上記特許文献1に記載された液体噴射システムでは、タンクが底面カバーに支持されている。そして、この液体噴射システムでは、タンクは底面カバーに対してねじで取り付けられている。タンクをねじで底面カバーに取り付ける構成では、部品点数を削減したり、組立ての手間を軽減したりすることが困難であるという課題がある。
また、液体を注入することができる液体収容容器を有する液体噴射システムでは、例えば、液体収容容器に液体を注入するときに、液体がこぼれたり、垂れ落ちたりすることが考えられる。液体がこぼれたり垂れ落ちたりすると、液体噴射装置や液体噴射システムに汚れが拡散し、ひいては液体噴射装置や液体噴射システムが配置される環境に汚れが拡散してしまうことが考えられる。このように、従来の液体噴射システムでは、液体による汚れの発生を抑えにくいという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
[適用例1]第1係合部と載置部とを有する支持部に対して、前記第1係合部に係合した状態で前記載置部に載置可能である液体収容容器であって、前記載置部に載置可能な第1部分を有する第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、前記第1係合部に係合可能な第1被係合部と、を含み、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記第1被係合部は、前記第1壁部から前記第2壁部側とは反対側に向かって突出し、且つ前記第1係合部に対して前記第1方向に当接可能である、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例の液体収容容器では、第1被係合部が第1係合部に対して第1方向に当接可能であるので、第1方向において、支持部に対する液体収容容器の位置が規制される。これにより、液体収容容器を支持部に取り付けるためのねじなどの部品を省略することができるので、部品点数を削減しやすい。また、液体収容容器を支持部に取り付けるための部品を省略することができるので、液体収容容器を支持部に取り付けるための手間を軽減することができる。
[適用例2]上記の液体収容容器であって、前記第2壁部から前記第1壁部側とは反対側に向かって突出して設けられ、栓部材によって閉塞可能に構成された液体注入部を有し、前記第1方向において、前記第1被係合部の少なくとも一部と前記液体注入部とが重なる、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第1被係合部の少なくとも一部と液体注入部とが第1方向に重なるので、栓部材を液体注入部から第1方向に外すときに、液体収容容器に作用する第1方向の力を、第1被係合部に第1方向とは反対の方向に働く反作用で打ち消しやすい。
[適用例3]上記の液体収容容器であって、前記支持部が有する第2係合部に対して前記第1方向に当接可能な第2被係合部を有し、前記第1被係合部は、前記第3壁部よりも前記第4壁部に近い領域に位置し、前記第2被係合部は、前記第4壁部よりも前記第3壁部に近い領域に位置する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第3壁部よりも第4壁部に近い領域に位置する第1被係合部と、第4壁部よりも第3壁部に近い領域に位置する第2被係合部とにより、支持部に対する液体収容容器の第1方向における位置が規制される。この結果、支持部に対する液体収容容器の第1方向における位置の精度を高めやすい。
[適用例4]上記の液体収容容器であって、前記支持部が有する第2壁部から前記第1壁部側とは反対側に向かって突出して設けられ、栓部材によって閉塞可能に構成された液体注入部と、前記第2係合部に対して前記第1方向に当接可能な第2被係合部と、を有し、前記液体注入部は、前記第3壁部よりも前記第4壁部に近い領域に位置し、前記第2被係合部は、前記第4壁部よりも前記第3壁部に近い領域に位置し、前記第1被係合部の少なくとも一部は、前記第1壁部のうち前記第1方向において前記液体注入部に重なる領域、又は前記液体注入部に重なる領域と前記第4壁部との間、に位置する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、栓部材を液体注入部から第1方向に外すときに、液体収容容器に作用する第1方向の力を、第1被係合部に第1方向とは反対の方向に働く反作用で打ち消しやすい。
[適用例5]上記の液体収容容器であって、前記第1壁部よりも前記第1方向とは反対の方向に、チューブと接続可能な接続部を有し、前記第1被係合部は、前記第3壁部よりも前記第4壁部に近い領域に位置し、前記接続部は、前記第3壁部よりも前記第4壁部に近い領域に位置する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第1被係合部及び接続部がいずれも第3壁部よりも第4壁部に近い領域に位置するので、接続部は第1被係合部の近くに位置するといえる。ここで、支持部に対する液体収容容器の第1方向における位置の精度は、液体収容容器の部位のうち第1被係合部に近い部位ほど高い。このため、接続部が第1被係合部の近くに位置していれば、支持部に対する接続部の第1方向における位置の精度が高められる。この結果、支持部に対する接続部の第1方向における位置のばらつきに起因して、接続部とチューブとの接続不良が発生することを抑えやすい。
[適用例6]上記の液体収容容器であって、前記第1被係合部は、環状の枠部を有し、前記第3壁部から前記第4壁部に向かう方向を第2方向と定義するとき、前記第1係合部の少なくとも一部が、前記第2方向に延在し、且つ前記枠部の内側に挿入可能である、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第1係合部のうち第2方向に延在する部位が、環状の枠部の内側に挿入可能であるので、第1被係合部と第1係合部とが外れにくい。
[適用例7]上記の液体収容容器であって、さらに前記支持部が有する第2係合部に係合可能であり、前記第2係合部は、鈎状の形状を有し、前記第2被係合部は、前記第3壁部から、前記第3壁部よりも前記第4壁部側とは反対側に向かって突出した突出部であり、前記突出部が前記鈎状の形状に係合するものである、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、鈎状の第2係合部と、突出部として設けられた第2被係合部とによって、簡易な構成で係合させることができる。
[適用例8]上記の液体収容容器であって、前記第1被係合部は、前記第3壁部よりも前記第4壁部に近い領域に位置し、前記第4壁部は、光透過性を有する部位を含む、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第4壁部が光透過性を有する部位を含むので、光透過性を有する部位から液体収容容器内の液体の量を視認することができる。このため、光透過性を有する部位を、液体収容容器内の液体の量を視認するための視認部として利用することができる。そして、この液体収容容器では、視認部を含む第4壁部に近い領域に第1被係合部が位置するので、支持部に対する視認部の第1方向における位置の精度を高めやすい。
[適用例9]第1係合部と載置部とを有する支持部に対して、前記第1係合部に係合した状態で前記載置部に載置可能である液体収容容器であって、前記載置部に前記液体収容容器の第1壁部の第1部分が載置される状態で、前記載置部が前記第1部分に面する方向を第1方向と定義するとき、前記第1方向とは反対の方向に前記第1壁部の第2部分から突出する第1被係合部を有し、前記第1被係合部は、前記第1方向に前記第1係合部と係合可能である、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第1被係合部が第1係合部に対して第1方向に当接可能であるので、第1方向において、支持部に対する液体収容容器の位置が規制される。これにより、液体収容容器を支持部に取り付けるためのねじなどの部品を省略することができるので、部品点数を削減しやすい。また、液体収容容器を支持部に取り付けるための部品を省略することができるので、液体収容容器を支持部に取り付けるための手間を軽減することができる。
[適用例10]上記の液体収容容器であって、前記液体収容容器から前記第1方向に突出して設けられ、栓部材によって閉塞可能に構成された液体注入部を有し、前記栓部材は、前記液体注入部に対して前記第1方向に着脱可能である、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、栓部材を液体注入部から第1方向に外すときに、液体収容容器に作用する第1方向の力を、第1被係合部に第1方向とは反対の方向に働く反作用で打ち消しやすい。
[適用例11]上記の液体収容容器であって、さらに前記支持部が有する第2係合部に係合可能であり、前記第2係合部に対して前記第1方向に当接可能な第2被係合部を有し、前記載置部に前記液体収容容器が載置される状態で、前記第1被係合部は、前記第1部分を挟んで前記第2被係合部の反対側に位置する、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例では、第1部分を挟んで互いに反対側に位置する第1被係合部と第2被係合部とにより、支持部に対する液体収容容器の第1方向における位置が規制される。この結果、支持部に対する液体収容容器の第1方向における位置の精度を高めやすい。
[適用例12]第1係合部と載置部とを有する支持部と、前記第1係合部に係合した状態で前記載置部に載置可能である液体収容容器と、を備え、前記液体収容容器は、前記載置部に載置可能な第1部分を有する第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、前記第1係合部に係合可能な第1被係合部と、を含み、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記第1被係合部は、前記第1壁部から前記第2壁部側とは反対側に向かって突出し、且つ前記第1係合部に対して前記第1方向に当接可能である、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例の液体収容容器ユニットでは、第1被係合部が第1係合部に対して第1方向に当接可能であるので、第1方向において、支持部に対する液体収容容器の位置が規制される。これにより、液体収容容器を支持部に取り付けるためのねじなどの部品を省略することができるので、部品点数を削減しやすい。また、液体収容容器を支持部に取り付けるための部品を省略することができるので、液体収容容器を支持部に取り付けるための手間を軽減することができる。
[適用例13]上記の液体収容容器ユニットであって、さらに、前記支持部に嵌合する蓋部を有し、前記液体収容容器は、前記支持部と前記蓋部との間に位置し、前記液体収容容器は、栓部材によって閉塞可能に構成された液体注入部を有し、前記液体注入部は、前記液体収容容器から前記載置部側とは反対側に向かって突出して設けられており、前記蓋部は、開口を有し、前記液体注入部の少なくとも一部が前記開口の内側に位置する、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、液体注入部の少なくとも一部が開口の内側に位置するので、支持部に対して液体収容容器が第1方向とは交差する方向に変位したときに、液体注入部の少なくとも一部が開口の内壁によって規制される。これにより、第1方向とは交差する方向において、支持部に対する液体収容容器の位置の精度を高めやすい。
[適用例14]上記の液体収容容器ユニットと、液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置と、前記液体収容容器ユニットの前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器ユニットは、前記液体噴射装置の外周に固定される、ことを特徴とする液体噴射システム。
この適用例の液体噴射システムでは、部品点数を削減したり、液体収容容器を支持部に取り付けるための手間を軽減したりすることができる。
[適用例15]第1係合部と載置部とを有する支持部と、前記支持部に嵌合する蓋部と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記第1係合部に係合した状態で前記支持部の前記載置部に載置可能であり、且つ前記支持部と前記蓋部との間に位置する液体収容容器と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器は、前記載置部に載置可能な第1部分を有する第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、前記第1係合部に係合可能な第1被係合部と、を含み、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記第1被係合部は、前記第1壁部から前記第2壁部側とは反対側に向かって突出し、且つ前記第1係合部に対して前記第1方向に当接可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例の液体噴射装置では、第1被係合部が第1係合部に対して第1方向に当接可能であるので、第1方向において、支持部に対する液体収容容器の位置が規制される。これにより、液体収容容器を支持部に取り付けるためのねじなどの部品を省略することができるので、部品点数を削減しやすい。また、液体収容容器を支持部に取り付けるための部品を省略することができるので、液体収容容器を支持部に取り付けるための手間を軽減することができる。
