JP2016139100A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】露光作動後の羽根の露光走行終了時の衝撃により生ずる羽根のバウンドを確実に抑止して露光精度を向上させ、バウンドの収束時間を短縮でき、高耐久性・高コマ速の達成が可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタの提供。【解決手段】羽根群2,3を駆動する駆動部材6,7と、羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を行うセット部材12を備えたシャッタにおいて、露光作動時に駆動部材6に摺接されて、弾性変形して駆動部材6の露光作動時の走行を制動する制動部15aを有する、板ばね状の制動部材15と、フック部19aを有し、露光作動終了直前に駆動部材6に押動されて、コイルばねにより駆動部材6を係止する方向に付勢され、露光作動終了位置に到達した駆動部材6を該フック部で係止して、駆動部材6の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する、バウンド抑止部材19とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、幕を形成する1つ又は複数の羽根からなる羽根群を駆動する、少なくとも一つの駆動部材と、羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を行うセット部材を備え、1つ又は複数の幕の開閉による露光作動を行うことができるように構成されたカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラに関する。
近年、カメラのデジタル化が進み、カメラスペックは飛躍的に発展してきている。そして、撮像素子がフィルムからデジタルに代わったことで撮影回数が増加傾向にあり、撮影回数が増えることに伴い、シャッタの高耐久性、高コマ速が要求されてきている。高耐久性・高コマ速を達成するためには、シャッタ幕の走行終了時の衝撃を抑えてシャッタ幕が走行を開始後から停止するまでの時間の短縮が求められる。
また、近年、カメラの小型化により、フォーカルプレンシャッタの駆動制御機構も小型化が求められており、各羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を一方向にのみの回転により行うセットカムを備えたフォーカルプレンシャッタが提案されてきている。
従来、このようなセットカムを備えたフォーカルプレンシャッタとしては、例えば、次の特許文献1に記載されたシャッタがある。
従来、このようなセットカムを備えたフォーカルプレンシャッタとしては、例えば、次の特許文献1に記載されたシャッタがある。
特許文献1に記載のフォーカルプレンシャッタは、一方向にのみ回転し、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とを露光作動開始位置にセットするセットカムを有する。そして、特許文献1に記載のフォーカルプレンシャッタは、高耐久性・高コマ速を達成するための手段として、先羽根用駆動部材の露光作動終了時のバウンドを抑止する係止部材と、後羽根用駆動部材の露光作動時の走行を制動するとともに露光作動終了時のバウンドを抑止するように形成された板ばねとを、セットカムに当接されて作動可能な別々の位置に独立した状態で備えている。
ところで、高コマ速化のためには、露光作動時に幕を走行させる駆動部材の高速化が必要となるが、幕速が速くなればなるほど、露光作動終了時の幕走行終端での駆動部材の衝撃が大きくなり、幕破損のおそれが生じてくる。
また、耐久性を向上させるためには、幕走行終端での駆動部材の衝撃を和らげる必要がある。
しかるに、従来一般のフォーカルプレンシャッタでは、幕走行終端位置に例えばゴム等の弾性体からなる緩衝部材を設けて、幕走行終端での駆動部材の衝撃を吸収している。しかし、ゴム等の弾性体からなる緩衝部材を設けた構成では、幕走行終端での駆動部材の衝撃が大きくなり過ぎると駆動部材がバウンドして、羽根が画枠からはみ出してしまい露光精度に悪影響を与えるという問題が生じる。
しかるに、従来一般のフォーカルプレンシャッタでは、幕走行終端位置に例えばゴム等の弾性体からなる緩衝部材を設けて、幕走行終端での駆動部材の衝撃を吸収している。しかし、ゴム等の弾性体からなる緩衝部材を設けた構成では、幕走行終端での駆動部材の衝撃が大きくなり過ぎると駆動部材がバウンドして、羽根が画枠からはみ出してしまい露光精度に悪影響を与えるという問題が生じる。
特に、露光作動時に露光開口から退避する方向に走行する羽根は、露光作動終了時にはシャッタ地板や補助地板等の基板の端部と開口部との間の僅かなスペースに停止させる必要があるため、露光走行終了時の衝撃による羽根の僅かなバウンドによって開口部内にスリット形成羽根が入って、露光精度に悪影響を与えてしまい易い。
しかし、特許文献1に記載のフォーカルプレンシャッタは、露光作動時に露光開口から退避する方向に走行する羽根である、先羽根用駆動部材に対し、露光作動終了時のバウンドを抑止する係止部材を設けてはいるものの、露光作動時の走行を制動する機構を備えていない。このため、露光作動終了時の衝撃により、先羽根がバウンドして露光精度に悪影響を与え、また、シャッタ幕の静止までの時間短縮の妨げとなり易い。
しかるに、本件出願人は、第1の幕を形成する第1の羽根群を駆動する第1の駆動部材と、第2の幕を形成する第2の羽根群を駆動する第2の駆動部材と、各羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を一方向へのみの回転により行うセットカムを備え、少なくとも前記2つの幕の開閉による露光作動を行うことができるように構成されたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記第1の駆動部材の露光作動時の走行を制動する第1の制動部と該第1の駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する第1のバウンド抑止部とが形成された板ばね状の第1のブレーキレバーと、前記第2の駆動部材の露光作動時の走行を制動する第2の制動部と該第2の駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する第2のバウンド抑止部とが形成された板ばね状の第2のブレーキレバーと、前記第1のブレーキレバーと前記第2のブレーキレバーとを保持し、前記一方向に回転する前記セットカムの当接及び当接の解除に応じて夫々異なる方向に回転させられて、夫々の前記ブレーキレバーに、対応する夫々の前記駆動部材の露光作動時の走行の制動と露光作動終了時のバウンドの抑止及び対応する夫々の前記駆動部材の露光作動終了時のバウンドの抑止の解除を行わせる補助レバーを備えた構成を着想した。
そして、本件出願人は、このような補助レバーに備わる板ばね状の第1のブレーキレバーと第2のブレーキレバーのいずれもが、対応する夫々の駆動部材の露光作動時の走行の制動と露光作動終了時のバウンドの抑止を行うことにより、露光作動終了時に基板の端部と開口部との間の僅かなスペースに折り畳まれた状態になる先羽根に対しても制動を行いながらバウンドを抑止することができ、露光走行終了時の衝撃による羽根のバウンドを確実に抑えて、露光精度を向上させることができるとともに、バウンドの収束時間を短縮でき、高耐久性・高コマ速を達成可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタが得られることを見出した。
さらに、本件出願人が上記ブレーキレバーの構成・作用効果について検討したところ、より一層確実に露光作動終了時の羽根のバウンドを抑止する余地があることが判明した。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、露光作動後の羽根の露光走行終了時の衝撃により生ずる羽根のバウンドを確実に抑止して露光精度を向上させるとともに、バウンドの収束時間を短縮でき、高耐久性・高コマ速の達成が可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明によるカメラ用フォーカルプレンシャッタは、幕を形成する1つ又は複数の羽根からなる羽根群を駆動する、少なくとも一つの駆動部材と、前記羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を行うセット部材を備え、前記1つ又は複数の幕の開閉による露光作動を行うことができるように構成されたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、露光作動時に当該駆動部材に摺接されることによって、弾性変形して当該駆動部材の露光作動時の走行を制動する制動部を有する、板ばね状の制動部材と、フック部を有し、露光作動終了直前に当該駆動部材に押動されることによって、コイルばねにより当該駆動部材を係止する方向に付勢され、露光作動終了位置に到達した当該駆動部材を該フック部で係止することによって、当該駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する、バウンド抑止部材と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、当該制動部材に露光作動時の走行を制動されるとともに、当該バウンド抑止部材に露