JP2015068905A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたデジタルカメラ - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたデジタルカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】ノーマリーオープンとノーマリークローズの切換機構のコストが安くアクチュエータの配置自由度が高く消費電力が少ないシャッタの提供。
【解決手段】露光作動後の待機時に画枠を開放する方式と閉鎖する方式の切換機構18を備え、切換機構が、片側方向にのみ通電される電磁石18bと、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止可能な係止部18a−11、電磁石への通電と通電の解除との切換えに応じて電磁石に対する力の向きが切換わり、通電時には係止部を被係止部との係止を解除可能な位置に移動させ、通電の解除時には係止部を被係止部を係止可能な位置に移動させる作動部18a−13を有する抑止部材18a−1を有し、露光作動後待機前の係止部による被係止部への係止と係止の解除とに応じて、先羽根用第1駆動部材に対する先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と抑止の解除とが切換わる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたデジタルカメラに関する。
撮影に際して、一組もしくは複数組の羽根群を駆動させ、感光面の露光を行い、待機時には画枠を開放し映像を取り込めるようにしたカメラ用のノーマリーオープン方式の撮影を採用したフォーカルプレンシャッタが現在良く使用されている。そして、ノーマリーオープン方式の撮影を採用したフォーカルプレンシャッタにおいては、切換機構を用いて露光作動後の待機時に画枠を閉鎖するノーマリークローズ方式の撮影と切換可能なものも提案されている。
しかるに、現在、カメラに使用されるフォーカルプレンシャッタには、例えば、本件出願人の提案による次の特許文献1や特許文献2に記載されるようなシャッタがある。
特開2011−137986号公報 特開2011−113060号公報
特許文献1や特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタは、撮影の待機状態において露光開口を開いた状態とすべく、先羽根の閉じ方向への移動を抑止し、撮影時に先羽根の閉じ方向への移動の抑止を解除するための抑止部材が、永久磁石回転子やソレノイド等の回転方向や直線方向に往復作動可能な可動子を備え、可動子に備わるコイルに対し二方向に通電することにより、可動子を先羽根の閉じ方向への移動を抑止する方向とその抑止を解除する方向とに移動させる電磁装置で構成されている。そして、ノーマリーオープン方式の撮影を、このような電磁装置からなる抑止部材の往復作動可能な可動子のコイルへの通電方向の切り換えにより、先羽根用第1駆動部材の被抑止部の作動軌跡内への出入りを切り換えることで行っている。
しかし、特許文献1,2に記載のフォーカルプレンシャッタのように、ソレノイドや永久磁石回転子を切換機構に用いるとコスト高となってしまう。また、永久磁石回転子では可動子としての作動範囲が限定されたものとなり、配置の自由度が低くなる。しかも、電磁装置に対する通電を二方向へ切り替えるのでは、その分、消費電力が大きくなってしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ノーマリーオープン方式の撮影とノーマリークローズ方式の撮影との切換が可能なタイプのフォーカルプレンシャッタにおいて、切換機構のコストが安く、アクチュエータの配置の自由度が高く、しかも、消費電力が少ないカメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたデジタルカメラを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、セットばねの付勢力によって回転し、先羽根群を露光開口を閉じる方向へ駆動させる先羽根用第1駆動部材と、先羽根用駆動ばねの付勢力によって回転し、前記セットばねの付勢力に抗して前記先羽根用第1駆動部材を押動することで前記先羽根群を露光開口を開く方向へ駆動させる先羽根用第2駆動部材とで構成された先羽根用駆動手段を有するとともに、前記先羽根用第1駆動部材による前記先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と該抑止の解除とを切換えることにより、露光作動後の待機時に画枠を開放するノーマリーオープン方式の撮影と露光作動後の待機時に画枠を閉鎖するノーマリークローズ方式の撮影とを切換え可能な切換機構を備えたフォーカルプレンシャッタであって、前記切換機構が、片側方向にのみ通電される電磁石と、前記先羽根用第1駆動部材に設けられている被係止部を係止可能な係止部と、前記電磁石への片側方向の通電と該通電の解除との切換えに応じて該電磁石に対する力の向きが切換わり、前記通電時には前記係止部を、前記被係止部との係止を解除可能な位置に移動させ、前記通電の解除時には前記係止部を、前記被係止部を係止可能な位置に移動させる作動部とを有する抑止部材を有してなり、露光作動後待機前の前記係止部による前記被係止部への係止と該係止の解除とに応じて、前記先羽根用第1駆動部材に対する前記先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と該抑止の解除とが切換わることを特徴としている。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記抑止部材は、軸を中心として回転可能であって、一端に前記係止部を有するとともに、他端に第1の永久磁石を備え、前記作動部が前記第1の永久磁石からなり、前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記第1の永久磁石に対する反発力を有し、該第1の永久磁石の該電磁石に対する反発力により、前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記第1の永久磁石の該電磁石に対する吸引力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転するのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、さらに、前記電磁石が、前記第1の永久磁石に対する反発力を有する第2の永久磁石を備え、前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記第2の永久磁石の前記第1の永久磁石に対する反発力を打ち消す磁力を発し、該第1の永久磁石の該電磁石に対する吸引力により、前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記第2の永久磁石の前記第1の永久磁石に対する反発力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転するのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記抑止部材は、軸を中心として回転可能であって、一端に前記係止部を有するとともに、他端に強磁性体部を備え、さらに、前記他端を前記電磁石から離す方向に付勢するばねを備え、前記作動部が前記強磁性体部と前記他端を前記電磁石から離す方向に付勢するばねとからなり、前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記強磁性体部に対する吸引力を有し、該強磁性体部の該電磁石に対する吸引力により、前記電磁石から離す方向に付勢するばねの付勢力に抗して前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記電磁石から離す方向に付勢するばねの力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転するのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記先羽根用第1駆動部材は、前記被係止部の外側に押動部を有し、前記抑止部材は、前記係止部の外側に被押動部を有し、前記係止部が前記先羽根用第1駆動部材の前記被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記先羽根群が露光開口を開く方向に駆動するように前記先羽根用第1駆動部材が回転させられたときに、前記先羽根用第1駆動部材の前記押動部が前記抑止部材の前記被押動部を押し退けて、前記係止部による前記先羽根用第1駆動部材の前記被係止部の係止が掛かるのが好ましい。
更に、本発明のデジタルカメラは、上記のような各カメラ用フォーカルプレンシャッタを備えている。
本発明によれば、前記切換機構が、片側方向にのみ通電される電磁石と、前記先羽根用第1駆動部材に設けられている被係止部を係止可能な係止部と、前記電磁石への片側方向の通電と該通電の解除との切換えに応じて該電磁石に対する力の向きが切換わり、前記通電時には前記係止部を、前記被係止部との係止を解除可能な位置に移動させ、前記通電の解除時には前記係止部を、前記被係止部を係止可能な位置に移動させる作動部とを有する抑止部材を有してなり、露光作動後待機前の前記係止部による前記被係止部への係止と該係止の解除とに応じて、前記先羽根用第1駆動部材に対する前記先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と該抑止の解除とが切換わるようにしたので、切換機構に特許文献1,2のような永久磁石回転子やソレノイドを用いた構成に比べてコストを低減することができる。また、永久磁石回転子のような配置の自由度が制限されることもない。さらには、抑止部材の係止部による被係止部への係止と該係止の解除との切換えのために行う電磁石への通電の方向が片側方向のみであるので、抑止部材の係止部による被係止部への係止時に片側方向の通電を解除し、係止を解除する時のみ片側方向に通電するように通電を制御することで、通電時間を減らして、消費電力を低減させることができる。
加えて、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記抑止部材が、軸を中心として回転可能であって、一端に前記係止部を有するとともに、他端に第1の永久磁石を備え、前記作動部が前記第1の永久磁石からなり、前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記第1の永久磁石に対する反発力を有し、該第1の永久磁石の該電磁石に対する反発力により、前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記第1の永久磁石の該電磁石に対する吸引力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転するようにすれば、切換機構の部品数を簡素化することができる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、さらに、前記電磁石が、前記第1の永久磁石に対する反発力を有する第2の永久磁石を備え、前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記第2の永久磁石の前記第1の永久磁石に対する反発力を打ち消す磁力を発し、該第1の永久磁石の該電磁石に対する吸引力により、前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記第2の永久磁石の前記第1の永久磁石に対する反発力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転するようにすれば、電磁石への片側方向の通電による抑止部材の回転方向に関し、電磁石の反発方向あるいは吸引方向のいずれの方向にも設計でき、設計の自由度が大きくなる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記抑止部材が、軸を中心として回転可能であって、一端に前記係止部を有するとともに、他端に強磁性体部を備え、さらに、前記他端を前記電磁石から離す方向に付勢するばねを備え、前記作動部が前記強磁性体部と前記他端を前記電磁石から離す方向に付勢するばねとからなり、前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記強磁性体部に対する吸引力を有し、該強磁性体部の該電磁石に対する吸引力により、前記電磁石から離す方向に付勢するばねの付勢力に抗して前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記電磁石から離す方向に付勢するばねの力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転するようにすれば、抑止部材に磁石を用いない構成が実現できる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記先羽根用第1駆動部材は、前記被係止部の外側に押動部を有し、前記抑止部材が、前記係止部の外側に被押動部を有し、前記係止部が前記先羽根用第1駆動部材の前記被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記先羽根群が露光開口を開く方向に駆動するように前記先羽根用第1駆動部材が回転させられたときに、前記先羽根用第1駆動部材の前記押動部が前記抑止部材の前記被押動部を押し退けて、前記係止部による前記先羽根用第1駆動部材の前記被係止部の係止が掛かるようにすれば、抑止部材を用いて先羽根用第1駆動部材の被係止部を係止するために電磁石に対して行う片側方向の通電及び通電の解除の回数を減らして、通電時間を短縮することができ、その分、省電力化できる。
このため、本発明によれば、ノーマリーオープン方式の撮影とノーマリークローズ方式の撮影との切換が可能なタイプのフォーカルプレンシャッタにおいて、切換機構のコストが安く、アクチュエータの配置の自由度が高く、しかも、消費電力が少ないカメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたデジタルカメラが得られる。
