JP3189253B2 - 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法

Info

Publication number
JP3189253B2
JP3189253B2 JP05749392A JP5749392A JP3189253B2 JP 3189253 B2 JP3189253 B2 JP 3189253B2 JP 05749392 A JP05749392 A JP 05749392A JP 5749392 A JP5749392 A JP 5749392A JP 3189253 B2 JP3189253 B2 JP 3189253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
group
magnetic recording
polyol
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05749392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06340845A (ja
Inventor
幸則 垣沼
正平 角田
孝夫 深見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP05749392A priority Critical patent/JP3189253B2/ja
Publication of JPH06340845A publication Critical patent/JPH06340845A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3189253B2 publication Critical patent/JP3189253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/08Processes
    • C08G18/0804Manufacture of polymers containing ionic or ionogenic groups
    • C08G18/0809Manufacture of polymers containing ionic or ionogenic groups containing cationic or cationogenic groups
    • C08G18/0814Manufacture of polymers containing ionic or ionogenic groups containing cationic or cationogenic groups containing ammonium groups or groups forming them

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非磁性支持体上にバイン
ダー中に微粉状磁性粒子が分散した磁気記録層を形成さ
せる塗布型の磁気記録媒体に供するバインダーに関する
ものであり、さらに詳しくは、微粉状磁性粒子の分散性
に優れ、かつ、優れた磁気記録媒体保存安定性を提供す
るポリウレタン樹脂バインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気記録媒体の高記録密度化に伴
い、用いられる磁性粉はより微細化の傾向となり、高度
の分散性を有するバインダーが要望される一方、バイン
ダーのわずかの変質が大きく記録に影響を与えるため、
保存安定性の優れたバインダーが要望される。一般にポ
リウレタンは耐摩耗性が良好なため有用なバインダーで
あるが、分散性が特に良いとは言えない。そこで、従来
から親水性の強い第四級アンモニウム塩を含有したポリ
ウレタン樹脂が提案されている。ポリウレタン樹脂に第
四級アンモニウム塩基を導入することにより、磁性粉と
の親和力が高まり、分散性が向上するが、一方、吸水性
が増大し、湿気等でポリウレタン樹脂が変質しやすくな
るという欠点を有する。例えば特開昭54−15300
9号公報では、第三級アミノ基含有バインダーをジアル
キル硫酸、ハロゲン化アルキルあるいはハロゲン化アリ
ールで四級化することによる分散性の改良が開示されて
いる。また、特開平3−153785号公報、特開平3
−188178号公報では、ポリウレタン化原料に第四
級アンモニウム塩含有活性水素化合物を用いることによ
り、ポリウレタン樹脂の溶液安定性が良好で、かつ、分
散性が改良されたポリウレタン樹脂バインダーが開示さ
れている。 これらで得られたポリウレタン樹脂の分散
性は改良されるが、他方、保存安定性が悪いという欠点
を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気記録媒
体用バインダーとして従来の欠点を克服し、さらに優れ
た分散性と保存安定性を兼ね備えたポリウレタン樹脂を
提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の高
性能磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーを開発
すべく、鋭意研究の結果、第三級アミノ基含有化合物を
ポリウレタン樹脂原料に用いることにより、第三級アミ
ノ基がポリウレタン樹脂中にランダムに導入され、さら
に特定のスルホン酸エステルで四級化することにより、
第四級アンモニウム塩が極在化することなく、均一な分
散性が得られるとともに、ポリウレタン樹脂の耐加水分
解性も悪化せず、かつ、従来のタイプよりさらに分散性
能が高いという、その目的を十分に達成し得ることを見
出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、長鎖ポリオール、鎖延
長剤、有機ジイソシアネートから形成されるポリウレタ
ン樹脂において、該鎖延長剤の一部または第三級窒素原
子を含み、さらに該ポリウレタン樹脂中の第三級窒素原
子の一部または全部が、下記一般式(I)で示されるス
ルホン酸エステル化合物で四級化されることを特徴とす
る磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーである。 R−SO3 −R′ (I) (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基またはアリー
ル基、R′は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0006】本発明のポリウレタン樹脂を構成する各成
分について、以下に説明する。本発明に使用される長鎖
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエ
ステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリアルキレンジオールなどがあり、これら
長鎖ポリオールを単独使用、または併用しても良い。
【0007】ポリエステルポリオール、ポリエステルア
ミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテ
ル・エステルポリオールとしては、具体的に例えば、公
知のコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸ま
たはそれらの酸エステル、酸無水物等のジカルボン酸・
酸エステル・酸無水物とエチレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、N−メチルジメタノ
ールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチ
ルジプロパノールアミン、N−メチルジヘキサノールア
ミン、N−メチルジオクタノールアミンあるいはこれら
のN−エチル置換化合物、N−プロピル置換化合物、N
−ブチル置換化合物、N−フェニル置換化合物、3−ジ
メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、4−ジメチ
ルアミノ−1,2−ブタンジオール、5−ジメチルアミ
ノ−1,3−ペンタンジオール、あるいはこれらのジエ
チルアミノ化物、4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シメチル)プロピル−N,N−ジメチルアニリン、4−
(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)ブチル−
N,N−ジメチルアニリン、あるいはこれらのジエチル
アニリン化合物、ジフェニル化合物、N,N−(ジメチ
ル)−N′,N′−ジイソプロパノール−1,3−プロ
パンジアミンあるいはビスフェノールAのエチレンオキ
サイドまたはプロピレンオキサイド付加物等のグリコー
ル、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、モノエタノールアミン等のジアミン
またはアミノアルコール等単独またはこれらの混合物と
の脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオール、ポ
リエステルアミドポリオール、またはε−カプロラクト
ン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステ
ル(ラクトン)モノマーの開環重合して得られるラクト
ン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオー
ルがあり、ポリエーテルポリオールとしては、例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオ
ール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げ
られる。ポリエーテル・エステルポリオールとしては、
上記のポリエーテルポリオールと上記したジカルボン酸
または無水物等から製造されるポリエステルポリオール
が挙げられる。
【0008】ポリカーボネートポリオールとしては、一
般には多価アルコールとジエチルカーボネートの脱エタ
ノール縮合反応、あるいは多価アルコールとジフェニル
カーボネートの脱フェノール縮合反応、あるいは多価ア
ルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコー
ル縮合反応などで得られ、この多価アルコールとしては
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オール等の脂肪族ジオール、あるいは、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環族ジオールより成るポリカーボネートポリ
オールが用いられる。ポリアルキレンジオールの具体例
としては、水酸基末端ポリブタジエンやその水素添加物
等が挙げられる。これら長鎖ポリオールの分子量として
は500〜5,000が好ましい。
【0009】本発明に使用される第三級窒素原子を含有
しない鎖延長剤としては、エチレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノールあるいはビスフェノー
ルAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド
付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、キシ
レンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールア
ミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン等のジアミ
ンまたはアミノアルコール等が挙げられ、他に特開昭6
1−107531号に示されるイソシアネート基と反応
しウレア結合を生成する水、尿素も鎖延長剤として使う
ことができる。これら上記の化合物は単独またはこれら
の混合物の形で使うことができる。
【0010】本発明に鎖延長剤の一部または全部として
使用される第三級アミノ基含有活性水素化合物の具体例
としては、N−メチルジメタノールアミン、N−メチル
ジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミ
ン、N−メチルジヘキサノールアミン、N−メチルジオ
クタノールアミンあるいはこれらのN−エチル置換化合
物、N−プロピル置換化合物、N−ブチル置換化合物、
N−フェニル置換化合物、3−ジメチルアミノ−1,2
−プロパンジオール、4−ジメチルアミノ−1,2−ブ
タンジオール、5−ジメチルアミノ−1,3−ペンタン
ジオール、あるいはこれらのジエチルアミノ化物、4−
(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル)プロピル−
N,N−ジメチルアニリン、4−(4−シドロキシ−3
−ヒドロキシメチル)ブチル−N,N−ジメチルアニリ
ン、あるいはこれらのジエチルアニリン化合物、ジフェ
ニル化合物、N,N−(ジメチル)−N′,N′−ジイ
ソプロパノール−1,3−プロパンジアミン等が挙げら
れる。
【0011】導入する第三級アミノ基のポリウレタン樹
脂中の濃度は、好ましくは0.01〜5.0mmol/
g,より好ましくは0.05〜3.0mmol/gであ
る。濃度がこれ以下の場合、磁性粉に対しての分散性が
十分でなく、所定の磁気特性、電磁変換特性が得られ
ず、また濃度がこれ以上の場合、得られるポリウレタン
樹脂のウレタン基濃度が高くなり、溶剤に溶けにくくな
ったり、また溶液粘度が高くなり、塗料製造上、混合、
移送、塗布の工程において作業性が劣るようになる。
【0012】本発明で用いられる一般式(I)のスルホ
ン酸エステルの具体例としては、メタンスルホン酸メチ
ル、ベンゼンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン
酸メチル、アセトンジスルホン酸ジメチル、あるいはそ
れぞれのエチルエステル化物、プロピルエステル化物、
ブチルエステル化物、ヘプチルエステル化物、ヘキシル
エステル化物、オクチルエステル化物、2−メトキシエ
チルエステル化物、フェニルエステル化物等が挙げられ
る。これらのスルホン酸エステルの中で特にメタンスル
ホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル、p−トルエ
ンスルホン酸メチルが好ましい。使用するスルホン酸エ
ステルのポリウレタン樹脂中の濃度としては、好ましく
は0.01〜5.0mmol/g,より好ましくは0.
