JP2864226B2 - バインダーおよび磁気記録媒体 - Google Patents

バインダーおよび磁気記録媒体

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JP2864226B2
JP2864226B2 JP7265026A JP26502695A JP2864226B2 JP 2864226 B2 JP2864226 B2 JP 2864226B2 JP 7265026 A JP7265026 A JP 7265026A JP 26502695 A JP26502695 A JP 26502695A JP 2864226 B2 JP2864226 B2 JP 2864226B2
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隆志 竹本
寿郎 島田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
ディスク等の磁気記録媒体の製造に用いられるバインダ
ーおよびそのバインダーを用いた磁気記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気記録媒体用のバインダーと
しては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロ
セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体等が用い
られている。ところが近年、磁気記録媒体の高性能化に
伴い、磁性粉の微粒子化や高磁力化が図られ、上述のよ
うな従来のバインダーでは十分な分散性、表面平滑性、
耐久性等が得られていない状況にある。このため磁性粉
の微粒子化等に対応するために、スルホン酸金属塩基を
含有するポリエステル樹脂(例えば特公昭57−313
4号公報)、スルホン酸金属塩基を含有するポリウレタ
ン樹脂(例えば特公昭58−41565号公報)等をバ
インダーとして用いることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
ルホン酸金属塩基を含有するバインダーは、その親水性
極性基により極性基を有しないものに比べて磁性粉の分
散性は向上しているものの、いまだ十分に満足すべきも
のではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、磁性粉の
分散性がよく、しかも表面平滑性および耐久性の優れた
磁気記録媒体を提供するバインダーについて鋭意検討し
た結果、本発明に到達した。
【0005】 すなわち本発明は、下記一般式(1) −NHSOX (1) (式中、Xは水素、アルカリ金属または有機アミンを示
す。) または、下記一般式(2) (式中、Xは水素、アルカリ金属または有機アミンを示
す。)で表されるスルファミン酸(塩)基を有する樹脂
(A)からなる磁気記録媒体用バインダー;ならびに該
バインダーを含有してなる磁性層を有する磁気記録媒体
である。
【0006】本発明におけるスルファミン酸(塩)基を
含有する樹脂(A)としては、分子中にスルファミン酸
(塩)基を含有する樹脂であれば特に限定はなく、ポリ
ウレタン樹脂(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポ
リアミド樹脂(a3)、ポリアクリル樹脂(a4)、塩
化ビニル系樹脂(a5)等が挙げられる。これらの樹脂
は、単独または2種以上を併用して使用してもよい。こ
れらの樹脂のうち特に好ましいものは、(a1)および
(a2)である。
【0007】(A)におけるスルファミン酸(塩)基
は、下記一般式(1) −NHSO3X (1) または、一般式(2) =NSO3X (2) で表される基であって、上記式(1)および(2)中の
Xは、水素、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リ
チウム等)または有機アミン(アルキルアミン、アルカ
ノールアミン等)を表す。該Xとして特に好ましいもの
はカリウムおよびナトリウムである。
【0008】(A)中のスルファミン酸(塩)基の含有
量は、(A)106gに対して、通常1〜1000当
量、好ましくは5〜500当量、さらに好ましくは10
〜300当量である。スルファミン酸(塩)基の含有量
が1当量未満では、磁性粉に対する分散性が低下し、1
000当量を超えると磁性塗料としたときの粘度が高く
なり作業性が悪くなる。
【0009】(A)のうちのポリウレタン樹脂(a1)
としては、ポリオールとポリイソシアネートとの反応に
より得られるものが挙げられ、ポリオールの一部または
全部をスルファミン酸(塩)基含有ポリオールで置き換
えることにより(a1)中にスルファミン酸(塩)基を
導入することができる。スルファミン酸(塩)基含有ポ
リオールとしては、1級または2級アミノ基含有ポリオ
ール[2−アミノ−1,3−プロパンジオール、3−ア
ミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン
またはこれらの化合物のアルキレンオキサイド(エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド等)付加物等]等
とピリジン・三酸化イオウ錯体等との反応生成物が挙げ
られる。
【0010】該スルファミン酸(塩)基含有ポリオール
の合成方法としては、たとえば上記アミノ基含有ポリオ
ールに、アルカリ水溶液中、温度約0〜40℃でピリジ
ン・三酸化イオウ錯体を反応させのち、反応生成物をエ
タノール、アセトン等で再結晶等の方法により精製して
目的物を得る方法が例示できる。また、該スルファミン
酸(塩)基含有ポリオールにさらにアルキレンオキサイ
ド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)を
付加させてもよい。