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止される前記駆動部材の少なくとも一つが、露光作動時に幕を露光開口から退避する方向に走行させる駆動部材であるのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、当該制動部材に露光作動時の走行を制動されるとともに、当該バウンド抑止部材に露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止される前記駆動部材が、当該制動部材の制動部に摺接可能な摺接部と、当該バウンド抑止部材を摺接しながら押し退ける押動部と、当該バウンド抑止部材に係止される被係止部を有し、当該バウンド抑止部材が、前記フック部の外側に設けられた、当該駆動部材の前記押動部に摺接しながら押し退けられる被押動部と、前記フック部の内側に設けられた、当該駆動部材の前記被係止部を係止する係止部を有し、当該制動部材は、当該制動部が当該駆動部材の前記摺接部に摺接されることによって、弾性変形して当該駆動部材の露光作動時の走行を制動し、当該バウンド抑止部材は、前記被押動部が前記コイルばねの付勢力に抗して当該駆動部材の前記押動部に押し退けられ、次いで、当該バウンド抑止部材の前記係止部が、前記被押動部を通過した当該駆動部材の前記被係止部を係止することによって露光作動終了時のバウンドを抑止するのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、当該制動部材を保持するとともに当該バウンド抑止部材を回転可能に備え、前記セット部材の当接及び当接の解除に応じて夫々異なる方向に回転させられて、当該制動部材による当該駆動部材の露光作動時の走行の制動、当該バウンド抑止部材による当該駆動部材の露光作動終了時のバウンドの抑止及び当該バウンド抑止部材による当該駆動部材の露光作動終了時のバウンドの抑止の解除を行わせる補助レバーを備えるのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記補助レバーは、全ての羽根群の露光作動開始位置へのセット完了から該セットを解除するまでの間に前記セット部材の当接により第1の方向に回転させられて、当該制動部材を、当該駆動部材の露光作動時の走行の制動を行わせる位置に導くとともに当該バウンド抑止部材を当該駆動部材の露光作動終了時のバウンド抑止を行わせる位置に導くのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記補助レバーは、全ての羽根群の露光作動終了後から少なくとも1つの羽根群の露光作動開始位置へのセットを開始するまでの間に前記セット部材の当接解除により当該駆動部材を介して第2の方向に回転させられて、当該制動部材を、当該駆動部材の露光作動時の走行の制動の解除を行わせる位置に導くとともに当該バウンド抑止部材を当該駆動部材の露光作動終了時のバウンド抑止の解除を行わせる位置に導くのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記セット部材は、全ての羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を一方向へのみの回転により行うセットカムからなるのが好ましい。
更に、本発明のデジタルカメラは、上記のような各カメラ用フォーカルプレンシャッタを備えている。
本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、露光作動時に当該駆動部材に摺接されることによって、弾性変形して当該駆動部材の露光作動時の走行を制動する制動部を有する、板ばね状の制動部材と、フック部を有し、露光作動終了直前に当該駆動部材に押動されることによって、コイルばねにより当該駆動部材を係止する方向に付勢され、露光作動終了位置に到達した当該駆動部材を該フック部で係止することによって、当該駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する、バウンド抑止部材とを備えたので、板ばね状の制動部材の弾性変形により駆動部材の露光作動時の走行速度を制動して幕走行終端での駆動部材の衝撃を和らげることができ、しかも、バウンド抑止部材が露光作動終了位置に位置する当該駆動部材をフック部で係止することによって当該駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを確実に抑止でき、幕が画枠からはみ出して露光精度に悪影響を与えることを防止して、露光精度を向上させることができるとともに、バウンドの収束時間を短縮でき、高耐久性・高コマ速を達成できる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、当該制動部材に露光作動時の走行を制動されるとともに、当該バウンド抑止部材に露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止される前記駆動部材の少なくとも一つが、露光作動時に幕を露光開口から退避する方向に走行させる駆動部材であるようにすれば、露光作動終了時にシャッタ地板や補助地板等の基板の端部と開口部との間の僅かなスペースに停止させる必要がある羽根の、露光走行終了時の衝撃によるバウンドを確実に抑止でき、幕が画枠からはみ出して露光精度に悪影響を与えることを防止できる。
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。本実施例は、ダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタの構成に本発明を適用したものであるが、係止タイプとして構成したものにも適用することが可能である。
先ず、主に、図1〜図3を用いて、本発明の実施例の構成を説明するが、図1は、本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける外観を地板側からみた平面図、図2は図1における本発明の要部をなす個々の部材の構成を示す平面図、図3は図1における要部の光軸方向の位置関係を示す側面図である。尚、本実施例の説明においては、本実施例のフォーカルプレンシャッタをカメラに組み込んだとき、図1の表面側(手前側)が被写体側(撮影レンズ側)であり、図1の背面側が撮像素子側であることを前提にして説明する。しかしながら、周知のように、デジタルカメラの場合には、図1の表面側を撮像素子側にし、図1の背面側を被写体側にすることもある。
図1において、シャッタ地板1の左寄り中央部には、長方形を横長にした露光用の開口部1aが形成されている。また、周知のように、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、補助地板(図示省略)が取り付けられており、シャッタ地板1と補助地板との間に羽根室を構成している。そして、補助地板にも、開口部1aの形状や大きさが略同様の開口部が形成されている。そして、被写体光を通過させるためのシャッタユニットとしての露光開口の形状は、それらの開口部で形成されることもあるが、本実施例においては、開口部1aの形状だけで露光開口の形状が決められている。
尚、本実施例のシャッタ地板1は合成樹脂製である。なお、図1、図4〜図8では、便宜上、開口部1aの左側部分を省略して示してある。
シャッタ地板1には、開口部1aの右側の領域に、円弧状の長孔1b,1cが形成されている。長孔1b,1cの下方端部には、平面形状が略C字状をした周知のゴム製の緩衝部材18a,18bが取り付けられている。また、補助地板は、薄い板部材であって、長孔1b,1cを形成している領域と重なるため、実際には、長孔1b,1cと重なるところに、略同じ形状をした図示していない長孔が形成されている。
シャッタ地板1の表面側、即ち被写体側には、軸1d,1e,1f,1gが立設されている。また、シャッタ地板1の背面側、即ち撮像素子側には、軸1h,1i,1j,1kが立設されており、それらのうち、軸1h,1iは、上記の軸1d,1eと同心上に配置されている。
シャッタ地板1の表面側には、実際には、このほかにも、複数の柱が立設されており、それらの先端には、例えば、特開2007−298544号にも記載されているような図示していない支持板とプリント配線板等が、支持板をシャッタ地板1側にして取り付けられており、その支持板のシャッタ地板1側には、略U字形をしていて二つの脚部の先端を磁極部とした鉄芯部材と、コイルと、コイルを巻回していて鉄芯部材の一方の脚部に嵌装されたボビンとで構成された、先羽根用と後羽根用の電磁石が取り付けられている。しかしながら、電磁石の構成や支持板への取付け構成は周知であり、且つ電磁石の構成の全てに符号を付けると、他の構成部材が分かりにくくなってしまうため、図1のほか図4〜図8において先羽根用と後羽根用の電磁石については鉄芯部材だけに符号4a,4bを付してある。
シャッタ地板1の表面側に立設されている上記の軸1d,1eには、駆動機構を構成していて、いずれも合成樹脂製である、先羽根用駆動部材6,後羽根用駆動部材7が、個々に回転可能に取り付けられている。
先羽根用駆動部材6は、図2(a)に示すように、被押動部6aと、駆動ピン6bと、背面側に形成された押動部6c、被係止部6d及び摺接部6fと、表面側に部厚く形成された取付部6eを有している。
