口128が液体注入口に対応し、第3大気室72が大気室に対応している。また、大気連通口115、第1大気室68、連通口102、第2大気室69、及び第1連通路71が大気導入部に対応している。また、第2連通路73が連通路に対応し、第1バッファー室74及び第2バッファー室75のそれぞれが貯留部に対応し、ケース61がケース部材に対応している。また、支持部127がリブに対応している。また、第2壁82及び第3壁83が、リブを挟んで互いに対面する2つの内壁に対応している。また、第3通路153及び第5通路155の一方が第1部分に対応し、第3通路153及び第5通路155の他方が第2部分に対応している。
第1実施形態では、第2連通路73に第1バッファー室74及び第2バッファー室75が設けられている。このため、例えば、収容部65内のインクが第2連通路73を第3大気室72側に向かって逆流しても、インクを第1バッファー室74及び第2バッファー室75で捕捉することができるので、収容部65内のインクが第3大気室72に至ることを抑えやすい。これにより、収容部65内のインクが大気連通口115からタンク9Aの外に漏出することを避けやすい。なお、バッファー室の個数は、第1バッファー室74及び第2バッファー室75の2つに限定されない。バッファー室の個数としては、1つや、3つ以上の個数も採用され得る。
また、第1実施形態では、第1バッファー室74及び第2バッファー室75が、第2連通路73の第5通路155(図9)に設けられている。収容部65内のインクが第2連通路73を第3大気室72側に向かって逆流した場合、第5通路155では、逆流したインクがZ軸方向において下方から上方に向かって流れる。この流れの向きは、第3大気室72側から収容部65側に向かって大気が流れる向きと逆になる。第5通路155を下方から上方に向かって流れるインク141は、第1バッファー室74をYZ平面で切断したときの断面図である図10(A)に示すように、第1バッファー室74の下方から上方に向かって溜まっていく。このため、第1バッファー室74に到達したインク141の液位は、第1バッファー室74の下方から上方に向かって上昇していく。
ここで、例えば、収容部65側から第3大気室72側に向かって逆流するインク141が第5通路155において上方から下方に向かって流れる場合、逆流するインク141は、第1バッファー室74よりも上方から第1バッファー室74に向かって流れる。このとき、図10(B)に示すように、インク141が第1バッファー室74の内部に到達できずに第1バッファー室74を通過してしまったり、第1バッファー室74内に到達できたインク141が重力の作用で第1バッファー室74から流出してしまったりすることが考えられる。このようなことが発生すると、第1バッファー室74の容量を十分に活用することができない。
このようなことに対して、本実施形態では、第1バッファー室74に到達したインク141が第1バッファー室74の下方から上方に向かって溜まっていくので、第1バッファー室74の容量を効率よく活用することができる。
また、本実施形態によれば、第1バッファー室74が第3大気室72の断面積よりも小さい断面積を有するので、第1バッファー室74の内壁から第2連通路73までの水平方向における距離は、第3大気室72の内壁から第2連通路73までの水平方向における距離よりも短い。このため、第1バッファー室74内のインクは、第3大気室72内に流入したインクに比して第2連通路73に到達しやすい。つまり、第1バッファー室74内のインクは、第3大気室72内に流入したインクに比して、第2連通路73に戻りやすい。これにより、第1バッファー室74内に残留するインクの量を、第3大気室72内に残留するインクの量よりも低減することができる。この結果、第1バッファー室74で捕捉できる量のインクが収容部65から第3大気室72側に流出した場合、第1バッファー室74に残留するインクの量を低減することができるので、インクの無駄を軽減することができる。
また、第1実施形態では、第2バッファー室75の上流側に第1バッファー室74が設けられているので、第2バッファー室75から溢れたインクを第1バッファー室74で捕捉することができる。これにより、収容部65内のインクが第3大気室72に至ることを一層抑えやすいので、収容部65内のインクが大気連通口115からタンク9Aの外に漏出することを一層避けやすい。
また、第1実施形態では、前述したように、第1バッファー室74がZ軸方向において開口128よりも上方に位置している。この構成によれば、例えば、開口128までいっぱいにインクが注入されても、開口128よりも高い位置にインクが進行しにくいので、第1バッファー室74がインクで満たされてしまうことを避けやすい。なお、第1バッファー室74がインクで満たされてしまうことを避けやすくするには、第1バッファー室74の少なくとも一部がZ軸方向において開口128よりも上方に位置していればよい。この構成においても、第1バッファー室74がインクで満たされてしまうことを避けやすくすることができる。
また、第1実施形態では、連通口107が鉛直方向において上限マーク28よりも上方に位置している。このため、収容部65内のインクが連通口107に到達することを避けやすい。この結果、収容部65内のインクが連通口107から第2連通路73内に流入することを抑えやすいので、収容部65内のインクが大気連通口115からタンク9Aの外に漏出することを避けやすい。
また、第1実施形態では、連通口107が鉛直方向において収容部65の上端に位置している。このため、プリンター1が使用される状態において、収容部65内のインクが連通口107から第2連通路73内に流入することを抑えやすい。この結果、収容部65内のインクが大気連通口115からタンク9Aの外に漏出することを避けやすい。
また、第1実施形態では、第2連通路73に反転部165が設けられている。第2連通路73は、反転部165において、鉛直上方から鉛直下方に向かう向きから、鉛直下方から鉛直上方に向かう向きに反転する。このため、連通口107から第2連通路73内にインクが進入した状態でタンク9Aの姿勢が転じられないと、第2連通路73に進入したインクは、反転部165を越えて第5通路155の上流側に逆流しにくい。このため、収容部65内のインクが第3大気室72に至ることを一層抑えやすい。