05〜3.0mmol/gである。この場合、使用する
スルホン酸エステルの濃度は第三級アミノ基濃度を越え
ても良いが、より好ましくは第三級アミノ基濃度を越え
ない範囲内が良い。
【0013】 本発明に使用される有機ジイソシアネー
トとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレン−
1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシネ
アート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソ
シアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプ
ロパンジイソアアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化ト
リレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の
環族ジイソシアネート等を挙げることができる。これら
の有機ジイソシアネートは、芳香族、脂肪族、脂環族の
いずれかでもよいが、希望する樹脂物性に応じて選択さ
れる。
【0014】本発明のポリウレタン樹脂中には、他の親
水性極性基を併用してもよい。例えば、COOM基、O
H基、SO3 M基(Mは水素またはアルカリ金属)、P
=O(OM′)2 基(M′は水素、アルカリ金属または
炭化水素基)等の親水性極性基を含有するジオール、ジ
アミンまたはアミノアルコール等の活性水素化合物など
と併用することができる。COOM基を有する活性水素
化合物の例としては、COOM含有グリコールとして、
2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロ
ール酪酸、および2,2−ジメチロール吉草酸、ジアミ
ンの例としてジアミンと酸無水物の反応生成物例えばイ
ソホロンジアミンと無水フタル酸の反応生成物等を挙げ
ることができる。
【0015】OH基を有する活性水素化合物の例として
は、1個の2級OH基含有グリコールとして、グリセリ
ン、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、1,2,
6−ヘキサントリオールおよびジエタノールアミンのプ
ロピレンオキサイド付加物があり、分子内に3級OH基
を有するグリコールとして、1,2,3−ヒドロキシ−
2−メチルプロパン、1,3,5−ヒドロキシ−3−メ
チルペンタン、1,2,3,6−ヒドロキシ−2,3−
ジメチルヘキサン等の単体もしくは混合物、ジアミンと
して、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、1,3
−ジアミノ−2−プロパノール等を挙げることができ
る。
【0016】SO3 M基を有する活性水素化合物の例と
しては、2−ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオー
ル、2−カリウムスルホ−1,4−ブタンジオール等の
SO3 M基含有グリコール、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウ
ムスルホコハク酸等が挙げられる。
【0017】P=O(OM′)2 基を有する活性水素化
合物の例としては、2,3−ジヒドロキシプロピル−フ
ェニルホスフォン酸ナトリウム、ビス(2−ヒドロキシ
エチル)ホスフォン酸カリウム、ビス−(4−ヒドロキ
シブチル)ホスフォン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0018】これら親水性極性基を含有するジオール、
ジカルボン酸、ジアミンまたはアミノアルコールは、鎖
延長剤の一部として使用できるが、前述のポリオールの
グリコール原料としても使用することができる。例え
ば、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラク
トン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラ
クトン等の環状ラクトンモノマーの開環重合反応の開始
剤として、あるいは公知のジカルボン酸またはグリコー
ルとの脱水縮合反応、あるいは前述したポリエステルポ
リオールとのエステル交換反応などにより、親水性極性
基含有ポリエステルポリオールが、またポリエーテルポ
リオールの製造時、開始剤としてこれらの化合物を用い
ることで親水性極性基含有ポリエーテルポリオールが、
さらにポリカーボネートポリオールの原料である多価ア
ルコールとしてこれらの化合物を用いることで親水性極
性基含有ポリカーボネートポリオールがそれぞれ得られ
る。このようにして得られたポリオールは、第三級アミ
ノ基を含有する活性水素化合物以外の他の親水性極性基
として使用することができる。
【0019】本発明のポリウレタン樹脂を構成する各成
分は、長鎖ポリオールおよび鎖延長剤と有機ジイソシア
ネートとのモル比(イソシアネート基/水酸基=R)を
0.50〜1.10、好ましくは0.80〜1.05と
して製造される。
【0020】 このようにして得られるバインダーは、
線状で両末端に水酸基を有し、数平均分子量5000〜
150000、好ましくは10000〜70000であ
るポリウレタン樹脂である。分子量が5000より小さ
い場合、分散性に優れ有利な反面、塗模形成能が不十分