被押動部6aは、表面側に設けられたローラーで構成されており、後述する先羽根用セットカム部12aの押動部12a1に当接しうるように形成されている。そして、被押動部6aが先羽根用セットカム部12aの押動部12a1に押されることで、先羽根用駆動部材6を、軸1dを中心とした時計方向(図1における軸1dを中心とした矢印A方向とは反対側の方向)に回転するように構成されている。駆動ピン6bは、背面側に形成されており、シャッタ地板1の長孔1bに挿入されている。そして、この駆動ピン6bは、根元側の部位の断面が円形をしている。また、先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で羽根に連結されており、その最先端部を、補助地板に形成されていて長孔1bと略同じ形状をした図示していない長孔に挿入している。尚、駆動ピン6bの根元側の部位の断面はD形であってもよい。また、駆動ピン6bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。
被押動部6aは、表面側に設けられたローラーで構成されており、後述する先羽根用セットカム部12aの押動部12a1に当接しうるように形成されている。そして、被押動部6aが先羽根用セットカム部12aの押動部12a1に押されることで、先羽根用駆動部材6を、軸1dを中心とした時計方向(図1における軸1dを中心とした矢印A方向とは反対側の方向)に回転するように構成されている。駆動ピン6bは、背面側に形成されており、シャッタ地板1の長孔1bに挿入されている。そして、この駆動ピン6bは、根元側の部位の断面が円形をしている。また、先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で羽根に連結されており、その最先端部を、補助地板に形成されていて長孔1bと略同じ形状をした図示していない長孔に挿入している。尚、駆動ピン6bの根元側の部位の断面はD形であってもよい。また、駆動ピン6bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。
押動部6cは、先羽根用駆動部材6が軸1dを中心とした反時計方向(図1における軸1dを中心とした矢印A方向)に回転したときに、ブレーキ待機位置にセットされた、後述する先羽根用係止レバー19の被押動部19a−1を摺接しながら押し退けることができるように形成されている。被係止部6dは、先羽根用駆動部材6が軸1dを中心とした反時計方向に回転して先羽根用係止レバー19の被押動部19a−1を通過したときに先羽根用係止レバー19の係止部19a−2に係止されるように形成されている。
摺接部6fは、先羽根用駆動部材6が軸1dを中心とした反時計方向に回転したときに、ブレーキ待機位置にセットされた、後述する先羽根用ブレーキレバー15の制動部15aに摺接することができるように形成されている。
そして、周知のように、この先羽根用駆動部材6は、図示していない先羽根用駆動ばねによって軸1dを中心とした反時計方向へ回転するように付勢されている。
先羽根用駆動部材6の取付部6eには、その内部に、鉄片部材5aと図示していない圧縮ばねとが収容されている。そして、鉄片部材5aは、図示していない軸部の一端に円盤状をした頭部5a2を有していて、他端には鉄片部5a3を取り付けている。また、この鉄片部材5aは、取付部6e内で軸部に嵌装されている上記の図示していない圧縮ばねによって、鉄片部5a3を取付部6e内から突き出すように付勢されている。図1では、鉄片部材5aの鉄片部5a3が先羽根用電磁石の鉄芯部材4aの磁極部に接触した状態となっている。
また、シャッタ地板1の軸1dには、図示していないラチェット部材が回転可能に取付けられている。ラチェット部材は、外周部にラチェット歯を備えており、図示していない支持板に形成されたラチェット爪の先端をラチェット歯に噛合させられ、ラチェット部材の軸1dを中心とした反時計方向への回転を阻止されるようになっている。
先羽根用駆動ばねは、周知のように、一端を先羽根用駆動部材6の図示していないばね掛け部に掛け、他端をラチェット部材の図示していないばね掛け部に掛けて、先羽根用駆動部材6を、軸1dを中心とした反時計方向へ回転させるように付勢しており、その付勢力は、ラチェット部材を一時的に外し、ラチェット部材の回転位置を変えることによって調整できるようになっている。
後羽根用駆動部材7は、図2(b)に示すように、被押動部7aと、駆動ピン7bと、背面側に形成した摺接部7cと、表面側に部厚く形成した取付部7dを有している。
被押動部7aは、背面側に設けられたローラーで構成されており、後述する後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に当接しうるように形成されている。そして、被押動部7aが後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に押されることで、後羽根用駆動部材7を、軸1eを中心とした時計方向(図1における軸1eを中心とした矢印B方向とは反対側の方向)に回転するように構成されている。駆動ピン7bは、背面側に形成されており、シャッタ地板1の長孔1cに挿入されている。そして、この駆動ピン7bは、根元側の部位の断面が円形をしている。また、先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で羽根に連結されており、その最先端部を、図示していない補助地板に形成されていて長孔1cと略同じ形状をした図示していない長孔に挿入している。尚、駆動ピン7bの根元側の部位の断面はD形であってもよい。また、駆動ピン7bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。
被押動部7aは、背面側に設けられたローラーで構成されており、後述する後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に当接しうるように形成されている。そして、被押動部7aが後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に押されることで、後羽根用駆動部材7を、軸1eを中心とした時計方向(図1における軸1eを中心とした矢印B方向とは反対側の方向)に回転するように構成されている。駆動ピン7bは、背面側に形成されており、シャッタ地板1の長孔1cに挿入されている。そして、この駆動ピン7bは、根元側の部位の断面が円形をしている。また、先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で羽根に連結されており、その最先端部を、図示していない補助地板に形成されていて長孔1cと略同じ形状をした図示していない長孔に挿入している。尚、駆動ピン7bの根元側の部位の断面はD形であってもよい。また、駆動ピン7bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。
摺接部7cは、後羽根用駆動部材7が軸1eを中心とした反時計方向(図1における軸1eを中心とした矢印B方向)に回転したときに、ブレーキ待機位置にセットされた、後述する後羽根用ブレーキレバー16の制動部16a及びバウンド抑止部16bに摺接することができるように形成されている。
そして、周知のように、この後羽根用駆動部材7は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって軸1eを中心とした反時計方向へ回転するように付勢されている。
後羽根用駆動部材7の取付部7dには、その内部に、鉄片部材5bと図示していない圧縮ばねとが収容されている。そして、鉄片部材5bは、図示していない軸部の一端に円盤状をした頭部5b2を有していて、他端には鉄片部5b3を取り付けている。また、この鉄片部材5bは、取付部7d内で軸部に嵌装されている上記の図示していない圧縮ばねによって、鉄片部5b3を取付部7d内から突き出すように付勢されている。図1では、鉄片部材5bの鉄片部5b3が後羽根用電磁石の鉄芯部材4bの磁極部に接触した状態となっている。
また、シャッタ地板1の軸1eには、図示していないラチェット部材が回転可能に取付けられている。ラチェット部材は、外周部にラチェット歯を備えており、図示していない支持板に形成されたラチェット爪の先端をラチェット歯に噛合させられ、ラチェット部材の軸1eを中心とした反時計方向への回転を阻止されるようになっている。
後羽根用駆動ばねは、周知のように、一端を後羽根用駆動部材7の図示していないばね掛け部に掛け、他端をラチェット部材の図示していないばね掛け部に掛けて、後羽根用駆動部材7を、軸1eを中心とした反時計方向へ回転させるように付勢しており、その付勢力は、ラチェット部材を一時的に外し、ラチェット部材の回転位置を変えることによって調整できるようになっている。
シャッタ地板1の表面側に立設されている上記の軸1fには、合成樹脂製の先羽根用セットカム部12aと後羽根用セットカム部12bとを備えたセットカム12が、同軸上に取付けられたチャージギア11を介して一方向(図1の例では軸1fを中心とした反時計方向(矢印C方向))にのみ回転可能に取り付けられている。
先羽根用セットカム部12aは、押動部12a1と、カム面12a2を有している。押動部12a1は、先羽根用駆動部材6の被押動部6aを押して先羽根用駆動部材6をセット位置まで軸1dを中心とした時計方向に回転させることができるように形成されている。カム面12a2は、セット位置まで回転させられた先羽根用駆動部材6の被押動部6aと接触することで、先羽根用駆動部材6のセット位置へのセット状態を保持することができるように形成されている。
