JP2015056189A - 磁気記録媒体用バインダー及び磁気記録媒体 - Google Patents

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竹本 隆志
Takashi Takemoto
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Abstract

【課題】 磁気テープ走行時に発生する100℃以上の高温度下でも引張り破断強度等の樹脂の機械的強度が維持され、耐久性(耐熱性や耐摩擦性等)に優れる磁気記録媒体用バインダーを提供する。
【解決手段】 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(C)からなる磁気記録媒体用バインダーであって、数平均分子量が10,000〜50,000でガラス転移温度が50〜150℃であるポリエステルポリオール(a1)を前記活性水素成分(A)が含有し、前記ポリウレタン樹脂(C)のガラス転移温度が70〜160℃であることを特徴とする磁気記録媒体用バインダー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気テープ、磁気カード、磁気ディスク等の磁気記録媒体の製造に用いられるバインダー及びそのバインダーを用いた磁気記録媒体に関する。
従来、磁気記録媒体用バインダーとしては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂が用いられている。これらの樹脂の内、ポリウレタン樹脂はウレタン結合による分子間水素結合により他の樹脂と比べて強靭性、耐磨耗性が優れているが、磁気記録媒体の高密度化により更に機械的強度の高いポリウレタン樹脂が求められている。ポリウレタン樹脂の機械的強度を高くする最も一般的な方法としては、鎖延長剤とポリイソシアネートで構成されるハードセグメントの量を増やすことが知られている。
上記方法以外にも芳香族ポリイソシアネート、鎖延長剤、芳香族二塩基酸及び側鎖を有する脂肪族系ジオールからなるポリエステルポリオール、脂肪族又は脂環族二塩基酸及び側鎖を有する脂肪族系ジオールからなるポリエステルポリオールから得られるポリエステル系ポリウレタンが、樹脂の機械的強度に優れるという報告がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしこれらの方法で得られたポリウレタン樹脂は、100℃以上の環境で高い樹脂強度を維持することは困難であり、例えばフィルムに成型した際、100℃以上の温度では引張り破断強度が低下し、フィルム剥離や破れ等が発生しやすいという問題がある。
特開2009−256526号公報
本発明の目的は、磁気テープ走行時に発生する100℃以上の高温度下でも引張り破断強度等の樹脂の機械的強度が維持され、耐久性(耐熱性や耐摩擦性等)に優れる磁気記録媒体用バインダーを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(C)からなる磁気記録媒体用バインダーであって、数平均分子量が10,000〜50,000でガラス転移温度が50〜150℃であるポリエステルポリオール(a1)を前記活性水素成分(A)が含有し、前記ポリウレタン樹脂(C)のガラス転移温度が70〜160℃であることを特徴とする磁気記録媒体用バインダー並びに前記バインダーを含有してなる磁気記録媒体である。
本発明の磁気記録媒体用バインダーは、磁気テープ走行時に発生する100℃以上の高温度域でも樹脂の機械的強度が維持され、磁気テープの剥離及び破れ等が発生しにくく、耐久性(耐熱性及び耐摩擦性等)に優れる。
本発明の磁気記録媒体用バインダーは、数平均分子量(以下、Mnと略記)が10,000〜50,000でガラス転移温度が50〜150℃であるポリエステルポリオール(a1)を含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(C)からなる。
Mnが10,000〜50,000でガラス転移温度が50〜150℃であるポリエステルポリオール(a1)としては、脱水縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルとしては、炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル及び酸ハライド等]と後述の化学式量又はMnが500未満の低分子量ポリオール(a3)との縮合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸及びマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)及び3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等);前記酸の無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等);前記酸の酸ハライド(アジピン酸ジクロライド等);前記酸の低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(コハク酸ジメチル及びフタル酸ジメチル等);等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、ポリウレタン樹脂(C)の耐久性の観点から好ましいのは、炭素数2〜10の芳香族ジカルボン酸である。
また、ポリエステルポリオール(a1)に用いられる低分子量ポリオール(a3)の内、ポリウレタン樹脂(C)の耐久性の観点から好ましいのは、後述の炭素数2〜24の脂肪族ジオール(a31)及び芳香環を有するポリオール(a33)であり、更に好ましいのはエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール及びビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド低モル付加物である。(a1)に用いられる低分子量ポリオール(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリラクトンポリオールとしては、後述の炭素数2〜24の脂肪族ジオール(a31)又は後述の炭素数3〜24の3〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリオール(a32)等への炭素数3〜12のラクトン(β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、η−カプリロラクトン、11−ウンデカノラクトン及び12−トリデカノイド等)の重付加物等が挙げられる。