であり、耐久性と表面平滑性に劣る。分子量が1500
00より大きい場合、分散性が低下するとともに粘度が
増大し塗料製造上、混合、移送、塗布の工程に於いて作
業性が低下する。
【0021】本発明にかかる四級化前のポリウレタン樹
脂を製造する際には公知の溶融状態で反応せしめるバル
ク重合法、または、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、セロソルブ、
カルビトール等として知られるグリコールエーテル系、
セロソルブアセテート等の酢酸グリコールエーテル系、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミ
ド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール系溶剤などの単独または混合溶剤中に前記の各
成分を溶解せしめた状態で反応させる溶液重合法を用い
ることができる。
【0022】また、必要に応じて触媒および安定剤を用
いることができる。触媒としては例えばトリエチルアミ
ン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物、ジブチル
錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル
酸錫、ステアリン酸亜鉛等の有機金属化合物などが挙げ
られる。安定剤としては、置換ベンゾトリアゾール類等
の紫外線吸収剤、フェノール誘導体等の酸化防止剤、お
よび加水分解防止剤などを加えることができる。
【0023】以上のように製造された第三級アミノ基を
含有するポリウレタン樹脂に対して、スルホン酸エステ
ルを用いて第四級アンモニウム塩化するには、スルホン
酸エステルの必要量を第三級アミノ基を含有するポリウ
レタン樹脂溶液中に加え、室温から80℃の温度範囲で
1〜100時間攪拌する方法が挙げられる。ただしバル
ク重合法により合成された第三級アミノ基含有ポリウレ
タンの場合、前述の溶剤に溶解させ、四級化を行う方法
が挙げられる。
【0024】また、本発明では本発明のポリウレタン樹
脂と共に、必要ならば磁気記録媒体のバインダーとして
通常用いられる他のポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール系共重合体、ポリブチルブチラール系樹脂、
繊維素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂および
フェノキシ樹脂、アクリロニトリル−ブタンジエン共重
合体樹脂等の熱硬化性樹脂または反応型樹脂および不飽
和プレポリマー、例えばウレタンアクリルタイプ、ポリ
エステルアクリルタイプ、または多官能モノマーとし
て、ウレタンアクリルタイプ、リン酸エステルアクリル
タイプ、アリールタイプ等の電子線または紫外線硬化型
樹脂を併用することができる。これら樹脂にはCOOM
基、SO3M基(Mは水素またはアルカリ金属)、P=
O(OM′)2 基(M′は水素、アルカリ金属または炭
化水素基)等の親水性極性基を含有したものも含まれ
る。
【0025】本発明で用いられる磁性粉としては、例え
ばγ−Fe2 3 、Co−γ−Fe2 3 、Co−Fe
3 4 等の酸化鉄磁性粉、CrO2 、六方晶系バリウム
フェライト微粒子、およびFe、Ni、Co、Fe−N
i−Co合金、Fe−Mn−Zn合金等Fe、Ni、C
oを主成分とするメタル磁性粉等各種の強磁性粉が挙げ
られる。本発明に係わるポリウレタン樹脂は、磁気記録
媒体以外に、塗料、接着剤、シーリング剤、人工皮革、
繊維処理剤、弾性繊維、フィルム等に利用することがで
きる。
【0026】
【実施例】次に、本発明について実施例により更に詳細
に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例における「部」および「%」は、
断りのない限り「重量部」および「重量%」を示す。ま
た、使用した長鎖ポリオールの組成は表1に示す。
【0027】
【実施例1】 温度計、攪拌機、コンデンサーを備えた
反応容器に、数平均分子量2000の長鎖ポリオールA
[グリコール(エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コール=1/1モル比)とフタル酸(イソフタル酸/テ
レフタル酸=1/1モル比)からのポリエステルジオー
ル] 1000部、ネオペンチルグリコール 52.1
部、N−メチルジエタノールアミン 7.9部、シクロ
ヘキサノン 883部及びウレタン化触媒としてジオク
チル錫ジラウレート 0.2部を仕込み50℃で混合し
たのち4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを
264.2部(R=0.99)加え80℃にて反応させ
た。時間と共に粘度が上昇するので、適時シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン及びトルエンにて希釈して、
赤外スペクトルで2275cm−1のイソシアネート基
の吸収が消失するのを確認し、透明な淡黄色透明液体を
得た。さらにp−トルエンスルホン酸メチル 12.3
部を加え、50℃にて10時間攪拌した。このポリウレ
タン樹脂溶液は固形分25.1%、粘度370cP/2
5℃、数平均分子量25200であった。合成したポリ
ウレタン樹脂組成、特性をそれぞれ表2、3に示す。
【0028】
