JP3065938B2 - バインダーおよび磁気記録媒体 - Google Patents

バインダーおよび磁気記録媒体

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JP3065938B2
JP3065938B2 JP8131291A JP13129196A JP3065938B2 JP 3065938 B2 JP3065938 B2 JP 3065938B2 JP 8131291 A JP8131291 A JP 8131291A JP 13129196 A JP13129196 A JP 13129196A JP 3065938 B2 JP3065938 B2 JP 3065938B2
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隆志 竹本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
カ−ド、磁気ディスク等の磁気記録媒体の製造に用いら
れるバインダーおよびそのバインダーを用いた磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気記録媒体用のバインダーと
しては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロ
セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体等が用い
られている。ところが近年、磁気記録媒体の高性能化に
伴い、磁性粉の微粒子化や高磁力化が図られ、上述のよ
うな従来のバインダーでは十分な分散性、表面平滑性、
耐久性等が得られていない。この問題を改善することを
目的として、スルホン酸金属塩基を含有するポリエステ
ル樹脂(例えば特公昭57−3134号公報)、スルホ
ン酸金属塩基を含有するポリウレタン樹脂(例えば特公
昭58−41565号公報)等をバインダーとして用い
ることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されているバインダーは、その極性基の効果に
より、極性基を有しないものに比べて磁性粉の分散性は
向上しているものの、磁性塗料にした時の粘度が高く、
作業性において十分に満足すべきものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、磁性塗料
粘度が低く塗工性に優れ、分散性にも優れた磁気記録媒
体用バインダーについて鋭意検討した結果、本発明に到
達した。すなわち本発明は、ポリオールと有機ポリイソ
シアネートとの反応により得られるポリウレタン樹脂
(A−1)を含有してなる磁気記録媒体用バインダーに
おいて、該ポリウレタン樹脂が、該ポリオールの一部ま
たは全部を第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基
(B)含有ポリオールで置き換えることにより得られ、
下記一般式(1)
【0005】
【化7】
【0006】[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖
もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただ
し、R1〜R3のうちのいずれか2個が必要によりOまた
はNを介して複素環を形成していてもよい。)を表し、
4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素
基を表す。]または下記一般式(2)
【0007】
【化8】
【0008】[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖
もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただ
し、R1〜R3のうちのいずれか2個が必要によりOまた
はNを介して複素環を形成していてもよい。)を表し、
4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素
基を表す。]で示される第4級アンモニウム・スルファ
ミン酸塩基(B)を有することを特徴とする磁気記録媒
体用バインダー;ポリエステル樹脂(A−2)を含有し
てなる磁気記録媒体用バインダーにおいて、該ポリエス
テル樹脂が、第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基
(B)含有ポリオールおよび必要により他のグリコール
と多価カルボン酸との重縮合反応により得られ、上記一
般式(1)または上記一般式(2)で示される第4級ア
ンモニウム・スルファミン酸塩基(B)を有することを
特徴とする磁気記録媒体用バインダー;上記一般式
(1)または上記一般式(2)で示される第4級アンモ
ニウム・スルファミン酸塩基(B)を分子側鎖に有する
ポリアクリル樹脂(A−3)および塩化ビニル系共重合
体樹脂(A−4)からなる群より選ばれる少なくとも1
種の樹脂を含有してなる磁気記録媒体用バインダー;並
びに該バインダーを含有してなる磁性層を有する磁気記
録媒体に関するものである。
【0009】本発明におけるポリウレタン樹脂(A−
1)、ポリエステル樹脂(A−2)、ポリアクリル樹脂
(A−3)および塩化ビニル系共重合体樹脂(A−4)
は、単独または2種以上を併用してもよい。以下、これ
らを(A)と総称する。これらの樹脂のうち好ましいも
のは(A−1)および(A−2)であり、特に好ましい
ものは(A−1)である。
【0010】第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基
(B)は、スルファミン酸基に、下記一般式(3)
【0011】
【化9】
【0012】[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖
もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただ
し、R1〜R3の内のいずれか2個が必要によりOまたは
Nを介して複素環を形成していても良い。)を表し、R
4およびR5は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭
化水素基を表す。]で示される第4級アンモニウム・モ
ノアルキル炭酸塩(C)を反応させる方法等で製造する
ことができる。
【0013】(A)中の第4級アンモニウム・スルファ
ミン酸塩基(B)の含有量は、(A)106gに対し
て、通常1〜1,000当量、好ましくは5〜800当
量、さらに好ましくは20〜600当量である。(B)
の含有量が1当量未満では磁性粉に対する分散性が低下
し、1,000当量を超えると磁性塗料としたときの粘
度が高くなり作業性が悪くなる。
【0014】(A)のうちのポリウレタン樹脂(A−
1)としては、ポリオールと有機ポリイソシアネートと
の反応により得られるポリウレタン樹脂において、該ポ
リオールの一部または全部を第4級アンモニウム・スル
ファミン酸塩基含有ポリオールで置き換えることにより
樹脂中に第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基を導
入したものが使用される。第4級アンモニウム・スルフ
ァミン酸塩基含有ポリオールとしては、1級または2級
アミノ基含有ポリオール[2−アミノ−1,3−プロパ
ンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、
2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、
ジエタノールアミンまたはこれらの化合物のアルキレン
オキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)付加物等]とピリジン・三
酸化イオウ錯体等との反応で得られたスルファミン酸基
含有ポリオールをさらに第4級アンモニウム・モノアル
キル炭酸塩(C)で4級化することによって得られたも
の、あるいはスルファミン酸を第4級アンモニウム・モ
ノアルキル炭酸塩(C)で4級化した後、さらにアルキ
レンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド等)を付加させたもの等が
挙げられる。
【0015】該第4級アンモニウム・スルファミン酸塩
基含有ポリオールの合成方法としては、たとえば上記ア
ミノ基含有ポリオールに、水溶液中、温度約0〜40℃
でピリジン・三酸化イオウ錯体を反応させのち、反応生
成物をエタノール、アセトン等で再結晶等の方法により
精製して得られたスルファミン酸基含有ポリオールを室
温で第4級アンモニウム・モノアルキル炭酸塩(C)で
4級化させて得る方法が例示できる。また、該第4級ア
ンモニウム・スルファミン酸塩基含有ポリオールにさら
にアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド等)を付加させて
もよい。
【0016】本発明における(A−1)の製造において
は、ポリオール成分の一部として使用する第4級アンモ
ニウム・スルファミン酸塩基含有ポリオールとしては、
上記のもの以外に、第4級アンモニウム・スルファミン
酸塩基含有ポリエステルポリオールをポリオール成分の
一部として使用することもできる。該第4級アンモニウ
ム・スルファミン酸塩基含有ポリエステルポリオール
は、たとえば上記の第4級アンモニウム・スルファミン
酸塩基含有ポリオールおよび必要により公知の他のグリ
コールと多価カルボン酸との重縮合反応によって得られ
る。
【0017】上記重縮合反応時に用いられる他のグリコ
ールとしては、アルキレングリコール類(エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,10−デカンジオール等);環状基を有する
低分子ジオール類{シクロヘキサンジオール、シクロヘ
キサンジメタノール等のグリコール類、および特公昭4
5−1474号記載のもの[ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、キシリレングリコール、ビス(ヒドロ
キシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシ
エトキシ)−ジフェニルプロパン(ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物)等〕};およびこれらの2
種以上の混合物等が挙げられる。また、必要によりトリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリストール等の3価以上の多価アルコール
を併用しても良い。
【0018】多価カルボン酸としては、芳香族ジカルボ
ン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,5
−ナフタル酸等);芳香族オキシカルボン酸[p−オキ
シ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等];脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジカル
ボン酸等);3価以上のカルボン酸(トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸等)等;およびこれら2
種以上の混合物等が挙げられる。
【0019】(A−1)は、上記第4級アンモニウム・
スルファミン酸塩基含有ポリオールまたは第4級アンモ
ニウム・スルファミン酸塩基含有ポリエステルポリオー
ルを必須に含有し、必要により他の高分子ポリオール
(数平均分子量が通常500〜5,000、好ましくは
500〜4,500)および/または低分子ポリオール
(分子量が通常500未満、好ましくは60〜450)
からなるポリオール成分と有機ポリイソシアネートとを
公知の方法で反応させることにより得ることができる。
【0020】上記他の高分子ポリオールとしては、ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール等が挙げられる。
【0021】ポリエステルポリオールとしては、多価ア
ルコール(エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル等)と多価カルボン酸(アジピン酸、フタル酸等)と
の重縮合反応から得られる縮合ポリエステルポリオー
ル、多価アルコール(エチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン等)を開始剤としてラクトンの開環重合に
