JP6313176B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のフォーカルプレンシャッタは、撮影の待機状態において露光開口を開いた状態とすべく、先羽根の閉じ方向への移動を抑止し、撮影時に先羽根の閉じ方向への移動の抑止を解除するための抑止部材が、永久磁石回転子等の往復作動可能な可動子を備え、可動子に備わるコイルに対し二方向に通電することにより、可動子を先羽根の閉じ方向への移動を抑止する方向とその抑止を解除する方向とに移動させる電磁装置で構成されている。そして、セット作動時においては、後羽根の方は、露光開口を閉じた状態から開いた状態に作動させるが、先羽根の方は、露光開口を開いた状態から閉じた状態には作動させない、ノーマリーオープン方式での撮影を、このような電磁装置からなる抑止部材の往復作動可能な可動子のコイルへの通電方向の切り換えにより、先羽根用第1駆動部材の被抑止部の作動軌跡内への出入りを切り換えることで行っている。
また、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタは、係止部材が、露光作動終了直前に後羽根用第1駆動部材に当接させられることによって後羽根用第1駆動部材の回転を制動すると共に、露光作動終了時に後羽根用第1駆動部材がストッパに当接したときの衝撃で発生するバウンドを抑止している。
このため、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタによれば、撮像素子から記憶装置への撮像情報の転送時間を考慮せずにセット作動を開始させることができ、次の撮影を従来よりも早く行え、従来よりもシャッタチャンスを逸することがなくなるという利点がある。また、それによって、連写を行う場合には、より細分化されたコマ写真が得られるという利点がある。
このため、特許文献2に記載されているような、従来の後羽根チャージ中に後幕を閉じておく機構を備えたフォーカルプレンシャッタにおいては、この後羽根の戻り走行終了時の衝撃により生ずる後羽根のバウンドが収束するまでの時間が、次の撮影可能となるまでのタイムラグや、連写における高コマ速化の妨げとなっていた。
そして、係止レバーは、露光作動終了直前に第1駆動部材に当接されて押されることによって一時的に係止解除方向へ所定量回転させられるが、第1駆動部材がさらに露光作動方向に回転して係止レバーから離れたときに、係止レバーに備わる永久磁石と通電を解除された係止レバー用電磁石との吸着力によって、再び係止方向に回転させられて、第1駆動部材がストッパに当接したときの衝撃で発生するバウンドを抑止する位置に戻る。
第1の被押動部15fは、初期位置に位置するときに、露光方向に走行する第1駆動部材11の被第1の押動部11fに摺接されながら押されるように形成されており、第1の押動部11fに摺接されながら押されることで、露光方向に走行する第1駆動部材11を制動する機能を備えている。
第2の被押動部15dは、第3の被押動部15bがソレノイド16のプランジャ16aに押されることによって、係止部材復帰ばね25の付勢力に抗して時計方向へ回転させられて、当接部15eが地板1のストッパ部1iに当接した状態に位置するときに、セット方向へ走行する第1駆動部材11の第2の押動部11eに摺接されながら押されるように構成されており、第2の押動部11eに摺接されながら押されることで、セット方向へ走行する第1駆動部材11を制動する機能を備えている。
当接部15eは、ストッパ部1iと当接することによって、係止レバー15の時計方向への回転を停止させるように形成されている。
そして、ソレノイド16は、コイルが通電されたときに、固定鉄芯が可動鉄芯を吸着する磁力を発し、プランジャ16aをレバー部材15の第3の被押動部15bを押す方向に駆動させるように構成されている。
係止部材復帰ばね25は、その一端が係止レバー15の一端に接続され、その他端がシャッタ地板1に接続されている。そして、係止部材復帰ばね25は、通電が解除された状態において、係止レバー15及びソレノイド16のプランジャ16aを初期位置に復帰させる付勢力を有している。
セット部材駆動機構50は、図3(a)、図3(b)に示すように、リンクレバー51と、スライドレバー52と、カム53と、歯車列54と、ハウジング55と、モータ56を有している。
スライドレバー52は、一端に被押動部52a、一端と他端との間にピン52b、他端にリンクレバー51における第2レバー51bの当接部51b−1と当接する当接部52cを夫々備えている。被押動部52aは、カム53の押動部53aによって押動されうるように設けられている。当接部52cは、リンクレバー51の当接部51b−1と当接するように設けられている。ピン52bは、ハウジング55に設けられたガイド孔55aに沿ってガイド可能に設けられている。なお、便宜上、図3では図示を省略したが、ハウジング55の内部は、スライドレバー52をガイド孔55aの方向に沿って移動可能に収納するように構成されている。
歯車列54は、ハウジング55の内部に設けられた、互いに噛合する歯車54a、54bで構成されている。