本発明の第1実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示す、被写体側から左側約半分を拡大した平面図である。 図1の状態から、セット部材が初期位置に戻った状態を示す平面図である。 図2の状態から、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動した、露光作動直前の状態を示す平面図である。 図3の状態から、先羽根及び後羽根が順に走行し露光作動が完了した後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動し、先羽根用第1駆動部材を係止しうる状態を示す平面図である。 図4の状態から、セット作動を行いセット作動が完了する直前の画枠が開放状態になったときの状態を示す平面図である。 図5の状態を経てセット作動が完了した状態から、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った状態を示す平面図である。 第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動の変形例を示す図であって、図2の状態から抑止レバーを先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動させることなく、露光作動を開始した途中の状態を示す図であって、先羽根が露光作動を終了する直前において先羽根用第1駆動部材が抑止レバーに制動されるときの状態を示す平面図である。 本発明の第2実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示す、被写体側から左側約半分を拡大した平面図である。 図8の状態から、セット部材が初期位置に戻った状態を示す平面図である。 図9の状態から、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動した、露光作動直前の状態を示す平面図である。 図10の状態から、先羽根及び後羽根が順に走行し露光作動が完了した後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動し、先羽根用第1駆動部材を係止しうる状態を示す平面図である。 図11の状態から、セット作動を行いセット作動が完了する直前の画枠が開放状態になったときの状態を示す平面図である。 図12の状態を経てセット作動が完了した状態から、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った状態を示す平面図である。 第2実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動の変形例を示す図であって、図9の状態から抑止レバーを先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動させることなく、露光作動を開始した途中の状態を示す図であって、先羽根が露光作動を終了する直前において先羽根用第1駆動部材が抑止レバーに制動されるときの状態を示す平面図である。 本発明の第3実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示す、被写体側から左側約半分を拡大した平面図である。 図15の状態から、セット部材が初期位置に戻った状態を示す平面図である。 図16の状態から、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動した、露光作動直前の状態を示す平面図である。 図17の状態から、先羽根及び後羽根が順に走行し露光作動が完了した後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動し、先羽根用第1駆動部材を係止しうる状態を示す平面図である。 図18の状態から、セット作動を行いセット作動が完了する直前の画枠が開放状態になったときの状態を示す平面図である。 図19の状態を経てセットが完了した状態から、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った状態を示す平面図である。 第3実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動の変形例を示す図であって、図16の状態から抑止レバーを先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動させることなく、露光作動を開始した途中の状態を示す図であって、先羽根が露光作動を終了する直前において先羽根用第1駆動部材が抑止レバーに制動されるときの状態を示す平面図である。
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。これらの実施例は、ダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタの構成に本発明を適用したものであるが、本発明は、係止タイプとして構成したものにも適用することが可能である。
第1実施例
先ず、主に、図1及び図2を用いて、本発明の第1実施例の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示す、被写体側から左側約半分を拡大した平面図である。尚、本実施例の説明においては、本実施例のフォーカルプレンシャッタをカメラに組み込んだとき、図1の表面側(手前側)が被写体側(撮影レンズ側)であり、図1の背面側が撮像素子側であることを前提にして説明する。しかしながら、周知のように、デジタルカメラの場合には、図1の表面側を撮像素子側にし、図1の背面側を被写体側にすることもある。
図1において、シャッタ地板1の略中央部には、長方形を横長にした露光用の開口部1aが形成されている。また、周知のように、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、中間板2と補助地板3が順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板2との間に先羽根の羽根室を構成し、中間板2と補助地板3との間に後羽根の羽根室を構成している。そして、中間板2と補助地板3にも、開口部1aと類似している開口部2a,3aが形成されている。そして、被写体光を通過させるためのシャッタユニットとしての露光開口の形状は、それらの開口部1a,2a,3aの二つ以上で形成されることもあるが、本実施例においては、開口部1aの形状だけで露光開口の形状が決められている。
尚、本実施例のシャッタ地板1は合成樹脂製である。また、図1は、中間板2と補助地板3の一部が見えるようにするために、シャッタ地板1の開口部1aに隣接する一部の領域を故意に破断して示している。更に、図1においては、中間板2、補助地板3の外形形状は、シャッタ地板1の外形と略同じであるため示されていないが、このことは、図2〜図7の場合も同じである。
シャッタ地板1には、開口部1aの左側の領域に、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されている。長孔1bの両端部及び長孔1cの下端部には、図示していないが、例えば、平面形状が略C字状をした周知のゴム製の緩衝部材が取り付けられている。また、中間板2、補助地板3は、薄い板部材であって、長孔1b,1cを形成している領域と重なるため、実際には、それらの長孔1b,1cと重なるところに、略同じ形状をした図示していない長孔が形成されている。
シャッタ地板1の表面側、即ち被写体側には、軸1d,1e,1f,1gが立設されている。また、シャッタ地板1の背面側、即ち撮像素子側には、軸1h,1i,1j,1kが立設されているが、それらのうち、軸1h,1iは、軸1d,1eと同心上に立設されている。
シャッタ地板1の表面側には、実際には、このほかにも、複数の柱が立設されており、それらの先端には、支持板4と図示していないプリント配線板とが、支持板4をシャッタ地板1側にして取り付けられており、その支持板4のシャッタ地板1側には、各々が、略U字形をしていて二つの脚部の先端を磁極部とした鉄芯部材6a,7aと、コイルを巻回していて鉄芯部材の一方の脚部に嵌装されたボビン6b,7bとで構成されている、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が取り付けられている。
シャッタ地板1の表面側に立設されている軸1dには、先羽根用駆動機構を構成していて、いずれも合成樹脂製である、先羽根用第1駆動部材11と先羽根用第2駆動部材12とが、先羽根用第1駆動部材11をシャッタ地板1側にして、個々に回転可能に取り付けられている。尚、それらのうち、先羽根用第1駆動部材11の形状については、図1よりも図5の方に理解し易く示されている。
先羽根用第1駆動部材11は、被押動部11aと、駆動ピン11bと、被係止部11cと、押動部11dとを有している。それらの部位のうち、被押動部11aと駆動ピン11bは、表面側と背面側とで重なるように形成されており、背面側に形成されている駆動ピン11bは、シャッタ地板1の長孔1bに挿入されている。そして、この駆動ピン11bは、根元側の部位の断面が円形をしていて、その円弧面が長孔1bの両端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接し得るようになっている。また、先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で先羽根に連結されており、その最先端部を、中間板2、補助地板3に形成されていて長孔1bと略同じ形状をしている図示していない長孔に挿入している。尚、駆動ピン11bの根元側の部位の断面はD形であってもよい。また、駆動ピン11bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。被押動部11aは、半球面形状に形成されている。また、駆動ピン11bの根元側端面における外縁領域には、略三角柱状の凸部が形成されている。凸部における三角柱の内側(長孔1bの上端側)の面は、被係止部11cとして機能し、後述する抑止レバー18a−1の係止部18a−11に係止されうるようになっている。凸部における被係止部11cよりも外側(長孔1bの下端側)に位置する三角柱の面は、押動部11dとして機能し、抑止レバー18a−1の被押動部18a−12を押すことができるようになっている。
他方、先羽根用第2駆動部材12は、被写体側に部厚く形成した取付部12aと、押動部12bと、被押動部12cとを有している。そして、周知のように図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向(図1における軸1dを中心とした矢印A方向)へ回転するように付勢されている。取付部12aの内部には、周知のように、鉄片部材13と図示していない圧縮ばねとが収容されている。押動部12bは、先羽根用第2駆動部材12が時計方向へ回転するとき、先羽根用第1駆動部材11に設けられている被押動部11aを押す部位である。
鉄片部材13は、軸部13aの一端に円盤状をした頭部13bを有していて、他端には鉄片部13cが取り付けられている。そして、この鉄片部材13は、取付部12a内で軸部13aに嵌装した上記の圧縮ばねによって、鉄片部13cを取付部12a内から突き出すように付勢されているが、頭部13bが取付部12aの縁に接触していることによって、図1に示された状態が維持されている。
シャッタ地板1の表面側に立設されている軸1eには、後羽根用駆動機構を構成していて、合成樹脂製である、後羽根用駆動部材14が、回転可能に取り付けられている。
後羽根用駆動部材14は、被写体側に部厚く形成した取付部14aと、駆動ピン14bとを有している。背面側に形成されている駆動ピン14bは、シャッタ地板1の長孔1cに挿入されている。そして、この駆動ピン14bは、根元側の部位の断面が円形をしていて、その円弧面が長孔1cの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接し得るようになっている。また、先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で後羽根に連結されており、その最先端部を、中間板2、補助地板3に形成されていて長孔1cと略同じ形状をした図示していない長孔に挿入している。尚、駆動ピン14bの根元側の部位の断面はD形であってもよい。また、駆動ピン14bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。
また、後羽根用駆動部材14におけるシャッタ地板1側の面には、被押動部としてのローラー15が取り付けられている。そして、周知のように、この後羽根用駆動部材14は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向(図1における軸1eを中心とした矢印C方向)へ回転するように付勢されている。
この後羽根用駆動部材14の取付部14aにも、その内部に、鉄片部材16と図示していない圧縮ばねとが収容されている。そして、鉄片部材16は、軸部16aの一端に円盤状をした頭部16bを有していて、他端には鉄片部16cを取り付けている。また、この鉄片部材16は、取付部14a内で軸部16aに嵌装されている上記の圧縮ばねによって、鉄片部16cを取付部14a内から突き出すように付勢されているが、頭部16bが取付部14aの縁に接触していることによって、図1に示された状態が維持されている。
シャッタ地板1の表面側に立設されている軸1fには、合成樹脂製のセット部材17が回転可能に取り付けられている。このセット部材17は、先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押す押動部17aと、後羽根用駆動部材14に取り付けられているローラー15を押す押動部17bと、図示していないカメラ本体側の部材によって押される被押動部17cとを有しているほか、シャッタ地板1側の面には、軸1fを囲む略全域に肉厚部が形成されるとともに、一部の外縁領域に軸1fを中心とする円周方向に沿って薄肉部が、セット位置にセットされる先羽根用第2駆動部材12との干渉を避けることができるように形成されている。押動部17aは、セット部材17の薄肉部に形成され、押動部17b、被押動部17cは、セット部材17の肉厚部に形成されている。
そして、このセット部材17は、図示していない復帰ばねによって反時計方向(図1における軸1fを中心とした矢印E方向)へ回転するように付勢されている。図1は、被押動部17cが図示していないカメラ本体側の部材によって押され、そのような復帰ばねの付勢力に抗して時計方向(図1における軸1fを中心とした矢印E方向とは反対方向)へ回転させられ、押動部17aが被押動部12cを押すとともに押動部17bがローラー15を押して先羽根用第2駆動部材12、後羽根用駆動部材14を図示していない夫々の駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向(図1における軸1dを中心とした矢印A方向とは反対側の方向、軸1eを中心とした矢印C方向とは反対側の方向)へ回転させて、先羽根用第2駆動部材12の駆動ピン12bが長孔1bの上端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接するとともに、後羽根用駆動部財14の駆動ピン14bが長孔1cの上端部に当接した位置で停止させられている状態を示したものである。以下、セット部材17については、この位置をセット位置ということにする。
本実施例では、セット部材17が、一体成形することによって一つの部品にして制作されている。尚、セット部材15の量産を考慮する場合には、例えば、被押動部17cを有している部位だけを金属製とし、その他の部位を合成樹脂製として、一体化して一つの部品にしてもよい。
シャッタ地板1の表面側には、切換機構18が取り付けられている。切換機構18は、抑止レバー部18aと、電磁石18bを有している。
抑止レバー部18aは、シャッタ地板1の表面側に立設されている軸1gに回転可能に取り付けられた抑止部材としての抑止レバー18a−1と、ストッパ18a−2を有している。
抑止レバー18a−1は、一端に先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止可能であって、被係止部11cに係合することによって、先羽根用第1駆動部材11の反時計方向の回転を係止する係止部18a−11と、係止部18a−11の外側に形成された被押動部18a−12を有し、他端に作動部としての永久磁石18a−13を有している。
被押動部18a−12は、係止部18a−11が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる位置に位置している状態で、先羽根用第2駆動部材12によって先羽根用第1駆動部材11が露光開口を開かせる方向に回転させられたときに、先羽根用第1駆動部材11の押動部11dに押動されるように形成されている。