また、第1実施形態では、収容部65内にケース61の第1壁81からシート部材63側に向かって突出する支持部127が設けられている。このため、例えば、シート部材63がケース61の第1壁81に向かって、すなわち収容部65の内側に向かって押圧されたときに、シート部材63を支持部127で支えることができる。これにより、シート部材63のたわみを規制しやすい。この結果、例えば、シート部材63が収容部65の内側に向かって押圧されたときの収容部65内の容積の収縮を軽減することができる。このため、例えば、シート部材63が収容部65の内側に向かって押圧されたときに、収容部65内のインクが連通口107から第2連通路73内に流入することを避けやすい。
また、第1実施形態では、収容部65内に複数の支持部127が設けられているので、シート部材63が収容部65の内側に向かって押圧されたときの収容部65内の容積の収縮を一層軽減することができる。このため、例えば、シート部材63が収容部65の内側に向かって押圧されたときに、収容部65内のインクが連通口107から第2連通路73内に流入することを一層避けやすい。
また、第1実施形態では、シート部材63が支持部127に設けられた接合部64に接合されている。このため、シート部材63の位置ずれを抑えやすい。また、例えば、収容部65内の圧力が大気圧よりも高くなったときなどに、収容部65内の容積の増大を軽減することができる。
上記の実施形態では、タンク9Aを、ケース61及びシート部材63で構成する例が示されているが、タンク9Aの構成は、これに限定されない。タンク9Aの構成としては、例えば、ケース61を複数の部材で構成する例も採用され得る。ケース61を複数の部材で構成する例としては、ケース61の第1壁81を他の部材で構成する例が挙げられる。さらに、ケース61の第1壁81を他の部材で構成する例としては、シート部材63とは異なるシート部材で第1壁81を構成する例が挙げられる。この例では、シート部材63と他のシート部材とでケース61を挟持する構成になる。この構成によっても、タンク9Aを構成することができる。
上記の第1実施形態において、第1バッファー室74の深さが、図11(A)に示すように、Z軸方向で第1バッファー室74の上部側よりも下部側において浅くなる構成も採用され得る。図11(A)に示す例では、第1バッファー室74内に傾斜168が設けられている。傾斜168は、第1バッファー室74の上部側から下部側に向かうにつれて、シート部材63側に近づく向き、すなわち第1バッファー室74の上部側から下部側に向かうにつれて、第1バッファー室74の深さが浅くなる向きに傾斜している。
この構成によれば、第1バッファー室74に溜まったインクは、第1バッファー室74の下部側に向かって重力が作用するので、第1バッファー室74の下部側から第2連通路73に戻りやすい。このとき、第1バッファー室74の深さが上部側よりも下部側において浅い構成であれば、第1バッファー室74内のインクは、第1バッファー室74の上部側よりも下部側において第2連通路73に近づきやすい。このため、第1バッファー室74の上部側から下部側に向かうにつれて第1バッファー室74内のインクを第2連通路73に導きやすい。この結果、第1バッファー室74に溜まったインクを第2連通路73に戻しやすい。これにより、第1バッファー室74に残留するインクの量を一層低減することができるので、インクの無駄を一層軽減することができる。
なお、第1バッファー室74の深さを上部側よりも下部側において浅くする方法としては、例えば、図11(B)に示すように、傾斜168を階段状に構成する方法も採用され得る。この構成においても同様の効果が得られる。また、第2バッファー室75においても傾斜168を設ける構成が採用され得る。第2バッファー室75にも傾斜168を設ければ、第2バッファー室75に残留するインクの量を一層低減することができるので、インクの無駄を一層軽減することができる。なお、図11(A)及び図11(B)では、それぞれ、第1バッファー室74をYZ平面で切断したときの断面図が示されている。
(第2実施形態)
第2実施形態におけるタンク9Bについて説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。タンク9Bは、図12に示すように、ケース171と、シート部材63と、を有している。ケース171は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。タンク9Bは、ケース171とシート部材63とを接合した構成を有している。ケース171には、接合部64が設けられている。図12では、構成をわかりやすく示すため、接合部64にハッチングが施されている。ケース171の接合部64にシート部材63が接合されている。本実施形態では、溶着によってケース171とシート部材63とが接合されている。
第2実施形態におけるタンク9Bについて説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。タンク9Bは、図12に示すように、ケース171と、シート部材63と、を有している。ケース171は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。タンク9Bは、ケース171とシート部材63とを接合した構成を有している。ケース171には、接合部64が設けられている。図12では、構成をわかりやすく示すため、接合部64にハッチングが施されている。ケース171の接合部64にシート部材63が接合されている。本実施形態では、溶着によってケース171とシート部材63とが接合されている。
タンク9Bは、図13に示すように、収容部181と、連通部183と、を有している。連通部183は、第1大気室184と、第1連通路185と、第2大気室186と、第2連通路187と、バッファー室188と、を有している。収容部181内にインクが収容される。なお、図13では、シート部材63側からタンク9Bを見た状態が示されており、シート部材63越しにケース171が図示されている。収容部181と、第1大気室184と、第1連通路185と、第2大気室186と、第2連通路187とは、接合部64によって相互に仕切られている。バッファー室188は、第2連通路187内に設けられている。