ポリラクトンポリオールの具体例としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、後述の炭素数2〜24の脂肪族ジオール(a31)又は後述の炭素数3〜24の3〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリオール(a32)の1種又は2種以上と、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)から、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオールが挙げられる。ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a1)の合成は、副反応抑制の観点から100〜230℃で、5〜200mmHgの減圧下で行うことが好ましい。必要により、エステル化触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒{チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)及びこれらの分子内重縮合物等}及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましいのはチタン含有触媒である。
ポりエステルポリオール(a1)のMnは、樹脂の強度の観点から、通常10,000〜50,000、好ましくは15,000〜45,000、更に好ましくは16,000〜43,000である。
本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120(一例)
カラム : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕(一例)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
尚、測定に際しては、試料をテトラヒドロフランに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ポリエステルポリオール(a1)のガラス転移温度(Tg)は、樹脂の機械的強度及び義気テープ製造時のカレンダー性の観点から、通常50〜150℃、好ましくは60〜140℃、更に好ましくは65〜138℃である。
尚、本発明におけるガラス転移温度はセイコー電子工業(株)製「DSC20、SSC/580」を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
ポリエステルポリオール(a1)のガラス転移温度は、用いる原料の種類や(a1)のエステル基含量等により制御することができる。
ポリエステルポリオール(a1)の使用量は、ポリウレタン樹脂(C)の機械的強度の観点から、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分と(B)の合計重量に対して好ましくは0.2〜50重量%、更に好ましくは0.2〜45重量%、特に好ましくは0.2〜40重量%である。
本発明における活性水素成分(A)は、Mnが10,000〜50,000でガラス転移温度が50〜150℃であるポリエステルポリオール(a1)を必須成分として含有するが、その他の成分として、Mnが500以上の高分子量ポリオール(a2)、化学式量又はMnが500未満の低分子量ポリオール(a3)、ポリアミン(a4)及び水を含有することができる。高分子量ポリオール(a2)、低分子量ポリオール(a3)及び/又はポリアミン(a4)を含有することにより、樹脂の耐磨耗性や耐衝撃性を向上させることができる。尚、本発明における高分子量ポリオール(a2)には、前記ポリエステルポリオール(a1)は含まれない。
Mnが500以上の高分子量ポリオール(a2)としては、ポリエーテルポリオール(a21)、(a1)以外のポリエステルポリオール(a22)及びシリコーンポリオール(a23)等が挙げられる。高分子量ポリオール(a2)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオール(a21)としては、後述の化学式量又はMnが500未満の低分子量ポリオール(a3)、単環多価フェノール類(ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等)及び/又はビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)に炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)を付加させた化合物等が挙げられる。AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、後者の場合はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型等)でもランダム付加でもこれらの併用系でもよい。
炭素数2〜12のAOとしては、エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−,1,3−又は2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)、3−メチルテトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド及びエピクロルヒドリン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a21)の具体例としては、脂肪族ポリエーテルポリオール[例えばポリオキシエチレンポリオール(ポリエチレングリコール等)、ポリオキシプロピレンポリオール(ポリプロピレングリコール等)、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール]及び芳香族ポリエーテルポリオール[ビスフェノール骨格を有するポリオール(例えばビスフェノールAのエチレオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物)及びレゾルシンのエチレオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物]等が挙げられる。
(a1)以外のポリエステルポリオール(a22)としては、ポリエステルポリオール(a1)として例示したものと同様の組成で、Mn及びカラス転移温度の内の少なくとも一方が(a1)の範囲外であるものが挙げられ、また、特開2012−89222号公報に記載のポリエステルポリオールも使用できる。