永久磁石18a−13は、コイル18b−2に対する片側方向の通電が解除されているときに、電磁石18bに対して吸引力として作用し、コイル18b−2に対する片側方向の通電がされているときに、電磁石18bに対して反発力として作用する磁力を発する。
ストッパ18a−2は、シャッタ地板1の表面側に設けられていて、抑止レバー18a−1が当接することによって、係止部18a−11による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する方向(本実施例では反時計方向、即ち、図1に示す軸1gを中心とした矢印F方向)に回転させられる抑止レバー18a−1を、係止部18a−11による被係止部11cとの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に停止させる。
電磁石18bは、各々が略U字形をしていて二つの脚部の先端を磁極部とした鉄芯部材18b−1と、コイル18b−2を巻回していて鉄芯部材18b−1の一方の脚部に嵌装されたボビンを有し、シャッタ地板1に螺子止めされている。そして、電磁石18bは、コイル18b−2に対する片側方向の通電がされると、鉄芯部材18b−1の一方の脚部先端の磁極部から永久磁石18a−13に対して反発する磁力を発し、係止部18a−11による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する方向(本実施例では反時計方向)に、抑止レバー18a−1を回転させる。また、電磁石18bは、コイル18b−2に対する片側方向の通電が解除されると、永久磁石18a−13の電磁石18bに対する吸引力により、係止部18a−11により先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止する方向(本実施例では時計方向)に、抑止レバー18a−1を回転させる。
図1は、コイル18b−2に対する片側方向の通電が解除されている状態において、電磁石18bに永久磁石18a−13が吸着することによって、抑止レバー18a−1の時計方向への回転が停止し、係止部18a−11が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置している状態を示したものである。
次に、シャッタ地板1の背面側の構成を説明する。シャッタ地板1と中間板2の間に配置されている先羽根は、シャッタ地板1の軸1hに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム19と、シャッタ地板1の軸1jに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム20と、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された3枚の羽根21,22,23とで構成されており、羽根23が先羽根のスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bの先端部は、アーム19に形成された図示していない長孔に嵌合している。
また、シャッタ地板1の軸1jには、図示していないねじりコイルばねである先羽根用セットばねが嵌装されていて、その一端をシャッタ地板1に設けられた図示していないばね掛け部に掛け、他端をアーム20の孔(符号なし)に掛けて、アーム20を反時計方向(図1における軸1jを中心とした矢印B方向)へ回転させるように付勢している。そのため、この先羽根用セットばねは、先羽根を介して間接的に先羽根用第1駆動部材11を反時計方向へ回転させるように付勢していることになる。尚、その付勢力は、先羽根用第2駆動部材12を時計方向へ回転させるように付勢している上記の先羽根用駆動ばねの付勢力よりは弱くなっている。
このような先羽根用セットばねは、本実施例のようには構成しないで、シャッタ地板1の表面側で、一端をシャッタ地板1に掛け、他端を先羽根用第1駆動部材11に掛けるようにしたり、一端を先羽根用第2駆動部材12に掛け、他端を先羽根用第1駆動部材11に掛けるようにしたりすることも知られている。そのため、本発明は、それらのように構成することを妨げるものではない。しかしながら、本実施例のように構成すると、先羽根用セットばねに、先羽根に対する周知のガタ寄せばね(先羽根の構成部品間のガタツキをなくし、スリット形成羽根の露光作動開始位置での姿勢を一定にするためにアーム20に掛けられるばね)の役目を兼用させることができるので、有利である。
他方、中間板2と補助地板3との間に配置されている後羽根は、シャッタ地板1の軸1iに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム24と、シャッタ地板1の軸1kに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム25と、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された3枚の羽根26,27,28とで構成されており、羽根28が後羽根のスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bの先端部は、アーム24に形成された図示していない長孔に嵌合している。
また、シャッタ地板1の軸1kには、図示していないねじりコイルばねである後羽根用セットばねが嵌装されていて、その一端をシャッタ地板1の図示していないばね掛け部に掛け、他端をアーム25の孔(符号なし)に掛けて、アーム25を反時計方向(図1における軸1kを中心とした矢印D方向)へ回転させるように付勢している。そのため、この後羽根用セットばねは、後羽根を介して間接的に後羽根用駆動部材14を反時計方向へ回転させるように付勢しているが、その付勢力は、後羽根用駆動部材14に掛けられている上記の図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力よりも弱くなっている。そして、この後羽根用セットばねの場合にも、周知の後羽根のガタ寄せばね(後羽根のスリット形成羽根の露光作動開始位置での姿勢を一定にするためにアーム25に掛けられるばね)の役目を兼用させているが、後羽根用駆動部材14に直接掛けるように構成しても差し支えない。なお、便宜上、矢印A〜Fは図1にのみ示してある。
次に、上記の構成説明に用いた図1と、図2〜図7を用いて第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタの作動を説明する。
尚、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、撮影前に、カメラに備えられている図示していないモード選択手段を操作することによって、ノーマリーオープン方式の撮影とノーマリークローズ方式の撮影とを選択して撮影することが可能となっている。
そのため、本実施例の作動説明に際しては、ノーマリーオープン方式の撮影での作動、ノーマリークローズ方式における先羽根と後羽根とで露光作動を行う撮影での作動の順に説明することにする。
図1は、既に説明したように、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバー18a−1が先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバー18a−1が先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示したものである。このとき、先羽根用第2駆動部材12は、被押動部12cがセット部材17の押動部17aに押され、図示していない周知の先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向に回転させられており、先羽根用第1駆動部材11が、図示していない先羽根用セットばねの付勢力により反時計方向に回転し、駆動ピン11bを長孔1bの上端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接させることによって、この停止状態が維持されている。そして、このとき、先羽根の3枚の羽根21〜23は、展開状態になって開口部1aを覆っている。また、先羽根用第1駆動部材11の被押動部11aは、先羽根用第2駆動部材12の押動部12bに当接している。
他方、後羽根用駆動部材14は、ローラー15がセット部材17の押動部17bに押され、図示していない周知の後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられ、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bが長孔1cの上端部に当接させることによって、この停止状態が維持されている。そして、このとき、後羽根の3枚の羽根26〜28は、重畳状態になって開口部1aの上方に退避されている。
また、電磁石18bは、コイル18b−2に対する片側方向の通電が解除(OFF)された状態となっていて、永久磁石18a−13に対して反発する磁力を発生させていない。そのため、抑止レバー18a−1が、永久磁石18a−13の鉄芯部材18b−1に対する吸引力により、時計方向へ回転し、永久磁石18a−13が鉄芯部材18b−1を吸着保持することによって停止させられており、係止部18a−11が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置している。
図1に示された状態の後、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が励磁状態になり、鉄片部材13,16が鉄芯部材6a,7aに吸着保持される。次いで、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材17の被押動部17cに対する押圧力を解く。これにより、セット部材17は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、図2に示す位置(この位置を初期位置ということとする。)へ復帰させられていく。
その復帰作動の初期段階において、セット部材17は、押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cから離れ、押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられたローラー15から離れていくので、先羽根用第2駆動部材12と後羽根用駆動部材14は、図示していない先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転するが、鉄片部材13,16が鉄芯部材6a,7aに吸着保持されているため、僅かに回転したところで、それらの取付部12a,14aが鉄片部材13,16の頭部13b,16bに当接して、停止させられる。
このような先羽根用第2駆動部材12の僅かな回転によって、先羽根用第1駆動部材11は、その被押動部11aを先羽根用第2駆動部材12の押動部12bに押され、図示していない先羽根用セットばねの付勢力に抗して僅かに回転させられるので、先羽根の3枚の羽根21〜23も僅かに下方へ移動させられるが、開口部1aを開き始める前には停止させられる。また、後羽根用駆動部材14の僅かな回転によって、図示していない後羽根用セットばねの付勢力に抗して僅かに回転させられるので、後羽根の3枚の羽根26〜28も僅かに下方へ移動させられるが、開口部1aを覆い始める前には停止させられる。先羽根用第1駆動部材11,先羽根,先羽根用第2駆動部材12,後羽根用駆動部材14,後羽根にとっては、このようにして得られた位置が、露光作動開始位置である。
セット部材17がセット位置から初期位置へ復帰するころと殆ど時期を同じくして、電磁石18bは、コイル18b−2に対して片側方向の電流が供給され、永久磁石18a−13に対して反発する磁力を発し、反時計方向に抑止レバー18a−1を回転させ、ストッパ18a−2に抑止レバー18a−1を当接させる。これにより、係止部18a−11が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられる。このときの状態が図3に示されている。
係止部18a−11が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられた後に、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁される。先羽根用電磁石6が消磁すると、鉄片部材13に対する鉄芯部材6aの吸引力が失われ、先羽根用第2駆動部材12が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、先羽根用第2駆動部材12は、押動部12bが先羽根用第1駆動部材11の被押動部11aを押し、先羽根用第1駆動部材11を、図示していない先羽根用セットばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させるので、先羽根の3枚の羽根21〜23は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根23の上端縁で開口部1aを開いていく。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接することによって、先羽根用の二つの駆動部材11,12と先羽根の作動が停止する。
先羽根用電磁石6が消磁してから所定の時間間隔をおいて、後羽根用電磁石7が消磁する。すると、鉄片部材16に対する鉄芯部材7aの吸引力が失われ、後羽根用駆動部材14が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって、図示していない後羽根用セットばねの付勢力に抗して時計方向へ急速に回転させられる。このため、後羽根の3枚の羽根26〜28は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根28の上端縁で開口部1aを閉じていく。そして、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bが長孔1cの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接することによって、後羽根用駆動部材14と後羽根の作動が停止する。これにより露光作動が完了する。
露光作動完了状態になると、直ちに撮像情報が撮像素子から情報処理回路を介して記憶装置に転送される。撮像情報の転送可能時間が経過後に、コイル18b−2に対する片側方向の通電が解除され、電磁石18bは、永久磁石18a−13に対して反発する磁力を発生させなくなる。これにより、抑止レバー18a−1が、永久磁石18a−13の鉄芯部材18b−1に対する吸引力により、時計方向へ回転し、永久磁石18a−13が鉄芯部材18b−1を吸着保持することによって停止させられる。このとき、係止部18a−11が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置する。このときの状態が、図4に示されている。
その後、直ちに、セット部材17が、図示していないカメラ本体側の部材に被押動部17cを押されて、時計方向への回転を開始する。すると、セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押し、先羽根用第2駆動部材12を図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。このとき、先羽根用第1駆動部材11には、図示していないセットばねにより、先羽根を介して反時計方向へ回転する力が与えられているが、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cが、図4に示された位置にある抑止レバー18a−1の係止部18a−11に当接することによって、反時計方向への回転を抑止させられる。このため、先羽根の3枚の羽根21〜23は、開口部1aから退避したままの状態で、先羽根用第2駆動部材12だけが反時計方向へ回転を続けることになる。
セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押すのと殆ど時期を同じくして、セット部材17のもう一方の押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられているローラー15を押し、後羽根用駆動部材14を図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。
その後も、セット部材17は時計方向への回転を続けるので、後羽根用第2駆動部材14は、ローラー15を押動部17bに押され、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根の3枚の羽根26〜28は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら上方へ移動し、スリット形成羽根28の下端縁で開口部1aを開いていく。そして、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bが長孔1cの上端部に当接することによって、後羽根用駆動部材14の反時計方向への回転が停止する。これにより、画枠が開放状態になる。
また、先羽根用第2駆動部材12と後羽根用駆動部材14に取り付けられている鉄片部材13,16の鉄片部13c,14cが、相前後して先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7の鉄芯部材6a,7aの磁極部に接触する。
図5は画枠が開放状態になったときの状態を示している。
セット部材17は、その後も僅かに回転したところで停止させられるが、その過程で、鉄片部材13,16の鉄片部13c,16cが、図示していない圧縮ばねの付勢力に抗して取付部12a,14a内に押し込まれるので、反対側に軸部13a,16aの一部が出現し、頭部13b,16bが取付部12a,14aから離れた状態になる。
このようにして、セット部材17が、そのセット位置で停止したときには、開口部1aが全開になる。その状態がセット作動完了状態、即ち次の撮影の待機状態であり、セット部材17は、次の撮影が行われるまで、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して、カメラ本体側の部材によってこの状態を維持させられている。従って、この状態においては、開口部1aが全開になっているので、カメラの電源をオフにしない限り、被写体像を、電子ファインダで観察することが可能となる。
尚、本実施例は、ダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタとして構成されているが、係止タイプのフォーカルプレンシャッタとして構成した場合にも、セット作動完了後には、セット部材17を直ちに初期位置へ復帰させず、本実施例の場合と同様に、セット位置に留めておく必要がある。セット部材17を初期位置へ復帰させてしまうと、先羽根の3枚の羽根21〜23が作動を開始して開口部1aを覆ってしまうことになり、次の撮影に先立って電子ファインダによる被写体像の観察ができなくなってしまうからである。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合を説明する。図5に示されている状態を経てセット作動が完了した状態において、電子ファインダで被写体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押す。すると、実際の撮影(露光作動)を開始する前に、コイル18b−2に対して片側方向の電流が供給され、電磁石18bが永久磁石18a−13に対して反発する磁力を発し、反時計方向に抑止レバー18a−1を回転させ、抑止レバー18a−1をストッパ18a−2に当接させる。これにより、係止部18a−11は、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられ、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する。次いで、被係止部11cの係止を解除された先羽根用第1駆動部材11が、図示していない先羽根用セットばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられる。これにより、先羽根の3枚の羽根21〜23が上方へ移動させられ、開口部1aを覆う位置に戻っていく。このときの状態が図6に示されている。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが、長孔1bの上端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接することによって、先羽根用第1駆動部材11と先羽根の作動が停止する。
その後、コイル18b−2に対する片側方向の通電が解除され、電磁石18bは、永久磁石18a−13に対して反発する磁力を発生させなくなる。これにより、抑止レバー18a−1が、永久磁石18a−13の鉄芯部材18b−1に対する吸引力により、時計方向へ回転し、永久磁石18a−13が鉄芯部材18b−1に吸着保持されることによって停止させられる。このとき、係止部18a−11が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置する。このときの状態が、図1に示されている。
第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、切換機構18が、片側方向にのみ通電される電磁石18bと、先羽根用第1駆動部材11に設けられている被係止部11cを係止可能な係止部18a−11と、電磁石18bへの片側方向の通電と通電の解除との切換えに応じて電磁石18bに対する力の向きが切換わり、片側方向の通電時には係止部18a−11を、被係止部11cとの係止を解除可能な位置に移動させ、片側方向の通電の解除時には係止部18a−11を、被係止部11cを係止可能な位置に移動させる永久電磁石18a−13とを有する抑止レバー18a−1を有してなり、露光作動後待機前の係止部18a−11による被係止部11cへの係止と係止の解除とに応じて、先羽根用第1駆動部材11に対する先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と抑止の解除とが切換わるようにしたので、切換機構に特許文献1,2のような永久磁石回転子やソレノイドを用いた構成に比べてコストを低減することができる。また、永久磁石回転子のような配置の自由度が制限されることもない。さらには、抑止レバー18a−1の係止部18a−11による被係止部11cへの係止と係止の解除との切換えのために行う電磁石への通電の方向が片側方向のみであるので、抑止レバー18a−1の係止部18a−11による被係止部11cへの係止時に片側方向の通電が解除され、係止を解除する時のみ片側方向の通電がされるように通電を制御することで、通電時間を減らして、消費電力を低減させることができる。
また、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、抑止レバー18a−1は、軸1gを中心として回転可能であって、一端に係止部18a−11を有するとともに、他端に第1の永久磁石18a−13を備え、作動部が第1の永久磁石18a−13からなり、電磁石18bへの片側方向の通電時には、電磁石18bが第1の永久磁石18a−13に対する反発力を有し、第1の永久磁石18a−13の電磁石に対する反発力により、係止部18a−11が被係止部11cの係止を解除する方向に抑止レバー18a−1が回転し、電磁石18bへの通電の解除時には、第1の永久磁石18a−13の電磁石18bに対する吸引力により、係止部18a−11が被係止部11cを係止する方向に抑止レバー18a−1が回転するようにしたので、切換機構の部品数を簡素化することができる。
図7は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動の変形例を示す図である。
本変形例では、図2の状態から抑止レバー18a−1を先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外に移動させることなく、露光作動を開始させる。
詳しくは、抑止レバー18a−1が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置した状態のまま、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7とが、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁される。先羽根用電磁石6が消磁すると、鉄片部材13に対する鉄芯部材6aの吸引力が失われ、先羽根用第2駆動部材12が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、先羽根用第2駆動部材12は、押動部12bが先羽根用第1駆動部材11の被押動部11aを押し、先羽根用第1駆動部材11を、図示していない先羽根用セットばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させるので、先羽根の3枚の羽根21〜23は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根23の上端縁で開口部1aを開いていく。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接する前に、押動部11dが抑止レバー18a−1の被押動部18a−12に摺接し、被押動部18a−12を押して抑止レバー18a−1を、電磁石18bに対する永久磁石18a−13の吸引力に抗して、反時計方向に回転させる。これにより、先羽根用第1駆動部材11は制動されるようになる。図7は、先羽根用第1駆動部材11が、そのような制動を受けたときの状態を示したものである。
その後、先羽根用第2駆動部材12に押動されている先羽根用第1駆動部材11は、押動部11dが抑止レバー18a−1の被押動部18a−12を押すことによって制動されながら、さらに、抑止レバー18a−1を、電磁石18bに対する永久磁石18a−13の吸引力に抗して、反時計方向に回転させる。このとき、抑止レバー18a−1の被押動部18a−12が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外へ退かされるが、永久磁石18a−13の鉄芯部材18b−1に対する吸引力は維持されている。
そして、駆動ピン11bが、長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接する位置に達したとき、抑止レバー18a−1の被押動部18a−12が押動部11dから離れて押されない状態となる。このため、抑止レバー18a−1は、永久磁石18a−13の鉄芯部材18b−1に対する吸引力により、時計方向に回転させられ、係止部18a−11が被係止部11cを係止する。これにより、先羽根用第1駆動部材11のバウンドが静止されるとともに、先羽根用第1駆動部材11による先羽根の露光開口を閉じる方向への回転が抑止された状態になる。
先羽根用電磁石6が消磁してから所定の時間間隔をおいて、後羽根用電磁石7が消磁する。後羽根用電磁石7の消磁後から露光作動完了状態までの後羽根用駆動部材14と後羽根の作動は、図2の状態から抑止レバー18a−1を先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外に移動させ、図3の状態から露光作動を開始させた場合と略同じである。
従って、第1実施例の変形例によれば、セット部材17が初期位置に復帰した図2の状態から露光作動完了までの間において、コイル18b−2に対する片側方向の通電及び通電の解除をすることなく、永久磁石18a−13の鉄芯部材18b−1に対する吸引力により、係止部18a−11を、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cに係止させることができる。このため、抑止レバー18a−1を用いて先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止するために電磁石18bに対して行う片側方向の通電及び通電の解除の回数を、セット作動完了後のカメラのレリーズボタンを押し、先羽根用第1駆動部材11をセット位置に戻すときのみに減らして、通電時間を短縮することができ、その分、省電力化できる。しかも、抑止レバー18a−1の被押動部18a−12に押動部11dを摺接・押動させることによって、先羽根用第1駆動部材11を制動し、先羽根用第1駆動部材11のバウンドを抑えることができる。このため、連写時における露光作動終了時から次のセット作動までの時間をより一層短縮することができ、連写速度を向上させることができる。
次に、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリークローズ方式の撮影での作動について説明する。
ノーマリークローズ方式の撮影においては、光学ファインダを用いて撮影する場合であるので、図示していない可動ミラーを備えたカメラの場合には可動ミラーがダウン状態なっていて、光学ファインダによって被写体像を観察することができるようになっている。また、コイル18b−2に対して、常時、片側方向の電流が供給され、電磁石18bが永久磁石18b−13に対して反発する磁力を発しており、抑止レバー18a−1がストッパ18a−2に当接し、係止部18a−11は、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられた状態が維持される。
露光作動完了から次の露光作動開始前までの作動を順に説明すると、露光作動完了状態から、撮像情報の転送可能時間が経過後に、セット部材17が、図示していないカメラ本体側の部材に被押動部17cを押されて、時計方向への回転を開始し、セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押し、先羽根用第2駆動部材12を図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。このとき、先羽根用第1駆動部材11は、図示していないセットばねの付勢力により、被押動部11aが、先羽根用第2駆動部材12の押動部に当接しながら、先羽根用第2駆動部材12に追従して反時計方向へ回転させられる。このため、先羽根の3枚の羽根21〜23は、展開状態になって開口部1aを覆っていく。そして、先羽根用駆動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの上端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接することによって、先羽根用駆動部材11の反時計方向への回転が停止する。
セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押すのと殆ど時期を同じくして、セット部材17のもう一方の押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられているローラー15を押し、後羽根用駆動部材14を図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。