ケース171は、ケース61と同様に、第1壁81〜第8壁88を有している。さらに、ケース171は、第9壁191と、第10壁192と、第11壁193と、第12壁194と、を有している。第1大気室184と、第1連通路185と、第2大気室186とは、第5壁85よりも収容部181側とは反対側に配置されている。第1壁81をシート部材63側から平面視したときに、収容部181は、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85と、第9壁191と、第10壁192と、によって囲まれている。
また、第1壁81をシート部材63側から平面視したときに、第1大気室184と、第1連通路185と、第2大気室186とが、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87と、第8壁88と、第9壁191と、第10壁192とによって囲まれている。なお、収容部181の第1壁81と、第1大気室184及び第2大気室186の第1壁81とは、互いに同一の壁である。つまり、本実施形態では、収容部181と、第1大気室184と、第2大気室186とが、相互に第1壁81を共有している。また、ケース171には、インク注入部101、供給口113、及び大気連通口115が設けられている。インク注入部101、供給口113、及び大気連通口115の配置箇所は、それぞれ、第1実施形態と同様である。
第2壁82、第3壁83、第4壁84、第5壁85、第9壁191、及び第10壁192は、図14に示すように、それぞれ、第1壁81に交差している。第2壁82と第3壁83とは、第1壁81をX軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第4壁84と第5壁85とは、第1壁81をZ軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第3壁83は、第4壁84及び第5壁85のそれぞれに交差している。第9壁191は、第5壁85よりも収容部181側とは反対側に位置している。つまり、第9壁191は、鉛直方向で第5壁85よりも上方に位置している。第9壁191は、第4壁84に対峙している。第2壁82は、第4壁84及び第9壁191のそれぞれに交差している。第10壁192は、第2壁82と第3壁83との間に位置している。第10壁192は、第2壁82に対峙している。第10壁192は、第5壁85及び第9壁191のそれぞれに交差している。
第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85と、第9壁191と、第10壁192とは、第1壁81から+Y軸方向に突出している。これにより、第1壁81を主壁として、主壁から+Y軸方向に伸びる第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85と、第9壁191と、第10壁192とによって凹部201が構成される。凹部201は、−Y軸方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部201は、+Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図12)側に向かって開口している。換言すれば、凹部201は、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図12)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース171にシート部材63が接合されると、凹部201がシート部材63によって塞がれて、収容部181が構成される。なお、第1壁81〜第8壁88、第9壁191及び第10壁192は、それぞれ、平坦な壁に限られず、凹凸を含むものであってもよい。
第6壁86は、図13に示すように、第9壁191から、第9壁191の第4壁84側とは反対側、すなわち第9壁191の+Z軸方向側に向かって突出している。第7壁87は、第5壁85から、第5壁85の第4壁84側とは反対側、すなわち第5壁85の+Z軸方向側に向かって突出している。第6壁86と、第7壁87とは、第1大気室184と、第1連通路185と、第2大気室186とをX軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第8壁88は、第1大気室184と、第1連通路185と、第2大気室186とをZ軸方向に挟んで第5壁85及び第9壁191に対峙する位置に設けられている。第6壁86は、第9壁191及び第8壁88のそれぞれに交差している。第7壁87は、第5壁85及び第8壁88のそれぞれに交差している。
第6壁86と第7壁87との間には、第11壁193と第12壁194とが設けられている。第1大気室184と第2大気室186との間は、第11壁193及び第12壁194によってX軸方向に隔てられている。第11壁193は、第6壁86よりも第7壁87側に設けられており、第6壁86に対向している。第12壁194は、第7壁87よりも第6壁86側に設けられており、第7壁87に対向している。なお、第12壁194は、第11壁193よりも第7壁87側に設けられている。
第6壁86と、第7壁87と、第8壁88と、第11壁193と、第12壁194とは、図14に示すように、それぞれ、第1壁81から+Y軸方向に突出している。第1壁81から+Y軸方向に伸びる第6壁86と、第9壁191と、第11壁193と、第8壁88とによって凹部202が構成される。また、第1壁81から+Y軸方向に伸びる第5壁85と、第7壁87と、第8壁88と、第12壁194とによって凹部203が構成される。
