JP5085380B2 - 床下点検口などの外枠装置 - Google Patents

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この発明は、屋内床下に配備される床下点検口(あるいは床下収納庫)などの外枠装置に関する。
床下点検口の外枠7は、図9で示すように、立上り壁71と、立上り壁71の上端を外向きに折り曲げた水平つば72と、立上り壁71の下端に連続し、内向きに突出するハコ状受け部73とから成る。
床下点検口の施行に際しては、根太81と床補強材82と床材83とで構成される床面8の適所に、点検口用の開口84が開設される。この開口端面(床8端面)に上記立上り壁71を対応させた状態で、水平つば72を床面(床材上面)8に載せる。
ここで、立上り壁71面内のビス孔71aから床材83に対し、ビス71bを打ち込み、床面8に対し外枠7を額縁状に固定する。一方、床開口に際し切り出した床材を方形状の蓋板85とし、この蓋板85の外縁に略断面「コ」の字状の内枠86を固着して、内枠86の底面をハコ状受け部73の上面で支承する。
特開2003−120014公報
従来の床下点検口の外枠では、立上り壁から床端面に対しビス打ちする。このビスを締め付けすぎると、床端面と外枠との間の適正な隙間がなくなり、外枠が変形する不利がある。
他方、ビスの締付け強度が十分でないと、ハコ状受け部の下方に支えがないことと相俟って、蓋板にかかる負荷は水平ツバの接地面でのみ支承する結果となる。このため、水平ツバの接地面が支点となって、外枠は矢印C方向へ変形する。
仮に、外枠のハコ状受け部を支える受け桟87を施行した場合は、外枠の矢印C方向への変形は解消し得る反面、床面開口寸法を基準寸法どおり正確に加工しなければならず、且つ受け桟の上面高さを正確に施行しなければならない等、これらの作業が極めて煩瑣であり熟練を要する等の不利があった。
この発明は、以上のような課題を解消させ、煩瑣な受け桟の施行作業が不要で、且つ外枠が床端面に対し変形することなく適正強固に取り付け得、しかも耐荷重性能が高い許かりでなく、熟練を要せず、簡単且つ容易に施行し得る床下点検口などの外枠装置を提供することを目的とする。

この目的を達成させるために、この発明の床下点検口などの外枠装置では、次のような構成としている。
床下点検口などの外枠装置は、内枠の底面を支承するハコ状受け部の底面に取付用スリットを開口した外枠と、この外枠に脱着する外枠取付手段とからなり、外枠取付手段は前面にビス用孔を開設し、上面に切欠開口部と貫通孔とを備えた背面開口のハコ状ボディ本体と、このハコ状ボディ本体の貫通孔に嵌入され、臨出する係止爪が取付用スリットを介して外枠のハコ状受け部に固定される介在アームと、ハコ状ボディ本体に嵌着され、対向する両壁の上面が前方向に上昇傾斜する勾配面を有し、底面部に後方への付勢バネと下方への付勢バネとを備え、両壁の嵌合突部が介在アームの下部の嵌合受け部に嵌着すると共に、下方への付勢バネがハコ状ボディ本体のバネ押え片に係止するバネスライダーと、バネスライダーの後方への付勢バネによって後方へ押圧される角柱部に、ハコ状ボディ本体のビス用孔に対応するビス用孔を備え、角柱部の両側にバネスライダーの勾配面に対応する勾配面を有すると共に、天板部がハコ状ボディ本体の切欠開口部に嵌入して奥行き方向へスライド可能に配備された押圧スライダーとから成ることを特徴としている。
このような構成を有する床下点検口などの外枠装置では、外枠に対し外枠取付手段を脱着可能且つ奥行き方向へ移動可能に取り付けることとしたから、外枠取付手段の押圧スライダーからボディ本体に向けてビスを打ち込むことで、ビス先端が床材に螺入して締め付ける結果、外枠は床端面に対し適正な隙間を保持して強固に床面に止着される。
従って、ビスの締め付けに際しては、床材表面に載せおく外枠には一切、締め付け力が作用しない。このため、ビス締め付け力が強すぎることによる外枠の変形などの不利が解消される許かりでなく、外枠は適正且つ強固に床材に取り付けられる。