より得られるポリラクトン系のポリオール等が挙げられ
る。
【0022】ポリエーテルポリオールとしては、ポリエ
チレンエーテルポリオール、ポリプロピレンエーテルポ
リオール、ポリテトラメチレンエーテルおよびこれらの
共重合(ランダムまたはブロック)ポリエーテルポリオ
ール等が挙げられる。
【0023】ポリカーボネートポリオールとしては、
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートある
いはジフェニルカーボネートとの重縮合反応により得ら
れるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0024】低分子ポリオールとしては、アルキレング
リコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,8−オクタメチレンジオール、1,10−デカンジ
オール等);環状基を有する低分子ジオール類{シクロ
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のグ
リコール類、および特公昭45−1474号記載のもの
[ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、キシリレ
ングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフェニ
ルプロパン(ビスフェノールAのエチレンオキシド付加
物)等〕};およびこれらの2種以上の混合物等が挙げ
られる。また、必要によりトリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリストール
等の3価以上の多価アルコールを併用しても良い。
【0025】有機ポリイソシアネートとしては、芳香族
ジイソシアネート[1,3−または1,4−フェニレン
ジイソシアネート(PDI)、2,4−または2,6−
トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−また
は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)等];脂肪族ジイソシアネート[ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート(TMXDI)等];脂環式ジイソシア
ネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)
等];ポリイソシアネート変性体(ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのビュレット体、イソホロンジイソシアネ
ートの三量化物等);およびこれらの2種以上の混合物
等が挙げれる。
【0026】(A−1)の製造において、ポリオールと
有機ポリイソシアネートとを反応させるに際し、ポリオ
ールと有機ポリイソシアネートの当量比は通常0.6〜
1.5、好ましくは、0.8〜1.2である。当量比が
0.6未満または1.5を越えると得られるポリウレタ
ン樹脂の分子量が低くなり、樹脂強度、耐摩耗性、耐ス
クラッチ性、耐加水分解性等が低下する。
【0027】上記反応は、必要によりイソシアネート基
に対して不活性な溶媒の存在下で行なうことができる。
この溶媒としてはエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブ
チル等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイド
ロフラン等)、ケトン系溶媒(シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、芳香族
炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン等)およびこれら
の2種以上の混合溶媒等が挙げられる。
【0028】ウレタン化の反応方法としては公知の方法
を用いることができ、たとえばポリオールと有機ポリ
イソシアネートとを一括して反応容器に仕込み反応させ
る方法;ポリオールと有機ポリイソシアネートとを分
割して多段反応をさせる方法;あらかじめ混合したポ
リオールと有機ポリイソシアネートを加熱された多軸押
出し機中を通過させ反応させる方法等が挙げられる。ウ
レタン化の反応温度は通常30〜180℃、好ましくは
60〜120℃である。反応においては、反応を促進さ
せるため通常のウレタン反応において用いられる触媒を
用いてもよい。該触媒としては、錫系触媒(トリメチル
チンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメ
チルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレート、ス
タナスオクトエート等)、鉛系触媒(レッドオレート、
レッド2−エチルヘキソエート等)等が挙げられる。
【0029】(A−1)の数平均分子量は、通常3,0
00〜200,000、好ましくは5,000〜10
0,000である。数平均分子量が3,000未満で
は、樹脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、2
00,000を超えると塗料としたときの粘度が高くな
り、磁性粉の分散性が悪くなる。
【0030】(A)のうちのポリエステル樹脂(A−
2)としては、たとえば前述の第4級アンモニウム・ス
ルファミン酸塩基含有ポリオールおよび必要により他の
グリコールと、多価カルボン酸との重縮合反応によって
得られるものが挙げられる。
【0031】上記の他のグリコールとしては、アルキレ
ングリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタメチレンジオール、1,10−デカ
ンジオール等);環状基を有する低分子ジオール類{シ
クロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等
のグリコール類、および特公昭45−1474号記載の
もの[ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、キシ
リレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフ
ェニルプロパン(ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物)等〕};およびこれらの2種以上の混合物等が
挙げられる。また、必要によりトリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスト
ール等の3価以上の多価アルコールを併用しても良い。
【0032】多価カルボン酸としては、芳香族ジカルボ
ン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,5
−ナフタル酸等);芳香族オキシカルボン酸[P−オキ
シ安息香酸、P−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等];脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジカル
ボン酸等);3価以上のカルボン酸(トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸等)等;およびこれら2
種以上の混合物等が挙げられる。
【0033】(A−2)を合成する方法としては、公知
の方法を用いることができ、たとえば上記グリコール成
分と多価カルボン酸成分とを、温度約140〜230℃
で重縮合した後、更に0.5〜1.0mmHgの真空下
で温度約150〜230℃で重縮合反応を完遂させる方
法が例示できる。
【0034】該(A−2)の数平均分子量は、通常3,
000〜200,000、好ましくは5,000〜10
0,000である。数平均分子量が3,000未満で
は、樹脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、2
00,000を超えると塗料としたときの粘度が高くな
り、磁性粉の分散性が悪くなる。
【0035】(A)のうちのポリアクリル樹脂(A−
3)としては、たとえば(メタ)アクリル酸エステル類
と共重合可能な第4級アンモニウム・スルファミン酸塩
基を含有するモノマーを必須構成成分に用い、ラジカル
共重合させたものが挙げられる。
【0036】(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可
能な第4級アンモニム・スルファミン酸塩基含有モノマ
ーとしては、たとえばアミノ基を有するビニルモノマー
(アリルアミン、N−アリルアニリン等)とピリジン・
三酸化イオウ錯体等との反応で得られたスルファミン酸
基含有モノマーをさらに第4級アンモニウム・モノアル
キル炭酸塩(C)で4級化して得られる。
【0037】上記第4級アンモニウム・スルファミン酸
塩基含有モノマーの合成方法としては、たとえば上記ア
ミノ基含有ビニルモノマーを水溶液中、温度約0〜40
℃でピリジン−三酸化イオウ錯体を反応させたのち、さ
らに室温で第4級アンモニウム・モノアルキル炭酸塩
(C)で4級化して得る方法が例示できる。
【0038】(メタ)アクリル酸エステル類としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メア)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ(メタ)プロピルアクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート等;およびこれら2種
以上の混合物が使用できる。また、必要により(メア)
アクリル酸エステル類以外のモノマー[スチレン、マレ
イン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、メタク
リル酸、フマール酸、ジブチルフマレート等]を併用す
ることできる。
【0039】(A−3)を合成する方法としては、公知
の方法を用いることができ、たとえば上記モノマーの1
種または2種以上と第4級アンモニウム・スルファミン
酸塩基含有モノマーとを有機溶媒中過酸化ベンゾイル等
の重合開始剤を用いて共重合を行う方法が例示できる。
【0040】該(A−3)の数平均分子量は、通常3,
000〜200,000、好ましくは5,000〜10
0,000である。数平均分子量が3,000未満で
は、樹脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、2
00,000を超えると塗料としたときの粘度が高くな
り、磁性粉の分散性が悪くなる。
【0041】(A)のうちの塩化ビニル系共重合体樹脂
(A−4)としては、たとえば塩化ビニルと前述の第4
級アンモニウム・スルファミン酸塩基を有するモノマー
とを必須構成成分に用い必要により他の共重合モノマー
を共重合させたものが挙げられる。
【0042】他の共重合可能なモノマーとしては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、(無水)マレイン酸、(メタ)アクリル
酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシリル
(メタ)アクリレート等;およびこれら2種以上の混合
物が挙げられる。
【0043】(A−4)を合成する方法としては、公知
の方法を用いることができ、たとえば上記モノマーの1
種または2種以上と第4級アンモニウム・スルファミン
酸塩基含有モノマーとを有機溶媒中過酸化ベンゾイル等
の重合開始剤を用いて共重合を行う方法が例示できる。
【0044】該(A−4)の数平均分子量は、通常3,
000〜200,000、好ましくは5,000〜10
0,000である。数平均分子量が3,000未満で
は、樹脂物性が低下し、磁気テープの耐久性が劣り、2
00,000を超えると塗料としたときの粘度が高くな
り、磁性粉の分散性が悪くなる。
【0045】本発明における第4級アンモニウム・モノ
アルキル炭酸塩(C)は、第3級アミンと炭酸ジアルキ
ル(炭素数1〜8)エステルとを反応させる方法等で簡
便に製造することができる。
【0046】第4級アンモニウム・モノアルキル炭酸塩
(C)の製造に使用する第3級アミンとしては、脂肪族
アミン類{トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ
−n−オクチルアミン、ジエチル−1−プロピルアミン