シリコーンポリオール(a23)としては、例えばシリコーン樹脂の末端に水酸基を有するジオール等が挙げられる。
これらの高分子量ポリオール(a2)の内、ポリウレタン樹脂(C)の耐久性の観点から好ましいのは、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びシリコーンポリオール、更に好ましいのはポリエーテルポリオール及びポリカーボネートポリオールである。
高分子ポリオール(a2)のMnは、ポリウレタン樹脂(C)の機械的強度の観点から、500〜30,000が好ましく、更に好ましくは500〜25,000、特に好ましくは500〜23,000である。
化学式量又はMnが500未満の低分子量ポリオール(a3)としては、炭素数2〜24の脂肪族ジオール(a31)、炭素数炭素数3〜24の3〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリオール(a32)、芳香環を有するポリオール(a33)、並びにカルボン酸(塩)基、スルフォン酸(塩)基及びスルファミン酸(塩)基からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(塩)基を有するポリオール(a34)等が挙げられる。低分子量ポリオール(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
炭素数2〜24の脂肪族ジオール(a31)としては、炭素数2〜12の直鎖又は分岐の脂肪族2価アルコール[エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の直鎖アルコール;1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オクタンジオール及び4−メチルオクタンジオール等の分岐アルコール等];炭素数6〜20の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];これらのジオールへの前記炭素数2〜12のAO付加物;等が挙げられる。
炭素数3〜24の3〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリオール(a32)としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ソルビトール及びシュークローズ等が挙げられる。
芳香環を有するポリオール(a33)としては、ビスフェノール系ジオール(ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)への前記炭素数2〜12のAOの付加物等が挙げられる。
カルボン酸(塩)基、スルフォン酸(塩)基及びスルファミン酸(塩)基からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(塩)基を有するポリオール(a34)としては、カルボン酸基を有するポリオール{酒石酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸及び3−[ビス(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]プロパン酸等};スルフォン酸基を有するポリオール{2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エタンスルホン酸、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタンスルホン酸及び5−スルホ−イソフタル酸−1,3‐ビス(2‐ヒドロキシエチル)エステル等};スルファミン酸基を有するポリオール{N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸、N,N−ビス(3−ヒドロキシプロピル)スルファミン酸、N,N−ビス(4−ヒドロキシブチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)スルファミン酸等};及びこれらの塩[金属(カリウム、ナトリウム及びリチウム等)塩及びアミン(アルキルアミン及びアルカノールアミン等)等の塩]等が挙げられる。
活性水素成分(A)にポリオール(a34)を使用することにより、ポリウレタン樹脂(C)の分子側鎖にカルボン酸(塩)基、スルフォン酸(塩)基及びスルファミン酸(塩)基からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(塩)基が導入され、バインダーに用いたときの磁性粉の分散性を更に向上させることができる。
ポリオール(a34)の内で好ましいのは、スルホン酸及びスルファミン酸の有機酸(塩)基であり、特に好ましいものはスルホン酸及びスルファミン酸の金属塩基である。
ポリオール(a34)を使用する際、活性水素成分(A)として(a34)をそのまま使用してもよいし、(a34)をポリオール成分として製造したポリエステルポリオールや(a34)にAOを付加重合させて得られるポリエーテルポリオールとして使用することもできる。
ポリウレタン樹脂(C)の分子側鎖に有機酸(塩)基を導入する場合の該有機酸(塩)基の含有量は、(C)106g当たり1〜1,000当量であることが好ましく、更に好ましくは5〜500当量、特に好ましくは10〜350当量である。有機酸(塩)基の含有量が1,000当量を超えると磁性塗料としたときの粘度が高くなり作業性が悪くなる傾向にある。
ポリアミン(a4)としては、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン、炭素数6〜20の芳香族ジアミン、ポリアミドポリアミン[ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰(酸1モル当り2モル以上)のアルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミン等との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等]及びポリエーテルポリアミン[ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等]等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、以下の[1]〜[3]等が挙げられる。
[1]脂肪族ポリアミン[炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン{ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等}];