その後も、セット部材17は時計方向への回転を続けるので、後羽根用第2駆動部材14は、ローラー15を押動部17bに押され、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根の3枚の羽根26〜28は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら上方へ移動し、スリット形成羽根28の下端縁で開口部1aを開いていく。そして、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bが長孔1cの上端部に当接することによって、後羽根用駆動部材14の反時計方向への回転が停止する。ノーマリークローズ方式では、この状態が得られたときにセット作動が完了する。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合を説明する。光学ファインダで被写体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押す。すると、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が励磁状態になり、鉄片部材13,16が鉄芯部材6a,7aに吸着保持される。次いで、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材17の被押動部17cに対する押圧力を解く。これにより、セット部材17は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、図3に示す位置(この位置を初期位置ということとする。)へ復帰させられていく。
その復帰作動の初期段階において、セット部材17は、押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cから離れ、押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられたローラー15から離れていくので、先羽根用第2駆動部材12と後羽根用駆動部材14は、図示していない先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転するが、鉄片部材13,16が鉄芯部材6a,7aに吸着保持されているため、僅かに回転したところで、それらの取付部12a,14aが鉄片部材13,16の頭部13b,16bに当接して、停止させられる。
このような先羽根用第2駆動部材12の僅かな回転によって、先羽根用第1駆動部材11は、その被押動部11aを先羽根用第2駆動部材12の押動部12bに押され、図示していない先羽根用セットばねの付勢力に抗して僅かに回転させられるので、先羽根の3枚の羽根21〜23も僅かに下方へ移動させられるが、開口部1aを開き始める前には停止させられる。また、後羽根用駆動部材14の僅かな回転によって、図示していない後羽根用セットばねの付勢力に抗して僅かに回転させられるので、後羽根の3枚の羽根26〜28も僅かに下方へ移動させられるが、開口部1aを覆い始める前には停止させられる。先羽根用第1駆動部材11,先羽根,先羽根用第2駆動部材12,後羽根用駆動部材14,後羽根にとっては、このようにして得られた位置が、露光作動開始位置である。
その後、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁される。
先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が消磁された以降の露光作動完了までの作動は、ノーマリーオープン方式と略同じである。
尚、本実施例のセット作動は、上記のように、セット部材17が、被押動部17dをカメラ本体側の部材に直接押され、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して回転させられることによって行われるが、本発明のフォーカルプレンシャッタは、そのような構成に限定されるものではない。周知のように、シャッタ地板1に、カメラ本体側の部材によって操作されるもう一つのセット用の部材を取り付けておき、セット部材17は、その部材を介して回転させられるように構成してもよく、その場合には、セット部材17を初期位置へ復帰させるための復帰ばねは、本実施例のように、セット部材17に掛けてもよいが、そのようなもう一つのセット用の部材に掛けるようにしても構わない。
ところで、既に述べたように、本発明は、係止タイプのフォーカルプレンシャッタとして実施することも可能である。係止タイプのフォーカルプレンシャッタとして構成したときは、セット部材をセット作動終了後、直ちに初期位置へ復帰させることなく、実施例におけるセット部材の場合と同様に、撮影の初期段階であって露光作動が開始される前に、初期位置へ復帰させるようにする必要がある。そこで、本実施例の構成を係止タイプのフォーカルプレンシャッタにする場合の構成を、簡単に説明しておく。
先羽根用第2駆動部材12と後羽根用駆動部材14には、本実施例のように鉄片部材13,16を取り付けず、それに代わって各々被係止部を形成しておく。そして、図5のセット作動完了状態においては、それらの駆動部材12,14は、それらの被係止部が夫々の係止部材に係止される位置を越えるところまで回転されているようにしておき、カメラのレリーズボタンが押され、本実施例のようにセット部材17が初期位置へ復帰するときの初期段階で、夫々の係止部材に係止されるようにする。そして、その後、セット部材17が初期位置へ復帰するまでの作動は、上記の実施例の場合と全く同じである。
他方、上記の各係止部材の係止を解除するために設けられている二つの係止解除部材は、セット部材17が、上記のようにして、初期位置へ復帰作動を開始する前に、夫々のばねの付勢力に抗して、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7に吸着保持されるようにする。そして、その後、セット部材17が、上記のように作動して、図2に示された初期位置へ復帰すると、上記の各電磁石に対する通電を順に断つ。それにより、上記の各係止解除部材は、上記の各々のばねの付勢力で作動し、上記の各係止部材による係止を解除するので、先羽根用第2駆動部材12と後羽根用駆動部材14は、順に露光作動を開始する。そして、セット作動時には、セット部材17の作動に連動して、上記の二つの係止解除部材が、各々の電磁石に対して接触させられるようにする。尚、このような作動が得られるようにするための構成は種々知られているが、その一例が、特開2001−215555号公報にも記載されている。
第2実施例
次に、主に、図8を用いて、本発明の第2実施例の構成を説明する。図8は、本発明の第2実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示す、被写体側から左側約半分を拡大した平面図である。
尚、便宜上、第1実施例と構成が異なる部分について説明し、構成が同じ部分については説明を省略する。また、矢印A〜F’は図8にのみ示してある。
第2実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタでは、第1実施例の切換機構18の代わりに切換機構18’が、シャッタ地板1の表面側に取り付けられている。切換機構18’は、抑止レバー部18a’と、電磁石18b’とを有している。
抑止レバー部18a’は、シャッタ地板1の表面側に立設されている軸1gに回転可能に取り付けられた抑止部材としての抑止レバー18a−1’と、ストッパ18a−2’を有している。
抑止レバー18a−1’は、一端に先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止可能であって、被係止部11cに係合することによって、先羽根用第1駆動部材11の反時計方向の回転を係止する係止部18a−11’と、係止部18a−11’の外側に形成された被押動部18a−12’を有し、他端に永久磁石18a−13’と、両端の間であって軸1gの近傍にストッパ部18a−14’を有している。
係止部18a−11’、被押動部18a−12’の構成は、第1実施例の係止部18a−11、被押動部18a−12と略同じである。
永久磁石18a−13’は、コイル18b−2’に対する片側方向の通電が解除されているときに、電磁石18b’に対して反発力として作用し、コイル18b−2’に対する片側方向の通電がされているときに、電磁石18b’に対して吸引力として作用する磁力を発する。
ストッパ18−2’は、シャッタ地板1の表面側に設けられていて、抑止レバー18a−1’のストッパ部18a−14’が当接することによって、係止部18a−11’による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止する方向(本実施例では反時計方向、即ち、図15に示す軸1gを中心とした矢印F’方向)に回転する抑止レバー18a−1’を、係止部18a−11’により被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍の位置に停止させる。
電磁石18b’は、各々が略U字形をしていて二つの脚部の先端を磁極部とした鉄芯部材18b−1’と、コイル18b−2’を巻回していて鉄芯部材18b−1’の一方の脚部に嵌装されたボビンと、永久磁石18b−3’を有し、シャッタ地板1に螺子止めされている。永久磁石18b−3’は、永久磁石18a−13’に近い側の磁極が永久磁石18a−13’における永久磁石18b−3’に近い側の磁極と同じであり、永久磁石18b−3’と永久磁石18a−13’とは互いに反発する磁力を有している。そして、電磁石18b’は、コイル18b−2’に対する片側方向の通電がされると、永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発し、永久磁石18a−13’の磁力を、鉄芯部材18b−1’に対する吸引力として作用させ、係止部18a−11’による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する方向(本実施例では、時計方向)に、抑止レバー18a−1’を回転させる。また、電磁石18b’は、コイル18b−2’に対する片側方向の通電が解除されると、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力により、係止部18a−11’による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止する方向(本実施例では反時計方向)に、抑止レバー18a−1’を回転させる。
図1は、コイル18b−2’に対する片側方向の通電が解除されている状態において、シャッタ地板1に設けられたストッパ18−2’にストッパ部18a−14’が当接することによって抑止レバー18a−1’の反時計方向への回転が停止し、係止部18a−11’が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置している状態を示したものである。
なお、永久磁石18a−13’は、コイル18b−2’に対する片側方向の通電が解除されているときに電磁石18b’に対して吸引力として作用し、コイル18b−2’に対する片側方向の通電がされているときに、電磁石18b’に対して反発力として作用する磁力を発するようにしてもよい。その場合には、永久磁石18b−3’が、永久磁石18a−13’に近い側の磁極を永久磁石18a−13’と異ならせ、永久磁石18b−3’と永久磁石18a−13’とが互いに吸引する磁力を有するようにし、コイル18b−2’に対する片側方向の通電がされたときに、電磁石18b’が、永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消し、さらに永久磁石18a−13’に対して反発する磁力を発するように構成する。それとともに、抑止レバー18a−1’は、係止部18a−11’による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止するための回転方向が時計方向、係止を解除するための回転方向が反時計方向となるように、係止部18a−11’、被押動部18a−2’を形成する。
その他の構成は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
次に、上記の構成説明に用いた図8と、図9〜図14を用いて第2実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおけるノーマリーオープン方式の撮影での作動を説明する。
図8は、既に説明したように、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示したものである。このときの先羽根用第1駆動部材11、先羽根用第2駆動部材12、後羽根用駆動部材14、セット部材17の作動状態は、図1に示した第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
電磁石18b’は、コイル18b−2’に対する片側方向の通電が解除状態となっていて永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発生させていない。そのため、抑止レバー18a−1’が、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力により、反時計方向へ回転し、ストッパ部18a−14’がシャッタ地板1に設けられたストッパ18−2’に当接することによって停止させられており、係止部18a−11’が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置している。
図8に示された状態の後、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が励磁状態になり、鉄片部材13,16が鉄芯部材6a,7aに吸着保持される。次いで、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材17の被押動部17cに対する押圧力を解く。これにより、セット部材17は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、図9に示す位置(この位置を初期位置ということとする。)へ復帰させられていく。
そのときのセット部材17、先羽根用第1駆動部材11、先羽根用第2駆動部材12、後羽根用駆動部材14、先羽根、後羽根の作動状態は、図2に示した第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
セット部材17がセット位置から初期位置へ復帰するころと殆ど時期を同じくして、電磁石18b’は、コイル18b−2’に対して片側方向の電流が供給され、永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発し、永久磁石18a−13’の磁力を、鉄芯部材18b−1’に対する吸引力として作用させ、抑止レバー18a−1’を時計方向に回転させ、鉄芯部材18b−1’に永久磁石18a−13’を吸着保持させる。これにより、係止部18a−11’は、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられる。このときの状態が図10に示されている。