等};脂環式アミン類{N−メチルピロリジン、N−エ
チルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピ
ペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−エチ
ルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、N−
ブチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、
N,N’−ジエチルピペラジン、1,5−ジアザビシク
ロ[4,3,0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデセン−7、ピリジン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、ピコリン類、1−メチルイミダゾー
ル、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル
−2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾ
リン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−
ジメチル−2−エチルイミダゾリン等};およびこれら
の2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちで好ま
しいものは、脂肪族アミンのうちのトリメチルアミンお
よびトリエチルアミン;ならびに脂環式アミン類のうち
の1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7
および1,2,4−トリメチルイミダゾリンである。
【0047】第4級アンモニウム・モノアルキル炭酸塩
(C)の製造に使用する炭酸ジアルキル(炭素数1〜
8)エステルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、
炭酸エチルメチル、炭酸ジプロピル等が挙げられるが、
好ましいものは炭酸ジメチルである。
【0048】第4級アンモニウム・モノアルキル炭酸塩
(C)の製造における第3級アミンと炭酸ジアルキル
(炭素数1〜8)エステルとのモル比は、通常1:
(0.3〜4)、好ましくは1:(0.5〜2)、さらに
好ましくは1:(1〜1.5)、特に好ましくは1:
(1〜1.1)である。必要により反応溶媒[メタノー
ル、エタノールなど]を使用しても良い。反応温度は通
常30〜150℃、好ましくは50〜100℃である。
【0049】本発明の磁気記録媒体用バインダーは第4
級アンモニウム・スルファミン酸塩基を有する樹脂
(A)の他に、必要により他の樹脂と併用しても良い。
該他の樹脂としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸
エステル・アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジ
エン等の合成ゴム系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0050】これらの他の樹脂は、樹脂中に極性基とし
てカルボキシル基、スルホン酸金属塩基、スルホベタイ
ン、燐酸エステル基、アミノ基、第4級アンモニウム塩
基、水酸基等の官能基を含有していても良い。
【0051】本発明の磁気記録媒体は、本発明のバイン
ダー、磁性粉、溶剤および添加剤を混合・分散し、得ら
れる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成
させることにより得られる。また、本発明のバインダー
は、磁性層とは反対側のバックコート層用のバインダー
としても使用することができる。
【0052】本発明の磁気記録媒体に使用される磁性粉
としては、酸化鉄〔γ−Fe23(γ−ヘマタイト)
等〕、CrO3(三酸化クロム)、合金系の磁性体〔C
o−γ−Fe23(コバルトフェライト、コバルトドー
プγ−酸化鉄等)、Fe−Co−Cr等〕、バリウムフ
ェライト、純鉄Fe(メタルパウダー)、炭化鉄、窒化
鉄等が挙げられる。
【0053】さらに上記磁性層には、バインダーおよび
磁性粉の他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯
電防止剤、防錆剤、架橋剤等が加えられてもよい。
【0054】分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸
等);金属石鹸[前記の脂肪酸のアルカリ金属(カリウ
ム、ナトリウム等)塩およびアルカリ土類金属(マグネ
シウム、カルシウム、バリウム等)塩]等が挙げられ
る。
【0055】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシ
ロキサン、フロロアルキルポリシロキサン、シリコンオ
イル、導電性微粉末(グラファイト等)、無機粉末(二
硫化モリブデン、二硫化タングステン等)、プラスチッ
ク微粉末、脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が
挙げられる。
【0056】研磨剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモン
ド、人造ダイヤモンド等が挙げられる。
【0057】帯電防止剤としては、導電性粉末(カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等)、
天然界面活性剤(サポニン等)、ノニオン型界面界面活
性剤(アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系等)、カチオン型活性剤(高級アルキルアミン
類、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環
類、ホスホニウム類等)、アニオン型界面活性剤(カル
ボン酸型、スルホン酸型、リン酸型、硫酸エステル基
型、燐酸エステル基型等)、両性活性剤(アミノ酸類、
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐
酸エステル類等)等が挙げられる。