【0011】本発明における(a1)の製造において
は、通常、スルファミン酸(塩)基を含有するポリエス
テルポリオールをポリオール成分の少なくとも一部とし
て使用する。スルファミン酸(塩)基含有ポリエステル
ポリオールは、上記の反応で得られたスルファミン酸
(塩)基含有ポリオールおよび必要により公知の他のグ
リコールと多価カルボン酸との重縮合反応、あるいはス
ルファミン酸(塩)基含有多価カルボン酸および必要に
より公知の他の多価カルボン酸とグリコールとの重縮合
反応によって得られる。
【0012】スルファミン酸(塩)基含有多価カルボン
酸としては、アミノ基含有多価カルボン酸(2−アミノ
テレフタル酸、3−アミノフタル酸、5−アミノイソフ
タル酸等)とピリジン・三酸化イオウ錯体等との反応生
成物が挙げられる。
【0013】該スルファミン酸(塩)基含有多価カルボ
ン酸の合成方法としては、たとえばアミノ基含有多価カ
ルボン酸をアルカリ水溶液中、温度約0〜40℃でピリ
ジン−三酸化イオウ錯体を反応させたのち、反応生成物
をエタノール、アセトン等で再結晶等の方法により精製
して目的物を得る方法が例示できる。
【0014】上記重縮合反応時に用いられる他のグリコ
ールとしては、アルキレングリコール類(エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,10−デカンジオール等);環状基を有する
低分子ジオール類{シクロヘキサンジオール、シクロヘ
キサンジメタノール等のグリコール類、および特公昭4
5−1474号記載のもの[ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、キシリレングリコール、ビス(ヒドロ
キシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシ
エトキシ)−ジフェニルプロパン(ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物)等〕};およびこれらの2
種以上の混合物等が挙げられる。また、必要によりトリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリストール等の3価以上の多価アルコール
を併用しても良い。
【0015】他の多価カルボン酸としては、芳香族ジカ
ルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
1,5−ナフタル酸等);芳香族オキシカルボン酸[p
−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香
酸等];脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジカ
ルボン酸等);3価以上のカルボン酸(トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等)等;およびこれ
ら2種以上の混合物等が挙げられる。
【0016】(a1)は、上記スルファミン酸(塩)基
含有ポリオールまたはポリエステルポリオールを必須に
含有し、必要により他の高分子ポリオール(数平均分子
量が通常500〜5,000、好ましくは500〜4,
500)および/または低分子ポリオール(分子量が通
常500未満、好ましくは60〜450)からなるポリ
オール成分と有機ポリイソシアネートとを公知の方法で
反応させることにより得ることができる。
【0017】上記他の高分子ポリオールとしては、ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール等が挙げられる。
【0018】ポリエステルポリオールとしては、多価ア
ルコール(エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル等)と多価カルボン酸(アジピン酸、フタル酸等)と
の重縮合反応から得られるポリエステルポリオールや、
多価アルコール(エチレングリコール、トリメチロール
プロパン等)を開始剤としてラクトンの開環重合により
得られるポリラクトン系のポリオール等が挙げられる。
【0019】ポリエーテルポリオールとしては、ポリエ
チレンエーテルポリオール、ポリプロピレンエーテルポ
リオール、ポリテトラメチレンエーテルおよびこれらの
共重合(ランダムまたはブロック)ポリエーテルポリオ
ール等が挙げられる。
【0020】ポリカーボネートポリオールとしては、
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートある
いはジフェニルカーボネートとの重縮合反応により得ら
れるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0021】低分子ポリオールとしては、アルキレング
リコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,8−オクタメチレンジオール、1,10−デカンジ
オール等);環状基を有する低分子ジオール類{シクロ
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のグ
リコール類、および特公昭45−1474号記載のもの
[ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、キシリレ
ングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフェニ
ルプロパン(ビスフェノールAのエチレンオキシド付加
物)等〕};およびこれらの2種以上の混合物等が挙げ
られる。また、必要によりトリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリストール
等の3価以上の多価アルコールを併用しても良い。
【0022】有機ポリイソシアネートとしては、芳香族