[2]上記脂肪族ポリアミンのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等〕;
[3]脂環又は複素環含有脂肪族ジアミン[炭素数4〜15の脂環式ジアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン及び4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等}及び炭素数4〜15の複素環式ジアミン{ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}]。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン(キシリレンジアミン及びテトラクロル−p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては、以下の[1]〜[4]等が挙げられる。
[1]非置換芳香族ジアミン〔1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン及びナフチレンジアミン等;
[2]核置換アルキル基(メチル,エチル、n−又はi−プロピル及びブチル等の炭素数1〜4アルキル基)を有する芳香族ジアミン、例えば2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;
[3]核置換電子吸引基(Cl、Br、I及びF等のハロゲン;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ジアミン(メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン及び3−ジメトキシ−4−アミノアニリン等);
[4]2級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔上記[1]〜[3]の芳香族ジアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基例えばメチル,エチル等の低級アルキル基)で置換されたもの、例えば4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン及び1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕。
ポリアミン(a4)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
有機ポリイソシアネート成分(B)としては、従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用でき、具体的には2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b1)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、トリレンジイソシアネートをTDIと略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ジフェニルメタンジイソシアネートをMDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b3)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、前記ポリイソシアネートのウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物[例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI]が挙げられる。
これらの内でポリウレタン樹脂(C)の機械的強度の観点から好ましいのは、、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)及び炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b3)であり、特に好ましいのはTDI、MDI、HDI、IPDI及び水添MDIである。有機ポリイソシアネート成分(B)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機ポリイソシアネート成分(B)の使用量は、ポリウレタン樹脂(C)の機械的強度の観点から、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)の合計重量に対して、70重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは3〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。
ポリウレタン樹脂(C)を製造する方法は特に限定されず、(1)活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)を一括して反応させる方法や、(2)予め活性水素成分(A)に対して過剰の有機ポリイソシアネート成分(B)を反応させて得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを活性水素成分(A)で鎖伸長する方法等が挙げられる。
活性水素成分(A)としてポリアミン(a4)及び/又は水を用いる場合は、上記(2)の方法が好ましい。
これらの方法は、有機溶剤(S)の存在下又は非存在下に行うことができる。
有機溶剤(S)としてはポリエステルポリオール(a1)を溶解可能であれば特に限定されず、エステル系溶剤(酢酸エチル及び酢酸ブチル等)、エーテル系溶剤(ジオキサン及テトラヒドロフラン等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、芳香族炭化水素系溶剤(トルエン及びキシレン等)及びこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。こられらの溶剤の内、溶剤除去のしやすさの観点から、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン及びこれらの混合物が好ましい。
上記製造方法(1)における反応温度は反応速度とアロファネート化抑制の観点から50〜120℃が好ましく、生産性の観点から反応時間は48時間以下が好ましい。活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)の反応比率は、活性水素基とイソシアネート基の当量比(活性水素基/イソシアネート基)として、好ましくは1/1.5〜1/0.6、更に好ましくは1/1.4〜1/0.7、特に好ましくは1/1.2〜1/0.8である。