また、内枠の底面を支承する外枠のハコ状受け面部は、外枠取付手段(ハコ状ボディ本体)によって支承され、且つ外枠取付手段は根太(床材)に対し強固にビス止着される。従って、内枠及び外枠に作用する荷重に対する支承強度が大である。
更に、外枠に対し固定された介在アーム(棒状部径)より貫通孔(角形孔径)が大きい分、外枠取付手段(ハコ状ボディ本体)は、奥行き方向へ移動可能である。従って、床開口寸法が基準寸法に対してやや不正確な場合であっても、ハコ状ボディ本体の移動量で吸収し得る。
かくして、受け桟の煩瑣な施行作業も不要となる許かりでなく、床材の厚さ構成に応じて選択したビス孔に、ビスを打ち込むだけの簡単な作業で、熟練を要せず、正確、容易に点検口などの外枠施行を実施し得る等、発明目的を達成した優れた効果を有する。
以下、図面に基づき本発明に係る床下点検口などの外枠装置の具体的な実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態の床下点検口などの外枠装置を示す分解斜視図である。
床下点検口などの外枠装置は、外枠Aと、外枠Aに取り付ける外枠取付手段Bとからなる。
外枠Aは、所定長さ、高さを有する立上り壁11の上端を外向きに折り曲げて水平ツバ部(載せ縁部)12を設けると共に、立上り壁11の下端に打ち向きに突出するハコ状受け部13を連続形成したもので、ハコ状受け部13の底面13aに取付用スリット13bを開口した点に特徴を有する。
外枠取付手段Bは、合成樹脂の成形品で、ハコ状ボディ本体2と、ハコ状ボディ本体と外枠Aとの間に介在する介在アーム3と、介在アームをハコ状ボディ本体内で嵌着固定するバネスライダー4と、ハコ状ボディ本体にスライド可能に取り付けられ、ビス9の締め付け力で、バネスライダーを押圧してハコ状ボディ本体2を奥行き方向へ移動させる押圧スライダー5とから成る。
ハコ状ボディ本体2は、背面が開口した直方体形状で、前面21の幅中央に上下方向へビス孔21a、21b、21cを開設している。また、上面22の面内左右両側には介在アーム3が嵌入する貫通孔(角孔)26,26を開口している。
更に、上面22の中央には押圧スライダー5の天板52を支承する上面切欠き開口部25を開設している。この「コ」字状の切欠き開口部25の左右対向端には、ヒサシ状受け面25a、25aを設けて、押圧スライダー5の天板部52aを支承する。
上記前面21の裏面(内側)には、ビス孔21cの左右両側に、内方向へ突出する縦長さが短いガイド爪23、23を設けると共に、角孔26に対応する下方に水平状のバネ押え片24、24を対向突設している。
前記介在アーム3は、水平アーム31と、水平アーム31の両端から垂下する垂直アーム32、32とからなる。垂直アーム32の径は、上記外枠Aの取付用スリット13b幅に対応すると共に、前記角孔26の径より小さく設定してある。従って、垂直アーム32は、角孔26内で奥行き方向へ移動し得る。
垂直アーム32は、溝32aを介して水平アーム31と一体の板部33と、割り溝34aを介して二つに分岐した棒状部34、34とからなる。棒状部34の先端には、外方向へ出っ張る係止爪34bが設けられ、前記外枠Aの底面13aに止着する。
前記バネスライダー4は、底板部41と、底板部41の両端に立ち上がる垂直壁板42、42とからなる。垂直壁板42の上端面は、奥行き方向へ上昇傾斜する勾配面42aに設定してある。
更に、底板部41の前端には湾曲バネ板43、43が内向きに突設され、垂直壁板42の下端には外向きのバネ板45が突設してある。また、垂直壁板42の内面には嵌合凹部46を設け、外面には嵌合突部44が突設してある。
図2で示すように、ハコ状ボディ本体2に対し、介在アーム3の垂直アーム32を嵌入した状態で、水平アーム31と係止爪34bが上方に臨出している。この状態で、バネスライダー4をボディ本体2入れると、嵌合突部44が介在アーム3の嵌合受け部32bに嵌着し、且つ嵌合凹部46にガイド爪23が嵌まる。