ジイソシアネート[1,3−または1,4−フェニレン
ジイソシアネート(PDI)、2,4−または2,6−
トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−また
は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)等];脂肪族ジイソシアネート[ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート(TMXDI)等];脂環式ジイソシア
ネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)
等];ポリイソシアネート変性体(ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのビュレット体、イソホロンジイソシアネ
ートの三量化物等);およびこれらの2種以上の混合物
等が挙げれる。
【0023】(a1)の製造において、ポリオールと有
機ポリイソシアネートとを反応させるに際し、ポリオー
ルと有機ポリイソシアネートの当量比は通常0.6〜
1.5、好ましくは、0.8〜1.2である。当量比が
0.6未満または1.5を越えると得られるポリウレタ
ン樹脂の分子量が低くなり、樹脂強度、耐摩耗性、耐ス
クラッチ性、耐加水分解性等が低下する。
【0024】上記反応はイソシアネート基に対して不活
性な溶媒の存在下で行なうことができる。この溶媒とし
てはエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エ
ーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイドロフラン
等)、ケトン系溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等)、芳香族炭化水素
系溶媒(トルエン、キシレン等)およびこれらの2種以
上の混合溶媒等が挙げられる。
【0025】ウレタン化の反応方法としては公知の方法
を用いることができ、たとえばポリオールと有機ポリ
イソシアネートとを一括して反応容器に仕込み反応させ
る方法、活性水素基含有化合物と有機ポリイソシアネ
ートとを分割して多段反応をさせる方法、あらかじめ
混合したポリオールと有機ポリイソシアネートを加熱さ
れた多軸押出し機中を通過させ反応させる方法等が挙げ
られる。反応温度は通常30〜180℃、好ましくは6
0〜120℃である。反応においては、反応を促進させ
るため通常のウレタン反応において用いられる触媒を用
いてもよい。該触媒としては、錫系触媒(トリメチルチ
ンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチ
ルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレート、スタ
ナスオクトエート等)、鉛系触媒(レッドオレート、レ
ッド2−エチルヘキソエート等)等が挙げられる。
【0026】(a1)の数平均分子量は、通常3,00
0〜200,000、好ましくは5,000〜100,
000である。数平均分子量が3,000未満では、樹
脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、200,
000を超えると塗料としたときの粘度が高くなり、磁
性粉の分散性が悪くなる。
【0027】(A)のうちのポリエステル樹脂(a2)
としては、たとえば前述のスルファミン酸(塩)基含有
ポリオールおよび他のグリコールと多価カルボン酸との
重縮合反応、あるいはスルファミン酸(塩)基含有多価
カルボン酸および他の多価カルボン酸とグリコールとの
重縮合反応によって得られるものが挙げられる。
【0028】スルファミン酸(塩)基含有多価カルボン
酸としては、アミノ基含有多価カルボン酸(2−アミノ
テレフタル酸、3−アミノフタル酸、5−アミノイソフ
タル酸等)とピリジン・三酸化イオウ錯体等との反応生
成物が挙げられる。
【0029】上記他のグリコールとしては、アルキレン
グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタメチレンジオール、1,10−デカ
ンジオール等);環状基を有する低分子ジオール類{シ
クロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等
のグリコール類、および特公昭45−1474号記載の
もの[ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、キシ
リレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフ
ェニルプロパン(ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物)等〕};およびこれらの2種以上の混合物等が
挙げられる。また、必要によりトリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスト
ール等の3価の多価アルコールを併用しても良い。
【0030】他の多価カルボン酸としては、芳香族ジカ
ルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
1,5−ナフタル酸等);芳香族オキシカルボン酸[P
−オキシ安息香酸、P−(ヒドロキシエトキシ)安息香
酸等];脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジカ
ルボン酸等);3価以上のカルボン酸(トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等)等;およびこれ
ら2種以上の混合物等が挙げられる。
【0031】(a2)を合成する方法としては、公知の
方法を用いることができ、たとえば上記グリコール成分