[適用例16]蓋部と、支持部と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を収容可能な液体収容容器と、を備え、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位に、前記支持部の前記液体収容容器側とは反対側に向かって凹となる第1凹部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部には、前記第1凹部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記支持部側に向かって凸となる第1凸部が設けられており、前記第1凸部は、前記第1凹部に挿入可能に設けられており、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記液体収容容器から前記蓋部までの前記第1方向における距離が、前記第1凸部の前記第1方向とは反対方向における最端部と、前記第1凹部の前記第1方向における最端部との距離よりも短い、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例の液体収容容器ユニットでは、第1凹部の第1方向における最端部と、第1凸部の第1方向とは反対方向における最端部との間の距離が、蓋部と液体収容容器との間の第1方向における距離よりも長い。このため、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が第1方向にずれても、第1凸部が第1凹部から外れる前に液体収容容器が蓋部によって規制される。これにより、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを抑えやすい。
[適用例17]上記の液体収容容器ユニットであって、前記第3壁部から前記第4壁部に向かう方向を第2方向と定義するとき、前記第1凹部と前記第1凸部とが、少なくとも前記第2方向及び前記第2方向とは反対方向において前記液体収容容器の前記支持部に対する変位を規制するものである、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、第1凹部と第1凸部とによって、少なくとも第2方向及び第2方向とは反対方向において液体収容容器の支持部に対する変位を規制することができる。
[適用例18]上記の液体収容容器ユニットであって、前記第1方向と前記第2方向とに交差する方向を第3方向と定義するとき、前記第1凹部と前記第1凸部とが、少なくとも前記第3方向及び前記第3方向とは反対方向において前記液体収容容器の前記支持部に対する変位を規制するものである、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、第1凹部と第1凸部とによって、第3方向及び第3方向とは反対方向においても液体収容容器の支持部に対する変位を規制することができる。
[適用例19]上記の液体収容容器ユニットであって、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位で、且つ前記第1凹部とは異なる部位に、前記支持部の前記液体収容容器側とは反対側に向かって凹となる第2凹部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部のうち、前記第2凹部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記支持部側に向かって凸となる第2凸部が設けられており、前記第2凸部は前記第2凹部内に挿入されており、前記蓋部と前記支持部との間に前記液体収容容器が配置される状態で、前記液体収容容器から前記蓋部までの前記第1方向における距離が、前記第2凸部の前記第1方向とは反対方向における最端部と、前記第2凹部の前記第1方向における最端部との距離よりも短く、前記第2凹部と前記第2凸部とが、少なくとも前記第2方向及び前記第2方向とは反対方向において前記液体収容容器の前記支持部に対する変位を規制するものである、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、第2凹部の第1方向における最端部と、第2凸部の第1方向とは反対方向における最端部との間の距離が、蓋部と液体収容容器との間の第1方向における距離よりも長い。このため、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が第1方向にずれても、第2凸部が第2凹部から外れる前に液体収容容器が蓋部によって規制される。これにより、第1方向において、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを一層抑えやすい。また、この液体収容容器ユニットでは、第1凸部の第1凹部への挿入、及び第2凸部の第2凹部への挿入の双方によって、支持部に対する液体収容容器の位置が規制され得る。これにより、第1凸部の第1凹部への挿入を中心として液体収容容器が支持部に対して回転することを抑えやすい。
[適用例20]上記の液体収容容器ユニットであって、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位で、且つ前記第1凹部とは異なる部位に、前記支持部の前記液体収容容器側とは反対側に向かって凹となる第2凹部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部のうち、前記第2凹部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記支持部側に向かって凸となる第2凸部が設けられており、前記第2凸部は前記第2凹部に挿入可能に設けられており、前記蓋部と前記支持部との間に前記液体収容容器が配置される状態で、前記液体収容容器から前記蓋部までの前記第1方向における距離が、前記第2凸部の前記第1方向とは反対方向における最端部と、前記第2凹部の前記第1方向における最端部との距離よりも短く、前記第1方向と前記第2方向とに交差する方向を第3方向と定義するとき、前記第2凹部と前記第2凸部とが、少なくとも前記第3方向及び前記第3方向とは反対方向において前記液体収容容器の前記支持部に対する変位を規制するものである、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、第2凹部の第1方向における最端部と、第2凸部の第1方向とは反対方向における最端部との間の距離が、蓋部と液体収容容器との間の距離よりも長い。このため、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が第1方向にずれても、第2凸部が第2凹部から外れる前に液体収容容器が蓋部によって規制される。これにより、第1方向において、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを一層抑えやすい。また、この液体収容容器ユニットでは、第1凸部の第1凹部への挿入、及び第2凸部の第2凹部への挿入の双方によって、支持部に対する液体収容容器の位置が規制され得る。これにより、第1凸部の第1凹部への挿入嵌合を中心として液体収容容器が支持部に対して回転することを抑えやすい。
[適用例21]上記の液体収容容器ユニットであって、前記蓋部は、前記液体収容容器側に向かって突出する突出部を有し、前記突出部は、前記液体収容容器に当接可能である、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、突出部と液体収容容器とが当接することによって、第1方向における液体収容容器の支持部に対する位置の精度を高めやすい。
[適用例22]上記の液体収容容器ユニットであって、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位で、且つ前記第1凹部とは異なる部位に、前記支持部から前記液体収容容器側に向かって突出する当接部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部のうち、前記当接部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記支持部側に向かって突出する被当接部が設けられており、前記当接部と前記被当接部とが当接し、且つ前記第1凸部が前記第1凹部に挿入された状態で、前記第1凹部の底部と前記第1凸部との間に隙間を有する、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、当接部と被当接部とが当接することによって、第1方向における液体収容容器の支持部に対する位置の精度を高めやすい。
[適用例23]蓋部と、支持部と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を収容可能な液体収容容器と、を備え、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位に、前記支持部側から前記液体収容容器側に向かって凸となる第1凸部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部には、前記第1凸部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記第2壁部側に向かって凹となる第1凹部が設けられており、前記第1凸部は、前記第1凹部に挿入可能に設けられており、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記液体収容容器から前記蓋部までの前記第1方向における距離が、前記第1凸部の前記第1方向における最端部と、前記第1凹部の前記第1方向とは反対方向における最端部との距離よりも短い、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例の液体収容容器ユニットでは、第1凸部の第1方向における最端部と、第1凹部の第1方向とは反対方向における最端部との間の距離が、蓋部と液体収容容器との間の距離よりも長い。このため、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が第1方向にずれても、第1凸部が第1凹部から外れる前に液体収容容器が蓋部によって規制される。これにより、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを抑えやすい。
[適用例24]上記の液体収容容器ユニットであって、前記第3壁部から前記第4壁部に向かう方向を第2方向と定義するとき、前記支持部の前記第1凸部と前記液体収容容器の前記第1凹部とが、少なくとも前記第2方向及び前記第2方向とは反対方向において前記液体収容容器の前記支持部に対する変位を規制するものである、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、液体収容容器の第1凹部と支持部の第1凸部とによって、少なくとも第2方向及び第2方向とは反対方向において液体収容容器の支持部に対する変位を規制することができる。
[適用例25]上記の液体収容容器ユニットであって、前記第1方向と前記第2方向とに交差する方向を第3方向と定義するとき、前記支持部の前記第1凸部と前記液体収容容器の前記第1凹部とが、少なくとも前記第3方向及び前記第3方向とは反対方向において前記液体収容容器の前記支持部に対する変位を規制するものである、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、液体収容容器の第1凹部と支持部の第1凸部とによって、第3方向及び第3方向とは反対方向においても液体収容容器の支持部に対する変位を規制することができる。
[適用例26]上記の液体収容容器ユニットと、液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置と、前記液体収容容器ユニットの前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器ユニットは、前記液体噴射装置の外周に固定される、ことを特徴とする液体噴射システム。
この適用例の液体噴射システムでは、液体収容容器ユニットにおいて、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを抑えやすい。
[適用例27]液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置と、前記液体噴射装置の外周に固定されるケースと、前記ケースと前記液体噴射装置との間に配置され、液体を収容可能な液体収容容器と、前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記ケースは、前記液体収容容器の前記第4壁部に対面する部位に、前記第4壁部側に向かって突出する突出部を有し、前記突出部は前記液体収容容器の前記第4壁部に当接し、前記液体収容容器を前記液体噴射装置側に向かって押圧する、ことを特徴とする液体噴射システム。
この適用例の液体噴射システムでは、ケースの突出部が液体収容容器の第4壁部に当接し、液体収容容器を液体噴射装置側に向かって押圧するので、第3壁部から第4壁部に向かう方向において、液体収容容器のケースに対する位置の精度を高めやすい。
[適用例28]蓋部と、支持部と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を収容可能な液体収容容器と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位に、前記支持部の前記液体収容容器側とは反対側に向かって凹となる第1凹部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部には、前記第1凹部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記支持部側に向かって凸となる第1凸部が設けられており、前記第1凸部は、前記第1凹部に挿入可能に設けられており、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記液体収容容器から前記蓋部までの前記第1方向における距離が、前記第1凸部の前記第1方向とは反対方向における最端部と、前記第1凹部の前記第1方向における最端部との距離よりも短い、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例の液体噴射装置では、第1凹部の第1方向における最端部と、第1凸部の第1方向とは反対方向における最端部との間の距離が、蓋部と液体収容容器との間の第1方向における距離よりも長い。このため、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が第1方向にずれても、第1凸部が第1凹部から外れる前に液体収容容器が蓋部によって規制される。これにより、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを抑えやすい。