更に、バネ板45の先端は、バネ押え片24の下側へ係止する。これにより、ボディ本体2と介在アーム3及びバネスライダー4は、一体に連繋されている。ここで、底板下端部41aがボディ本体2の底面切欠き27に位置するバネスライダー4を上方へ押すと、付勢バネ45に抗して介在アーム3を僅かに上下動させることができる。
上記押圧スライダー5は、図1で示すように、ビス貫通孔51a、51b、51cを開設した角柱部51と、角柱部51の上端に設けた天板部52と、角柱部51の左右両側に外方向へ突出する張出し部53、53と、上記ビス貫通孔の両側に設けたバネ受け溝54とから成る。
図3は、ハコ状ボディ本体2から介在アーム3を取り外し、バネスライダー4と押圧スライダー5との関係を表した説明図である。
押圧スライダー5の天板52は、ハコ状ボディ本体2の上面切欠き開口部(ヒサシ状受け面25a)25に重合した状態で、ボディ本体2内に嵌合している。
更に、この状態で、角柱部51のバネ受け溝54をバネスライダー4の内向きバネ板43が後方へ押圧している。従って、角柱部51の下部は、左右両壁42の内面に接面した状態で後方へ付勢されている。これにより、上下方向に対応する張出し勾配面53bと勾配面42aとは前後方向へ位置ずれし、両勾配面は接面していない(図4参照)。
このような構成を有する床下点検口などの外枠装置では、図4で示すように、外枠Aを床面8開口端に取り付ける。つまり、水平ツバ部12を床面に重合させ、立上り壁11を床開口端面84に対応させる。
このとき、床開口寸法が基準寸法どおりに施行されていれば、立上り壁11の当接部11a並びに水平ツバ部12の当接部12aが床開口端面に接面し、立上り壁11と床開口面との間には適正な隙間が開く。
ここで、外枠取付手段Bを外枠Aの任意位置に取り付ける。図4で示すように、介在アーム3の係止爪34bをハコ状受け部13の取付用スリット13bに嵌入させる。嵌合した係止爪34bは、底面13aに係止固定する。この固定状態で、ボディ本体2は角孔26径が大きい分、奥行き方向へ移動可能である。
また、この取り付け状態において、上記同様に床開口寸法が基準寸法どおりに施行されていれば、ハコ状ボディ本体2の前面21は、ほぼ当接部11a、12aの仮想線上に位置するため、前面21は床開口端面84に接面する。
ここにおいて、ビス9を押圧スライダー5のビス孔21aに入れ締め付ける。常態において、押圧スライダー5は、バネスライダー4によって後方へバネ付勢され、位置ずれしているため、対応する勾配面53b、42aは接面していない(図4参照)。
この状態からビス9を締め付けると、ビス9先端は連通するボディ本体前面21のビス孔21aを貫通して根太81に侵入する。ビス9の締め付けで、押圧スライダー5はバネ43力に抗して前方方向(奥行き方向)へ移動する。このとき、天板52の突子52aがヒサシ状受け面25aの突子25cを乗り越え(図1参照)、奥行き方向へスライド移動する。
そして、図5で示すように、対応する勾配面53bと勾配面42aが接面する。更にビス9を締め付けるとき、バネスライダー(勾配面42a)4が僅かに下方へ押し下げられ、且つ同時に連繋する介在アーム3も僅かに押し下げられる結果、外枠Aとボディ本体2とが強固に密着させられる。
図6で示すように、ビス9の締め付けで押圧スライダー5が最も深く押し込まれると、つまり、天板52の前端が上面切欠き開口部25の前端(ストッパ)25bに当接するとき、介在アーム3を最も強く引き込み、ハコ状ボディ本体2を外枠Aとバネスライダー4とで挟圧すると同時に、前面21が根太81に強力に接面する。
図7は、床開口寸法が誤って基準寸法よりやや大きく加工されている場合について図示している。