【0058】防錆剤としては、燐酸、スルフィド、グア
ニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、
カルシウムクロメート、ストロンチウムクロメート等が
挙げられる。また、特にジシクロヘキシルアミンナイト
ライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロ
ピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェ
ート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、プロ
ピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネー
ト、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリン
ステアレート等の気化性防錆剤(アミン、アミドまたは
イミドの無機酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆効
果が向上する。
【0059】また、磁気記録媒体の磁性層の強度の向上
を目的として磁性塗料中に架橋剤としてポリイソシアネ
ートを配合することができる。
【0060】好ましいポリイソシアネートとしては、た
とえばポリイソシアネート(TDI,MDI等)と活性
水素化合物(低分子ポリオール、ポリアミン、ポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオール等)とからの
NCO基末端プレポリマー[例えば、「コロネートL」
(日本ポリウレタン工業製)、「コロネートHL」(日
本ポリウレタン工業製)等]等が挙げられる。
【0061】バインダーと架橋剤の配合割合は特に限定
されていないが、バインダー100重量部に対して架橋
剤が通常3〜80重量部である。また、架橋反応を促進
させるため、前述のポリウレタン樹脂を製造する際に用
いたものと同様の触媒を適宜配合してもよい。
【0062】磁性塗料に用いられる溶媒としては、エス
テル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系
溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン系
溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルルケトン等)、芳香族炭化水素系溶媒(トル
エン、キシレン等);およびこれらの2種以上の混合溶
媒が挙げられる。これらのうち好ましいものはケトン系
溶媒と芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒である。この
場合、上記溶媒の使用量は、磁性塗料中の固形分含量が
通常20〜80重量%となる範囲である。
【0063】磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の素
材としては、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等);ポリ
オレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン等);セ
ルロース誘導体(セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート、セルロースダイアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート等);ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等);その他のプラスチック(ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等);非磁性
金属類(アルミニウム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを
含む非磁性合金等);セラミック類(ガラス、陶器、磁
器等);オレフィン類(バライタ、ポリエチレン、エチ
レン−ブテン共重合体等)を塗布またはラミネートした
紙等が挙げられる。また、非磁性支持体の形態はフイル
ム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等のい
ずれでもよい。非磁性支持体上に塗布する磁性層の厚さ
は、乾燥膜厚で通常0.1〜50μmである。
【0064】磁気記録媒体(磁気テープ等)を製造する
方法としては、たとえばバインダー、磁性粉、溶媒およ
び必要により添加剤を予めプレミキサー等で混合したの
ち、混合分散機(ボールミル、ペイントコンディショナ
ー、サンドグラインダー、サンドミル、プラストミル
等)で磁性粉を分散させて磁性塗料を作成し、つぎにこ
の磁性塗料を、ドクターブレード法、転写印刷法(グラ
ビア法、リバースロール法等)の方法により非磁性支持
体に塗布後、配向、乾燥、表面加工、切断、巻取り等の
工程を経て磁気記録媒体とする方法が例示できる。
【0065】磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層
(磁性粉およびバインダー等)からなるものが一般的で
あるが、非磁性支持体と磁性層の間に中間層(下塗層、
アンダーコート層)を設けたもの、非磁性支持体の両面
に磁性層を有するもの、磁気特性の異なる磁性層を重積
したもの、磁性層の上に保護層を設けたもの、非磁性支
持体にバックコート層を設けたもの等であってもよい。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下において、「部」は重量部、「%」は重量%を示
す。
【0067】合成例1[第4級アンモニウム・モノメチ
ル炭酸塩(C−1)の製造] 攪拌式オートクレーブにトリエチルアミン1モル、炭酸
ジメチル1モルおよび溶媒としてメタノール2モルを仕
込み、反応温度110℃にて12時間反応させた後、5
0℃、減圧下でメタノールを留去して、メチルトリエチ
ルアンモニウム・モノメチル炭酸塩(C−1)を得た。
【0068】合成例2[第4級アンモニウム・スルファ
ミン酸塩(B−1)の製造] 攪拌機、温度計の付いた加圧反応容器に、スルファミン