モータ56は、回転軸上にピニオン56aを備え、一方向(図3(b)では時計方向(モータ56の軸を中心とした矢印X方向))に回転軸を回転するように構成されている。ピニオン56aは、歯車列54の歯車54aに噛合している。
シャッタ地板1と補助地板2との間に配置されている羽根は、シャッタ地板1の上記の軸1fに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム17と、シャッタ地板1の上記の軸1gに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム18と、それらの自由端である他端部に向けて順に枢支された4枚の羽根19,20,21,22とで構成されており、羽根22がスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、第1駆動部材11の駆動ピン11bの先端部は、アーム17に形成された図示していない長孔に嵌合している。
図2は、既に説明したように、羽根のセット作動完了後の状態を示したものである。このとき、第2駆動部材12は、セット部材14の時計方向の回転により、図示していない周知の駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向に回転させられ、鉄片部材13の鉄片部13cが羽根用電磁石の鉄芯部材4の磁極部に接触している。また、第1駆動部材1は、セットばね5の付勢力により第1駆動部材11を反時計方向へ回転させられているが、第1駆動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの上方端部に当接しているため、この停止状態が維持されている。そして、このとき、4枚の羽根19,20,21,22は、折り畳み状態になって開口部1aから退いている。また、ソレノイド16のコイル(図示省略)への通電が解除されており、係止レバー15は、上述したように、係止部材復帰ばね25の付勢力によって反時計方向に回転させられ、第3の被押動部15bがソレノイド16のプランジャ16aを所定量押し込んでその回転を停止させられており、係止レバー15及びソレノイド16のプランジャ16aは、初期位置に復帰させられている。
次に、セット駆動機構部50(図3参照)が、リンクレバー51を介してセット部材14に対する時計方向へ回転させる力を解くので、セット部材14は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、初期位置へ復帰させられていく。
その復帰作動の初期段階において、セット部材14は、押動部14bが第2駆動部材12の被押動部12bから離れていくので、第2駆動部材12は、図示していない駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転するが、鉄片部材13が鉄芯部材4に吸着保持されているため、僅かに回転したところで、それらの取付部12aが鉄片部材13の頭部13bに当接して、停止させられる。
羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材13に対する鉄芯部材4の吸引力が失われ、第2駆動部材12が、駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき、第2駆動部材12は、押動部12cが第1駆動部材11の被押動部11aを押し、第1駆動部材11を、セットばね5の付勢力に抗して時計方向へ回転させるため、4枚の羽根19〜22は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ移動し、スリット形成羽根22の下端縁で開口部1aを閉じていく。また、第1駆動部材11が露光方向への回転の終了位置近傍にまで回転したとき、第1駆動部材11の第1の押動部11fが、係止レバー15の第1の被押動部15fを摺接しながら押し、係止レバー15を係止部材復帰ばね25の付勢力に抗して、係止レバー15を時計方向に僅かに回転させる。そのような露光作動の途中の状態が図5に示されている。このとき、係止レバー15の第3の被押動部15bは、ソレノイド16のプランジャ16aから離れる。
これにより、上述のように、本件出願人が着想した上記バウンド抑止機構を備える係止機構の検討過程において判明していた、通電により、係止レバー用電磁石に、係止レバーに備わる永久磁石に対し反発する磁力を発生させることで、係止レバーが第1駆動部材との係止解除を行い、羽根が露光作動開始位置に戻る際のバウンドを抑える構成とした場合に生じるおそれのあった、羽根の戻り走行時に発生するバウンドを抑える時点における係止レバーに備わる永久磁石と係止レバー用電磁石との距離が最も離れた位置となるため、反発する磁力が弱く、バウンドを十分に抑止することが難しくなるといった課題を解決できる。
そこで、以下においては、本実施例のフォーカルプレンシャッタがそのような作動を好適に行えることを、具体的に説明する。
セット部材14は、その後も僅かに回転し、セット位置で停止させられる。そのときの状態が図7に示されている。