と多価カルボン酸成分とを、温度約170〜250℃で
重縮合した後、更に0.5〜1.0mmHgの真空下で
温度約150〜250℃で重縮合反応を完遂させる方法
が例示できる。
【0032】該(a2)の数平均分子量は、通常3,0
00〜200,000、好ましくは5,000〜10,
000である。数平均分子量が3,000未満では、樹
脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、200,
000を超えると塗料としたときの粘度が高くなり、磁
性粉の分散性が悪くなる。
【0033】(A)のうちのポリアミド樹脂(a3)と
しては、前述のスルファミン酸(塩)基含有多価カルボ
ン酸および必要により他の多価カルボン酸とポリアミン
との重縮合反応によって得られるものが挙げられる。
【0034】他の多価カルボン酸成分としては、芳香族
ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、1,5−ナフタル酸等);芳香族オキシカルボン酸
[P−オキシ安息香酸、P−(ヒドロキシエトキシ)安
息香酸等];脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン
ジカルボン酸等);3価以上のカルボン酸(トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等)等;およびこ
れら2種以上の混合物等が挙げられる。
【0035】ポリアミンとしては、脂肪族ポリアミン
[アルキレン(炭素数2〜6)ジアミン(エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
等)];ポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリア
ミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等);脂環式ポリアミン(シクロヘキシレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメ
タン、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン等);
複素環式ポリアミン[ピペラジン、アミノアルキル置換
ピペラジン(アミノエチルピペラジン等)等];および
これらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0036】(a3)を合成する方法としては、公知の
方法を用いることができ、たとえば上記多価カルボン酸
とアミポリンとを温度約170〜250℃で重縮合した
後、更に0.5〜1.0mmHgの真空下で温度約15
0〜250℃で重縮合反応を完遂させる方法が例示でき
る。
【0037】該(a3)の数平均分子量は、通常3,0
00〜200,000、好ましくは5,000〜10,
000である。数平均分子量が3,000未満では、樹
脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、200,
000を超えると塗料としたときの粘度が高くなり、磁
性粉の分散性が悪くなる。
【0038】(A)のうちのポリアクリル樹脂(a4)
としては、たとえば(メタ)アクリル酸エステル類と共
重合可能なスルファミン酸(塩)基を含有するモノマー
を必須構成成分に用い、ラジカル共重合させたものが挙
げられる。
【0039】(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可
能なスルファミン酸(塩)基含有モノマーとしては、ア
ミノ基を有するビニルモノマー(アリルアミン、N−ア
リルアニリン等)とピリジン・三酸化イオウ錯体等との
反応生成物が挙げられる。
【0040】スルファミン酸(塩)基含有モノマーの合
成方法としては、たとえば上記アミノ基含有ビニルモノ
マーをアルカリ水溶液中、温度約0〜40℃でピリジン
−三酸化イオウ錯体を反応させたのち、反応生成物をエ
タノール、アセトン等で再結晶等の方法で精製して目的
物を得る方法が例示できる。
【0041】(メタ)アクリル酸エステル類としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メア)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ(メタ)プロピルアクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート等;およびこれら2種
以上の混合物が使用できる。また、必要により(メア)
アクリル酸エステル類以外のモノマー[スチレン、マレ
イン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、メタク
リル酸、フマール酸、ジブチルフマレート等]を併用す
ることできる。
【0042】(a4)を合成する方法としては、公知の
方法を用いることができ、たとえば上記モノマーの1種
または2種以上とスルファミン酸(塩)基含有モノマー
とを有機溶媒中過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を用い
て共重合を行い、ポリアクリル樹脂を得る方法が例示で
きる。
【0043】得られる(a4)の数平均分子量は、通常
3,000〜200,000、好ましくは5,000〜
10,000である。数平均分子量が3,000未満で
は、樹脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、2
00,000を超えると塗料としたときの粘度が高くな
り、磁性粉の分散性が悪くなる。
【0044】(A)のうちの塩化ビニル系共重合体(a
5)としては、たとえば塩化ビニルと前述の共重合可能
なスルファミン酸(塩)基を有するモノマーとを必須構
成成分に用い必要により他の共重合モノマーを共重合さ