上記製造方法(2)において、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造する際の活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)との反応比率は、活性水素基とイソシアネート基の当量比(活性水素基/イソシアネート基)として、好ましくは1/1.5〜1/3、更に好ましくは1/1.6〜1/2.7、特に好ましくは1/1.8〜1/2.6である。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマーとポリアミン(a4)及び/又は水と反応させて、ポリウレタン樹脂(C)を製造する場合の反応温度は反応速度とビューレット化抑制の観点で10〜100℃が好ましく、生産性の観点で反応時間は48時間以下が好ましい。プレポリマーのイソシアネート基と、ポリアミン(a4)及び/又は水の活性水素基の当量比(イソシアネート基/活性水素基)は、好ましくは0.5/1〜1.5/1、更に好ましくは0.7/1〜1.3/1、特に好ましくは0.75/1〜1.2/1である。
反応後、必要により、有機溶剤(S)を取り除く工程を設けてもよい。有機溶剤(S)を取り除く方法は、一般的な公知の方法が用いられるが、生産性の観点から減圧脱溶剤が好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂(C)の酸価は、樹脂強度の観点から、好ましくは0〜210mgKOH/g、更に好ましくは0〜150mgKOH/g、特に好ましくは0〜100mgKOH/gである。
ポリウレタン樹脂(C)のガラス転移温度(Tg)は、耐久性及び磁気テープ製造時のカレンダー性の観点から、70〜160℃が好ましく、更に好ましくは75〜150℃、特に好ましくは80〜145℃である。
ポリウレタン樹脂(C)のMnは、10,000〜200,000であることが好ましく、更に好ましくは10,000〜150,000である。Mnが10,000未満では樹脂の機械的強度が低下して磁気テープの耐久性が劣る傾向にあり、200,000を越えると塗料粘度が高くなり、磁性粉の分散性が低下する傾向にある。
本発明の磁気記録媒体は、本発明のポリウレタン樹脂(C)からなるバインダー、磁性粉、有機溶剤並びに必要により(C)以外のバインダー樹脂(D)及び添加剤を混合・分散し、得られる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成させることにより得られる。尚、本発明のバインダーは、磁性層とは反対側のバックコート層用のバインダーとしても使用することができる。
磁性塗料に使用される磁性粉としては、酸化鉄[例えばγ−Fe23(γ−ヘマタイト)]、CrO2(二酸化クロム)、合金系の磁性体[例えばCo−γ−Fe23(コバルトフェライト又はコバルトドープγ−酸化鉄)、Fe−Co−Cr及びBaFe(バリウムフェライト)]、純鉄Fe(メタルパウダー)、窒化鉄及び炭化鉄等が挙げられる。磁性粉の使用量は、磁性塗料中、通常20〜50重量%である。
磁性塗料に用いられる有機溶剤としては、前記有機溶剤(S)と同様のものが挙げられ、好ましいのはケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合溶剤である。溶剤の使用量は、磁性塗料中の固形分含量が通常20〜80重量%となる範囲である。
ポリウレタン樹脂(C)以外のバインダー樹脂(D)としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール及びアクリロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられる。また、上記樹脂はその側鎖にカルボシキル基、スルホン酸基及びスルファミン酸基等の有機酸(塩)基や水酸基を有していてもよい。
磁性塗料に用いられる添加剤としては、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤及び架橋剤等が挙げられる。
分散剤としては、炭素数12〜18の脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸及びステアロール酸等)及び金属石鹸[前記脂肪酸のアルカリ金属(カリウム及びナトリウム等)塩及びアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム及びバリウム等)塩]等が挙げられる。
潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(アルキル基の炭素数1〜5)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシ基の炭素数1〜4)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキル基の炭素数1〜5、アルコキシ基の炭素数1〜4)、フェニルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン、シリコンオイル、導電性微粉末(グラファイト等)、無機粉末(二硫化モリブデン及び二硫化タングステン等)、プラスチック微粉末、脂肪酸エステル類及びフルオロカーボン類等が挙げられる。
研磨剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモンド及び人造ダイヤモンド等が挙げられる。
帯電防止剤としては、導電性粉末(カーボンブラック及びカーボンブラックグラフトポリマー等)、天然界面活性剤(サポニン等)、ノニオン型界面活性剤(AO系、グリセリン系及びグリシドール系等)、カチオン型界面活性剤(高級アルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類及びホスホニウム類等)、アニオン型界面活性剤(アルボン酸型、スルホン酸型、リン酸型、硫酸エステル基型及び燐酸エステル基型等)、両性界面活性剤(アミノ酸類、アミノスルホン酸類及びアミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類等)等が挙げられる。
