JP6147652B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ - Google Patents
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また、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタは、係止部材が、露光作動終了直前に後羽根用第1駆動部材に当接させられることによって後羽根用第1駆動部材の回転を制動すると共に、露光作動終了時に後羽根用第1駆動部材がストッパに当接したときの衝撃で発生するバウンドを抑止している。
このため、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタによれば、撮像素子から記憶装置への撮像情報の転送時間を考慮せずにセット作動を開始させることができ、次の撮影を従来よりも早く行え、従来よりもシャッタチャンスを逸することがなくなるという利点がある。また、それによって、連写を行う場合には、より細分化されたコマ写真が得られるという利点がある。
このため、特許文献2に記載されているような、従来の後羽根チャージ中に後幕を閉じておく機構を備えたフォーカルプレンシャッタにおいては、この後羽根の戻り走行終了時の衝撃により生ずる後羽根のバウンドが収束するまでの時間が、次の撮影可能となるまでのタイムラグや、連写における高コマ速化の妨げとなっていた。
以下、セット部材14については、この位置を初期位置ということにする。
第1の係止部15aは、第1駆動部材11の走行軌道内における露光作動方向(図1における時計方向)への回転の終了位置近傍(図1に示す長孔1bの下方端部1b2の近傍)に位置するときに、第1駆動部材11の第1の被係止部11aを係止することによって、第1駆動部材11のセット方向(図1における反時計方向)への回転を抑止するように形成されている。また、第1の係止部15aは、第1駆動部材11の走行軌道内における露光方向への回転の終了位置近傍に位置するときに、露光方向への走行終了時における長孔1bの下方端部1b2に第1駆動部材11の駆動ピン11cが当接するときの衝撃により生じる第1駆動部材11のバウンドを抑止する機能も備えている。
被押動部15bは、セット部材14の押動部14cに押されるように形成されている。
第1の押動部15cは、図3(a)〜(c)に分かり易く示されており、後述するバウンド抑止部材16の第2の被押動部16bを押すことができるように形成されている。
被押動部15dは、第1駆動部材11の走行軌道内における露光方向への回転の終了位置近傍に位置するときに、露光方向に走行する第1駆動部材11の第2の被係止部11eに摺接されながら押されうるように形成されている。
当接部15eは、図3(a)〜(c)に分かり易く示されており、ストッパ部31と当接することによって、係止部材15の時計方向への回転を停止させるように形成されている。
第1の被押動部16aは、第1駆動部材11の走行軌道内におけるセット方向への回転の終了位置近傍に位置するときに、セット方向に走行する第1駆動部材11の押動部11dに摺接されながら押されうるように形成されている。
第2の被押動部16bは、図3(d)及び図3(e)に分かり易く示されており、係止部材15の第1の押動部15cに押されうるように形成されている。
第2の係止部16cは、第1駆動部材11の走行軌道内におけるセット方向への回転の終了位置近傍に位置するときに、第1駆動部材11の第2の被係止部11eを係止することによって、セット方向への走行終了時における長孔1bの上方端部1b1に第1駆動部材11の駆動ピン11cが当接するときの衝撃により生じる羽根のバウンドを抑止するように形成されている。
なお、係止部材15を時計方向へ回転するように付勢する係止ばねの方が、バウンド抑止部材16を反時計方向へ回転するように付勢するバウンド抑止ばねよりも強い力を有している。図1は、セット部材14が初期位置に位置し、被押動部15bが押動部14cに押されない状態にあり、係止部材15が時計方向に回転し、押動部15cが被押動部16bに当接しながら、バウンド抑止部材16を、第1の被押動部16a及び第2の係止部16cが第1駆動部材11の走行軌道外に位置するように押し出すとともに、当接部15eがシャッタ地板1に設けられたストッパ部31に当接することによって停止させられ、被押動部15d及び第1の係止部15aが第1駆動部材11の走行軌道内におけるセット方向への回転の終了位置近傍に位置している状態を示したものである。
シャッタ地板1と補助地板3との間に配置されている羽根は、シャッタ地板1の上記の軸1gに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム17と、シャッタ地板1の上記の軸1hに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム18と、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された3枚の羽根19,20,21とで構成されており、羽根21がスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、第1駆動部材11の駆動ピン11cの先端部は、アーム17に形成された図示していない長孔に嵌合している。
図1は、既に説明したように、露光作動終了直後であって羽根のチャージ(セット作動)前の状態を示したものである。このとき、第2駆動部材12は、図示していない周知の駆動ばねにより、その押動部12bが、図示していないセットばねの付勢力に抗して第1駆動部材11の被押動部11bを押し、第1駆動部材11を時計方向へ回転させるように付勢されているが、第1駆動部材11の駆動ピン11cが長孔1bの下方端部1b2に当接しているため、この停止状態が維持されている。そして、このとき、3枚の羽根19,20,21は、展開状態になって開口部1aを覆っている。また、係止部材15は、上述したように、図示していない係止ばねの付勢力により、時計方向に回転し、バウンド抑止部材16を、第1の被押動部16a及び第2の係止部16cが第1駆動部材11の走行軌道外に位置するように押し出すとともに、当接部15eがシャッタ地板1に設けられたストッパ部31に当接することによって停止させられ、被押動部15d及び第1の係止部15aが第1駆動部材11の走行軌道内における露光作動方向への回転の終了位置近傍に位置しており、第1駆動部材11が反時計方向へ回転しようとすると、第1の係止部15aが第1の被係止部11aを係止することによって、その回転を抑止し得るようになっている。