係止部18a−11’が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられた後に、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁してから露光作動が完了するまでの先羽根用第1駆動部材11、先羽根用第2駆動部材12、先羽根、後羽根用駆動部材14、後羽根の作動状態は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
露光作動完了状態になると、直ちに撮像情報が撮像素子から情報処理回路を介して記憶装置に転送される。撮像情報の転送可能時間が経過後に、コイル18b−2’に対する片側方向の通電が解除され、電磁石18b’は、永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発生させなくなる。これにより、抑止レバー18a−1’が、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3'に対する反発力により、反時計方向へ回転し、ストッパ部18a−14’がシャッタ地板1に設けられたストッパ18−2’に当接することによって停止させられる。このとき、係止部18a−11’が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置する。このときの状態が、図11に示されている。
その後、直ちに、セット部材17が、図示していないカメラ本体側の部材に被押動部17cを押されて、時計方向への回転を開始する。すると、セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押し、先羽根用第2駆動部材12を図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。このとき、先羽根用第1駆動部材11には、図示していないセットばねにより、先羽根を介して反時計方向へ回転する力が与えられているが、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cが、図11に示された位置にある抑止レバー18a−1’の係止部18a−11’に当接することによって、反時計方向への回転を抑止させられる。このため、先羽根の3枚の羽根21〜23は、開口部1aから退避したままの状態で、先羽根用第2駆動部材12だけが反時計方向へ回転を続けることになる。
セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押すのと殆ど時期を同じくして、セット部材17のもう一方の押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられているローラー15を押し、後羽根用駆動部材14を図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。
それ以降のセット作動完了までのセット部材17、後羽根用駆動部材14、後羽根、先羽根用第2駆動部材12の作動状態は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合を説明する。図12に示されている状態を経てセット作動が完了した状態において、電子ファインダで被写体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押す。すると、実際の撮影(露光作動)を開始する前に、コイル18b−2’に対して片側方向の電流が供給され、電磁石18b’が永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い部位の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発し、永久磁石18a−13’の磁力を、鉄芯部材18b−1’に対する吸引力として作用させ、時計方向に抑止レバー18a−1’を回転させ、鉄芯部材18b−1’に永久磁石18a−13’を吸着保持させる。これにより、係止部18a−11’は、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられ、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する。次いで、被係止部11cの係止を解除された先羽根用第1駆動部材11が、図示していない先羽根用セットばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられる。これにより、先羽根の3枚の羽根21〜23が上方へ移動させられ、開口部1aを覆う位置に戻っていく。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが、長孔1bの上端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接することによって、先羽根用第1駆動部材11と先羽根の作動が停止する。
その後、コイル18b−2’に対する通電が解除され、電磁石18b’は、永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い部位の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発生させなくなる。これにより、抑止レバー18a−1’が、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力により、反時計方向へ回転し、ストッパ部18a−14’がシャッタ地板1に設けられたストッパ18−2’が当接することによって停止させられる。このとき、係止部18a−11’が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置する。このときの状態が、図8に示されている。
第2実施例のフォーカルプレンシャッタによれば、さらに、電磁石18b’が、第1の永久磁石18a−13’に対する反発力を有する第2の永久磁石18b−3’を備え、電磁石18b’への片側方向の通電時には、電磁石18b’が第2の永久磁石18b−3’の第1の永久磁石18a−13’に対する反発力を打ち消す磁力を発し、第1の永久磁石18a−13’の電磁石18b’に対する吸引力により、係止部18a−11’が被係止部11cの係止を解除する方向に抑止レバー18a−1’が回転し、電磁石18b’への片側方向の通電の解除時には、第2の永久磁石18b−3’の第1の永久磁石18a−13’に対する反発力により、係止部18a−11’が被係止部11cを係止する方向に抑止レバー18a−1’が回転するようにしたので、電磁石18b’への片側方向の通電による抑止レバー18a−1’の回転方向に関し、電磁石18b’の反発方向あるいは吸引方向のいずれの方向にも設計でき、設計の自由度が大きくなる。
その他の作用効果は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
図14は、第2実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動の変形例を示す図である。
本変形例では、図9の状態から抑止レバー18a−1’を先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外に移動させることなく、露光作動を開始させる。
詳しくは、抑止レバー18a−1’が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置した状態のまま、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7とが、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁される。先羽根用電磁石6が消磁すると、鉄片部材13に対する鉄芯部材6aの吸引力が失われ、先羽根用第2駆動部材12が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、先羽根用第2駆動部材12は、押動部12bが先羽根用第1駆動部材11の被押動部11aを押し、先羽根用第1駆動部材11を、図示していない先羽根用セットばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させるので、先羽根の3枚の羽根21〜23は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根23の上端縁で開口部1aを開いていく。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接する前に、押動部11dが抑止レバー18a−1’の被押動部18a−12’に摺接し、被押動部18a−12’を押して抑止レバー18a−1’を、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対して反発する磁力に抗して、時計方向に回転させる。これにより、先羽根用第1駆動部材11は制動されるようになる。図14は、先羽根用第1駆動部材11が、そのような制動を受けたときの状態を示したものである。
その後、先羽根用第2駆動部材12に押動されている先羽根用第1駆動部材11は、押動部11dが抑止レバー18a−1’の被押動部18a−12’を押すことによって制動されながら、さらに、抑止レバー18a−1’を、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力に抗して、時計方向に回転させる。このとき、抑止レバー18a−1’の被押動部18a−12’が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外へ退かされるが、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力は維持されている。
そして、駆動ピン11bが、長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接する位置に達したとき、抑止レバー18a−1’の被押動部18a−12’が押動部11dから離れて押されない状態となる。このため、抑止レバー18a−1’は、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力により、反時計方向に回転させられ、係止部18a−11’が被係止部11cを係止する。これにより、先羽根用第1駆動部材11のバウンドが静止されるとともに、先羽根用第1駆動部材11による先羽根の露光開口を閉じる方向への回転が抑止された状態になる。
先羽根用電磁石6が消磁してから所定時間後に、後羽根用電磁石7が消磁する。後羽根用電磁石7の消磁後から露光作動完了状態までの後羽根用駆動部材14と後羽根の作動は、第1実施例のフォーカルプレンシャッタと略同じである。
従って、第2実施例の変形例によれば、セット部材17が初期位置に復帰した図9の状態から露光作動完了までの間において、コイル18b−2’に対する片側方向の通電及び通電の解除をすることなく、永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対する反発力により、係止部18a−11’を、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cに係止させることができる。このため、抑止レバー18a−1’を用いて先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止するために電磁石18b’に対して行う片側方向の通電及び通電の解除の回数を、セット作動完了後のカメラのレリーズボタンを押し、先羽根用第1駆動部材11をセット位置に戻すときのみに減らして、通電時間を短縮することができ、その分、省電力化できる。しかも、抑止レバー18a−1’の被押動部18a−12’に押動部11dを摺接・押動させることによって、先羽根用第1駆動部材11を制動し、先羽根用第1駆動部材11のバウンドを抑えることができる。このため、露光作動終了時から次のセット作動までの時間をより一層短縮することができ、連写速度を向上させることができる。
次に、第2実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリークローズ方式の撮影での作動について説明する。
ノーマリークローズ方式の撮影においては、光学ファインダを用いて撮影する場合であるので、図示していない可動ミラーを備えたカメラの場合には可動ミラーがダウン状態なっていて、光学ファインダによって被写体像を観察することができるようになっている。また、コイル18b−2’に対して、常時、片側方向の電流が供給され、電磁石18b’が永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発し、永久磁石18a−13’の磁力を、鉄芯部材18b−1’に対する吸引力として作用させており、永久磁石18a−13’が鉄芯部材18b−1’を吸着保持し、係止部18a−11’は、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられた状態が維持される。
露光作動完了から次の露光作動完了までの作動は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリークローズ方式の撮影での作動と略同じである。
第3実施例
次に、主に、図15を用いて、本発明の第3実施例の構成を説明する。図15は、本発明の第3実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバーが先羽根用第1駆動部材の被係止部の走行軌道内に移動した状態を示す、被写体側から左側約半分を拡大した平面図である。
尚、便宜上、第1実施例と構成が異なる部分について説明し、構成が同じ部分については説明を省略する。また、矢印A〜F’は図15にのみ示してある。
第3実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタでは、第1実施例の切換機構18の代わりに切換機構18”が、シャッタ地板1の表面側に取り付けられている。切換機構18”は、抑止レバー部18a”と、電磁石18b”とを有している。
抑止レバー部18a”は、シャッタ地板1の表面側に立設されている軸1gに回転可能に取り付けられた抑止部材としての抑止レバー18a−1”と、ストッパ18a−2”と、係止ばね18a−3”と、ばね掛け部18a−4”と、を有している。
抑止レバー18a−1”は、一端に先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止可能であって、被係止部11cに係合することによって、先羽根用第1駆動部材11の反時計方向の回転を係止する係止部18a−11”と、係止部18a−11”の外側に形成された被押動部18a−12”を有し、他端に強磁性体部としての鉄片18a−13”と、両端の間であって軸1gの近傍にストッパ部18a−14”を有している。
係止部18a−11”、被押動部18a−12”の構成は、第1実施例の係止部18a−11、被押動部18a−12と略同じである。
ストッバ部18a−14”、ストッパ18a−2”の構成は、第2実施例のストッバ部18a−14’、ストッパ18a−2’と略同じである。
係止ばね18a−3”は、軸1gに嵌装され、一端が抑止レバー18a−1”に掛けられるとともに、他端がばね掛け部18a−4”に掛けられていて、係止部18a−11”により先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止する方向(本実施例では反時計方向、即ち、図15に示す軸1gを中心とした矢印F’方向)に、抑止レバー18a−1”を回転させる付勢力を有している。