防錆剤としては、燐酸、スルフィド、グアニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、カルシウムクロメート及びストロンチウムクロメート等が挙げられる。また、特にジシクロヘキシルアミンナイトライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、プロピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネート、トリエタノールアミンナイトライト及びモルフォリンステアレート等の気化性防錆剤(アミン、アミド又はイミドの無機酸塩又は有機酸塩)を使用すると防錆効果が向上する。
架橋剤としては、多官能ポリイソシアネート等が挙げられ、好ましいものとしては、例えば有機ポリイソシアネート(TDI及びMDI等)と活性水素化合物(低分子ポリオール、ポリアミン、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等)とからのイソシアネート基末端プレポリマー[例えば、「コロネートL」(日本ポリウレタン工業製)、「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業製)等]等が挙げられる。架橋剤を使用することにより磁気記録媒体の磁性層の強度を向上させることができる。
架橋剤の使用量は特に限定されないが、バインダーの重量に基づいて通常3〜80重量%である。また、架橋反応を促進するために用いられる触媒、例えば錫系触媒(トリメチルチンラウリレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウリレート、ジブチルチンジラウリレート及びスタナスオクトエート等)及びアミン系触媒(トリエチレンジアミン等)等を併用することもできる。
磁気記録媒体を構成する非磁性体支持体の素材としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレン−2,6−ナフタレート等);ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等);セルロース誘導体(セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロースアセテートブチレート及びセロロースアセテートプロピオネート等);ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン等);その他のプラスチック(ポリカーボネート、ポリイミド及びポリアミドイミド等);非磁性金属類(アルミニウム、銅、スズ、亜鉛又はこれらを含む非磁性合金等);セラミック類(ガラス、陶器及び磁器等);オレフィン類(バライタ、ポリエチレン及びエチレン−ブテン共重合体等);及び紙等が挙げられる。また、非磁性支持体の形態はフイルム、テープ、シート、ディスク、カード及びドラム等のいずれでもよい。非磁性支持体上に磁性塗料を塗布して形成される磁性層の厚さは、乾燥膜厚で通常0.01〜30μmである。
磁気記録媒体(磁気テープ等)を製造する方法としては、例えばバインダー、磁性粉、溶剤並びに必要によりバインダー樹脂(D)及び添加剤を予めプレミキサー等で混合したのち、混合分散機(ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、サンドミル及びプラストミル等)で磁性粉を分散させて磁性塗料を作製し、つぎにこの磁性塗料を、ドクターブレード法、転写印刷法(グラビア法及びリバースロール法等)の方法により非磁性支持体に塗布後、配向、乾燥、表面加工、切断、巻き取り等の各工程を経て磁気記録媒体とする方法が例示できる。
磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層(磁性粉及びバインダー等)からなるものが一般的であるが、非磁性支持体と磁性層の間に中間層(下塗層等)を有するもの、非磁性支持体の両面に磁性層を有するもの、磁気特性の異なる磁性層を重積したもの、磁性層の上に保護層を設けたもの及び非磁性支持体にバックコート層を設けたもの等であってもよい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、特に規定しない限り部は重量部を表す。
製造例1
[ポリエステルポリオール(a1−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽(以下の反応槽も同様)中に、テレフタル酸515部、イソフタル酸166部、プロピレングリコール21部、エチレングリコール75及び重合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら18時間反応させた。ついで同温度で20分間減圧し、ポリエステルポリオール(a1−1)を得た。ポリエステルポリオール(a1−1)のMnは22,900、酸価は0、水酸基価は4.9、ガラス転移温度は70℃であった。
製造例2
[ポリエステルポリオール(a1−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸498部、プロピレングリコール39部、エチレングリコール75部及び重合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら20時間反応させた。ついで同温度で20分間減圧し、ポリエステルポリオール(a1−2)を得た。ポリエステルポリオール(a1−2)のMnは22,900、酸価は0.1、水酸基価は4.9、ガラス転移温度は85℃であった。
製造例3
[ポリエステルポリオール(a1−3)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸153部、イソフタル酸166部、プロピレングリコール61部、ネオペンチルグリコール117部及び重合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.4部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら20時間反応させた。ついで同温度で20分間減圧し、重合反応を終了し、ポリエステルポリオール(a1−3)を得た。ポリエステルポリオール(a1−3)のMnは18,700、酸価は0.1、水酸基価は6.0、ガラス転移温度は75℃であった。
製造例4
[ポリエステルポリオール(a1−4)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸366部、プロピレングリコール61部、BP−2P(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物:三洋化成工業株式会社製)68部及び重合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら20時間反応させた。ついで同温度で20分間減圧し、重合反応を終了し、ポリエステルポリオール(a1−4)を得た。ポリエステルポリオール(a1−4)のMnは16,500、酸価は0.1、水酸基価は6.8、ガラス転移温度は95℃であった。
