JP3038537B2 - バインダーおよび磁気記録媒体 - Google Patents

バインダーおよび磁気記録媒体

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JP3038537B2
JP3038537B2 JP8113100A JP11310096A JP3038537B2 JP 3038537 B2 JP3038537 B2 JP 3038537B2 JP 8113100 A JP8113100 A JP 8113100A JP 11310096 A JP11310096 A JP 11310096A JP 3038537 B2 JP3038537 B2 JP 3038537B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
カ−ド、磁気ディスク等の磁気記録媒体の製造に用いら
れるバインダーおよびそのバインダーを用いた磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気記録媒体用のバインダーと
しては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロ
セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体等が用い
られている。ところが近年、磁気記録媒体の高性能化に
伴い、磁性粉の微粒子化や高磁力化が図られ、上述のよ
うな従来のバインダーでは十分な分散性、表面平滑性、
耐久性等が得られてない。この問題を改善することを目
的として、例えば特開昭63−261522号公報には
特定の極性基を有する重合体(例えばカルボン酸ジエチ
ルヘキシルアンモニウム塩基を含有するポリウレタン樹
脂など)をバインダー成分として用いた磁気記録媒体が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されているポリウレタン樹脂は、その極性基の
効果により極性基を有しないものに比べて磁性粉の分散
性は向上しているものの、磁性塗料にした時の粘度が高
く、作業性において十分に満足すべきものではなかっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、磁性塗料
粘度が低く、塗工性の優れた磁気記録媒体を提供するバ
インダーについて鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、分子側鎖中に下記式(1) −COO-・N+CH3(C253 (1) で示される第4級アンモニウム・カルボン酸塩基(a−
1)および/または下記式(2) −SO3 -・N+CH3(C253 (2) で示される第4級アンモニウム・スルホン酸塩基(a−
2)を有し、かつ分子末端に水酸基を有するポリウレタ
ン樹脂(A)からなる磁気記録媒体用バインダー;なら
びに該バインダーを含有してなる磁性層を有する磁気記
録媒体に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリウレタン樹脂
(A)は、例えば分子側鎖にカルボン酸基および/また
はスルホン酸基を有し、かつ分子末端に水酸基を有する
ポリウレタン樹脂(A1)中のカルボン酸基またはスル
ホン酸基に、下式反応式 N(C253+(CH3O)2CO→CH3OCO-・N+
CH3(C253 で得られるメチルトリエチルアンモニウム・モノメチル
炭酸塩(B)を反応させる方法で製造することができ
る。あるいは、予めカルボン酸基またはスルホン酸基を
含有するポリオール(イ)と、メチルトリエチルアンモ
ニウム・モノメチル炭酸塩(B)との反応で第4級アン
モニウム・カルボン酸塩基またはスルホン酸塩基を有す
るポリオール(ロ)を製造し、その後、他のポリオール
および有機ポリイソシアネートと反応させる方法でも製
造することができる。
【0006】上記(A1)は、カルボン酸基含有ポリオ
ールおよび/またはスルホン酸基含有ポリオールを必須
に含むポリオール成分とポリイソシアネートとを反応さ
せて得られるポリウレタン樹脂である。カルボン酸基含
有ポリオールとしては、例えばα,α−ジメチロールア
ルカン(炭素数1〜8)酸(ジメチロール酢酸、ジメチ
ロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロ
ール酪酸など)、4,4−ビス(ヒドロキシフェニル)
酪酸、4,4−ビス(ヒドロキシフェニル)吉草酸およ
びこれらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド等)付加物もしくはラクトン
(カプロラクトン、バレロラクトン等)付加物が挙げら
れる。これらのうち好ましいものはα,α−ジメチロー
ルアルカン(炭素数1〜8)酸であり、特に好ましいも
のはジメチロールプロピオン酸およびジメチロールブタ
ン酸である。また、スルホン酸基含有ポリオールとして
は、例えば5−スルホフタル酸グリコールジエチルエス
テル、ビスヒドロキシアミノエタンスルホン酸、これら
のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド等)付加物もしくはラクトン(カプロラ
クトン、バレロラクトン等)付加物およびこれらと多価
カルボン酸(アジピン酸、フタル酸等)との重縮合反応
によって得られるスルホン酸基含有ポリエステルポリオ
ールが挙げられる。これらのうち特に好ましいものは5
−スルホフタル酸グリコールジエチルエステルである。
【0007】(A1)を構成するポリオール成分として
上記カルボン酸基含有ポリオールおよび/またはスルホ
ン酸基含有ポリオールと共に必要により他の高分子ポリ
オール(分子量が通常500〜5,000、好ましくは
500〜4,500)および/または低分子ポリオール
(分子量が通常500未満、好ましくは60〜450)
を用いることができる。
【0008】上記高分子ポリオールとしては、ポリエス
テルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール等が挙げられる。
【0009】ポリエステルポリオールとしては、多価ア
ルコール(エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル等)と多価カルボン酸(アジピン酸、フタル酸等)と
の重縮合反応により得られるポリエステルポリオール、
多価アルコール(エチレングリコール、トリメチロール
プロパン等)を開始剤としてラクトンの開環重合により
得られるポリラクトン系のポリオール等が挙げられる。
【0010】ポリエーテルポリオールとしては、例えば
炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等)
の単独重合体および共重合体(ブロックまたはランダ
ム)が挙げられる。
【0011】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えば1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネート
あるいはジフェニルカーボネートとの重縮合反応により
得られるポリヘキサメチレンカーボネートポリオールが
挙げられる。
【0012】また、低分子ポリオールとしては、アルキ
レングリコール類(エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタメチレンジオール、1,10−デカ
ンジオール等);環状基を有する低分子ジオール類{シ
クロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等
のグリコール類、および特公昭45−1474号記載の
もの[ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、キシ
リレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフ
ェニルプロパン(ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物)等〕};およびこれらの2種以上の混合物等が
挙げられる。また、必要によりトリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスト
ール等の3価以上の多価アルコールを併用してもよい。
【0013】(A1)を構成する有機ポリイソシアネー
トとしては、芳香族ジイソシアネート[1,3−または
1,4−フェニレンジイソシアネート(PDI)、2,
4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TD
I)、4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)等];脂肪族ジイソシアネー
ト[ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)
等];脂環式ジイソシアネート[イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート(水添MDI)等];ポリイソシアネート変性
体(ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体、
イソホロンジイソシアネートの三量化物等);およびこ
れらの2種以上の混合物等が挙げれる。これらのうち好
ましいものはTDI、MDIおよびIPDIである。
【0014】(A1)の製造において、ポリオールと有
機ポリイソシアネートとを反応させるに際し、ポリオー
ルと有機ポリイソシアネートの当量比は通常1.01〜
1.5、好ましくは、1.01〜1.2である。当量比
が1.5を越えると得られるポリウレタン樹脂の分子量
が低くなり、樹脂強度、耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐
加水分解性等が低下する。また、当量比が1.01未満
では、得れるポリウレタンが高分子量になり、磁性塗料
にしたときの粘度が高く、作業性が悪くなる。
【0015】上記反応はイソシアネート基に対して不活
性な溶媒の存在下で行なうことができる。この溶媒とし
てはエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エ
ーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイドロフラン
等)、ケトン系溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等)、芳香族炭化水素
系溶媒(トルエン、キシレン等)およびこれらの2種以
上の混合溶媒等が挙げられる。
【0016】ウレタン化の反応方法としては公知の方法
を用いることができ、たとえばポリオールと有機ポリ
イソシアネートとを一括して反応容器に仕込み反応させ
る方法、活性水素基含有化合物と有機ポリイソシアネ
ートとを分割して多段反応をさせる方法、あらかじめ
混合したポリオールと有機ポリイソシアネートを加熱さ
れた多軸押出し機中を通過させ反応させる方法等が挙げ
られる。反応温度は通常30〜180℃、好ましくは6
0〜120℃である。反応においては、反応を促進させ
るため通常のウレタン反応において用いられる触媒を用
いてもよい。該触媒としては、錫系触媒(トリメチルチ
ンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチ
ルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレート、スタ
ナスオクトエート等)、鉛系触媒(レッドオレート、レ
ッド2−エチルヘキソエート等)等が挙げられる。
【0017】本発明における(A)は、(A1)中のカ
ルボン酸基および/またはスルホン酸基とメチルアンモ
ニウム・モノメチル炭酸塩(B)とを反応させて得られ
る。反応温度は通常0〜100℃である。この反応は、
溶媒の存在下または非存在下で行い、アニオンの交換で
発生する炭酸ガスを反応系から適宜除くことにより完結
する。
【0018】上記反応で用いられるメチルトリエチルア
ンモニウム・モノメチル炭酸塩(B)は、例えばトリエ
チルアミンと炭酸ジメチルエステルとを反応させる方法
で製造することができる。
【0019】メチルトリエチルアンモニウム・モノメチ
ル炭酸塩(B)の製造におけるトリエチルアミンと炭酸
ジメチルエステルとのモル比は、通常1:(0.3〜
4)、好ましくは1:(0.5〜2)、さらに好ましく
は1:(1〜1.5)、特に好ましくは1:(1〜1.