この場合は、ビス9の締め付けによって、固定介在アーム3に対し、ハコ状ボディ本体(バネスライダー4、押圧スライダー5)2が奥行き方向へ移動して、前面21が根太81に接面する。ビス9への締め付けによって、床開口寸法の誤りが吸収され、且つ外枠A変形の虞れがなく適正に止着される。
図8は、床が根太81を使用せずに、所謂、床材と下地材のみから施行される場合について図示している。例えば、床材が12ミリ厚みで、下地材(下地構造用合板)82が12ミリ厚みの場合では、実施の形態のように、根太81に対応するビス孔21c(51c)を選択してビス止着する。
一方、図8のように、床材が12ミリ厚みで下地材82が24ミリ厚み、28 ミリ厚み、30ミリ厚みの場合には、これに対応するビス孔21a(51a)を選択してビス止着することで、根太81の有無並びに床材厚みに関わりなく施行し得る。
実施の形態の床下点検口などの外枠装置を示す分解斜視図である。 ボディ本体に介在アームとバネスライダーを嵌合した状態を示す説明平面図である ボディ本体から介在アームのみを取り出した状態を示す説明平面図である。 床面に取り付けた外枠に外枠取付手段を装着した状態を示す説明断面図である。 外枠取付手段をビスで締め付ける状態を示す説明断面図である。 外枠取付手段に対しビスを締め付け、根太に強固に接着させる状態を示す説明断面図である。 床開口寸法が基準寸法より大きい場合の外枠及び外枠取付手段の装着状態を示す説明断面図である。 根太のない床材に対し外枠取付手段を取り付ける際のビス孔の選択例を示す説明断面図である。 従来の点検口などの外枠を示す断面図である。
符号の説明
A 外枠
B 外枠取付手段
2 ハコ状ボディ本体
3 介在アーム
4 バネスライダー
5 押圧スライダー
11 立上り壁
12 水平ツバ部
13 ハコ状受け部
13a 底面
13b 取付用スリット
21 前面
22 上面
25 切欠開口部
26 貫通孔
21a ビス用孔
31 水平アーム
32 垂直アーム
34b 係止爪
41 底板部
42 立上り両壁
42a 勾配面
42 後方への付勢バネ
45 下方への付勢バネ
44 嵌合突子
45 嵌合受け部
51 角柱部
52 天板部
53 勾配面
51a ビス用孔
9 ビス

Claims (3)

  1. 内枠の底面を支承するハコ状受け部の底面に取付用スリットを開口した外枠と、この外枠に脱着する外枠取付手段とからなり、
    外枠取付手段は、前面にビス用孔を開設し、上面に切欠開口部と貫通孔とを備えた背面開口のハコ状ボディ本体と、このハコ状ボディ本体の貫通孔に嵌入され、臨出する係止爪が取付用スリットを介して外枠のハコ状受け部に固定される介在アームと、ハコ状ボディ本体に嵌着され、対向する両壁の上面が前方向へ上昇傾斜する勾配面を有し、底面部に後方への付勢バネと下方への付勢バネとを備え、両壁の嵌合突部が介在アームの下部の嵌合受け部に嵌着すると共に、下方への付勢バネがハコ状ボディ本体のバネ押え片に係止するバスネライダーと、バネスライダーの後方への付勢バネによって後方へ押圧される角柱部にハコ状ボディ本体のビス用孔に対応するビス用孔を備え、角柱部の両側にバネスライダーの勾配面に対応する勾配面を有すると共に、天板部がハコ状ボディ本体の切欠開口部に嵌入して奥行き方向へスライド可能に配備された押圧スライダーとから成ることを特徴とする床下点検口などの外枠装置。
  2. 上記貫通孔の径は、貫通孔に挿通する頭部に係止爪を備える垂直アーム径より大きく設定し、垂直アーム径に対し貫通孔径が大きい分、ハコ状ボディ本体が奥行き方向へ移動可能に設定されていることを特徴とする請求項1記載の床下点検口などの外枠装置。
  3. 上記ハコ状ボディ本体及びバネスライダーに設けられるビス用孔は、上下方向に一定間隔開いて複数配列され、床材の厚みに応じて選択使用されるものであることを特徴とする請求項1記載の床下点検口などの外枠装置。
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