凹部202及び凹部203は、それぞれ、+Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図12)側に向かって開口している。換言すれば、凹部202及び凹部203は、それぞれ、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図12)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース171にシート部材63が接合されると、凹部202がシート部材63によって塞がれて、第1大気室184が構成される。同様に、ケース171にシート部材63が接合されると、凹部203がシート部材63によって塞がれて第2大気室186が構成される。なお、第2壁82〜第8壁88、第9壁191〜第12壁194の第1壁81からの突出量は、相互に同じ突出量に設定されている。
第1連通路185は、図13に示すように、第11壁193と第12壁194との間に設けられており、第1大気室184と第2大気室186とを連通させている。第2連通路187は、収容部181、第1大気室184、第1連通路185、及び第2大気室186の外側に設けられている。第2連通路187は、第2大気室186と収容部181とを連通させている。第11壁193には、連通口204が設けられている。第1大気室184は、連通口204を介して第1連通路185に通じている。また、第12壁194には、連通口205が設けられている。第2大気室186は、連通口205を介して第1連通路185に通じている。第1連通路185は、蛇行している。第1大気室184は、第1連通路185を介して蛇行してから第2大気室186に通じる。
図14に示すように、ケース171にも、第1実施形態と同様に張り出し部105が設けられている。ケース171においても、第2連通路187は、張り出し部105に設けられている。ケース171においても、張り出し部105は、部位105Aと、部位105Bと、部位105Cと、部位105Dと、を有する。また、第1実施形態と同様に、第2連通路187は、張り出し部105に、シート部材63側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられた溝117として構成されている。
第2連通路187は、図13に示すように、連通口106と、連通口107と、を有している。連通口106は、第2大気室186の内側に向かって開口する開口部である。連通口107は、収容部181の内側に向かって開口する開口部である。第2大気室186は、連通口106から第2連通路187を介して連通口107を経て収容部181に通じている。上記により、収容部181は、第2連通路187、第2大気室186、第1連通路185、第1大気室184、及び大気連通口115を介してタンク9Bの外部に通じている。つまり、連通部183は、大気連通口115と収容部181との間を連通させている。大気連通口115から第1大気室184内に流入した大気は、第1連通路185を介して第2大気室186に流入する。そして、第2大気室186に流入した大気は、第2連通路187を介して収容部181内に流入する。
図14に示すように、ケース171において、第6壁86の凹部202側とは反対側に、凹部206が設けられている。凹部206と凹部202とは、第6壁86を挟んでX軸方向に並んでいる。凹部206は、シート部材63(図12)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。凹部206は、溝117内に設けられている。凹部206は、溝117の一部における深さを深くした構成であるともみなされ得る。ケース171にシート部材63が接合されると、溝117がシート部材63によって塞がれて、図13に示すように、第2連通路187が構成される。そして、第2連通路187において、凹部206がバッファー室188として構成される。ここで、バッファー室188の水平方向(XY平面)における断面積は、第2連通路187の水平方向(XY平面)における断面積よりも広い。また、バッファー室188の水平方向(XY平面)における断面積は、第2大気室186の水平方向(XY平面)における断面積よりも狭い。
なお、タンク9Bにおいても、第1実施形態と同様に、シート部材63が、2つの支持部127のそれぞれにおける接合部64に接合される。タンク9Bにおいても、第1実施形態と同様に、第3壁83と支持部127Aとの間隔と、支持部127Aと支持部127Bとの間隔と、第2壁82と支持部127Bとの間隔と、が相互に同等に設定されている。また、タンク9Bにおいても、第1実施形態と同様に、第2連通路187は、図15に示すように、第1通路151と、第2通路152と、第3通路153と、第4通路154と、第5通路155と、第6通路156と、に区分され得る。また、タンク9Bにおいても、第1実施形態と同様に、反転部161及び反転部165のそれぞれにおいて、流路の向きが反転する。また、屈曲部162、屈曲部163、及び屈曲部164のそれぞれにおいて、流路の向きが屈曲する。
また、タンク9Bにおいても、第1実施形態と同様に、バッファー室188が、Z軸方向において第5壁85よりも上方に位置している。このため、タンク9Bにおいても、第1実施形態と同様に、バッファー室188が、インク注入部101の開口128(図7)よりも上方に位置している。また、第1実施形態と同様に、バッファー室188がインクで満たされてしまうことを避けやすくするには、バッファー室188の少なくとも一部がZ軸方向において開口128よりも上方に位置していればよい。この構成においても、バッファー室188がインクで満たされてしまうことを避けやすくすることができる。
バッファー室188は、第2連通路187のうち第5通路155に設けられている。バッファー室188は、Z軸方向において第9壁191と第8壁88との間に配置されている。なお、バッファー室188の配置箇所は、第5通路155に限定されない。バッファー室188の配置箇所としては、第1通路151〜第6通路156のいずれの部位も採用され得る。また、バッファー室188の配置箇所としては、反転部161、反転部165、屈曲部162、屈曲部163、屈曲部164、及び屈曲部166のいずれの部位も採用され得る。