せたものが挙げられる。
【0045】他の共重合モノマーとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、(無水)マレイン酸、(メタ)アクリル酸、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、グリシリル(メ
タ)アクリレート等;およびこれら2種以上の混合物が
挙げられる。
【0046】本発明のバインダーに用いられるスルファ
ミン酸(塩)基含有樹脂(A)は、必要により他の樹脂
と併用しても良い。該他の樹脂としては、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニル
アコール共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステル・アクリロニトリル共重合体、
ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン・アクリロニトリル
共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セ
ルロース誘導体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系熱可塑性樹脂等が挙
げられる。
【0047】これらの他の樹脂は、樹脂中に極性基とし
てカルボキシル基、スルホン酸金属塩基、スルホベタイ
ン、燐酸エステル基、アミノ基、第四級アンモニウム塩
基等の官能基を含有していても良い。
【0048】本発明の磁気記録媒体は、本発明のバイン
ダー、磁性粉、溶剤および添加剤を混合・分散し、得ら
れる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成
させることにより得られる。また、本発明の磁気記録媒
体用バインダーは、磁性層とは反対側のバックコート層
用のバインダーとしても使用することができる。
【0049】本発明の磁気記録媒体に使用される磁性粉
としては、酸化鉄〔γ−Fe23(γ−ヘマタイト)
等〕、CrO3(三酸化クロム)、合金系の磁性体〔C
o−γ−Fe23(コバルトフェライト、コバルトドー
プγ−酸化鉄等)、Fe−Co−Cr等〕、バリウムフ
ェライト、純鉄Fe(メタルパウダー)、炭化鉄、窒化
鉄等が挙げられる。
【0050】さらに上記磁性層には、バインダーおよび
磁性粉の他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯
電防止剤、防錆剤、架橋剤等が加えられてもよい。
【0051】分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸
等);金属石鹸[前記の脂肪酸のアルカリ金属(カリウ
ム、ナトリウム等)およびアルカリ土類金属(マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム等)]等が挙げられる。
【0052】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシ
ロキサン、フロロアルキルポリシロキサン、シリコンオ
イル、導電性微粉末(グラファイト等)、無機粉末(二
硫化モリブデン、二硫化タングステン等)、プラスチッ
ク微粉末、脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が
挙げられる。
【0053】研磨剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモン
ド、人造ダイヤモンド等が挙げられる。
【0054】帯電防止剤としては、導電性粉末(カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等)、
天然界面活性剤(サポニン等)、ノニオン型界面界面活
性剤(アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系等)、カチオン型活性剤(高級アルキルアミン
類、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環
類、ホスホニウム類等)、アニオン型界面活性剤(カル
ボン酸型、スルホン酸型、リン酸型、硫酸エステル基
型、燐酸エステル基型等)、両性活性剤(アミノ酸類、
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐
酸エステル類等)等が挙げられる。
【0055】防錆剤としては、燐酸、スルフィド、グア
ニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、
カルシウムクロメート、ストロンチウムクロメート等が
挙げられる。また、特にジシクロヘキシルアミンナイト
ライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロ
ピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェ
ート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、プロ
ピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネー
ト、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリン
ステアレート等の気化性防錆剤(アミン、アミドまたは
イミドの無機酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆効
果が向上する。
【0056】また、磁気記録媒体の磁性層の強度の向上
を目的として磁性塗料中に架橋剤としてポリイソシアネ
ートを配合することができる。
【0057】好ましいポリイソシアネートとしては、た