そこで、以下においては、本実施例のフォーカルプレンシャッタがそのような作動を好適に行えることを、具体的に説明する。
なお、ノーマリーオープン方式の撮影モードと撮像素子の電子シャッタを用いて電子シャッタと羽根とで露光作動を行う撮影モードにおける羽根の作動は同様にして行われる。
そのため、本発明における羽根の作動に関しては、上記実施例の撮像素子の電子シャッタと羽根とで露光作動を行う構成に基づいて説明することにする。
羽根へのセット作動が開始されると、セット部材14の押動部14bが第2駆動部材12の被押動部12cを押し、第2駆動部材12を図示していない駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ始める。このとき、第1駆動部材11には、図示していないセットばねにより、羽根を介して反時計方向へ回転する力が与えられているが、係止部材15の第1の係止部15aが第1駆動部材11の第1の被係止部11aを係止することによって、反時計方向への回転を抑止させられる。そのときの状態が、図5に示されている。
このとき、開口部1aが全開になる。その状態がセット完了状態、即ち次の撮影の待機状態であり、セット部材14は、次の撮影が行われるまで、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して、カメラ本体側の部材によってこの状態を維持させられている。従って、この状態においては、開口部1aが全開になっているので、カメラの電源をオフにしない限り、被写体像を、電子ファインダで観察することが可能となる。
次に、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材14の被押動部14aに対する押圧力を解くので、セット部材14は、図示していない復帰ばねの付勢力によって時計方向へ回転し、初期位置へ復帰させられていく。
その復帰作動の初期段階において、セット部材14は、押動部14bが第2駆動部材12の被押動部12cから離れていくので、第2駆動部材12は、図示していない駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転するが、鉄片部材13が鉄芯部材6に吸着保持されているため、僅かに回転したところで、それらの取付部12aが鉄片部材13の頭部13bに当接して、停止させられる。
また、本発明は、ノーマリーオープン方式を採用した、先羽根用駆動部材を介して先幕を開閉し、後羽根用駆動部材を介して後幕を開閉する構成にも適用可能である。
1a,3a 開口部
1b 長孔
1d,1e,1f,1g,1h 軸
3 補助地板
6 鉄芯部材
11 第1駆動部材
11a 第1の被係止部
11e 第2の被係止部
11b 被押動部
11c 駆動ピン
11d 押動部
12 第2駆動部材
12a 取付部
12b 押動部
12c 被押動部
13 鉄片部材
13a 軸部
13b 頭部
13c 鉄片部
14 セット部材
14a 被押動部
14b,14c 押動部
15 係止部材
15a 第1の係止部
15b,15d 被押動部
15c 第1の押動部
15e 当接部
16 バウンド抑止部材
16a 第1の被押動部
16b 第2の被押動部
16c 第2の係止部
17,18 アーム
19,20,21 羽根
31 ストッパ部
Claims (2)
- セット部材のセット作動時には係止部材の第1の係止部に係止されていて、羽根が露光作動を開始する前に前記係止部材の前記第1の係止部による係止が解かれてセットばねにより前記羽根を露光作動開始位置に戻り走行させる第1駆動部材と、
前記セット部材のセット作動によってセット方向に回転させられ露光作動時には駆動ばねにより前記第1駆動部材を露光方向に回転させ前記羽根に露光作動させる第2駆動部材と、
を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
前記羽根の露光作動開始位置への戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンドを抑止する第2の係止部を有するバウンド抑止部材を備え、
前記バウンド抑止部材は、さらに、前記第1駆動部材に摺接されながら押されうる第1の被押動部を有するとともに、
バウンド抑止ばねにより前記第1の被押動部が前記第1駆動部材の走行軌道内における露光作動開始方向への回転の終了位置近傍に位置するように回転させられる力を与えられており、
前記羽根が露光作動を開始する前に前記係止部材による前記第1駆動部材の係止が解かれたときに、前記バウンド抑止ばねにより前記第1の被押動部が前記第1駆動部材の走行軌道内における露光作動開始方向への回転の終了位置近傍に位置するように回転させられ、前記羽根の露光作動開始位置への戻り走行終了直前において、前記第1の被押動部が前記第1駆動部材に摺接されながら押され、前記バウンド抑止ばねの付勢力に抗して回転させられることによって、前記第1駆動部材の回転を制動し、
前記係止部材は、
前記バウンド抑止部材を押す第1の押動部と、
前記バウンド抑止部材を、前記第1の押動部を介して前記バウンド抑止ばねの付勢力に抗して回転させる係止ばねと、を有し、
前記羽根が露光作動を開始する前に前記係止ばねの付勢力に抗して回転させられて、前記第1の係止部による前記第1駆動部材の係止を解き、前記羽根が露光作動を行っている状態では、前記係止ばねにより前記第1の押動部を介して前記バウンド抑止部材を前記バウンド抑止ばねの付勢力に抗して回転させ、
前記バウンド抑止部材は、第2の被押動部を有し、前記係止部材と同軸に設けられていて、
前記係止部材が前記係止ばねの付勢力に抗して回転させられることによって、前記バウンド抑止ばねの付勢力によって前記第1の被押動部が前記第1駆動部材の走行軌道内における露光作動開始方向への回転の終了位置近傍に位置するように回転させられ、
前記係止部材が前記係止ばねの付勢力により前記バウンド抑止ばねの付勢力に抗して回転させられることによって、前記第1の押動部に前記第2の被押動部が押され、前記第1の被押動部が前記第1駆動部材の走行軌道から外れるように回転させられる、
ことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
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