後羽根用セットカム部12bは、押動部12b1と、カム面12b2を有している。押動部12b1は、後羽根用駆動部材7の被押動部7aを押して後羽根用駆動部材7を、セット位置まで軸1eを中心とした時計方向に回転させることができるように形成されている。さらに、押動部12b1は、後述するアシストレバー17の被押動部17aを押して、後述する先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16及び先羽根用係止レバー19を備えたアシストレバー17を、軸1gを中心とした時計方向(図1における軸1gを中心とした矢印D方向)に回転させることができる機能も備えている。
カム面12b2は、セット位置まで回転させられた後羽根用駆動部材7の被押動部7aと接触することで、後羽根用駆動部材7のセット位置へのセット状態を保持することができるように形成されている。さらに、カム面12b2は、セット位置まで回転させられた後述するアシストレバー17の被押動部17aと接触することで、後述する先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16及び先羽根用係止レバー19を備えたアシストレバー17のブレーキ待機位置へのセット状態を保持することができる機能も備えている。
先羽根用セットカム部12aは、押動部12a1と、カム面12a2を有している。押動部12a1は、先羽根用駆動部材6の被押動部6aを押して先羽根用駆動部材6をセット位置まで軸1dを中心とした時計方向に回転させることができるように形成されている。カム面12a2は、セット位置まで回転させられた先羽根用駆動部材6の被押動部6aと接触することで、先羽根用駆動部材6のセット位置へのセット状態を保持することができるように形成されている。
後羽根用セットカム部12bは、押動部12b1と、カム面12b2を有している。押動部12b1は、後羽根用駆動部材7の被押動部7aを押して後羽根用駆動部材7を、セット位置まで軸1eを中心とした時計方向に回転させることができるように形成されている。さらに、押動部12b1は、後述するアシストレバー17の被押動部17aを押して、後述する先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16及び先羽根用係止レバー19を備えたアシストレバー17を、軸1gを中心とした時計方向(図1における軸1gを中心とした矢印D方向)に回転させることができる機能も備えている。
カム面12b2は、セット位置まで回転させられた後羽根用駆動部材7の被押動部7aと接触することで、後羽根用駆動部材7のセット位置へのセット状態を保持することができるように形成されている。さらに、カム面12b2は、セット位置まで回転させられた後述するアシストレバー17の被押動部17aと接触することで、後述する先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16及び先羽根用係止レバー19を備えたアシストレバー17のブレーキ待機位置へのセット状態を保持することができる機能も備えている。
そして、これらのセットカム部12a,12bは、上述したように、同軸上に取付けられたチャージギア11を介して軸1fを中心とした反時計方向(図1における軸1fを中心とした矢印C方向)の一方向にのみ回転するように構成されている
シャッタ地板1の表面側に立設されている上記の軸1gには、補助レバーとしてのアシストレバー17が回転可能に取り付けられている。アシストレバー17は、図2(c)に示すように、被押動部17aと、回転止め17bを有するとともに、先羽根用制動部材としての先羽根用ブレーキレバー15と後羽根用制動部材としての後羽根用ブレーキレバー16を保持し、さらに、図2(d)に示すバウンド抑止部材としての先羽根用係止レバー19を、軸1mを中心として回転可能に備えている。
被押動部17aは、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に当接するように設けられた円柱状部材で構成されている。そして、被押動部17aが後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に押されることで、アシストレバー17を、軸1gを中心とした時計方向(図1における軸1gを中心とした矢印D方向)に回転させられるようになっている。
回転止め17bは、先羽根用係止レバー19が軸1mを中心とした時計方向(図1における軸1mを中心とした矢印E方向)に回転させられたときに、先羽根用係止レバー19の当接部19bを当接させて、先羽根用係止レバー19の軸1mを中心とした時計方向へのそれ以上の回転を規制するように設けられている。
被押動部17aは、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に当接するように設けられた円柱状部材で構成されている。そして、被押動部17aが後羽根用セットカム部12bの押動部12b1に押されることで、アシストレバー17を、軸1gを中心とした時計方向(図1における軸1gを中心とした矢印D方向)に回転させられるようになっている。
回転止め17bは、先羽根用係止レバー19が軸1mを中心とした時計方向(図1における軸1mを中心とした矢印E方向)に回転させられたときに、先羽根用係止レバー19の当接部19bを当接させて、先羽根用係止レバー19の軸1mを中心とした時計方向へのそれ以上の回転を規制するように設けられている。
先羽根用ブレーキレバー15は、一端部がアシストレバー17に保持され、他端部に制動部15aを備えた板ばねからなる。
制動部15aは、緩やかに湾曲した凸形状の面で構成されており、先羽根用駆動部材6の摺接部6fに摺接されることによって弾性変形して、先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行を制動する機能を備えている。
制動部15aは、緩やかに湾曲した凸形状の面で構成されており、先羽根用駆動部材6の摺接部6fに摺接されることによって弾性変形して、先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行を制動する機能を備えている。
先羽根用係止レバー19は、アシストレバー17に対して軸1mを中心として回転可能に取り付けられている。そして、図2(d)に示すように、一端部に鋭角に形成されたフック部19a、他端部に当接部19bを有している。また、フック部19aの外側に被押動部19a−1、フック部19aの内側に係止部19a−2を有している。
被押動部19a−1は、先羽根用駆動部材6の押動部6cに摺接しながら押し退けられるように形成されている。
係止部19a−2は、先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止可能に形成されている。
また、先羽根用係止レバー19の他端部には、一端部をアシストレバー17の回転止め17b近傍に接続された図示しないコイルばねの他端部が接続されている。そして、先羽根用係止レバー19は、被押動部19a−1が押し退けられたときに、コイルばねにより先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止する方向へ回転する力を付勢されるようになっている。
そして、先羽根用駆動部材6の押動部6cが被押動部19a−1を通過して先羽根用係止レバー19がコイルばねの付勢力により復帰位置に復帰したときに、係止部19a−2が、被押動部19a−1を通過した先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止することによって、先羽根用駆動部材6の露光作動終了時にストッパ部(緩衝部材18aが取付けられた長孔1bの下方端部)に当接するときの衝撃により生じる先羽根群2のバウンドを抑止する機能を備えている。
当接部19bは、先羽根用係止レバー19が軸1mを中心とした時計方向(図1における軸1mを中心とした矢印E方向)に回転させられたときに、アシストレバー17の回転止め17bに当接させられて、先羽根用係止レバー19の軸1mを中心とした時計方向へのそれ以上の回転を規制させられるように設けられている。
被押動部19a−1は、先羽根用駆動部材6の押動部6cに摺接しながら押し退けられるように形成されている。
係止部19a−2は、先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止可能に形成されている。
また、先羽根用係止レバー19の他端部には、一端部をアシストレバー17の回転止め17b近傍に接続された図示しないコイルばねの他端部が接続されている。そして、先羽根用係止レバー19は、被押動部19a−1が押し退けられたときに、コイルばねにより先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止する方向へ回転する力を付勢されるようになっている。
そして、先羽根用駆動部材6の押動部6cが被押動部19a−1を通過して先羽根用係止レバー19がコイルばねの付勢力により復帰位置に復帰したときに、係止部19a−2が、被押動部19a−1を通過した先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止することによって、先羽根用駆動部材6の露光作動終了時にストッパ部(緩衝部材18aが取付けられた長孔1bの下方端部)に当接するときの衝撃により生じる先羽根群2のバウンドを抑止する機能を備えている。