とえば変性MDI[例えば、「ミリオネートME」(保
土ヶ谷化学製);3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジ
イソシアネート]およびポリイソシアネート(TDI,
MDI等)と活性水素化合物(低分子ポリオール、ポリ
アミン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール等)とからのNCO基末端プレポリマー[例えば、
「デスモジュールL」(バイエル製)、「コロネートH
L」(日本ポリウレタン工業製)など]が挙げられる。
【0058】バインダーと架橋剤の配合割合は特に限定
されていないが、バインダー100重量部に対して架橋
剤が通常3〜80重量部である。また、架橋反応を促進
させるため、前述のポリウレタン樹脂を製造する際に用
いたものと同様の触媒を適宜配合してもよい。
【0059】磁性塗料に用いられる溶媒としては、エス
テル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系
溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン系
溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルルケトン等)、芳香族炭化水素溶媒(トルエ
ン、キシレン等);およびこれらの2種以上の混合溶媒
が挙げられる。これらのうち好ましいものはケトン系溶
媒と芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒である。この場
合、上記溶媒の使用量は、磁性塗料中の固形分含量が通
常20〜80重量%となる範囲である。
【0060】磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の素
材としては、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等);ポリ
オレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン等);セ
ルロース誘導体(セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート、セルロースダイアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート等);ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等);その他のプラスチック(ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等);非磁性
金属類(アルミニウム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを
含む非磁性合金等);セラミック類(ガラス、陶器、磁
器等);オレフィン類(バライタ、ポリエチレン、エチ
レン−ブテン共重合体等)を塗布またはラミネートした
紙等が挙げられる。また、非磁性支持体の形態はフイル
ム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等のい
ずれでもよい。非磁性支持体上に塗布する磁性層の厚さ
は、乾燥膜厚で通常0.1〜50μmである。
【0061】磁気記録媒体(磁気テープ等)を製造する
方法としては、たとえばバインダー、磁性粉、溶媒およ
び必要により添加剤を予めプレミキサー等で混合したの
ち、混合分散機(ボールミル、ペイントコンディショナ
ー、サンドグラインダー、サンドミル、プラストミル
等)で磁性粉を分散させて磁性塗料を作成し、つぎにこ
の磁性塗料を、ドクターブレード法、転写印刷法(グラ
ビア法、リバースロール法等)の方法により非磁性支持
体に塗布後、配向、乾燥、表面加工、切断、巻取り等の
工程を経て磁気記録媒体とする方法が例示できる。
【0062】磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層
(磁性粉およびバインダー等)からなるものが一般的で
あるが、非磁性支持体と磁性層の間に中間層(下塗層、
アンダーコート層)を設けたもの、非磁性支持体の両面
に磁性層を有するもの、磁気特性の異なる磁性層を重積
したもの、磁性層の上に保護層を設けたもの、非磁性支
持体にバックコート層を設けたもの等であってもよい。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下において、部は重量部、%は重量%を示す。
【0064】
【実施例】
実施例1 攪拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器に、
2−アミノ−1,3−プロパンジオール(1モル)を1
250mlの水に溶解させた。この溶液をかき混ぜなが
ら、室温で1モルのピリジン−三酸化イオウ錯体を約2
Hrかけて分割投入して反応を行った。この時、系内の
pHを10%水酸化ナトリウム水溶液で約9〜10に保
った。反応混合物を約1000mlまで濃縮させ、塩化
ナトリウム(0.17モル)加えた後、エタノールを5
000ml加えて白色の結晶沈殿物を濾過で除去した。
濾液に4000mlのアセトンを加えて白色結晶の沈殿
物が得られた。これを濾過乾燥して白色結晶(B−1)
を得た。該(B−1)の構造は、NMR分析等により
(HOCH22CHNHSO3Naであることを確認し
た。攪拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器
にアジピン酸1モル、イソフタル酸1モル、エチレング
リコール1.5モル、ネオペンチルグリコール1.5モ
ルおよび白色結晶(B−1)0.017モルを加えて、
160〜220℃でエステル化を行い、ヒドロキシ価1
12のポリエステルポリオール(C−1)を得た。攪拌