1)である。必要により反応溶媒[メタノール、エタノ
ールなど]を使用しても良い。反応温度は通常30〜1
50℃、好ましくは50〜100℃である。
【0020】(A)の製造における、メチルトリエチル
アンモニウム・モノメチル炭酸塩(B)と(A1)中の
カルボン酸基および/またはスルホン酸基とのモル比
は、通常(0.001〜1):1、好ましくは(0.01
〜1):1、さらに好ましくは(0.05〜1):1、
特に好ましくは(0.1〜1):1である。
【0021】(A)中の第4級アンモニウム・カルボン
酸塩基(a−1)および/または第4級アンモニウム・
スルホン酸塩基(a−2)の含有量は、(A)106
中、通常1〜1,000当量、好ましくは5〜800当
量、さらに好ましくは20〜600当量である。(a−
1)および/または(a−2)の含有量が1当量未満で
は磁性粉に対する分散性が低下し、1,000当量を超
えると磁性塗料としたときの粘度が高くなり作業性が悪
くなる。
【0022】(A)の水酸基1個当たりの分子量は、通
常1,000〜50,000、好ましくは2,000〜
50,000である。水酸基1個当たりの分子量が1,
000未満では、樹脂物性が低下し、耐久性のある磁気
記録媒体が得られない。一方、水酸基1個当たりの数平
均分子量が50,000以上の場合、磁性塗料の粘度が
高くなる。
【0023】本発明における(A)のガラス転移点は、
通常−50℃〜120℃、好ましくは0〜120℃であ
る。カラス転移点が−50℃未満では樹脂強度が低下
し、120℃を越えると樹脂が脆くなり実用性に乏しく
なる。
【0024】本発明のバインダーに用いられるポリウレ
タン樹脂(A)は、必要により他の樹脂と併用しても良
い。該他の樹脂としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアコール共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸
エステル・アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジ
エン等の合成ゴム系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0025】これらの他の樹脂は、樹脂中に極性基とし
てカルボキシル基、スルホン酸金属塩基、スルホベタイ
ン、燐酸エステル基、アミノ基、第四級アンモニウム塩
基、水酸基等の官能基を含有していても良い。
【0026】本発明の磁気記録媒体は、本発明のバイン
ダー、磁性粉、溶剤および添加剤を混合・分散し、得ら
れる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成
させることにより得られる。また、本発明の磁気記録媒
体用バインダーは、磁性層とは反対側のバックコート層
用のバインダーとしても使用することができる。
【0027】本発明の磁気記録媒体に使用される磁性粉
としては、酸化鉄〔γ−Fe23(γ−ヘマタイト)
等〕、CrO3(三酸化クロム)、合金系の磁性体〔C
o−γ−Fe23(コバルトフェライト、コバルトドー
プγ−酸化鉄等)、Fe−Co−Cr等〕、バリウムフ
ェライト、純鉄Fe(メタルパウダー)、炭化鉄、窒化
鉄等が挙げられる。
【0028】さらに上記磁性層には、バインダーおよび
磁性粉の他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯
電防止剤、防錆剤、架橋剤等が加えられてもよい。
【0029】分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸
等);金属石鹸[前記の脂肪酸のアルカリ金属(カリウ
ム、ナトリウム等)およびアルカリ土類金属(マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム等)]等が挙げられる。
【0030】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシ
ロキサン、フロロアルキルポリシロキサン、シリコンオ
イル、導電性微粉末(グラファイト等)、無機粉末(二
硫化モリブデン、二硫化タングステン等)、プラスチッ
ク微粉末、脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が
挙げられる。
【0031】研磨剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモン
ド、人造ダイヤモンド等が挙げられる。
【0032】帯電防止剤としては、導電性粉末(カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等)、
天然界面活性剤(サポニン等)、ノニオン型界面界面活
性剤(アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系等)、カチオン型活性剤(高級アルキルアミン
類、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環
類、ホスホニウム類等)、アニオン型界面活性剤(カル
ボン酸型、スルホン酸型、リン酸型、硫酸エステル基
型、燐酸エステル基型等)、両性活性剤(アミノ酸類、
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐
酸エステル類等)等が挙げられる。
【0033】防錆剤としては、燐酸、スルフィド、グア
ニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、
カルシウムクロメート、ストロンチウムクロメート等が
挙げられる。また、特にジシクロヘキシルアミンナイト
ライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロ
ピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェ
ート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、プロ
ピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネー
ト、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリン
ステアレート等の気化性防錆剤(アミン、アミドまたは
イミドの無機酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆効
果が向上する。
【0034】また、磁気記録媒体の磁性層の強度の向上
を目的として磁性塗料中に架橋剤としてポリイソシアネ
ートを配合することができる。
【0035】好ましいポリイソシアネートとしては、た
とえば変性MDI[例えば、「ミリオネートME」(保
土ヶ谷化学製);3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジ
イソシアネート]およびポリイソシアネート(TDI,
MDI等)と活性水素化合物(低分子ポリオール、ポリ
アミン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール等)とからのNCO基末端プレポリマー[例えば、
「デスモジュールL」(バイエル製)、「コロネートH
L」(日本ポリウレタン工業製)など]が挙げられる。
【0036】バインダーと架橋剤の配合割合は特に限定
されていないが、バインダー100重量部に対して架橋
剤が通常3〜80重量部である。また、架橋反応を促進
させるため、前述のポリウレタン樹脂を製造する際に用
いたものと同様の触媒を適宜配合してもよい。
【0037】磁性塗料に用いられる溶媒としては、エス
テル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系
溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン系
溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルルケトン等)、芳香族炭化水素溶媒(トルエ
ン、キシレン等);およびこれらの2種以上の混合溶媒
が挙げられる。これらのうち好ましいものはケトン系溶
媒と芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒である。この場
合、上記溶媒の使用量は、磁性塗料中の固形分含量が通
常20〜80重量%となる範囲である。
【0038】磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の素
材としては、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等);ポリ
オレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン等);セ
ルロース誘導体(セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート、セルロースダイアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート等);ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等);その他のプラスチック(ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等);非磁性
金属類(アルミニウム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを
含む非磁性合金等);セラミック類(ガラス、陶器、磁
器等);オレフィン類(バライタ、ポリエチレン、エチ
レン−ブテン共重合体等)を塗布またはラミネートした
紙等が挙げられる。また、非磁性支持体の形態はフイル
ム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等のい
ずれでもよい。非磁性支持体上に塗布する磁性層の厚さ
は、乾燥膜厚で通常0.1〜50μmである。
【0039】磁気記録媒体(磁気テープ等)を製造する
方法としては、たとえばバインダー、磁性粉、溶媒およ
び必要により添加剤を予めプレミキサー等で混合したの
ち、混合分散機(ボールミル、ペイントコンディショナ
ー、サンドグラインダー、サンドミル、プラストミル
等)で磁性粉を分散させて磁性塗料を作成し、つぎにこ
の磁性塗料を、ドクターブレード法、転写印刷法(グラ
ビア法、リバースロール法等)の方法により非磁性支持
体に塗布後、配向、乾燥、表面加工、切断、巻取り等の
工程を経て磁気記録媒体とする方法が例示できる。
【0040】磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層
(磁性粉およびバインダー等)からなるものが一般的で
あるが、非磁性支持体と磁性層の間に中間層(下塗層、
アンダーコート層)を設けたもの、非磁性支持体の両面
に磁性層を有するもの、磁気特性の異なる磁性層を重積
したもの、磁性層の上に保護層を設けたもの、非磁性支
持体にバックコート層を設けたもの等であってもよい。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下において、部は重量部、%は重量%を示す。
【0042】製造例1[メチルトリエチルアンモニウム
・モノメチル炭酸塩(B)の製造] 攪拌式オートクレーブにトリエチルアミン1モル、炭酸
ジメチル1モルおよび溶媒としてメタノール2モルを仕
込み、反応温度110℃にて12時間反応させた後、5
0℃、減圧下でメタノールを留去して、メチルトリエチ
ルアンモニウム・モノメチル炭酸塩(B)を得た。
【0043】実施例1 攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガ
ス導入管を付した4つ口コルベンに、分子量2,000
のポリカプロラクトンジオール1モル、ネオペンチルグ
リコール4モル、ジメチロールプロピオン酸0.1モ
ル、1,4−ブタンジオール1モルおよびMDI6モル
を仕込み約70℃で反応させた。上記反応物の粘度が上
昇してきたら、MEK/シクロヘキサノン混合物(重量
比1:1)を加え、固形分30%のカルボン酸基含有ポ
リウレタン樹脂溶液を得た。該溶液に、製造例1で得た
メチルトリエチルアンモニウム・モノメチル炭酸塩
(B)0.1モルを添加し、副生する炭酸ガスを除くこ
とによって第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有す
るポリウレタン樹脂溶液(A−1)を得た。該(A−
1)の粘度(B型粘度計:25℃で測定)は1,500
cps、固形分濃度は30%、GPC法による数平均分
子量(ポリスチレン換算)は2万であった。また、第4
級アンモニウム・カルボン酸塩基含有量は、樹脂106
g当たり25当量、水酸基1個当たりの数平均分子量は
1万であった。得られたポリウレタン樹脂溶液(A−
1)をバインダーとして用い、下記組成の混合物をボー
ルミルで70時間分散し、濾過、脱泡を行い、磁性塗料
(C−1)を得た。 CoーγーFe23微粉末 100部 ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 10部(固形分換算
値) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部 スレアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 75部 トルエン 75部 得られた磁性塗料に硬化剤[「コロネートL」(日本ポ
リウレタン工業製)、トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート3モル付加物]を5部添加し、30
分間混合した。この磁性塗料をポリエステルフィルムに
塗布し(乾燥膜厚5μ)、1000Oeの磁場をかけ、
配向させ、テープを得た。更に、このテープをカレンダ
ーロールで処理し、磁気テープ(D−1)を得た。
【0044】実施例2 攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガ
ス導入管を付した4つ口コルベンに、分子量1,000
のポリエステルジオール(アジピン酸と1,4−ブタン
ジオールからの重縮合物)1モル、ネオペンチルグリコ
ール4モル、5−スルホフタル酸グリコールジエチルエ
ステル0.2モル、1,4−ブタンジオール1モルおよ
びMDI6モルを仕込み約70℃で反応させた。上記反
応物の粘度が上昇してきたら、MEK/シクロヘキサノ