当接部19bは、先羽根用係止レバー19が軸1mを中心とした時計方向(図1における軸1mを中心とした矢印E方向)に回転させられたときに、アシストレバー17の回転止め17bに当接させられて、先羽根用係止レバー19の軸1mを中心とした時計方向へのそれ以上の回転を規制させられるように設けられている。
後羽根用ブレーキレバー16は、一端部がアシストレバー17に保持され、中央部に平面部を有し、全体が緩やかに湾曲した板ばねからなり、制動部16aとバウンド抑止部16bとを略同一平面上に有している。
制動部16aは、上記平面部における他端部に近い領域の面で構成されており、後羽根用駆動部材7の摺接部7cに摺接されることによって弾性変形して後羽根用駆動部材7の露光作動時の走行を制動する機能を備えている。
バウンド抑止部16bは、上記平面部において制動部16aに続く制動部16aよりも一端部に近い領域の面で構成されており、後羽根用駆動部材7の摺接部7cに摺接されることによって弾性変形の度合いを増して後羽根用駆動部材7のバウンドを抑止する機能を備えている。
そして、後羽根用ブレーキレバー16は、制動部16aにより後羽根用駆動部材7の露光作動時の走行を制動しながら、バウンド抑止部16bにより後羽根用駆動部材7の露光作動終了時のバウンドを抑止することで、後羽根用駆動部材7が露光作動終了時にストッパ部(緩衝部材18bが取付けられた長孔1cの下方端部)に当接するときの衝撃により生じる後羽根群3のバウンドを抑止する機能を備えている。
制動部16aは、上記平面部における他端部に近い領域の面で構成されており、後羽根用駆動部材7の摺接部7cに摺接されることによって弾性変形して後羽根用駆動部材7の露光作動時の走行を制動する機能を備えている。
バウンド抑止部16bは、上記平面部において制動部16aに続く制動部16aよりも一端部に近い領域の面で構成されており、後羽根用駆動部材7の摺接部7cに摺接されることによって弾性変形の度合いを増して後羽根用駆動部材7のバウンドを抑止する機能を備えている。
そして、後羽根用ブレーキレバー16は、制動部16aにより後羽根用駆動部材7の露光作動時の走行を制動しながら、バウンド抑止部16bにより後羽根用駆動部材7の露光作動終了時のバウンドを抑止することで、後羽根用駆動部材7が露光作動終了時にストッパ部(緩衝部材18bが取付けられた長孔1cの下方端部)に当接するときの衝撃により生じる後羽根群3のバウンドを抑止する機能を備えている。
次に、シャッタ地板1の背面側の構成を説明する。
シャッタ地板1と補助地板との間には、先羽根群2と後羽根群3が配置されている。
先羽根群2は、シャッタ地板1の上記の軸1hに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム2aと、シャッタ地板1の上記の軸1jに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム2bと、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された4枚の羽根2c,2d,2e,2fとで構成されており、羽根2fがスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6bの先端部は、アーム2aに形成された図示していない長孔に嵌合している。
後羽根群3は、シャッタ地板1の上記の軸1iに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム3aと、シャッタ地板1の上記の軸1kに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム2bと、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された4枚の羽根3c,3d,3e,3fとで構成されており、羽根3fがスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、後羽根用駆動部材7の駆動ピン7bの先端部は、アーム3aに形成された図示していない長孔に嵌合している。
シャッタ地板1と補助地板との間には、先羽根群2と後羽根群3が配置されている。
先羽根群2は、シャッタ地板1の上記の軸1hに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム2aと、シャッタ地板1の上記の軸1jに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム2bと、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された4枚の羽根2c,2d,2e,2fとで構成されており、羽根2fがスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6bの先端部は、アーム2aに形成された図示していない長孔に嵌合している。
後羽根群3は、シャッタ地板1の上記の軸1iに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム3aと、シャッタ地板1の上記の軸1kに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム2bと、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された4枚の羽根3c,3d,3e,3fとで構成されており、羽根3fがスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、後羽根用駆動部材7の駆動ピン7bの先端部は、アーム3aに形成された図示していない長孔に嵌合している。
その他、先羽根用駆動部材6、後羽根用駆動部材7には、周知の羽根のガタ寄せばね(スリット形成羽根2f、3fの露光作動開始位置での姿勢を一定にするためにアーム2b、3bに掛けられるばね)が、夫々直接掛けられている。
また、便宜上、矢印A〜Eは図1にのみ示してある。
また、便宜上、矢印A〜Eは図1にのみ示してある。
次に、上記の構成説明に用いた図1と、図4〜図8とを用いて本実施例の作動を説明する。
図1は、後羽根のセット作動完了後であって、アシストレバー17のセット作動開始前の状態を示したものである。この状態においては、先羽根用駆動部材6は、被押動部6aが先羽根用セットカム部12aのカム面12a2に接触してセット位置へのセット状態が保持されている。また、後羽根用駆動部材7は、被押動部7aが先羽根用セットカム部12bのカム面12b2に接触してセット位置へのセット状態が保持されている。また、アシストレバー17は、被押動部17aが後羽根用セットカム部12bの押動部12b1からの押圧を解除されるとともに、先羽根用駆動部材6がセット位置にセットされるために軸1dを中心とした時計方向へ回転を開始したときに、被係止部6dが先羽根用係止レバー19の係止部19a−2を押すことによって、軸1gと中心とした反時計方向に回転させられている。また、セットカム12は、先羽根用駆動部材6と後羽根用駆動部材7のセット位置へのセット完了後の所定の停止位置で回転を停止している。
図1に示すセット完了状態において、次の撮影が行われる場合を説明する。ファインダで被写体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押すと、実際の撮影(露光作動)を開始する前に、先羽根用及び後羽根用の電磁石が励磁状態になり、鉄片部材5a,5bの鉄片部5a3,5b3が鉄芯部材4a,4bの磁極部に夫々吸着保持される。
また、セットカム12が、チャージギア11を介して軸1fを中心とした反時計方向に回転を開始する。すると、セットカム12が回転を開始してまもなく、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1が、アシストレバー17の被押動部17aに接触する。
また、セットカム12が、チャージギア11を介して軸1fを中心とした反時計方向に回転を開始する。すると、セットカム12が回転を開始してまもなく、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1が、アシストレバー17の被押動部17aに接触する。
さらに、セットカム12が軸1fを中心とした反時計方向に回転を続け、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1が被押動部17aを押圧する。すると、アシストレバー17が軸1gを中心とした時計方向に回転を開始する。そして、アシストレバー17は、回転止め17bが先羽根用係止レバー19の当接部19bに当接された状態で、先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16、先羽根用係止レバー19とともに、図4に示すように、ブレーキ待機位置にセットされ、被押動部17aが後羽根用セットカム部12bのカム面12b2に接触することで、そのセット状態を保持される。これにより、先羽根用ブレーキレバー15は、先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行を制動するとともに、先羽根用係止レバー19は、先羽根用駆動部材6の露光作動終了時のバウンドを抑止することができるようになり、後羽根用ブレーキレバー16は、後羽根用駆動部材6の露光作動時の走行を制動するとともに、後羽根用駆動部材7の露光作動終了時のバウンドを抑止することができるようになる。