機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器に上記ポ
リエステルポリオール(C−1)1モル、ネオペンチル
グリコール1モルおよびジフェニルメタンジイソシアネ
ート2モルを加えて約80℃で反応させた。反応終了
後、メチルエチルケントンで希釈し、最終固形分30%
のポリウレタン樹脂溶液(I)を得た。得られたポリウ
レタン樹脂中のスルファミン酸塩基含有量は、樹脂10
6g当たり20当量、数平均分子量は15,000であっ
た。得られたポリウレタン樹脂溶液(I)をバインダー
として用い、下記組成の混合物をボールミルで70時間
分散し、濾過、脱泡を行い、磁性塗料を得た。 CoーγーFe23微粉末 100部 ポリウレタン樹脂溶液(I) 10部(固形分換算値) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部 スレアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 75部 トルエン 75部 得られた磁性塗料に硬化剤[「コロネートL](日本ポ
リウレタン工業製)、トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート3モル付加物)を5部添加し、30
分間混合した。この磁性塗料をポリエステルフィルムに
塗布し(乾燥膜厚5μ)、1000Oeの磁場をかけ、
配向させ、テープを得た。更に、このテープをカレンダ
ーロールで処理し、磁気テープ(I−1)を得た。
【0065】実施例2 攪拌機、温度計およびバックドカラムの付いた反応容器
に、テレフタル酸0.45モルとイソフタル酸0.43
モル、アジピン酸0.12モル、エチレングリコール
0.73モル、ネオペンチルグリコール0.75モルお
よび実施例1で得た白色結晶(B−1)0.02モルを
ジブチル錫オキサイド0.1部とともに仕込み、攪拌下
140〜220℃でエステル化反応、次いで三酸化アン
チモン0.1部を添加し1mmHg以下の減圧下220
〜260℃で縮合を行い、最終的に得られたポリエステ
ル樹脂(II)は、数平均分子量12,000、スルフ
ァミン酸塩基の含有量が樹脂106g当たり80当量で
あった。このポリエステル樹脂(II)を、実施例1に
おいて(I)に代えて同量(樹脂分)用いた以外は実施
例1と同様にして磁気テープ(II−1)を得た。
【0066】実施例3 攪拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器にジ
エタノールアミン(1モル)を1250mlの水に溶解
させた。この溶液をかき混ぜながら、室温で1モルのピ
リジン・三酸化イオウ錯体を2Hrかけて分割投入して
反応を行った。この時、系内のpHを10%水酸化ナト
リウム水溶液で約9〜10に保った。反応混合物を約1
000mlまで濃縮させ、塩化ナトリウム(0.17モ
ル)を加えた後、エタノールを5000ml加えて生成
した白色の結晶沈殿物を濾過で除去した。濾液に400
0mlのアセトンを加えて白色結晶の沈殿物を得た。こ
れを濾過乾燥して白色結晶(B−2)を得た。該(B−
2)の構造は、NMR分析等により(HOC242
SO3Naであることを確認した。攪拌機、温度計およ
び環流冷却管の付いた反応容器にアジピン酸1モル、イ
ソフタル酸1モル、エチレングリコール1.5モル、ネ
オペンチルグリコール1.5モルおよび上記(B−2)
0.017モルを加えて、160〜220℃でエステル
化を行い、ヒドロキシ価112のポリエステルポリオー
ル(C−2)を得た。同様の反応容器に、上記ポリエス
テルポリオール(C−2)1モル、ネオペンチルグリコ
ール1モルおよびジフェニルメタンジイソシアネート2
モルを加えて約80℃で反応させた。反応終了時、メチ
ルエチルケントンで希釈し、最終固形分30%のポリウ
レタン樹脂溶液(III)を得た。得られたポリウレタ
ン樹脂中のスルファミン酸塩基含有量は、樹脂106
当たり20当量、数平均分子量は14,000であっ
た。このポリウレタン樹脂溶液(III)を、実施例1
における(I)に代えて同量(樹脂分)用いた以外は実
施例1と同様にして磁気テープ(III−1)を得た。
【0067】実施例4 攪拌機、温度計およびバックドカラムの付いた反応容器
に、テレフタル酸0.45モル、イソフタル酸0.43
モル、アジピン酸0.12モル、エチレングリコール
0.73モル、ネオペンチルグリコール0.75モルお
よび実施例3で得た白色結晶(B−2)0.02モルを
ジブチル錫オキサイド0.1部とともに仕込み、攪拌下
140〜220℃でエステル化反応、次いで三酸化アン
チモン0.1部を添加し1mmHg以下の減圧下220
〜260℃で縮合を行い、最終的に得られたポリエステ
ル樹脂(IV)は、数平均分子量13,000、スルフ
ァミン酸塩基の含有量は樹脂106g当たり80当量で
あった。このポリエステル樹脂(IV)を、実施例1に
おける(I)に代えて同量(樹脂分)用いた以外は実施
例1と同様にして磁気テープ(IV−1)を得た。
【0068】実施例5 攪拌機、温度計の付いた加圧反応容器に、実施例3で得
た(B−2)1モル、キシレン600部および水酸化カ
リウム3部を仕込み、温度120℃でプロピレンオキサ
イド8モルを約8時間かけて吹き込み反応させた。得ら
れた(B−2)のプロピレンオキサイド付加物(D)の
分子量は671であった。攪拌機、温度計および環流冷
却管の付いた反応容器に分子量2000のポリエステル
ポリオール(組成;イソフタル酸4モル/オルトフタル
酸2モル/テレフタル酸1モル/ネオペンチルグリコー
ル5モル/1,4シクロヘキサンジメタノール2モル)
1モル、上記(D)0.42モルおよびジフェニルメタ
ンジイソシアネート0.38モルを仕込み、約80℃で
反応させた。反応終了時メチルエチルケントンで希釈
し、最終固形分30%のポリウレタン樹脂溶液(V)を
得た。得られたポリウレタン樹脂中のスルファミン酸塩
基含有量は、樹脂106g当たり150当量、数平均分
子量は13,000であった。このポリウレタン樹脂溶
液(V)を実施例1における(I)に代えて同量(樹脂
分)用いた以外は実施例1と同様にして磁気テープ(V
−1)を得た。
【0069】比較例1 攪拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器に、
アジピン酸1モル、イソフタル酸1モル、エチレングリ
コール1.5モル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
0.017モルおよびネオペンチルグリコール1.5モ
ルを加えて、160〜220℃でエステル化を行い、ヒ
ドロキシ価112のポリエステルポリオール(C−3)
を得た。攪拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応
容器に、上記(C−3)1モル、ネオペンチルグリコー
ル1モルおよびジフェニルメタンジイソシアネート2モ
ルを加えて約80℃で反応させた。反応終了時、メチル
エチルケントンで希釈し、最終固形分30%のポリウレ
タン樹脂溶液(VI)を得た。得られたポリウレタン樹
脂のスルホン酸金属塩基含量は、樹脂106g当たり2
2当量、数平均分子量は16,000であった。このポ
リウレタン樹脂(VI)を、実施例1における(I)に
代えて同量(樹脂分)用いた以外は実施例1と同様にし
て、比較の磁気テープ(VI−1)を得た。
【0070】比較例2 攪拌機、温度計およびバックドカラムの付いた反応容器
にテレフタル酸0.45モルとイソフタル酸0.43モ
ル、アジピン酸0.12モル、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸0.02モル、エチレングリコール0.73
モルおよびネオペンチルグリコール0.75モルをジブ
チル錫オキサイド0.1部とともに仕込み、攪拌下14
0〜220℃でエステル化反応させ、さらに三酸化アン
チモン0.1部を添加し、1mmHg以下の減圧下22
0〜260℃でエステル化反応を完遂させた。最終的に
得られたポリエステル樹脂(VII)は、数平均分子量
13,000、スルホン酸金属塩基含有量は樹脂106
当たり82当量であった。このポリエステル樹脂(VI
I)を用い、比較例1と同様にして比較の磁気テープ
(VII−1)を得た。
【0071】試験例1 実施例1〜5および比較例1〜2で得られた磁気テープ
の光沢を測定した。その結果を表1に示す。光沢は、グ
ロスメーター[日本電色工業(株)]を用いて測定した
(測定角度は、入射角/反射角=60゜/60゜)。数
値が大きいほど磁性粉分散性が優れていることを示す。
【0072】
【表1】
【0073】試験例2 実施例1〜5および比較例1〜2で得られた磁気テープ
の角形比を測定した。その結果を表2に示す。角形比
は、飽和磁化Bmと残留磁化Brとの比Br/Bmの値
で示した。角形比は、振動試料型磁力計[理研電子工業
(株)製]を用いて測定した。数値が大きいほど電磁変
換特性が優れていることを示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明の磁性塗料用バインダーは、従来
のものに比べて下記の効果を有する。 (1)磁性粉の分散性がよく、電磁変換特性の優れた磁
気記録媒体が得られる。 (2)塗料粘度が低いため、塗布時の作業性に優れてい
る。 (3)非磁性支持体に対する密着性に優れている。 上記効果を奏することから、本発明のバインダーは、た
とえばオーディオ用テープ、ビデオ用テープ、コンピュ
ータ用テープ、データーレコーダ用テープ、ビデオシー
ト、メタルテープ、メタルディスク、磁気カード等の磁
気記録媒体の製造に好適に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 175/04 C09D 175/04 177/00 177/00 201/02 201/02 // C08F 246/00 C08F 246/00 C08G 18/38 C08G 18/38 Z 63/692 63/692 (56)参考文献 特開 平1−100727(JP,A) 特開 平2−127481(JP,A) 特開 昭58−76415(JP,A) 特開 昭61−37809(JP,A) 特開 昭63−300422(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 1/00 - 201/10 G11B 5/70 - 5/718 C08L 1/00 - 101/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) −NHSOX (1) (式中、Xは水素、アルカリ金属または有機アミンを示
    す。) または、下記一般式(2) (式中、Xは水素、アルカリ金属または有機アミンを示
    す。)で表されるスルファミン酸(塩)基を有する樹脂
    (A)からなる磁気記録媒体用バインダー。
  2. 【請求項2】 (A)が、ポリウレタン樹脂(a1)、
    ポリエステル樹脂(a2)、ポリアミド樹脂(a3)、
    ポリアクリル樹脂(a4)および塩化ビニル系共重合体
    (a5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂
    である請求項1記載の磁気記録媒体用バインダー。
  3. 【請求項3】 (A)中のスルファミン酸(塩)基の含
    有量が(A)10g当たり1〜1000当量である請
    求項1または2記載のバインダー。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載のバインダー
    を含有してなる磁性層を有する磁気記録媒体。
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