製造例比較例1
[ポリエステルポリオール(a1’−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸498部、プロピレングリコール39部、エチレングリコール75部及び重合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。ついで同温度で20分間減圧し、ポリエステルポリオール(a1−5)を得た。ポリエステルポリオール(a1’−1)のMnは8,900、酸価は0.1、水酸基価は12.6、ガラス転移温度は80℃であった。
製造例比較例2
[ポリエステルポリオール(a1’−2)の合成]
反応槽中に、アジピン酸438部、プロピレングリコール39部、エチレングリコール75部及び重合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。ついで同温度で20分間減圧し、ポリエステルポリオール(a1−5)を得た。ポリエステルポリオール(a1’−2)のMnは15,900、酸価は0.1、水酸基価は7.1、ガラス転移温度は48℃であった。
<実施例1〜4及び比較例1〜2>
反応槽を十分に窒素で置換後に、表1に示す種類及び量(部)の活性水素成分(A)を加え、温度を130℃にして、均一化した。そこへ表1に示す種類及び量(部)の有機ポリイソシアネート成分(B)を攪拌下に加え、30分攪拌し、均一化した。その後、攪拌を停止し、24時間反応させ、冷却後取り出して粉砕することで、ポリウレタン樹脂(C−1)〜(C−4)及び比較用のポリウレタン樹脂(CR−1)〜(CR−2)を得た。
<引張り破断強度の測定>
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたポリウレタン樹脂を250℃に温調したホットプレスで厚さ1mmになるように30秒プレスし、フィルムを得た。
フィルム化したポリウレタン樹脂から、JIS K 6251:2010の試験片ダンベル3号形を3枚打ち抜いた。膜厚は標線間の5カ所の測定値の最小値をとった。これを恒温槽の設置されたオートグラフに取り付け、恒温槽内を100℃に温調し、2時間静置した後、200mm/分の速さで引っ張り、試験片が破断にいたるまでの最大強度を測定した。25℃での引張り破断強度についても同様に測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015056189
<実施例5〜8及び比較例3〜4>
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたポリウレタン樹脂(C−1)〜(C−4)及び(CR−1)〜(CR−2)をバインダーとして使用し、下記組成物をペイントコンディショナーで混合・分散させて磁性塗料(E−1)〜(E−4)及び比較用の磁性塗料(ER−1)〜(ER−2)を作製した。
メタル粉(商品名「HIE−3」関東電化製):100部
ポリウレタン樹脂[(C−1)〜(C−4)又は(CR−1)〜(CR−2)]:10部
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(商品名「VAGH」;UCC社製):10部
レシチン:1部
メチルエチルケトン:75部
トルエン:75部
得られた磁性塗料に硬化剤[「コロネートL」:日本ポリウレタン工業(株)製トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3モル付加物]を5部添加し、10分混合した。
この磁性塗料をポリエステルフイルムに塗布して乾燥させ(乾燥膜厚0.5ミクロン)、1,000eの磁場をかけて、配向させてテープを得た。更に、このテープをカレンダーで処理し、磁気テープ(F−1)〜(F−4)及び比較用の磁気テープ(FR−1)〜(FR−2)を得た。
<粘度の測定>
得られた磁性塗料の粘度をBL型粘度計(東京計器製)を用いて25℃にて測定した。結果を表2に示す。粘度が低いほど、磁性塗料を塗布しやすい。
<光沢度の測定>
磁気テープの磁性粉の分散性をみるために表面光沢度を測定した。結果を表2に示す。光沢度が高いほど分散性が良好である。
尚、表面光沢度は日本電子工業製デジタル変角光沢計を用いて、75°の正反射率を測定した。数値は標準板の反射率を95とした場合と比較し、相対値(%)で表示した。
<耐久性の評価>
磁気テープの耐久性を、学振式摩耗堅牢度試験機(大栄化学精機製作所製)を用いて100gの荷重で30回摩耗後の粉落ち量(mg)を測定することにより評価した。結果を表2に示す。数値が小さいほど、磁気テープの耐久性が良好であることを示す。
Figure 2015056189
本発明のバインダーは、高温下においても引張り破断強度等の樹脂の機械的強度が維持され、耐久性(耐熱性や耐摩擦性等)に優れるため、磁気記録媒体用のバインダーとして特に有用である。

Claims (4)

  1. 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(C)からなる磁気記録媒体用バインダーであって、数平均分子量が10,000〜50,000でガラス転移温度が50〜150℃であるポリエステルポリオール(a1)を前記活性水素成分(A)が含有し、前記ポリウレタン樹脂(C)のガラス転移温度が70〜160℃であることを特徴とする磁気記録媒体用バインダー。
  2. 前記(a1)が、炭素数2〜10の芳香族ジカルボン酸と、炭素数2〜24の脂肪族ジオール(a31)及び/又は化学式量若しくはMnが500未満の芳香環を有するポリオール(a33)とを反応させて得られる脱水縮合型ポリエステルポリオールである請求項1記載の磁気記録媒体用バインダー。
  3. 前記有機ポリイソシアネート成分(B)が、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)及び炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアネートである請求項1又は2記載の磁気記録媒体用バインダー。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の磁気記録媒体用バインダーを含有してなる磁性層を有する磁気記録媒体。
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