【実施例2〜9】 実施例1と同様の合成方法で、長鎖
ポリオール、鎖延長剤、有機ジイソシアネート、第3級
アミノ基含有活性水素化合物及びスルホン酸エステルの
種類、量をかえて合成した。合成したポリウレタン樹脂
組成、特性をそれぞれ表2、3に示す。
【0029】
【比較例1〜5】実施例1と同様の合成方法で、第三級
アミノ基含有活性水素化合物及び四級化剤の種類、量を
変えて合成した。合成したポリウレタン樹脂組成、特性
をそれぞれ表2、3に示す。
【0030】
【比較例6】温度計、攪拌機、コンデンサーを備えた反
応容器に、N−メチルジエタノールアミン 16.1
部、p−トルエンスルホン酸メチル 25.1部および
シクロヘキサノン 41部を仕込み70℃で3時間混合
した。さらに実施例1で用いた長鎖ポリオールA 10
00部、ネオペンチルグリコール 52.1部、シクロ
ヘキサノン 842部及びウレタン化触媒としてジオク
チル錫ジラウレート 0.2部を仕込み50℃で混合し
たのち4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートを
281.3部(R=0.99)を加え80℃にて反応さ
せた。時間と共に粘度が上昇するので、適時シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン及びトルエンにて希釈し
て、赤外スペクトルで2275cm-1のイソシアネート
基の吸収が消失するのを確認し、透明な淡黄色透明液体
を得た。このポリウレタン樹脂溶液は固形分25.3
%、粘度330cP/25℃、数平均分子量25000
であった。
【0031】ポリウレタンフィルム及び磁性層の評価
【0032】
【応用例1】実施例1で得られたポリウレタン樹脂溶液
にポリイソシアネート硬化剤としてコロネートL(日本
ポリウレタン工業製)を、樹脂分換算100部に対して
樹脂分換算10部を加え、1時間混合してから、離型紙
上に乾燥膜厚100μmとなるように塗布し、120℃
で2時間乾燥し、ポリウレタンフィルムを得た。このフ
ィルムの耐湿熱性の評価結果は表4に示す。また、実施
例1で得られたポリウレタン樹脂溶液を用いて、下記の
配合割合の組成物を卓上サンドグラインドミル(五十嵐
機械製)で5時間分散させ、得られた磁性塗料に硬化剤
としてコロネートLを樹脂分換算100部に対して樹脂
分換算10部を加え、1時間混合してから、厚さ15μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥膜厚
3μmとなるように塗布し、直ちに2000ガウスの磁
場中を通過させて配向処理を施し、60℃で24時間静
置し磁気テープを得た。得られた磁気テープの光沢度お
よび角型比(Br/Bm)の測定結果を表4に示す。
【0033】 磁気記録媒体用配合組成物 磁性粉(メタル磁性粉 BET=54m2 /g) 100部 ポリウレタン樹脂(樹脂分) 20部 MEK 110部 トルエン 110部 シクロヘキサノン 74部
【0034】
【応用例2〜9、比較例1〜6】応用例1で用いたポリ
ウレタン樹脂溶液の代わりに、実施例2〜9および比較
例1〜6で得たポリウレタン樹脂溶液を用いて、応用例
1と同様の処方で耐湿熱性、分散性および磁気テープ特
性を評価した。結果を表4に示す。
【0035】評価方法 破断強度の保持率 : ポリウレタンフィルムを温度7
0℃、相対湿度95%RHで1ヶ月保存して保存前後の
破断強度をテンシロン万能試験機(東洋ボールドウィン
製)を用いて測定し、破断強度保持率をもとめ、耐湿熱
性を評価した。 破断強度保持率(%)=保存前の破断強度/保存後の破
断強度 光沢度 : 得られた磁気テープの磁性面を
光沢計を用いて入射角45度反射角45度における反射
率を測定した。 角型比(Br/Bm): 得られた磁気テープの電磁変
換特性は振動試料型磁力計 VSM−3KA型(東英工
業製)を用いて測定した。
【0036】
【発明の効果】本発明により得られるポリウレタン樹脂
は高分散性で、かつ、保存安定性に優れているため、特
に高記録密度を要求されるビデオテープ、オーディオテ
ープ、コンピュターテープ、フロッピーディスク等の磁
気記録媒体用バインダーとして有用である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表2 *の説明】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長鎖ポリオール、一部または全部が第三級
    窒素原子を含む鎖延長剤、有機ジイソシアネートから形
    成されるポリウレタン樹脂を製造し、さらに該ポリウレ
    タン樹脂中の第三級窒素原子の一部または全部が、下記
    一般式(I)で示されるスルホン酸エステル化合物で四
    級化されることを特徴とする用いることを特徴とする磁
    気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法。 R−SO3−R’ (I) (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基またはアリー
    ル基、R’は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】該スルホン酸エステル化合物がメタンスル
    ホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル、p−トルエ