[適用例29]蓋部と、支持部と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を収容可能な液体収容容器と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記支持部のうち、前記液体収容容器の前記第1壁部に対面する部位に、前記支持部側から前記液体収容容器側に向かって凸となる第1凸部が設けられており、前記液体収容容器の前記第1壁部には、前記第1凸部に対面する部位に、前記第1壁部側から前記第2壁部側に向かって凹となる第1凹部が設けられており、前記第1凸部は、前記第1凹部に挿入可能に設けられており、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向を第1方向と定義するとき、前記液体収容容器から前記蓋部までの前記第1方向における距離が、前記第1凸部の前記第1方向における最端部と、前記第1凹部の前記第1方向とは反対方向における最端部との距離よりも短い、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例の液体噴射装置では、第1凸部の第1方向における最端部と、第1凹部の第1方向とは反対方向における最端部との間の距離が、蓋部と液体収容容器との間の第1方向における距離よりも長い。このため、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が第1方向にずれても、第1凸部が第1凹部から外れる前に液体収容容器が蓋部によって規制される。これにより、支持部及び蓋部に対する液体収容容器の位置が所定範囲から外れることを抑えやすい。
[適用例30]支持部と、前記支持部に載置される液体収容容器と、を備え、前記液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容部と、前記液体収容部に前記液体を注入可能な液体注入部と、前記液体収容部から前記液体を外部へ供給可能な液体供給部と、を有し、前記支持部は、前記液体収容容器が載置される載置部と、前記載置部に隣接する凹部と、前記凹部に隣接する第1隔壁と、を有する、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例の液体収容容器ユニットでは、液体注入部から液体収容容器の外壁を伝ってこぼれる液体を、載置部を介して凹部に溜めることができる。これにより、液体が液体収容容器ユニットの外部に漏れ出ることを抑えやすい。この結果、液体による汚れの発生を抑えやすい。
[適用例31]上記の液体収容容器ユニットであって、前記支持部は、前記液体収容容器の被係合部と係合する係合部を有し、前記凹部の一部が前記係合部に隣接する、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、液体注入部から液体収容容器の外壁を伝ってこぼれる液体を、載置部や係合部を介して凹部に溜めることができる。これにより、液体が液体収容容器ユニットの外部に漏れ出ることを一層抑えやすい。この結果、液体による汚れの発生を一層抑えやすい。
[適用例32]上記の液体収容容器ユニットであって、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記液体注入部は、前記第3壁部より前記第4壁部に近い領域に位置し、前記係合部は、前記第3壁部より前記第4壁部に近い領域に位置する、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、液体注入部が第3壁部よりも第4壁部に近い領域に位置し、係合部も第3壁部よりも第4壁部に近い領域に位置するので、液体注入部からこぼれた液体が係合部に到達しやすい。このため、液体注入部からこぼれた液体を係合部を介して凹部に導きやすい。
[適用例33]上記の液体収容容器ユニットであって、前記支持部は、開口と、前記開口に隣接する第2隔壁と、を有する、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、支持部に開口が設けられている構成において、液体注入部から液体収容容器の外壁を伝ってこぼれる液体を、第2隔壁を介して凹部に導きやすい。このため、支持部に開口が設けられていても、液体注入部からこぼれる液体が開口を介して外部に漏れ出ることを抑えやすい。
[適用例34]上記の液体収容容器ユニットであって、前記液体収容容器は、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向し、且つ前記第1壁部と前記第2壁部とに交差する第4壁部と、を含み、前記液体注入部は、前記第3壁部より前記第4壁部に近い領域に位置し、前記開口は、前記第4壁部より前記第3壁部に近い領域に位置することを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、液体注入部が第3壁部よりも第4壁部に近い領域に位置するのに対して、開口が第4壁部よりも第3壁部に近い領域に位置するので、液体注入部と開口とを遠ざけやすい。これにより、液体注入部からこぼれる液体が開口を介して外部に漏れ出ることを一層抑えやすい。
[適用例35]上記の液体収容容器ユニットであって、さらに、前記支持部に嵌合する蓋部を有し、前記液体収容容器は、前記支持部と前記蓋部との間に位置し、前記蓋部は、前記液体注入部を露出させるための開口を有し、前記蓋部の一部と前記支持部の前記第1隔壁の一部とが嵌合するものであり、前記蓋部の前記一部の内壁と前記第1隔壁の前記一部の内壁とが第1境界で当接し内側面を構成し、前記蓋部の前記一部の外壁と前記第1隔壁の前記一部の外壁とが第2境界で当接し外側面を構成し、前記凹部のうち前記第1隔壁の前記一部に隣接する部分の底部から前記第1境界までの高さが、前記底部から前記第2境界までの高さよりも低い、ことを特徴とする液体収容容器ユニット。
この適用例では、支持部と蓋部とが嵌合した内側面において、蓋部と支持部の第1隔壁とが第1境界で当接する。また、支持部と蓋部とが嵌合した外側面において、蓋部と支持部の第1隔壁とが第2境界で当接する。そして、凹部のうち第1隔壁の一部に隣接する部分の底部から第1境界までの高さが、この底部から第2境界までの高さよりも低い。つまり、第1境界の高さ位置と、第2境界の高さ位置とを比較すると、第2境界の高さ位置の方が高い。このため、例えば、液体注入部からこぼれた液体が支持部と蓋部とが嵌合した内側面を伝って垂れ落ちたときに、内側面を伝って垂れ落ちた液体は、第1境界を通過して凹部に到達しやすい。これは、内側面を伝って垂れ落ちた液体が、第1境界から、第1境界よりも高さ位置が高い第2境界に遡ることが困難だからである。これにより、液体注入部からこぼれる液体が液体収容容器ユニットの外部に漏れ出ることを抑えやすい。
[適用例36]上記の液体収容容器ユニットと、液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置と、前記液体収容容器ユニットの前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器ユニットは、前記液体噴射装置の外周に固定される、ことを特徴とする液体噴射システム。
この適用例の液体噴射システムでは、液体収容容器の液体注入部からこぼれる液体が液体収容容器ユニットの外部に漏れ出ることを抑えやすい。
[適用例37]蓋部と、支持部と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記蓋部と前記支持部との間に配置される液体収容容器と、前記蓋部と前記支持部との間に配置され、前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに液体を供給可能なチューブと、を備え、前記液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容部と、前記液体収容部に前記液体を注入可能な液体注入部と、前記液体収容部から前記液体を外部へ供給可能な液体供給部と、を有し、前記支持部は、前記液体収容容器が載置される載置部と、前記載置部に隣接する凹部と、前記凹部に隣接する第1隔壁と、を有する、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例の液体噴射装置では、液体注入部から液体収容容器の外壁を伝ってこぼれる液体を、載置部を介して凹部に溜めることができる。これにより、液体が蓋部及び支持部の外部に漏れ出ることを抑えやすい。この結果、液体による汚れの発生を抑えやすい。
[適用例38]上記の液体噴射装置であって、前記蓋部は、前記液体注入部を露出させるための開口を有し、前記蓋部の一部と前記支持部の前記第1隔壁の一部とが嵌合するものであり、前記蓋部の前記一部の内壁と前記第1隔壁の前記一部の内壁とが第1境界で当接し内側面を構成し、前記蓋部の前記一部の外壁と前記第1隔壁の前記一部の外壁とが第2境界で当接し外側面を構成し、前記凹部のうち前記第1隔壁の前記一部に隣接する部分の底部から前記第1境界までの高さが、前記底部から前記第2境界までの高さよりも低い、ことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例では、支持部と蓋部とが嵌合した内側面において、蓋部と支持部の第1隔壁とが第1境界で当接する。また、支持部と蓋部とが嵌合した外側面において、蓋部と支持部の第1隔壁とが第2境界で当接する。そして、凹部のうち第1隔壁の一部に隣接する部分の底部から第1境界までの高さが、この底部から第2境界までの高さよりも低い。つまり、第1境界の高さ位置と、第2境界の高さ位置とを比較すると、第2境界の高さ位置の方が高い。このため、例えば、液体注入部からこぼれた液体が支持部と蓋部とが嵌合した内側面を伝って垂れ落ちたときに、内側面を伝って垂れ落ちた液体は、第1境界を通過して凹部に到達しやすい。これは、内側面を伝って垂れ落ちた液体が、第1境界から、第1境界よりも高さ位置が高い第2境界に遡ることが困難だからである。これにより、液体注入部からこぼれる液体が蓋部及び支持部の外部に漏れ出ることを抑えやすい。
液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)を含む液体噴射システムを例に、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
(第1実施形態)
第1実施形態における液体噴射システム1は、図1に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター3と、タンクユニット5と、を有している。プリンター3は、第1ケース6を有している。第1ケース6が、プリンター3の外殻を構成している。タンクユニット5は、第2ケース7と、複数(2個以上)のタンク9と、を有している。第1ケース6と第2ケース7とが、液体噴射システム1の外殻を構成している。タンク9は、液体収容容器の一例である。液体噴射システム1は、液体の一例であるインクによって、印刷用紙などの印刷媒体Pに印刷を行うことができる。
なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+方向(正方向)を示しており、矢印の向きとは逆向きが−方向(負方向)を示している。液体噴射システム1が使用される状態において、液体噴射システム1は、X軸とY軸とによって規定される水平な平面に配置される。液体噴射システム1の使用状態において、Z軸は、水平な平面に直交する軸であり、−Z軸方向が鉛直下方向となる。
第1ケース6には、プリンター3の機構ユニット10(図4)が収容されている。機構ユニット10は、プリンター3において、印刷動作を実行する機構部分である。機構ユニット10の詳細については、後述する。複数のタンク9は、図1に示すように第2ケース7内に収容されており、それぞれ、印刷に供するインクを収容している。本実施形態では、4つのタンク9が設けられている。4つのタンク9では、インクの種類がタンク9ごとに異なる。本実施形態では、インクの種類として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類が採用されている。そして、ブラックのインクを収容するタンク9と、イエローのインクを収容するタンク9と、マゼンタのインクを収容するタンク9と、シアンのインクを収容するタンク9とが、1つずつ設けられている。液体噴射システム1では、複数のタンク9が、第1ケース6の外側に設けられている。このため、液体噴射システム1では、複数のタンク9は、機構ユニット10を覆う第1ケース6に内蔵されていない。
また、プリンター3には、排紙部11が設けられている。プリンター3では、排紙部11から印刷媒体Pが排出される。プリンター3において、排紙部11が設けられている面が正面13とされている。また、プリンター3は、正面13に交差する上面15に操作パネル17を有している。操作パネル17には、電源ボタン18Aや、その他の操作ボタン18Bなどが設けられている。タンクユニット5は、第1ケース6において、正面13と上面15とに交差する側部19に設けられている。第2ケース7には、窓部21が設けられている。窓部21は、第2ケース7において、正面23と上面25とに交差する側部27に設けられている。窓部21は、光透過性を有している。そして、窓部21に重なる位置に、上述した4つのタンク9が設けられている。このため、液体噴射システム1を使用する作業者は、窓部21を介して4つのタンク9を視認することができる。なお、本実施形態では、窓部21は、第2ケース7に形成された開口として設けられている。窓部21は、開口として設けられているので、光透過性を有している。窓部21の構成としては、開口に限定されず、例えば、光透過性を有する材料で構成された板状の部材でなどでもよい。
本実施形態では、各タンク9の窓部21に対面する部位の少なくとも一部が光透過性を有している。各タンク9の光透過性を有する部位から、タンク9内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部21を介して4つのタンク9を視認することによって、各タンク9におけるインクの量を視認することができる。つまり、タンク9では、窓部21に対面する部位の少なくとも一部を、インクの量を視認可能な視認部として活用することができる。各タンク9には、窓部21に対面する部位に、インクの量の上限を示す上限マーク28と、インクの量の下限を示す下限マーク29とが設けられている。作業者は、上限マーク28及び下限マーク29を目印にして各タンク9におけるインクの量を把握することができる。なお、第1ケース6と第2ケース7とは、互いに別体で構成されている。このため、本実施形態では、図2に示すように、第2ケース7を第1ケース6から分離することができる。第2ケース7は、取付けビス31によって第1ケース6に結合されている。また、図2に示すように、第2ケース7は、4つのタンク9の例えば正面、上面、側面のように、少なくとも一部を覆っている。
また、タンクユニット5は、支持フレーム32を有している。4つのタンク9は、支持フレーム32に支持されている。支持フレーム32は、第1ケース6とは別体で構成されている。このため、本実施形態では、図3に示すように、支持フレーム32を第1ケース6から分離することができる。支持フレーム32は、取付けビス33によって第1ケース6に結合されている。このように、本実施形態では、タンクユニット5(図1)は、第1ケース6の外側に取り付けられている。
プリンター3は、機構ユニット10を示す斜視図である図4に示すように、印刷部41と、供給チューブ43と、を有している。印刷部41は、キャリッジ45と、印刷ヘッド47と、4つの中継ユニット49と、を有している。印刷ヘッド47と4つの中継ユニット49とは、キャリッジ45に搭載されている。供給チューブ43は、可撓性を有しており、タンク9と中継ユニット49との間に設けられている。タンク9内のインクは、供給チューブ43を介して中継ユニット49に送られる。中継ユニット49は、タンク9から供給チューブ43を介して供給されたインクを印刷ヘッド47に中継する。印刷ヘッド47は、供給されたインクをインク滴として吐出する。
また、プリンター3は、媒体搬送機構(図示せず)と、ヘッド搬送機構(図示せず)と、を有している。媒体搬送機構は、図示しないモーターからの動力によって搬送ローラー51を駆動することによって、印刷媒体PをY軸方向に沿って搬送する。ヘッド搬送機構は、モーター53からの動力をタイミングベルト55を介してキャリッジ45に伝達することによって、キャリッジ45をX軸方向に沿って搬送する。印刷ヘッド47は、キャリッジ45に搭載されている。このため、印刷ヘッド47は、ヘッド搬送機構によって、キャリッジ45を介してX軸方向に搬送され得る。なお、印刷ヘッド47は、印刷媒体Pに対面した状態でキャリッジ45に支持されている。媒体搬送機構及びヘッド搬送機構によって、印刷媒体Pに対する印刷ヘッド47の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド47からインクを吐出することによって印刷媒体Pに印刷が施される。
タンク9について説明する。タンク9は、図5に示すように、タンク本体の一例であるケース61と、シート部材63と、を有している。ケース61は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材63は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。本実施形態では、シート部材63は、光透過性を有している。タンク9は、ケース61とシート部材63とを接合した構成を有している。ケース61には、接合部64が設けられている。図5では、構成をわかりやすく示すため、接合部64にハッチングが施されている。ケース61の接合部64にシート部材63が接合されている。本実施形態では、溶着によってケース61とシート部材63とが接合されている。
タンク9は、図6に示すように、収容部65と、連通部67と、を有している。連通部67は、大気室68と、連通路73と、を有している。タンク9では、収容部65内にインクが収容される。なお、図6では、シート部材63側からタンク9を平面視した状態が示されており、シート部材63越しにケース61が図示されている。収容部65と、大気室68と、連通路73とは、接合部64によって相互に仕切られている。ケース61は、基礎壁80と、第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87と、を有している。第2壁82の収容部65側とは反対側に、大気室68と、連通路73の一部と、が配置されている。基礎壁80をシート部材63側から平面視したときに、収容部65は、第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84とによって囲まれている。なお、第4壁84が、第2ケース7の窓部21に対面する。つまり、タンク9では、第4壁84に、光透過性を有する部位が含まれている。
また、基礎壁80をシート部材63側から平面視したときに、大気室68が、第2壁82と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87とによって囲まれている。なお、収容部65の基礎壁80と、大気室68の基礎壁80とは、互いに同一の壁である。つまり、本実施形態では、収容部65と、大気室68とが、基礎壁80を共有している。第1壁81、第2壁82、第3壁83、及び第4壁84は、図7に示すように、それぞれ、基礎壁80に交差している。第2壁82は、第1壁81よりもZ軸方向側に位置している。第1壁81と第2壁82とは、基礎壁80を挟んで互いに対向している。第4壁84は、第3壁83よりもX軸方向側に位置している。第3壁83と第4壁84とは、基礎壁80を挟んで互いに対向している。第3壁83は、第1壁81及び第2壁82のそれぞれに交差している。第4壁84も、第1壁81及び第2壁82のそれぞれに交差している。
第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84とは、基礎壁80から−Y軸方向に突出している。これにより、基礎壁80を主壁として、主壁から−Y軸方向に伸びる第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84とによって凹部91が構成される。凹部91は、Y軸方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部91は、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図5)側に向かって開口している。換言すれば、凹部91は、Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図5)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部91がシート部材63によって塞がれて、収容部65が構成される。なお、基礎壁80、第1壁81〜第7壁87は、それぞれ、平坦な壁に限られず、凹凸を含むものであってもよい。
第5壁85は、図6に示すように、第2壁82から、第2壁82の第1壁81側とは反対側、すなわち第2壁82の+Z軸方向側に向かって突出している。第6壁86は、第2壁82から、第2壁82の第1壁81側とは反対側、すなわち第2壁82の+Z軸方向側に向かって突出している。第6壁86は、第5壁85よりもX軸方向側に位置している。第5壁85と、第6壁86とは、大気室68を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第7壁87は、第2壁82よりもZ軸方向側に位置している。第2壁82と第7壁87とは、大気室68を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第5壁85は、第2壁82及び第7壁87のそれぞれに交差している。第6壁86も、第2壁82及び第7壁87のそれぞれに交差している。
第5壁85と、第6壁86と、第7壁87とは、基礎壁80から−Y軸方向に突出している。これにより、基礎壁80を主壁として、主壁から−Y軸方向に伸びる第2壁82と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87とによって凹部99が構成される。凹部99は、Y軸方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部99は、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図5)側に向かって開口している。換言すれば、凹部99は、Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図5)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部99がシート部材63によって塞がれて、大気室68が構成される。なお、第1壁81〜第7壁87の基礎壁80からの突出量は、相互に同じ突出量に設定されている。
第3壁83と第5壁85とは、段差を有している。第3壁83は、第5壁85よりも第4壁84側、すなわち第5壁85よりもX軸方向側に位置している。また、第4壁84と第6壁86とは、段差を有している。第6壁86は、第4壁84よりも第3壁83側、すなわち第4壁84よりも−X軸方向側に位置している。そして、基礎壁80をシート部材63側から平面視した状態で、第4壁84と第6壁86との間にインク注入部101が設けられている。インク注入部101は、第2壁82に設けられている。
図7に示すように、ケース61には、張り出し部105が設けられている。連通路73は、張り出し部105に設けられている。張り出し部105は、第2壁82のうち第6壁86よりもX軸方向側の領域において、凹部91の開口の縁に沿って第2壁82からZ軸方向側に向かって張り出した部位105Aを有する。部位105Aは、第6壁86において、凹部99の開口の縁に沿って第6壁86からX軸方向側に向かって張り出してもいる。また、張り出し部105は、第7壁87からZ軸方向側に向かって張り出した部位105Bを有する。また、張り出し部105は、第5壁85において、凹部99の開口の縁に沿って第5壁85から−X軸方向側に向かって張り出した部位105Cを有する。また、張り出し部105は、第3壁83において、凹部91の開口の縁に沿って第3壁83から−X軸方向側に向かって張り出した部位105Dを有する。連通路73は、張り出し部105に、シート部材63(図5)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられた溝108として構成されている。
ここで、図7に示すように、凹部91内には、凹部109が設けられている。凹部109は、第8壁111と、第9壁112と、第10壁113と、第4壁84とによって囲まれている。凹部109は、第1壁81から第1壁81の第2壁82側とは反対側に向かって、すなわち第1壁81から−Z軸方向側に向かって凹となる向きに設けられている。第8壁111及び第9壁112は、それぞれ、第1壁81に設けられており、第1壁81から第1壁81の第2壁82側とは反対側に向かって、すなわち第1壁81から−Z軸方向側に向かって突出している。
第8壁111は、第4壁84と第3壁83との間に位置しており、第10壁113を挟んで第4壁84に対向している。第9壁112は、基礎壁80とシート部材63(図5)との間に位置しており、第10壁113を挟んでシート部材63に対向している。第10壁113は、第1壁81よりも第2壁82側とは反対側、すなわち第1壁81よりも−Z軸方向側に位置している。第10壁113は、第2壁82に対向している。第8壁111は、第1壁81と第9壁112と第10壁113とに交差している。第9壁112は、第1壁81と第4壁84と第10壁113とに交差している。第10壁113は、第4壁84に交差している。
図7に示すように、凹部109を囲む第8壁111と、第9壁112と、第10壁113と、第4壁84とが供給部114を構成する。供給部114には、接続部115が設けられている。接続部115は、第8壁111に設けられている。接続部115は、第8壁111の凹部109側とは反対側に設けられている。接続部115は、第8壁111から凹部109側とは反対側に向かって、すなわち第8壁111から第3壁83側に向かって突出している。接続部115は、図8に示すように、筒状に形成されている。接続部115には、供給口116が形成されている。供給口116は、接続部115に形成された開口であり、タンク9からのインクの出口である。接続部115には、供給チューブ43(図4)が接続される。タンク9に収容されたインクは、接続部115から供給口116を経て供給チューブ43に送出される。供給チューブ43に送出されたインクは、供給チューブ43によって印刷ヘッド47に導かれる。
また、図7に示すように、第7壁87には、大気連通口118が設けられている。大気連通口118は、第7壁87から、第7壁87の第2壁82側とは反対側、すなわち第7壁87のZ軸方向側に突出している。大気連通口118は、第7壁87を平面視したときに、すなわち第7壁87をXY平面で平面視したときに、凹部99に重なる位置に設けられている。大気連通口118は、ケース61の外側と凹部99の内側とを連通させる。大気連通口118は、ケース61の外側の大気を凹部99の内側に導入可能な大気の通路である。なお、ケース61において、接合部64は、凹部91、凹部99、凹部109、及び連通路73のそれぞれの輪郭に沿って設けられている。
シート部材63は、図5に示すように、第1壁81〜第7壁87を挟んで基礎壁80に対面している。シート部材63は、平面視で、凹部91、凹部99、凹部109及び張り出し部105(図7)を覆う大きさを有している。シート部材63は、接合部64に溶着されている。これにより、凹部91、凹部99、凹部109、及び連通路73が、シート部材63によって封止される。このため、シート部材63は、ケース61に対する蓋であるともみなされ得る。
連通路73は、図6に示すように、連通口121と、連通口122と、を有している。連通口121は、大気室68の内側に向かって開口する開口部である。連通口122は、収容部65の内側に向かって開口する開口部である。大気室68は、連通口121から連通路73を介して連通口122を経て収容部65に通じている。上記により、収容部65は、連通路73、大気室68、及び大気連通口118を介してタンク9の外部に通じている。つまり、連通部67は、大気連通口118と収容部65との間を連通させている。大気連通口118から大気室68内に流入した大気は、連通路73を介して収容部65内に流入する。
インク注入部101は、第2壁82に設けられている。インク注入部101は、図7に示すように、第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれた凹部131内に設けられている。前述したように、張り出し部105は、第2壁82よりも第7壁87側に突出している。また、第6壁86も、第2壁82よりも第7壁87側に突出している。同様に、本実施形態では、基礎壁80及び第4壁84も、それぞれ、第2壁82よりも第7壁87側に突出している。そして、張り出し部105は、第6壁86及び第4壁84の双方に交差している。また、基礎壁80は、第4壁84及び第6壁86の双方に交差している。このため、第2壁82のうち第6壁86よりも第4壁84側の領域は、第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれた凹部131を構成している。凹部131は、第2壁82側から第1壁81側に向かって凹となる向きに設けられている。
上記の構成により、インク注入部101は、第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれている。換言すれば、第2壁82のうち第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれた領域内にインク注入部101が設けられている。そして、凹部131は、インク受け部の機能を有する。インク受け部は、例えば、インク注入部101から溢れたインクや、注入の際に垂れ落ちたインクを受けることができる。このように、凹部131は、インクを受けるインク受け部としての機能を有する。
インク注入部101は、インク注入部101、供給口116及び大気連通口118をXZ平面で切断したときの断面図である図9に示すように、開口132と、側壁133と、を有している。開口132は、第2壁82に設けられた貫通孔である。開口132は、インク注入部101と収容部65の交差する交差部でもある。インク注入部101の構成としては、側壁133が収容部65の内側に突出している構成も採用され得る。側壁133が収容部65の内側に突出している構成においても、インク注入部101と収容部65の交差する交差部を開口132と定義する。凹部91は、貫通孔である開口132を介して凹部91の外側に通じている。側壁133は、第2壁82の第1壁81側とは反対側に設けられており、開口132の周囲を囲み、インク注入路を形成している。側壁133は、第2壁82から第1壁81側とは反対側に向かって突出している。なお、本実施形態では、側壁133は、基礎壁80及び第4壁84のそれぞれよりも第1壁81側とは反対側に突出している。側壁133によって、凹部131に溜まったインクが開口132に流入することを妨げることができる。
タンク9では、タンク9をシート部材63側から平面視したときの側面図である図10に示すように、収容部65の内部にインク141が収容される。図10では、構成をわかりやすく示すため、シート部材63の図示が省略され、且つ接合部64にハッチングが施されている。収容部65内のインク141は、接続部115に形成された供給口116(図9)から印刷ヘッド47に供給される。本実施形態では、液体噴射システム1を印刷に使用する状態において、供給口116に供給チューブ43が接続され、インク注入部101にキャップ143がされる。収容部65内のインク141は、中継ユニット49を介して供給チューブ43内が吸引されることによって、供給口116から印刷ヘッド47に到達する。
印刷ヘッド47による印刷にともなって収容部65内のインク141が印刷ヘッド47側に送られる。このため、印刷ヘッド47による印刷にともなって、収容部65内の圧力が大気圧よりも低くなる。収容部65内の圧力が大気圧よりも低くなると、大気室68内の大気が連通路73を通って収容部65内に流入する。これにより、収容部65内の圧力が大気圧に保たれやすい。上記により、タンク9内のインク141が印刷ヘッド47に供給される。タンク9における収容部65内のインク141が消費され、インク141の残量が少なくなると、作業者は、インク注入部101から新たなインクを収容部65内に補充することができる。
連通路73は、図11に示すように、第1通路151と、第2通路152と、第3通路153と、第4通路154と、第5通路155と、第6通路156と、に区分され得る。第1通路151は、連通口121を起点として、第2壁82に沿って、すなわちX軸方向に沿って第4壁84に向かっている。第1通路151は、連通口121から反転部161に至っている。反転部161は、連通路73における流路の向きが反転する部位である。反転部161では、流路の向きがX軸方向から−X軸方向に反転する。なお、大気連通口118から収容部65に至る大気の経路において、大気連通口118側を上流側とし、連通口122側を下流側とする。
第2通路152は、反転部161から第1通路151の延在方向に沿って、すなわち−X軸方向に沿って第6壁86に向かっている。第2通路152は、反転部161から屈曲部162に至っている。屈曲部162は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部162では、流路の向きが−X軸方向からZ軸方向に屈曲する。第3通路153は、屈曲部162から第6壁86に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第7壁87に向かっている。第3通路153は、屈曲部162から屈曲部163に至っている。屈曲部163は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部163では、流路の向きがZ軸方向から−X軸方向に屈曲する。
第4通路154は、屈曲部163から第7壁87に沿って、すなわち−X軸方向に沿って第5壁85に向かっている。第4通路154は、大気室68よりもZ軸方向側(上方)に位置している。第4通路154は、屈曲部163から屈曲部164に至っている。屈曲部164は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部164では、流路の向きが−X軸方向から−Z軸方向に屈曲する。第5通路155は、屈曲部164から第5壁85に沿って、すなわち−Z軸方向に沿って第1壁81に向かっている。第5通路155は、屈曲部164から反転部165に至っている。
上述したように、第4通路154が大気室68よりも上方に位置している。つまり、連通路73の一部が大気室68よりも上方に位置している。この構成によれば、収容部65から連通路73内に流入したインクは、重力の作用によって大気室68よりも上方に上昇しにくい。このため、収容部65から連通路73内に流入したインクが大気室68に到達しにくい。この結果、収容部65から連通路73内に流入したインクがタンク9から漏れ出ることを抑制しやすい。
また、タンク9では、第3通路153と第5通路155とが、大気室68を挟んで互いに反対側に位置している。この構成によれば、大気室68の周辺の空間を利用して、大気室68の周囲を取り巻くように連通路73を形成することで、連通路73の経路を長くすることができる。連通路73の経路を長くすることは、収容部65内のインクの液体成分の蒸発させにくくするという観点や、収容部65から連通路73内に流入したインクを大気室68に到達させにくくするという観点などから好ましい。
反転部165は、連通路73における流路の向きが反転する部位である。反転部165では、流路の向きが−Z軸方向から+Z軸方向に反転する。第6通路156は、反転部165から第3壁83に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第2壁82に向かっている。第6通路156は、反転部165から屈曲部166を経て連通口122に至っている。屈曲部166は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。連通路73は、屈曲部166において流路の向きが+Z軸方向からX軸方向に屈曲してから、連通口122を介して収容部65内に通じている。
タンク9では、ケース61の第1壁81が、図12に示すように、第1部分181と、第2部分182と、に区分され得る。本実施形態では、X軸とは交差する方向に第1壁81を2つの領域に区分することによって、第1部分181と第2部分182とが区分される。第1部分181は、第2部分182の−X軸方向側に位置している。つまり、第1部分181と第2部分182とは、X軸方向に並んでいる。第1部分181には、被支持部183と、2つの凸部185とが、設けられている。以下において、2つの凸部185を互いに識別する場合に、2つの凸部185は、それぞれ、凸部185A及び凸部185Bと表記される。
凸部185Aは、凸部185BよりもX軸方向側に位置している。2つの凸部185は、X軸に沿って並んでいる。2つの凸部185は、第1壁81から第2壁82側とは反対側、すなわち第1壁81から−Z軸方向に突出している。被支持部183は、2つの凸部185よりも接合部64側、すなわち2つの凸部185よりも−Y軸方向側に位置している。被支持部183は、第1壁81から第2壁82側とは反対側、すなわち第1壁81から−Z軸方向に突出している。被支持部183は、X軸に沿って延在している。
第2部分182には、供給部114と、第1被係合部187とが設けられている。供給部114と第1被係合部187とが設けられている領域が第2部分182であるともみなされ得る。このため、第1部分181は、図13に示すように、第1壁81において、供給部114よりも−X軸方向の領域である。被支持部183は、第1壁81を平面視したときに、接続部115よりもY軸方向側に位置している。また、被支持部183は、第1壁81を平面視したときに、2つの凸部185よりも−Y軸方向側に位置している。つまり、被支持部183は、Y軸方向において、接続部115と2つの凸部185との間に位置している。また、被支持部183の長さは、X軸方向において2つの凸部185の間隔よりも大きい。
第1被係合部187は、図14に示すように、第1壁81と第9壁112との間に架け渡されている。すなわち、第1被係合部187の一端が第1壁81に接続し、他端が第9壁112に接続している。例えば、第1被係合部187は、第1部分187Aと、屈曲部187Bと、第2部分187Cとに区分され得る。第1部分187Aは、第1壁81から−Z軸方向に突出している。このため、第1被係合部187は、第1壁81から−Z軸方向に突出している。第2部分187Cは、第9壁112からY軸方向に突出している。第1部分187Aと、第2部分187Cとは、屈曲部187Bにおいて交差している。つまり、第1被係合部187は、第1壁81から−Z軸方向に突出してから−Y軸方向に屈曲し、第9壁112につながっている。
第1被係合部187のうち第2部分187Cは、第1壁81から離間している。つまり、第1被係合部187のうち第2部分187Cと、第1壁81との間には、隙間があけられている。なお、以下において、第1被係合部187のうち第2部分187Cと、第1壁81との間の隙間は、開口189と表記される。この開口189によって、第1被係合部187は、枠状を呈している。また、第1被係合部187は、開口189によって、環状を呈している。このため、第1被係合部187は、開口189によって、環状の枠部を構成している。また、図15に示すように、接続部115をX軸方向に見たときに、接続部115は、第1被係合部187のうち第2部分187Cを−Y軸方向に延長した領域に重なる。さらに、供給口116も、第1被係合部187のうち第2部分187Cを−Y軸方向に延長した領域に重なる。
このほか、第1被係合部187の形態は、枠状や環状に限られない。例えば、図14において、第1部分187Aと屈曲部187Bとが省略され、第2部分187Cが第9壁112から突出する、棒状の形態でもよい。あるいは、第1部分187Aと屈曲部187Bとは存在するが、第2部分187Cと第9壁112とが接続されておらず、第2部分187Cと第9壁112との間に隙間がある、鉤状の形態でもよい。
また、図14に示すように、ケース61の第3壁83には、第2被係合部191が設けられている。第2被係合部191は、XY面に沿って広がる板状を呈しており、第3壁83から−X軸方向に突出している。第2被係合部191の−Z軸方向側には、リブ193が設けられている。リブ193は、XZ面に沿って広がる板状を呈しており、第3壁83と第2被係合部191とに交差している。リブ193によって、第2被係合部191の剛性を高めることができる。なお、第1被係合部187は、第1部分181(図13)を挟んで第2被係合部191とは反対側に位置している。
支持フレーム32は、図16に示すように、板状のベース部201と、ベース部201の外縁に沿ってベース部201を囲む隔壁203と、隔壁203によって囲まれたベース部201を複数の領域に区画する複数の隔壁204と、を有している。隔壁203と、複数の隔壁204とは、それぞれ、ベース部201からZ軸方向に突出している。複数の隔壁204は、それぞれ、X軸に沿って延在しており、ベース部201のX軸に沿った幅にわたっている。複数の隔壁204は、それぞれ、ベース部201をX軸に沿って横断しており、隔壁203の内側につながっている。このため、1つの隔壁204は、ベース部201を2つの領域に区画している。
そして、Y軸に沿って隣り合う2つの隔壁204の間の領域が、1つのタンク9を配置するタンク配置領域205として区画されている。本実施形態では、5つの隔壁204が設けられている。このため、これらの5つの隔壁204によって、4つのタンク配置領域205が区画される。4つのタンク配置領域205は、それぞれ、Y軸に沿って隣り合う2つの隔壁204と、隔壁203とによって囲まれている。以下において、複数の隔壁204のそれぞれを識別する場合に、複数の隔壁204は、それぞれ、隔壁204A、隔壁204B、隔壁204C、隔壁204D、及び隔壁204Eと表記される。同様に、複数のタンク配置領域205のそれぞれを識別する場合に、複数のタンク配置領域205は、それぞれ、タンク配置領域205A、タンク配置領域205B、タンク配置領域205C、及びタンク配置領域205Dと表記される。
5つの隔壁204は、Y軸に沿って並んでいる。5つの隔壁204のうち隔壁204Aが、最もY軸方向側に位置している。隔壁204Bは、隔壁204Aよりも−Y軸方向側に位置している。隔壁204Cは、隔壁204Bよりも−Y軸方向側に位置している。隔壁204Dは、隔壁204Cよりも−Y軸方向側に位置している。隔壁204Eは、隔壁204Dよりも−Y軸方向側に位置している。同様に、4つのタンク配置領域205も、Y軸に沿って並んでいる。4つのタンク配置領域205のうちタンク配置領域205Aが、最もY軸方向側に位置している。タンク配置領域205Bは、タンク配置領域205Aよりも−Y軸方向側に位置している。タンク配置領域205Cは、タンク配置領域205Bよりも−Y軸方向側に位置している。タンク配置領域205Dは、タンク配置領域205Cよりも−Y軸方向側に位置している。以下において、ベース部201を囲む隔壁203のうち複数の隔壁204の−X軸方向側に位置する部位を、隔壁203Aと表記することがある。また、隔壁203のうち複数の隔壁204のX軸方向側に位置する部位を、隔壁203Bと表記することがある。
それぞれのタンク配置領域205には、凹部207が設けられている。また、それぞれのタンク配置領域205には、複数の載置部221と、複数の凹部223と、第1係合部225と、第2係合部227とが設けられている。なお、本実施形態では、2つの載置部221と、2つの凹部223とが設けられている。
2つの載置部221は、載置壁229に設けられており、X軸に沿って並んでいる。載置壁229は、ベース部201からZ軸方向に突出した板状を呈している。載置壁229は、隣り合う2つの隔壁204の間で隔壁203A側から隔壁203B側に向かって延在し、屈曲部231で屈曲してから、隣り合う2つの隔壁204のうちY軸方向側に位置する隔壁204につながっている。2つの載置部221は、載置壁229のうちX軸に沿って延在する部位である載置壁229Aに設けられている。2つの載置部221は、載置壁229AのZ軸方向側の端部からZ軸方向に突出して設けられている。ベース部201と、タンク配置領域205を区画する2つの隔壁204と、隔壁203と、載置壁229とによって、凹部207が形成されている。このため、載置部221は、凹部207に隣接している。また、タンク配置領域205を区画する2つの隔壁204、隔壁203、及び載置壁229も、それぞれ、凹部207に隣接している。よって、載置壁229に設けられた第1係合部225も凹部207に隣接している。
タンク配置領域205Aの載置壁229と、隣接するタンク配置領域205Bの隔壁204Bとの間の空間に、供給チューブ43の延在可能な空間が形成されている。供給チューブ43は載置壁229と隔壁203Aとの間の空間を通り、タンク9の供給口116に接続される。このとき、載置壁229のうち供給チューブ43と接触する箇所の形状が角形状である場合、供給チューブ43の接触箇所に応力がかかり、折れ曲がり流路が閉塞する、あるいは外面が損傷する可能性がある。そこで、載置壁229のうち供給チューブ43と接触する箇所に曲率を持たせることが好ましい。これにより、供給チューブ43の折れ曲がりや損傷を防ぐことができる。
支持フレーム32では、図17に示すように、隔壁204と、隔壁204にY軸方向に隣り合う載置壁229Aとの間に供給チューブ43が配管される。隔壁204と、隔壁204にY軸方向に隣り合う載置壁229Aとの間の空間が、上述した供給チューブ43の延在可能な空間に相当する。つまり、タンク配置領域205Aの載置壁229と、隣接するタンク配置領域205Bの隔壁204Bとの間の空間は、隔壁204と、隔壁204にY軸方向に隣り合う載置壁229Aとの間の空間の1つである。以下において、隔壁204と、隔壁204にY軸方向に隣り合う載置壁229Aとの間の空間は、配管領域441と表記される。
各タンク配置領域205には、規制部443が設けられている。規制部443は、ベース部201からZ軸方向に突出している。規制部443は、X軸に沿って延在する載置壁229Aの屈曲部231とは反対側の端部において載置壁229Aにつながっている。規制部443と隔壁203Aとの間には、図18に示すように、隙間があけられている。配管領域441に配管された供給チューブ43は、規制部443と隔壁203Aとの間で屈曲してから、隔壁203Aに沿って延在している。つまり、配管領域441に配管された供給チューブ43は、規制部443と隔壁203Aとの間を通ってプリンター3(図1)側に延在している。
規制部443は、X軸に沿って延在する部位である第1部分445と、Y軸に沿って延在する部位である第2部分447と、を含んでいる。第1部分445と第2部分447とは、屈曲部449を介してつながっている。屈曲部449は、曲面状を呈している。本実施形態では、屈曲部449は、曲率を有している。このため、配管領域441に配管された供給チューブ43が規制部443と隔壁203Aとの間で屈曲するときに、規制部443の屈曲部449に供給チューブ43が接触しても、供給チューブ43の折れ曲がりや損傷を防ぐことができる。例えば、屈曲部449が角形状である場合、上述したように、屈曲部449に供給チューブ43が接触すると、屈曲部449に接触した箇所において供給チューブ43の流路が閉塞したり、供給チューブ43の外面が損傷したりする可能性がある。このようなことに対して本実施形態では、供給チューブ43が規制部443と隔壁203Aとの間で屈曲するときに、規制部443の屈曲部449に供給チューブ43が接触しても、供給チューブ43の折れ曲がりや損傷を防ぐことができる。
第1係合部225は、載置壁229Bに設けられている。第1係合部225は、載置壁229Bのうち隔壁203B側に面した面に設けられている。第1係合部225は、載置壁229Bから隔壁203B側に向かって突出している。2つの凹部223は、隣り合う2つの隔壁204のうちY軸方向側に位置する隔壁204と、載置壁229とによって挟まれた領域内に設けられている。2つの凹部223は、ベース部201よりもZ軸方向側に設けられている。2つの凹部223は、ベース部201よりもZ軸方向側からベース部201側に向かって、すなわちベース部201よりもZ軸方向側から−Z軸方向に向かって凹となる向きに設けられている。2つの凹部223は、X軸に沿って並んでいる。なお、2つの凹部223は、2つの載置部221よりもY軸方向側に位置している。2つの凹部223のうちX軸方向側に位置する凹部223と、2つの載置部221のうちX軸方向側に位置する載置部221とは、Y軸に沿って並んでいる。また、2つの凹部223のうち−X軸方向側に位置する凹部223と、2つの載置部221のうち−X軸方向側に位置する載置部221とが、Y軸に沿って並んでいる。
第2係合部227は、ベース部201からZ軸方向に突出しており、Y軸に沿って延在する板状を呈している。第2係合部227は、2つの凹部223よりも隔壁203A側に位置している。第2係合部227は、ベース部201からZ軸方向に突出し、屈曲部233でX軸方向に屈曲している。これにより、第2係合部227は、ベース部201からZ軸方向に突出した鈎状(フック状)を呈している。ここで、支持フレーム32には、図19に示すように、タンク配置領域205ごとに開口235が形成されている。なお、図19では、構成をわかりやすく示すため、開口235にハッチングが施されている。開口235は、第2係合部227のX軸方向側、すなわち第2係合部227の凹部223側に設けられている。
開口235は、ベース部201に形成されており、ベース部201をZ軸に沿って貫通している。開口235は、隣り合う2つの隔壁204のうちY軸方向側に位置する隔壁204と、第2係合部227とに隣接している。そして、開口235の−Y軸方向側と、開口235のX軸方向側とに第2隔壁237が設けられている。第2隔壁237は、開口235に隣接している。第2隔壁237は、第2係合部227と、隣り合う2つの隔壁204のうちY軸方向側に位置する隔壁204とにつながっている。また、第2係合部227は、隣り合う2つの隔壁204のうちY軸方向側に位置する隔壁204につながっている。このため、開口235は、隣り合う2つの隔壁204のうちY軸方向側に位置する隔壁204と、第2係合部227と、第2隔壁237とによって囲まれている。第2隔壁237は、図16に示すように、ベース部201からZ軸方向に突出して設けられている。
タンク9を支持フレーム32のタンク配置領域205に配置する方法について説明する。タンク9をタンク配置領域205に配置するとき、図20に示すように、タンク9の第1壁81が支持フレーム32のベース部201に向けられる。なお、構成をわかりやすく示すため、図20では、支持フレーム32の一部が切断された状態が示されている。さらに、タンク9をタンク配置領域205に配置するとき、タンク9の被支持部183が支持フレーム32の2つの載置部221に向けられる。また、タンク9の2つの凸部185が支持フレーム32の2つの凹部223に向けられる。これにより、タンク9の第1被係合部187が支持フレーム32の第1係合部225に対面し、タンク9の第2被係合部191が支持フレーム32の第2係合部227に対面する。上記により、支持フレーム32に対するタンク9の向きが定まる。
支持フレーム32に対するタンク9の向きを定めた状態で、次に、図21に示すように、タンク9を支持フレーム32に対して傾斜させる。このとき、タンク9の第1壁81に沿ってタンク9の第3壁83側から第4壁84側に向かうにつれて支持フレーム32のベース部201に近づく向きにタンク9を傾斜させる。タンク9を支持フレーム32に対して傾斜させた状態で、第1被係合部187の開口189に、第1被係合部187よりも第2被係合部191側から支持フレーム32の第1係合部225を挿入する。これにより、タンク9の第1被係合部187と支持フレーム32の第1係合部225とが係合する。
そして、第1被係合部187と第1係合部225とを係合させた状態で、タンク9を支持フレーム32側に向けて押し下げることによって、図22に示すように、タンク9の第2被係合部191が、支持フレーム32の第2係合部227に係合する。このとき、タンク9の2つの凸部185(図20)は、支持フレーム32の2つの凹部223内に挿入される。また、このとき、タンク9の被支持部183(図20)が、支持フレーム32の2つの載置部221に当接する。上記により、タンク9が支持フレーム32のタンク配置領域205に配置される。また、タンク9の第1被係合部187内に支持フレーム32の第1係合部225が挿入され、2つの凸部185が2つの凹部223内に挿入され、第2被係合部191が第2係合部227に係合することによって、タンク9が支持フレーム32に固定される。なお、タンク9の第1被係合部187内に支持フレーム32の第1係合部225が挿入された状態において、第1被係合部187と第1係合部225との間に隙間があいている。
本実施形態では、図16に示すように、支持フレーム32に凹部207が形成されている。凹部207は、載置部221が設けられた載置壁229に隣接している。この構成によれば、例えば、タンク9のインク注入部101からタンク9にインクを注入するときに、タンク9の外壁を伝ってこぼれたインクを、載置部221が設けられた載置壁229を介して凹部207に溜めることができる。これにより、インクがタンクユニット5の外部に漏れ出ることを抑えやすい。この結果、インクによる汚れの発生を抑えやすい。
また、本実施形態では、図16に示すように、載置壁229に設けられた第1係合部225も凹部207に隣接している。この構成によれば、例えば、タンク9のインク注入部101からタンク9にインクを注入するときに、タンク9の外壁を伝ってこぼれたインクを、第1係合部225を介して凹部207に溜めることができる。これにより、インクがタンクユニット5の外部に漏れ出ることを抑えやすい。この結果、インクによる汚れの発生を抑えやすい。
また、本実施形態では、図13に示すように、インク注入部101が、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。また、図16に示すように、第1係合部225も第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置する。このため、インク注入部101からこぼれたインクが第1係合部225に到達しやすい。このため、インク注入部101からこぼれたインクを第1係合部225を介して凹部に導きやすい。
また、本実施形態では、図19に示すように、支持フレーム32に開口235が形成され、開口235に隣接する第2隔壁237が設けられている。この構成によれば、インク注入部101からタンク9の外壁を伝ってこぼれるインクを、第2隔壁237を介して凹部に導きやすい。このため、支持フレーム32に開口235が設けられていても、インク注入部101からこぼれるインクが開口235を介して外部に漏れ出ることを抑えやすい。また、第2隔壁237と隔壁204Aとが開口235を囲んでいるので、凹部207内に溜まったインクが開口235内に進入することを防ぎやすい。
また、本実施形態では、インク注入部101が、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。また、支持フレーム32の開口235が、第4壁84よりも第3壁83に近い領域に位置する。この構成によれば、インク注入部101が第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置するのに対して、開口235が第4壁84よりも第3壁83に近い領域に位置するので、インク注入部101と開口235とを遠ざけやすい。これにより、インク注入部101からこぼれるインクが開口235を介して外部に漏れ出ることを一層抑えやすい。
第2ケース7には、図23に示すように、4つの開口251が形成されている。4つの開口251は、それぞれ、第2ケース7に形成された凹部253内に形成されている。4つの開口251は、それぞれ、各タンク9のインク注入部101に重なる部位に設けられている。4つの開口251は、それぞれ、第2ケース7を貫通している。このため、図24に示すように、各タンク9のインク注入部101は、開口251を介して第2ケース7の外側に露呈する。このため、作業者は、タンク9が第2ケース7に収容された状態で、第2ケース7越しにインクをインク注入部101からタンク9内に注入することができる。
第2ケース7は、図25に示すように、支持フレーム32のZ軸方向側に設けられている。第2ケース7は、支持フレーム32に対して嵌合可能に構成されている。第2ケース7は、第1壁261と、第2壁262と、第3壁263と、第4壁264と、を有している。第1壁261は、支持フレーム32のベース部201に対向している。4つの開口251は、第1壁261に形成されている。第2壁262、第3壁263、及び第4壁264は、それぞれ、第1壁261に交差している。第2壁262、第3壁263、及び第4壁264は、それぞれ、第1壁261から−Z軸方向側に向かって、すなわち支持フレーム32側に向かって突出している。なお、第1壁261〜第4壁264は、それぞれ、平坦な壁に限られず、凹凸を含むものであってもよい。
第2壁262と第3壁263とは、Y軸に沿って互いに対面している。第2壁262は、第3壁263よりもY軸方向側に位置している。第4壁264は、第1壁261のX軸方向側に設けられており、第2壁262及び第3壁263のそれぞれに交差している。4つの窓部21は、第4壁264に形成されている。第2ケース7において、第1壁261と、第2壁262と、第3壁263と、第4壁264とによって囲まれる領域は、第2ケース7の内側と表現される。
第1壁261には、複数の突出部281が設けられている。本実施形態では、4つの突出部281が設けられている。4つの突出部281は、第2ケース7の内側に設けられている。4つの突出部281は、第1壁261から支持フレーム32側に向かって、すなわち第1壁261から−Z軸方向に向かって突出している。4つの突出部281は、それぞれ、板状を呈しており、X軸に沿って延在している。4つの突出部281は、Y軸に沿って並んでいる。4つの突出部281は、それぞれ、4つのタンク配置領域205に設けられている。つまり、1つのタンク配置領域205に、1つの突出部281が設けられている。
突出部281は、図26に示すように、タンク9の第7壁87を平面視したときに、第7壁87に重なる領域に設けられている。なお、図26では、構成をわかりやすく示すため、突出部281を第2ケース7から切断した状態が図示されている。タンク9には、第7壁87に複数のリブ283が設けられている。複数のリブ283は、第7壁87からZ軸方向に突出している。複数のリブ283は、それぞれ、Y軸に沿って延在している。突出部281は、複数のリブ283のZ軸方向側に位置しており、複数のリブ283と交差している。
タンク9を支持フレーム32のタンク配置領域205に配置し、第2ケース7を支持フレーム32に嵌合させると、タンク9を支持フレーム32と第2ケース7との間に収容することができる。このとき、タンク9と支持フレーム32と第2ケース7とを図26中のA−A線で切断したときの断面図である図27に示すように、タンク9のインク注入部101の側壁133が第2ケース7の開口251の内側に挿入される。なお、図27では、タンク9の2つの凸部185を通るXZ面と、インク注入部101を通るXZ面とで、タンク9と支持フレーム32と第2ケース7とを切断した状態が示されている。
タンク9を支持フレーム32と第2ケース7との間に収容すると、前述したように、タンク9の被支持部183(図14)が、支持フレーム32の2つの載置部221(図16)に当接する。また、タンク9の2つの凸部185のそれぞれにおいて、図27中のB部の拡大図である図28に示すように、凸部185の−Z軸方向における最端部285が、支持フレーム32の凹部223内の底部286に着地する。これにより、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸に沿った位置が定まる。なお、このとき、凹部223と凸部185との間には、隙間があく。また、凹部223のZ軸方向における最端部287と、タンク9の第1壁81との間には隙間があく。また、このとき、支持フレーム32の第1係合部225とタンク9の第1被係合部187との間にも、Z軸に沿って隙間があく。以下において、第1係合部225と第1被係合部187との間におけるZ軸に沿った隙間量は、距離K1と表記される。
なお、本実施形態では、図28に示すように、凸部185の最端部285が凹部223内の底部286に着地し、且つ凹部223の最端部287とタンク9の第1壁81との間に隙間があく設定になっている。しかしながら、この設定に限定されず、例えば、凹部223の最端部287とタンク9の第1壁81とが当接し、且つ凸部185の最端部285と凹部223内の底部286との間に隙間があく設定も採用され得る。この設定においても、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸に沿った位置が定まる。
また、タンク9では、図27中のC部の拡大図である図29に示すように、リブ283と突出部281との間に隙間があく。以下において、リブ283と突出部281との間におけるZ軸に沿った隙間量は、距離K2と表記される。距離K2は、タンク9から第2ケース7までのZ軸方向における距離であるともみなされ得る。また、タンク9の2つの凸部185のそれぞれにおいて、最端部285と最端部287との間のZ軸に沿った距離は、距離K3と表記される。
本実施形態では、タンク9にZ軸方向の力が作用すると、支持フレーム32に対するタンク9の位置がZ軸方向に変化することがある。これは、第2係合部227と第2被係合部191との係合では、タンク9と支持フレーム32との間の固定力を強固にすることが困難であるからである。しかしながら、本実施形態では、支持フレーム32に対するタンク9の位置がZ軸方向に変化した場合に、タンク9のリブ283(図29)が第2ケース7の突出部281に当接可能である。これにより、Z軸方向におけるタンク9の変位量を規制することができる。
また、本実施形態では、支持フレーム32に対するタンク9の位置がZ軸方向に変化した場合に、タンク9の第1被係合部187(図28)が支持フレーム32の第1係合部225に当接可能である。これにより、Z軸方向におけるタンク9の変位量を規制することができる。これにより、タンク9を支持フレーム32に取り付けるためのねじなどの部品を省略することができるので、部品点数を削減しやすい。また、タンク9を支持フレーム32に取り付けるための部品を省略することができるので、タンク9を支持フレーム32に取り付けるための手間を軽減することができる。
また、本実施形態では、距離K2が距離K3よりも短い。これにより、支持フレーム32や第2ケース7に対するタンク9の位置がZ軸方向にずれても、凸部185が凹部223から外れる前にタンク9が第2ケース7によって規制される。これにより、支持フレーム32や第2ケース7に対するタンク9の位置が所定範囲から外れることを低く抑えることができる。
また、本実施形態では、距離K1が距離K3よりも短い。これにより、支持フレーム32や第2ケース7に対するタンク9の位置がZ軸方向にずれても、凸部185が凹部223から外れる前にタンク9が支持フレーム32によって規制される。これにより、支持フレーム32や第2ケース7に対するタンク9の位置が所定範囲から外れることを低く抑えることができる。
また、本実施形態では、凸部185が凹部223内に挿入されるので、支持フレーム32や第2ケース7に対するタンク9の位置がX軸方向や−X軸方向、Y軸方向や−Y軸方向に変化する量を規制することができる。また、本実施形態では、2つの凸部185それぞれが、2つの凹部223のそれぞれに挿入されるので、例えば、凸部185A(図14)の凹部223への挿入を中心としてタンク9が支持フレーム32に対して回転することを抑えやすい。
本実施形態では、第1被係合部187は、図13に示すように、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。また、第2被係合部191は、第4壁84よりも第3壁83に近い領域に位置している。これにより、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置する第1被係合部187と、第4壁84よりも第3壁83に近い領域に位置する第2被係合部191とにより、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸方向における位置が規制される。この結果、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸方向における位置の精度を高めやすい。
また、本実施形態では、図13に示すように、接続部115が、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。また、第1被係合部187が、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。第1被係合部187及び接続部115がいずれも第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置するので、接続部115は第1被係合部187の近くに位置するといえる。ここで、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸方向における位置の精度は、タンク9の部位のうち第1被係合部187に近い部位ほど高い。このため、接続部115が第1被係合部187の近くに位置していれば、支持フレーム32に対する接続部115のZ軸方向における位置の精度が高められる。この結果、支持フレーム32に対する接続部115のZ軸方向における位置のばらつきに起因して、接続部115と供給チューブ43との接続不良が発生することを抑えやすい。
また、本実施形態では、図13に示すように、第1被係合部187は、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。そして、第4壁84は、光透過性を有する視認部を含んでいる。これにより、視認部を含む第4壁84に近い領域に第1被係合部187が位置するので、支持フレーム32に対する視認部のZ軸方向における位置の精度を高めやすい。
また、本実施形態では、図13に示すように、第1被係合部187が、第1部分181を挟んで第2被係合部191とは反対側に位置している。これにより、第1部分181を挟んで互いに反対側に位置する第1被係合部187と第2被係合部191とにより、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸方向における位置が規制される。この結果、支持フレーム32に対するタンク9のZ軸方向における位置の精度を高めやすい。
なお、本実施形態では、2つの凸部185をタンク9に設け、且つ2つの凹部223を支持フレーム32に設ける構成が採用されている。しかしながら、タンク9及び支持フレーム32の構成は、これに限定されない。タンク9及び支持フレーム32の構成としては、例えば、2つの凸部185を支持フレーム32に設け、且つ2つの凹部223をタンク9に設ける構成も採用され得る。さらに、タンク9及び支持フレーム32の構成としては、例えば、2つの凸部185のうちの1つと2つの凹部223のうちの1つとをタンク9に設け、且つ2つの凸部185のうちの他の1つと2つの凹部223のうちの他の1つとを支持フレーム32に設ける構成も採用され得る。いずれの構成においても、上記の実施形態と同様の効果が得られる。また、凸部185の個数、及び凹部223の個数は、それぞれ2つに限定されない。凸部185の個数、及び凹部223の個数としては、それぞれ1つや、それぞれ3つ以上も採用され得る。
また、本実施形態では、図13に示すように、インク注入部101が、第3壁83よりも第4壁84に近い領域に位置している。また、第1被係合部187の少なくとも一部が、第1壁81のうちZ軸方向においてインク注入部101に重なる領域に位置している。つまり、第1被係合部187の少なくとも一部が、インク注入部101に重なっている。この構成によれば、キャップ143をインク注入部101からZ軸方向に外すときに、タンク9に作用するZ軸方向の力を、第1被係合部187に−Z軸方向に働く反作用で打ち消しやすい。これにより、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを抑えやすい。
なお、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを抑えやすくする構成としては、例えば、図30に示すように、インク注入部101を第2ケース7の開口251で−Z軸方向に規制する構成も採用され得る。図30に示す構成では、開口251を囲む側壁291の−Z軸方向における端部で、インク注入部101の側壁133を規制している。この構成によれば、インク注入部101のZ軸方向への変位を第2ケース7で直接的に規制できるので、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを効果的に抑えやすい。
さらに、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを抑えやすくする構成としては、例えば、図31に示すように、インク注入部101の側壁133のZ軸方向における端部を、第2ケース7で直接的に規制する構成も採用され得る。この構成では、側壁133の内側に第2ケース7の側壁291が挿入されている。図31に示す例においても、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを効果的に抑えやすい。
さらに、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを抑えやすくする構成としては、例えば、図32に示す例も採用され得る。この例では、図31に示す例に比較して、インク注入部101の側壁133の内壁と、第2ケース7の側壁291の内壁との間の段差が軽減されている。図32に示す例においても、キャップ143をインク注入部101から外すときに、タンク9がZ軸方向に変位することを効果的に抑えやすい。さらに、この構成によれば、図31に示す例に比較して、キャップ143をインク注入部101から外すときに第2ケース7にキャップ143が引っ掛かることを避けやすい。このため、図32に示す例では、図31に示す例に比較して、キャップ143をインク注入部101から容易に外しやすい。
ここで、本実施形態では、図27中のD部の拡大図である図33に示すように、第2ケース7と支持フレーム32とにおいて、支持フレーム32の隔壁203Bの一部と、隔壁203Bの一部に対面する第2ケース7の一部とが嵌合する。隔壁203Bの一部と第2ケース7の一部との嵌合部293において、隔壁203Bの一部の内壁311と、第2ケース7の一部の内壁313とが第1境界315で当接する。隔壁203Bの一部の内壁311と、第2ケース7の一部の内壁313とは、タンク9が収容される空間を仕切る壁の内側面を構成する。また、隔壁203Bの一部と第2ケース7の一部との嵌合部293において、隔壁203Bの一部の外壁321と、第2ケース7の一部の外壁323とが第2境界325で当接する。隔壁203Bの一部の外壁321と、第2ケース7の一部の外壁323とは、タンク9が収容される空間を仕切る壁の外側面を構成する。
そして、支持フレーム32の凹部207のうち隔壁203Bの嵌合部293に隣接する部分の底部から第1境界315までの高さH1が、底部から第2境界325までの高さH2よりも低い。換言すれば、第1境界315の高さH1と、第2境界325の高さH2とを比較すると、第2境界325の高さH2の方が高い。このため、例えば、インク注入部101からこぼれたインクが支持フレーム32と第2ケース7とが嵌合した内側面を伝って垂れ落ちたときに、内側面を伝って垂れ落ちたインクは、第1境界315を通過して凹部207内に到達しやすい。これは、内側面を伝って垂れ落ちたインクが、第1境界315から、第1境界315よりも高さ位置が高い第2境界325に遡ることが困難だからである。これにより、インク注入部101からこぼれるインクがタンクユニット5の外部に漏れ出ることを抑えやすい。この結果、インクによる汚れの発生を抑えやすい。