ン混合物(重量比1:1)を加え、固形分30%のスル
ホン酸基含有ポリウレタン樹脂溶液を得た。該溶液に、
製造例1で得たメチルトリエチルアンモニウム・モノメ
チル炭酸塩(B)0.2モルを添加し、副生する炭酸ガ
スを除くことによって第4級アンモニウム・スルホン酸
塩基を有するポリウレタン樹脂溶液(A−2)を得た。
該(A−2)の粘度(B型粘度計:25℃で測定)は
1,000cps、固形分濃度は30%、GPC法によ
る数平均分子量(ポリスチレン換算)は1.5万であっ
た。また、第4級アンモニウム・スルホン酸塩基含有量
は、樹脂106g当たり109当量、水酸基1個当たり
の数平均分子量は7,500であった。このポリウレタ
ン樹脂溶液(A−2)を、製造例1における(A−1)
に代えて同量(樹脂分)用いた以外は製造例1と同様に
して磁性塗料(C−2)および磁気テープ(D−2)を
得た。
【0045】比較例1 攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガ
ス導入管を付した4つ口コルベンに、分子量2,000
のポリカプロラクトンジオール1モル、ネオペンチルグ
リコール4モル、ジメチロールプロピオン酸0.1モ
ル、1,4−ブタンジオール1モルおよびMDI6.2
モルを仕込み約70℃で反応させた。上記反応物の粘度
が上昇してきたら、MEK/シクロヘキサノン混合物
(重量比1:1)を加えたのち、わずかに残っているイ
ソシアネート基をメタノール0.1モルで封鎖した。得
られた固形分30%のカルボン酸基含有ポリウレタン樹
脂溶液に、ジエチルヘキシルアミン0.1モルを添加
し、カルボン酸ジエチルヘキシルアンモニウム塩基を含
有するポリウレタン樹脂溶液(A−3)を得た。該(A
−3)の粘度(B型粘度計:25℃で測定)は1,20
0cps、固形分濃度は30%、GPC法による数平均
分子量(ポリスチレン換算)は1.8万であった。ま
た、カルボン酸ジエチルヘキシルアンモニウム塩基の含
有量は、樹脂106g当たり25当量、水酸基は含まれ
ていなかった。このポリウレタン樹脂(A−3)を、製
造例1における(A−1)に代えて同量(樹脂分)用い
た以外は製造例1と同様にして磁性塗料(C−3)およ
ぼ磁気テープ(D−3)を得た。
【0046】試験例1 実施例1、2および比較例1で得られた磁性塗料の粘度
を測定した。その結果を表1に示す。塗料粘度は、BL
型粘度計[東京計器(株)]を用いて測定した。測定温
度は25℃。数値が小さい程、塗料粘度が低く塗布時の
作業性に優れていることを示す。
【0047】
【表1】
【0048】試験例2 製造例1、2および比較例1で得られた磁気テープの角
形比を測定した。その結果を表2に示す。角形比は、飽
和磁化Bmと残留磁化Brとの比Br/Bmの値で示し
た。角形比は、振動試料型磁力計[理研電子工業(株)
製]を用いて測定した。数値が大きいほど電磁変換特性
が優れていることを示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の磁性塗料用バインダーは、従来
のものに比べて下記の効果を有する。 (1)塗料粘度が低いため、塗布時の作業性に優れてい
る。 (2)磁性粉の分散性がよく、電磁変換特性の優れた磁
気記録媒体が得られる。 (3)非磁性支持体に対する密着性に優れている。 上記効果を奏することから、本発明のバインダーは、た
とえばオーディオ用テープ、ビデオ用テープ、コンピュ
ータ用テープ、データーレコーダ用テープ、ビデオシー
ト、メタルテープ、メタルディスク、磁気カード等の磁
気記録媒体の製造に好適に用いることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子側鎖中に下記式(1) −COO-・N+CH3(C253 (1) で示される第4級アンモニウム・カルボン酸塩基(a−
    1)および/または下記式(2) −SO3 -・N+CH3(C253 (2) で示される第4級アンモニウム・スルホン酸塩基(a−
    2)を有し、かつ分子末端に水酸基を有するポリウレタ
    ン樹脂(A)からなる磁気記録媒体用バインダー。
  2. 【請求項2】 (A)が、分子側鎖にカルボン酸基およ
    び/またはスルホン酸基を含有しかつ分子末端に水酸基
    を含有するポリウレタン樹脂にメチルトリエチルアンモ
    ニウム・モノメチル炭酸塩(B)を反応させてなるポリ
    ウレタン樹脂である請求項1記載のバインダー。
  3. 【請求項3】 (A)の水酸基1個当たりの分子量が1
    000〜50,000である請求項1または2記載のバ
    インダー。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載のバインダー
    を含有してなる磁性層を有する磁気記録媒体。
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