そして、鉄片18a−13”と係止ばね18a−3”は、後述するように、電磁石18b”への片側方向の通電と通電の解除との切換えに応じて電磁石18b”に対する力の向きが切換わる作動部として機能する。
電磁石18b”は、各々が略U字形をしていて二つの脚部の先端を磁極部とした鉄芯部材18b−1”と、コイル18b−2”を巻回していて鉄芯部材18b−1”の一方の脚部に嵌装されたボビンを有し、シャッタ地板1に螺子止めされている。そして、電磁石18b”は、コイル18b−2”に対する片側方向の通電がされると、鉄片18a−13”を吸引する磁力を発し、係止ばね18a−3”の付勢力に抗して、係止部18a−11”による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する方向(本実施例では時計方向)に、抑止レバー18a−1”を回転させる。また、電磁石18b”は、コイル18b−2”に対する片側方向の通電が解除されると、鉄片18a−13”を吸引する磁力を発しない。このため、係止ばね18a−3”の付勢力により、係止部18a−11’による先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止する方向(本実施例では反時計方向)に、抑止レバー18a−1’が回転する。
図15は、コイル18b−2”に対する片側方向の通電が解除されている状態において、シャッタ地板1に設けられたストッパ18−2”にストッパ部18a−14”が当接することによって抑止レバー18a−1”の反時計方向への回転が停止し、係止部18a−11”が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置している状態を示したものである。
その他の構成は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
次に、上記の構成説明に用いた図15と、図16〜図21を用いて第3実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動を説明する。
図15は、既に説明したように、ノーマリーオープン方式の撮影において、セット作動が完了し、レリーズボタンを押されることによって、抑止レバー18a−1”が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外に移動して先羽根用第1駆動部材11の係止を解除し、先羽根が露光開口を覆う位置に戻った後、抑止レバー18a−1”が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道内に移動した状態を示したものである。このときの先羽根用第1駆動部材11、先羽根用第2駆動部材12、後羽根用駆動部材14、セット部材17の作動状態は、図1に示した第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
電磁石18b”は、コイル18b−2”に対する通電が解除された状態となっていて磁力を発生させていない。そのため、抑止レバー18a−1”が係止ばね18a−3”の付勢力により反時計方向へ回転し、ストッパ部18a−14”がシャッタ地板1に設けられたストッパ18−2”に当接することによって停止させられており、係止部18a−11”が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置している。
図15に示された状態が得られた後、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7が励磁状態になり、鉄片部材13,16が鉄芯部材6a,7aに吸着保持される。次いで、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材17の被押動部17cに対する押圧力を解く。これにより、セット部材17は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、図16に示す位置(この位置を初期位置ということとする。)へ復帰させられていく。
そのときのセット部材17、先羽根用第1駆動部材11、先羽根用第2駆動部材12、後羽根用駆動部材14、先羽根、後羽根の作動状態は、図2に示した第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
セット部材17がセット位置から初期位置へ復帰するころと殆ど時期を同じくして、切換機構18”は、コイル18b−2”に対して片側方向の電流が供給され、電磁石18b”が鉄片18a−13”を吸引する磁力を発し、抑止レバー18a−1”を係止ばね18a−3”の付勢力に抗して時計方向に回転させ、鉄芯部材18b−1”に鉄片18a−13”を吸着保持させる。これにより、係止部18a−11”は、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられる。このときの状態が図17に示されている。
係止部18a−11”が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられた後に、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7とが、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁してから露光作動が完了するまでの先羽根用第1駆動部材11、先羽根用第2駆動部材12、先羽根、後羽根用駆動部材14、後羽根の作動状態は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
露光作動完了状態になると、直ちに撮像情報が撮像素子から情報処理回路を介して記憶装置に転送され。撮像情報の転送可能時間が経過後に、コイル18b−2”に対する通電が解除され、電磁石18b”は、磁力を発生させなくなる。これにより、抑止レバー18a−1”が係止ばね18a−3”の付勢力により反時計方向へ回転し、ストッパ部18a−14”がシャッタ地板1に設けられたストッパ18−2”が当接することによって停止させられる。このとき、係止部18a−11”が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置する。このときの状態が、図18に示されている。
その後、直ちに、セット部材17が、図示していないカメラ本体側の部材に被押動部17cを押されて、時計方向への回転を開始する。すると、セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押し、先羽根用第2駆動部材12を図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。このとき、先羽根用第1駆動部材11には、図示していないセットばねにより、先羽根を介して反時計方向へ回転する力が与えられているが、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cが、図18に示された位置にある抑止レバー18a−1”の係止部18a−11”に当接することによって、反時計方向への回転を抑止させられる。このため、先羽根の3枚の羽根21〜23は、開口部1aから退避したままの状態で、先羽根用第2駆動部材12だけが反時計方向へ回転を続けることになる。
セット部材17の押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cを押すのと殆ど時期を同じくして、セット部材17のもう一方の押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられているローラー15を押し、後羽根用駆動部材14を図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。
それ以降のセット作動完了までのセット部材17、後羽根用駆動部材14、後羽根、先羽根用第2駆動部材12の作動状態は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合を説明する。図19に示されている状態を経てセット作動が完了した状態において、電子ファインダで被写体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押す。すると、実際の撮影(露光作動)を開始する前に、コイル18b−2”に対して片側方向の電流が供給され、電磁石18b”が鉄片18a−13”を吸引する磁力を発し、抑止レバー18a−1”を係止ばね18a−3”の付勢力に抗して時計方向に回転させ、鉄芯部材18b−1”が鉄片18a−13”を吸着保持する。これにより、係止部18a−11”は、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられ、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除する。次いで、被係止部11cの係止を解除された先羽根用第1駆動部材11が、図示していない先羽根用セットばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられる。これにより、先羽根の3枚の羽根21〜23が、上方へ移動させられ、開口部1aを覆う位置に戻っていく。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが、長孔1bの上端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接することによって、先羽根用第1駆動部材11と先羽根の作動が停止する。
その後、コイル18b−2”に対する通電が解除され、電磁石18b”が磁力を発生させなくなる。これにより、抑止レバー18a−1”が係止ばね18a−3”の付勢力により反時計方向へ回転し、ストッパ部18a−14”がシャッタ地板1に設けられたストッパ18−2”に当接することによって停止させられる。このとき、係止部18a−11”が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置する。このときの状態が、図15に示されている。
第3実施例のフォーカルプレンシャッタによれば、抑止レバー18a−1”が、軸1gを中心として回転可能であって、一端に係止部18a−11”を有するとともに、他端に強磁性体部18a−13”を備え、さらに、他端を電磁石18b”から離す方向に付勢するばね18−3”を備え、作動部が強磁性体部18a−13”と他端を電磁石18b”から離す方向に付勢するばね18−3”とからなり、電磁石18b”への片側方向の通電時には、電磁石18b”が強磁性体部18a−13”に対する吸引力を有し、強磁性体部18a−13”の電磁石18b”に対する吸引力により、電磁石18b”から離す方向に付勢するばね18−3”の付勢力に抗して係止部18a−11”が被係止部11cの係止を解除する方向に抑止レバー18a−1”が回転し、電磁石18b”への通電の解除時には、電磁石18b”から離す方向に付勢するばね18−3”の力により、係止部18a−11”が被係止部11cを係止する方向に抑止レバー18a−1”が回転するようにしたので、抑止部材に磁石を用いない構成が実現できる。
その他の作用効果は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタと略同じである。
図21は、第3実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリーオープン方式の撮影での作動の変形例を示す図である。
本変形例では、図16の状態から抑止レバー18a−1”を先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外に移動させることなく、露光作動を開始させる。
詳しくは、切換機構18”の抑止レバー18a−1”が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置した状態のまま、先羽根用電磁石6と後羽根用電磁石7とが、被写体光の明るさに対応した所定の時間間隔で順に消磁される。先羽根用電磁石6が消磁すると、鉄片部材13に対する鉄芯部材6aの吸引力が失われ、先羽根用第2駆動部材12が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、先羽根用第2駆動部材12は、押動部12bが先羽根用第1駆動部材11の被押動部11aを押し、先羽根用第1駆動部材11を、図示していない先羽根用セットばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させるので、先羽根の3枚の羽根21〜23は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根23の上端縁で開口部1aを開いていく。そして、先羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接する前に、押動部11dが抑止レバー18a−1”の被押動部18a−12”に摺接し、被押動部18a−12”を押して抑止レバー18a−1”を係止ばね18a−3”の付勢力に抗して時計方向に回転させる。これにより、先羽根用第1駆動部材11は制動されるようになる。図21は、先羽根用第1駆動部材11が、そのような制動を受けたときの状態を示したものである。
その後、先羽根用第2駆動部材12に押動されている先羽根用第1駆動部材11は、押動部11dが抑止レバー18a−1”の被押動部18a−12”を押すことによって制動されながら、さらに、抑止レバー18a−1”を係止ばね18a−3”の付勢力に抗して時計方向に回転させる。このとき、抑止レバー18a−1”の被押動部18a−12”が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの走行軌道外へ退かされるが、係止ばね18a−3”に付与された反時計方向へ回転する力は維持されている。
そして、駆動ピン11bが、長孔1bの下端部に取り付けられている、図示していない緩衝部材に当接する位置に達したとき、抑止レバー18a−1”の被押動部18a−12”が押動部11dから離れて押されない状態となる。このため、抑止レバー18a−1”は係止ばね18a−3”の付勢力により反時計方向に回転させられ、係止部18a−11”が被係止部11cを係止する。これにより、先羽根用第1駆動部材11のバウンドが静止されるとともに、先羽根用第1駆動部材11による先羽根の露光開口を閉じる方向への回転が抑止された状態になる。
先羽根用電磁石6が消磁してから所定時間後に、後羽根用電磁石7が消磁する。後羽根用電磁石7の消磁後から露光作動完了状態までの後羽根用駆動部材14と後羽根の作動は、第1実施例のフォーカルプレンシャッタと略同じである。
従って、第3実施例の変形例によれば、セット部材17が初期位置に復帰した図16の状態から露光作動完了までの間において、コイル18b−2”に対する片側方向の通電及び通電の解除をすることなく、係止ばね18a−3”の付勢力により、係止部18a−11”を、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cに係止させることができる。このため、抑止レバー18a−1”を用いて先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止するために電磁石18b”に対して行う片側方向の通電及び通電の解除の回数を、セット作動完了後のカメラのレリーズボタンを押し、先羽根用第1駆動部材11をセット位置に戻すときのみに減らして、通電時間を短縮することができ、その分、省電力化できる。しかも、抑止レバー18a−1”の被押動部18a−2”に押動部11dを摺接・押動させることによって、先羽根用第1駆動部材11を制動し、先羽根用第1駆動部材11のバウンドを抑えることができる。このため、露光作動終了時から次のセット作動までの時間をより一層短縮することができ、連写速度を向上させることができる。
次に、第3実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリークローズ方式の撮影での作動について説明する。
ノーマリークローズ方式の撮影においては、光学ファインダを用いて撮影する場合であるので、図示していない可動ミラーを備えたカメラの場合には可動ミラーがダウン状態なっていて、光学ファインダによって被写体像を観察することができるようになっている。また、切換機構18”のコイル18b−2”に対して、常時、片側方向の電流が供給され、電磁石18b”が鉄片18a−13”を吸引する磁力を発しており、鉄芯部材18b−1”が鉄片18a−13”を吸着保持し、係止部18a−11”は、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cの係止を解除しうる、長孔1bの下端部近傍から外れた位置に退避させられた状態が維持される。
露光作動完了から次の露光作動完了までの作動は、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、ノーマリークローズ方式の撮影での作動と略同じである。
尚、上記各実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、先羽根と後羽根とで露光作動を行う撮影の他に、さらに、撮影に際してレリーズボタンが押されると、先羽根を作動させず、電子制御回路が撮像素子を制御することによって撮影が開始され、後羽根が露光開口を閉鎖することによって撮影を終了する、先羽根の代わりに撮像素子の電子シャッタを用いて電子シャッタと後羽根とで露光作動を行う撮影も上記モード選択手段の操作によって選択できるようになっている。
そこで、撮像素子の電子シャッタを用いて電子シャッタと後羽根とで露光作動を行う撮影での作動についても説明する。
第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける先羽根の代わりに電子シャッタを用いた方式の撮影では、切換機構18のコイル18b−2に対して、常時、通電されず、抑止レバー18a−1が永久磁石18a−13の電磁石18b−3に対して吸引する磁力により時計方向へ回転し、係止部18a−11が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置した状態が維持される。また、先羽根用電磁石6は、常時励磁状態にあり、鉄片部材13が鉄芯部材6aに吸着保持された状態が維持される。また、セット作動完了状態は、ノーマリーオープン方式の撮影におけるものと略同じ状態となっている。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合を説明する。電子ファインダで被写体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押すと、実際の撮影(露光作動)を開始する前に、後羽根用電磁石が励磁状態になり、鉄片部材16が鉄芯部材7に吸着保持される。
次に、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材17の被押動部17cに対する押圧力を解くので、セット部材17は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、初期位置へ復帰させられていく。
その復帰作動の初期段階において、セット部材17は、押動部17aが先羽根用第2駆動部材12の被押動部12cから離れ、押動部17bが後羽根用駆動部材14に取り付けられたローラー15から離れていくので、先羽根用第2駆動部材12と後羽根用駆動部材14は、図示していない先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転する。それらのうち、先羽根用第2駆動部材12は、押動部12bが先羽根用第1駆動部材11の被押動部11aに当接して停止させられる。また、後羽根用駆動部材14は、鉄片部材16が鉄芯部材7に吸着保持されているため、僅かに回転したところで、取付部14aが鉄片部材16の頭部16bに当接して、停止させられる。
このような後羽根用駆動部材14の僅かな回転によって、図示していない後羽根用セットばねの付勢力に抗して、後羽根の3枚の羽根26〜28も僅かに上方へ移動させられるが、開口部1aを覆い始める前には停止させられる。先羽根用第2駆動部材12,後羽根用駆動部材14,後羽根にとっては、このようにして得られた位置が、露光作動開始位置である。
セット部材17が初期位置へ復帰後に、先羽根代わりの電子シャッタがONとなり、電子制御回路が撮像素子を制御することによって撮影が開始される。そして、被写体の明るさに対応して決められた所定時間が経過すると、後羽根用電磁石が消磁される。
後羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材16に対する鉄芯部材7の吸引力が失われ、後羽根用駆動部材14が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、後羽根用駆動部材14は、後羽根用セットばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させるため、後羽根の3枚の羽根26〜28は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根28の下端縁で開口部1aを閉じていく。
このようにして行われる露光作動の最終段階になると、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bが、長孔1cの下端部に設けられた、図示していない緩衝部材に当接して、後羽根用駆動部材14と後羽根の作動が停止する。また、後羽根用駆動部材14の駆動ピン14bの上記緩衝部材への当接と殆ど時期を同じくして、先羽根代わりの電子シャッタがOFFとなり、露光作動が終了する。そのときの状態はノーマリーオープン方式の撮影における露光作動の終了状態と略同じである。
露光作動終了直後の状態からセット作動完了状態までは、ノーマリーオープン方式の撮影での作動と略同じである。
第2実施施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける先羽根の代わりに電子シャッタを用いた方式では、切換機構18’のコイル18b−2’に対して、常時、通電されず、電磁石18b’が永久磁石18b−3’における永久磁石18a−13’に近い側の磁極から発する磁力を打ち消す磁力を発生させず、抑止レバー18a−1’が永久磁石18a−13’の永久磁石18b−3’に対して反発する磁力により反時計方向へ回転し、係止部18a−11’が先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置した状態が維持される。また、先羽根用電磁石6は、常時励磁状態にあり、鉄片部材13が鉄芯部材6aに吸着保持された状態が維持される。また、セット作動完了状態は、ノーマリーオープン方式の撮影におけるものと略同じ状態となっている。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合の作動については、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける先羽根の代わりに電子シャッタを用いた方式と略同じである。尚、露光作動の終了状態はノーマリーオープン方式の撮影における露光作動の終了状態と略同じである。
また、露光作動終了直後の状態からセット作動完了状態までは、ノーマリーオープン方式の撮影での作動と略同じである。
第3実施施例のフォーカルプレンシャッタにおける先羽根の代わりに電子シャッタを用いた方式では、電子ファインダを用いて撮影する場合であるので、図示していない可動ミラーを備えたカメラの場合には可動ミラーがアップ状態になっている。また、切換機構18”のコイル18b−2”に対して、常時、通電されず、電磁石18b”が磁力を発生させず、抑止レバー18a−1”が係止ばね18a−3”の付勢力により反時計方向へ回転し、係止部18a−11”が、先羽根用第1駆動部材11の被係止部11cを係止しうる、長孔1bの下端部近傍に位置した状態が維持される。また、先羽根用電磁石6は、常時励磁状態にあり、鉄片部材13が鉄芯部材6aに吸着保持された状態が維持される。また、セット作動完了状態は、ノーマリーオープン方式の撮影におけるものと略同じ状態となっている。
次に、このようなセット作動完了後に、次の撮影が行われる場合の作動については、第1実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける先羽根の代わりに電子シャッタを用いた方式と略同じである。尚、露光作動終了状態はノーマリーオープン方式の撮影における露光作動の終了状態と略同じである。
また、露光作動終了直後の状態からセット作動完了状態までは、ノーマリーオープン方式の撮影での作動と略同じである。
1 シャッタ地板
1a,2a,3a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 軸
2 中間板
3 補助地板
4 支持板
6 先羽根用電磁石
7 後羽根用電磁石
6a,7a 鉄芯部材
6b,7b ボビン
11 先羽根用第1駆動部材
11a,12c,17c 被押動部
11b,14b 駆動ピン
11c 係止部
11d,12b,17a、17b 押動部
12 先羽根用第2駆動部材
12a,14a 取付部
13,16 鉄片部材
13a,16a 軸部
13b,16b 頭部
13c,16c 鉄片部
14 後羽根用駆動部材
15 ローラー
17 セット部材
18,18’,18” 切換機構
18a,18a’,18a” 抑止レバー部
18a−1,18a−1’,18a−1” 抑止レバー
18a−11,18a−11’,18a−11” 係止部
18a−12,18a−12’,18a−12” 被押動部
18a−13,18a−13’ 永久磁石
18a−13” 鉄片
18a−14’,18a−14” ストッパ部
18a−2,18a−2’,18a−2” ストッパ
18a−3” 係止ばね
18a−4” ばね掛け部
18b,18b’,18b” 電磁石
18b−1,18b−1’,18b−1” 鉄芯部材
18b−2,18b−2’,18b−2” コイル
18b−3’ 永久磁石
19,20,24,25 アーム
21,22,23,26,27,28 羽根

Claims (6)

  1. セットばねの付勢力によって回転し、先羽根群を露光開口を閉じる方向へ駆動させる先羽根用第1駆動部材と、先羽根用駆動ばねの付勢力によって回転し、前記セットばねの付勢力に抗して前記先羽根用第1駆動部材を押動することで前記先羽根群を露光開口を開く方向へ駆動させる先羽根用第2駆動部材とで構成された先羽根用駆動手段を有するとともに、前記先羽根用第1駆動部材による前記先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と該抑止の解除とを切換えることにより、露光作動後の待機時に画枠を開放するノーマリーオープン方式の撮影と露光作動後の待機時に画枠を閉鎖するノーマリークローズ方式の撮影とを切換え可能な切換機構を備えたフォーカルプレンシャッタであって、
    前記切換機構が、
    片側方向にのみ通電される電磁石と、
    前記先羽根用第1駆動部材に設けられている被係止部を係止可能な係止部と、前記電磁石への片側方向の通電と該通電の解除との切換えに応じて該電磁石に対する力の向きが切換わり、前記通電時には前記係止部を、前記被係止部との係止を解除可能な位置に移動させ、前記通電の解除時には前記係止部を、前記被係止部を係止可能な位置に移動させる作動部とを有する抑止部材を有してなり、
    露光作動後待機前の前記係止部による前記被係止部への係止と該係止の解除とに応じて、前記先羽根用第1駆動部材に対する前記先羽根の露光開口を閉じる方向への回転の抑止と該抑止の解除とが切換わることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記抑止部材は、
    軸を中心として回転可能であって、一端に前記係止部を有するとともに、他端に第1の永久磁石を備え、
    前記作動部が前記第1の永久磁石からなり、
    前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記第1の永久磁石に対する反発力を有し、該第1の永久磁石の該電磁石に対する反発力により、前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記第1の永久磁石の該電磁石に対する吸引力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転することを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. さらに、前記電磁石が、前記第1の永久磁石に対する反発力を有する第2の永久磁石を備え、
    前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記第2の永久磁石の前記第1の永久磁石に対する反発力を打ち消す磁力を発し、該第1の永久磁石の該電磁石に対する吸引力により、前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記第2の永久磁石の前記第1の永久磁石に対する反発力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転することを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記抑止部材は、
    軸を中心として回転可能であって、一端に前記係止部を有するとともに、他端に強磁性体部を備え、さらに、前記他端を前記電磁石から離す方向に付勢するばねを備え、
    前記作動部が前記強磁性体部と前記他端を前記電磁石から離す方向に付勢するばねとからなり、
    前記電磁石への片側方向の通電時には、該電磁石が前記強磁性体部に対する吸引力を有し、該強磁性体部の該電磁石に対する吸引力により、前記電磁石から離す方向に付勢するばねの付勢力に抗して前記係止部が前記被係止部の係止を解除する方向に前記抑止部材が回転し、前記電磁石への通電の解除時には、前記電磁石から離す方向に付勢するばねの力により、前記係止部が前記被係止部を係止する方向に前記抑止部材が回転することを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記先羽根用第1駆動部材は、前記被係止部の外側に押動部を有し、
    前記抑止部材は、前記係止部の外側に被押動部を有し、
    前記係止部が前記先羽根用第1駆動部材の前記被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記先羽根群が露光開口を開く方向に駆動するように前記先羽根用第1駆動部材が回転させられたときに、前記先羽根用第1駆動部材の前記押動部が前記抑止部材の前記被押動部を押し退けて、前記係止部による前記先羽根用第1駆動部材の前記被係止部の係止が掛かることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
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