なお、本実施形態では、第2ケース7と支持フレーム32との嵌合において、第1境界315で隔壁203Bの一部の内壁311と第2ケース7の一部の内壁313とが当接している。さらに、第2境界325で隔壁203Bの一部の外壁321と第2ケース7の一部の外壁323とが当接している。しかしながら、第2ケース7と支持フレーム32との構成は、これに限定されない。第2ケース7と支持フレーム32との構成としては、例えば、図34に示すように、隔壁203Bの一部の内壁311のZ軸方向における端部331と、第2ケース7の一部の内壁313の−Z軸方向における端部332との間に隙間をあける構成も採用され得る。また、隔壁203Bの一部の外壁321のZ軸方向における端部333と、第2ケース7の一部の外壁323の−Z軸方向における端部334との間に隙間をあける構成も採用され得る。この場合、端部331と端部332との間の隙間の領域が第1境界315と定義される。また、端部333と端部334との間の隙間の領域が第2境界325と定義される。
第2ケース7と支持フレーム32との構成の一例として、端部331と端部332との間に隙間をあけ、且つ端部333と端部334との間にも隙間をあける構成が採用され得る。また、第2ケース7と支持フレーム32との構成の他の例として、端部331と端部332との間に隙間をあけ、且つ端部333と端部334とを当接させる構成も採用され得る。さらに、第2ケース7と支持フレーム32との構成の他の例として、端部331と端部332とを当接させ、且つ端部333と端部334との間に隙間をあける構成が採用され得る。上記いずれの例においても、端部333が端部332よりもZ軸方向側に位置していれば、インクがタンクユニット5の外部に漏れ出ることを抑えやすいという効果が得られる。なお、第1実施形態において、第2ケース7が蓋部に対応し、支持フレーム32が支持部に対応し、Z軸方向が第1方向に対応し、X軸方向が第2方向に対応している。
(第2実施形態)
第2実施形態における液体噴射システム100は、図35に示すように、プリンター3と、タンクユニット400と、を有している。タンクユニット400は、プリンター3の外周に固定されている。プリンター3については、第1実施形態と同じ構成であるため、図示を簡略化し、且つ詳細な説明を省略する。以下において、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図35には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。図35におけるXYZ軸、及び図35以降におけるXYZ軸は、図1におけるXYZ軸に準じている。
タンクユニット400は、第2ケース401と、タンク403と、を有している。また、第1実施形態と同様に、タンクユニット400は、図示しない供給チューブ43も有している。プリンター3の第1ケース6と第2ケース401とが、液体噴射システム100の外殻を構成している。第2ケース401は、ケース本体404と、カバー405とを含んでいる。ケース本体404には、窓部21が設けられている。作業者は、窓部21を介してタンク403を視認することができる。タンク403の窓部21に対面する部位の少なくとも一部が光透過性を有している。タンク403では、窓部21に対面する部位の少なくとも一部を、インクの量を視認可能な視認部として活用することができる。
カバー405は、図36に示すように、ケース本体404に対して、Y軸に沿ってスライド可能に構成されている。カバー405をケース本体404に対して−Y軸方向にスライドさせると(以下、カバー405を開くと表現する)、タンク403のインク注入部101が露呈する。作業者は、カバー405を開いてインク注入部101を露呈させた状態で、インク注入部101からタンク403内にインクを注入することができる。
第1ケース6と第2ケース401とは、互いに別体で構成されている。このため、本実施形態では、図37に示すように、第2ケース401を第1ケース6から分離することができる。第2ケース401は、取付けビス407によって第1ケース6に結合されている。タンク403は、第1ケース6と第2ケース401との間に配置されている。タンク403は、Z軸に沿って並ぶ2つの壁である第1壁411及び第2壁412を有している。また、タンク403は、X軸に沿って並ぶ2つの壁である第3壁413及び第4壁414を有している。さらに、タンク403は、Y軸に沿って並ぶ2つの壁である第5壁415及び第6壁416を有している。
第1壁411及び第2壁412は、Z軸に沿って互いに対向している。第2壁412は、第1壁411よりもZ軸方向に位置している。第3壁413及び第4壁414は、X軸に沿って互いに対向している。第4壁414は、第3壁413よりもX軸方向に位置している。第3壁413及び第4壁414は、それぞれ、第1壁411及び第2壁412の双方に交差している。第5壁415及び第6壁416は、Y軸に沿って互いに対向している。第6壁416は、第5壁415よりもY軸方向に位置している。第5壁415及び第6壁416は、それぞれ、第1壁411及び第2壁412の双方に交差している。
タンク403の第4壁414には、2つの穴421が形成されている。2つの穴421は、第4壁414から第3壁413側に向かって凹となる向きに形成されている。2つの穴421は、第4壁414内に留められている。つまり、2つの穴421は、第4壁414を貫通していない。このため、2つの穴421は、タンク403内のインク収容部に達していない。また、プリンター3の第1ケース6には、タンク403に対面する部位に、当接部423が設けられている。当接部423は、第1ケース6からタンク403側に向かって突出しており、リブ状を呈している。
第2ケース401には、図38に示すように、2つの軸部425と、突出部427とが設けられている。突出部427は、窓部21の縁に沿って環状に設けられている。突出部427は、窓部21を囲んでいる。突出部427は、第2ケース401の内壁429よりもタンク403側に向かって、すなわち−X軸方向に突出している。なお、内壁429は、第2ケース401の内壁のうちプリンター3側に面した内壁である。2つの軸部425は、内壁429に設けられており、内壁429よりもタンク403側に向かって、すなわち−X軸方向に突出している。2つの軸部425は、窓部21を挟んで互いに反対側に位置している。2つの軸部425は、突出部427よりもタンク403側に向かって突出している。
上記の構成を有する液体噴射システム100では、図35中のE−E線における断面図である図39に示すように、タンク403が第1ケース6と第2ケース401とによってX軸に沿って挟持される。第2ケース401の突出部427が、タンク403の第4壁414に当接する。これにより、タンク403が第2ケース401によって−X軸方向に押圧される。他方で、タンク403の第3壁413が、第1ケース6の当接部423に当接する。これにより、タンク403は、第2ケース401の突出部427と、第1ケース6の当接部423とによって挟持される。このとき、タンク403の2つの穴421(図37)のそれぞれに、第2ケース401の2つの軸部425(図38)のそれぞれが挿入される。これにより、第2ケース401に対するタンク403の回転方向の位置が規制される。これにより、プリンター3に対するタンク403の位置が固定される。
本実施形態によれば、タンク403を第1ケース6や第2ケース401に取り付けるためのねじなどの部品を省略することができるので、部品点数を削減しやすい。また、タンク403を第1ケース6や第2ケース401に取り付けるための部品を省略することができるので、プリンター3に対するタンク403の位置を固定するための手間を軽減することができる。また、第2ケース401の突出部427がタンク403の第4壁414に当接し、タンク403をプリンター3側に向かって押圧するので、第3壁413から第4壁414に向かう方向において、タンク403の第2ケース401に対する位置の精度を高めやすい。なお、第2実施形態において、第2ケース401が蓋部に対応し、Z軸方向が第1方向に対応し、X軸方向が第2方向に対応している。
(第3実施形態)
上記各実施形態では、複数のタンク9やタンク403は、機構ユニット10を覆う第1ケース6に内蔵されていない。つまり、上記各実施形態では、複数のタンク9やタンク403を第1ケース6の外側に配置した構成が採用されている。しかしながら、複数のタンク9やタンク403を第1ケース6に内蔵した構成も採用され得る。以下に、複数のタンク9やタンク403をケース内に内蔵した構成について、液体噴射システムの一例である複合機を例に第3実施形態として説明する。
本実施形態における複合機500は、図40に示すように、プリンター503と、スキャナーユニット505と、を有している。複合機500において、プリンター503とスキャナーユニット505とは、互いに重ねられている。プリンター503を使用する状態において、スキャナーユニット505は、プリンター503の鉛直上方に位置している。なお、図40には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。図40におけるXYZ軸、及び図40以降におけるXYZ軸は、図1におけるXYZ軸に準じている。また、複合機500において、液体噴射システム1や液体噴射システム100と同様の構成については、液体噴射システム1や液体噴射システム100における符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
スキャナーユニット505は、フラットベッドタイプであり、イメージセンサーなどの撮像素子(図示せず)と原稿台と蓋とを有している。スキャナーユニット505は、用紙などの媒体に記録された画像などを、撮像素子を介して画像データとして読み取ることができる。このため、スキャナーユニット505は、画像などの読み取り装置として機能する。スキャナーユニット505は、図41に示すように、プリンター503のケース507に対して回動可能に構成されている。そして、スキャナーユニット505の原稿台のプリンター503側の面は、プリンター503のケース507を覆い、プリンター503の蓋としての機能も有している。
プリンター503は、液体の一例であるインクによって、印刷用紙などの印刷媒体Pに印刷を行うことができる。プリンター503は、図42に示すように、ケース507と、液体収容容器の一例である複数のタンク9(タンク403)と、を有している。ケース507は、プリンター503の外殻を構成している一体成形された部品であり、プリンター503の機構ユニット511を収容している。複数のタンク9(タンク403)は、ケース507内に収容されており、それぞれ、印刷に供するインクを収容している。プリンター503では、4つのタンク9(タンク403)が設けられている。4つのタンク9(タンク403)は、相互にインクの種類が異なる。プリンター503では、インクの種類として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類が採用されている。そして、相互にインクの種類が異なる4つのタンク9(タンク403)が、1つずつ設けられている。
また、プリンター503は、操作パネル512を有している。操作パネル512には、電源ボタン513や、その他の操作ボタン514などが設けられている。プリンター503を操作する作業者は、操作パネル512に対面した状態で、電源ボタン513や操作ボタン514を操作することができる。プリンター503では、操作パネル512が設けられている面が正面とされている。プリンター503の正面には、ケース507に窓部515が設けられている。窓部515は、光透過性を有している。そして、窓部515に重なる位置に、上述した4つのタンク9(タンク403)が設けられている。このため、作業者は、窓部515を介して4つのタンク9(タンク403)を視認することができる。
プリンター503では、各タンク9(タンク403)の窓部515に対面する部位が光透過性を有している。各タンク9(タンク403)の光透過性を有する部位から、タンク9(タンク403)内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部515を介して4つのタンク9(タンク403)を視認することによって、各タンク9(タンク403)におけるインクの量を視認することができる。プリンター503では、窓部515がプリンター503の正面に設けられているので、作業者は、操作パネル512に対面した状態で、窓部515から各タンク9(タンク403)を視認することができる。このため、作業者は、プリンター503を操作しながら、各タンク9(タンク403)におけるインクの残量を把握することができる。
プリンター503は、機構ユニット511を示す斜視図である図43に示すように、印刷部41と、供給チューブ43と、を有している。印刷部41及び供給チューブ43は、それぞれ、液体噴射システム1や液体噴射システム100における印刷部41及び供給チューブ43と同様の構成を有している。プリンター503においても、液体噴射システム1や液体噴射システム100と同様に、媒体搬送機構が、図示しないモーターからの動力によって搬送ローラー51を駆動することによって、印刷媒体PをY軸方向に沿って搬送する。また、プリンター503においても、液体噴射システム1や液体噴射システム100と同様に、ヘッド搬送機構が、モーター53からの動力をタイミングベルト55を介してキャリッジ45に伝達することによって、キャリッジ45をX軸方向に沿って搬送する。印刷ヘッド47は、キャリッジ45に搭載されている。このため、印刷ヘッド47は、ヘッド搬送機構によって、キャリッジ45を介してX軸方向に搬送され得る。媒体搬送機構及びヘッド搬送機構によって、印刷媒体Pに対する印刷ヘッド47の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド47からインクを吐出することによって印刷媒体Pに印刷が施される。
上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、上記各実施形態で説明したようなインクの他、液晶等も挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。