そのときの状態が図2に示されている。
また、本発明は、ノーマリーオープン方式を採用した、先羽根用駆動部材を介して先幕を開閉し、後羽根用駆動部材を介して後幕を開閉する構成にも適用可能である。
1a,2a 開口部
1b 長孔
1c,1d,1e,1f,1g,1x 軸
1h ばね掛け部
1i ストッパ部
2 補助地板
3 緩衝部材
4 鉄芯部材
11 第1駆動部材
11a 被押動部
11b 駆動ピン
11c 第1の被係止部
11d 第2の被係止部
11e 第2の押動部
11f 第1の押動部
12 第2駆動部材
12a 取付部
12b 被押動部
12c 押動部
13 鉄片部材
13a 軸部
13b 頭部
13c 鉄片部
14 セット部材
14a 取付部
14b 押動部
15 係止レバー
15a 第1の係止部
15b 第3の被押動部
15c 第2の係止部
15d 第2の被押動部
15e 当接部
15f 第1の被押動部
16 ソレノイド
16a プランジャ
17,18 アーム
18a 孔
19,20,21,22 羽根
23 支持板
24 ラチェット部材
25 係止部材復帰ばね
50 セット駆動機構部
51 リンクレバー
51a 第1レバー
51b 第2レバー
51b−1 当接部
52 スライドレバー
52a 被押動部
52b ピン
52c 当接部
53 カム
53a 押動部
53a−1 第1の曲面領域
53a−2 第2の曲面領域
54 歯車列
54a,54b 歯車
55 ハウジング
55a ガイド孔
56 モータ
56a ピニオン
Claims (5)
- セットばねの付勢力によってセット方向に回転し、羽根を露光作動開始位置に戻り走行させる第1駆動部材と、駆動ばねの付勢力によってセット方向とは反対方向に回転し、前記セットばねの付勢力に抗して前記第1駆動部材を押動することで前記羽根を露光作動させる第2駆動部材とで構成された駆動手段を有するとともに、セット作動開始後の前記羽根へのチャージに対し前記第1駆動部材を係止して該羽根を露光作動終了時の状態に保持し、前記第1駆動部材への係止を解除することによって前記羽根を露光作動開始位置に戻る方向へ駆動させる係止機構を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
前記係止機構が、
軸を中心として回転可能であって、一端に前記第1駆動部材に設けられている第1の被係止部を係止して前記第1駆動部材のセット方向への回転を抑止する第1の係止部を有する係止レバーと、
通電により駆動しプランジャが前記係止レバーの他端を押して該係止レバーを前記第1の被係止部への係止を解除する方向に回転させるソレノイドと、
通電が維持される前記ソレノイドのプランジャにより前記係止レバーの他端を押された状態で、前記第1駆動部材及び前記羽根の露光作動開始位置への戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンドを抑止するバウンド抑止機構と、
前記係止レバーに設けられていて、前記ソレノイドへの通電が解除されることにより、前記係止レバー及び前記ソレノイドのプランジャを初期位置に復帰させる復帰ばね
を有することを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 前記係止レバーは、前記第1の係止部の外側に、前記第1駆動部材の前記第1の被係止部の外側に設けられている押動部に摺接しながら押される被押動部を有し、
前記第1の係止部が前記第1の被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記第1駆動部材が露光作動方向に回転させられたときに、前記第1駆動部材の前記押動部が前記係止レバーの前記被押動部を押し退けて、前記第1の係止部による前記第1駆動部材の前記第1の被係止部の係止が掛かることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 前記バウンド抑止機構は、前記係止レバーに設けられていて、前記第1駆動部材に設けられている第2の被係止部を係止する第2の係止部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記バウンド抑止機構は、前記第2の係止部の外側に、前記第1駆動部材の前記第2の被係止部の外側に設けられている第2の押動部に摺接されながら押される第2の被押動部を有し、
前記第2の係止部が前記第2の被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記第1駆動部材が露光作動開始方向に回転させられたときに、前記第1駆動部材の前記第2の押動部が前記バウンド抑止機構の前記第2の被押動部を摺接しながら押し退けて、前記第2係止部による前記第1駆動部材の前記第2の被係止部の係止が掛かることを特徴とする請求項3に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
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