図4に示す状態から、さらに、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向に回転を続ける。すると、先羽根用セットカム部12aのカム面12a2が、先羽根用駆動部材6の被押動部6aから離れる。しかし、このとき、鉄片部材5aの鉄片部5a3が先羽根用電磁石の鉄芯部材4aの磁極部に吸着保持されているため、先羽根用駆動部材6は、セット位置にセットされた状態を保持される。
さらに、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向に回転を続ける。すると、後羽根用セットカム部12bのカム面12b2が、後羽根用駆動部材7の被押動部7aから離れる。しかし、このとき、鉄片部材5bの鉄片部5b3が後羽根用電磁石の鉄芯部材4bの磁極部に吸着保持されているため、後羽根用駆動部材7は、セット位置にセットされた状態を保持される。
その後、セットカム12は、軸1fを中心とした反時計方向への回転を停止する。このようにして得られた位置が、露光作動開始位置である。
その後、セットカム12は、軸1fを中心とした反時計方向への回転を停止する。このようにして得られた位置が、露光作動開始位置である。
所定時間が経過すると、先羽根用電磁石が消磁される。
先羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材5aの鉄片部5a3に対する鉄芯部材4aの磁極部の吸引力が失われ、先羽根用駆動部材6が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって軸1dを中心とした反時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、4枚の羽根2c〜2fは、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根2fの上端縁で開口部1aを開いていく。また、先羽根用駆動部材6は、軸1dを中心とした反時計方向に回転している途中で、摺接部6fが先羽根用ブレーキレバー15の制動部15aに摺接しながら、制動部15aを弾性変形させる。これにより、先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行が制動(即ち、回転速度が低減)される。また、このとき、先羽根用駆動部材6は、押動部6cが先羽根用係止レバー19の被押動部19a−1に摺接しながら、被押動部19a−1を押し退ける。これにより、先羽根用係止レバー19は、コイルばねにより復帰方向(即ち、先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止する方向)へ回転する力を付勢される。図5はそのときの状態を示している。
先羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材5aの鉄片部5a3に対する鉄芯部材4aの磁極部の吸引力が失われ、先羽根用駆動部材6が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって軸1dを中心とした反時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、4枚の羽根2c〜2fは、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根2fの上端縁で開口部1aを開いていく。また、先羽根用駆動部材6は、軸1dを中心とした反時計方向に回転している途中で、摺接部6fが先羽根用ブレーキレバー15の制動部15aに摺接しながら、制動部15aを弾性変形させる。これにより、先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行が制動(即ち、回転速度が低減)される。また、このとき、先羽根用駆動部材6は、押動部6cが先羽根用係止レバー19の被押動部19a−1に摺接しながら、被押動部19a−1を押し退ける。これにより、先羽根用係止レバー19は、コイルばねにより復帰方向(即ち、先羽根用駆動部材6の被係止部6dを係止する方向)へ回転する力を付勢される。図5はそのときの状態を示している。
さらに、先羽根用駆動部材6は、軸1dを中心とした反時計方向へ回転し、駆動ピン6bが長孔1bの下方端部に設けられた緩衝部材18aに当接する。その際、先羽根用駆動部材6の押動部6cが先羽根用係止レバー19の被押動部19a−1を通過したときに、先羽根用係止レバー19は、コイルばねの付勢力により復帰位置に復帰する。そして、先羽根用駆動部材6は、先羽根用係止レバー19の被押動部19a−1を通過した被係止部6dが先羽根用係止レバー19の係止部19a−2に係止される。これにより、先羽根用駆動部材6の露光作動終了時にストッパ部(緩衝部材18aが取付けられた長孔1bの下方端部)に当接するときの衝撃により生じるバウンドが抑止される。
先羽根用駆動部材6の露光作動終了後、後羽根用電磁石が消磁される。
後羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材5bの鉄片部5b3に対する鉄芯部材4bの磁極部の吸引力が失われ、後羽根用駆動部材7が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって軸1eを中心とした反時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、4枚の羽根3c〜3fは、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根3fの下端縁で開口部1aを閉じていく。また、後羽根用駆動部材7は、軸1eを中心とした反時計方向に回転している途中で、摺接部7cが後羽根用ブレーキレバー16の制動部16aに摺接しながら、制動部16aを弾性変形させる。これにより、後羽根用駆動部材7の露光作動時の走行が制動(即ち、回転速度が低減)される。図6はそのときの状態を示している。
後羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材5bの鉄片部5b3に対する鉄芯部材4bの磁極部の吸引力が失われ、後羽根用駆動部材7が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって軸1eを中心とした反時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、4枚の羽根3c〜3fは、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根3fの下端縁で開口部1aを閉じていく。また、後羽根用駆動部材7は、軸1eを中心とした反時計方向に回転している途中で、摺接部7cが後羽根用ブレーキレバー16の制動部16aに摺接しながら、制動部16aを弾性変形させる。これにより、後羽根用駆動部材7の露光作動時の走行が制動(即ち、回転速度が低減)される。図6はそのときの状態を示している。
さらに、後羽根用駆動部材7は、軸1eを中心とした反時計方向へ回転し、駆動ピン7bが長孔1cの下方端部に設けられた緩衝部材18bに当接する。このとき、後羽根用駆動部材7は、制動部16aを通過した摺接部7cが後羽根用ブレーキレバー16のバウンド抑止部16bに摺接しながら、弾性変形の度合いを増加させて停止する。これにより、後羽根用駆動部材7の露光作動終了時にストッパ部(緩衝部材18bが取付けられた長孔1cの下方端部)に当接するときの衝撃により生じるバウンドが抑止される。図7はそのときの状態を示している。
露光作動が終了し所定時間経過後、セットカム12が、チャージギア11を介して軸1fを中心とした反時計方向の回転を再び開始する。すると、セットカム12が回転を再開後まもなく、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1が、アシストレバー17の被押動部17aから離れる。これにより、アシストレバー17は、先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16、先羽根用係止レバー19とともに、ブレーキ待機位置にセットされた状態の保持を解除される。図8はそのときの状態を示している。
図8に示す状態から、さらに、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向に回転を続ける。すると、先羽根用セットカム部12aの押動部12a1が先羽根用駆動部材6の被押動部6aに当接し、先羽根群2のセット作動開始状態となる。
さらに、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向に回転を続け、先羽根用セットカム部12aの押動部12a1が被押動部6aを押圧する。すると、先羽根用駆動部材6が図示していない先羽根用駆動ばねの軸1dを中心とした反時計方向への付勢力に抗して、軸1dを中心とした時計方向に回転を開始する。これにより、先羽根群2の4枚の羽根2c〜2fは、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら上方へ移動し、スリット形成羽根2fの上端縁で開口部1aを閉じていく。このときには、アシストレバー17は、上述したように、先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16、先羽根用係止レバー19とともに、ブレーキ待機位置にセットされた状態の保持を解除されており、セットカム12のセット方向へ回転するために要する負荷が軽減されている。なお、先羽根用駆動部材6が軸1dを中心とした時計方向への回転を開始したときに、被係止部6dが先羽根用係止レバー19の係止部19a−2を押す。これにより、アシストレバー17は、軸1gと中心とした反時計方向に回転させられる。さらに、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向に回転を続けると、先羽根用駆動部材6が軸1dを中心とした時計方向への回転を続けていき、駆動ピン6bが長孔1bの上端部に当接する。これにより、先羽根用駆動部材6のセット位置へのセットが終了する。このとき、先羽根用駆動部材6の被押動部6aは、先羽根用セットカム部12aのカム面12a2に接触し、セット状態が保持される。また、その直後に、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1が後羽根用駆動部材7の被押動部7aに当接し、後羽根群3のセット作動開始状態となる。