酸1モルを水5モルに溶解させ、さらに(C−1)を1
モル加えて発生する炭酸およびメタノールを系外へ排出
させた後、得られた溶液を脱水・乾燥させ、メチルトリ
エチルアンモニウム・スルファミン酸塩(B−1)を得
た。
【0069】合成例3[第4級アンモニウム・スルファ
ミン酸塩基含有ポリオ−ル(B−2)の製造] 攪拌機、温度計の付いた加圧反応容器に、水酸化カリウ
ム0.1モル、(B−1)1モルおよびキシレン600
部を仕込んだ後、この混合液を徐々に加温して130℃
でエチレンオキシド2モルを約10時間かけて圧入し反
応を行った。さらに、プロピレンオキシド8モルを約4
0時間かけて圧入し反応を行った。反応混合物を減圧
下、約100℃で脱溶媒を行い、メチルトリエチルアン
モニウム・スルファミン酸塩基含有ポリオ−ル(B−
2)を得た。該(B−2)の構造は、NMRおよびIR
分析により、[H〔OCH(CH3)CH24OCH2
22NSO3 -・N+CH3(C253であることを確
認した。
【0070】実施例1 攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガ
ス導入管を付した4つ口コルベンに、分子量2,000
のポリカプロラクトンジオール1モル、ネオペンチルグ
リコール4モル、(B−2)0.1モル、1,4−ブタ
ンジオール1モルおよびMDI6モルを仕込み約70℃
で反応させた。上記反応物の粘度が上昇してきたら、M
EK/シクロヘキサノン混合物(重量比1:1)を加
え、固形分30%の第4級アンモニウム・スルファミン
酸塩基含有ポリウレタン樹脂溶液(A−1a)を得た。
該(A−1a)の粘度は1,500cP/25℃、固形
分濃度は30%、GPC法による数平均分子量(ポリス
チレン換算)は20,000であった。また、第4級ア
ンモニウム・スルファミン酸塩基含有量は、樹脂106
g当たり25当量であった。得られたポリウレタン樹脂
溶液(A−1a)をバインダーとして用い、下記組成の
混合物をボールミルで70時間分散し、濾過、脱泡を行
い、磁性塗料(D−1)を得た。 CoーγーFe23微粉末 100部 ポリウレタン樹脂溶液(A−1a) 10部(固形分換算値) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部 ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 75部 トルエン 75部 得られた磁性塗料に硬化剤[「コロネートL」(日本ポ
リウレタン工業製)、トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート3モル付加物]を5部添加し、30
分間混合した。この磁性塗料をポリエステルフィルムに
塗布し(乾燥膜厚5μ)、1000Oeの磁場をかけ、
配向させ、テープを得た。更に、このテープをカレンダ
ーロールで処理し、磁気テープ(E−1)を得た。
【0071】実施例2 攪拌機、温度計およびバックドカラムの付いた反応容器
に、テレフタル酸0.45モルとイソフタル酸0.43
モル、アジピン酸0.12モル、エチレングリコール
0.73モル、ネオペンチルグリコール0.75モルお
よび(B−2)0.02モルをジブチル錫オキサイド
0.1部とともに仕込み、攪拌下140〜220℃でエ
ステル化反応、次いで三酸化アンチモン0.1部を添加
し1mmHg以下の減圧下220〜230℃で縮合を行
い、第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基を有する
ポリエステル樹脂(A−2a)を得た。該(A−2a)
は、GPC法による数平均分子量(ポリスチレン換算)
は16,000であった。また、第4級アンモニウム・
スルファミン酸塩基含有量は、樹脂106g当たり83
当量であった。このポリエステル樹脂(A−2a)を、
実施例1において(A−1a)に代えて同量(樹脂分)
用いた以外は実施例1と同様にして磁性塗料(D−2)
および磁気テープ(E−2)を得た。
【0072】比較例1 攪拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器に、
アジピン酸1モル、イソフタル酸1モル、エチレングリ
コール1.5モル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
0.017モルおよびネオペンチルグリコール1.5モ
ルを加えて、160〜220℃でエステル化を行い、ヒ
ドロキシ価112のポリエステルポリオールを得た。攪
拌機、温度計および環流冷却管の付いた反応容器に、上
記該ポリエステルポリオール1モル、ネオペンチルグリ
コール1モルおよびジフェニルメタンジイソシアネート
2モルを加えて約80℃で反応させた。反応終了時、メ
チルエチルケントンで希釈し、最終固形分30%のスル
ホン酸金属塩基含有ポリウレタン樹脂溶液(A−1b)
を得た。得られたポリウレタン樹脂のスルホン酸金属塩
基含量は、樹脂106g当たり22当量、数平均分子量
は16,000であった。このポリウレタン樹脂(A−
1b)を、実施例1における(A−1a)に代えて同量
(樹脂分)用いた以外は実施例1と同様にして、比較の
磁性塗料(D−3)および磁気テープ(E−3)を得
た。
【0073】比較例2 攪拌機、温度計およびバックドカラムの付いた反応容器
にテレフタル酸0.45モルとイソフタル酸0.43モ
ル、アジピン酸0.12モル、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸0.02モル、エチレングリコール0.73
モルおよびネオペンチルグリコール0.75モルをジブ
チル錫オキサイド0.1部とともに仕込み、攪拌下14
0〜220℃でエステル化反応させ、さらに三酸化アン
チモン0.1部を添加し、1mmHg以下の減圧下22
0〜260℃でエステル化反応を完遂させた。最終的に
得られたスルホン酸金属塩基含有ポリエステル樹脂(A
−2b)は、数平均分子量13,000、スルホン酸金
属塩基含有量は樹脂106g当たり82当量であった。
このポリエステル樹脂(A−2b)を用い、比較例1と
同様にして比較の磁性塗料(D−4)および磁気テープ
(E−4))を得た。
【0074】試験例1 実施例1、2および比較例1、2で得られた磁性塗料の
粘度を測定した。その結果を表1に示す。塗料粘度は、
BL型粘度計[東京計器(株)]を用いて測定した。測
定温度は25℃。数値が小さい程、塗料粘度が低く塗布
時の作業性に優れていることを示す。
【0075】
【表1】
【0076】試験例2 実施例1、2および比較例1、2で得られた磁気テープ
の角形比を測定した。その結果を表2に示す。角形比
は、飽和磁化Bmと残留磁化Brとの比Br/Bmの値
で示した。角形比は、振動試料型磁力計[理研電子工業
(株)製]を用いて測定した。数値が大きいほど電磁変
換特性が優れていることを示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体用バインダーは、
従来のものに比べて下記の効果を有する。 (1)磁性塗料粘度が低いため、塗布時の作業性に優れ
ている。 (2)磁性粉の分散性がよく、電磁変換特性の優れた磁
気記録媒体が得られる。 (3)非磁性支持体に対する密着性に優れている。 上記効果を奏することから、本発明のバインダーは、た
とえばオーディオ用テープ、ビデオ用テープ、コンピュ
ータ用テープ、データーレコーダ用テープ、ビデオシー
ト、メタルテープ、メタルディスク、磁気カード等の磁
気記録媒体の製造に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 5/702 G11B 5/702

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオールと有機ポリイソシアネートと
    の反応により得られるポリウレタン樹脂を含有してなる
    磁気記録媒体用バインダーにおいて、該ポリウレタン樹
    脂が、該ポリオールの一部または全部を第4級アンモニ
    ウム・スルファミン酸塩基(B)含有ポリオールで置き
    換えることにより得られ、下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはNを介して
    複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数
    1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    または下記一般式(2) 【化2】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはNを介して
    複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数
    1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    で示される第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基
    (B)を有することを特徴とする磁気記録媒体用バイン
    ダー。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂を含有してなる磁気記
    録媒体用バインダーにおいて、該ポリエステル樹脂が、
    第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基(B)含有ポ
    リオールおよび必要により他のグリコールと多価カルボ
    ン酸との重縮合反応により得られ、下記一般式(1) 【化3】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはNを介して
    複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数
    1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    または下記一般式(2) 【化4】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはNを介して
    複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数
    1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    で示される第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基
    (B)を有することを特徴とする磁気記録媒体用バイン
    ダー。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) 【化5】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはNを介して
    複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数
    1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    または下記一般式(2) 【化6】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはNを介して
    複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数
    1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    で示される第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基
    (B)を分子側鎖に有するポリアクリル樹脂および塩化
    ビニル系共重合体樹脂からなる群より選ばれる少なくと
    も1種の樹脂を含有してなる磁気記録媒体用バインダ
    ー。
  4. 【請求項4】 該樹脂中の第4級アンモニウム・スルフ
    ァミン酸塩基(B)の含有量が該樹脂106g当たり1
    〜1000当量である請求項1〜3のいずれか記載の磁
    気記録媒体用バインダー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載のバインダ
    ーを含有してなる磁性層を有する磁気記録媒体。
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