タンク9Bでは、連通口106は、第7壁87と第5壁85とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口106は、鉛直方向において第2大気室186の下端に位置している。連通口107は、第2壁82と第9壁191とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口107は、鉛直方向において収容部181の上端に位置している。本実施形態では、連通口107は、鉛直方向においてバッファー室188よりも下方に位置している。また、連通口204は、第9壁191と第11壁193とが交差する交差部に位置している。別の観点では、連通口204は、鉛直方向において第1大気室184の下端に位置している。
第1実施形態と同様に、連通口107は、図13に示すように、鉛直方向において、上限マーク28よりも上方に位置している。上限マーク28は、第5壁85よりも鉛直方向で下方に位置している。このため、上限マーク28は、インク注入部101の開口128よりも鉛直方向で下方に位置している。これにより、作業者がインクをインク注入部101からタンク9B内に注入するときに、インクが上限マーク28を超えて開口128まで達することを避けやすい。このため、作業者がインクをインク注入部101からタンク9B内に注入するときに、インクがインク注入部101から溢れることを避けやすい。
前述したように、第9壁191は、第5壁85よりも収容部181側とは反対側に位置している。つまり、第9壁191は、Z軸方向において、第5壁85よりも上方に位置している。そして、連通口107は、第2壁82と第9壁191とが交差する交差部に位置している。このため、連通口107は、Z軸方向において、第5壁85よりも上方に位置している。ここで、インク注入部101の開口128(図7)は、第1実施形態と同様に、第5壁85に設けられている。よって、連通口107は、Z軸方向において、開口128(図7)よりも上方に位置している。
連通口205は、図15中のA部の拡大図である図16に示すように、第5壁85と第12壁194とが交差する交差部よりも第8壁88側に位置している。別の観点では、連通口205は、鉛直方向において第2大気室186の下端211よりも上方に位置している。さらに、タンク9Bでは、連通口205は、第8壁88と第12壁194とが交差する交差部よりも第5壁85側に位置している。別の観点では、連通口205は、鉛直方向において第2大気室186の上端213よりも下方に位置している。
本実施形態では、連通口205は、下端211から寸法H1だけ上がった位置よりも上方に位置している。寸法H1は、連通口106のZ軸方向における寸法である。また、連通口205は、上端213から寸法H2だけ下がった位置よりも下方に位置している。寸法H2は、連通口205のZ軸方向における寸法である。
第2実施形態において、Z軸方向が水平方向と交差する方向に対応し、収容部181が液体収容部に対応し、インク注入部101が液体注入部に対応し、開口128が液体注入口に対応し、第2大気室186が大気室に対応し、連通口107が接続口に対応している。また、大気連通口115、第1大気室184、及び第1連通路185が大気導入部に対応している。また、第2連通路187が連通路に対応し、ケース171がケース部材に対応している。また、第2壁82及び第3壁83が、リブを挟んで互いに対面する2つの内壁に対応している。また、第3通路153及び第5通路155の一方が第1部分に対応し、第3通路153及び第5通路155の他方が第2部分に対応している。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第2実施形態では、前述したように、連通口205が第2大気室186の下端211よりも上方に位置している(図16)。このため、例えば、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内にインクが流入したときに、第2大気室186内に流入したインクが直接に連通口205に到達してしまうことを避けやすい。つまり、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内に流入したインクを第2大気室186内に留めやすい。この結果、収容部181内のインクが大気連通口115からタンク9Bの外に漏出することを一層避けやすい。
また、第2実施形態では、前述したように、連通口205が第2大気室186の上端213よりも下方に位置している(図16)。このため、例えば、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内にインクが流入した状態で、タンク9Bの上下の向きが反転したときに、第2大気室186内のインクが直接に連通口205に到達してしまうことを避けやすい。つまり、タンク9Bの上下の向きが反転した状態でも、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内に流入したインクを第2大気室186内に留めやすい。この結果、収容部181内のインクが大気連通口115からタンク9Bの外に漏出することを一層避けやすい。
また、第2実施形態では、前述したように、連通口205が、下端211から寸法H1だけ上がった位置よりも上方に位置している。この構成によれば、例えば、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内にインクが流入したときに、第2大気室186内に流入したインクが連通口106から第5壁85を伝って直接に連通口205に到達してしまうことを避けやすい。つまり、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内に流入したインクを第2大気室186内に留めやすい。この結果、収容部181内のインクが大気連通口115からタンク9Bの外に漏出することを一層避けやすい。
また、第2実施形態では、前述したように、連通口205が、上端213から寸法H2だけ下がった位置よりも下方に位置している。この構成によれば、例えば、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内にインクが流入した状態で、タンク9Bの上下の向きが反転したときに、第2大気室186内のインクが直接に連通口205に到達してしまうことを避けやすい。つまり、タンク9Bの上下の向きが反転した状態でも、収容部181から第2連通路187を介して第2大気室186内に流入したインクを第2大気室186内に留めやすい。この結果、収容部181内のインクが大気連通口115からタンク9Bの外に漏出することを一層避けやすい。
また、第2実施形態では、図17に示すように、第9壁191が第5壁85よりも第8壁88側に位置している。他の観点では、第9壁191は、第5壁85よりも鉛直上方に位置している。つまり、第9壁191の第4壁84からの高さは、第5壁85の第4壁84からの高さよりも高い。第9壁191と第5壁85との間には、第10壁192が設けられている。この構成により、収容部181には、凹部221が構成される。凹部221は、第5壁85よりも第8壁88側に向かって、すなわち第5壁85よりも+Z軸方向側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、凹部221において、第10壁192に対面する位置に、連通口107が設けられている。このため、連通口107は、第5壁85よりも第9壁191側に位置している。他の観点では、連通口107は、第5壁85よりも鉛直上方に位置している。なお、第2実施形態において、凹部221が上方領域に対応している。
前述したように、インク注入部101の開口128(図7)は、第1実施形態と同様に、第5壁85に設けられている。このため、連通口107は、Z軸方向において、開口128(図7)よりも上方に位置している。この構成によれば、収容部181内のインクが連通口107に到達しにくい。このため、収容部181内のインクが第2連通路187内に流入する可能性が低減される。この結果、収容部181内のインクが第2大気室186に到達する可能性を低減することができるので、収容部181内のインクが第2大気室186から第1連通路185及び第1大気室184を介してタンク9Bの外に漏れる可能性を低減することができる。
さらに、例えば、図17に示すように、インク注入部101からのインクの注入に際して、タンク9B内でのインクの液面が第5壁85に達してしまうことが考えられる。インクの液面が第5壁85に達すると、インク注入部101の開口128にインクが達する。タンク9Bでは、このような場合においても、凹部221に大気の空間が保たれる。そして、図18に示すように、注入後にキャップ143を施すと、収容部181内の圧力が高くなり、凹部221においてインクの液面が上昇することが考えられる。タンク9Bでは、このようなことが発生しても、凹部221に大気の空間があるので、上昇した液面が連通口107に到達しにくい。このため、第1実施形態に比較して、収容部181内のインクが連通口107から第2連通路187内に流入することを一層抑えやすい。この結果、収容部181内のインクが大気連通口115からタンク9Bの外に漏出することを一層避けやすい。
なお、本実施形態では、凹部221の容積は、インク注入部101の側壁129によって囲まれた空間のうちキャップ143が嵌入される容積よりも大きい。これにより、側壁129によって囲まれた空間にいっぱいにインクが満たされた状態でキャップ143が装着されても、キャップ143によって収容部181内に押し込まれたインクの量を凹部221の容積で捕捉することができる。この結果、側壁129によって囲まれた空間にいっぱいにインクが満たされても、収容部181内のインクが連通口107に到達しにくい。よって、収容部181内のインクが連通口107から第2連通路187内に流入することを一層抑えやすい。この結果、収容部181内のインクが大気連通口115からタンク9Bの外に漏出することを一層避けやすい。
上記の実施形態では、タンク9Bを、ケース171及びシート部材63で構成する例が示されているが、タンク9Bの構成は、これに限定されない。タンク9Bの構成としては、例えば、ケース171を複数の部材で構成する例も採用され得る。ケース171を複数の部材で構成する例としては、ケース171の第1壁81を他の部材で構成する例が挙げられる。さらに、ケース171の第1壁81を他の部材で構成する例としては、シート部材63とは異なるシート部材で第1壁81を構成する例が挙げられる。この例では、シート部材63と他のシート部材とでケース171を挟持する構成になる。この構成によっても、タンク9Bを構成することができる。
上記の第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、バッファー室188に、図11(A)や図11(B)に示す傾斜168を付加した構成が採用され得る。この構成によれば、第1実施形態と同様に、バッファー室188に残留するインクの量を一層低減することができるので、インクの無駄を一層軽減することができる。
上記各実施形態では、複数のタンク9は、機構ユニット10を覆う第1ケース3に内蔵されていない。つまり、上記各実施形態では、複数のタンク9を第1ケース3の外側に配置した構成が採用されている。しかしながら、複数のタンク9を第1ケース3に内蔵した構成も採用され得る。以下に、複数のタンク9をケース内に内蔵した構成について、液体噴射装置の一例である複合機を例に説明する。
本実施形態における複合機500は、図19に示すように、プリンター503と、スキャナーユニット505と、を有している。複合機500において、プリンター503とスキャナーユニット505とは、互いに重ねられている。プリンター503を使用する状態において、スキャナーユニット505は、プリンター503の鉛直上方に位置している。なお、図19には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。図19におけるXYZ軸、及び図19以降におけるXYZ軸は、図1におけるXYZ軸に準じている。また、複合機500において、プリンター1と同様の構成については、プリンター1における符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
スキャナーユニット505は、フラットベッドタイプであり、イメージセンサーなどの撮像素子(図示せず)と原稿台と蓋とを有している。スキャナーユニット505は、用紙などの媒体に記録された画像などを、撮像素子を介して画像データとして読み取ることができる。このため、スキャナーユニット505は、画像などの読み取り装置として機能する。スキャナーユニット505は、図20に示すように、プリンター503のケース507に対して回動可能に構成されている。そして、スキャナーユニット505の原稿台のプリンター503側の面は、プリンター503のケース507を覆い、プリンター503の蓋としての機能も有している。
プリンター503は、液体の一例であるインクによって、印刷用紙などの印刷媒体Pに印刷を行うことができる。プリンター503は、図21に示すように、ケース507と、液体収容容器の一例である複数のタンク9と、を有している。ケース507は、プリンター503の外殻を構成している一体成形された部品であり、プリンター503の機構ユニット511を収容している。複数のタンク9は、ケース507内に収容されており、それぞれ、印刷に供するインクを収容している。プリンター503では、4つのタンク9が設けられている。4つのタンク9は、相互にインクの種類が異なる。プリンター503では、インクの種類として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類が採用されている。そして、相互にインクの種類が異なる4つのタンク9が、1つずつ設けられている。
また、プリンター503は、操作パネル512を有している。操作パネル512には、電源ボタン513や、その他の操作ボタン514などが設けられている。プリンター503を操作する作業者は、操作パネル512に対面した状態で、電源ボタン513や操作ボタン514を操作することができる。プリンター503では、操作パネル512が設けられている面が正面とされている。プリンター503の正面には、ケース507に窓部515が設けられている。窓部515は、光透過性を有している。そして、窓部515に重なる位置に、上述した4つのタンク9が設けられている。このため、作業者は、窓部515を介して4つのタンク9を視認することができる。
プリンター503では、各タンク9の窓部515に対面する部位が光透過性を有している。各タンク9の光透過性を有する部位から、タンク9内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部515を介して4つのタンク9を視認することによって、各タンク9におけるインクの量を視認することができる。プリンター503では、窓部515がプリンター503の正面に設けられているので、作業者は、操作パネル512に対面した状態で、窓部515から各タンク9を視認することができる。このため、作業者は、プリンター503を操作しながら、各タンク9におけるインクの残量を把握することができる。
プリンター503は、機構ユニット511を示す斜視図である図22に示すように、印刷部41と、供給チューブ43と、を有している。印刷部41及び供給チューブ43は、それぞれ、プリンター1における印刷部41及び供給チューブ43と同様の構成を有している。プリンター503においても、プリンター1と同様に、媒体搬送機構が、図示しないモーター53からの動力によって搬送ローラー51を駆動することによって、印刷媒体PをY軸方向に沿って搬送する。また、プリンター503においても、プリンター1と同様に、ヘッド搬送機構が、モーター53からの動力をタイミングベルト55を介してキャリッジ45に伝達することによって、キャリッジ45をX軸方向に沿って搬送する。印刷ヘッド47は、キャリッジ45に搭載されている。このため、印刷ヘッド47は、ヘッド搬送機構によって、キャリッジ45を介してX軸方向に搬送され得る。媒体搬送機構及びヘッド搬送機構によって、印刷媒体Pに対する印刷ヘッド47の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド47からインクを吐出することによって印刷媒体Pに印刷が施される。
上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、上記各実施形態で説明したようなインクの他、液晶等も挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
1…プリンター、3…第1ケース、5…タンクユニット、7…第2ケース、9,9A,9B…タンク、10…機構ユニット、11…排紙部、13…正面、15…上面、17…操作パネル、18A…電源ボタン、18B…操作ボタン、19…側部、21…窓部、23…正面、25…上面、27…側部、28…上限マーク、29…下限マーク、31…取付けビス、41…印刷部、43…供給チューブ、45…キャリッジ、47…印刷ヘッド、49…中継ユニット、51…搬送ローラー、53…モーター、55…タイミングベルト、61…ケース、63…シート部材、64…接合部、65…収容部、67…連通部、68…第1大気室、69…第2大気室、71…第1連通路、72…第3大気室、73…第2連通路、74…第1バッファー室、75…第2バッファー室、81…第1壁、82…第2壁、83…第3壁、84…第4壁、85…第5壁、86…第6壁、87…第7壁、88…第8壁、91…凹部、93…第9壁、94…第10壁、95…第11壁、97…凹部、98…凹部、99…凹部、101…インク注入部、102,103,104…連通口、105…張り出し部、105A,105B,105C,105D…部位、106,107…連通口、109…凹部、111…壁、113…供給口、115…大気連通口、117…溝、121…凹部、123…凹部、124…凹部、125…第12壁、127,127A,127B…支持部、128…開口、129…側壁、141…インク、143…キャップ、151…第1通路、152…第2通路、153…第3通路、154…第4通路、155…第5通路、156…第6通路、161…反転部、162…屈曲部、163…屈曲部、164…屈曲部、165…反転部、166…屈曲部、168…傾斜、171…ケース、181…収容部、183…連通部、184…第1大気室、185…第1連通路、186…第2大気室、187…第2連通路、188…バッファー室、191…第9壁、192…第10壁、193…第11壁、194…第12壁、201…凹部、202…凹部、203…凹部、204…連通口、205…連通口、206…凹部、211…下端、213…上端、221…凹部、500…複合機、503…プリンター、505…スキャナーユニット、507…ケース、511…機構ユニット、512…操作パネル、513…電源ボタン、514…操作ボタン、515…窓部、P…印刷媒体。
Claims (13)
- 液体を収容可能な液体収容部と、
前記液体収容部に接続し、前記液体を前記液体収容部に注入可能な液体注入部と、
大気と連通する大気室と、
前記大気室に連通し、前記大気室に前記大気を導入可能な大気導入部と、
前記液体収容部と前記大気室とを連通させる連通路と、を有し、
前記液体注入部と前記液体収容部の交差する交差部を液体注入口と定義するとき、
前記液体注入口を水平方向と交差する方向で上方に向けた姿勢において、前記連通路の前記大気室側から前記液体収容部側に向かう経路のうち上方から下方に向かう経路に、前記液体を貯留可能な貯留部が設けられる、
ことを特徴とする液体収容容器。 - 前記姿勢において、
前記大気室が前記液体収容部よりも上方に位置し、前記連通路の一部が前記大気室よりも上方に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。 - 前記連通路が第1部分と第2部分とを含み、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記姿勢において、前記大気室を水平方向に挟んで互いに反対側に位置する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体収容容器。 - 前記貯留部は、前記大気室の水平方向における断面積よりも小さく、且つ、前記連通路の水平方向における断面積よりも大きい断面積を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。 - 前記姿勢において、前記貯留部の少なくとも一部が、前記液体注入口よりも上方に位置している、
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の液体収容容器。 - 溝を有するケース部材と、
前記溝を覆うことによって前記溝を塞ぐシート部材と、を有し、
前記連通路の上方から下方に向かう前記経路のうちの少なくとも一部が、前記溝と前記シート部材とによって囲まれた空間によって構成されており、
前記貯留部は、前記溝の一部における深さが前記溝の他の部分における深さよりも深く形成されていることによって構成されている、
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の液体収容容器。 - 前記姿勢において、前記溝のうち前記貯留部に対応する部位の上部側よりも下部側の方が浅い、
ことを特徴とする請求項6に記載の液体収容容器。 - 前記ケース部材には、前記ケース部材の前記シート部材側とは反対側に向かって凹となる凹部が設けられており、
前記シート部材は、前記凹部を覆うことによって前記凹部を塞いでおり、
前記液体収容部の少なくとも一部が、前記凹部と前記シート部材とで囲まれた空間によって構成されており、
前記凹部内に、前記シート部材側に向かって凸となるリブが設けられている、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の液体収容容器。 - 前記シート部材が、前記リブに接合されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の液体収容容器。 - 前記凹部は、前記リブを挟んで互いに対面する2つの内壁を有しており、
前記2つの内壁のうちの一方の内壁と前記リブとの間隔が、前記2つの内壁のうちの他方の内壁と前記リブとの間隔に等しい、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の液体収容容器。 - 前記凹部は、互いに対面する2つの内壁を有しており、
前記凹部内には、前記2つの内壁が対面する方向に沿って並ぶ複数の前記リブが設けられており、
前記2つの内壁のうちの一方の内壁と、前記方向において前記一方の内壁に隣り合う前記リブとの間隔と、
前記2つの内壁のうちの他方の内壁と、前記方向において前記他方の内壁に隣り合う前記リブとの間隔と、
前記方向において隣り合う2つの前記リブの間隔と、が相互に等しい、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の液体収容容器。 - 第1ケースと、
前記第1ケースに覆われ、印刷動作を実行可能な機構部分である機構ユニットと、
前記第1ケースに結合する第2ケースと、
複数の、請求項1から11までのいずれか一項に記載の液体収容容器と、を有し、
前記複数の液体収容容器は、前記第2ケースに覆われ、供給チューブを介して前記液体を前記機構ユニットの印刷部に供給可能に配置されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。 - ケースと、
前記ケースに覆われ、印刷動作を実行可能な機構部分である機構ユニットと、
複数の、請求項1から11までのいずれか一項に記載の液体収容容器と、を有し、
前記複数の液体収容容器は、前記ケースに覆われ、供給チューブを介して前記液体を前記機構ユニットの印刷部に供給可能に配置されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
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