さらに、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向に回転を続け、後羽根用セットカム部12bの押動部12b1が被押動部7aを押圧する。すると、後羽根用駆動部材7が後羽根用駆動ばね9の軸1eを中心とした反時計方向の付勢力に抗して、軸1eを中心とした時計方向に回転を開始する。これにより、後羽根群3の4枚の羽根3c〜3fは、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら上方へ移動し、スリット形成羽根3fの下端縁で開口部1aを開いていく。このときにも、アシストレバー17は、上述したように、先羽根用ブレーキレバー15、後羽根用ブレーキレバー16、先羽根用係止レバー19とともに、ブレーキ待機位置にセットされた状態の保持を解除されており、セットカム12のセット方向へ回転するために要する負荷が軽減されている。さらに、セットカム12が、反時計方向に回転を続けると、後羽根用駆動部材7が時計方向への回転を続けていき、駆動ピン7bが長孔1cの上端部に当接する。これにより、後羽根用駆動部材7のセット位置へのセットが終了する。このとき、後羽根用駆動部材7の被押動部7aは、後羽根用セットカム部12bのカム面12b2に接触し、セット状態が保持される。その後セットカム12は、軸1fを中心とした反時計方向への回転を停止する。図1はそのときの状態を示している。
本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、露光作動時に先羽根用駆動部材6の摺接部6fに摺接されることによって、弾性変形して先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行を制動する制動部15aを有する、板ばね状の先羽根用ブレーキレバー15と、鋭角に形成され、外側に被押動部19a−1、内側に係止部19a−2を有するフック部19aを有し、被押動部19a−1が露光作動終了直前に先羽根用駆動部材6の押動部6cに摺接しながら押し退けられることによって、コイルばねにより先羽根用駆動部材6を係止する方向に付勢され、露光作動終了位置に到達した先羽根用駆動部材6を係止部19a−2で係止することによって、先羽根用駆動部材6の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する先羽用係止レバー19と、を備えたので、板ばね状の先羽根用ブレーキレバー15の弾性変形により先羽根用駆動部材6の露光作動時の走行速度を制動して幕走行終端での先羽根用駆動部材6の衝撃を和らげることができ、しかも、先羽用係止レバー19が露光作動終了位置に位置する先羽根用駆動部材6を鋭角に形成されたフック部19で係止することによって先羽根用駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを確実に抑止でき、幕が画枠からはみ出して露光精度に悪影響を与えることを防止して、露光精度を向上させることができるとともに、バウンドの収束時間を短縮でき、高耐久性・高コマ速を達成できる。
また、本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、露光作動時に幕を露光開口から退避する方向に走行させる駆動部材である先羽根用駆動部材6が、先羽根用ブレーキレバー15に露光作動時の走行を制動されるとともに、先羽根用係止レバー19に露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止されるようにしたので、露光作動終了時にシャッタ地板や補助地板等の基板の端部と開口部との間の僅かなスペースに停止させる必要がある羽根である先羽根の露光走行終了時の衝撃によるバウンドを確実に抑止でき、幕が画枠からはみ出して露光精度に悪影響を与えることを防止できる。
なお、上記実施例では、先羽根用駆動部材6に対してのみ、フック部19aで先羽根用駆動部材6係止するバウンド抑止部材(即ち、先羽根用係止レバー19)を備えるようにしたが、後羽根用駆動部材7に対しても先羽根用係止レバー19と同様のバウンド抑止部材を備えてもよい。
また、上記実施例では、先幕と後幕とを、夫々の駆動部材を介して開閉する構成のシャッタについて説明したが、本発明は、例えば、先幕が電子シャッタで、後幕のみを駆動部材を介して開閉する構成のシャッタにおいても適用可能である。
また、本実施例では、セット部材として各羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を一方向へのみの回転により行うセットカム12を用いたが、各羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を二方向への回転により行うセットレバーを用いてもよい。
また、上記実施例では、先幕と後幕とを、夫々の駆動部材を介して開閉する構成のシャッタについて説明したが、本発明は、例えば、先幕が電子シャッタで、後幕のみを駆動部材を介して開閉する構成のシャッタにおいても適用可能である。
また、本実施例では、セット部材として各羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を一方向へのみの回転により行うセットカム12を用いたが、各羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を二方向への回転により行うセットレバーを用いてもよい。
ところで、既に述べたように、本発明は、係止タイプのフォーカルプレンシャッタとして実施することも可能である。
先ず、先羽根用駆動部材6、後羽根用駆動部材7には、本実施例のように鉄片部材5a、5bを取り付けず、それに代わって被係止部を形成しておく。そして、図1のセット完了後にセットカム12が軸1fを中心とした反時計方向への回転を停止した状態においては、先羽根用駆動部材6、後羽根用駆動部材7は、被係止部が係止レバーに係止される位置を越えるところまで回転されているようにしておき、カメラのレリーズボタンが押された段階で、係止レバーに係止されるようにする。そして、その後、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向への回転を開始し、露光作動開始位置でその回転を停止するまでの作動は、上記の実施例の場合と全く同じである。
先ず、先羽根用駆動部材6、後羽根用駆動部材7には、本実施例のように鉄片部材5a、5bを取り付けず、それに代わって被係止部を形成しておく。そして、図1のセット完了後にセットカム12が軸1fを中心とした反時計方向への回転を停止した状態においては、先羽根用駆動部材6、後羽根用駆動部材7は、被係止部が係止レバーに係止される位置を越えるところまで回転されているようにしておき、カメラのレリーズボタンが押された段階で、係止レバーに係止されるようにする。そして、その後、セットカム12が、軸1fを中心とした反時計方向への回転を開始し、露光作動開始位置でその回転を停止するまでの作動は、上記の実施例の場合と全く同じである。
他方、上記の係止レバーの係止を解除するために設けられている係止解除部材は、セットカム12が、上記のようにして、軸1fを中心とした反時計方向への回転を開始する前に、ばねの付勢力に抗して、先羽根用および後羽根用の電磁石に吸着保持されるようにする。そして、その後、セットカム12が、上記のように作動して、露光作動開始位置でその回転を停止し所定時間が経過すると、先羽根用および後羽根用の電磁石に対する通電を断つ。それにより、上記の係止解除部材は、上記のばねの付勢力で作動し、上記の係止レバーによる係止を解除するので、先羽根用駆動部材6、後羽根用駆動部材7は、夫々露光作動を開始する。そして、セット作動時には、セットカム12の作動に連動して、上記の係止解除部材が、先羽根用および後羽根用の電磁石に対して接触させられるようにする。尚、このような作動が得られるようにするための構成は種々知られているが、その一例が、特開2001−215555号公報にも記載されている。
なお、上記実施例では、先羽根用ブレーキレバー15と後羽根用ブレーキレバー16の構成を異ならせたが、先羽根用ブレーキレバーと後羽根用ブレーキレバーの構成は本実施例における夫々のブレーキレバーと略同様であってもよい。
1 シャッタ地板
1a,2a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 軸
2 先羽根群
2a,2b アーム
2c,2d,2e,2f 羽根
3 後羽根群
3a,3b アーム
3c,3d,3e,3f 羽根
4a,4b 鉄芯部材
5a,5b 鉄片部材
5a2,5b2 頭部
5a3,5b3 鉄片部
6 先羽根用駆動部材
6a 被押動部
6b 駆動ピン
6c 押動部
6d 被係止部
6e 取付部
6f 摺接部
7 後羽根用駆動部材
7a 被押動部
7b 駆動ピン
7c 摺接部
7d 取付部
11 チャージギア
12 セットカム
12a 先羽根用セットカム部
12a1 押動部
12a2 カム面
12b 後羽根用セットカム部
12b1 押動部
12b2 カム面
15 先羽根用ブレーキレバー
15a 制動部
16 後羽根用ブレーキレバー
16a 制動部
16b バウンド抑止部
17 アシストレバー
17a 被押動部
17b 回転止め
18a,18b 緩衝部材
19 先羽根用係止レバー
19a フック部
19a−1 被押動部
19a−2 係止部
19b 当接部
1a,2a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 軸
2 先羽根群
2a,2b アーム
2c,2d,2e,2f 羽根
3 後羽根群
3a,3b アーム
3c,3d,3e,3f 羽根
4a,4b 鉄芯部材
5a,5b 鉄片部材
5a2,5b2 頭部
5a3,5b3 鉄片部
6 先羽根用駆動部材
6a 被押動部
6b 駆動ピン
6c 押動部
6d 被係止部
6e 取付部
6f 摺接部
7 後羽根用駆動部材
7a 被押動部
7b 駆動ピン
7c 摺接部
7d 取付部
11 チャージギア
12 セットカム
12a 先羽根用セットカム部
12a1 押動部
12a2 カム面
12b 後羽根用セットカム部
12b1 押動部
12b2 カム面
15 先羽根用ブレーキレバー
15a 制動部
16 後羽根用ブレーキレバー
16a 制動部
16b バウンド抑止部
17 アシストレバー
17a 被押動部
17b 回転止め
18a,18b 緩衝部材
19 先羽根用係止レバー
19a フック部
19a−1 被押動部
19a−2 係止部
19b 当接部
Claims (8)
- 幕を形成する1つ又は複数の羽根からなる羽根群を駆動する、少なくとも一つの駆動部材と、前記羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を行うセット部材を備え、前記1つ又は複数の幕の開閉による露光作動を行うことができるように構成されたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
露光作動時に当該駆動部材に摺接されることによって、弾性変形して当該駆動部材の露光作動時の走行を制動する制動部を有する、板ばね状の制動部材と、
フック部を有し、露光作動終了直前に当該駆動部材に押動されることによって、コイルばねにより当該駆動部材を係止する方向に付勢され、露光作動終了位置に到達した当該駆動部材を該フック部で係止することによって、当該駆動部材の露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止する、バウンド抑止部材と、
を備えたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 当該制動部材に露光作動時の走行を制動されるとともに、当該バウンド抑止部材に露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止される前記駆動部材の少なくとも一つが、露光作動時に幕を露光開口から退避する方向に走行させる駆動部材であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 当該制動部材に露光作動時の走行を制動されるとともに、当該バウンド抑止部材に露光作動終了時の衝撃により生じるバウンドを抑止される前記駆動部材が、当該制動部材の制動部に摺接可能な摺接部と、当該バウンド抑止部材を摺接しながら押し退ける押動部と、当該バウンド抑止部材に係止される被係止部を有し、
当該バウンド抑止部材が、前記フック部の外側に設けられた、当該駆動部材の前記押動部に摺接しながら押し退けられる被押動部と、前記フック部の内側に設けられた、当該駆動部材の前記被係止部を係止する係止部を有し、
当該制動部材は、当該制動部が当該駆動部材の前記摺接部に摺接されることによって、弾性変形して当該駆動部材の露光作動時の走行を制動し、
当該バウンド抑止部材は、前記被押動部が前記コイルばねの付勢力に抗して当該駆動部材の前記押動部に押し退けられ、次いで、当該バウンド抑止部材の前記係止部が、前記被押動部を通過した当該駆動部材の前記被係止部を係止することによって露光作動終了時のバウンドを抑止することを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 当該制動部材を保持するとともに当該バウンド抑止部材を回転可能に備え、前記セット部材の当接及び当接の解除に応じて夫々異なる方向に回転させられて、当該制動部材による当該駆動部材の露光作動時の走行の制動、当該バウンド抑止部材による当該駆動部材の露光作動終了時のバウンドの抑止及び当該バウンド抑止部材による当該駆動部材の露光作動終了時のバウンドの抑止の解除を行わせる補助レバーを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記補助レバーは、全ての羽根群の露光作動開始位置へのセット完了から該セットを解除するまでの間に前記セット部材の当接により第1の方向に回転させられて、当該制動部材を、当該駆動部材の露光作動時の走行の制動を行わせる位置に導くとともに当該バウンド抑止部材を当該駆動部材の露光作動終了時のバウンド抑止を行わせる位置に導くことを特徴とする請求項4に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記補助レバーは、全ての羽根群の露光作動終了後から少なくとも1つの羽根群の露光作動開始位置へのセットを開始するまでの間に前記セット部材の当接解除により当該駆動部材を介して第2の方向に回転させられて、当該制動部材を、当該駆動部材の露光作動時の走行の制動の解除を行わせる位置に導くとともに当該バウンド抑止部材を当該駆動部材の露光作動終了時のバウンド抑止の解除を行わせる位置に導くことを特徴とする請求項5に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記セット部材は、全ての羽根群の露光作動開始位置へのセット及びセット解除を一方向へのみの回転により行うセットカムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015015523A JP2016139100A (ja) | 2015-01-29 | 2015-01-29 | カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015015523A JP2016139100A (ja) | 2015-01-29 | 2015-01-29 | カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016139100A true JP2016139100A (ja) | 2016-08-04 |
Family
ID=56560193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015015523A Pending JP2016139100A (ja) | 2015-01-29 | 2015-01-29 | カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016139100A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020101704A (ja) * | 2018-12-21 | 2020-07-02 | キヤノン電子株式会社 | 羽根駆動装置及び撮像装置 |
JP2021060478A (ja) * | 2019-10-04 | 2021-04-15 | 株式会社ニコン | シャッター機構及び撮像装置 |
-
2015
- 2015-01-29 JP JP2015015523A patent/JP2016139100A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020101704A (ja) * | 2018-12-21 | 2020-07-02 | キヤノン電子株式会社 | 羽根駆動装置及び撮像装置 |
JP7240169B2 (ja) | 2018-12-21 | 2023-03-15 | キヤノン電子株式会社 | 羽根駆動装置及び撮像装置 |
JP2021060478A (ja) * | 2019-10-04 | 2021-04-15 | 株式会社ニコン | シャッター機構及び撮像装置 |
JP7334569B2 (ja) | 2019-10-04 | 2023-08-29 | 株式会社ニコン | シャッター機構及び撮像装置 |
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Legal Events
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RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
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