    ンスルホン酸メチルから選択されることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダ
    の製造方法
JP05749392A 1992-02-10 1992-02-10 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法 Expired - Fee Related JP3189253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05749392A JP3189253B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05749392A JP3189253B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06340845A JPH06340845A (ja) 1994-12-13
JP3189253B2 true JP3189253B2 (ja) 2001-07-16

Family

ID=13057257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05749392A Expired - Fee Related JP3189253B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3189253B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102275515B1 (ko) 2018-11-27 2021-07-12 황인권 장애인 의사소통기

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3578550B2 (ja) * 1996-04-09 2004-10-20 日本ポリウレタン工業株式会社 高導電性ポリウレタン樹脂塗料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102275515B1 (ko) 2018-11-27 2021-07-12 황인권 장애인 의사소통기

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06340845A (ja) 1994-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5874502A (en) Carboxylic acid functional polyurethane polymers and blends thereof used in magnetic recording media
US5124424A (en) Polyurethane resin binder for magnetic recording mediums comprising a polycarbonate polyol
JPS6346887B2 (ja)
JPH04353513A (ja) 複素環式チオン機能ポリウレタン重合体及び磁気録音媒質としてのその使用
JP2630467B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JPS5860430A (ja) 磁気記録媒体
JP3189253B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JPH0253219A (ja) バインダーおよび磁気記録材料
JP2603547B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JP2651729B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2660589B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JPH038010B2 (ja)
JPH06340846A (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JPH04298818A (ja) 磁気記録媒体
JPH07110934A (ja) 磁気記録媒体
JP2867734B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2630479B2 (ja) 滋気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JP2864226B2 (ja) バインダーおよび磁気記録媒体
JP2663186B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JPS6310487B2 (ja)
JP3555278B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3038537B2 (ja) バインダーおよび磁気記録媒体
JP3575130B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH058726B2 (ja)
JPH02192013A (ja) バインダーおよび磁気記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees